特許第6017567号(P6017567)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6017567タウロリジン及びプロタミンの組み合わせに基づく広域スペクトル抗菌性組成物並びにこのような組成物を含む医療用具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017567
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】タウロリジン及びプロタミンの組み合わせに基づく広域スペクトル抗菌性組成物並びにこのような組成物を含む医療用具
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/16 20060101AFI20161020BHJP
   A61K 31/54 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 47/34 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20161020BHJP
   A61K 47/42 20060101ALI20161020BHJP
   A61L 17/00 20060101ALI20161020BHJP
   A61L 29/00 20060101ALI20161020BHJP
   A61L 15/32 20060101ALI20161020BHJP
   A61L 15/20 20060101ALI20161020BHJP
   A61L 31/00 20060101ALI20161020BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20161020BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   A61K37/08
   A61K31/54
   A61K47/32
   A61K47/34
   A61K47/38
   A61K47/36
   A61K47/42
   A61L17/00
   A61L29/00 Z
   A61L15/32 100
   A61L15/20 100
   A61L31/00 B
   A61L31/00 Z
   A61P43/00 121
   A61P31/04ZNA
【請求項の数】73
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-533672(P2014-533672)
(86)(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公表番号】特表2014-528954(P2014-528954A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】US2012057258
(87)【国際公開番号】WO2013049149
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年7月6日
(31)【優先権主張番号】13/248,290
(32)【優先日】2011年9月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512080321
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】プリーベ・ヨルグ
(72)【発明者】
【氏名】ミン・シンティエン
【審査官】 六笠 紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−527335(JP,A)
【文献】 特開2001−247480(JP,A)
【文献】 米国特許第05428050(US,A)
【文献】 特表2009−528360(JP,A)
【文献】 特開2002−336362(JP,A)
【文献】 Food Microbiology,1994年,11,p.417-427
【文献】 Manuf. Chem. ,1995年,66(9) ,p.34-35
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00−38/58
A61K 31/00−33/44
WPI
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌性組成物であって、
約50重量%〜約99重量%のタウロリジンと、
約1重量%〜約50重量%のプロタミンと、を含む、抗菌性組成物。
【請求項2】
前記プロタミンがプロタミン塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
溶媒を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記溶媒が、水、水/エタノール、及び水/イソプロパノールからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
約70重量%〜約90重量%のタウロリジンと、
約10重量%〜約30重量%のプロタミンと、を含む、請求項1に記載の抗菌性組成物。
【請求項8】
前記プロタミンがプロタミン塩を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
抗生物質を更に含む、請求項1に記載の抗菌性組成物。
【請求項12】
前記抗生物質が、アミノ配糖体、カルバペネム、セファロスポリン、グリコペプチド、マクロライド、リンコサミド、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、及びテトラサイクリンからなる群から選択される、請求項11に記載の抗菌性組成物。
【請求項13】
前記抗生物質が、ゲンタマイシン、イミペネム、セファゾリン、バンコマイシン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、アンピシリン、ポリミキシンB、レボフロキサシン、及びミノサイクリンからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
タウラルタム、シクロタウロリジン、シラグ61、及びノキシフレックスSからなる群から選択される抗菌剤を更に含む、請求項1に記載の抗菌性組成物。
【請求項15】
医療用具用の抗菌性コーティング組成物であって、
抗菌性組成物であって、
約50重量%〜約99重量%のタウロリジンと、
約1重量%〜約50重量%のプロタミンと、を含む、抗菌性組成物と、
溶媒と、を含む、抗菌性コーティング組成物。
【請求項16】
前記溶媒が、水、水/エタノール、及び水/イソプロパノールからなる群から選択される、請求項15に記載の抗菌性コーティング組成物。
【請求項17】
前記プロタミンがプロタミン塩を含む、請求項15に記載の抗菌性コーティング組成物。
【請求項18】
前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、請求項17に記載の抗菌性コーティング組成物。
【請求項19】
前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、請求項18に記載の抗菌性コーティング組成物。
【請求項20】
前記抗菌性組成物が、
約70重量%〜約90重量%のタウロリジンと、
約10重量%〜約30重量%のプロタミンと、
高分子結合剤と、を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項21】
前記プロタミンがプロタミン塩を含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
抗生物質を更に含む、請求項15に記載の抗菌性コーティング組成物。
【請求項25】
前記抗生物質が、アミノ配糖体、カルバペネム、セファロスポリン、グリコペプチド、マクロライド、リンコサミド、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、及びテトラサイクリンからなる群から選択される、請求項24に記載の抗菌性コーティング組成物。
【請求項26】
前記抗生物質が、ゲンタマイシン、イミペネム、セファゾリン、バンコマイシン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、アンピシリン、ポリミキシンB、レボフロキサシン、及びミノサイクリンからなる群から選択される、請求項24に記載の抗菌性コーティング組成物。
【請求項27】
前記抗菌性組成物が、タウラルタム、シクロタウロリジン、シラグ61、及びノキシフレックスSからなる群から選択される抗菌剤を更に含む、請求項15に記載の抗菌性コーティング組成物。
【請求項28】
高分子結合剤を更に含む、請求項15に記載の抗菌性コーティング組成物。
【請求項29】
前記高分子結合剤が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルでんぷん、ヒドロキシプロピルでんぷん、デキストラン、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン共重合体、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリヒドロキシ酸、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、合成及び天然オリゴ及びポリアミノ酸、ポリホスファゼン、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリリン酸塩、ポリホスホネート、ポリアルコール、多糖類、ポリエーテル、ポリアミド、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、それらの重合性物質の共重合体、再吸収性ガラス、フィブリン、コラーゲン、アルブミン、非分解性高分子、ポリアルケン、ポリプロピレン、ポリエチレン、部分ハロゲン化ポリオレフィン、完全ハロゲン化ポリオレフィン、フッ素化ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリシリコーン、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリイミド、非分解性多糖類、バクテリアセルロース、及びそれらの重合性物質の共重合体からなる群から選択される、請求項28に記載の抗菌性コーティング組成物。
