【文献】
松村 太郎,Command+Eye 01 店を出るだけで支払い終了!? iBeaconで始まる未来の生活,Mac Fan,日本,株式会社マイナビ,2014年 3月 1日,第22巻,第3号,第22−23頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
クライアントコンピュータおよび勘定系システムと接続されたサーバコンピュータによって実行される決済方法であって、前記サーバコンピュータは、支払元識別番号および支払元口座情報を含む支払元データと、支払先位置情報および支払先口座情報を含む支払先データと、を記憶したデータ記憶部を備え、
前記方法は、
前記クライアントコンピュータから、支払元識別番号、決済額、および位置情報を受信するステップと、
前記受信した支払元識別番号に基づいて、前記データ記憶部から支払元データを取得するステップと、
前記受信した位置情報に基づいて特定される前記支払先位置情報を含む支払先データを、前記データ記憶部から取得するステップと、
前記取得した支払元データに含まれる前記支払元口座情報に基づいて、前記取得した支払先データに含まれる前記支払先口座情報を判定するステップと、
前記取得した支払元データに含まれる前記支払元口座情報、前記判定した支払先口座情報、および前記受信した決済額に基づいて、口座振替データを作成するステップと、
前記作成した口座振替データを、前記勘定系システムに送信するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
前記支払先データは、複数の支払先口座情報を含み、前記支払先口座情報を判定する前記ステップは、前記複数の支払先口座情報から、前記取得した支払元データに含まれる前記支払元口座情報の金融機関と同一の金融機関を示す支払先口座情報を判定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記支払先データは、複数の支払先口座情報を含み、前記口座判定部は、前記複数の支払先口座情報から、前記取得した支払元データに含まれる前記支払元口座情報の金融機関と同一の金融機関を示す支払先口座情報を判定することを特徴とする請求項3に記載のコンピュータシステム。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード決済に代表される、キャッシュレス決済が幅広く利用されている。キャッシュレス決済は、利用者の立場からすると、現金の盗難または紛失などのリスクを回避する点で有効な決済手段である。
【0003】
クレジットカード利用者となるクレジットカード会員は、クレジットカード事業者と加盟店契約を締結している加盟店において、クレジットカードを利用した決済をすることができる。クレジットカード会員は、自身が購入した商品・サービスの販売・提供元である加盟店に対して決済額を支払うはずであるが、クレジットカード決済においては、クレジットカード事業者に決済額を支払うことになる。
【0004】
図1を参照して、クレジットカード決済の仕組みを説明する。
図1は、クレジットカード会員Aが、クレジットカード事業者Bとの間で、クレジットカード契約を締結し、クレジットカード事業者Bと提携している加盟店Cから商品・サービスを購入した場合のクレジットカード決済の例である。ここで、クレジットカード会員Aは、金融機関Dに口座dを有し、クレジットカード決済に対する決済額を、口座dから引き落とすことを指定しているものとする。
【0005】
(1)クレジットカード会員Aが、加盟店Cから商品・サービスを購入すると、その購入に対する対価を加盟店Cに支払うことになる。次に、クレジットカード事業者Bは、上記対価となる決済額を、クレジットカード会員Aが指定した口座dから引き落とすことになるが、(2)月次などの所定のタイミングで、口座dを有する金融機関が口座dから引き落とし、(3)金融機関Dは、収納代行会社Eが有する金融機関Dの口座d´に決済額を入金する。つまり、クレジットカード会員Aが有する口座dから、収納代行会社Eが有する口座d´に、決済額の口座振替処理が行われる。
【0006】
クレジットカード会員Aが有する口座dからクレジットカード事業者Bが有する口座に直接口座振替が行われないのは、金融機関による口座振替処理において、同一の金融機関の口座間でないと口座振替処理をすることができないことを原因としている。すなわち、口座振替処理は、決済の支払先が有する口座と決済の支払元が有する口座が同一の金融機関である必要がある。一般に、クレジットカード事業者は、多数のクレジットカード会員を有し、その多数のクレジットカード会員はそれぞれ、あらゆる金融機関の口座を有しているので、クレジットカード事業者は、あらゆる金融機関の口座を有している必要がある。しかしながら、クレジットカード事業者は、クレジットカード会員が指定する金融機関の口座を全て保有しているとは限らず、クレジットカード会員が指定するあらゆる金融機関の口座からの口座振替処理に対応するために、クレジットカード事業者は、収納代行会社に、決済額の回収を依頼することが多い(収納代行会社は、そのような決済額の代行をするために、全国のあらゆる金融機関の口座を保有している)。
【0007】
