特許第6017621号(P6017621)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017621
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20161020BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20161020BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20161020BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20161020BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20161020BHJP
【FI】
   H02J7/00 301D
   G06K19/07 100
   H02J7/00 A
   H02J50/10
   H02J50/20
   H02J50/80
【請求項の数】4
【全頁数】56
(21)【出願番号】特願2015-94522(P2015-94522)
(22)【出願日】2015年5月6日
(62)【分割の表示】特願2013-178352(P2013-178352)の分割
【原出願日】2007年8月29日
(65)【公開番号】特開2015-181336(P2015-181336A)
(43)【公開日】2015年10月15日
【審査請求日】2015年5月7日
(31)【優先権主張番号】特願2006-237047(P2006-237047)
(32)【優先日】2006年8月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】長多 剛
(72)【発明者】
【氏名】田村 輝
【審査官】 高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−210843(JP,A)
【文献】 特開2003−070187(JP,A)
【文献】 特開2002−209343(JP,A)
【文献】 特開2006−174676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
G06K 19/07
G06K 19/077
H02J 50/00 − 50/90
H01F 38/14
H01L 27/04
H01Q 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車と、給電器と、を有し、
前記自動車に前記給電器から電波を出力する電力供給システムであって、
前記自動車は、
第1のアンテナ回路と、
第1の整流回路と、
電源回路と、
第2のアンテナ回路と、
第2の整流回路と、
充電回路と、充放電制御回路と、蓄電部と、を有し、
前記第1のアンテナ回路、前記第1の整流回路及び前記電源回路は電気的に接続され、
前記第1のアンテナ回路は電波を送受信する機能を有し、
前記第1の整流回路は前記電波を整流する機能を有し、
前記整流された電波は第1の電源回路に入力され、
前記第1の電源回路は電力を供給し、
前記第2のアンテナ回路、前記第2の整流回路、前記充電回路、前記充放電制御回路及び前記蓄電部は電気的に接続され、
前記第2のアンテナ回路は無線信号を受信する機能を有し、
前記第2の整流回路は前記無線信号を整流する機能を有し、
前記整流された無線信号は前記充電回路及び前記充放電制御回路を介して前記蓄電部を充電することを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のアンテナ回路及び前記第2のアンテナ回路は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式により信号を受信することを特徴とする電力供給システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記蓄電部はバッテリー若しくはコンデンサのいずれか一方または双方を有することを特徴とする電力供給システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記バッテリーは、リチウム電池、ニッケル水素電池、ニカド電池または有機ラジカル電池であることを特徴とする電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び受電装置に関する。特に、電波を介したデータの送受信及び
無線により電力の受信を行う半導体装置及び受電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電波又は電磁波等の無線通信を利用した個体識別技術が注目を集めている。特に
、無線通信によりデータの送受信を行う半導体装置として、RFID(Radio Fr
equency Identification)タグを利用した個体識別技術が注目を
集めている。RFIDタグは、IC(Integrated Circuit)タグ、I
Cチップ、RF(Radio Frequency)タグ、無線タグ、電子タグとも呼ば
れる。RFIDタグ等を用いた個体識別技術は、個々の対象物の生産、管理や個別認証等
に利用され始めている。
【0003】
RFIDタグは、電源を内蔵するか、外部から電源供給を受けるかの違いにより大きく
2つに分けることができる。即ち、RFIDタグの情報を含んだ電波又は電磁波を送信す
ることが可能な、電源を内蔵したアクティブタイプ(能動タイプ)のRFIDタグと、外
部からの電波又は電磁波(搬送波)の電力を利用して駆動するパッシブタイプ(受動タイ
プ)のRFIDタグの二つである。(アクティブタイプに関しては特許文献1、パッシブ
タイプに関しては特許文献2を参照。)。このうち、アクティブタイプのRFIDタグに
おいては、RFIDタグを駆動するための電源を内蔵しており、電源として電池を備えた
構成となっている。また、パッシブタイプにおいては、RFIDタグを駆動するための電
源を外部からの電波又は電磁波(搬送波)の電力を利用して作りだし、電池を備えない構
成を実現している。
【0004】
図3は、アクティブタイプのRFIDタグ(半導体装置3100)の具体的な構成につ
いてのブロック図を示す。図3のアクティブタイプの半導体装置3100では、アンテナ
回路3101によって受信された信号は信号処理回路3102内の復調回路3105及び
アンプ3106に入力される。通常、通信信号は13.56MHz、915MHz等のキ
ャリアにASK変調又はPSK変調等の処理をおこなって送られてくる。なお、ASK変
調ではデジタル信号を振幅の違いで表し、変調する。PSK変調ではデジタル信号を一定
周波数の搬送波の位相の違いで表し、変調する。ここでは、信号として13.56MHz
のキャリアを用いた例を示す。図3において、信号を処理するためには基準となるクロッ
ク信号が必要であり、ここでは13.56MHzのキャリアをクロック信号に用いている
。アンプ3106は13.56MHzのキャリアを増幅し、クロック信号として論理回路
3107に供給する。また、ASK変調やPSK変調された信号は復調回路3105で復
調される。復調された信号は論理回路3107に送信されて解析される。論理回路310
7で解析された信号はメモリコントロール回路3108に送信され、この信号に基づいて
メモリコントロール回路3108はメモリ回路3109を制御し、メモリ回路3109に
記憶されたデータを取り出し、論理回路3110に送る。データは論理回路3110でエ
ンコード処理された後にアンプ3111で増幅され、その信号によって、変調回路311
2はキャリアに変調をかける。一方、図3における半導体装置3100の電力は、信号処
理回路3102の外に設けられる電池3103によって電源回路3104を介して供給さ
れている。そして電源回路3104がアンプ3106、復調回路3105、論理回路31
07、メモリコントロール回路3108、メモリ回路3109、論理回路3110、アン
プ3111及び変調回路3112等に電力を供給する。
【0005】
図4は、パッシブタイプのRFIDタグ(半導体装置3200)の具体的な構成につい
てのブロック図を示す。図4のパッシブタイプの半導体装置3200では、アンテナ回路
3201によって受信された信号は信号処理回路3202内の復調回路3205及びアン
プ3206に入力される。通常、通信信号は13.56MHz、915MHz等のキャリ
アをASK変調、PSK変調等の処理をおこなって送られてくる。ここでは、信号として
13.56MHzのキャリアを用いた例を示す。図4において、信号を処理するためには
基準となるクロック信号が必要であり、ここでは13.56MHzのキャリアをクロック
信号に用いている。アンプ3206は13.56MHzのキャリアを増幅し、クロック信
号として論理回路3207に供給する。また、ASK変調やPSK変調された信号は復調
回路3205で復調される。復調された信号は論理回路3207に送信されて解析される
。論理回路3207で解析された信号はメモリコントロール回路3208に送信され、こ
の信号に基づいてメモリコントロール回路3208はメモリ回路3209を制御し、メモ
リ回路3209に記憶されたデータを取り出し、論理回路3210に送る。データは論理
回路3210でエンコード処理された後にアンプ3211で増幅され、その信号によって
、変調回路3212はキャリアに変調をかける。一方、図4における半導体装置3200
の電力は、整流回路3203に入力された信号が整流されて電源回路3204に入力され
ることにより供給される。そして、電源回路3204がアンプ3206、復調回路320
5、論理回路3207、メモリコントロール回路3208、メモリ回路3209、論理回
路3210、アンプ3211及び変調回路3212等に電力を供給する。
【0006】
また、一方では、様々な電化製品の普及が進み、多種多様な製品が市場に出荷されてい
る。特に近年、携帯型の電子機器の普及は顕著である。一例として、携帯電話又はデジタ
ルビデオカメラ等は、表示部の高精細化、電池の耐久性向上及び低消費電力化が進み、利
便性に富んだものとなってきている。携帯型の電子機器を駆動するための電源としては、
受電手段であるバッテリーを内蔵した構造を有し、バッテリーにより電力を確保している
。バッテリーとしてはリチウムイオン電池等の2次電池(以下、バッテリーという)が用
いられており、バッテリーの充電には、給電手段である家庭用交流電源にコンセントを挿
入したACアダプターを用いて行われているのが現状である(特許文献3を参照)。
【0007】
なお、バッテリーを具備する電子機器としては、移動手段である自転車、自動車(電気自
動車、又は4輪車、2輪車を問わず電力より推進する移動手段を含む。)等も含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−316724号公報
【特許文献2】特表2006−503376号公報
【特許文献3】特開2005−150022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図3に示したように、アクティブタイプのRFIDタグでは、個体情報
の送受信又は送受信に必要な電波の強度設定に応じて電池は経時的に消耗していき、最終
的には個体情報の送受信に必要な電力を発生できなくなるという課題があった。このため
、アクティブタイプのRFIDタグのような半導体装置には、電池の残存容量の確認や電
池の交換をする作業が必要であるという課題があった。
【0010】
また、図4に示したように、パッシブタイプのRFIDタグでは、長距離からの信号の
送受信又は送受信に必要な電波を送信するための電力の確保が難しく、良好な送受信状態
を実現することが難しいという課題があった。このため、パッシブタイプのRFIDタグ
のような半導体装置には、外部からの電波又は電磁波(搬送波)により電力の供給が十分
に確保できるよう、電源供給手段であるリーダ/ライタのアンテナからの距離が近い場合
の使用に限られるという課題があった。
【0011】
また、一方では携帯電話及びデジタルビデオカメラ等の移動型電子機器の使用頻度は増
加の一途をたどっているが、使用時間に対応する電池の容量、耐久性及び低消費電力化の
向上には限界がある。さらには、携帯電話及びデジタルビデオカメラに内蔵された電源で
あるバッテリーの充電には、家庭用交流電源を介したACアダプターによる充電器からの
充電又は市販の一次電池からの充電の他に方法が無かった。そのため、使用者にとって充
電の作業は煩雑であり、給電手段であるACアダプター又は一次電池を持参して屋外を移
動する必要があり、不都合である。
【0012】
また、移動型電子機器である自動車においては、燃焼機関によるバッテリーの充電が行わ
れるが、燃焼機関を始動させるにはバッテリーに充電された電力によるプラグ点火が必要
となる。そのため、一定期間自動車の使用をしないことによる所謂バッテリー上がりの際
には、プラグ点火することができず、燃焼機関の始動を行うには、有線による外部からの
直接的な電力供給を行う必要があり、安全性・利便性の面で不利であった。
【0013】
さらには、家庭用交流電源からのACアダプターによる充電又は市販の一次電池からの充
電においては、移動型電子機器におけるバッテリーへの導電部として外部端子を設ける必
要があった。そのため、外部端子が剥き出しになる構成又は保護部を介して外部端子が剥
き出しになる構成となっていた。そのため、外部端子の破損や外部端子の不良に伴う故障
が起こってしまうという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、RFIDタグのような半導体装置において、駆動電源として用いる電池の経
時的劣化を低減し、個体情報を送受信することができ、且つ外部からの電磁波(搬送波)
の電力が十分でない場合であっても、個体情報の送受信状態を良好に維持することが可能
な半導体装置を提供する。
【0015】
上述の諸問題を解決するため、本発明はRFIDタグのような半導体装置における電力
を供給する電源としてバッテリー(2次電池ともいう)又はコンデンサで構成される蓄電
部を設けることを特徴とする。そして本発明は、当該バッテリー又はコンデンサで構成さ
れる蓄電部に電力を供給する手段として、外部との個体情報の送受信をするアンテナとは
別に、バッテリー又はコンデンサで構成される蓄電部への充電を無線で行うためのアンテ
ナを複数個設け、各アンテナに対応した整流回路を設けることを特徴とする。
【0016】
本発明の一形態は、信号処理回路と、前記信号処理回路に接続された第1のアンテナ回
路と、第2のアンテナ回路と、前記信号処理回路に接続された蓄電部と、を有し、前記信
号処理回路は、前記第1のアンテナ回路に接続された第1の整流回路と、前記第2のアン
テナ回路に接続された第2の整流回路と、を有し、前記第1のアンテナ回路は、前記信号
処理回路に記憶されたデータが含まれた信号を送信し、又は前記信号処理回路に記憶する
データが含まれた信号を受信し、前記第2のアンテナ回路は、前記蓄電部に充電する電力
を受けとり、前記第2の整流回路は充電回路に接続され、前記第1のアンテナ回路及び前
記第2のアンテナ回路は対応する周波数帯域が異なることを特徴とする無線通信可能な半
導体装置である。
【0017】
本発明の別形態は、信号処理回路と、前記信号処理回路に接続された第1のアンテナ回
路と、第2のアンテナ回路と、前記信号処理回路に接続された蓄電部と、を有し、前記信
号処理回路は、前記第1のアンテナ回路に接続された第1の整流回路と、前記第2のアン
テナ回路に接続された第2の整流回路と、を有し、前記第1のアンテナ回路は、前記信号
処理回路に記憶されたデータが含まれた信号を送信し、又は前記信号処理回路に記憶する
データが含まれた信号を受信し、前記第2の整流回路は充電回路に接続され、前記第2の
アンテナ回路は、前記蓄電部に充電する電力を受けとり、且つ第1のアンテナ回路が有す
るアンテナとは長さの異なるアンテナを有することを特徴とする無線通信可能な半導体装
置である。
【0018】
本発明の別形態は、信号処理回路と、前記信号処理回路に接続された第1のアンテナ回
路と、複数のアンテナ回路からなるアンテナ回路群と、前記信号処理回路に接続された蓄
電部と、を有し、前記信号処理回路は、前記第1のアンテナ回路に接続された第1の整流
回路と、前記アンテナ回路群の複数のアンテナ回路の各々に接続された複数の整流回路と
、を有し、前記複数のアンテナ回路の一は前記複数の整流回路の一に接続され、且つ前記
複数の整流回路の一は前記複数のアンテナ回路の一に接続され、前記第1のアンテナ回路
は、前記信号処理回路に記憶されたデータが含まれた信号を送信し、又は前記信号処理回
路に記憶するデータが含まれた信号を受信し、前記複数の整流回路は充電回路に接続され
、前記アンテナ回路群は、前記蓄電部に充電する電力を受けとり、且つそれぞれ長さの異
なるアンテナを有することを特徴とする無線通信可能な半導体装置である。
【0019】
本発明の別形態は、信号処理回路と、前記信号処理回路に接続された第1のアンテナ回
路と、複数のアンテナ回路からなるアンテナ回路群と、前記信号処理回路に接続された蓄
電部と、を有し、前記信号処理回路は、前記第1のアンテナ回路に接続された第1の整流
回路と、前記アンテナ回路群の複数のアンテナ回路の各々に接続された複数の整流回路と
、を有し、前記複数のアンテナ回路の一は前記複数の整流回路の一に接続され、且つ前記
複数の整流回路の一は前記複数のアンテナ回路の一に接続され、前記第1のアンテナ回路
は、前記信号処理回路に記憶されたデータが含まれた信号をリーダ/ライタに送信し、又
は前記信号処理回路に記憶するデータが含まれた信号をリーダ/ライタから受信し、前記
複数の整流回路は充電回路に接続され、前記アンテナ回路群は、前記蓄電部に充電する電
力を外部の無線信号から受けとり、且つそれぞれ長さの異なるアンテナを有することを特
徴とする無線通信可能な半導体装置である。
【0020】
本発明の別形態は、信号処理回路と、前記信号処理回路に接続された第1のアンテナ回
路と、複数のアンテナ回路からなるアンテナ回路群と、前記信号処理回路に接続された蓄
電部と、を有し、前記信号処理回路は、前記第1のアンテナ回路に接続された第1の整流
回路と、前記アンテナ回路群の複数のアンテナ回路の各々に接続された複数の整流回路と
、を有し、前記複数のアンテナ回路の一は前記複数の整流回路の一に接続され、且つ前記
複数の整流回路の一は前記複数のアンテナ回路の一に接続され、前記第1のアンテナ回路
は、前記信号処理回路に記憶されたデータが含まれた信号をリーダ/ライタに送信し、又
は前記信号処理回路に記憶するデータが含まれた信号をリーダ/ライタから受信し、前記
複数の整流回路は充電回路に接続され、前記アンテナ回路群は、前記蓄電部に充電する電
力を外部の無線信号から受けとり、前記第1のアンテナ回路及び前記アンテナ回路群が有
するアンテナ回路の各々は対応する周波数帯域が異なることを特徴とする無線通信可能な
半導体装置である。
【0021】
本発明の別形態は、信号処理回路と、前記信号処理回路に接続された第1のアンテナ回
路と、複数のアンテナ回路からなるアンテナ回路群と、前記信号処理回路に接続された蓄
電部と、を有し、前記信号処理回路は、前記第1のアンテナ回路に接続された第1の整流
回路と、前記アンテナ回路群の複数のアンテナ回路の各々に接続された複数の整流回路と
、を有し、前記複数のアンテナ回路の一は前記複数の整流回路の一に接続され、且つ前記
複数の整流回路の一は前記複数のアンテナ回路の一に接続され、前記第1のアンテナ回路
は、前記信号処理回路に記憶されたデータが含まれた信号を送信し、又は前記信号処理回
路に記憶するデータが含まれた信号を受信し、前記複数の整流回路は充電回路に接続され
、前記充電回路は充放電回路を介して前記蓄電部に接続され、前記アンテナ回路群は、前
記蓄電部に充電する電力を受けとり、且つそれぞれ長さの異なるアンテナを有することを
特徴とする無線通信可能な半導体装置である。
【0022】
本発明の別形態は、信号処理回路と、前記信号処理回路に接続された第1のアンテナ回
路と、複数のアンテナ回路からなるアンテナ回路群と、前記信号処理回路に接続された蓄
電部と、を有し、前記信号処理回路は、前記第1のアンテナ回路に接続された第1の整流
回路と、前記アンテナ回路群の複数のアンテナ回路の各々に接続された複数の整流回路と