【請求項30】
コーティングされた医療用具であって、
少なくとも1つの表面を有する医療用具と、
前記表面の少なくとも一部分上の抗菌性コーティングと、を含み、前記コーティングが、
約50重量%〜約99重量%のタウロリジンと、
約1重量%〜約55重量%のプロタミンと、を含む、コーティングされた医療用具。
【請求項31】
前記用具が、外科用縫合糸、外科用縫合針、メッシュ、カテーテル、ステープル、鋲、ステント、テープ、クリップ、プレート、ネジ、縫合糸アンカー、整形外科用インプラント、組織工学基材、組織修復織物、乳房インプラント、外科用発泡体、パウチ、心臓弁、縫合リング、ペースメーカ、及び包帯からなる群から選択される、請求項30に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項32】
前記用具が、高分子、金属、セラミック、複合材料、生体材料、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項30に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項33】
前記プロタミンがプロタミン塩を含む、請求項30に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項34】
前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、請求項33に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項35】
前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、請求項34に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項36】
前記抗菌性コーティングが、
約70重量%〜約90重量%のタウロリジンと、
約10重量%〜約30重量%のプロタミンと、を含む、請求項30に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項37】
前記プロタミンがプロタミン塩を含む、請求項36に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項38】
前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、請求項37に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項39】
前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、請求項38に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項40】
前記抗菌性コーティングが抗生物質を更に含む、請求項30に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項41】
前記抗生物質が、アミノ配糖体、カルバペネム、セファロスポリン、グリコペプチド、マクロライド、リンコサミド、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、及びテトラサイクリンからなる群から選択される、請求項40に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項42】
前記抗生物質が、ゲンタマイシン、イミペネム、セファゾリン、バンコマイシン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、アンピシリン、ポリミキシンB、レボフロキサシン、及びミノサイクリンからなる群から選択される、請求項41に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項43】
前記抗菌性コーティングが、タウラルタム、シクロタウロリジン、シラグ61、及びノキシフレックスSからなる群から選択される抗菌剤を更に含む、請求項30に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項44】
前記抗菌性コーティングが高分子結合剤を更に含む、請求項30に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項45】
前記高分子結合剤が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルでんぷん、ヒドロキシプロピルでんぷん、デキストラン、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン共重合体、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリヒドロキシ酸、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、合成及び天然オリゴ及びポリアミノ酸、ポリホスファゼン、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリリン酸塩、ポリホスホネート、ポリアルコール、多糖類、ポリエーテル、ポリアミド、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、それらの重合性物質の共重合体、再吸収性ガラス、フィブリン、コラーゲン、アルブミン、非分解性高分子、ポリアルケン、ポリプロピレン、ポリエチレン、部分ハロゲン化ポリオレフィン、完全ハロゲン化ポリオレフィン、フッ素化ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリシリコーン、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリイミド、非分解性多糖類、バクテリアセルロース、及びそれらの重合性物質の共重合体からなる群から選択される、請求項44に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項46】
医療用具のコーティング方法であって、
少なくとも1つの表面を有する医療用具を提供する工程と、
前記表面の少なくとも一部分を抗菌性コーティング組成物でコーティングする工程と、を含み、前記コーティングが、
約50重量%〜約99重量%のタウロリジンと、
約1重量%〜約50重量%のプロタミンと、を含む、コーティング方法。
【請求項47】
前記プロタミンがプロタミン塩を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記コーティングが溶媒を更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記溶媒が、水、水/エタノール、及び水/イソプロパノールからなる群から選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記抗菌性コーティング組成物が、
約70重量%〜約90重量%のタウロリジンと、
約10重量%〜約30重量%のプロタミンと、を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
前記プロタミンがプロタミン塩を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記抗菌性コーティング組成物が抗生物質を更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項57】
前記抗生物質が、アミノ配糖体、カルバペネム、セファロスポリン、グリコペプチド、マクロライド、リンコサミド、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、及びテトラサイクリンからなる群から選択される、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記抗菌性コーティング組成物が、タウラルタム、シクロタウロリジン、シラグ61、及びノキシフレックスSからなる群から選択される抗菌剤を更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項59】
前記抗菌性コーティング組成物が高分子結合剤を更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項60】
前記高分子結合剤が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルでんぷん、ヒドロキシプロピルでんぷん、デキストラン、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン共重合体、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリヒドロキシ酸、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、合成及び天然オリゴ及びポリアミノ酸、ポリホスファゼン、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリリン酸塩、ポリホスホネート、ポリアルコール、多糖類、ポリエーテル、ポリアミド、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、それらの重合性物質の共重合体、再吸収性ガラス、フィブリン、コラーゲン、アルブミン、非分解性高分子、ポリアルケン、ポリプロピレン、ポリエチレン、部分ハロゲン化ポリオレフィン、完全ハロゲン化ポリオレフィン、フッ素化ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリシリコーン、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリイミド、非分解性多糖類、バクテリアセルロース、及びそれらの重合性物質の共重合体からなる群から選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記医療用具が、外科用縫合糸、外科用縫合針、メッシュ、カテーテル、ステープル、鋲、ステント、テープ、クリップ、プレート、ネジ、縫合糸アンカー、整形外科用インプラント、組織工学基材、乳房インプラント、外科用発泡体、パウチ、心臓弁、縫合リング、ペースメーカ、及び包帯からなる群から選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項62】