収納代行会社Eが有する口座d´に決済額の入金がされると、(4)クレジットカード事業者Bは、収納代行会社Eから決済額を回収し、(5)クレジットカード事業者Bは、加盟店Cに決済額を支払うことになる。(6)加盟店Cは、このようなクレジットカード決済を代行するクレジットカード事業者Bに対し、所定の手数料を支払い、(7)クレジットカード事業者Bは、このような決済額の回収業務を代行する収納代行会社Eに対し、所定の手数料を支払うことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、口座振替処理を介したクレジットカード決済は、クレジットカード事業者が収納代行会社に手数料を支払うことになるので、その手数料に相当する額が、加盟店がクレジットカード事業者に支払う手数料に上乗せされることになる。これは、クレジットカード事業者が指定するあらゆる金融機関の口座からの口座振替に対応する必要があることが原因となっている。言い換えると、クレジットカード事業者が有する全てのクレジットカード会員が、クレジットカード決済において、同一の1つの金融機関の口座を指定することによって、収納代行会社による決済額の回収が不要となり、加盟店が支払う手数料を下げることができる。
【0010】
実際に、例えば、学習塾やスイミングスクールなどにおいて、毎月の授業料などを口座振替によって徴収する場合など、学習塾などの事業者側が指定した金融機関の口座から、授業料などの口座振替を強制される例も存在する。しかしながら、クレジットカード会員は、多数のあらゆる会員が存在し、そのようにクレジットカード会社が口座を指定することは、クレジットカード会員にとって不便を強いることになり、他のクレジットカード事業者との差別化も図ることができなくなる。
【0011】
特許文献1では、仮想商店街における会員と加盟店との間の取引を支援するシステムが開示されている。特許文献1に係るシステムでは、加盟店端末から口座振替の依頼を受け付け、仮想商店街管理サーバが、注文情報の「決済処理ステータス」を更新し、銀行サーバに注文番号を含む口座振替処理の依頼情報(引落情報・払込情報)を送信し、銀行サーバは、受信した引落情報・払込情報をもとに、引落処理・払込処理をそれぞれ行ない、更新した引落情報・払込情報をそれぞれ仮想商店街管理サーバに送信し、仮想商店街管理サーバが、受信した引落情報及び払込情報に応じて注文情報をそれぞれ更新している。
【0012】
特許文献1に係るシステムは、決済の方法として口座振替を選択可能としており、これにより、会員は、予め代金引落用の口座を登録しておけば、口座振替による決済を選択することにより、振込等の手続を取引の都度行なう必要がなくなる。しかしながら、特許文献1に係るシステムは、クレジットカード会員が指定するあらゆる金融機関の口座からの口座振替処理を受け付けつつ、従来の仕組みよりも手数料を下げるものではない。
【0013】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、クレジットカード会員が指定する口座と、加盟店が有する口座とを比較することによって、適切な口座振替処理を選択する決済システム、決済方法、および決済プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第1の態様は、クライアントコンピュータおよび勘定系システムと接続されたサーバコンピュータによって実行される決済方法であって、前記サーバコンピュータは、支払元識別番号および支払元口座情報を含む支払元データと、支払先位置情報および支払先口座情報を含む支払先データと、を記憶したデータ記憶部を備え、前記方法は、前記クライアントコンピュータから、支払元識別番号、決済額、および位置情報を受信するステップと、前記受信した支払元識別番号に基づいて、前記データ記憶部から支払元データを取得するステップと、前記受信した位置情報に基づいて、前記データ記憶部から支払先データを取得するステップと、前記取得した支払元データに含まれる前記支払元口座情報に基づいて、前記取得した支払先データに含まれる前記支払先口座情報を判定するステップと、前記取得した支払元データに含まれる前記支払元口座情報、前記判定した支払先口座情報、および前記受信した決済額に基づいて、口座振替データを作成するステップと、前記作成した口座振替データを、前記勘定系システムに送信するステップとを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第2の態様は、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第1の態様において、前記支払先データは、複数の支払先口座情報を含み、前記支払先口座情報を判定する前記ステップは、前記複数の支払先口座情報から、前記取得した支払元データに含まれる前記支払元口座情報の金融機関と同一の金融機関を示す支払先口座情報を判定するステップを含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第3の態様は、サーバコンピュータおよびビーコンデバイスに接続されたクライアントコンピュータによって実行される決済方法であって、前記クライアントコンピュータは、支払先識別番号および支払先位置情報を含む支払先データを記憶したデータ記憶部を備え、前記方法は、前記ビーコンデバイスから、ビーコン信号を受信するステップと、前記受信したビーコン信号に基づいて、前記データ記憶部から支払先データを取得するステップと、支払元識別番号および決済額の入力を受け付けるステップと、前記受け付けた支払元識別番号および決済額、ならびに前記取得した支払先データに含まれる前記支払先識別番号を、前記サーバコンピュータに送信するステップとを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第4の態様は、クライアントコンピュータおよび勘定系システムと接続された、決済手段を提供するコンピュータシステムであって、支払元識別番号および支払元口座情報を含む支払元データと、支払先位置情報および支払先口座情報を含む支払先データと、を記憶したデータ記憶部と、前記クライアントコンピュータから、支払元識別番号、決済額、および位置情報を受信する受信部と、前記受信した支払元識別番号に基づいて、前記データ記憶部から支払元データを取得する支払元データ取得部と、前記受信した位置情報に基づいて、前記データ記憶部から支払先データを取得する支払先データ取得部と、前記取得した支払元データに含まれる前記支払元口座情報に基づいて、前記取得した支払先データに含まれる前記支払先口座情報を判定する口座判定部と、前記取得した支払元データに含まれる前記支払元口座情報、前記判定した支払先口座情報、および前記受信した決済額に基づいて、口座振替データを作成する口座振替データ作成部と、前記作成した口座振替データを、前記勘定系システムに送信する送信部とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第5の態様は、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第4の態様において、前記支払先データは、複数の支払先口座情報を含み、前記口座判定部は、前記複数の支払先口座情報から、前記取得した支払元データに含まれる前記支払元口座情報の金融機関と同一の金融機関を示す支払先口座情報を判定することを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第6の態様は、サーバコンピュータおよびビーコンデバイスに接続された、決済手段を提供するコンピュータデバイスであって、支払先識別番号および支払先位置情報を含む支払先データを記憶したデータ記憶部と、前記ビーコンデバイスから、ビーコン信号を受信する受信部と、前記受信したビーコン信号に基づいて、前記データ記憶部から支払先データを取得するデータ取得部と、支払元識別番号および決済額の入力を受け付ける受付部と、前記受け付けた支払元識別番号および決済額、ならびに前記取得した支払先データに含まれる前記支払先識別番号を、前記サーバコンピュータに送信する送信部とを備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第7の態様は、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第1乃至第3の態様のいずれかにおける方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【0021】
また、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第8の態様は、本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムの第7の態様におけるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体である。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る決済システム、決済方法、および決済プログラムによれば、クレジットカード会員が指定するあらゆる金融機関の口座からの口座振替に対応することができ、ひいては、従来の仕組みにおいて、クレジットカード決済に対して利用していた収納代行会社の介在を除外し、加盟店がクレジットカード会社に支払う手数料を下げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態に係る決済システムを詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る決済システムを実現するコンピュータシステム全体の構成の例を示している。なお、本実施形態に係る決済サービスは、クレジットカード事業者によって提供されることを前提とするが、提供する事業者は、クレジットカード事業者に限定されない。以下、本発明に係る決済サービスを提供する事業者を「サービス事業者」、サービスを受けかつ決済の支払元となる者を「利用者」、および本決済サービスを提供するにおいて、サービス事業者と提携した商品・サービス等提供事業者であり、かつ決済の支払先となる事業者を「加盟店」と称する。
【0025】
