(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記香料及び前記ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級アンモニウム塩が、分離注入により、前記柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加される、請求項2に記載の方法。
前記1種又は複数の補助材料のうちの少なくとも1種が、前記ジ(C6〜C4)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級アンモニウム塩を注入するために使用するものとは異なる注入により添加される、請求項6に記載の方法。
前記1種又は複数の補助材料が、レオロジー変性剤、シリコーン、安定剤、香料マイクロカプセル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
前記ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級アンモニウム塩が、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
定義
本明細書で使用するとき、用語「布地柔軟仕上げ剤組成物」は、布地柔軟仕上げ剤組成物を含み、布地に対して布地を軟化させる効果をもたらす製品を意味する。布地を軟化させる効果に加え、柔軟仕上げ剤製品は、布地潤滑化、布地弛緩、防シワ性、シワの減少、デュラブルプレス、アイロン容易性、耐摩耗性、布地平滑化、フェルト化防止、ピリング防止、シャリ感、外観向上、外観回復、色の保護、色の回復、収縮防止、着用形状の保持、布地弾性、布地引張強度、布地引裂き強度、静電気低下、吸水度若しくは撥水性、汚れ剥離性、さっぱり感、抗菌性、臭気耐性、及びこれらの組み合わせの1つ又は複数の利点を布地にもたらすことができる。柔軟仕上げ剤製品には、様々なタブレット、粒状、液体、及びすすぎ洗い型の助剤、スプレー及びミスト、並びに布地用基材含有タイプのほか、乾燥材添加シート、ドライティッシュ、ウェットティッシュ、及びパッド、並びに不織布基材などの布地用基材含有製品が挙げられる。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「柔軟仕上げ剤活性物質組成物」は、柔軟仕上げ剤製品の主要部分を構成する組成物を意味する。柔軟仕上げ剤活性物質組成物は、一般に、柔軟仕上げ剤と水とを含み、柔軟仕上げ剤活性物質により、布地柔軟化機能がもたらされる。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」は、直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和であるヒドロカルビル部分を意味する。用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「連続」は、時間、順序、空間において途切れることなく連続された範囲を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「分離」は、離れた状態が保たれていることを意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「組み合わせ」は、実質的な混合の有無にかかわらず、均質性を得るために共に添加した物質類を指す。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「混合」は、物質類を共に添加し、均質性を得ることを指し、用語「混合物」は、均質性の得られた混合物質を指す。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「バッチ法」は、様々な成分を混合タンクに添加し、その後、混合する間の処理を指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「基材成分」は、副配合物及び/又は中間体として使用される成分又は物質を指す。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「仕上げ成分」は、中間体又は最終製品であってもよい製品を生産するために、少なくとも1つの基材成分と混合させることを目的とする。
【0023】
本明細書で使用するとき、「インライン方法」は、ラインを介して基材成分を流し、仕上げ成分をその流れの中に添加し、最終製品を形成する間の処理を指す。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「乳化する」、「乳化された」、及び「乳化」は、通常、不混和性である2つ以上の液体を混合することを指す。
【0025】
本明細書で使用するとき、「1つの(a及びan)」を包含する項目は、請求項に使用するとき、請求又は記載されているものの1つ又はそれ以上を意味すると理解される。
【0026】
本明細書で使用するとき、「含む(comprise)」、「備える(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(comprising)」、「包含する(includes)」、及び「含有している(including)」は、非限定的用語、すなわち、最終結果に影響を及ぼすことのない他の工程及び他の成分を加えることができることを指す。上記用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0027】
布地柔軟仕上げ剤組成物
本発明の連続方法に従って得られた布地柔軟仕上げ剤組成物は、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステル、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物及び香料を含む柔軟仕上げ剤活性物質組成物を含む。好ましくは、本明細書に記載の布地柔軟仕上げ剤組成物は、1種又は複数の補助材料を含む。
【0028】
柔軟仕上げ剤活性物質組成物
本発明の連続方法は、布地を柔軟化するために、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物を、柔軟仕上げ剤活性物質組成物の2重量%〜23重量%のビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルを含む柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加する工程を含む。好ましくは、柔軟仕上げ剤活性物質組成物が、柔軟仕上げ剤活性物質組成物の7重量%〜20重量%、好ましくは10重量%〜18重量%、より好ましくは15重量%〜18重量%のビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルを含む。
