特許第6017579号(P6017579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6017579塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物及びラップフィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017579
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物及びラップフィルム
(51)【国際特許分類】
   C08L 27/08 20060101AFI20161020BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20161020BHJP
   C08F 214/08 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   C08L27/08
   C08J5/18CEU
   C08F214/08
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-539656(P2014-539656)
(86)(22)【出願日】2013年9月17日
(86)【国際出願番号】JP2013075010
(87)【国際公開番号】WO2014054414
(87)【国際公開日】20140410
【審査請求日】2016年1月29日
(31)【優先権主張番号】特願2012-219427(P2012-219427)
(32)【優先日】2012年10月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001100
【氏名又は名称】株式会社クレハ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 均
(72)【発明者】
【氏名】樋口 敦宏
(72)【発明者】
【氏名】清野 太一
(72)【発明者】
【氏名】折笠 貴則
(72)【発明者】
【氏名】松崎 光浩
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−134306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 27/08
C08F 214/08
C08J 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物において、
液状添加剤が、アセチルトリブチルサイトレート、ジアセチル化モノグリセライド、エポキシ化大豆油、および、流動パラフィンであり、
該樹脂組成物は、フィルムの形態を為しているときに、該フィルムをメタノール抽出したとき、メタノール抽出量が6.1質量%以上7.0質量%以下であることを特徴とする塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物。
【請求項2】
前記塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物が、塩化ビニリデン‐塩化ビニル共重合樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物。
【請求項3】
液状添加剤の総含有量が6.66質量%以上7.0質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つに記載の塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物からなることを特徴とするラップフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化ビニリデン系共重合樹脂を押出成形加工するための樹脂組成物及びそれからなるラップフィルムに関する。特に、液状添加剤の添加量が少なく、ラップフィルムとしたときのカット性が良好で、臭気が少ない樹脂組成物に関する。カット性とは、ラップフィルムのカットのし易さのことであり、具体的には、カートンからラップフィルムを巻き出して、カートンに取り付けられた刃でラップフィルムをカットするときの亀裂の入りやすさとその伝播のし易さのことである。
【背景技術】
【0002】
塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物は、ガス/水蒸気バリア性や透明性に優れることから、食品包装用ラップフィルムとして利用されている。しかし、塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物は、溶融温度と分解温度とが近いため、成形加工が難しい。
【0003】
塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物の加工性の向上に関する方法としては、液状の可塑剤、液状の安定剤などの液状の添加剤を添加する方法(例えば、特許文献1を参照。)が知られている。
【0004】
また、ラップフィルムは粘着性能(自己粘着性)を有することが求められる。粘着性能の向上に関する方法としては、特定範囲の分子量分布と数平均分子量をもつミネラルオイルを添加する方法(例えば、特許文献2を参照。)が知られている。また、粘着剤としてポリブテン又はポリブタジエン、粘着付与剤として流動パラフィン又は界面活性剤を添加する方法が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。粘着剤及び粘着付与剤は液状の添加剤である場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−71492号公報