、を有し、前記複数のアンテナ回路の一は前記複数の整流回路の一に接続され、且つ前記
複数の整流回路の一は前記複数のアンテナ回路の一に接続され、前記第1のアンテナ回路
は、前記信号処理回路に記憶されたデータが含まれた信号をリーダ/ライタに送信し、又
は前記信号処理回路に記憶するデータが含まれた信号をリーダ/ライタから受信し、前記
複数の整流回路は充電回路に接続され、前記充電回路は充放電回路を介して前記蓄電部に
接続され、前記アンテナ回路群は、前記蓄電部に充電する電力を外部の無線信号から受け
とり、且つそれぞれ長さの異なるアンテナを有することを特徴とする無線通信可能な半導
体装置である。
【0023】
本発明の別形態は、信号処理回路と、前記信号処理回路に接続された第1のアンテナ回
路と、複数のアンテナ回路からなるアンテナ回路群と、前記信号処理回路に接続された蓄
電部と、を有し、前記信号処理回路は、前記第1のアンテナ回路に接続された第1の整流
回路と、前記アンテナ回路群の複数のアンテナ回路の各々に接続された複数の整流回路と
、を有し、前記複数のアンテナ回路の一は前記複数の整流回路の一に接続され、且つ前記
複数の整流回路の一は前記複数のアンテナ回路の一に接続され、前記第1のアンテナ回路
は、前記信号処理回路に記憶されたデータが含まれた信号をリーダ/ライタに送信し、又
は前記信号処理回路に記憶するデータが含まれた信号をリーダ/ライタから受信し、前記
複数の整流回路は充電回路に接続され、前記充電回路は充放電回路を介して前記蓄電部に
接続され、前記アンテナ回路群は、前記蓄電部に充電する電力を外部の無線信号から受け
とり、前記第1のアンテナ回路及び前記アンテナ回路群が有するアンテナ回路の各々は対
応する周波数帯域が異なることを特徴とする無線通信可能な半導体装置である。
【0024】
上記構成の本発明において、前記蓄電部は、前記信号処理回路が有する電源回路に電力
を供給することが好ましい。
【0025】
上記構成の本発明において、前記第1のアンテナ回路及び前記複数のアンテナ回路のい
ずれかは、電磁誘導方式により信号を受信することが好ましい。
【0026】
上記構成の本発明において、前記蓄電部はバッテリー若しくはコンデンサのいずれか一
方、又は双方を有することが好ましい。
【0027】
本発明の別形態は、複数のアンテナ回路と、信号処理回路と、蓄電部と、を有し、前記
信号処理回路は前記複数のアンテナ回路の各々に接続された複数の整流回路を有し、前記
複数のアンテナ回路は、前記信号処理回路を介して、前記蓄電部に充電する電力を無線に
より受けとり、前記複数の整流回路は充電回路に接続されていることを特徴とする受電装
置である。
【0028】
本発明の別形態は、複数のアンテナ回路と、信号処理回路と、蓄電部と、を有し、前記
信号処理回路は前記複数のアンテナ回路の各々に接続された複数の整流回路を有し、前記
複数のアンテナ回路は、前記信号処理回路を介して、前記蓄電部に充電する電力を無線に
より受けとり、前記複数の整流回路は充電回路に接続され、前記受電は給電器により行う
ことを特徴とする受電装置である。
【0029】
本発明の別形態は、複数のアンテナ回路と、信号処理回路と、蓄電部と、を有し、前記
信号処理回路は前記複数のアンテナ回路の各々に接続された複数の整流回路を有し、前記
複数のアンテナ回路は、前記信号処理回路を介して、前記蓄電部に充電する電力を無線に
より受けとり、前記複数の整流回路は充電回路に接続され、前記充電回路は充放電回路を
介して前記蓄電部に接続されていることを特徴とする受電装置である。
【0030】
上記構成の本発明において、前記複数のアンテナ回路のいずれかは、電磁誘導方式によ
り信号を受信することが好ましい。
【0031】
上記構成の本発明において、前記蓄電部はバッテリー若しくはコンデンサのいずれか一
方、又は双方を有することが好ましい。
【0032】
上記構成の本発明において、前記バッテリーは、リチウム電池、ニッケル水素電池、ニ
カド電池又は有機ラジカル電池であることが好ましい。
【0033】
なお、本発明において、接続されているとは、電気的に接続されている場合と直接接続
されている場合とを含むものとする。したがって、本発明が開示する構成において、所定
の接続関係に加え、その間に電気的な接続を可能とする他の素子(例えば、スイッチやト
ランジスタや容量素子やインダクタや抵抗素子やダイオードなど)が配置されていてもよ
い。あるいは、間に他の素子を挟まずに、直接接続されて、配置されていてもよい。なお
、電気的な接続を可能とする他の素子を間に介さずに接続されていて、直接接続されてい
る場合のみを含む場合であって、電気的に接続されている場合を含まない場合には、直接
接続されている、と記載するものとする。なお、電気的に接続されている、と記載する場
合は、電気的に接続されている場合と直接接続されている場合とを含むものとする。
【0034】
なお、本発明において、トランジスタは、様々な形態のトランジスタを適用させること
が出来る。よって、適用可能なトランジスタの種類に限定はない。したがって、非晶質シ
リコンや多結晶シリコンに代表される非単結晶半導体膜を用いた薄膜トランジスタ(TF
T)、半導体基板やSOI基板を用いて形成されるトランジスタ、MOS型トランジスタ
、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ZnO、a−InGaZnOなどの化
合物半導体を用いたトランジスタ、有機半導体やカーボンナノチューブを用いたトランジ
スタ、その他のトランジスタを適用することができる。なお、非単結晶半導体膜には水素
又はハロゲンが含まれていてもよい。また、トランジスタが配置されている基板の種類と
しては、様々なものを用いることができ、特定のものに限定されることはない。従って例
えば、単結晶基板、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、紙基板、セ
ロファン基板、石材基板などに配置することが出来る。また、ある基板でトランジスタを
形成し、その後、別の基板にトランジスタを移動させて、別の基板上に配置してもよい。
【0035】
また、本発明の半導体装置に適用するトランジスタの構成として、例えば、マルチゲー
ト構造を用いてもよい。マルチゲート構造にすることにより、オフ電流を低減し、トラン
ジスタの耐圧を向上させて信頼性を良くし、飽和領域で動作する時に、ドレイン・ソース
間電圧が変化しても、ドレイン・ソース間電流の変化を小さくすることができる。また、
チャネルの上下にゲート電極が配置されている構造でもよい。チャネルの上下にゲート電
極が配置されている構造にすることにより、チャネル領域が増えるため、電流値を大きく
し、空乏層ができやすくなり、S値を小さくすることができる。なお、ここでS値とはド
レイン電圧一定にてドレイン電流を1ケタ変化させるサブスレッシュホールド領域でのゲ
ート電圧値をいう。また、チャネルの上にゲート電極が配置されている構造でもよいし、
チャネルの下にゲート電極が配置されている構造でもよいし、正スタガ構造であってもよ
いし、逆スタガ構造でもよいし、チャネル領域が複数の領域に分かれていてもよいし、並
列に接続されていてもよいし、直列に接続されていてもよい。また、チャネル(もしくは
その一部)にソース電極やドレイン電極が重なっていてもよい。チャネル(もしくはその
一部)にソース電極やドレイン電極が重なっている構造にすることにより、チャネルの一
部に電荷がたまって、動作が不安定になることを防ぐことができる。また、LDD領域が
あってもよい。LDD領域を設けることにより、オフ電流を低減し、トランジスタの耐圧
を向上させて信頼性を良くし、飽和領域で動作する時に、ドレイン・ソース間電圧が変化
しても、ドレイン・ソース間電流の変化を小さくすることができる。
【0036】
なお、すでに述べたように、本発明の半導体装置に適用するトランジスタは、様々なタ
イプを用いることができ、様々な基板上に形成させることができる。したがって、回路の
全てが、ガラス基板上に形成されていてもよいし、プラスチック基板上に形成されていて
もよいし、単結晶基板上に形成されていてもよいし、SOI基板上に形成されていてもよ
い。半導体装置が有する回路の全てが同一基板上に形成されることで、部品点数を減らし
てコストを低減し、回路部品との接続点数を減らして信頼性を向上させたりすることがで
きる。あるいは、回路の一部が、ある基板上に形成され、回路の別の部分が、別の基板に
形成されていてもよい。つまり、回路の全てが同じ基板上に形成されていなくてもよい。
例えば、回路の一部が、ガラス基板上にトランジスタを用いて形成され、回路の別の部分
が、単結晶基板上に形成され、そのICチップをCOG(Chip On Glass)
で接続してガラス基板上に配置してもよい。あるいは、そのICチップをTAB(Tap
e Auto Bonding)やプリント基板を用いてガラス基板と接続してもよい。
このように、回路の一部が同じ基板上に形成されていることにより、部品点数を減らして
コストを低減し、回路部品との接続点数を減らして信頼性を向上させることができる。ま
た、駆動電圧が高い部分や駆動周波数が高い部分は、消費電力が大きくなってしまう。そ
のため、これらの回路を同じ基板上に形成しないようにすれば、消費電力の増大を防ぐこ
とができる。
【0037】
なお、本明細書でいう半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全
般を指すものとする。なお、対応する周波数帯域とは、アンテナ回路が受信する電力が9
0%以上であり、且つアンテナ回路が反射する電力が10%以下となる周波数帯域をいう
【0038】
本明細書において、アンテナと、該アンテナが受信した電磁波により生ずる起電力をバ
ッテリーに充電する回路と、該起電力を充電する媒体と、を備えたものをRFバッテリー
又は無線電池とも呼ぶ。
【0039】
なお、本発明で利用できる電波又は電磁波について、信号の周波数は、125kHz、
13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどがあり、それぞれISO規格など
が設定されるが、これに限定されるものではなく、例えばサブミリ波である300GHz
〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3GHz〜30
GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜300MH
z、短波である3MHz〜30MHz、中波である300kHz〜3kHz、長波である
30kHz〜300kHz、及び超長波である3kHz〜30kHzのいずれの周波数も
用いることができる。
【0040】
なお、本明細書において、バッテリーとは、二次電池又は蓄電池とよばれるもので、外
部電源から得た電気的エネルギーを化学的エネルギーの形に変換して蓄え、必要に応じて
再び電力として取り出す装置をいう。また、コンデンサとは、絶縁した二つの導体が近接
し、二つの導体の一方が正、他方が負の電荷を帯びることでその電気間の引力により電荷
が蓄えられる装置をいう。
【発明の効果】
【0041】
本発明の半導体装置及び受電装置は、蓄電部を有するため、電池の経時的な劣化に伴う
個体情報の送受信のための電力の不足を防止することができる。
【0042】
また、本発明の半導体装置及び受電装置は、蓄電部に無線で電力を供給するために複数
個のアンテナと複数個の整流回路を有する。そのため、充電器に直接接続することなく、
半導体装置及び受電装置を駆動するための電力を供給する蓄電部の充電を、外部からの電
磁波により行うことができる。その結果、従来のアクティブタイプのRFIDタグ等のよ
うに電池の残存容量の確認や電池の交換をする必要がなく、長時間・長期間に渡って使用
し続けることができる。加えて、半導体装置及び受電装置が搭載された電子機器等を駆動
するための電力を常にバッテリー内に保持することにより、半導体装置及び電子機器が動
作するための十分な電力が得られ、リーダ/ライタ及び給電器との通信距離を伸ばすこと
ができる。
【0043】
また、本発明の半導体装置及び受電装置は、対応する周波数帯の異なる複数のアンテナ
が設けられている。これらが蓄電部に接続され、充電を行う。これにより、様々な周波数
帯の電磁波を電力として用いることができ、電波を効率よく利用して充電を行うことがで
きる。
【0044】
更には、一のアンテナに対応して一の整流回路を有することにより、各アンテナに対応
したインピーダンス整合をとることが容易になる。また、リターンロスが減少するため、
バッテリーの充電を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の半導体装置の一構成例を示す図。
図2】本発明の半導体装置の一構成例を示す図。
図3】従来の半導体装置の構成例を示す図。
図4】従来の半導体装置の構成例を示す図。
図5】本発明の半導体装置に含まれるアンテナ回路の一例を示す図。
図6】本発明の半導体装置に含まれるアンテナの形状の一例を示す図。
図7】本発明の半導体装置に含まれる電源回路の一構成例を示す図。
図8】本発明の半導体装置の一構成例を示す図。
図9】本発明の半導体装置と送受信するリーダ/ライタの一構成例を示す図。
図10】本発明の半導体装置の一構成例を示す図。
図11】本発明の半導体装置の一構成例を示す図。
図12】本発明の半導体装置の一構成例を示す図。
図13】本発明の受電装置の一構成例を示す図。
図14】本発明の受電装置の一構成例を示す図。
図15】本発明の受電装置の一構成例を示す図。
図16】本発明の受電装置の一構成例を示す図。
図17】本発明の受電装置の一構成例を示す図。
図18】本発明の受電装置の一構成例を示す図。
図19】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
図20】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
図21】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
図22】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
図23】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
図24】本発明の半導体装置の一構成例を示す図。
図25】本発明の半導体装置の動作方法の一例を示す図。
図26】本発明の半導体装置の動作方法の一例を示す図。
図27】本発明の半導体装置の動作方法の一例を示す図。
図28】本発明の半導体装置の動作方法の一例を示す図。
図29】本発明の半導体装置の一構成例を示す図。
図30】本発明の半導体装置の一構成例を示す図。
図31】本発明の半導体装置の使用形態の例を示す図。
図32】本発明の半導体装置の使用形態の例を示す図。
図33】本発明の受電装置の使用形態の例を示す図。
図34】本発明の受電装置の使用形態の例を示す図。
図35】本発明の受電装置の使用形態の例を示す図。
図36】本発明の受電装置の使用形態の例を示す図。
図37】本発明の半導体装置の作製方法の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多く
の異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱すること
なくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従っ
て本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本
発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
(実施の形態1)
【0047】
本発明の半導体装置の一構成例について、図1及び図2に示すブロック図を用いて説明
する。なお、本実施の形態では、半導体装置をRFIDタグ等として利用する場合につい
て説明する。
【0048】
図1に示す半導体装置100は、第1のアンテナ回路101、信号処理回路103、バ
ッテリー104、充電回路116、及びアンテナ−整流回路群117によって構成されて
いる。信号処理回路103は、第1の整流回路105、電源回路106、復調回路108
、アンプ109、論理回路110、メモリコントロール回路111、メモリ回路112、
論理回路113、アンプ114、変調回路115によって構成されている。アンテナ−整
流回路群117は一対の第2のアンテナ回路102a、第2の整流回路107aを始めと
する、N−1個のアンテナ−整流回路対又はアンテナ回路群102と整流回路群107か
ら構成される。これらアンテナ回路及び整流回路を代表して、第Nのアンテナ回路102
n及び第Nの整流回路107nと表記する。
【0049】
図2は、第1のアンテナ回路101がリーダ/ライタ201からの電波202aを受信
し、又はリーダ/ライタ201へ電波202aを送信し、アンテナ−整流回路群117内
の第Nのアンテナ回路102nが外部の電波202bを受信する様子をブロック図で示し
ている。図2において、第1のアンテナ回路101で受信された電波202aは、第1の
整流回路105を介して電源回路106に入力されて電力を供給すると同時に、電波20
2aに含まれるデータが復調回路108等(図1を参照。)により抽出される。また、ア
ンテナ−整流回路群117で受信した電波202bの各々(電波202c又は電波202
d)は、第Nの整流回路107nを介して充電回路116に入力され、バッテリー104
を充電する。
【0050】
本実施の形態で示す半導体装置100は、第Nのアンテナ回路102nで受信した外部
の電波202bが第Nの整流回路107nを介して充電回路116に入力され、バッテリ
ー104を充電することによって、必要に応じて、当該バッテリー104から適宜電源回
路106に電力が供給される。つまり、バッテリー104を無線で充電する構成となって
いる。
【0051】
なお、本実施の形態で示す半導体装置100では、バッテリー104を充電するために
第Nのアンテナ回路102nで受信する電波として、外部の電波202b(以下、「無線
信号」とも記す)を利用することを特徴としている。外部の無線信号として、例えば、携
帯電話の中継局の電波(800〜900MHz帯、1.5GHz、1.9〜2.1GHz
帯等)、携帯電話から発振される電波、電波時計の電波(40kHz等)、家庭用の交流
電源のノイズ(60Hz等)、他のリーダ/ライタ(半導体装置100と直接やりとりを
行わないリーダ/ライタ)から無作為に生じている電波等を利用することができる。また
、第Nのアンテナ回路102nとして、各々のアンテナの周波数帯が異なるよう、長さや
形状を異ならせたアンテナからなる複数のアンテナ回路とそれに対応した整流回路を設け
ることによって、バッテリー104の充電に様々な無線信号を利用することができる。
【0052】
また、半導体装置100は、外部の無線信号を利用してバッテリーの充電を行うため、
充電器等を別途必要とせず、低コストで半導体装置を動作させることができる。また、第
Nのアンテナ回路102nに設けられるアンテナの形状は、無線信号を受信しやすい様々
な長さや形状のものを複数設ける。長さや形状の異なるアンテナを複数設けることで、様
々な周波数帯の電波を受信して電力を供給することができる。また、第1のアンテナ回路
と、第Nのアンテナ回路のいずれかが同じ周波数帯の電波を受信するものであってもよい
【0053】
なお、第1のアンテナ回路101、アンテナ回路群102の各々は、図5(A)に示す
ようにアンテナ401及び共振容量402によって構成され、本明細書では、アンテナ4
01及び共振容量402を併せてアンテナ回路403という。また、第1の整流回路10
5、整流回路群107の整流回路の各々は、各々の整流回路に接続されているアンテナ(
例えば、第Nの整流回路107nには第Nのアンテナ回路102nが接続されている。)
が受信する電磁波によって誘導される交流信号を、直流信号に変換する回路であればよい
。例えば、図5(B)に示すように、ダイオード404、ダイオード405及び平滑容量
406によって整流回路407を構成すればよい。
【0054】
また、第1のアンテナ回路101に設けられるアンテナの形状についても、特に限定さ
れない。つまり、半導体装置100における第1のアンテナ回路101に適用する信号の
伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式又はマイクロ波方式等を用いることができる。
伝送方式は、実施者が適宜使用用途を考慮して選択すればよく、伝送方式に伴って最適な
長さや形状のアンテナを設ければよい。
【0055】
例えば、伝送方式として、電磁結合方式又は電磁誘導方式(例えば、13.56MHz
帯)を適用する場合には、電界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとし
て機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)又はらせん状(例えば、スパイラル
アンテナ)に形成する。
【0056】
また、伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯
)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電波の波長を考慮し
てアンテナとして機能する導電膜の長さや形状を適宜設定すればよく、アンテナとして機
能する導電膜を、例えば、線状(例えば、ダイポールアンテナ)又は平坦な形状(例えば
、パッチアンテナ)等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の
形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状又はこれらを組み合わ
せた形状で設けてもよい。
【0057】
ここで、第1のアンテナ回路101及びアンテナ回路群102の各々に設けるアンテナ
の形状の一例を図6に示す。例えば、図6(A)に示すように信号処理回路が設けられた
チップ302Aの周りに一面のアンテナ303Aを配した構造を取っても良い。また、図
6(B)に示すように信号処理回路が設けられたチップ302Bの周りに細いアンテナ3
03Bをチップ302Bの周囲を回るように配した構造をとってもよい。また、図6(C
)に示すように信号処理回路が設けられたチップ302Cに対して、高周波数の電磁波を
受信するためのアンテナ303Cのような形状をとってもよい。また、図6(D)に示す
ように信号処理回路が設けられたチップ302Dに対して180度無指向性(どの方向か
らでも同じく受信可能)なアンテナ303Dのような形状をとってもよい。また、図6
E)に示すように、信号処理回路が設けられたチップ302Eに対して、棒状に長く伸ば
したアンテナ303Eのような形状をとってもよい。第1のアンテナ回路及びアンテナ回
路群102の各々はこれらの形状のアンテナを組み合わせて用いることができる。
【0058】
また、図6において、信号処理回路が設けられたチップ302A等とアンテナ303A
等との接続方法については特に限定されない。図6(A)を例に挙げると、アンテナ30
3Aと信号処理回路が設けられたチップ302Aをワイヤボンディング接続やバンプ接続
により接続する、あるいはチップの一部を電極にしてアンテナ303Aに貼り付けるとい
う方法を取ってもよい。この方式ではACF(Anisotropic Conduct
ive Film;異方性導電性フィルム)を用いてチップ302Aをアンテナ303A
に貼り付けることができる。また、アンテナに必要な長さは受信に用いる周波数によって
適正な長さが異なる。例えば周波数が2.45GHzの場合は約60mm(1/2波長)
又は約30mm(1/4波長)とすれば良い。
【0059】
なお、図1及び図2における電源回路106には、整流回路群107の各々を介してア
ンテナ回路群102から入力される外部の無線信号によりバッテリー104が充電され、
バッテリー104に充電された電力によって電源回路106へ電力の供給を行うことがで
きる。バッテリー104に充電された電力を用いることにより、通信距離が伸びた際に半
導体装置100の第1のアンテナ回路101から十分な電力が得られない際にも電源回路
106に電力を供給することができ、半導体装置100を動作させることが可能になる。
【0060】
図1及び図2における電源回路106の回路構成の一例について、図7を用いて説明す
る。電源回路106は基準電圧回路とバッファアンプで構成される。基準電圧回路は抵抗
1001、ダイオード接続のトランジスタ1002及びトランジスタ1003によって構
成され、トランジスタのソース・ゲート間電圧VGSの2倍の基準電圧を発生させる。バ
ッファアンプはトランジスタ1005及びトランジスタ1006で構成される差動回路、
トランジスタ1007及びトランジスタ1008によって構成されるカレントミラー回路
、電流供給用抵抗1004、トランジスタ1009及び抵抗1010によって構成される
ソース接地アンプから構成される。
【0061】
図7に示す電源回路において、出力端子から流れる電流が大きいときはトランジスタ1
009に流れる電流が少なくなり、また、出力端子から流れる電流が小さいときはトラン
ジスタ1009に流れる電流が多くなり、抵抗1010に流れる電流はほぼ一定となるよ
うに動作する。また、出力端子の電位は基準電圧回路とほぼ同じ値となる。ここでは基準
電圧回路とバッファアンプを有する電源回路を示したが、本発明に用いる電源回路は図7
に限定されず、他の構成の回路であっても良い。
【0062】
なお、本明細書において、バッテリーとは、充電することで連続使用時間を回復するこ
とができる電池のことをいう。なお、バッテリーとしては、シート状に形成された電池を
用いることが好ましく、例えばリチウム電池、好ましくはゲル状電解質を用いるリチウム
ポリマー電池や、リチウムイオン電池等を用いることで、小型化が可能である。勿論、充
電可能な電池であればこれらに限定されるものではなく、ニッケル水素電池、ニカド電池
等の充電放電可能な電池であってもよい。または、大容量のコンデンサなどを用いても良
い。
【0063】
次に、図1及び図2に示す半導体装置100に、リーダ/ライタ201よりデータを書
き込む際の動作を以下に説明する。第1のアンテナ回路101で受信された信号は、第1
の整流回路105により半波整流され、平滑化される。第1の整流回路105により半波
整流され、平滑化された信号は電源回路106に入力される。そして、電源回路106は
、安定化された信号の電圧をアンプ109、論理回路110、メモリコントロール回路1
11、メモリ回路112、論理回路113、アンプ114、変調回路115に供給する。
【0064】
第1のアンテナ回路101で受信された信号はアンプ109を介して、クロック信号と
して、論理回路110に入力される。さらに、第1のアンテナ回路101から入力された
信号は復調回路108で復調され、データとして論理回路110に入力される。
【0065】
論理回路110において、入力されたデータはデコードされる。リーダ/ライタ201
がデータを変形ミラー符号、NRZ−L符号等でエンコードして送信するため、それを論
理回路110はデコードする。デコードされたデータは、メモリコントロール回路111
に送られ、それに従いメモリ回路112に記憶されたデータが読み出される。メモリ回路
112は電源が切れても保持できる不揮発性メモリ回路である必要があり、マスクROM
やフラッシュメモリ等が使用される。
【0066】
また、図1及び図2に示す半導体装置100におけるメモリ回路112に記憶されたデ
ータをリーダ/ライタ201が呼び出す場合は以下のように動作する。第1のアンテナ回
路101で受信された信号は、第1の整流回路105により半波整流され、平滑化される
。第1の整流回路105により半波整流され、平滑化された信号は電源回路106に入力
される。そして、電源回路106は、安定化された信号の電圧をアンプ109、論理回路
110、メモリコントロール回路111、メモリ回路112、論理回路113、アンプ1
14、変調回路115に供給する。
【0067】
また、第1のアンテナ回路101で受信された交流信号はアンプ109を通して論理回
路110に入力され、論理演算が行われる。そして、論理回路110からの信号を用いて
、メモリコントロール回路111を制御し、メモリ回路112に記憶されているデータを
呼び出す。次に、メモリ回路112から呼び出されたデータを論理回路113で加工し、
アンプ114で増幅した後、変調回路115が動作する。データの加工はISO1444
3、ISO15693、ISO18000等の規格に定められた方式に従い加工されるが
、リーダ/ライタとの整合性が確保されれば、上記の規格以外を用いてもかまわない。
【0068】
変調回路115が動作すると、第1のアンテナ回路101のインピーダンスが変化する
。これによって、第1のアンテナ回路101で反射されるリーダ/ライタ201の信号に
変化が生じる。この変化をリーダ/ライタ201が読み取ることによって半導体装置10
0のメモリ回路112に記憶されたデータを読み取ることが可能になる。このような変調
方式を負荷変調方式という。
【0069】
なお、信号処理回路103に設けるトランジスタには、様々な形態のトランジスタを適
用することが出来る。適用可能なトランジスタの種類に限定はない。
【0070】
次に、図1に示す半導体装置100に、外部の無線信号より電力を充電する際の動作を
以下に説明する。第Nのアンテナ回路102nで受信した外部の無線信号は、第Nの整流
回路107nにより半波整流され、そして平滑化される。第Nの整流回路107nにより
半波整流され、平滑化された信号は、充電回路116を介してバッテリー104に電力と
して供給される。バッテリー104に保持された電力は、電源回路106に供給する電力
として用いられる。
【0071】
以下に、本実施の形態の半導体装置の一構成例について説明する。なお、ここでは、第
1のアンテナ回路101に設けるアンテナの形状をコイル状とし、第Nのアンテナ回路1
02nとして長さや形状の異なるアンテナを含む複数のアンテナ回路を設ける場合につい
て説明する。
【0072】
本実施の形態の半導体装置100は、その機能及び大きさを考慮して、第1のアンテナ
回路、第2のアンテナ回路、信号処理回路及びバッテリーが、基板上に積層、又は並列に
配されたレイアウトとしてもよい。また、信号処理回路103においては、第1のアンテ
ナ回路に付随する回路と、第2のアンテナ回路に付随する回路で分けて記すこともできる
【0073】
図8に示す半導体装置は、基板701上に、第1のアンテナ回路704と、アンテナ回
路705a及びアンテナ回路705bからなるアンテナ回路群と、図1を参照して説明し
た信号処理回路103、充電回路116、整流回路群107を有するチップ702と、バ
ッテリー703と、を有している。なお、第1のアンテナ回路704と信号処理回路10
3は接続されており、アンテナ回路705a及びアンテナ回路705bと、整流回路群1
07と、は接続されている。
【0074】
第1のアンテナ回路704により受信された電波は、チップ702に形成された第1の
信号処理回路における第1の整流回路を介して電源回路に入力されて電力が生じると同時
に、電波に含まれる信号が復調回路により抽出される。また、バッテリー703とチップ
702に形成された充電回路116及びアンテナ−整流回路群117は接続されており、
アンテナ回路705a及びアンテナ回路705bで受信された電波は、整流回路群107
内の各々の整流回路を介してバッテリー703に入力される。
【0075】
ここでは、リーダ/ライタ706から送信された電波を第1のアンテナ回路704で受
信し、外部の無線信号707をアンテナ回路705a及びアンテナ回路705bで受信し
ている場合の模式図を示している。つまり、この半導体装置は、第1のアンテナ回路70
4を介してリーダ/ライタ706とデータの送受信を行い、アンテナ回路705a及びア
ンテナ回路705bを介してバッテリー703の充電を行う。また、アンテナ回路705
a及びアンテナ回路705bには、各々に対応した整流回路が接続されていることから、
各々のアンテナに対応したインピーダンス整合をとることが容易になる。また、リターン
ロスが減少するため、バッテリーの充電を効率的に行うことができる。
【0076】
また、バッテリー703は、チップ702に設けられた信号処理回路103とも電気的
に接続されており、バッテリー703から適宜信号処理回路103における電源回路に電
力が供給される。バッテリー703と、信号処理回路103又はアンテナ−整流回路群1
17と、の接続については特に限定されず、例えば、バッテリー703と、信号処理回路
103又はアンテナ−整流回路群117と、をワイヤボンディング接続又はバンプ接続を
用いて接続することができる。また、他にも、信号処理回路103又はアンテナ−整流回
路群117の一部を電極にしてバッテリー703との接続端子と貼り合わせて設けること
もでき、この場合には、異方性導電フィルム等を用いて貼り合わせることができる。
【0077】
なお、図8におけるリーダ/ライタ706の一例について、図9を用いて説明する。図
9におけるリーダ/ライタ706は、受信部501、送信部502、制御部503、イン
ターフェイス部504及びアンテナ回路505によって構成されている。制御部503は
、インターフェイス部504を介した上位装置506の制御により、データ処理命令、デ
ータ処理結果について、受信部501、送信部502を制御する。送信部502は半導体
装置100に送信するデータ処理命令を変調し、アンテナ回路505から電磁波として出
力する。また受信部501は、アンテナ回路505で受信された信号を復調し、データ処
理結果として制御部503に出力する。
【0078】
本実施の形態において、図9に示すリーダ/ライタ706のアンテナ回路505は、受
信部501及び送信部502に接続され、LC並列共振回路を構成するアンテナ507及
び共振容量508を有する。アンテナ回路505は、受信時には、半導体装置100によ
り出力された信号によってアンテナ回路505に誘導される起電力を電気的信号として受
信する。また、送信時には、アンテナ回路505に誘導電流を供給し、アンテナ回路50
5より半導体装置100に信号を送信する。
【0079】
また、バッテリー703の充電に用いられるアンテナ回路705a及びアンテナ回路7
05bのアンテナの長さ及び形状は図8に示した構造に限られない。ここでは、アンテナ
回路705a、アンテナ回路705bのアンテナとして、長さの異なる線状のアンテナ(
ダイポールアンテナ)を設けた例を示したが、例えば、ダイポールアンテナとコイル状の
アンテナを組み合わせて用いてもよいし、ダイポールアンテナとパッチアンテナを組み合
わせて用いてもよい。このように、バッテリー703の充電に用いられるアンテナとして
、長さや形状の異なるものを複数設けることによって、様々な無線信号を受信することが
できるため、充電効率を向上させることができる。特に、パッチアンテナとダイポールア
ンテナ等の形状の異なるアンテナを組み合わせて設けることによって(例えば、パッチア
ンテナの周囲に折り返しダイポールアンテナを設ける)、限られたスペースを有効に活用
することが可能となる。また、対応する周波数帯の異なる複数のアンテナが設けられてい
ることにより、様々な周波数帯の電磁波を電力として用いることができ、電波を効率よく
利用して充電を行うことができる。更には、一のアンテナに対応して一の整流回路を有す
ることにより、各アンテナに対応したインピーダンス整合をとることが容易になる。また
、リターンロスが減少するため、バッテリーの充電を効率的に行うことができる。
【0080】
また、リーダ/ライタ706と信号の送受信を行うために用いられる第1のアンテナ回
路704も図8に示した構造に限られず、上述したように適用する伝送方式により様々な
長さや形状のアンテナを用いることができる。
【0081】
例えば、第1のアンテナ回路704とリーダ/ライタ706間で送受信される信号の周
波数は、125kHz、13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどがあり、
それぞれISO規格などが設定される。勿論、第1のアンテナ回路704とリーダ/ライ
タ706間で送受信される信号の周波数はこれに限定されず、例えばサブミリ波である3
00GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3G
Hz〜30GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜
300MHz、短波である3MHz〜30MHz、中波である300kHz〜3kHz、
長波である30kHz〜300kHz、及び超長波である3kHz〜30kHzのいずれ
の周波数も用いることができる。また、第1のアンテナ回路704とリーダ/ライタ70
6間で送受信される信号は、搬送波を変調した信号である。搬送波の変調方式は、アナロ
グ変調であってもデジタル変調であってよく、振幅変調、位相変調、周波数変調及びスペ
クトラム拡散のいずれであってもよい。好ましくは、振幅変調又は周波数変調にするとよ
い。
【0082】
なお、図8では、同一の基板701上に第1のアンテナ回路704と、アンテナ回路7
05aと、アンテナ回路705bと、信号処理回路、充電回路及びアンテナ−整流回路群
を有するチップ702と、バッテリー703と、を設けた例を示したが、本実施の形態で
示す半導体装置は、図8に示した構造に限られない。
【0083】
例えば、図10に示すように、チップ702a及び第1のアンテナ回路704が設けら
れた基板701aと、チップ702b、アンテナ回路705a、アンテナ回路705b及
びバッテリー703が設けられた基板701bとを作製し、これらを貼り合わせることで
、重畳的に設けた構成としてもよい。チップ702aには信号処理回路が設けられており
、チップ702bには充電回路及びアンテナ−整流回路群が設けられている。
【0084】
図10においては、第1のアンテナ回路704に受信された電波は、チップ702aに
設けられた信号処理回路における第1の整流回路を介して電源回路に入力されて電力が供
給され、電波に含まれる信号が復調回路により抽出される。また、アンテナ回路705a
及びアンテナ回路705bで受信された電波は、チップ702bに設けられた充電回路及
びアンテナ−整流回路群における整流回路の各々から充電回路を介してバッテリー703
に入力される。
【0085】
また、第1のアンテナ回路704はチップ702aに設けられた信号処理回路と接続さ
れ、アンテナ回路705a及びアンテナ回路705bは、チップ702bに設けられた整
流回路群107の各々及び充電回路116に接続されている。バッテリー703は、チッ
プ702aに設けられた信号処理回路と、チップ702bに設けられた整流回路群の各々
及び充電回路とそれぞれ電気的に接続されるように設けられている。
【0086】
また、バッテリー703と、信号処理回路又は整流回路群の各々及び充電回路と、の接
続については特に限定されず、例えば、バッテリー703と信号処理回路又は整流回路群
の各々及び充電回路をワイヤボンディング接続やバンプ接続を用いて接続することができ
る。また、他にも、信号処理回路又は整流回路群の各々及び充電回路の一部を電極にして
バッテリー703との接続端子と貼り合わせることもでき、この場合には、異方性導電フ
ィルム等を用いて貼り合わせることができる。
【0087】
このように、リーダ/ライタとの信号の送受信に用いるチップ及びアンテナと、バッテ
リーの充電に用いるチップ及びアンテナとを別々の基板に形成した後、当該基板を貼り合
わせることによって、アンテナやバッテリーの形状を大きく形成することができる。
【0088】
なお、図8及び図10におけるバッテリー703は、信号処理回路又は整流回路群の各
々及び充電回路と同時に設けることができる。例えば、10μm〜100μm程度に薄く
したリチウムイオン2次電池を信号処理回路又は整流回路群の各々及び充電回路と同時に
形成してもよい。また、信号処理回路又は整流回路群の各々及び充電回路と同時に薄膜の
キャパシタを形成してバッテリー703としてもよい。また、図8及び図10ではバッテ
リー703をアンテナ回路705aと重なるように設けているが、他にも第1のアンテナ
回路704と重なるように設けてもよいし(図11(A))、第1のアンテナ回路704
、アンテナ回路705a及びアンテナ回路705bのいずれにも重ならないように設けて
もよい。
【0089】
また、バッテリー703を信号処理回路又は整流回路群の各々及び充電回路と接続され