【0029】
好ましい実施形態において、布地柔軟仕上げ剤組成物は、布地柔軟仕上げ剤組成物の1重量%〜20重量%、好ましくは3重量%〜15重量%、より好ましくは5重量%〜11重量%のビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルを含む。
【0030】
別の実施形態において、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルは、脂肪酸部分の平均鎖長が炭素原子数16個〜20個、好ましくは16個〜18個であり、遊離脂肪酸用に換算されたヨウ素価(IV)が15〜25、好ましくは18〜22、より好ましくは9〜21である。ヨウ素価は、ISO 3961の手法よって測定されるとき、脂肪酸100gの二重結合との反応によって消費されるヨウ素の量(グラム)である。
【0031】
本明細書に記載の柔軟仕上げ剤活性物質組成物は、ビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステル以外の他の物質を含んでもよい。非限定例には、水、塩(例えば、CaCl
2)、酸(HCl及びギ酸など)を含む。
【0032】
別の実施形態において、柔軟仕上げ剤活性物質組成物のpHは、2〜5、好ましくは、2.5〜4、より好ましくは2.5〜3.5である。pHは、塩酸又はギ酸を使用することにより調整することができる。
【0033】
ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物
本発明の連続方法は、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物を、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.01重量%〜1重量%の量で、柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加する工程を含む。好ましくは、布地柔軟仕上げ剤組成物は、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.1重量%〜0.78重量%、より好ましくは0.23重量%〜0.3重量%のジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物を含む。
【0034】
ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4のアルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物の好ましい例は、ジ(C8〜C12)アルキルジメチルアンモニウムクロリドである。更に好ましい例は、Bardac(登録商標)2250などのジデシルジメチルアンモニウムクロリド及びBardac(登録商標)2050などのジオクチルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられ、いずれもLonzaより入手可能である。ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物の最も好ましい例は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドである。
【0035】
ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物により、抗菌効果がもたらされる。理論に束縛されるものではないが、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物を含む布地柔軟仕上げ剤組成物によって、布地のすすぎ洗いを行うとき、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物は、その正電荷により、布地に付着する傾向がある。その後、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物が細胞膜の負電荷を引き込み、崩壊し、増殖に必須のタンパク質又は酵素を変性させる。このため、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物により、布地上での細菌の増殖を防止する。
【0036】
香料
本発明の連続方法は、香水を柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加する工程を含む。本明細書で使用するとき、用語「香料」は、天然の(すなわち、草花、草本、葉、根、樹皮、木本、花、又は植物の抽出により得られる)、人工の(すなわち、様々な天然油又は油成分の混合物)、及び合成の(すなわち、合成により製造される)発香性物質を含む、芳香性物質又は物質の混合物を含む。このような材料は、固定剤、増量剤、安定剤、及び溶剤等の補助材料を伴うことが多い。これら補助材料は、本明細書で使用する「香料」の意味には含まれない。典型的に、香料は、複数の有機化合物の複雑な混合物である。
【0037】
好ましくは、布地柔軟仕上げ剤組成物が、布地柔軟仕上げ剤組成物重量の0.01重量%〜3重量%、好ましくは0.1重量%〜2重量%、より好ましくは0.5重量%〜1重量%の香料を含む。
【0038】
本明細書に記載の香料は、純粋な香料、及び/又は全遂行サイクルにわたり、製品の保存段階から所望の芳香経験をもたらすために一体化できる香料デリバリーシステムであってよい。好適な香料としては、長続きのする香料、及び/又はquadrant香料が挙げられる。こうした純粋な香料の例は、米国特許第5,500,138号、同第5,500,154号、同第6,491,728号、同第5,500,137号、及び同第5,780,404号に記述されている。好適な香料デリバリーシステム、特定の香料デリバリーシステムの製造方法、及びこうした香料デリバリーシステムの使用は、米国特許出願第2007/0275866(A1)号に記述されている。
【0039】