【特許文献2】特開平10−87876号公報
【特許文献3】特開平10−324809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
押出溶融加工性を与えるために、可塑剤、安定剤等の液体添加物を添加しすぎると、ラップフィルムとしたときに柔軟性を与えることにもなる。柔軟性に富むラップフィルムは、カット時にフィルムが伸びてしまい、切れにくいという問題がある。
【0007】
カット性の良し悪しは、フィルムの応力‐歪特性(柔軟性及び伸び率)、分子配向の方向とその程度などの各種因子に影響を受けると考えられるが、感覚的な評価とそれらの因子との対応は必ずしも明らかとされておらず、更なるカット性の改善が求められている。
【0008】
また、液状添加剤を添加しすぎると、ラップフィルムに臭気を生じさせ、ブリードを生じさせる場合がある。
【0009】
したがって、加工性を高めるためには液状添加剤を配合する必要があり、その一方でラップフィルムには、カット性が良好で、臭気が少ないこと(以降、臭気性ともいう。)が要求される。
【0010】
そこで、本発明の目的は、押出加工が可能であって、かつ、カット性が良好で、臭気が少ない塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物及びそれからなるラップフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、カット性及び臭気性を良好とするために鋭意検討したところ、成形したフィルムのメタノール抽出量を特定範囲とすることで、加工性、カット性及び臭気性に優れたラップフィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。本発明に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物は、液状添加剤が、アセチルトリブチルサイトレート、ジア
セチル化モノグリセライド、エポキシ化大豆油、および、流動パラフィンであり、フィルムの形態を為しているときに、該フィルムをメタノール抽出したとき、メタノール抽出量が6.1質量%以上7.0質量%以下であることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物では、前記塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物が、塩化ビニリデン‐塩化ビニル共重合樹脂組成物であることが好ましい。
【0013】
本発明に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物では、液状添加剤の総含有量が6.66質量%以上7.0質量%以下であることが好ましい。
【0014】
本発明に係るラップフィルムは、本発明に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、押出加工が可能であって、かつ、カット性が良好で、臭気が少ない塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物及びそれからなるラップフィルムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
【0017】
本実施形態に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物は、フィルムの形態を為しているときに、該フィルムをメタノール抽出したとき、メタノール抽出量が3.0質量%以上7.0質量%以下である。
【0018】
本実施形態に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物は、(1)主成分である塩化ビニリデン系共重合体、(2)必要に応じて配合される添加剤、を含む。
【0019】
本実施形態に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物をフィルム成形すると、成形時の加熱によって組成物中の揮発性成分が一部揮発する。成形したフィルムについてメタノール抽出を行なうと、主として可塑剤、粘着剤、粘着付与剤及び安定剤などの添加剤がメタノール中に溶出する。メタノール抽出された添加剤は、主として液状添加剤である。
【0020】
塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物は、従来、可塑剤、粘着剤、粘着付与剤及び安定剤などの添加剤を配合することで、ラップフィルムなどの成形物の物性を調整していた。メタノール抽出量を3.0質量%以上7.0質量%以下とすることで、加工性及びフィルムのカット性が良好で、臭気が少なく、食品包装用のラップに適したフィルムが得られる。メタノール抽出量は好ましくは6.0%質量以上7.0%質量以下である。メタノール抽出量が3.0質量%未満では押出加工性が劣り、押出機のロード(負荷)が上がり、分解しやすくなる。7.0質量%を超えると押出加工性は良好であるがカット性及び臭気性に劣る場合がある。また、液状添加剤がブリードしやすくなる場合がある。
【0021】