本実施形態に係る決済システムは、決済サーバ1、携帯端末(携帯電話など)2、およびアクセスポイント3を備えており、ネットワーク7(インターネットなどの公衆回線または専用線)を介して銀行システム5に接続されている。決済サーバ1と携帯端末2とは、ネットワーク6(3GおよびLTEなどの通信方式を使用した無線ネットワークおよびインターネットなどの公衆回線の組み合わせ)を介して相互に接続されている。また、携帯端末2とアクセスポイント3とは、無線LAN(WiFi(Wireless Fidelity:登録商標)など)を介して相互に接続されている。
【0026】
決済サーバ1は、サービス事業者が管理・保有するサーバコンピューティングデバイスである。決済サーバ1は、携帯端末2から決済データおよび位置情報などを受信して、利用者による決済の対象となる加盟店を判定すること、および口座振替データを作成して、銀行システム5に送信するなどの処理を実行する。
【0027】
携帯端末2は、利用者が保有し、本実施形態に係る決済システムを利用するのに使用するコンピュータデバイスである。利用者が、所定の加盟店で決済を行うと、携帯端末2に決済データが入力される。携帯端末2は、無線機能および演算機能を有するクライアントコンピューティングデバイスであれば、特に機器は限定されない。
【0028】
アクセスポイント3は、加盟店店舗4の店舗内に設置された無線LANのアクセスポイントであり、店舗の位置を示すビーコン信号を携帯端末2に送信する(すなわち、ビーコンデバイス)。なお、近年では、無線LANのアクセスポイントが設置されている、いわゆる公衆無線LANスポットが増えてきており、この公衆無線LANスポットを利用して、携帯端末2は、ビーコン信号を受信することができる。
【0029】
銀行システム5は、従来から存在する、銀行などの金融機関が提供する勘定系システムである。銀行システム5は、決済サーバ1から口座振替データを受信すると、口座振替データによって指定された引き落とし先口座から決済額を引き落とし、口座振替データによって指定された入金先口座から決済額を入金する。
【0030】
次に
図3を参照して、本発明の実施形態に係るクレジットカード決済システムを構成するコンピューティングデバイスの詳細な構成の例を説明する。
【0031】
決済サーバ1は、通信部11、制御部12、主記憶部13、および補助記憶部14を備えており、それらの各要素が相互に内部バスで接続されている。
【0032】
通信部11は、ネットワーク6およびネットワーク7を介してそれぞれ接続された携帯端末2および銀行システム5との間で、決済データなどのデータを送受信する。携帯端末2とのデータの送受信は、符号分割多元接続(CDMA:code division multiple access)、時分割多元アクセス(TDMA:time division multiple access)、周波数分割多元アクセス(FDMA:frequency division multiple access)、または直交周波数分割多元アクセス(OFDMA:orthogonal frequency division multiple access)などの方式で通信されてもよい。
【0033】
制御部12は、中央処理装置(CPU:central processing unit)とも称され、決済サーバ1全体を制御する制御装置、演算装置、主記憶部13とのインタフェース、および周辺機器との入出力装置とのインタフェース、などを備える。制御部12は、上記各構成要素の制御およびデータの演算などを実行し、また、補助記憶部14に格納されている各種プログラムを主記憶部13に読み出して実行する。
【0034】
主記憶部13は、メインメモリまたは一時記憶装置とも称され、制御部12が直接アクセスできる記憶装置である。制御部12は、主記憶部13に格納されている命令を読み取り、実行する。また、制御部12が頻繁に操作しているデータも同様の方法で、主記憶部13に格納される。
【0035】
補助記憶部14は、ハードディスク(HDD:hard disk drive)などに代表される記憶装置であり、後述する利用者データテーブルなどを記憶したデータ記憶部(データベーステーブル)14aを有している。また、補助記憶部14は、制御部12に、本実施形態に係る各種処理を実行させるためのプログラム(図示せず)を格納している。なお、決済サーバ1は、データベースマネジメントシステム(DBMS:database management system)を実装し(図示せず)、当該DBMSを制御部12が実行することにより、利用者データテーブルなどのデータベーステーブルの読み出し、レコードの挿入・更新などが実行される。
【0036】
携帯端末2は、通信部21、制御部22、主記憶部23、補助記憶部24、表示部25、およびカメラ26を備えており、それらの各要素がシステムバスを介して接続されている。
【0037】
通信部21は、決済サーバ1から、ネットワーク6を介して、後述する決済プログラムを受信する。決済プログラムは、本実施形態に係る決済サービスを受けるのに、携帯端末2上で実行されるアプリケーションプログラムである。決済プログラムは、ASP(Application Service Provider)サービスとして、決済サーバ1から携帯端末2にダウンロードされ、補助記憶部24に格納される。