前記医療用具が、高分子、金属、セラミック、複合材料、生体材料、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項46に記載の方法。
【請求項63】
トリクロサン、銅(Cu)、銀(Ag)、ナノシルバー、金(Au)、セレン(Se)、ガリウム(Ga)、N−クロロタウリン、及びリステリン(Listerine)(登録商標)化合物からなる群から選択される抗菌物質を更に含む、請求項に記載の抗菌性組成物。
【請求項64】
医療用具を製造するための高分子樹脂組成物であって、
高分子樹脂と、
抗菌性組成物と、を含み、前記抗菌性組成物が、
約50重量%〜約99重量%のタウロリジンと、
約1重量%〜約50重量%のプロタミンと、を含む、高分子樹脂組成物。
【請求項65】
前記プロタミンがプロタミン塩を含む、請求項64に記載の樹脂組成物。
【請求項66】
前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、請求項65に記載の樹脂組成物。
【請求項67】
前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、請求項66に記載の樹脂組成物。
【請求項68】
前記組織修復織物が、メッシュ、織布、不織布及びテープからなる群から選択される、請求項31に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項69】
前記高分子が、ポリヒドロキシ酸、ポリアルケン、ポリシリコーン、フッ素化ポリオレフィン、フィブリン、及びコラーゲンからなる群から選択される、請求項32に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項70】
前記用具が植え込み式である、請求項30に記載のコーティングされた医療用具。
【請求項71】
前記用具が植え込み式である、請求項46に記載の方法。
【請求項72】
前記組成物が植え込みに好適である、請求項1に記載の組成物。
【請求項73】
前記コーティングが、植え込み式医療用具への適用に好適である、請求項15に記載の抗菌性コーティング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、EFS−ウェブを介してASCIIフォーマットで提出された配列表を含み、その全体は、参照文献として本願に援用されるものである。2013年1月8日に作成された前記ASCIIコピーは、「ETH562WO.txt」というファイル名で、サイズは3,742バイトである。
本発明が関連する技術分野は、抗菌性組成物、より具体的には医療用具に使用するためのタウロリジン及びプロタミンの組み合わせである。
【背景技術】
【0002】
院内感染は、医療提供者及び患者の重大な関心事である。比較的日常的な外科手術は、患者が手術部位で感染すると、原因となる外科手術が成功したとしても、健康に致命的な結果をもたらすことがある。病院及び医療提供者は、院内感染の発生率を減らすために感染制御並びに予防プロトコル及び予防措置を定めている。これらには、手術室内の滅菌野、器具の滅菌手順、更衣及び手袋、HEPAフィルタ処理空気流、手術開始前の手術部位周辺の患者の皮膚の抗菌的拭き取り、洗浄プロトコルなどが含まれる。ただし、このような手順及びプロトコルにもかかわらず、外科的状況で医療用具を使用する場合は常に、医療用具自体がその包装での提供時に無菌であっても、感染のリスクを生じる。感染のリスクは、体組織及び体液と密接に接触した状態で病原体の侵入口を形成する、静脈内カテーテル、動脈グラフト、髄腔内又は大脳内シャント、メッシュ、縫合糸、シーラント、及び補装具などの侵襲性又は植え込み式の医療用具において飛躍的に高まる。手術部位感染の発生は、医療用具上でコロニーを形成してバイオフィルムを形成する細菌に関連することが多い。例えば、外科手術中に、周囲環境由来の細菌は、手術部位周辺の無菌でない領域に入り、患者に接触する又は患者に植え込みされる医療用具に付着することがある。細菌は、その後、周囲の組織への経路として、植え込みされた医療用具を用いる場合がある。このような医療用具上での細菌のコロニー形成は、感染を導き、罹患及び死亡を招く恐れがある。
【0003】
侵襲性又は植え込み式の医療用具に伴う感染のリスクを減らすために、医療用具中又は医療用具上に抗菌剤を組み込む多数の方法が開発されており、例えば、このような薬剤を含む抗菌性コーティング又は配合高分子材料が挙げられる。このような用具は、望ましくは、十分に有効な濃度の抗菌剤を提供し、用具配置後の一定期間、患者に入った恐れがあるいずれの細菌汚染も防止し、例えば、処置が困難なバイオフィルムの形成を阻害する。植え込み式医療用具で使用されてきた従来の抗菌性組成物には、トリクロサン、銀、及びグルコン酸クロルヘキシジンが挙げられ、更にリファンピン、ミノサイクリン、クリンダマイシン、及びゲンタマイシンなどの抗生物質も挙げられる。ただし、この目的での抗生物質の使用は、抗生物質耐性に関する懸念を引き起こすことは理解されるべきである。このような耐性は、通常、抗生物質ではない抗菌物質には存在しない。
【0004】
医療用具の処理に使用するための抗菌性組成物は、当該技術分野において既知である。組成物は、従来のコーティング方法で用具に適用されてもよく、又は用具の製造に使用される高分子組成物中にコンパウンド化されてもよい。ただし、体内に植え込みされる用具と、体内組織及び体液と限定的に接触することがある用具との間には、明確な違いがある。植え込み用に設計されていない用具で有用である有効な抗菌性組成物の毒性が、その抗菌物質の植え込み式医療用具中又は用具上での使用を妨げることがある。これは、相応に大きな表面積を有する大きなインプラントに特に当てはまる。
【0005】
外科用メッシュなどの大型の抗菌性植え込み用具の製造に関する特定の一課題は、植え込み後に細菌のコロニー形成からインプラントを保護するために十分な抗菌性組成物の安全かつ有効な量を適用すると同時に、患者に有害な副作用をもたらさず、用具の機能性を維持することに関する。タウロリジンは、安全な内服(インビボ)使用の歴史がある穏やかな抗菌剤であることが知られており、したがって植え込み式医療用具で安全に使用される可能性を有する。植え込み式医療用具上又は植え込み式医療用具中でのタウロリジンの使用に伴う一課題は、効果を生じるために通常必要な抗菌性組成物の量の多さである。これは、用具の外観(例えば、まだらになる)及び取り扱い(例えば、可撓性)などの、用具のいくつかの機能面に影響を及ぼすことがある。更に、大量の任意の抗菌物質は、植え込み後にいくらかの毒作用を有することがある。毒性の程度は、用具上又は用具中に存在する抗菌物質の数又は量と相関していることが多い。
【0006】
タウロリジンの使用は、カテーテル、つまり流体ロックに伴うことが多い。硫酸プロタミンも、凝固阻止剤としてこのようなロックで使用されることが知られている。凝固阻止剤は、多くの場合に明白な理由で禁忌であるため、このような使用は、長期植え込みされる医療用具を意図していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、向上した抗菌性能を有しつつ、低減された量の組成物を使用する、植え込み式医療用具で使用するための新規の改良された安全かつ有効な抗菌性組成物が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、新規の抗菌性組成物を開示する。抗菌性組成物は、植え込み式医療用具で有用である。組成物は、約50重量%〜約99重量%のタウロリジン及び約1重量%〜約50重量%のプロタミン又はプロタミン塩で構成される。
【0009】
本発明の別の態様は、上記の抗菌性組成物でコーティングされた表面の少なくとも一区分又は部分を有する医療用具である。好ましい実施形態では、医療用具は植え込み式である。
【0010】
本発明の更に別の態様は、上記の抗菌性組成物を含む抗菌性コーティング組成物である。コーティング組成物は、植え込み式医療用具で特に有用である。
【0011】
本発明の更にまた別の態様は、医療用具の表面の少なくとも一区分又は部分を上記の抗菌性組成物又は抗菌性コーティング組成物でコーティングする方法である。この方法は、植え込み式医療用具で特に有用である。
【0012】
本発明の更なる態様は、高分子樹脂及び上記の抗菌性組成物の組み合わせから製造される医療用具である。好ましい実施形態では、用具は植え込み式である。
【0013】
本発明のこれらの並びに他の特徴及び利点は、以下の説明文及び添付図面からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】黄色ブドウ球菌に対するインビトロ有効性アッセイによるタウロリジン及び硫酸プロタミンの相乗効果を示すグラフである。
図2】大腸菌に対するインビトロ有効性アッセイによるタウロリジン及び硫酸プロタミンの相乗効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で使用するとき、植え込み式医療用具という用語は、その従来の意味を有すると定義され、ヒト又は動物の被験体内に挿入又は植え込みするための生体適合性材料から製造される任意の用具又はインプラントを指し、例えば、ステント(例えば、冠状動脈ステント、血管ステント(例えば、抹消ステント及びグラフトステント)、尿路ステント、尿道/前立腺ステント、直腸ステント、食道ステント、胆管ステント、及び膵臓ステント)、外科用縫合糸、外科用縫合針、メッシュ、電極、カテーテル、リード、植え込み式ペースメーカ、電気除細動器若しくは除細動器のハウジング、ジョイント、ネジ、ロッド、眼用インプラント、大腿骨ピン、骨プレート、グラフト、吻合器、脈管周囲ラップ、縫合糸、ステープル、水頭症用シャント、透析グラフト、結腸瘻バッグ取付用具、耳用ドレナージチューブ、ペースメーカ並びに植え込み式電気除細動器及び除細動器用リード、脊椎ディスク、骨ピン、縫合糸アンカー、止血バリア、クランプ、ネジ、プレート、クリップ、血管インプラント、組織接着剤及び封止剤、組織足場、各種包帯(例えば、創傷包帯)、骨代替物、管腔内装置、血管支持体など、及びそれらの同等品が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