本実施形態に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物では、樹脂組成物中の添加剤、特に液状添加剤の総含有量が3.0質量%以上7.0質量%以下であることが好ましく、6.0質量%以上7.0質量%以下であることがより好ましい。液状添加剤の総添加量が3.0質量%未満であると、押出加工性が劣り、押出機のロード(負荷)が上がり、分解しやすくなる。7.0質量%を超えると押出加工性は良好であるがカット性及び臭気性に劣る場合がある。また、液状添加剤がブリードしやすくなる場合がある。
【0022】
塩化ビニリデン系共重合体は、塩化ビニリデン60〜98質量部及び塩化ビニリデンと共重合可能な単量体の少なくとも一種2〜40質量部であればよいが、代表的なものとして例えば、塩化ビニル、アルキル基が炭素数1〜8のアルキル酸エステル、アルキル基が炭素数1〜8のメタクリル酸エステル、脂肪族カルボン酸のビニルエステル、不飽和脂肪族カルボン酸等を挙げることができるが、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチルが好んで使用される。塩化ビニリデン系共重合体の製造方法は、一般に懸濁重合法や乳化重合法にて行われ、懸濁重合法が好ましい。
【0023】
使用する塩化ビニリデン系共重合体の塩化ビニリデンの含有量はフィルムを成形する際の押出加工性とガスバリヤ性とのバランスから70質量%以上が好ましく、より好ましくは80質量%以上である。
【0024】
使用する塩化ビニリデン系共重合体の還元粘度は0.042以上であることが好ましい。還元粘度が0.042未満ではフィルム強度が不足する場合がある。
【0025】
添加剤としては、公知の可塑剤、安定剤、粘着剤、粘着付与剤、顔料、滑剤、抗酸化剤、フィラー、界面活性剤などの添加剤を配合することができる。具体的には液状の可塑剤として、例えば、アセチルトリブチルサイトレート(ATBC)、セバチン酸ジブチルセチルトリブチルサイトレート、グリセリンジアセチルモノラウレート(GDAML)、ジブチルセバケート(DBS)、ジオクチルセバケート又はジアセチル化モノグリセライド(DALG)があり、粘着剤として、ポリブテン(PB)、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、ポリプロピレングリコール等のポリ多価アルコールなどのうち常温(25℃)で液状であるもの、粘着付与剤(常温で液状のもの)として、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタンモノ(トリ)オレート、グリセリンモノ(トリ)オレート等の界面活性剤、パラフィン系又はシクロパラフィン系の液状飽和炭化水素、例えば、ナフテン系のプロセスオイル、流動パラフィン(LP、ミネラルオイル)等がある。液状の安定剤として、例えば、エポキシ化大豆油(ESBO)、エポキシ化亜麻仁油(ELO)などのエポキシ化油があり、この他安定剤として、例えば、アルキルエステルのアミド誘導体、水酸化マグネシウム、ピロリン酸四ナトリウムがあり、滑剤として、例えば、酸化ポリエチレンやパラフィンワックスなどのワックス類があり、フィラーとして、例えば、酸化ケイ素、炭酸カルシウムがあり、界面活性剤として、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類等がある。
【0026】
本実施形態では、液状の可塑剤としてジブチルセバケート(DBS)は含ませないことが好ましい。ジブチルセバケートは、少量添加でも加工性を改善する作用が高い添加剤であるが、臭気性に劣る。本実施形態では、ジブチルセバケートを配合せず、かつ、メタノール抽出量が3.0質量%以上7.0質量%以下であることが好ましい。さらに、ジブチルセバケートを配合せず、かつ、液状添加剤の総含有量が3.0質量%以上7.0質量%以下であることがより好ましい。
【0027】
本実施形態に係るラップフィルムは、本実施形態に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物からなるため、カット性及び臭気性に優れる。
【0028】
次に本実施形態に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物の製造方法について説明する。この製造方法は例示であり、これに限定されない。重合反応の原料である塩化ビニリデン(VD)と塩化ビニル(VC)を所定の仕込み比で混合し、触媒存在下、懸濁重合法によって、塩化ビニリデン系共重合体を合成する。
【0029】
本実施形態に係る塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物は、溶融押出して延伸あるいは未延伸フィルム、シート、ラップフィルムなどに成形する。成形方法としては当業者に公知のような、例えばサーキュラーダイによるインフレーション押出成形法などが挙げられる。また、得られたフィルムをガスバリヤ層として配置して、共押出法、ラミネート法により多層フィルム、シートにすることもできる。
【実施例】
【0030】
次に、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。
【0031】
‐測定方法‐
<還元粘度>
塩化ビニリデン系共重合樹脂組成物1gを50mlのテトラヒドロフランに加え、40℃で溶解し、濾過後メタノールによりポリマーを析出させ、洗浄、乾燥する。この乾燥ポリマー80mgを秤量し、溶媒として30℃のシクロヘキサノン20mlを加え、70℃で60分間加熱溶解させ、室温にて冷却後、濾紙で濾過し、溶液粘度測定用試料溶液とする。還元粘度は、試料溶液5mlをウベローデ粘度計に入れ、30℃の恒温槽に5分間放置後、通常の方法で流下秒数を測定し、次式(数1)により求めた。