るように貼り合わせて設けてもよい。例えば、図11(B)及び(C)に示すように、バ
ッテリー703を信号処理回路及び整流回路群の各々及び充電回路が形成されたチップ7
02と貼り合わせて設ける。この場合、基板の表面(チップ702が形成された面)又は
裏面に貼り合わせることができ、チップ702に含まれる信号処理回路、整流回路群の各
々及び充電回路とバッテリー703とがそれぞれ電気的に接続するように貼り合わせる。
例えば、チップ702に電気的に接続されるバンプ等の接続端子711を設け、バッテリ
ーの接続端子712と電気的に接続されるように設ける。貼り合わせには、異方性導電フ
ィルム等を用いることができる。
【0090】
また、第1のアンテナ回路704、アンテナ回路705a、アンテナ回路705b及び
バッテリー703が設けられた基板701に信号処理回路103又は整流回路群107の
各々及び充電回路が形成されたチップ702を貼り合わせて設けてもよい(図12(A)
)。また、第1のアンテナ回路704、アンテナ回路705a及びアンテナ回路705b
が設けられた基板701上に信号処理回路又は整流回路群の各々及び充電回路が形成され
たチップ702とバッテリー703とを貼り合わせて設けてもよい(図12(B))。こ
の場合、チップ702に含まれる信号処理回路、整流回路群の各々及び充電回路とバッテ
リー703とがそれぞれ電気的に接続し、信号処理回路と第1のアンテナ回路704、整
流回路群の各々及び充電回路と、アンテナ回路705a及びアンテナ回路705bと、が
電気的に接続するように貼り合わせる。貼り合わせには、上述したように、チップ702
、バッテリー703又は第1のアンテナ回路704、アンテナ回路705a、アンテナ回
路705bに電気的に接続するバンプ等の接続端子を設け、当該接続端子を電気的に接続
して設ける。
【0091】
図11又は図12に示す構造は、図10に示す構造にも適用することができる。
【0092】
以上のように、本発明の半導体装置は、バッテリーを有する。そのため、電池の経時的
な劣化に伴う個体情報の送受信に要する電力の不足を防止することができる。
【0093】
そして、本発明の半導体装置は、バッテリーに無線で電力を供給するために複数個のア
ンテナを有する。そのため、充電器に直接接続することなく、半導体装置を駆動するため
の電力を供給するバッテリーの充電を、外部からの電磁波により行うことができる。その
結果、従来のアクティブタイプのRFIDタグとは異なり、電池の残存容量の確認や電池
の交換をする必要がなく、長時間・長期間に渡って使用し続けることができる。加えて、
半導体装置を駆動するための電力を常にバッテリー内に保持することにより、当該半導体
装置が動作するための十分な電力が得られ、リーダ/ライタとの通信距離を伸ばすことが
できる。
【0094】
更には、一のアンテナに対応する一の整流回路を有するため、各アンテナに対応したイ
ンピーダンス整合をとることが容易になる。また、リターンロスが減少するため、バッテ
リーの充電を効率的に行うことができる。
【0095】
なお、本実施の形態では、蓄電部としてバッテリーを例として説明したが、それに換え
てコンデンサを用いて半導体装置を構成することもできる。コンデンサとしては様々なも
のを用いることができるが、小型で容量の大きい電気二重層コンデンサや積層セラミック
コンデンサを用いることが好ましい。また、蓄電部としてバッテリーとコンデンサの両方
を設けてもよい。
【0096】
なお、本実施の形態では半波整流する場合のみ記載しているが、全波整流してもよい。
【0097】
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態と組み合わせて実施することが可
能である。
(実施の形態2)
【0098】
本発明の受電装置を具備する移動型電子機器の構成について、図13及び図14に示す
ブロック図を用いて説明する。本実施の形態で説明する受電装置はRFバッテリー又は無
線電池とも呼ばれるものである。
【0099】
図13に示す移動型電子機器2700は、受電装置部2701及び電源負荷部2705
を有する。受電装置部2701は、複数のアンテナ回路からなるアンテナ回路群2702
、信号処理回路2703及びバッテリー2704によって構成されている。信号処理回路
2703は、複数の整流回路からなる整流回路群2707、電源回路2708及び充電回
路2716によって構成されている。
【0100】
なお、図13における電源回路2708は、電源負荷部2705に電力を供給するが、
電源負荷部2705の構成は移動型電子機器毎に異なる。そのため、本実施の形態におい
ては、携帯電話機又はデジタルビデオカメラにおける構成を想定して説明する。よって電
源負荷部2705は、表示部2709及び集積回路部2710を有する。ここで、集積回
路部2710は表示部以外の信号を処理する回路部であり、移動型電子機器毎に異なる構
成を有するため本明細書では詳しい説明については割愛する。集積回路部2710は、移
動型電子機器2700の機能に応じて設計を行えばよい。表示部2709は、画素部27
11と、画素部2711を制御するための表示制御部2712と、を有する。勿論、表示
部2709における画素に設けられる表示素子については、種類を問わずエレクトロルミ
ネッセンス素子や液晶素子等が移動型電子機器の用途等に応じて選択される。
【0101】
また、図14は、アンテナ回路群2702が給電器2800からの信号を受電するブロ
ック図について示す。図14において、アンテナ回路群2702の各々のアンテナで受電
した電力は整流回路群2707の各々を介してバッテリー2704に入力され、バッテリ
ー2704から、電源回路2708に電力が供給される。
【0102】
なお、アンテナ回路群2702におけるアンテナの形状については、特に限定されない
。例えば、図6(A)に示すように、信号処理回路の周りに一面のアンテナ回路を配した
構造とすることができる。また、図6(B)に示すように、信号処理回路の周りに細いア
ンテナ回路が回るように配された構造をとってもよい。また、図6(C)に示すように、
信号処理回路に対して、高周波数の電磁波を受信する形状を有するアンテナ回路としても
よい。また、図6(D)に示すように、信号処理回路に対して、180度無指向性(どの
方向からでも同じく受信可能)な形状のアンテナ回路としてもよい。また、図6(E)に
示すように、信号処理回路に対して、棒状に長く伸ばし、折り返す形状のアンテナ回路と
してもよい。また、図示しないがパッチアンテナであってもよい。また、信号処理回路と
アンテナ回路におけるアンテナの接続については特に図示した構成には限定されない。例
えば、アンテナ回路と信号処理回路とを離して配置し、配線により接続されていてもよい
し、近接して接続されていてもよい。また、アンテナに必要な長さは受電に用いる電磁波
の周波数によって適正な長さが異なる。本実施の形態においてはアンテナ回路の形状につ
いて、図6(B)の形状を採用し、電磁波を受電し、受電する電磁波の電磁誘導により電
力を得るものとして説明する。また、アンテナ回路群2702における第Nのアンテナ回
路2702nは、図5(A)に示すようにアンテナ401、共振容量402によって構成
されるものとし、アンテナ401及び共振容量402を併せてアンテナ回路403という
ことにする。つまり、第Nのアンテナ回路2702nは図5(A)のアンテナ回路403
に相当する。
【0103】
また、整流回路群2707は、アンテナ回路群2702が受電する電磁波により誘導さ
れる交流信号を直流信号に変換する回路であればよい。例えば、図5(B)に示すように
、ダイオード404、ダイオード405及び平滑容量406によって整流回路407を構
成すればよい。
【0104】
なお、図14における給電器2800について、図15を用いて説明する。図15にお
ける給電器2800は、送電制御部601、アンテナ回路602によって構成されている
。送電制御部601は、移動型電子機器における受電装置部2701に送信する送電用の
電気信号を変調し、アンテナ回路602から送電用の電磁波を出力する。
【0105】
本実施の形態において、図15に示す給電器2800のアンテナ回路602は、受電装
置部2701におけるアンテナ回路群2702と同様に、送電制御部601に接続され、
LC並列共振回路を構成するアンテナ603及び共振容量604を有する。送電制御部6
01は、送電時にアンテナ回路602に誘導電流を供給し、アンテナ603より受電装置
部2701に送電用の電磁波を出力する。
【0106】
なお、上述したように本実施の形態においては、アンテナの形状に従い、アンテナ回路
群2702が受電する無線信号は、電磁誘導方式によるものとする。そのため、図13
図14における受電装置部2701は、コイル形状を有する第Nのアンテナ回路270
2nを有する。例として、図16は、受電装置部を有する移動型電子機器におけるアンテ
ナ回路の位置関係並びにアンテナの形状を示す。図16において、受電装置部におけるア
ンテナ回路は、給電器のアンテナからの送電用の電磁波を受電する構成を示す。
【0107】
図16において、送電制御部3303に接続された給電器のアンテナ回路3304が有
するコイル状のアンテナ3305と、受電装置部3300のアンテナ回路3302と、を
近づけると、コイル状のアンテナ3305から交流磁界が発生する。交流磁界が受電装置
部3300内のコイル状のアンテナ回路3302を貫き、電磁誘導により受電装置部33
00内のコイル状のアンテナ回路3302の端子間(アンテナの一端と他端の間)に起電
力が発生する。この起電力により受電装置部3300が有するバッテリーに充電すること
ができる。なお、図17に示すように、受電装置部3300におけるアンテナ回路330
2は、重畳的に存在する場合であっても、交流磁界内に複数存在する場合であっても、給
電器からの充電を行うことができる。
【0108】
なお、第Nのアンテナ回路2702nに給電器2800より送電される信号の周波数と
しては、例えば、サブミリ波である300GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜
300GHz、マイクロ波である3GHz〜30GHz、極超短波である300MHz〜
3GHz、超短波である30MHz〜300MHz、短波である3MHz〜30MHz、
中波である300kHz〜3kHz、長波である30kHz〜300kHz及び超長波で
ある3kHz〜30kHzのいずれも用いることができる。
【0109】
図13及び図14における電源回路2708は、図1及び図2における電源回路106
に相当する。
【0110】
次に、図13及び図14に示す移動型電子機器2700に、給電器2800より無電信
号で電力を充電する際の動作を以下に説明する。アンテナ回路群の各々で受信した無線信
号は、整流回路群2707の各々により、半波整流され、平滑化される。整流回路群27
07の各々により半波整流され、平滑化された電圧は、バッテリー2704に一旦保持さ
れる。バッテリー2704に保持された電力は、電源回路2708に供給する電力として
用いられる。
【0111】
なお、本実施の形態において、バッテリーに蓄積される電力は、給電器2800より出
力される無線信号のみならず、別途移動型電子機器の一部に発電素子を設けて補う構成と
してもよい。図18は発電素子を設けた構成を示す。図18の構成は図13の構成と比較
して、バッテリーに電力を供給するための発電素子851を設ける点が異なる。発電素子
851を設けることによって、バッテリー2704に蓄積される電力の供給量を増やし、
また充電速度を高めることができるため好適である。
【0112】
なお、図18における発電素子851としては、例えば太陽電池を用いた発電素子であ
ってもよいし、圧電素子を用いた発電素子であってもよいし、微小構造体(MEMS:M
icro Electro Mechanical System)を用いた発電素子で
あってもよい。勿論、発電素子の代わりに自動車のエンジン等の燃焼機関に動力による発
電で生じる、大型の発電装置からの電力を供給してもよい。なお、図18における発電素
子851は、前述の列挙した構成に限定されない。
【0113】
次に、バッテリー2704より電源回路2708に供給された電力は、図13及び図1
4に示す構成において、電源負荷部2705における表示部2709の画素部2711、
表示制御部2712及び集積回路部2710に供給される。このように、移動型電子機器
2700を動作させることができる。
【0114】
以上のように、本発明の受電装置は、アンテナ回路を有する。そのため、移動型電子機
器におけるバッテリーへの導電部として外部端子を設ける必要がなく、外部端子の破損や
外部端子の不良に伴う故障が起こることなく、バッテリーに対して無線信号による給電を
行うことができる。加えて、受電装置であるバッテリーを有する移動型電子機器に対し、
給電を行う給電手段が無線により給電を行うことにより、無線の受信状況が良好であれば
、充電器や充電のための一次電池を携帯することなく、常に充電を行うことが可能になる
【0115】
また、本発明の受電装置は、受信する周波数帯の異なる複数のアンテナが設けられてい
る。これらがバッテリーに接続され、充電が可能な構成を有している。これにより、様々
な周波数帯の電磁波を電力として用いることができ、電波を効率よく利用して充電を行う
ことができる。
【0116】
更には、一のアンテナに対応して一の整流回路を有することで、各アンテナに対応した
インピーダンス整合をとることが容易になる。また、リターンロスが減少するため、バッ
テリーの充電を効率的に行うことができる。
【0117】
なお、本実施の形態では、蓄電部としてバッテリーを例示して説明したが、それに換え
て、蓄電部としてコンデンサを用いることもできる。コンデンサとしては様々なものを用
いることができるが、小型で容量の大きい電気二重層コンデンサや積層セラミックコンデ
ンサを用いることが好ましい。また、蓄電部としてバッテリーとコンデンサの両方を設け
てもよい。
【0118】
なお、本実施の形態では半波整流する場合のみ記載しているが、全波整流してもよい。
【0119】
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態と組み合わせて実施することが可
能である。
【0120】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2で示した半導体装置について、作製
方法の一例を説明する。
【0121】
まず、図19(A)に示すように、基板1901の一表面に絶縁膜1902を介して剥
離層1903を形成し、続けて下地膜として機能する絶縁膜1904と半導体膜1905
(例えば、非晶質シリコンを含む膜)とを積層して形成する。なお、絶縁膜1902、剥
離層1903、絶縁膜1904及び半導体膜1905は、連続して形成することができる
【0122】
なお、基板1901は、ガラス基板、石英基板、金属基板(例えばステンレス基板等)
、セラミック基板、シリコン基板等の半導体基板から選択すればよい。他にもプラスチッ
ク基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(P
EN)、ポリエーテルサルフォン(PES)又はアクリル等を用いることもできる。なお
、本工程では、剥離層1903は、絶縁膜1902を介して基板1901の全面に設けて
いるが、必要に応じて、基板1901の全面に剥離層を設けた後に、フォトリソグラフィ
法を適用することで選択的に設けてもよい。
【0123】
また、絶縁膜1902、絶縁膜1904は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、
酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)、窒化
酸化シリコン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、
絶縁膜1902及び絶縁膜1904を2層構造とする場合、各々、第1層目の絶縁膜とし
て窒化酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成する
とよい。また、第1層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜とし
て酸化シリコン膜を形成してもよい。絶縁膜1902は、基板1901から剥離層190
3又はその上に形成される素子に不純物元素が混入することを防ぐブロッキング層として
機能する。絶縁膜1904は、基板1901及び剥離層1903から、その上に形成され
る素子に不純物元素が混入するのを防ぐブロッキング層として機能する。このように、ブ
ロッキング層として機能する絶縁膜1902、絶縁膜1904を形成することによって、
基板1901から侵入しうるナトリウム(Na)等のアルカリ金属やアルカリ土類金属や
、剥離層1903に含まれる不純物元素、又は剥離層1903を構成する物質がこの上に
形成する素子に悪影響を与えることを防ぐことができる。なお、基板1901として石英
を用いるような場合には絶縁膜1902を形成しなくともよい。剥離層1903から不純
物元素等が素子に侵入する可能性がなければ、絶縁膜1904を形成しなくともよい。
【0124】
剥離層1903には、金属膜や金属膜と金属酸化膜の積層構造等を用いることができる
。金属膜としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタ
ル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Z
r)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オ
スミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素又は当該元素を主成分とする
合金材料若しくは化合物材料からなる膜を単層又は積層で形成する。また、これらの材料
は、スパッタ法や各種CVD法(例えば、プラズマCVD法)等を用いて形成することが
できる。金属膜と金属酸化膜の積層構造としては、上述した金属膜を形成した後に、酸素
雰囲気又はNO雰囲気中でのプラズマ処理、酸素雰囲気又はNO雰囲気中における加
熱処理によって、金属膜表面に当該金属膜の酸化物又は酸化窒化物を設けることができる
。例えば、金属膜としてスパッタ法やCVD法等によりタングステン膜を設けた場合、タ
ングステン膜にプラズマ処理を行うことによって、タングステン膜表面にタングステン酸
化物からなる金属酸化膜を形成することができる。タングステン酸化物を形成するにあた
り、上記に挙げたXの値に特に制約はなく、エッチングレート等を基に、どの酸化物を形
成するかを決めるとよい。他にも、例えば、金属膜(例えば、タングステン)を形成した
後に、当該金属膜上にスパッタ法で酸化シリコン(SiO)等の絶縁膜を設けると共に
、金属膜上に金属酸化物(例えば、タングステン上にタングステン酸化物)を形成しても
よい。また、プラズマ処理として、例えば高密度プラズマ処理を行ってもよい。また、金
属酸化膜の他にも、金属窒化物や金属酸化窒化物を用いてもよい。この場合、金属膜に窒
素雰囲気下又は窒素と酸素の混合ガス雰囲気下でプラズマ処理や加熱処理を行えばよい。
【0125】
半導体膜1905は、スパッタリング法、LPCVD法又はプラズマCVD法により、
25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。
【0126】
次に、図19(B)に示すように、半導体膜1905にレーザー光を照射して結晶化を
行う。なお、レーザー光の照射と、RTA(Rapid Thermal Anneal
ing)又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用
いる熱結晶化法とを組み合わせた方法と、により半導体膜1905の結晶化を行ってもよ
い。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングし、結晶化した結晶性の
半導体膜1905a〜1905fを形成し、当該半導体膜1905a〜1905fを覆う
ようにゲート絶縁膜1906を形成する。
【0127】
なお、ゲート絶縁膜1906は、CVD法やスパッタリング法等を用いて、酸化シリコ