香料は、典型的に、極性油と無極性油との混合物である。油を含む組成物は、一部の油に極性があるときは、布地柔軟仕上げ剤組成物などの水連続組成物において容易に分散されない。理論に束縛されるものではないが、分散層状相によって香料を吸着できるように、香料は、布地柔軟仕上げ剤組成物の連続水相において更に細分化する必要がある。水連続組成物における香料油の分散性に関する1つの一般的に可述的な尺度としては、香料の誘電率を挙げることができる。誘電率の低い香料、すなわち極性の低い香料は、分散層状相を含む布地柔軟仕上げ剤組成物に配合することが困難である可能性が高く、その理由は、このような香料は水性環境においてより凝集しやすく、したがってこの環境において細分するにはより大きな機械的エネルギーを必要とするためである。1つの実施形態では、本発明の香料組成物は、12又は11又は10又は9又は8又は6又は5又は4未満、あるいは1超の複合誘電率を有し得る。誘電率は、Scientifica製の誘電率測定器870型により測定することができる。
【0040】
水連続組成物における香料の分散性に関する別の一般的に可述的な尺度としては、水とオクタノールとの間の香料成分の分配係数である香料成分のLog Pを挙げることができる。香料成分のLog Pを測定する1つの方法は、BioByte Corp製の「ClogP」プログラムを用いる(例えば、ClogPバージョン4.0及びManual 1999)。CLOGP USER GUIDE,Version 4.0,BioByte Corp,(1999)は、援用によって本明細書に組み込まれる。Log Pの別の好適な計測方法は、Daylight Chemical Information Systems,Inc.(カリフォルニア州、アリソビエホ)のCLOGPプログラムを用いる。CLOGP Reference Manual,Daylight Version 4.9(発行日2008年2月1日)は、参照によって本明細書に組み込まれる。理論に束縛されるものではないが、香料成分のLog Pが高いほど、成分の疎水性が高く、布地柔軟仕上げ剤組成物に香料成分を配合することがより困難になる、例えば、より多くの機械的エネルギーが必要となる。香料を含む香料成分の非限定的なセットは、米国特許第5,500,138号の7列42行〜11列44行に開示されている。また、例えば、米国特許第5,652,205号に記載されている通り、放出可能な芳香剤として、例えばプロ香料又はプロ芳香剤として香料成分を好適に添加することができる。一実施形態において、香料組成物の25重量%超を占める香料成分のLog Pは、2.5より高い。好ましい実施形態は、香料組成物の35重量%超、又は45重量%超、又は50重量%超、又は60重量%超、又は70重量%超、又は75重量%超の香料成分を含み、香料成分のLog Pが2.5より高い。
【0041】
別の実施形態では、香料は、少なくとも1、又は2、又は3、又は4、又は5、又は6、又は7、又は8、又は9、又は10、又は11、又は12、あるいは100以下の異なる個々の香料成分を含み得る。
【0042】
別の好ましい実施形態において、香料は、予め、すなわち、柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加される前に乳化されず、香料は、通常、香料と不混和性の他の液体(例えば乳化剤)と混和しない。これは、典型的には、柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加する前に香料を乳化する当業における一般的な方法とは異なる。
【0043】
補助剤成分
本発明の連続方法は、1つ又は複数の補助材料を柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加する工程を含んでもよい。
【0044】
本明細書に記載の補助材料には、香料マイクロカプセル、レオロジー変性剤(例えば、BASFより入手可能なRheovis(登録商標))、安定剤(例えば、BASFより入手可能なLupamin(登録商標))、pH調整剤、金属イオン制御剤、着色剤、漂白剤、染料、臭気制御剤、プロ香料、シクロデキストリン、溶剤、防汚ポリマー、防腐剤(例えば、Arch Chemicals,Inc.より入手可能なProxel(登録商標)GXL)、抗菌剤、塩素捕捉剤、酵素、防縮剤、布地縮剤、シリコーン(例えば、PDMS)、スポッティング剤、抗酸化剤、防錆剤、増粘剤、ドレープ性及び成形性調整剤、平滑化剤、静電気制御剤、しわ抑制剤、衛生化剤、殺菌剤、細菌調整剤、成形抑制剤、カビ制御剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、乾燥剤、耐汚染性剤、防汚剤、悪臭抑制剤、布地リフレッシュ剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料定着剤、転染阻害剤、色保持剤、色復元/再生剤、抗退色剤、白度向上剤、抗磨耗剤、耐磨耗剤、布地結着性剤、耐摩耗剤、及びすすぎ助剤、紫外線保護剤、直射日光による色褪せ阻害剤、防虫剤、抗アレルギー剤、酵素、難燃剤、防水剤、布地快適剤、水質調節剤、耐収縮剤、耐伸剤、酵素、カチオン性デンプン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0045】
本発明の一実施形態において、布地柔軟仕上げ剤組成物は、布地柔軟仕上げ剤組成物の2重量%以下の補助成分を1種又は複数含む。別の実施形態では、本発明の布地柔軟仕上げ剤組成物は、任意の1種又は複数の補助成分を含まなくてよく、又は、本質的に含まなくてもよい。更に別の実施形態では、布地柔軟仕上げ剤組成物は、洗濯洗剤用界面活性剤を含まないか、又は本質的に含まない。
【0046】
レオロジー変性剤
本明細書に記載の補助材料は、好ましい液体ゲル製品形態を生成するために、粘着性を生み出すレオロジー変性剤を含んでもよい。本明細書に記載のレオロジー変性剤の好適な濃度は、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜3重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.4重量%の範囲である。
【0047】
一実施形態において、本明細書に使用するのに好適なレオロジー変性剤は、増粘安定剤から選択できる。これらには、例えば、ジェランガム、カラギーナンガム、キサンタンガム、ジウタンガム(CP Kelcoより入手可能)などのガム類及び他のほぼ同じ多糖類、並びにRheovis(登録商標)CDP(BASFより入手可能)、Alcogum(登録商標)L−520(Alco Chemicalより入手可能)、Sepigel 305(SEPPICより入手可能)など、他の既知の種類の増粘剤及びレオロジー添加剤が挙げられる。
【0048】
別の実施形態においては、カチオン性アクリル系ホモポリマーを本明細書に記載のレオロジー変性剤として使用する。このようなレオロジー変性剤の好ましい一例は、商標名Rheovis(登録商標)CDEにてBASFより入手可能である。