植え込み式医療用具は、任意の好適な従来の生体適合性材料から形成されてもよく、これには例えば、高分子(安定又は不活性高分子、有機高分子、有機−無機共重合体、無機高分子、及び生分解性高分子など)、金属、合金、無機材料、例えば、シリコン、ガラス、及びこれらの複合材料、例えば、1つの材料のコアと1つ以上の異なる材料のコーティングとを有する層状構造が挙げられるが、これらに限定されない。材料は、生体吸収性、部分的生体吸収性、又は非吸収性であってもよい。本明細書で使用するとき、生体吸収性という用語は、その従来の意味を有し、本質的に3年未満で植え込み位置から吸収される高分子材料であると定義される。その点で、生体吸収性高分子は、主鎖又は側鎖が、代謝される及び/又は体外排出されるより低分子量の高分子に分解か、溶解する、生分解性であってもよい。
【0017】
生体吸収性高分子には、例えば、ポリエーテル、例えば、ポリエチレングリコール若しくはポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリジン(polyvinylpyrroldine)、ポリビニルアルコール(polyvinylalkohol)、ポリヒドロキシ酸、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、合成及び天然オリゴ及びポリアミノ酸、ポリホスファゼン、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリリン酸塩、ポリホスホネート、ポリアルコール、多糖類、ポリエーテル、ポリアミド、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、それらの重合性物質の共重合体、及び再吸収性バイオガラスなどの、従来の生体適合性の生体吸収性高分子が挙げられ得るが、これらに限定されない。非吸収性高分子には、例えば、ポリアルケン、ポリプロピレン、ポリエチレン、部分ハロゲン化ポリオレフィン、完全ハロゲン化ポリオレフィン、フッ素化ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリシリコーン、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリイミド、非分解性多糖類、例えば、セルロース、バクテリアセルロース、及びそれらの重合性物質の共重合体などの、従来の生体適合性高分子が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0018】
本発明の抗菌性組成物の成分には、メチロール含有化合物が含まれ、これには例えば、タウロリジン及びプロタミン、又は好ましくは硫酸プロタミン若しくは塩酸プロタミン(protamine hydrochoride)などの特定のプロタミン塩が挙げられ、任意に溶媒又はコーティング溶液中に存在する。
【0019】
「メチロール含有化合物」又は「メチロール転移剤」とは、生理学的条件下でメチロール分子を含有する、又は生成し得る化合物を意味する。メチロール含有化合物は、R−CH2−OH基を有することを特徴とし、Rは、アルキル、アリール、又はヘテロ基である。本発明は、R−CH2−OH構造を含む化合物を生成し得る、又はそれに変換され得る、化合物の使用も含む。
【0020】
タウロリジン(ビス(1,1−ジオキソペルヒドロ−1,2,4−チアジアジニル−4)−メタン)は、アミノ酸タウリンの誘導体であり、抗菌性を有する。タウロリジンは、細菌細胞の壁構造との化学反応により作用すると考えられる。化合物の作用を受けた細菌は死に、放出された毒素は不活性化される。タウロリジンは、40g/日を超える全身投与量及び最大300g及びそれ以上の累積投与量で安全かつ十分に耐性があることが示されている。タウロリジンは、腹膜炎の患者の治療に使用され、中心静脈カテーテル関連の感染防止用にカテーテルロック溶液として使用されている。医療用具上に使用される他の既知の抗菌性組成物と比べて、タウロリジンの抗菌性は、比較的弱く、したがって効果を得るためにより多くの投薬が必要である。特定の医療用具上で効果を得るために必要なタウロリジンの量が安全で生体適合性であり得るとしても、このような比較的高用量を含む医療用具上のコーティングの物理的特性は、悪影響を受けることがある。したがって、タウロリジンを医療用具上で使用するために、抗菌剤量を減らした極めて有効な組成物が必要とされる。タウラルタム(38668−01−8)、シクロタウロリジン(220928−22−3)などのタウロリジン様化合物、又はシラグ61(531−18−0)若しくはノキシフレックスS(15599−39−0)などの同様に作用する分子を、本発明の実施に際してタウロリジンの代わりに又はタウロリジンと組み合わせて使用してもよい。
【0021】
プロタミンは、低分子量のアルギニンリッチ高カチオン性ペプチドである。プロタミンは、特定の魚の精子中で核酸と化合した状態で発見され、ヘパリンを中和する特性を有する。硫酸プロタミンは、通常、特定の外科手術中に投与される大量のヘパリンの性質を変えるために投与される。プロタミンは、その遊離形及び塩の形でも使用され得る。本発明の実施に際して有用な好適なプロタミンは、例えば、硫酸プロタミン又は塩酸プロタミンである。本発明の実施に際して、医薬品グレード承認プロタミン(USPグレード)供給源を使用することが好ましい。
【0022】
プロタミンは、ペプチドの混合物としても使用される。Hvass(2005年)のHvass A and Skelbaek−Pedersen B,J.Pharm Biomed Anal 37(3):551〜7(2005)によると、市販のプロタミンは、通常、硫酸塩として得られ、インシュリン製剤では、サケ科の魚由来のサルミンプロタミンが一般に使用される。サルミンプロタミンは、塩基性アミノ酸のアルギニンが1つだけ存在するため、モノプロタミンとして分類され得る。サルミンプロタミン中の窒素含有物質のほぼ全体を構成する4つの主要ペプチドは、完全に特性が示されている。
【0023】
Block(1937年)のYale J Biol Med.1937 May;9(5):445〜503
によると、プロタミンは、その主要又は塩基性アミノ酸の内容によって次の4つの群に分けられている。
(1)アルギニンのみ(モノプロタミン)
(2)アルギニン及びリシン(ジプロタミン)
(3)アルギニン及びヒスチジン(ジプロタミン)
(4)アルギニン、ヒスチジン、及びリシン(トリプロタミン)
【0024】
有用なプロタミン及びその加水分解物又はフラグメントの例を以下に記載する。
−加水分解プロタミン(1030905−03−3、配列:1 RRRRGGRRRR)(配列番号:1)
−低分子量プロタミン(121052−30−0、配列長:14、配列:1 VSRRRRRRGG RRRR)(配列番号:2)
−低分子量プロタミン(756860−86−3、配列長:6、配列:1 PRRRRR)(配列番号:3)
−低分子量プロタミン(756860−88−5、配列長:13、配列:1 ASRRRRRGGR RRR)(配列番号:4)
−低分子量プロタミン(1115247−45−4、配列長:10、配列:1 PRRRRSSPPR)(配列番号:5)
−ステリン(Stelline)C(142847−28−7、配列長:26、
配列:1 RRRRRHASTK LKRRRRRRRH GKKSHK)(配列番号:6)
−プロタミン1a(ニジマス精巣)(78473−81−1、配列長:30、配列:1 PRRRRASRRV RRRRRPRVSR RRRRGGRRRR)(配列番号:7)
−プロタミン(ラット還元精子)(119370−87−5、配列長:50、配列:1 ARYRCCRSKS RSRCRRRRRR CRRRRRRCCR RRRRRCCRRR RSYTFRCKRY)(配列番号:8)
1プロタミンSt1(ウマ還元精子)(110616−21−2、配列長:49、配列:ARYRCCRSQS QSRCRRRRRR RCRRRRRRSV RQRRVCCRRY TVLRCRRRR)(配列番号:9)
−プロタミン(ヨーロピアンシーバス)(147414−03−7、配列長:34、
配列:
1 PRRRRQASRP VRRRRRTRRS TAERRRRRVV RRRR)(配列番号:10)
−エクモリン(Ecmolin)(8001−16−9)トリプロタミン
−抗ヘパリン剤として作用する追加のプロタミン様分子、例えば、ポリブレン、テルリプレシン、ロミプロスチム、エルトロンボパグ、又は濃縮DNA、例えば、ポリアルギニン、ポリリシン、並びにプロタミン型及びヒストン型を共に有する精子核塩基性タンパク質(SNBP)の群である最終的なプロタミン様タンパク質若しくはプロタミン様ペプチド。プロタミン様SNBPは、リシン及びアルギニンのアミノ酸が共にリッチである塩基性タンパク質からなる最も構造的に不均一な群を表す。追加のプロタミン様ペプチドは、米国特許第5614494号により、総カチオン電荷がn−プロタミンのそれより低い合成プロタミン様ポリカチオン性ペプチドとして記載されていることがある。
−追加のプロタミン様分子は、サーフェン(Surfen)(ジヒドロクロライド(dihrochloride)5424−37−3又はベース3811−56−1)、任意に微量の亜鉛(zink)を有するグロビンなどの、持続性インスリン製剤の場合に同じ作用様式を有することがある。
【0025】
本発明の抗菌性組成物中のタウロリジン及びプロタミンの量は、いずれも有意な毒性濃度を示すことなく有効な抗菌活性を提供するのに十分であるであろう。一般的に、抗菌性組成物中に存在するタウロリジンの量は、約50重量%〜約99重量%、より一般的には約60重量%〜約90重量%、好ましくは約70重量%〜約90重量%であるであろう。抗菌性組成物中に存在するプロタミン又はプロタミン塩の量は、一般的に約1重量%〜約50重量%、より一般的には約5重量%〜約50重量%、好ましくは約10重量%〜約50重量%であるであろう。
【0026】
本発明の抗菌性組成物は、医療用具で使用され、様々な方法で抗菌効果を提供することができる。組成物は、コーティング組成物中に含まれてもよく、浸漬、はけ塗り、及び噴霧などの従来のコーティング方法を使用して医療用具の表面上にコーティングされてもよい。また、抗菌性組成物は、他の従来の方法で医療用具中に組み込まれてもよく、例えば、樹脂中にコンパウンド化した後、得られたコンパウンド樹脂から医療用具を押出成形又は成形する方法が挙げられる。