ン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y>0)又は窒化酸化シリ
コン(SiNxOy)(x>y>0)等の絶縁材料を用いて形成する。例えば、ゲート絶
縁膜1906を2層構造とする場合、第1層目の絶縁膜として酸化窒化シリコン膜を形成
し、第2層目の絶縁膜として窒化酸化シリコン膜を形成するとよい。また、第1層目の絶
縁膜として酸化シリコン膜を形成し、第2層目の絶縁膜として窒化シリコン膜を形成して
もよい。なお、ここで第一層目の絶縁膜は第2層目の絶縁膜上に形成されている。
【0128】
結晶性の半導体膜1905a〜1905fの作製工程の一例として、結晶化を助長する
金属元素を用いる場合を以下に簡単に説明する。まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚
50〜60nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニ
ッケル(Ni)を含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導体膜に脱水素
化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)と、を行って結
晶性の半導体膜を形成する。その後、レーザー光を照射し、フォトリソグラフィ法を用い
ることによって結晶性の半導体膜1905a〜1905fを形成する。なお、結晶化を助
長する金属元素を用いることなく、レーザー光の照射だけで非晶質半導体膜の結晶化を行
ってもよい。
【0129】
結晶化に用いるレーザー発振器としては、連続発振型のレーザービーム(CWレーザー
ビーム)やパルス発振型のレーザービーム(パルスレーザービーム)を用いることができ
る。ここで用いることができるレーザービームは、Arレーザー、Krレーザー、エキシ
マレーザーなどの気体レーザー、単結晶のYAG、YVO、フォルステライト(Mg
SiO)、YAlO、GdVO、若しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y
、YVO、YAlO、GdVOに、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、
Ho、Er、Tm、Taのうち1種又は複数種添加されているものを媒質とするレーザー
、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレ
ーザー、銅蒸気レーザー、金蒸気レーザーのうち1種又は複数種から発振されるものを用
いることができる。このようなレーザービームの基本波、及びこれらの基本波の第2高調
波から第4高調波のレーザービームを照射することで、大粒径の結晶を得ることができる
。例えば、Nd:YVOレーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)
や第3高調波(355nm)を用いることができる。このときレーザーのパワー密度は0
.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である
。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度として照射する。なお、単結晶の
YAG、YVO、フォルステライト(MgSiO)、YAlO、GdVO、若
しくは多結晶(セラミック)のYAG、Y、YVO、YAlO、GdVO
、ドーパントとしてNd、Yb、Cr、Ti、Ho、Er、Tm、Taのうち1種又は複
数種添加されているものを媒質とするレーザー、Arイオンレーザー、又はTi:サファ
イアレーザーは、連続発振をさせることが可能であり、Qスイッチ動作やモード同期など
を行うことによって10MHz以上の発振周波数でパルス発振をさせることも可能である
。10MHz以上の発振周波数でレーザービームを発振させると、半導体膜がレーザーに
よって溶融してから固化するまでの間に、次のパルスが半導体膜に照射される。従って、
発振周波数が低いパルスレーザーを用いる場合と異なり、半導体膜中において固液界面を
連続的に移動させることができるため、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を得
ることができる。
【0130】
また、ゲート絶縁膜1906は、半導体膜1905a〜1905fに対し前述の高密度
プラズマ処理を行い、表面を酸化又は窒化することで形成しても良い。例えば、He、A
r、Kr、Xe等の希ガスと、酸素、酸化窒素(NO)、アンモニア、窒素、水素等の
混合ガスを導入したプラズマ処理で形成する。この場合のプラズマの励起は、マイクロ波
の導入により行うと、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。この高密
度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)又は窒素ラジカ
ル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化させるこ
とができる。
【0131】
このような高密度プラズマを用いた処理により、1〜20nm、代表的には5〜10n
mの絶縁膜が半導体膜に形成される。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁
膜と半導体膜との界面準位密度はきわめて低くすることができる。このような、高密度プ
ラズマ処理は、半導体膜(結晶性シリコン、或いは多結晶シリコン)を直接酸化(或いは
窒化)するため、形成される絶縁膜の厚さは、理想的にはばらつきをきわめて小さくする
ことができる。加えて、結晶性シリコンの結晶粒界でも強く酸化されるわけではないため
、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示す高密度プラズマ処理で半導体膜の表
面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常に酸化反応をさせることなく、均一
性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
【0132】
なお、ゲート絶縁膜1906は、高密度プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを
用いても良いし、それにプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸化窒化
シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン等の絶縁膜を堆積して形成してもよい。単層
でも積層でも良い。いずれにしても、高密度プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の
一部又は全部に含むように形成されたトランジスタは、特性のばらつきが小さくなる。
【0133】
また、半導体膜に対し、連続発振レーザー若しくは10MHz以上の周波数で発振する
レーザービームを照射しながら一方向に走査して結晶化させて得られた半導体膜1905
a〜1905fは、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向を
チャネル長方向(チャネル形成領域における、キャリアが流れる方向)に合わせてトラン
ジスタを配置し、上記ゲート絶縁膜を組み合わせることで、特性のばらつきが小さく、且
つ電界効果移動度が高い薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transi
stor)を得ることができる。
【0134】
次に、ゲート絶縁膜1906上に、導電膜を積層して形成する。ここでは、第1の導電
膜は、CVD法やスパッタリング法等により、20〜100nmの厚さで形成する。第2
の導電膜は、100〜400nmの厚さで形成する。第1の導電膜と第2の導電膜は、タ
ンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニ
ウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又は
これらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン(P
)等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体材料により形成す
る。第1の導電膜と第2の導電膜の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜とタング
ステン膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜等が
挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高い。そのため、これらを用いる
ことで、第1の導電膜と第2の導電膜を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を
行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、アルミニウム膜をモリ
ブデン膜で挟んだ積層構造を採用するとよい。
【0135】
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極と
ゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、半導体膜1905a〜1905fの
上方にゲート電極1907を形成する。ここでは、ゲート電極1907として、導電膜1
907aと導電膜1907bを積層して形成した例を示している。
【0136】
次に、図19(C)に示すように、ゲート電極1907をマスクとして半導体膜190
5a、1905b、1905d、1905fに、イオンドープ法又はイオン注入法により
、n型を付与する不純物元素を低濃度で添加し、その後、フォトリソグラフィ法によりレ
ジストからなるマスクを選択的に形成して、p型を付与する不純物元素を高濃度で半導体
膜1905c、1905eに添加する。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)
又はヒ素(As)等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン
(B)、アルミニウム(Al)又はガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは
、n型を付与する不純物元素としてリン(P)を用い、1×1015〜1×1019/c
の濃度で含まれるように半導体膜1905a、1905b、1905d、1905f
に選択的に導入し、n型を示す不純物領域1908を形成する。また、p型を付与する不
純物元素としてボロン(B)を用い、1×1019〜1×1020/cmの濃度で含ま
れるように選択的に半導体膜1905c、半導体膜1905eに導入し、p型を示す不純
物領域1909を形成する。
【0137】
続いて、ゲート絶縁膜1906とゲート電極1907を覆うように、絶縁膜を形成する
。絶縁膜は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、シリコン、シリコンの酸化
物又はシリコンの窒化物等の無機材料を含む膜や、有機樹脂等の有機材料を含む膜を、単
層又は積層して形成する。次に、この絶縁膜を、垂直方向を主体とした異方性エッチング
により選択的にエッチングして、ゲート電極1907の側面に接する絶縁膜1910(サ
イドウォールともよばれる)を形成する。絶縁膜1910は、LDD(Lightly
Doped drain)領域を形成する際のドーピング用のマスクとして用いる。
【0138】
続いて、フォトリソグラフィ法により形成したレジストからなるマスクと、ゲート電極
1907及び絶縁膜1910をマスクとして用いて、半導体膜1905a、半導体膜19
05b、半導体膜1905d及び半導体膜1905fにn型を付与する不純物元素を高濃
度で添加して、n型を示す不純物領域1911を形成する。ここでは、n型を付与する不
純物元素としてリン(P)を用い、1×1019〜1×1020/cmの濃度で含まれ
るように半導体膜1905a、半導体膜1905b、半導体膜1905d及び半導体膜1
905fに選択的に導入し、不純物領域1908より高濃度にn型を付与する不純物元素
を含む、不純物領域1911を形成する。
【0139】
以上の工程により、図19(D)に示すように、nチャネル型薄膜トランジスタ190
0a、nチャネル型薄膜トランジスタ1900b、nチャネル型薄膜トランジスタ190
0d及びnチャネル型薄膜トランジスタ1900fと、pチャネル型薄膜トランジスタ1
900c及びpチャネル型薄膜トランジスタ1900eと、が形成される。
【0140】
なお、nチャネル型薄膜トランジスタ1900aは、ゲート電極1907と重なる半導
体膜1905aの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極1907及び絶縁膜1
910と重ならない領域にソース領域又はドレイン領域となる不純物領域1911が形成
され、絶縁膜1910と重なる領域であってチャネル形成領域と不純物領域1911の間
に低濃度不純物領域(LDD領域)が形成されている。また、nチャネル型薄膜トランジ
スタ1900b、nチャネル型薄膜トランジスタ1900d及びnチャネル型薄膜トラン
ジスタ1900fにも同様にチャネル形成領域、低濃度不純物領域及び不純物領域191
1が形成されている。
【0141】
また、pチャネル型薄膜トランジスタ1900cは、ゲート電極1907と重なる半導
体膜1905cの領域にチャネル形成領域が形成され、ゲート電極1907と重ならない
領域にソース領域又はドレイン領域を形成する不純物領域1909が形成されている。ま
た、pチャネル型薄膜トランジスタ1900eも同様にチャネル形成領域及び不純物領域
1909が形成されている。なお、ここでは、pチャネル型薄膜トランジスタ1900c
、1900eには、LDD領域を設けていないが、pチャネル型薄膜トランジスタにLD
D領域を設けてもよいし、nチャネル型薄膜トランジスタにLDD領域を設けない構成と
してもよい。
【0142】
次に、図20(A)に示すように、半導体膜1905a〜1905f、ゲート電極19
07等を覆うように、絶縁膜を単層又は積層して形成し、当該絶縁膜上に薄膜トランジス
タのソース領域又はドレイン領域となる不純物領域1909及び不純物領域1911と電
気的に接続する導電膜1913を形成する。絶縁膜は、CVD法、スパッタリング法、S
OG法、液滴吐出法又はスクリーン印刷法等により、シリコンの酸化物や窒化物等の無機
材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ等の有機材料
又はシロキサン材料等により、単層又は積層で形成する。ここでは、当該絶縁膜を2層で
設け、1層目の絶縁膜1912aを窒化酸化シリコン膜で形成し、2層目の絶縁膜191
2bを酸化窒化シリコン膜で形成する。また、導電膜1913は、半導体膜1905a〜
1905fのソース電極又はドレイン電極を形成する。
【0143】
なお、絶縁膜1912a及び絶縁膜1912bを形成する前、または絶縁膜1912a
、絶縁膜1912bのうちのいずれか又は複数の薄膜を形成した後に、半導体膜の結晶性
の回復や半導体膜に添加された不純物元素の活性化、半導体膜の水素化を目的とした加熱
処理を行うとよい。加熱処理には、熱アニール、レーザーアニール法又はRTA法等を適
用するとよい。
【0144】
また、導電膜1913は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al
)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニ
ッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn
)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれ
らの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層で、又は積層して形成する
。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケ
ルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素とシリコンの一方又
は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜1913は、例えば、バリア膜とアルミニウ
ムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(
Al−Si)膜と窒化チタン(窒化チタン)膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。
なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン又はモリブデンの窒化物から
なる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価である
ため、導電膜1913を形成する材料として最適である。また、上層と下層にバリア層を
設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができ
る。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成することで、結晶質半
導体膜上に薄い自然酸化膜が形成された場合にも、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導
体膜と良好なコンタクトをとることができる。
【0145】
次に、導電膜1913を覆うように絶縁膜1914を形成し、当該絶縁膜1914上に
、半導体膜1905a、半導体膜1905fのソース電極又はドレイン電極を形成する導
電膜1913とそれぞれ電気的に接続する導電膜1915a及び導電膜1915bを形成
する。また、半導体膜1905b及び半導体膜1905eのソース電極又はドレイン電極
を形成する導電膜1913とそれぞれ電気的に接続する導電膜1916a及び導電膜19
16bを形成する。なお、導電膜1915aと導電膜1915b、更に導電膜1916a
と導電膜1916bは同一の材料で同時に形成してもよい。導電膜1915a、導電膜1
915bと導電膜1916a、導電膜1916bは、上述した導電膜1913で示したい
ずれかの材料を用いて形成することができる。
【0146】
続いて、図20(B)に示すように、導電膜1916a及び導電膜1916bにアンテ
ナとして機能する導電膜1917a及び導電膜1917bが電気的に接続されるように形
成する。ここでは、アンテナとして機能する導電膜1917aと導電膜1917bの一方
が上記実施の形態で示した第1のアンテナ回路のアンテナに相当し、他方が第2のアンテ
ナ回路や第Nのアンテナ回路等のアンテナに相当する。例えば、導電膜1917aが第1
のアンテナ回路のアンテナであり、導電膜1917bが第2のアンテナ回路のアンテナで
あるとすると、nチャネル型薄膜トランジスタ1900a、nチャネル型薄膜トランジス
タ1900b及びpチャネル型薄膜トランジスタ1900cが上記実施の形態で示した第
1の信号処理回路を構成する素子として機能し、薄膜トランジスタ1900d〜1900
fが上記実施の形態で示した第2の信号処理回路を構成する素子として機能する。
【0147】
なお、絶縁膜1914は、CVD法又はスパッタリング法等により、酸化シリコン(S
iOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、
窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)等の酸素又は窒素を有する絶縁膜やDLC
(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド
、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料又はシロキサン樹
脂等のシロキサン材料からなる膜を単層で又は積層して形成することができる。なお、シ
ロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン
(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素
を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フル
オロ基を用いることもできる。または、置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、
フルオロ基と、を用いてもよい。
【0148】
また、導電膜1917a、導電膜1917bは、CVD法、スパッタリング法、スクリ
ーン印刷若しくはグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法又はメッキ法等
を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(
Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジ
ウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれら
の元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層で、又は積層して形成する。
【0149】
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電膜1917a、導電膜
1917bを形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶
解又は分散させたペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体
粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)
、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)及びチタン(Ti)等の
いずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、又は分散性ナノ粒子を用いること
ができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、
分散剤及び被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つ、又は複数を用いることがで
きる。代表的には、エポキシ樹脂又はシリコン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導
電膜の形成にあたり、ペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電
性粒子を含むペーストとして、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100n
m以下)を用いる場合には、150〜300℃の温度範囲で焼成することによりペースト
を硬化させて導電膜を得ることができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とす
る微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい
。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
【0150】
また、導電膜1915a及び導電膜1915bは、後の工程において本実施の形態の半
導体装置に含まれるバッテリーと電気的に接続される配線として機能しうる。また、アン
テナとして機能する導電膜1917a及び導電膜1917bを形成する際に、導電膜19
15a及び導電膜1915bに電気的に接続するように別途導電膜を形成し、当該導電膜
をバッテリーに接続する配線として利用してもよい。
【0151】
次に、図20(C)に示すように、導電膜1917a及び導電膜1917bを覆うよう
に絶縁膜1918を形成した後、薄膜トランジスタ1900a〜1900f、導電膜19
17a及び導電膜1917b等を含む層(以下、「素子形成層1919」と記す)を基板
1901から剥離する。ここでは、レーザー光(例えばUV光)を照射することによって
、薄膜トランジスタ1900a〜1900fを避けた領域に開口部を形成し、物理的な力
を用いて基板1901から素子形成層1919を剥離することができる。また、基板19
01から素子形成層1919を剥離する前に、形成した開口部にエッチング剤を導入して
、剥離層1903を選択的に除去してもよい。エッチング剤は、フッ化ハロゲン又はハロ
ゲン間化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として
三フッ化塩素(ClF)を使用する。そうすると、素子形成層1919は、基板190
1から剥離された状態となる。なお、剥離層1903は、全て除去せず一部分を残存させ
てもよい。こうすることによって、エッチング剤の消費量を抑え剥離層の除去に要する処
理時間を短縮することができる。また、剥離層1903の除去を行った後にも、基板19
01上に素子形成層1919を保持しておくことが可能となる。また、素子形成層191
9が剥離された基板1901を再利用することによって、コストの削減をすることができ
る。
【0152】
絶縁膜1918は、CVD法やスパッタリング法等により、酸化シリコン(SiOx)
、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化
シリコン(SiNxOy)(x>y)等の酸素又は窒素を有する絶縁膜やDLC(ダイヤ
モンドライクカーボン)等の炭素を含む膜、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビ
ニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料又はシロキサン樹脂等のシ
ロキサン材料からなる層を単層で又は積層して形成することができる。
【0153】
本実施の形態では、図21(A)に示すように、レーザー光の照射により素子形成層1
919に開口部を形成した後に、当該素子形成層1919の一方の面(絶縁膜1918の
露出した面)に第1のシート材1920を貼り合わせた後、基板1901から素子形成層
1919を剥離する。
【0154】
次に、図21(B)に示すように、素子形成層1919の他方の面(剥離により露出し
た面)に、第2のシート材1921を貼り合わせた後、加熱処理と加圧処理の一方又は両
方を行って第2のシート材1921を貼り合わせる。第1のシート材1920及び第2の
シート材1921として、ホットメルトフィルム等を用いることができる。
【0155】
また、第1のシート材1920及び第2のシート材1921として、静電気等を防止す
る帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもでき
る。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム及び
帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が設
けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両
面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能
な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側に
なるように貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、
帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここでの帯電
防止可能な材料としては、金属、インジウムと錫の酸化物(ITO:Indium Ti
n Oxide)、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の
界面活性剤等を用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキ
シル基及び4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料等を用いる
ことができる。これらの材料をフィルムに貼り付けたり、練り込み、又は塗布することに
よって帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムで封止を行うことによっ
て、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶこ
とを抑制することができる。
【0156】
なお、バッテリーは、導電膜1915a、1915bに接続して形成されるが、バッテ
リーとの接続は、基板1901から素子形成層1919を剥離する前(図20(B)又は
図20(C)の段階)に行ってもよいし、基板1901から素子形成層1919を剥離し
た後(図21(A)の段階)で行ってもよいし、素子形成層1919を第1のシート材及
び第2のシート材で封止した後(図21(B)の段階)に行ってもよい。以下に、素子形
成層1919とバッテリーを接続して形成する方法の一例を図22及び図23を用いて説
明する。
【0157】
図20(B)において、アンテナとして機能する導電膜1917a及び導電膜1917
bと同時に、導電膜1915a及び導電膜1915bにそれぞれ電気的に接続する導電膜
1931a及び導電膜1931bを形成する。続けて、導電膜1917a、導電膜191
7b、導電膜1931a及び導電膜1931bを覆うように絶縁膜1918を形成した後
、導電膜1931a及び導電膜1931bの表面が露出するように開口部1932a、開
口部1932bを形成する。その後、図22(A)に示すように、レーザー光の照射によ
り素子形成層1919に開口部を形成し、当該素子形成層1919の一方の面(絶縁膜1
918の露出した面)に第1のシート材1920を貼り合わせた後、基板1901から素
子形成層1919を剥離する。
【0158】
次に、図22(B)に示すように、素子形成層1919の他方の面(剥離により露出し
た面)に、第2のシート材1921を貼り合わせた後、素子形成層1919を第1のシー
ト材1920から剥離する。従って、ここでは第1のシート材1920として粘着力が弱
いものを用いる。続けて、開口部1932a及び開口部1932bを介して導電膜193
1a及び導電膜1931bとそれぞれ電気的に接続する導電膜1934a及び導電膜19
34bを選択的に形成する。
【0159】
導電膜1934a及び導電膜1934bは、CVD法、スパッタリング法、スクリーン
印刷若しくはグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法又はメッキ法等を用
いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti
)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム
(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元
素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層で又は積層して形成する。
【0160】
なお、ここでは、基板1901から素子形成層1919を剥離した後に導電膜1934
a、導電膜1934bを形成する例を示しているが、導電膜1934a、1934bを形
成した後に基板1901から素子形成層1919を剥離してもよい。
【0161】
次に、図23(A)に示すように、基板上に複数の素子を形成している場合には、素子
形成層1919を素子ごとに分断する。素子ごとに分断するには、レーザー照射装置、ダ
イシング装置又はスクライブ装置等を用いることができる。ここでは、レーザー光を照射
することによって1枚の基板に形成された複数の素子を各々分断する。
【0162】
次に、図23(B)に示すように、分断された素子をバッテリーの接続端子と電気的に
接続する。ここでは、素子形成層1919に設けられた導電膜1934a及び導電膜19
34bと、基板1935上に設けられたバッテリーの接続端子となる導電膜1936a及
び導電膜1936bと、をそれぞれ接続する。ここで、導電膜1934aと導電膜193
6aとの接続、又は導電膜1934bと導電膜1936bとの接続は、異方導電性フィル
ム(ACF(Anisotropic Conductive Film))や異方導電
性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))
等の接着性を有する材料を介して圧着させることにより行う。ここでは、接着性を有する
樹脂1937に含まれる導電性粒子1938を用いて接続する例を示している。また、他
にも、銀ペースト、銅ペースト又はカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合等を用
いて接続を行うことも可能である。
【0163】
バッテリーが素子より大きい場合には、一枚の基板上に複数の素子を形成し、当該素子
を分断後にバッテリーと接続することによって、一枚の基板に作り込める素子の数を増や
すことができるため、半導体装置をより低コストで作製することが可能となる。なお、本
実施の形態においては、薄膜トランジスタを形成する場合について示したが、MOS(M
etal Oxide Semiconductor)トランジスタであってもよい。M
OSトランジスタにて形成した例を図37に示す。図37に示すMOSトランジスタは、
半導体基板を利用して形成されている。半導体基板として代表的には単結晶シリコン基板
が採用される。半導体基板の厚さは100〜300μmであるが、研磨して10〜100
μmに薄片化しても良い。また、各トランジスタは素子分離絶縁層により分離されている
。素子分離絶縁層は半導体基板に窒化膜などのマスクを形成し、熱酸化して素子分離用の
酸化膜を形成するLOCOS(Local Oxidation of Silicon
)技術を使って形成することができる。また、STI(Shallow Trench
Isolation)技術を使って、半導体基板に溝を形成し、そこに絶縁膜を埋め込み
、さらに平坦化することで素子分離絶縁層を形成しても良い。STI技術を使うことで素
子分離絶縁層の側壁を急峻にすることができ、素子分離幅を縮小することができる。半導
体基板にはnウエル及びpウエルを形成し、所謂ダブルウエル構造としてnチャネル型ト
ランジスタ及びpチャネル型トランジスタを形成することができる。又はシングルウエル
構造としても良い。なお、図37図23(B)に示す半導体装置の薄膜トランジスタを
MOSトランジスタに置き換えたものであるため、各層の詳しい説明は省略する。
【0164】
以上の工程により、半導体装置を作製することができる。なお、本実施の形態では、基
板上に薄膜トランジスタ等の素子を形成した後に剥離する工程を示したが、剥離を行わず
そのまま製品としてもよい。また、ガラス基板上に薄膜トランジスタ等の素子を設けた後
に、当該ガラス基板を素子が設けられた面と反対側から研磨することにより、またはシリ
コン等の半導体基板を用いてMOS型のトランジスタを形成した後に当該半導体基板を研
磨することによって、半導体装置の薄膜化、小型化を行うことができる。
【0165】
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態と組み合わせて実施することが可
能である。
【0166】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の充電方法の一例について説明する。
【0167】
図24に示す本実施の形態に係る半導体装置9300は、図1に示した半導体装置10
0に、充放電制御回路9301を追加した構成である。充放電制御回路9301は、バッ
テリー104の充電及び放電のタイミングを制御する。
【0168】
例えば、充放電制御回路9301によって、バッテリー104の充放電を同時稼働にし
てもよい。つまり、バッテリー104を信号処理回路103の電源として使用しているか
否かに関わらず、第Nの整流回路107nから出力される電力をバッテリー104に供給
し、充電を行うことを可能とする。
【0169】
そして、充放電制御回路9301は、バッテリー104に対して過充電とならないよう
にするため、バッテリー104の電圧が規定の電圧になったらバッテリー104への充電
を停止する機能を有することが好ましい。
【0170】
この場合のフローチャートの例を図25に示している。図25のフローチャートについ
て簡単に説明する。まず、第Nのアンテナ回路102nで信号を受信する(STEP94
01)。そして、第Nのアンテナ回路102nで受信した信号を第Nの整流回路107n
で整流し、電力を得る(STEP9402)。第Nの整流回路107nから出力される電
力は、充電回路116を介して充放電制御回路9301に供給される。そして、バッテリ
ー104の電圧が規定の電圧より小さいか否かを充放電制御回路9301が判別する(S
TEP9403)。そして、規定の電圧より小さいときには、充放電制御回路9301は
第Nの整流回路107nから出力される電力を一定時間、バッテリー104に供給して充
電する(STEP9404)。規定した電圧以上のとき(STEP9403及びSTEP
9404を繰り返して規定した電圧以上になった場合を含む)には充放電制御回路930
1は第Nの整流回路107nから出力される電力をバッテリー104に供給しない(ST
EP9405)。第Nのアンテナ回路102nで信号が受信される度に上記の動作が行わ
れる。
【0171】
なお、本発明は上記の構成に限定されない。充放電制御回路9301は、バッテリー1
04の電圧が規定された電圧未満になると、バッテリー104への充電を可能とし、バッ
テリー104の電圧が規定の電圧になると、バッテリー104への充電を停止する機能を
有していてもよい。この場合のフローチャートの例を図26に示している。
【0172】
図26について簡単に説明する。まず、第Nのアンテナ回路102nで信号を受信する
(STEP9501)。そして、第Nのアンテナ回路102nで受信した信号を第Nの整
流回路107nで整流し、電力を得る(STEP9502)。第Nの整流回路107nか
ら出力される電力は、充電回路116を介して充放電制御回路9301に供給される。そ
して、バッテリー104の電圧が規定した電圧V1より小さいか否かを充放電制御回路9
301が判別する(STEP9503)。そして、規定した電圧V1より小さいときには
、充放電制御回路9301は第Nの整流回路107nから出力される電力をバッテリー1
04に供給してバッテリーの電圧が規定した電圧V2(なおV2>V1とする)になるま
で充電する(STEP9504)。バッテリー104の電圧が規定した電圧V1以上のと
き(STEP9504により、バッテリー104の電圧が電圧V2以上になった場合を含
む)には充放電制御回路9301は第Nの整流回路107nから出力される電力をバッテ
リー104に供給しない(STEP9505)。第Nのアンテナ回路102nで信号が受
信される度に上記の動作が行われる。
【0173】
または、バッテリー104は、充電又は放電のいずれか一方を行うようにしてもよい。
つまり、第1のアンテナ回路101で信号が受信されていないときには、充放電制御回路
9301は、バッテリー104への充電を可能にし、第1のアンテナ回路101で信号を
受信すると、充放電制御回路9301はバッテリー104への充電を停止し、バッテリー
104からの放電を可能とする。この場合には、充放電制御回路9301が電源回路10
6に接続された構成にする。この場合のフローチャートの例を図27に示している。
【0174】
図27について簡単に説明する。まず、第Nのアンテナ回路102nで信号を受信する