【0049】
シリコーン
本明細書に記載の補助材料は、シリコーンを含んでもよい。シリコーンは、布地に柔らかさ及び滑らかさを提供するだけでなく、布地に対して、特に複数の洗濯洗浄サイクル後、実質的な色外観効果も提供する。理論に束縛されるものではないが、シリコーンは、自動洗濯機のすすぎ洗いサイクルにおいて、繊維の摩擦を減少させることによって、布地に対して、耐摩耗効果を提供すると考えられている。衣類をより長い間新しく見せることができ、より長い間すり減らさずにもたせることができる。また、シリコーンは、布地柔軟仕上げ剤組成物内に配合させると、抑泡剤として機能できるため、必要なすすぎ洗いサイクルの回数が削減される。
【0050】
本明細書に記載のシリコーンの好適な濃度は、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.1重量%〜ら3重量%の範囲である。
【0051】
本明細書に使用するのに好適なシリコーンは、化合物を含む任意のシリコーンであってよい。一実施形態において、シリコーンは、アミノ官能性シリコーン、アルキルオキシル化シリコーン、エトキシル化シリコーン、プロポキシル化シリコーン、エトキシル化/プロポキシル化シリコーン、四級シリコーン、又はこれらの混合物から選択される。別の実施形態において、シリコーンは、ポリジアルキルシリコーン、好ましくはポリジメチルシリコーン(「PDMS」)、又はこれらの誘導体である。
【0052】
好ましい実施形態において、シリコーンは、比較的高い分子量を含むものである。シリコーンの分子量を記述するための適した方法には、その粘度を記述することが挙げられる。高分子量のシリコーンは、粘度が0.001m
2/s〜3m
2/s(1,000cSt〜3,000,000cSt)、好ましくは0.006m
2/s〜1m
2/s(6,000cSt〜1,000,000cSt)、より好ましくは0.007m
2/s〜1mm
2/s(7,000cSt〜1,000,000cSt)、更により好ましくは0.008mm
2/s〜0.35mm
2/s(8,000cSt〜350,000cSt)であるものである。好ましい実施形態において、シリコーンは、PDMS又はこれらの誘導体であり、粘度は0.03m
2/s〜0.6m
2/s(30,000cSt〜600,000cSt)、好ましくは0.075m
2/s〜0.35m
2/s(75,000cSt〜350,000cSt)、より好ましくは0.1m
2/s〜0.35m
2/s(100,000cSt〜350,000cSt)である。PDMSの一例は、ダウ・コーニング(Dow Corning)からのDC 200流体である。
【0053】
本発明を説明するために、シリコーンの粘度を測定する好適な方法は、本明細書に記載されているとおり、「コーン/プレート法」である。粘度は、コーン/プレート粘度計(ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ(Brookfield Engineering Laboratories)(マサチューセッツ州、ストートン(Stoughton))による、ウェルズ−ブルックフィールド(Wells-Brookfield)コーン/プレート粘度計のような)によって測定される。コーン/プレート法を用いるとき、スピンドルは「CP−52」とし、1分当たりの回転数(rpm)は5に設定する。粘度測定は、21℃で行う。コーン/プレート法では、0.1m
2/秒(100,000cSt)で測定される典型的なPDMS流体の平均分子量は、139,000となる。理論に束縛されるものではないが、高分子量シリコーンはより粘稠であり、自動洗濯機の洗浄サイクル及び/又はすすぎサイクルにおいて布地から、より洗い流されにくい。
【0054】
別の実施形態において、驚くべきことに低分子量PDMSに対して高分子量PDMSは、布地の柔軟化において、より効果的である可能性があることが明らになっている。しかしながら、高分子量PDMSは粘稠であり、それ故に加工の観点から扱いにくい。粘性PDMS及び乳化剤を布地柔軟仕上げ剤組成物に添加することによって、成分が不均一な組み合わせとなり得る。驚くべきことに、高内相エマルション(「HIPE」)をプレミックスとして使用することにより、加工の有利性が得られる。つまり、HIPEを生成するために、PDMSなどのシリコーンと乳化剤とをプレミックスし、このHIPEを布地柔軟仕上げ剤組成物に添加することによって、均質の混合物が得られることがある。したがって、良好な布地効果を示す組成物を得ることができる。
【0055】
本明細書では、一般に、内相の少なくとも65重量%、好ましくは少なくとも70重量%、よりましくは少なくとも74重量%、更により好ましくは少なくとも80重量%、あるいは95重量%以下のHIPEを含み、内相はシリコーンを含む。内相はまた、すでに予め乳化されているものではない他の水不溶性布地ケア有益剤であることもできる。内相は、乳化剤を使用することによって、分散させる。乳化剤の好ましい例には、界面活性剤又は表面張力低下ポリマーが挙げられる。別の好ましい乳化剤は、水溶性であり、水の表面張力を低下させる。
【0056】
一実施形態において、本明細書に記載のHIPEは、最初に油相(内相)と乳化剤とを組み合わせることによって調製される。その後、外相を適度に混合しながら、油相と乳化剤との組み合わせにゆっくり添加する。
【0057】
安定剤
本明細書に記載の補助材料は、更に布地柔軟仕上げ剤組成物を安定させる安定剤を含んでもよい。安定剤の好適な濃度は、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.001重量%〜5重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.05重量%の範囲内である。
【0058】
安定剤の非制限例には、低揮発性である、低分子量の水溶性第一級及び第二級アミン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ヘキサメチレンテトラミンが挙げられる。好適なアミン官能性安定剤には、水溶性のポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアミン、ポリアミンアミド及びポリアクリルアミドが挙げられる。好ましいポリマーは、ポリエチレンイミン、ポリアミン、及びポリアミンアミドである。最も好ましくは、Lupaminとしても周知のポリビニルアミン(例えば、BASFから入手可能なLupamin(登録商標)1595及びLupamin(登録商標)5095)である。