【0027】
従来の手法及び方法を使用して、本発明の組成物及びコーティングを医療用具及びインプラントの表面上に適用してもよい。手法には、ディップコーティング、噴霧、射出(溶媒噴射)適用、膨潤、焼結を伴う粉末コーティング、射出成形、及びプラズマ又はレーザー蒸着コーティングなどが挙げられるが、これらに限定されない。前述したように、必要に応じて、本発明の抗菌性組成物を高分子材料にコンパウンド化又は配合してもよく、その後、コンパウンド化物又は配合物として固体又は半固体の形態で顆粒又は粉末として使用される。このような高分子コンパウンド化物又は配合物は、その後、従来の方法で処理されてもよく、例えば、タブレットへの圧縮、押出成形、射出成形などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
好ましい一実施形態では、本発明の抗菌性コーティングは、液体コーティング組成物として適用される。液体コーティング組成物は、通常、1つ以上の液体溶媒又はキャリアを使用するが、適用によっては異なる溶媒系を使用してもよい。
【0029】
本発明の抗菌性コーティング組成物中に任意に含まれる従来の溶媒には、注射用水、エタノール/水混合物、イソプロパノール水混合物、グリセロール/水混合物、タンパク質溶液、並びに血液及び血清が挙げられるが、これらに限定されない。必要に応じて、コーティング組成物として使用するとき、本発明の抗菌性組成物中に追加の従来の生体適合性成分を含んでもよく、これには例えば、界面活性剤、増粘剤、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルでんぷん、ヒドロキシプロピルでんぷん、デキストラン、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン共重合体、ポリエトキル化ヒマシ油など、及びそれらの組み合わせが挙げられる。本発明の抗菌性コーティングは、本発明の抗菌性組成物の十分な量を含み、有意な毒性濃度を示すことなく、有効な抗菌効果を提供するであろう。例えば、コーティング組成物中に含まれる本発明の抗菌性組成物の量は、一般的に約0.1重量%〜約10重量%、より一般的には約2重量%〜約4.5重量%、好ましくは約2重量%であり、残りは溶媒及び他の任意の添加物であろう。当業者は、これらの量が、いくつかの要因、例えば、医療用具の寸法及び形状、植え込みされる用具の体内の場所、植え込みされる用具の組成、患者の年齢及び体重、インプラントが患者の体内に残るであろう期間、インプラントの表面積などによって異なり得ることを理解するであろう。
【0030】
抗菌性コーティング組成物中で本発明の抗菌性組成物を使用するとき、コーティング組成物を従来の方法で調製してもよい。例えば、抗菌性組成物の必要量は、以下の方法で従来の混合容器内で溶媒と混合される。好適な従来の容器を、磁石撹拌バー又はパドル撹拌器などの撹拌装置と共に提供する。溶媒又は溶媒混合物を容器に加え、プロタミン又はプロタミン塩(例えば、硫酸プロタミン)の規定量を撹拌しながら容器に加える。必要な場合又は必要なときに混合物を加温し、タウロリジンの規定量を加える。必要なときに任意の追加の溶媒/溶媒混合物を加え、前記混合物の最終濃度を調整する。当業者は、樹脂、界面活性剤、色素などの、追加の従来の生体適合性成分をコーティング組成物に添加できることを理解するであろう。
【0031】
注射用又は腹腔内洗浄などの内用向けには、基本的に、リンゲル、等張性NaCl、又はブドウ糖などの水性系が好ましい。pHは、HCl、H2SO4、又はリン酸を使用してpH 5〜7に調整され得る。PVP、HES、又はCMCなどの粘性増強剤を任意に添加してよい。メチル−4−ヒドロキシベンゾエート又はプロピル−4−ヒドロキシベンゾエートなどの許容可能な注射用保存剤を添加してもよい。このような溶液を使用して、使用直前に植え込み式医療用具を浸漬又は洗浄若しくはすすぎにより処理してもよい。
【0032】
適用によっては、1つ以上の化合物を分散して使用してもよい。ヘパリン/プロタミン粒子は、Mori(2010年)のMori et al.(2010),Mori Y,Nakamura S,Kishimoto S,Kawakami M,Suzuki S,Matsui T,Ishihara M,International Journal of Nanomedicine Vol 5,147〜155(2010)に従って、タウロリジンの存在下で、又は別の工程でタウロリジンを添加することにより、調製され得る。
【0033】
局所適用向けには、溶液に必要な場合、例えば、エタノール又はイソプロパノールなどのアルコールの特定量、好ましくは40%(v/v)未満のアルコール成分を、プロタミンの凝集を生じさせずに添加してもよい。注射用水の他には、pH調整のための塩酸、マクロゴール4000、及びNaClが好ましい。追加の成分には、(3−アミドプロピルココエート)ジメチルアンモニウムアセテート、Dグルコン酸ナトリウム、グリセロール85%、塩化ナトリウム、及び精製水が任意に挙げられる。
【0034】
硫酸プロタミン溶液1%は、ラバセプト濃縮液(20%ポリヘキサニド及び1%マクロゴール4000)又はオクテニセプトと1:9〜1:1の割合で相容することができる。タウロリジンは、2%タウロリジンの最終濃度を与えるように混合液に溶解され得る。
【0035】
包装前に植え込み式医療用具をコーティングして、本発明のコーティングされた用具を提供するために、望ましい結果、コーティング方法、用途などに応じて、本発明の抗菌性組成物を含む数種類のコーティング溶液を使用することができる。結合剤を含まない、又はPVP、PEG、CMC、HES、デキストラン、プルロニック、クレモフォアなどの水溶性結合剤を含む、コーティング組成物が使用され、タウロリジン/プロタミンの水性混合液から作製され得る。2重量%を超えるタウロリジンのコーティング濃度が必要な場合、タウロリジンを90/10〜70/30のアセトン/水に最大4重量%で溶解することができ、その後、インプラントを最初にタウロリジンでコーティングする。PLA又はPLGAなどの高分子結合剤が必要な場合、高分子をアセトン/水混合液に更に溶解することができる。第2の工程で、基本的に水系のプロタミン溶液をコーティングする。コーティング工程を入れ替えてもよく、間に乾燥工程を追加してもよい。コーティング組成物に使用される任意の高分子結合剤の量は、タウロリジンの効果的な放出をもたらし、更に取り扱い時に十分な機械的安定性を確保するのに十分であるであろう。
【0036】
外科用メッシュ用のバルク高分子(例えば、ポリジオキサノン)に対するタウロリジンの割合は、十分に高い放出速度を確保するために、薬剤:高分子として30重量%:70重量%より高く、好ましくは50重量%:50重量%より高い必要があり、これによって本発明の抗菌性組成物と樹脂との混合を行ってもよい。骨インプラント向けには、より高い高分子比率を使用して、より遅い放出及び持続性作用を確保してもよい。タウロリジン/プロタミンの混合物は、150℃未満で、好ましくは窒素又はアルゴンなどの保護ガス雰囲気下で、ポリジオキサノンと混合されることが好ましい。化合物は、射出成形及び押出成形などの従来の方法を使用して、医療用具などの異なる形状に変形されるか、又は接着、縫製、編成、融解などの従来の方法により、医療用具に適用され得る。好ましい一製剤技術は、参照により組み込まれる欧州特許第1251794号によるものであり、実施例16において、小球が植え込み式コード内に導入される。コンパウンド化、錠剤化、又はカプセルへの封入のいずれかにより、1mm〜3mmの球を調整することができる。インプラントは、好ましくは吸収性であり、例えば、骨髄炎用のSeptopal Chain(商標)システム用に抗生物質を含まない代替形態として使用され得る。
【0037】
本発明の別の実施形態では、本発明の抗菌性組成物は、抗菌性組成物を収容して十分効果的な放出を確保するために適切な寸法の孔を有し得る、2枚のフィルム間に封入される。本発明の抗菌性組成物は、吸収性高分子から製造された織物パウチ内に収容されてもよく、収容外に散らばらないように極小の孔を有する、織物又は不織布材料であることが好ましい。
【0038】
一部の適用には、本発明の抗菌性組成物と組み合わせて追加の活性薬剤を任意に使用することが有益である。本発明の組成物と組み合わせる活性薬剤の選択及び使用は、得ようとする所望の効果によって異なる。例えば、植え込み後に局所的に任意に放出され得る少なくとも1つの追加の生物活性成分又は薬剤を有する、本発明による抗菌性組成物を含む(コーティング又は配合された)インプラントを提供することは、有利なことがある。活性薬剤として好適な物質は自然発生物質でも合成物質でもよく、限定はされないが、例えば、抗生剤、抗微生物剤、抗菌剤、消毒剤、化学療法剤、細胞増殖抑制剤、転移阻害剤、抗糖尿病剤、抗真菌剤、婦人科用薬剤、泌尿器科用薬剤、抗アレルギー剤、性ホルモン剤、性ホルモン阻害剤、止血剤、ホルモン、ペプチドホルモン、抗鬱剤、ビタミンCなどビタミン、抗ヒスタミン、裸のDNA、プラスミドDNA、カチオン性DNA複合体、RNA、細胞構成物質、ワクチン、体内で自然発生する細胞又は遺伝子組み換え細胞が挙げられる。活性薬剤は封入された形態又は吸収された形態で存在し得る。そのような活性薬剤を用いると、患者の予後をその用途に応じて改善することができ、あるいは治療効果を達成することができる(例えば、創傷治癒の改善、又は炎症の抑制若しくは低減)。
【0039】
活性薬剤として好ましいのは、例えば、ゲンタマイシン又はZEVTERA(商標)(セフトビプロールメドカリル)銘柄の抗生物質(Basilea Pharmaceutica Ltd.(Basel Switzerland)より販売されるもの)などの薬剤を含む従来の抗生物質がある。最も好ましいのは、オクテニジン、オクテニジンジヒドロクロリド(Schulke & MayrよりOctenisept(登録商標)消毒剤の有効成分として販売されるもの)、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)(Braun(Switzerland)よりLavasept(登録商標)の有効成分として販売されるもの)、トリクロサン、銅(Cu)、銀(Ag)、ナノシルバー、金(Au)、セレン(Se)、ガリウム(Ga)、N−クロロタウリン、リステリン(Listerine)(登録商標)口内洗浄剤などのアルコール系消毒剤、N−α−ラウリル−L−アルギニンエチルエステル、エチル−N−α−ラウロイル−L−アルギネート塩酸塩(LAE)、ミリスタミドプロピルジメチルアミン(MAPD、SCHERCODINE(商標)Mの有効成分として販売されるもの)、オレアミドプロピルジメチルアミン(OAPD、SCHERCODINE(商標)Oの有効成分として販売されるもの)、及びステアラアミドプロピルジメチルアミン(SAPD、SCHERCODINE(商標)Sの有効成分として販売されるもの)など、最も好ましくはオクテニジンジヒドロクロリド(以後オクテニジンと称する)及びPHMBなどの、異なる細菌及び酵母に対して(体液の存在下であっても)極めて有効な広帯域抗微生物剤の使用である。