(STEP9601)。そして、第Nのアンテナ回路102nで受信した信号を第Nの整
流回路107nで整流し、電力を得る(STEP9602)。第Nの整流回路107nか
ら出力される電力は充電回路116を介して充放電制御回路9301に供給される。そし
て、第1のアンテナ回路101が信号を受信しているときには、例えば論理回路110か
らその情報を伝達する信号が充放電制御回路9301に入力される(STEP9603)
。そして、充放電制御回路9301は第Nの整流回路107nからバッテリー104への
電力の供給を停止する(STEP9604)。第1のアンテナ回路101が信号を受信中
でないときには、充放電制御回路9301は第Nの整流回路107nから出力される電力
をバッテリー104に供給してバッテリー104の電圧を規定の電圧まで充電する(ST
EP9605及びSTEP9606)。バッテリー104の電圧が規定の電圧になると、
充放電制御回路9301は第Nの整流回路107nから出力される電力をバッテリー10
4に供給しなくなる(STEP9604)。第Nのアンテナ回路102nで信号が受信さ
れる度に上記の動作が行われる。
【0175】
または、第1のアンテナ回路101で信号を受信し、信号処理回路103で信号の処理
を行い、第1のアンテナ回路101から信号を送信した後、バッテリー104の消費電力
分をバッテリー104へ充電可能とするような機能を充放電制御回路9301が有してい
てもよい。この場合のフローチャートの例を図28に示している。
【0176】
図28について簡単に説明する。まず、第1のアンテナ回路101で信号を受信する(
STEP9701)。そして、第1のアンテナ回路101で受信した信号を信号処理回路
103で処理し、第1のアンテナ回路101から信号を送信する(STEP9702)。
その後、充放電制御回路9301は、第Nのアンテナ回路102nで受信した信号から充
電回路116を介して得られた電力をバッテリー104に供給し、バッテリーの電圧を規
定の電圧まで充電する(STEP9703)。つまり、第1のアンテナ回路101で信号
を送信する度、バッテリー104を規定の電圧まで充電することにより、消費した電力分
を充電することができる。
【0177】
なお、充放電制御回路9301は、過充電を防止する機能だけではなく、過放電を防止
する機能も設けていても良い。
【0178】
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態と組み合わせて実施することが可
能である。
【0179】
(実施の形態5)
本実施の形態では、アンテナ回路で受信した信号に同期させてバッテリーから出力され
る電圧を昇圧し、電源電圧を生成する本実施の形態に係る半導体装置の構成について説明
する。
【0180】
図29は、本実施の形態に係る半導体装置9100の一構成例を示すブロック図である
【0181】
図29に示す半導体装置9100は、受信した信号に同期させてバッテリーから出力さ
れる電圧を昇圧する。そして、その昇圧された電圧を、不揮発性メモリへ書き込むデータ
の振幅を大きくするためのレベルシフタ回路9111の電源として用いている。
【0182】
本実施の形態に係る半導体装置9100は、アンテナ回路9101と、信号処理回路9
102と、バッテリー9114と、充電回路9115と、アンテナ−整流回路群9116
と、を有する。
【0183】
アンテナ−整流回路群9116は、一対のアンテナと整流回路とが複数個集合したもの
である。アンテナ−整流回路群9116は充電回路9115を介してバッテリー9114
に接続されている。アンテナ−整流回路群9116を構成するアンテナが受信した電波に
より、充電回路9115を介してバッテリー9114を充電する。
【0184】
アンテナ回路9101及びアンテナ−整流回路群9116を構成するアンテナの形状に
は、様々な形態をとることができる。例えば、図6に示す、実施の形態1にて説明したも
のを用いることができる。他にも、いわゆる、ダイポールアンテナ、ループアンテナ、八
木アンテナ、パッチアンテナ又は微小アンテナ等を用いることができる。信号処理回路9
102に含まれるトランジスタを形成する基板上にアンテナも形成する場合、好ましくは
、アンテナ形状を微小ループアンテナや、微小ダイポールアンテナ等にするとよい。
【0185】
また、アンテナ回路9101及びアンテナ−整流回路群9116を構成するアンテナに
は、受信した信号の周波数を変更する手段を有していても良い。例えば、アンテナ形状が
ループアンテナのとき、アンテナを構成するアンテナコイルと、コンデンサとにより共振
回路を形成していてもよく、コンデンサの容量を可変とすることで対応する信号の周波数
を変更することができる。
【0186】
バッテリー9114には、リチウムイオン電池、リチウム二次電池、ニッケル水素電池
、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛
電池等の二次電池が適用可能であるが、これらに限定されない。また、バッテリーとして
大容量のコンデンサなどを用いてもよい。特に、リチウムイオン電池やリチウム二次電池
は充放電容量が大きいため、本実施の形態に係る半導体装置に備えるバッテリーに適用す
ることで小型化を図ることができる。なお、リチウムイオン電池の活物質や電解質をスパ
ッタリング法により形成することにより、バッテリー9114を信号処理回路9102が
形成された基板と同一の基板上に形成してもよいし、アンテナ回路9101が形成された
基板と同一の基板上に形成されていてもよい。信号処理回路9102やアンテナ回路91
01が形成された基板上にバッテリー9114を形成することにより、歩留まりが向上す
る。金属リチウム電池は、正極活物質にリチウムイオン含有遷移金属酸化物、金属酸化物
、金属硫化物、鉄系化合物、導電性ポリマー若しくは有機イオウ系化合物等を用い、負極
活物質にリチウム(合金)、電解質に有機系電解液若しくはポリマー電解質等を用いるこ
とで、より充放電容量の大きなバッテリー9114とすることができる。
【0187】
信号処理回路9102は、整流回路9103と、電源回路9104と、復調回路910
5と、論理回路9106と、メモリコントロール回路9107と、メモリ回路9108と
、論理回路9109と、変調回路9110と、レベルシフタ回路9111と、昇圧回路9
112と、スイッチ9113と、を有している。メモリ回路9108には、例えば、不揮
発性メモリを適用することができる。
【0188】
整流回路9103は、アンテナ回路9101で受信した交流信号を整流し、平滑化する
。そして、整流回路9103から出力される電圧は、電源回路9104に供給される。電
源回路9104では、所望の電圧が生成される。そして、電源回路9104から信号処理
回路9102の様々な回路に電源電圧を供給する。
【0189】
本実施の形態に係る半導体装置の信号処理については以下のとおりである。アンテナ回
路9101によって受信された通信信号が復調回路9105に入力される。通常、通信信
号は13.56MHz、915MHz等のキャリアをASK変調又はPSK変調等の処理
をおこなって送られてくる。
【0190】
図29は13.56MHzの通信信号を用いた場合の例である。ASK変調やPSK変
調された通信信号は、アンテナ回路9101で受信され、復調回路9105で復調される
。復調された信号は論理回路9106に送られ、解析される。論理回路9106で解析さ
れた信号はメモリコントロール回路9107に送られ、それに基づき、メモリコントロー
ル回路9107はメモリ回路9108を制御する。
【0191】
メモリコントロール回路9107に送られた信号が、メモリ回路9108からのデータ
の読み出し命令を含む場合には、メモリコントロール回路9107は、メモリ回路910
8に記憶されたデータを取り出し、そのデータを論理回路9109に送る。論理回路91
09に送られたデータは、論理回路9109でエンコード処理されたのち、その信号によ
って、変調回路9110はキャリアに変調をかける。
【0192】
次に、メモリコントロール回路9107に送られた信号が、メモリ回路9108へのデ
ータの書き込み命令を含む場合には、メモリコントロール回路9107は、スイッチ91
13をオンにする。すると、バッテリー9114から昇圧回路9112に電圧が供給され
、供給された電圧が昇圧される。そして、レベルシフタ回路9111は、メモリコントロ
ール回路9107から入力されるメモリ回路9108に書き込むデータを、昇圧回路91
12によって昇圧された電圧を用いてレベルシフトする。レベルシフトされ、振幅の大き
くなったデータをメモリ回路9108に書き込む。
【0193】
以上のように、本実施の形態に係る半導体装置9100は動作する。
【0194】
また、図29では電源回路9104とバッテリー9114が接続されていないが、勿論
、バッテリー9114と電源回路9104を接続して、バッテリー9114を用いて、電
源回路9104を駆動してもよい。
【0195】
なお、本実施の形態では13.56MHzの通信信号について述べたが本発明はこれに
限定されない。キャリアの周波数として、例えば125KHz、UHF帯周波数、2.4
5GHz等を用いることも可能である。なお、本実施の形態は図29に示した構成に限定
されるものではない。
【0196】
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態と組み合わせて実施することが可
能である。
【0197】
(実施の形態6)
本実施の形態では、アンテナ回路で受信した信号に同期させてバッテリーから出力され
る電圧を用いることで、遠方への送信を可能にする本実施の形態に係る半導体装置の構成
について説明する。
【0198】
図30は、本実施の形態に係る半導体装置9200の構成の一例を示すブロック図であ
る。
【0199】
図30に示す半導体装置9200は、受信した信号により送信距離を判別し、送信距離
が近い場合には変調回路9210によって変調された信号をアンテナ回路9201に供給
し、送信距離が遠い場合には変調回路9210によって変調された信号をアンプ9211
により増幅してアンテナ回路9201に供給する。そして、アンプ9211はバッテリー
9215の電圧により動作する。
【0200】
なお、バッテリー9215には、一対のアンテナと整流回路が複数個集合したアンテナ
−整流回路群9216が接続されている。アンテナ−整流回路群9216を構成するアン
テナが受信した電波により、充電回路9217を介してバッテリー9215を充電する。
【0201】
本実施の形態に係る半導体装置9200は、アンテナ回路9201と、信号処理回路9
202と、バッテリー9215と、を有する。
【0202】
アンテナ回路9201のアンテナ形状としては、様々な形態をとることができる。例え
ば、図6に示す、実施の形態1にて説明したものを用いることができる。他にも、いわゆ
る、ダイポールアンテナ、ループアンテナ、八木アンテナ、パッチアンテナ又は微小アン
テナ等を用いることができる。信号処理回路に含まれるトランジスタを形成する基板と同
一の基板上にアンテナも形成する場合には、好ましくは、アンテナ形状を微小ループアン
テナや、微小ダイポールアンテナ等にするとよい。
【0203】
また、アンテナ回路9201には、受信した信号の周波数を変更する手段を有していて
も良い。例えば、アンテナ形状がループアンテナのとき、アンテナを構成するアンテナコ
イルと、コンデンサと、により共振回路を形成していてもよい。
【0204】
バッテリー9215には、リチウムイオン電池、リチウム二次電池、ニッケル水素電池
、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛
電池等の二次電池が適用可能であるが、これらに限定されるものではない。また、大容量
のコンデンサ等を適用してもよい。特に、リチウムイオン電池やリチウム二次電池は充放
電容量が大きいため、本発明の半導体装置に備えるバッテリーに適用することで半導体装
置の小型化を図ることができる。なお、リチウムイオン電池の活物質や電解質をスパッタ
リング法により形成することにより、バッテリー9215を信号処理回路9202が形成
された基板と同一の基板上に形成してもよいし、アンテナ回路9201が形成された基板
と同一の基板上に形成されていてもよい。信号処理回路9202やアンテナ回路9201
が形成された基板上にバッテリー9215を形成することにより、歩留まりが向上する。
金属リチウム電池は、正極活物質にリチウムイオン含有遷移金属酸化物、金属酸化物、金
属硫化物、鉄系化合物、導電性ポリマー若しくは有機イオウ系化合物等を用い、負極活物
質にリチウム(合金)、電解質に有機系電解液若しくはポリマー電解質等を用いることで
、より充放電容量の大きなバッテリー9215とすることができる。
【0205】
信号処理回路9202は、整流回路9203と、電源回路9204と、復調回路920
5と、論理回路9206と、メモリコントロール回路9207と、メモリ回路9208と
、論理回路9209と、変調回路9210と、アンプ9211と、スイッチ9212と、
スイッチ9213と、スイッチ9214と、を有している。メモリ回路9208には、様
々なメモリを適用することができる。例えば、マスクROMや不揮発性メモリを適用する
ことができる。
【0206】
整流回路9203は、アンテナ回路9201で受信した交流信号を整流し、平滑化する
。そして、整流回路9203から出力される電圧は、電源回路9204に供給される。電
源回路9204では、所望の電圧が生成される。そして、電源回路9204から信号処理
回路9202の様々な回路の電源となる電圧を供給する。
【0207】
本発明に係る半導体装置の信号処理については以下のとおりである。アンテナ回路92
01によって受信された通信信号が復調回路9205に入力される。通常、通信信号は1
3.56MHz、915MHz等のキャリアをASK変調又はPSK変調等の処理をおこ
なって送られてくる。
【0208】
図30は13.56MHzの通信信号を用いた場合の例である。ASK変調又はPSK
変調された通信信号は、アンテナ回路9201で受信され、復調回路9205で復調され
る。復調後の信号は論理回路9206に送られて解析される。論理回路9206で解析さ
れた信号はメモリコントロール回路9207に送られ、それに基づき、メモリコントロー
ル回路9207はメモリ回路9208を制御する。そして、メモリコントロール回路92
07は、メモリ回路9208に記憶されたデータを読み出し、論理回路9209に送る。
論理回路9209に送られたデータは、論理回路9209でエンコード処理された後、そ
の信号によって、変調回路9210がキャリアに変調をかける。そして、送信距離が近い
場合には、変調をかけた信号はアンテナ回路9101に送られ、送信距離が遠い場合には
、変調をかけた信号はまずアンプ9211に送られ、信号が増幅されてから、アンテナ回
路9201に送られる。
【0209】
つまり、論理回路9206に送られた信号によって、送信距離が遠いか近いかが判別さ
れ、論理回路9206によりスイッチ9212、スイッチ9213及びスイッチ9214
が制御される。送信距離が近いと判断された場合には、スイッチ9213は変調回路92
10とアンテナ回路9201とを接続し、スイッチ9212及びスイッチ9214はオフ
にする。送信距離が遠いと判断された場合には、スイッチ9213は変調回路9210と
アンプ9211とを接続し、スイッチ9212及びスイッチ9214はオンにする。つま
り、送信距離が遠いと判断された場合には、アンプ9211は電源としてバッテリー92
15から出力される電圧を用いて、変調回路9210から出力された信号を増幅してアン
テナ回路9201に送る。
【0210】
なお、送信距離の判別方法としては、あらかじめ送信距離を判別するための制御信号を
論理回路9206に送ってもよいし、復調回路9205によって復調された信号の大きさ
で判別してもよい。
【0211】
また、図30では電源回路9204とバッテリー9215とが接続されていないが、勿
論、バッテリー9215と電源回路9204とを接続して、バッテリー9215を用いて
、電源回路9204を駆動してもよい。
【0212】
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施の形態と組み合わせて実施することが可
能である。
【0213】
(実施の形態7)
本発明の半導体装置の応用例について説明する。
【0214】
本実施の形態では、本発明の無線通信によりデータの交信を行う半導体装置の用途につ
いて説明する。本発明の半導体装置は、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類
、証書類(運転免許証や住民票等)、包装用容器類(包装紙やボトル等)、記録媒体(D
VDソフトやビデオテープ等)、乗物類(自転車等)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品
類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、電子機器等の商品や荷物の荷札等の物品
に設ける、いわゆるIDラベル、IDタグ、IDカードとして使用することができる。電
子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(単にテレビ、テレビ受像
機、テレビジョン受像機とも呼ぶ)及び携帯電話等を指す。
【0215】
本実施の形態では、図31を参照して、本発明の応用例、及びそれらを付した商品の一
例について説明する。
【0216】
図31(A)は、本発明に係る半導体装置を有する完成品の状態の一例である。ラベル
台紙3001(セパレート紙)上に、半導体装置3002を内蔵した複数のIDラベル3
003が設けられている。IDラベル3003は、ボックス3004内に収納されている
。また、IDラベル3003上には、その商品や役務に関する情報(商品名、ブランド、
商標、商標権者、販売者、製造者等)が記されており、一方、内蔵されている半導体装置
には、その商品(又は商品の種類)固有のIDナンバーが付されており、偽造や、商標権
、特許権等の知的財産権侵害、不正競争等の不法行為を容易に把握することができる。ま
た、半導体装置内には、商品の容器やラベルに明記しきれない多大な情報、例えば、商品
の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状、価格、生産方法、使用方法、
生産時期、使用時期、賞味期限、消費期限、取扱説明、商品に関する知的財産情報等を入
力しておくことができ、取引者や消費者は、簡易なリーダによって、それらの情報にアク
セスすることができる。また、生産者側からは容易に書換え、消去等が可能であるが、取
引者、消費者側からは書換え、消去等ができない仕組みになっている。
【0217】
図31(B)は、半導体装置3012を内蔵したラベル状のIDタグ3011を示して
いる。IDタグ3011を商品に備え付けることにより、商品管理が容易になる。例えば
、商品が盗難された場合に、商品の経路を辿ることによって、その犯人を迅速に把握する
ことができる。このように、IDタグを備えることにより、所謂トレーサビリティに優れ
た商品を流通させることができる。
【0218】
図31(C)は、本発明に係る半導体装置3022を内包したIDカード3021の完
成品の状態の一例である。IDカード3021としては、キャッシュカード、クレジット
カード、プリペイドカード、電子乗車券、電子マネー、テレフォンカード及び会員カード
等のあらゆるカード類が含まれる。
【0219】
図31(D)は、無記名債券3031の完成品の状態を示している。無記名債券303
1には、半導体装置3032が埋め込まれており、半導体装置の周囲は樹脂により保護さ
れている。ここで、該樹脂中にはフィラーが充填された構成となっている。無記名債券3
031は、本発明に係るIDラベル、IDタグ及びIDカードと同じ要領で作成すること
ができる。なお、上記無記名債券類には、切手、切符、チケット、入場券、商品券、図書
券、文具券、ビール券、おこめ券、各種ギフト券、各種サービス券等が含まれるが、勿論
これらに限定されるものではない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書
類等に本発明の半導体装置3032を設けることにより、認証機能を付与することができ