【0059】
香料マイクロカプセル
本明細書に記載の補助材料には、香料マイクロカプセルが含まれてもよい。香料マイクロカプセルは、シェル材料内でカプセル化される、香料のシェル材料及びコア材料を含む。香料は、機械的ストレス(例えば、摩擦)によってシェル材料が破裂するまで、マイクロカプセルから実質的に放出されることはない。香料マイクロカプセルは、改善された香料のデリバリー効率を提供するために、布地柔軟仕上げ剤組成物に添加される。具体的には、香料カプセルは、すすぎ洗いサイクル中に布地上に付着する。香料マイクロカプセル内の香料は、長時間にわたり、周囲空気間隙への揮発から保護される。このような香料カプセルは、布地上に付着したとき、破裂時に香料が勢いよく放出される。
【0060】
典型的に直径300マイクロメートル未満の香料マイクロカプセルが、一般に、周知である。マイクロカプセルは、米国特許第2003/215417(A1)号、同第2003/216488(A1)号、同第2003/158344(A1)号、同第2003/165692(A1)号、同第2004/071742(A1)号、同第2004/071746(A1)号、同第2004/072719(A1)号、同第2004/072720(A1)号、欧州特許第1,393,706(A1)号、米国特許第2003/203829(A1)号、同第2003/195133(A1)号、同第2004/087477(A1)号、同第2004/0106536(A1)号、同第6,645,479、同第6,200,949号、同第4,882,220、同第4,917,920号、同第4,514,461号、米国特許第RE 32,713号、米国特許第4,234,627号の参考文献に記載されている。マイクロカプセルは、界面重合及び重縮合のような当業者に既知のシェルカプセル製造のための従来の方法の範囲を使用して、調製し得る。米国特許第3,516,941号、同第4,520,142号、同第4,528,226号、同第4,681,806号、同第4,145,184号、英国特許第2,073,132号、国際公開第99/17871号、及びMICROENCAPSULATION:Methods and Industrial Applications Edited by Benita and Simon(Marcel Dekker,Inc.1996)参照のこと。しかし、材料及び方法工程に関して多くの変更が可能であることが認識されている。マイクロカプセルのシェルを製造するのに好適な材料の非制限例には、尿素ホルムアルデヒド、メラミン−ホルムアルデヒド、フェノールホルム−アルデヒド、ゼラチン、ポリウレタン、ポリアミドが挙げられる。
【0061】
一実施形態において、シェルカプセルの平均直径は、典型的に1マイクロメートル〜100マイクロメートル、好ましくは5マイクロメートル〜80マイクロメートル、より好ましくは10マイクロメートル〜75マイクロメートル、更により好ましくは15マイクロメートル〜50マイクロメートルの範囲である。粒径分布を、狭く、広く、又は多峰性にすることができる。
【0062】
別の実施形態において、マイクロカプセルは、5マイクロメートル〜300マイクロメートル、好ましくは10マイクロメートル〜200マイクロメートルの最大直径を有するサイズで変化する。カプセル粒径のサイズが、例えば250マイクロメートルなど、300マイクロメートルに近づくと、シート6に取り込まれるカプセル数の減少が観察されることもある。
【0063】
別の実施形態において、本発明で利用されるマイクロカプセルの平均シェル厚さは、一般に、0.1マイクロメートル〜50マイクロメートル、あるいは1マイクロメートル〜10マイクロメートルである。
【0064】
方法
本発明の連続方法は、
a)布地柔軟仕上げ剤組成物の0.01重量%〜1重量%の量のジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物及び香料を、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物の2重量%〜25重量%のビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルを含む布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加する工程と、
b)工程a)で得られた組み合わせを、剪断力1000〜50000s
−1を加えて混合する工程と、を含み、
工程a)において、香料及びジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物は、別々に添加される。
【0065】
工程b)において、組み合わせの混合は、ローターステーター、高剪断ミキサーなど、多数の装置により実現され得る。好ましくは、組み合わせの混合は、例えば、YKAから入手可能なDISPAX−REACTOR(登録商標)などの高剪断ミキサーにより実現される。別の好ましい実施形態において、工程b)で加えた剪断力は、5000〜30000s
−1である。より好ましくは、組み合わせの混合は、剪断力10000〜20000s
−1を加えることによって、高剪断ミキサーにより実現される。
【0066】
好ましい実施形態では、方法はインライン式である。布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物は、基材成分を構成し、仕上げ成分は、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物、香料、及び任意により補助材料を含む。基材成分は、ラインを介して流れ、仕上げ成分は、その流れに添加され、最終製品、すなわち、布地柔軟仕上げ剤組成物を生成する。
【0067】
別の好ましい実施形態において、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物及び香料は、分離注入により、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加される。より好ましくは、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物及び香料を添加する分離注入を、インライン方法に組み込む。
【0068】
更に別の好ましい実施形態において、1種又は複数の補助材料は、工程b)前に添加される。好ましくは、1種の補助材料は、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4のアルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物の注入に使用していたものとは異なる注入により、添加される。更に好ましくは、1種の補助材料は、レオロジー変性剤、シリコーン、安定剤、香料マイクロカプセル、及びこれらの混合物からなる群から選択される。更により好ましくは、それぞれの補助材料が分離注入により添加される。