【0040】
本発明の抗菌性組成物中に存在し得る任意の活性薬剤の量は、細菌のコロニー形成、バイオフィルム形成の更なる阻害を効果的にもたらし、したがって感染のリスクを減らすのに十分であるであろう。
【0041】
更に、従来の造影剤を本発明の抗菌性組成物又は抗菌性コーティング中に任意に組み込んでもよい。そのような造影剤は、欧州特許第1392198(B1)号に記載のようなビジュアルマーカーを創出する生体適合性の染料であってもよく、同第1324783(B1)号に教示されているようなGdDTPA又はスーパーパラマグネティックナノ粒子(Resovist(商標)又はEndorem(商標))などの金属複合体のような、超音波造影又はMRI造影のためのガス又はガス生成物質のような造影剤であってもよい。欧州特許第1251794(B1)号に示されているような、純粋な酸化ジルコニウム、安定化された酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、炭化ジルコニウム、タンタル、五酸化タンタル、硫酸バリウム、銀、ヨウ化銀、金、プラチナ、パラジウム、イリジウム、銅、酸化鉄、磁性があまり高くないインプラントスチール、非磁性のインプラントスチール、チタン、ヨウ化アルカリ、ヨウ化物、ヨウ化芳香族化合物、ヨウ化脂肪族化合物、ヨウ化オリゴマー、ヨウ化ポリマー、合金化が可能なそれらの物質の合金などの、X線可視性物質(放射線不透過性)が任意に含まれてもよい。
【0042】
下記の実施例は本発明の主旨及び実践の説明のためであり、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0043】
(実施例1)
ヘルニアメッシュを含むポリ−g−カプロンフィルム(Poly-g-Caprone Film)上のタウロリジン+硫酸プロタミンの相乗性混合物
EthiconのPhysioMeshヘルニアメッシュ製品(Ethicon,Inc(Somerville,NJ USA)から販売されるもの)と同等であるがマーカーを含まない、ポリ−g−カプロンフィルム積層メッシュを調製し、1.5cmのディスクに打ち抜いた。
【0044】
タウロリジンを70%アセトン及び30%水の混合液(容量/容量)に4%重量/容量で溶解した。硫酸プロタミンを加温下で10%重量/容量で水に溶解した。タウロリジン(TU)溶液の50μl及びプロタミン(PS)溶液の20μlをピペットを使用して各メッシュディスクに適用し、大部分の液体がなくなるまで50℃で乾燥させた後、真空下で保存した。最初にタウロリジン溶液を適用し、その直後に硫酸プロタミン溶液を適用した。試作品メッシュのバイオフィルム予防の可能性を示すその有用性について、インビトロ細菌付着アッセイを開発した。細菌の表面への付着は、バイオフィルム形成の第1段階であるため、細菌付着を阻害する表面処理は、その後のバイオフィルム形成の可能性を低下させるであろう。アッセイは、インビボ及び臨床状態を模倣するためにSST(血清、生理食塩水、TSB)培地で行った。SSTの処方は、トリプチックソイブロス(TSB):血清:生理食塩水が1:2:7の割合である。各被験物質を、黄色ブドウ球菌ACTT 6538又は大腸菌ATCC 25922が約6Log CFU/mLで接種されたSSTでインキュベートした。60rpmの回転で37℃で4時間インキュベーション後、メッシュディスクを生理食塩水で3回洗浄し、未付着の細菌を除去した。メッシュに付着した細菌を、中和剤を含む生理食塩水中で音波処理することにより収集した。中和剤を含むTSA(トリプチックソイ寒天)培地上での平板計数により生菌集団を測定した。細菌懸濁液及び平板計数培地での中和剤の使用は、コーティングからのいずれのキャリーオーバーの抗菌効果も除去するためであった。平板を37℃で24時間インキュベートした。付着した生菌数をCFU/ディスクとして記録した。
【0045】
表1のデータは、TU及びPSの組み合わせで処理したメッシュ表面が、血清含有培地で黄色ブドウ球菌及び大腸菌による付着を完全に阻害したのに対し、同用量でのTUのみで処理したメッシュ表面が、組み合わせより低い阻害を示したことを表している。
【0046】
【表1】
CFU:コロニー形成単位
【0047】
(実施例2)
血清含有培地(SST)での硫酸プロタミンを有するタウロリジンの相乗性殺菌組成物
TU及びPSの濃度勾配をSST培地で希釈し、2次元マトリックスに形成した。目的の細菌を約10e6 CFU/mLでマトリックスに接種した。この実施例2では、黄色ブドウ球菌ACTT 6538又は大腸菌ATCC 25922を使用した。37℃で24時間インキュベーション後、平板計数により生菌集団を測定した。有効性の評価項目として対数減少(LR)を使用し、未処置の対照のLog CFU/mL−処置試料のLog CFU/mLとして定義した。相乗指数(SI)は、所与の組み合わせのLR−組み合わせと同濃度での単一成分のLRの合計として定義した。同用量でのその単体組成物に比べて組み合わせにより、したがって相乗効果により、SI=0は相加効果を示し、SI=1は90%を超す殺菌性(bacterial cedality)を示し、SI=2は99%を超す殺菌性を示し、SI=3は99.9%を超す殺菌性を示した、など。
【0048】
血清含有培地での硫酸プロタミン(PS)とタウロリジン(TU)との組み合わせで有意な相乗効果が見られた。単独で使用したとき、100ppmでのTUは、黄色ブドウ球菌に対して有効性を示さず(LR=0)、10ppmでのPSは、いくらかの有効性を示した(LR=3.5)。10ppmのPSと50ppm又は100ppmのTUとを組み合わせたとき、図1のグラフに見られるように、6対数減少の有意な有効性が達成された。同様に、図2のグラフに見られるように、大腸菌に対してもTU+PSの混合物で高い相乗効果が示された。
【0049】
(実施例3)
タウロリジン+硫酸プロタミンでコーティングされた外科用インプラントのインビトロ有効性
実施例1に従って、タウロリジン+硫酸プロタミンの異なる単体及び組み合わせでコーティングされた外科用メッシュディスクを調製した。この実施例3では、実施例1でのメッシュコーティング及びインビトロ付着アッセイの実験要領を使用した。データを表2に示す。
【0050】
【表2】
単体のPSの対数減少+TUの対数減少の合計#相乗指数(SI)は、所与の組み合わせのLR−組み合わせと同濃度での単一成分のLRの合計として定義した。同用量でのその単体組成物に比べて組み合わせにより、したがって相乗効果により、SI=0は相加効果を示し、SI=1は90%を超す殺菌性を示し、SI=2は99%を超す殺菌性を示し、SI=3は99.9%を超す殺菌性を示した。
【0051】
表2のデータは、50μgのPSを有する、0.5mg/ディスクの低いTU用量で相乗効果が穏やかに発現し、TUが1.0mg又は2mgのより高い配合で相乗効果が顕著であることを示した。50mgのPSを加えた1mg及び2mgのTUでのLR>6及びSI>3は、組み合わせにより表面に付着された黄色ブドウ球菌が完全に阻害されたことを示し、単体の有効性の合計より>99.9%の有効性が示された。
【0052】
(実施例4)
硫酸プロタミン(PS)及びタウロリジン(TU)の相乗的割合
インビトロMBC(最小殺菌濃度)調査により、本発明の相乗性抗菌組成物の成分比の範囲を得た。調査は、約10CFU/mLの黄色ブドウ球菌ACTT 6538で摂取したSST培地で行った。インビトロ有効性は、異なる割合のPS及びTUの組み合わせと共に、組み合わせ組成物と同濃度での単体(すなわち、個別の)組成物について評価した。37℃で24時間インキュベーション後、平板計数により生菌集団を測定した。有効性の評価項目として対数減少(LR)を使用し、未処置の対照のLog CFU/mL−処置試料のLog CFU/mLとして定義した。相乗指数(SI)は、所与の組み合わせのLR−組み合わせと同濃度での単一成分のLRの合計として定義した。同用量でのその単体成分に比べて組み合わせにより、したがって相乗効果により、SI=0は相加効果を示し、SI=1は90%を超す殺菌性を示し、SI=2は99%を超す殺菌性を示し、SI=3は99.9%を超す殺菌性を示した、など。
【0053】
この試験のデータは、表3に示され、PS及びTUの相乗的組み合わせが1:1〜1:100の範囲であることを示した。この範囲外のTU及びPSの割合は、相乗効果がないか又はその単体対照より低いことを示した。
【0054】
【表3】
【0055】
バイオフィルムは、多糖類マトリックス内に埋まった微生物の集積であり、固体表面に付着する。バイオフィルムは、臨床的に重要であり、院内感染の約80%の原因となる。バイオフィルムは、免疫学的療法及び抗生物質療法に対して共に極度の耐性があることが知られている。微生物のバイオフィルムは、微生物が表面に不可逆的に付着し、付着を容易にして構造的マトリックスを提供する細胞外高分子を生成するときに成長する。成長したマトリックスは、微生物を悪条件から守るために非常に機能的であると同時に、遊離細胞を絶えず撒き散らし、新たな表面に広がってコロニーを形成する。したがって、細菌の表面への付着を阻害することが重要である。
【0056】
有効な抗菌性コーティングを有するメッシュなどの医療用具は、用具の表面への細菌付着を効果的に阻害し、したがってバイオフィルムの形成を予防又は実質的に阻害するであろう。実施例1及び3のデータは、血清含有培地でのメッシュ試作品への細菌付着に対する本発明の相乗的組成物の有効性を実証した。データは、バイオフィルムの形成に対して医療用具を保護するために相乗的組成物を使用する利益を約束することを示唆している。
【0057】