、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。
【0220】
図31(E)は、本発明に係る半導体装置3042を内包したIDラベル3041を貼
付した書籍3043を示している。本発明の半導体装置3042は、表面に貼り、又は埋
め込むことで、物品に固定される。図31(E)に示すように、書籍であれば紙に漉き込
むことができ、有機樹脂からなるパッケージであれば当該有機樹脂に埋め込むことで、各
物品に固定される。
【0221】
また、ここでは図示しないが、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、
生活用品類又は電子機器等に本発明の半導体装置を設けることにより、検品システム等の
システムの効率化を図ることができる。また、乗物類に半導体装置を設けることにより、
偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個
々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物に無線タグを埋め
込むことによって、生まれた年や性別又は種類等を容易に識別することが可能となる。
【0222】
図32(A)は、本発明に係るIDラベル2508を貼付したペットボトル2722を
示している。更に、非接触型薄膜集積回路装置の場合、アンテナとチップとを一体形成で
き、曲面を有する商品に直接転写することが容易になる。
【0223】
図32(B)は、果物類2725に、直接、IDラベル2720を貼り付けた状態を示
している。また、図32(C)は、包装用フィルム類によって、野菜類2724を包装し
た一例を示している。なお、チップ2721を商品に貼り付けた場合、剥がされる可能性
があるが、包装用フィルム類によって商品をくるんだ場合、包装用フィルム類2723を
剥がすのは困難であるため、防犯対策上のメリットがある。また、このような生鮮食品類
の採取日、製造日等をIDラベルに記録しておくことで、商品の管理を容易に行うことも
可能になる。
【0224】
本発明の半導体装置は上述した商品に限定されず、あらゆる商品に利用することができ
る。
【0225】
次に、本発明の受電装置を具備する移動型電子機器の用途について説明する。本発明の
受電装置を具備する移動型電子機器は、例えば、携帯電話、デジタルビデオカメラ、コン
ピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書
籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatil
e Disc(DVD)等が挙げられる。以下、その一例について図面を用いて説明する
【0226】
なお、本実施の形態においては、実施の形態2で述べたアンテナ回路について、その形
状及び取り付け位置について述べるに留まるため、単にアンテナと称することにする。
【0227】
図33(A)は携帯電話の一例であり、本体2501、音声出力部2502、音声入力
部2503、表示部2504、操作スイッチ2505、アンテナ2506等によって構成
されている。本発明の受電装置は本体2501の内部に信号処理回路及びバッテリーを具
備し、アンテナ2506で外部から無線信号により送電される電力を受電し、バッテリー
を充電することができる。そのためバッテリーの充電に際し、専用の充電器で充電するこ
となく、表示部2504の表示等に要する電力を供給することが可能になる。
【0228】
図33(B)は携帯型コンピュータ(ノート型コンピュータともいう)の一例であり、
本体2511、筐体2512、表示部2513、キーボード2514、外部接続ポート2
515、ポインティングデバイス2516、アンテナ2517等によって構成されている
。本発明の受電装置は本体2511内部に信号処理回路及びバッテリーを具備し、アンテ
ナ2517で外部から無線信号により送電される電力を受電し、バッテリーを充電するこ
とができる。そのため、バッテリーの充電に際し、専用の充電器で充電することなく、表
示部2513の表示等に要する電力を供給することが可能になる。
【0229】
図33(C)はデジタルカメラの一例であり、本体2521、表示部2522、操作キ
ー2523、スピーカー2524、シャッターボタン2525、受像部2526、アンテ
ナ2527等によって構成されている。本発明の受電装置は本体2521内部に信号処理
回路及びバッテリーを具備し、アンテナ2527で外部から無線信号により送電される電
力を受電し、バッテリーを充電することができる。そのためバッテリーの充電に際し、専
用の充電器で充電することなく、表示部2522の表示等に要する電力を供給することが
可能になる。
【0230】
図33(D)は記録媒体を備えた携帯型画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)の
一例であり、本体2331、筐体2532、第1の表示部2533、第2の表示部253
4、記録媒体(DVD等)読み込み部2535、操作キー2536、スピーカー部253
7、アンテナ2538等によって構成されている。本発明の受電装置は本体2331内部
に信号処理回路及びバッテリーを具備し、アンテナ2538で外部から無線信号により送
電される電力を受電し、バッテリーを充電することができる。そのためバッテリーの充電
に際し、専用の充電器で充電することなく、第1の表示部2533及び第2の表示部25
34の表示部等に要する電力を供給することが可能になる。
【0231】
図33(E)はデジタルビデオカメラであり、本体2541、表示部2542、音声入
力部2543、操作スイッチ2544、バッテリー2545、受像部2546、アンテナ
2547等によって構成されている。本発明の受電装置は本体2541内部に信号処理回
路及びバッテリーを具備し、アンテナ2547で外部から無線信号により送電される電力
を受電し、バッテリーを充電することができる。そのためバッテリーの充電に際し、専用
の充電器で充電することなく、表示部2542の表示等に要する電力を供給することが可
能になる。
【0232】
図33(F)は携帯情報端末であり、本体2551、スタイラス2552、表示部25
53、操作ボタン2554、外部インターフェイス2555及びアンテナ2556等によ
って構成されている。本発明の受電装置は、本体2551の内部に信号処理回路及びバッ
テリーを具備し、アンテナ2556で外部から無線信号により送電される電力を受電し、
バッテリーを充電することができる。そのため、バッテリーの充電に際し、専用の充電器
で充電することなく、表示部2553の表示等に要する電力を供給することが可能になる
【0233】
また図34(A)に、ワイヤレスでディスプレイのみの持ち運びが可能なテレビ受像器
を示す。筐体2601には映像信号受信器及び本発明の受電装置が内蔵されており、受電
装置内のバッテリーで表示部2602やスピーカー部2603を駆動させる。バッテリー
は給電器2604から無線により送電される信号を受電装置で受電することで充電が可能
となっている。無線により送電される信号は、ディスプレイ側に設けられたアンテナ26
06A及び給電器側に設けられたアンテナ2606Bで送受信されることで電力の供給が
可能となる。
【0234】
また、給電器2604は映像信号を送受信することが可能で、そのため図34(B)に
示すようにディスプレイを給電器から取り外したとしても、その映像信号をディスプレイ
の信号受信器に送信することができる。筐体2601は操作キー2605によって制御さ
れる。また、図34に示す装置は、操作キー2605を操作することによって、筐体26
01から給電器2604に信号を送ることも可能であるため映像音声双方向通信装置とも
よぶことができる。また、操作キー2605を操作することによって、筐体2601から
給電器2604に信号を送り、さらに給電器2604が送信できる信号を他の電子機器に
受信させることによって、他の電子機器の通信制御も可能であり、給電器2604は汎用
遠隔制御装置ともよぶことができる。
【0235】
なお、給電器2604に表示部2602及びスピーカー部2603を装着することによ
り、据え置き型のテレビ受像器として視聴することができる。据え置き型のテレビ受像器
の形態においては、給電器2604と、表示部2602及びスピーカー部2603と、は
直接接続されて電力の供給を受けることが可能な構成であってもよい。
【0236】
また、図35(A)に大型の給電器を用いた、バッテリーを有する自動車や自転車等の
移動型電子機器との電力供給システムについて説明する。
【0237】
図35(A)に示す給電器2730は、放物曲面状の反射面を有するパラボラアンテナ2
726を用いて、アンテナ及びバッテリー(アンテナ2732A及びバッテリー2733
A等)を含む受電装置を具備する自動車、自転車に電力を送電する。そのため、通常、自
動車においては燃焼機関の動力を利用した発電機による発電が困難な場合である所謂バッ
テリー上がりの際に、特に好適である。また自転車においても人力では走行が困難な坂道
などで電力を利用した動力による所謂アシスト機能つきの自転車において、バッテリーの
充電が尽きたとしても、一定期間の受電を行うことでバッテリーへの充電が可能になる。
バッテリー付きの自転車においては、家庭用交流電源からの充電を用いることなく、バッ
テリーの充電を行うことができるため、使用者は有線によるバッテリーの充電を行う必要
性が軽減されるため好適である。
【0238】
図35(B)に受電装置を備える自動車の構成について示す。該自動車はアンテナ27
32D及びバッテリー2733Dを有する。図35(B)に示すようにアンテナは自動車
の外周部にそって設けられていてもよいし、フロントガラスやリアガラスなど、複数箇所
に設けられていてもよい。
【0239】
また、給電器と移動型電子機器に設けられる受電装置の構成は、多種多様な形態に及ぶ
。その一例として、図36を用いて説明する。
【0240】
図36(A)に示す構成は、自動車間における給電器と移動手段を有する受電装置の電
力供給システムについて示したものである。図36(A)において、双方の自動車が共に
バッテリー及びアンテナを具備する構成について示す。ここでは、一方の自動車がアンテ
ナとバッテリー2801とを有し、該アンテナが受電用アンテナ2802として機能する
ものとする。また他方の自動車がアンテナとバッテリー2803とを有し、該アンテナが
給電用アンテナ2804として機能するものとする。
【0241】
図36(A)において、一方の自動車のバッテリー2801の充電が切れた場合であっ
ても、他方の車のバッテリー2803に充電された電力を給電用アンテナ2804から無
線信号として受電用アンテナ2802に出力することにより、バッテリー2801の充電
を行うことができる。なお、受電用アンテナ2802と給電用アンテナ2804の距離を
近接して電力供給用の無線信号を出力することにより、磁界結合に伴う電磁誘導によって
充電時間を短縮することができる。図36(A)の構成においては、電力を供給するため
の有線によるバッテリー同士の接続を行う必要がないため、使用者は自動車内に待機した
ままであっても、アンテナでの受電により充電作業を行うことができる。
【0242】
また、図36(B)に図36(A)で示した構成とは別の構成について図示して説明す
る。図36(B)に示す構成は、特に電力によって動力を得る所謂、電気自動車において
特に好適である。
【0243】
図36(B)に示す構成においては、自動車は圧電センサー2806上にきた際に、給
電器2805からの無線信号による電力の供給を行う。給電器2805からの無線信号に
よる電力供給に伴い、自動車内の受電装置が有するアンテナ2807で受電し、バッテリ
ー2808は充電される。そのため、バッテリー2808への充電のための有線による家
庭用交流電源との接続の必要はなく、利用者は車内に居ながらにして、バッテリーの充電
を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0244】
以上、本発明の受電装置は電力により駆動させる物品であればどのようなものにでも設
けて使用することができる。
【0245】
なお、本実施の形態で示した移動型電子機器の形態において、アンテナの形状は図示した
形状に限定されず、適宜他の実施の形態で示したアンテナの形状に置き換えて構成するこ
とが可能である。
【0246】
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0247】
100 半導体装置
101 アンテナ回路
102 アンテナ回路群
103 信号処理回路
104 バッテリー
105 整流回路
106 電源回路
107 整流回路群
108 復調回路
109 アンプ
110 論理回路
111 メモリコントロール回路
112 メモリ回路
113 論理回路
114 アンプ
115 変調回路
116 充電回路
117 アンテナ−整流回路群
201 リーダ/ライタ
401 アンテナ
402 共振容量
403 アンテナ回路
404 ダイオード
405 ダイオード
406 平滑容量
407 整流回路
501 受信部
502 送信部
503 制御部
504 インターフェイス部
505 アンテナ回路
506 上位装置
507 アンテナ
508 共振容量
600 給電器
601 送電制御部
602 アンテナ回路
603 アンテナ
604 共振容量
701 基板
702 チップ
703 バッテリー
704 アンテナ回路
706 リーダ/ライタ
707 無線信号
711 接続端子
712 接続端子
851 発電素子
1001 抵抗
1002 トランジスタ
1003 トランジスタ
1004 電流供給用抵抗
1005 トランジスタ
1006 トランジスタ
1007 トランジスタ
1008 トランジスタ
1009 トランジスタ
1010 抵抗
1011 基準電圧回路
102a アンテナ回路
102n アンテナ回路
107a 整流回路
107n 整流回路
1901 基板
1902 絶縁膜
1903 剥離層
1904 絶縁膜
1905 半導体膜
1906 ゲート絶縁膜
1907 ゲート電極
1908 不純物領域
1909 不純物領域
1910 絶縁膜
1911 不純物領域
1913 導電膜
1914 絶縁膜
1918 絶縁膜
1919 素子形成層
1920 シート材
1921 シート材
1935 基板
1937 樹脂
1938 導電性粒子
202a 電波
202b 電波
202c 電波
202d 電波
2331 本体
2501 本体
2502 音声出力部
2503 音声入力部
2504 表示部
2505 操作スイッチ
2506 アンテナ
2508 IDラベル
2509 チップ
2511 本体
2512 筐体
2513 表示部
2514 キーボード
2515 外部接続ポート
2516 ポインティングデバイス
2517 アンテナ
2521 本体
2522 表示部
2523 操作キー
2524 スピーカー
2525 シャッターボタン
2526 受像部
2527 アンテナ
2532 筐体
2533 表示部
2534 表示部
2535 部
2536 操作キー
2537 スピーカー部
2538 アンテナ
2541 本体
2542 表示部
2543 音声入力部
2544 操作スイッチ
2545 バッテリー
2546 受像部
2547 アンテナ
2551 本体
2552 スタイラス
2553 表示部
2554 操作ボタン
2555 外部インターフェイス
2556 アンテナ
2601 筐体
2602 表示部
2603 スピーカー部
2604 給電器
2605 操作キー
2700 移動型電子機器
2701 受電装置部
2702 アンテナ回路群
2703 信号処理回路
2704 バッテリー
2705 電源負荷部
2707 整流回路群
2708 電源回路
2709 表示部
2710 集積回路部
2711 画素部
2712 表示制御部
2716 充電回路
2720 IDラベル
2721 チップ
2722 ペットボトル
2723 包装用フィルム類
2724 野菜類
2725 果物類
2726 パラボラアンテナ
2730 給電器
2732A アンテナ
2733A バッテリー
2732B アンテナ
2733B バッテリー
2732C アンテナ
2733C バッテリー
2732D アンテナ
2733D バッテリー
2800 給電器
2801 バッテリー
2802 受電用アンテナ
2803 バッテリー
2804 給電用アンテナ
2805 給電器
2806 圧電センサー
2807 アンテナ
2808 バッテリー
3001 ラベル台紙
3002 半導体装置
3003 IDラベル
3004 ボックス
3011 IDタグ
3012 半導体装置
3021 IDカード
3022 半導体装置
302A チップ
302B チップ
302C チップ
302D チップ
302E チップ
3031 無記名債券
3032 半導体装置
303A アンテナ
303B アンテナ
303C アンテナ
303D アンテナ
303E アンテナ
3041 IDラベル
3042 半導体装置
3043 書籍
3100 半導体装置
3101 アンテナ回路
3102 信号処理回路
3103 電池
3104 電源回路
3105 復調回路
3106 アンプ
3107 論理回路
3108 メモリコントロール回路
3109 メモリ回路
3110 論理回路
3111 アンプ
3112 変調回路
3200 半導体装置
3201 アンテナ回路
3202 信号処理回路
3203 整流回路
3204 電源回路
3205 復調回路
3206 アンプ
3207 論理回路
3208 メモリコントロール回路
3209 メモリ回路
3210 論理回路
3211 アンプ
3212 変調回路
3300 受電装置部
3302 アンテナ回路
3303 送電制御部
3304 アンテナ回路
3305 アンテナ
701a 基板
701b 基板
702a チップ
702b チップ
705a アンテナ回路
705b アンテナ回路
9100 半導体装置
9101 アンテナ回路
9102 信号処理回路
9103 整流回路
9104 電源回路
9105 復調回路
9106 論理回路
9107 メモリコントロール回路
9108 メモリ回路
9109 論理回路
9110 変調回路
9111 レベルシフタ回路
9112 昇圧回路
9113 スイッチ
9114 バッテリー
9115 充電回路
9116 アンテナ−整流回路群
9200 半導体装置
9201 アンテナ回路
9202 信号処理回路
9203 整流回路
9204 電源回路
9205 復調回路
9206 論理回路
9207 メモリコントロール回路
9208 メモリ回路
9209 論理回路
9210 変調回路
9211 アンプ
9212 スイッチ
9213 スイッチ
9214 スイッチ
9215 バッテリー
9216 アンテナ−整流回路群
9217 充電回路
9300 半導体装置
9301 充放電制御回路
9401 STEP
9402 STEP
9403 STEP
9404 STEP
9405 STEP
9501 STEP
9502 STEP
9503 STEP
9504 STEP
9505 STEP
9601 STEP
9602 STEP
9603 STEP
9604 STEP
9605 STEP
9606 STEP
9701 STEP
9702 STEP
9703 STEP
1900a nチャネル型薄膜トランジスタ
1900b nチャネル型薄膜トランジスタ
1900c pチャネル型薄膜トランジスタ
1900d nチャネル型薄膜トランジスタ
1900e pチャネル型薄膜トランジスタ
1900f nチャネル型薄膜トランジスタ
1905a 半導体膜
1905b 半導体膜
1905c 半導体膜
1905d 半導体膜
1905e 半導体膜
1905f 半導体膜
1907a 導電膜
1907b 導電膜
1912a 絶縁膜
1912b 絶縁膜
1915a 導電膜
1915b 導電膜
1916a 導電膜
1916b 導電膜
1917a 導電膜
1917b 導電膜
1931a 導電膜
1931b 導電膜
1932a 開口部
1932b 開口部
1934a 導電膜
1934b 導電膜
1936a 導電膜
1936b 導電膜
2606A アンテナ
2606B アンテナ
2702n アンテナ回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37