【0069】
非常に好ましい実施形態において、本明細書に記載の方法は、
a)布地柔軟仕上げ剤組成物の0.01重量%〜1重量%の量のジデシルジメチルアンモニウムクロリド、香料及び1種又は複数の補助材料を、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物の2重量%〜25重量%のビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルを含む布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加する工程であって、少なくとも1種の補助材料は、レオロジー変性剤、シリコーン、安定剤、香料マイクロカプセル、及びこれらの混合物からなる群から選択される工程と、
b)工程a)で得られた組み合わせを、剪断力1000〜50000s
−1を加えて混合する工程と、を含み、
工程a)において、香料、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、及び補助材料は、別々に添加される。
【0070】
本発明の方法により、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物及び香料を含む、安定した布地柔軟仕上げ剤組成物を製造する連続方法が提供され、すなわち、布地柔軟仕上げ剤組成物の粘度が大きく増加することはない。理論に束縛されるものではないが、連続方法において、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物を布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物に配合することにより、物理的安定性が低下すると考えられる。実際に、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物は、連続方法内において、ミセルサイズの構成要素内で自己凝集し、このため、フロキュレーションにより布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物が不安定になる。布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物に懸濁された香料成分の存在下で、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物を混合するとき、又はジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物及び香料をプレミックスするとき、布地柔軟仕上げ剤組成物の不安定さが観察される。実際に、こうした条件下で得られた布地柔軟仕上げ剤組成物は、比較的高い粘度値を示し、これは布地柔軟仕上げ剤組成物の保存時に観察された粘度とは異なる。ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物と香料とをプレミックスするとき、イオン性ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物と疎水性香料成分との配合禁忌があると考えられるため、不安定化に関する問題は更により深刻であり、これによって、相分離及び粘度の増加が引き起こされる点は、注目に値する。しかし、出願者は、驚くべきことに、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物と香料とを別々に布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加することによって、安定した布地柔軟仕上げ剤組成物が得られることを見出した。これは、こうした状況下においては、ジ(C6〜C14)アルキルジ(C1〜C4アルキル及び/又はヒドロキシアルキル)四級化合物は、香料液滴と共に凝集し、このため、フロキュレーションを引き起こすミセルサイズの凝集体が形成されることはないという理由によるものだと考えられる。このため、布地柔軟仕上げ剤組成物の保存時であっても、より安定した布地柔軟仕上げ剤組成物が得られる。
【実施例】
【0071】
本明細書に記載の実施例は、本発明を例示することを意味するが、本発明の範囲を制限又は他の方法で定義するために使用するものではない。実施例3〜6は、本発明による実施例であり、実施例7〜14は、比較実施例である。
【0072】
実施例1:布地柔軟仕上げ剤組成物の配合
列挙された成分を列挙された比率(重量%)で含む下記の組成物を、作製する。
【0073】
【表1】
a Bardac(登録商標)2250は、Lonzaより入手可能なジデシルジメチルアンモニウムクロリドである。
b Lupamin(登録商標)1595は、BASFより入手可能なポリビニルアミンである。
c Rheovis(登録商標)CDEは、レオロジー変性剤として作用する、BASFから入手可能なカオチン性アクリル系ポリマーである。
【0074】
実施例2:布地柔軟仕上げ剤組成物の配合
以下の組成物は、表示した比率(重量%)で表示された成分を含み、製造される。
【0075】
【表2】
a Bardac(登録商標)2250は、Lonzaより入手可能なジデシルジメチルアンモニウムクロリドである。
【0076】
実施例3:本発明による実施例組成物2Aの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法
本インライン方法は、
a)ジデシルジメチルアンモニウムクロリド及び香料を別々に布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加する工程であって、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物が、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物の9.23重量%のビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルを含み、布地柔軟仕上げ剤組成物が、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.23重量%のジデシルジメチルアンモニウムクロリドを含み、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物が基材成分を構成し、香料及びジデシルジメチルアンモニウムクロリドが仕上げ成分を構成する、工程と、