(数1)還元粘度=(1/4)×{(T/T)−1}
:30℃のシクロヘキサノン(溶媒)の流下秒数(秒)
:30℃の試料溶液の流下秒数(秒)
【0032】
<メタノール抽出量>
試料(フィルム)5gを、60℃のTHF(テトラヒドロフラン)100mlに浸漬して溶解させる。試料が溶解したTHF溶液を撹拌させながらメタノールを少量ずつ500ml滴下し、試料を再沈殿させる。この混合溶液の溶媒を90℃でドライアップさせた後、メタノール50mlを加え、再沈殿させた試料も含めて、ソックスレー抽出器にいれて上部に脱脂綿を乗せる。続いて、予め乾燥して質量を量った150mlの平底フラスコにメタノール70mlを入れ、ソックスレー抽出器に取り付けて85℃で24時間抽出する。平底フラスコを取り出し、90℃で溶媒をドライアップした後、平底フラスコを105℃に調整した乾燥器で1時間乾燥し、デシケーターで1時間放冷して抽出物の入ったフラスコの質量を求める。メタノール抽出量は、次式(数2)により求めた。
(数2)メタノール抽出量%=(B−A)/C×100 %
A:フラスコの質量(g)
B:抽出物の入ったフラスコの質量(g)
C:試料の質量(g)(5gである。)
【0033】
(フィルムのカット性)
紙管(外直径36mm、長さ308mm)に巻き取ったフィルムを専用のカートン(製品名:クレラップ(登録商標)、2011年市販カートン、カッター形状はV刃。)に入れ、フィルムを巻き出して、カットのし易さを評価した。評価者は5名で実施した。各評価者は、カットし易い3点、普通2点、カットしにくい1点、の点数を出し、5人の平均値を求めた。
○:2.6点以上(実用性に優れる)。
△:2点以上2.6点未満(実用不適)。
×:2点未満(実用不適)。
【0034】
(フィルムの臭気性)
短冊状に切り取ったフィルム(10mm×50mm)を、無臭の広口瓶(容量500ml)に8割程度の容量で圧縮しない程度の密度で入れて蓋をする。この広口瓶を80℃に設定したギアオーブンに入れて30分後に取り出し、冷めないうちに蓋を開けて、臭気を評価した。評価者は5名で実施した。各評価者は、臭気が少ない3点、臭気を感じる2点、臭気を強く感じる1点、の点数を出し、5人の平均値を求めた。
○:2.6点以上(実用に優れる)。
△:2点以上2.6点未満(実用不適)。
×:2点未満(実用不適)。
【0035】
(実施例1)
重合するモノマーとして、塩化ビニリデン(VD)と塩化ビニル(VC)とを塩化ビニリデン:塩化ビニル=82:18(質量比)で混合し、懸濁重合を行った。この重合レジン(塩化ビニリデン系共重合体)に対して、添加剤として、ATBC、DAL、ESBO、LPを合計6.66質量%の含有量となるように加え、混合し、コンパウンド(塩化ビニリデン共重合体樹脂組成物)を作製した。ついで、単軸押出機を用いて、樹脂温度約185℃にて環状に溶融押出し、10℃の冷却槽で急冷した後、室温にてインフレーション二軸延伸を行い、スリット後、厚み10μm、幅300mmのフィルムを作製した。重合レジンの還元粘度、試作フィルムのメタノール抽出量を測定し、表1に示した。更に、フィルム成形性の可否、カット性、臭気性を評価し、表1に示した。
【0036】
(実施例2)
VD:VC=83:17(質量比)として重合レジンを作製した。次いでこの重合レジン(塩化ビニリデン系共重合体)に対して、添加剤として、ATBC、DAL、ESBO、LP、PBを合計6.73質量%の含有量となるように加え、混合し、コンパウンド(塩化ビニリデン共重合体樹脂組成物)を作製した。実施例1と同様の条件にてフィルムを作製し、評価を行なった。
【0037】
(比較例1)
VD:VC=82:18(質量比)として重合レジンを作製した。次いでこの重合レジン(塩化ビニリデン系共重合体)に対して、添加剤として、ATBC、DAL、ESBO、LPを合計7.76質量%の含有量となるように加え、混合し、コンパウンド(塩化ビニリデン共重合体樹脂組成物)を作製した。実施例1と同様の条件にてフィルムを作製
し、評価を行なった。
【0038】
(比較例2)
VD:VC=82:18(質量比)として重合レジンを作製した。次いでこの重合レジン(塩化ビニリデン系共重合体)に対して、添加剤として、ATBC、DAL、ESBO、LP、PBを合計7.84質量%の含有量となるように加え、混合し、コンパウンド(塩化ビニリデン共重合体樹脂組成物)を作製した。実施例1と同様の条件にてフィルムを作製し、評価を行なった。
【0039】
(比較例3)
VD:VC=82:18(質量比)として重合レジンを作製した。次いでこの重合レジン(塩化ビニリデン系共重合体)に対して、添加剤として、ATBC、DAL、ESBO、LPを合計2.8質量%の含有量となるように加え、混合し、コンパウンド(塩化ビニリデン共重合体樹脂組成物)を作製した。実施例1と同様の条件にてフィルムを作製したが、分解してフィルムが得られなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例1〜2はいずれも、押出加工性、カット性及び臭気性に優れていた。比較例1〜2は、メタノール抽出量が7.0質量%を超えており、カット性と臭気性に劣った。比較例3は、押出加工時に樹脂組成物の分解が生じて、フィルムが得られなかった。比較例3は、メタノール抽出量が3.0質量%未満であると推測される。