本発明の抗菌性組成物、及びこのような組成物でコーティングされた又はそれらを含む医療用具は、多くの利点を有する。利点には、有効性が向上すると共に使用量が減少した相乗的抗菌性組成物を提供することが挙げられる。使用量の減少により、安全域が増大し、生体適合性が向上し、物理的な用具の特性が向上し、材料費が低下する。本発明の組成物が提供するより広域なスペクトルにより、広範囲の微生物に対して有効な処置である組成物がもたらされる。本発明の組成物は、医療用具の表面への細菌付着を効果的に阻害し、バイオフィルムの形成及びそれに関連した感染を予防するのに役立つ。タウロリジンに対する菌耐性は知られておらず、タウロリジンは抗生物質ではない。更に、本発明の組成物は、毒性がなく、内用に承認されている。
【0058】
以上、本発明をその詳細な実施形態について図示及び説明したが、当業者であれば、特許請求される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の形態及び詳細に様々な変更を行いうる点は理解されるであろう。
【0059】
〔実施の態様〕
(1) 抗菌性組成物であって、
約50重量%〜約99重量%のタウロリジンと、
約1重量%〜約50重量%のプロタミンと、を含む、抗菌性組成物。
(2) 前記プロタミンがプロタミン塩を含む、実施態様1に記載の組成物。
(3) 前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、実施態様2に記載の組成物。
(4) 前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、実施態様3に記載の組成物。
(5) 溶媒を更に含む、実施態様1に記載の組成物。
【0060】
(6) 前記溶媒が、水、水/エタノール、及び水/イソプロパノールからなる群から選択される、実施態様5に記載の組成物。
(7) 約70重量%〜約90重量%のタウロリジンと、
約10重量%〜約30重量%のプロタミンと、を含む、実施態様1に記載の抗菌性組成物。
(8) 前記プロタミンがプロタミン塩を含む、実施態様7に記載の組成物。
(9) 前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、実施態様8に記載の組成物。
(10) 前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、実施態様9に記載の組成物。
【0061】
(11) 抗生物質を更に含む、実施態様1に記載の抗菌性組成物。
(12) 前記抗生物質が、アミノ配糖体、カルバペネム、セファロスポリン、グリコペプチド、マクロライド、リンコサミド、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、及びテトラサイクリンからなる群から選択される、実施態様11に記載の抗菌性組成物。
(13) 前記抗生物質が、(ゲンタマイシン)、イミペネム、セファゾリン、バンコマイシン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、アンピシリン、ポリミキシンB、レボフロキサシン、及びミノサイクリンからなる群から選択される、実施態様12に記載の組成物。
(14) タウラルタム(taurultame)、シクロタウロリジン(cyclotaurolidine)、シラグ61(Cilag 61)、及びノキシフレックスS(Noxiflex S)からなる群から選択される抗菌剤を更に含む、実施態様1に記載の抗菌性組成物。
(15) 医療用具用の抗菌性コーティング組成物であって、
抗菌性組成物であって、
約50重量%〜約99重量%のタウロリジンと、
約1重量%〜約50重量%のプロタミンと、を含む、抗菌性組成物と、
溶媒と、を含む、抗菌性コーティング組成物。
【0062】
(16) 前記溶媒が、水、水/エタノール、及び水/イソプロパノールからなる群から選択される、実施態様15に記載の抗菌性コーティング組成物。
(17) 前記プロタミンがプロタミン塩を含む、実施態様15に記載の抗菌性コーティング組成物。
(18) 前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、実施態様17に記載の抗菌性コーティング組成物。
(19) 前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、実施態様18に記載の抗菌性コーティング組成物。
(20) 前記抗菌性組成物が、
約70重量%〜約90重量%のタウロリジンと、
約10重量%〜約30重量%のプロタミンと、を含む、実施態様8に記載の組成物。
【0063】
(21) 前記プロタミンがプロタミン塩を含む、実施態様20に記載の組成物。
(22) 前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、実施態様21に記載の組成物。
(23) 前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、実施態様22に記載の組成物。
(24) 抗生物質を更に含む、実施態様15に記載の抗菌性コーティング組成物。
(25) 前記抗生物質が、アミノ配糖体、カルバペネム、セファロスポリン、グリコペプチド、マクロライド、リンコサミド、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、及びテトラサイクリンからなる群から選択される、実施態様24に記載の抗菌性コーティング組成物。
【0064】
(26) 前記抗生物質が、ゲンタマイシン、イミペネム、セファゾリン、バンコマイシン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、アンピシリン、ポリミキシンB、レボフロキサシン、及びミノサイクリンからなる群から選択される、実施態様24に記載の抗菌性コーティング組成物。
(27) 前記抗菌性組成物が、タウラルタム、シクロタウロリジン、シラグ61、及びノキシフレックスSからなる群から選択される抗菌剤を更に含む、実施態様15に記載の抗菌性コーティング組成物。
(28) 高分子結合剤を更に含む、実施態様15に記載の抗菌性コーティング組成物。
(29) 前記高分子結合剤が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルでんぷん、ヒドロキシプロピルでんぷん、デキストラン、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン共重合体、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリヒドロキシ酸、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸(polyhydroxy valeriates)、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、合成及び天然オリゴ及びポリアミノ酸、ポリホスファゼン、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリリン酸塩、ポリホスホネート、ポリアルコール、多糖類、ポリエーテル、ポリアミド、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、それらの重合性物質の共重合体、再吸収性ガラス、フィブリン、コラーゲン、アルブミン、非分解性高分子、ポリアルケン、ポリプロピレン、ポリエチレン、部分ハロゲン化ポリオレフィン、完全ハロゲン化ポリオレフィン、フッ素化ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluorethylene)、ポリフッ化ビニリデン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリシリコーン、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリイミド、非分解性多糖類(例えばセルロース)、バクテリアセルロース、及びそれらの重合性物質の共重合体からなる群から選択される、実施態様28に記載の抗菌性コーティング組成物。
(30) コーティングされた医療用具であって、
少なくとも1つの表面を有する医療用具と、
前記表面の少なくとも一部分上の抗菌性コーティングと、を含み、前記コーティングが、
約50重量%〜約99重量%のタウロリジンと、
約1重量%〜約55重量%のプロタミンと、を含む、コーティングされた医療用具。
【0065】
(31) 前記用具が、外科用縫合糸、外科用縫合針、メッシュ、カテーテル、ステープル、鋲、ステント、テープ、クリップ、プレート、ネジ、縫合糸アンカー、整形外科用インプラント、組織工学基材、組織修復織物、乳房インプラント、外科用発泡体、パウチ、心臓弁、縫合リング、ペースメーカ、及び包帯からなる群から選択される、実施態様30に記載のコーティングされた医療用具。
(32) 前記用具が、高分子、金属、セラミック、複合材料、生体材料、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、実施態様30に記載のコーティングされた医療用具。
(33) 前記プロタミンがプロタミン塩を含む、実施態様30に記載のコーティングされた医療用具。
(34) 前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、実施態様33に記載のコーティングされた医療用具。
(35) 前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、実施態様34に記載のコーティングされた医療用具。
【0066】
(36) 前記抗菌性コーティングが、
約70重量%〜約90重量%のタウロリジンと、
約10重量%〜約30重量%のプロタミンと、を含む、実施態様30に記載のコーティングされた医療用具。
(37) 前記プロタミンがプロタミン塩を含む、実施態様36に記載のコーティングされた医療用具。
(38) 前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、実施態様37に記載のコーティングされた医療用具。
(39) 前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、実施態様38に記載のコーティングされた医療用具。
(40) 前記抗菌性コーティングが抗生物質を更に含む、実施態様30に記載のコーティングされた医療用具。
【0067】
(41) 前記抗生物質が、アミノ配糖体、カルバペネム、セファロスポリン、グリコペプチド、マクロライド、リンコサミド、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、及びテトラサイクリンからなる群から選択される、実施態様40に記載のコーティングされた医療用具。