b)工程a)で得られた組み合わせを、剪断力15000s
−1を加えることによって混合する工程と、を含む。
【0077】
実施例4:本発明による実施例組成物2Bの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法
実施例組成物2Bの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドが、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.40重量%の濃度で存在する点を除き、実施例3と同じである。
【0078】
実施例5:本発明による実施例組成物2Cの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法
実施例組成物2Cの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドが、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.60重量%の濃度で存在する点を除き、実施例3と同じである。
【0079】
実施例6:本発明による実施例組成物2Dの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法
実施例組成物2Dの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドが、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.78重量%の濃度で存在する点を除き、実施例3と同じである。
【0080】
比較実施例7:実施例組成物2Aの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造する比較インライン方法A
本比較インライン方法Aは、
a)布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物の9.23重量%のビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルを含む、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物を提供する工程であって、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物が基材成分を構成する、工程と、
b)香料を布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加する工程であって、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物と香料との組み合わせが基材成分を構成する、工程と、
c)工程b)で得られた組み合わせを、剪断力15000s
−1を加えることによって混合する工程と、
d)ジデシルジメチルアンモニウムクロリドを工程c)で得られた混合した組み合わせに添加する工程であって、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドが仕上げ成分を構成し、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.23重量%の濃度で存在する、工程と、
e)静的ミキサーで工程d)で得られた組合せを混合する工程と、を含む。
【0081】
比較実施例8:本発明による実施例組成物2Bの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造する比較インライン方法A
実施例組成物2Bの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドが、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.40重量%の濃度で存在する点を除き、実施例7と同じである。
【0082】
比較実施例9:本発明による実施例組成物2Cの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造する比較インライン方法A
実施例組成物2Cの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法は、ジデシルジメチルアンモニウムが布地柔軟仕上げ剤組成物の0.60重量%の濃度で存在する点を除き、実施例7と同じである。
【0083】
比較実施例10:本発明による実施例組成物2Dの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造する比較インライン方法A
実施例組成物2Dの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドが布地柔軟仕上げ剤組成物の0.78重量%の濃度で存在する点を除き、実施例7と同じである。
【0084】
比較実施例11:組成物実施例2Aの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造する比較方法B
本比較インライン方法Bは、
a)布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物の9.23重量%のビス−(2−ヒドロキシエチル)−ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステルを含む、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物を提供する工程であって、布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物が基材成分を構成する、工程と、
b)ジデシルジメチルアンモニウムクロリドを香料と混合する工程であって、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドと香料との混合物は仕上げ成分である、工程と、
c)ジデシルジメチルアンモニウムクロリドと香料との混合物を布地柔軟仕上げ剤活性物質組成物に添加する工程であって、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドが、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.23重量%の濃度で存在する、工程と、
d)工程c)で得られた組み合わせを、剪断力15000s
−1を加えることによって混合する工程と、を含む。
【0085】
比較実施例12:本発明による実施例組成物2Bの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造する比較インライン方法B
実施例組成物2Bの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドが、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.40重量%の濃度で存在する点を除き、実施例11と同じである。
【0086】
比較実施例13:本発明による実施例組成物2Cの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造する比較インライン方法B
実施例組成物2Cの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドが、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.60重量%の濃度で存在する点を除き、実施例11と同じである。
【0087】
比較実施例14:本発明による実施例組成物2Dの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造する比較インライン方法B
実施例組成物2Dの布地柔軟仕上げ剤組成物を製造するインライン方法は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドが、布地柔軟仕上げ剤組成物の0.78重量%の濃度で存在する点を除き、実施例11と同じである。
【0088】
実施例3〜14の比較データ
安定性、すなわち、実施例3〜14に記述された方法から得られた布地柔軟仕上げ剤組成物の粘度を評価する比較実験を実施する。具体的には、2つの時点、新規で製造した場合と21℃で1週間保存した後において、布地柔軟仕上げ剤組成物の粘度を測定する。
【0089】
本明細書において使用される粘度測定法は、本明細書に記述されているとおり「コーン/プレート法」である。粘度は、コーン/プレート粘度計(ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ(Brookfield Engineering Laboratories)(マサチューセッツ州、ストートン(Stoughton))による、ウェルズ−ブルックフィールド(Wells-Brookfield)コーン/プレート粘度計のような)によって測定される。コーン/プレート法を用いるとき、スピンドルは「CP−52」とし、1分当たりの回転数(rpm)は5に設定する。コーン/プレート法では、粘度測定は21℃で行う。
【0090】
図1に示すように、本発明による方法によって得られた布地柔軟仕上げ剤組成物(実施例3〜6)により、安定性が高い、すなわち、布地柔軟仕上げ剤組成物の粘度が安定した状態を維持していることがわかる。具体的には、1週間保存された布地柔軟仕上げ剤組成物の粘度は、新規に製造された粘度と同じ値を示す。対照的に、方法Aによって得られた布地柔軟仕上げ剤組成物(実施例7〜10)により、1週間保存後、特に、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドの濃度が高いほど、粘度が大きく増加することがわかる。更に、方法Bによって得られた布地柔軟仕上げ剤組成物(実施例11〜14)では、1週間保存後に粘度が低下しても、最も高い粘度を示す。
【0091】
また、より高濃度のジデシルジメチルアンモニウムクロリドを配合するとき、布地柔軟仕上げ剤組成物が不安定になる傾向にあることが見出されている。しかし、
図1に示すとおり、本発明による方法によって得られた布地柔軟仕上げ剤組成物は、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドの濃度を布地柔軟仕上げ剤組成物重量の0.23重量%〜0.78重量%に上昇させると、粘度の大幅な増加を経験することはない。対照的に、方法Aによって得られた布地柔軟仕上げ剤組成物では、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドを配合すると、非常に急激な粘度の増加を示す。更に、方法Bによって得られた布地柔軟仕上げ剤組成物では、ジデシルジメチルアンモニウムクロリドを更に配合すると、より一層急激な粘度の増加を示す。
【0092】
本明細書で用いる全ての百分率、比率、及び割合は、特に指示がない限り、全組成物の重量を基準とする全ての温度は、特に断らない限り、摂氏温度(℃)である。構成成分又は組成物の濃度は全て、その構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0093】
本明細書全体を通じて与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、あたかもそれらの小さい数値限定が本明細書に明確に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、あたかもそれらの大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。本明細書全体を通じて与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に含まれるそれよりも狭い全ての数値範囲を、あたかもそれらのより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているものと同様にして含むものである。
【0094】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0095】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願を含む、本願に引用される全ての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しない限りにおいて、その全容にわたって本明細書に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本明細書で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0096】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。