(42) 前記抗生物質が、ゲンタマイシン、イミペネム、セファゾリン、バンコマイシン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、アンピシリン、ポリミキシンB、レボフロキサシン、及びミノサイクリンからなる群から選択される、実施態様41に記載のコーティングされた医療用具。
(43) 前記抗菌性コーティングが、タウラルタム、シクロタウロリジン、シラグ61、及びノキシフレックスSからなる群から選択される抗菌剤を更に含む、実施態様30に記載のコーティングされた医療用具。
(44) 前記抗菌性コーティングが高分子結合剤を更に含む、実施態様30に記載のコーティングされた医療用具。
(45) 前記高分子結合剤が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルでんぷん(hydroxyethylelstarch)、ヒドロキシプロピルでんぷん、デキストラン、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン共重合体、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリヒドロキシ酸、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、合成及び天然オリゴ及びポリアミノ酸、ポリホスファゼン、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリリン酸塩、ポリホスホネート、ポリアルコール、多糖類、ポリエーテル、ポリアミド、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、それらの重合性物質の共重合体、再吸収性ガラス、フィブリン、コラーゲン、アルブミン、非分解性高分子、ポリアルケン、ポリプロピレン、ポリエチレン、部分ハロゲン化ポリオレフィン、完全ハロゲン化ポリオレフィン、フッ素化ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリシリコーン、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリイミド、非分解性多糖類(例えばセルロース)、バクテリアセルロース、及びそれらの重合性物質の共重合体からなる群から選択される、実施態様44に記載のコーティングされた医療用具。
【0068】
(46) 医療用具のコーティング方法であって、
少なくとも1つの表面を有する医療用具を提供する工程と、
前記表面の少なくとも一部分を抗菌性コーティング組成物でコーティングする工程と、を含み、前記コーティングが、
約50重量%〜約99重量%のタウロリジンと、
約1重量%〜約50重量%のプロタミンと、を含む、コーティング方法。
(47) 前記プロタミンがプロタミン塩を含む、実施態様46に記載の方法。
(48) 前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、実施態様47に記載の方法。
(49) 前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、実施態様48に記載の方法。
(50) 前記コーティングが溶媒を更に含む、実施態様46に記載の方法。
【0069】
(51) 前記溶媒が、水、水、水/エタノール、及び水/イソプロパノールからなる群から選択される、実施態様50に記載の方法。
(52) 前記抗菌性コーティング組成物が、
約70重量%〜約90重量%のタウロリジンと、
約10重量%〜約30重量%のプロタミンと、を含む、実施態様46に記載の方法。
(53) 前記プロタミンがプロタミン塩を含む、実施態様52に記載の方法。
(54) 前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、実施態様53に記載の方法。
(55) 前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、実施態様52に記載の方法。
【0070】
(56) 前記抗菌性コーティング組成物が抗生物質を更に含む、実施態様46に記載の方法。
(57) 前記抗生物質が、アミノ配糖体、カルバペネム、セファロスポリン、グリコペプチド、マクロライド、リンコサミド、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、及びテトラサイクリンからなる群から選択される、実施態様56に記載の方法。
(58) アミノ配糖体、カルバペネム、セファロスポリン、グリコペプチド、マクロライド、リンコサミド、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、及びテトラサイクリン、実施態様57に記載の方法。
(59) 前記抗菌性コーティング組成物が、タウラルタム、シクロタウロリジン、シラグ61、及びノキシフレックスSからなる群から選択される抗菌剤を更に含む、実施態様46に記載の方法。
(60) 前記抗菌性コーティング組成物が高分子結合剤を更に含む、実施態様46に記載の方法。
【0071】
(61) 前記高分子結合剤が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルでんぷん、ヒドロキシプロピルでんぷん、デキストラン、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレン共重合体、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリヒドロキシ酸、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、合成及び天然オリゴ及びポリアミノ酸、ポリホスファゼン、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリオキサエステル、ポリリン酸塩、ポリホスホネート、ポリアルコール、多糖類、ポリエーテル、ポリアミド、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステル、それらの重合性物質の共重合体、再吸収性ガラス、フィブリン、コラーゲン、アルブミン、非分解性高分子、ポリアルケン、ポリプロピレン、ポリエチレン、部分ハロゲン化ポリオレフィン、完全ハロゲン化ポリオレフィン、フッ素化ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリシリコーン、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリイミド、非分解性多糖類(例えばセルロース)、バクテリアセルロース、及びそれらの重合性物質の共重合体からなる群から選択される、実施態様60に記載の方法。
(62) 前記医療用具が、外科用縫合糸、外科用縫合針、メッシュ、カテーテル、ステープル、鋲、ステント、テープ、クリップ、プレート、ネジ、縫合糸アンカー、整形外科用インプラント、組織工学基材、乳房インプラント、外科用発泡体、パウチ、心臓弁、縫合リング、ペースメーカ、及び包帯からなる群から選択される、実施態様46に記載の方法。
(63) 前記医療用具が、高分子、金属、セラミック、複合材料、生体材料、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、実施態様46に記載の方法。
(64) 抗菌性組成物であって、
約50重量%〜約99重量%の少なくとも1つのメチロール含有化合物と、
約1重量%〜約50重量%のプロタミンと、を含む、抗菌性組成物。
(65) 前記メチロール含有化合物がタウロリジンである、実施態様64に記載の抗菌性組成物。
【0072】
(66) タウラルタム、シクロタウロリジン、シラグ61、及びノキシフレックスSからなる群から選択される抗菌剤を更に含む、実施態様64に記載の抗菌性組成物。
(67) トリクロサン、銅(Cu)、銀(Ag)、ナノシルバー、金(Au)、セレン(Se)、ガリウム(Ga)、N−クロロタウリン、リステリン(Listerine)(登録商標)化合物(例えば、メントール、チモール、サリチル酸メチル、及びオイカリプトール)からなる群から選択される抗菌物質を更に含む、実施態様64に記載の抗菌性組成物。
(68) 前記プロタミンがプロタミン塩を含む、実施態様64に記載の抗菌性組成物。
(69) 前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、実施態様68に記載の抗菌性組成物。
(70) 前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、実施態様69に記載の抗菌性組成物。
【0073】
(71) 医療用具を製造するための高分子樹脂組成物であって、
高分子樹脂と、
抗菌性組成物と、を含み、前記抗菌性組成物が、
約50重量%〜約99重量%のタウロリジンと、
約1重量%〜約50重量%のプロタミンと、を含む、高分子樹脂組成物。
(72) 前記プロタミンがプロタミン塩を含む、実施態様71に記載の樹脂組成物。
(73) 前記プロタミン塩が、硫酸プロタミン及び塩酸プロタミンからなる群から選択される、実施態様72に記載の樹脂組成物。
(74) 前記プロタミン塩が硫酸プロタミンを含む、実施態様73に記載の樹脂組成物。
(75) 前記組織修復織物が、メッシュ、織布、不織布及びテープからなる群から選択される、実施態様31に記載のコーティングされた医療用具。
【0074】
(76) 前記高分子が、ポリヒドロキシ酸、ポリアルケン、ポリシリコーン、フッ素化ポリオレフィン、フィブリン、及びコラーゲンからなる群から選択される、実施態様32に記載のコーティングされた医療用具。
(77) 前記用具が植え込み式である、実施態様30に記載のコーティングされた医療用具。
(78) 前記用具が植え込み式である、実施態様46に記載の方法。
(79) 前記組成物が植え込みに好適である、実施態様1に記載の組成物。
(80) 前記コーティングが、植え込み式医療用具への適用に好適である、実施態様15に記載の抗菌性コーティング組成物。
図1
図2
【配列表】
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