【0038】
制御部22は、中央処理装置であり、上述した決済プログラムを主記憶部23に読み出して、当該プログラムを実行し、また、上述した各要素の制御、データ演算などを実行する。
【0039】
主記憶部23は、メインメモリであり、携帯端末2が受信した入力データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶している。
【0040】
補助記憶部24は、ハードディスクなどの記憶装置であり、上述した、決済サーバ1からダウンロードした決済プログラムを格納している。
【0041】
表示部25は、制御部12が決済プログラムを実行することによって、利用者が決済データを入力するための画面インタフェースを表示するディスプレイである。表示部25は、例えば、利用者によるタッチ操作、フリック操作、およびスライド操作などの入力操作を、抵抗膜方式または静電容量方式などの技術を利用して検出する、タッチパネルディスプレイを備えてもよい。
【0042】
カメラ26は、利用者が購入した商品・サービスまたは購入した商品等のレシートに付された一次元バーコード(JAN(Japan Article Number)コードなど)および/または二次元バーコード(QRコード(quick response code:登録商標)など)を撮像する。カメラ26の解像度は、特に限定されないが、少なくとも、上述した一次元コードおよび二次元バーコードを読み取ることが可能な程度の解像度を有する必要がある。
【0043】
アクセスポイント3は、上述したように加盟店の店舗内に設置された無線LANのアクセスポイントであり、いわゆる「インフラストラクチャモード」で、携帯電話などの無線クライアントの通信を中継する。アクセスポイント3は、ルータ機器などで実装されてもよく、またはソフトウェア制御によって、携帯電話などの無線クライアントで実装してもよい。アクセスポイント3は、従来から実装されている技術を使用するので、本明細書における詳細な説明は省略する。
【0044】
銀行システム5は、上述したように金融機関が提供する、同一または異なる金融機関の間で、口座振替・口座振込などの処理を実行する勘定系システムである。銀行システム5は、従来から存在するものであるので、本明細書における詳細な説明は省略する。
【0045】
次に、
図4のフローチャートを参照して、本発明の一実施形態に係る決済システムが実行する決済サービスの例を説明する。ここで前提となることが、(1)利用者は、サービス事業者との間で、自身が指定した口座情報(以下、利用者が指定した口座を「利用者口座」、その口座情報を「利用者口座情報」とする)をサービス事業者に登録する、(2)加盟店は、複数の口座を有しており、当該複数の口座情報をサービス事業者に登録する(以下、加盟店がサービス事業者に登録した口座を「加盟店口座」、その口座情報を「加盟店口座情報」とする)、(3)利用者の商品・サービスの購入などに係る決済は、利用者口座と加盟店口座のうちの一つとの間での口座振替によって行われる。
【0046】
図3のフローチャートは、利用者が所定の加盟店で商品・サービスを購入し、その購入に係る決済を実行する処理を示している。携帯端末2には、予め決済サーバ1からダウンロードされた決済プログラムが補助記憶部24に記憶されており、制御部22が決済プログラムを主記憶部23に読み出して実行することによって、
図3のフローチャートにおける携帯端末2の処理が実行される。
【0047】
まず、対象となる加盟店の店舗内に設置されたアクセスポイント3は、ビーコン信号を携帯端末2に送信する(ステップS401)。送信されたビーコン信号は、携帯端末2の通信部21によって受信される(ステップS402)。なお、アクセスポイント3は、例えば、毎秒10回などの頻度で、ビーコン信号を定期的に送信している。ビーコン信号とは、アクセスポイント3のESS−ID(Extended Service Set Identifier)、MAC(Media Access Control)アドレス、および電界強度などの情報を含んでいる。
【0048】
これらの情報から、アクセスポイント自身、およびアクセスポイントのネットワークなどを特定することができるので、携帯端末2の制御部12は、このビーコン信号に基づいて、位置情報データベースサーバ(図示せず)から位置情報を取得するなどによって、アクセスポイントが設置された位置情報(例えば、「東京都新宿区1−1−1」などの位置情報)を特定する(ステップS403)。このようなビーコン信号に基づいて、位置情報データベースに問い合わせを行うなどの位置特定方法は、本分野において公知であるので、詳細な説明は省略する。なお、このビーコン信号による位置特定機能は、決済プログラムにおいて実装してもよく、またはその機能を単独で実装して、決済プログラムと連動してもよい。
【0049】
次に、携帯端末2において、利用者から利用者識別番号が入力される(ステップS404)。このステップにおける利用者識別番号は、例えば、制御部22が決済プログラムを実行することによって、表示部25に表示される画面インタフェース(図示せず)へのタッチ操作、ボタン入力などの入力操作によって入力されるような構成にしてもよい(例えば、初期画面における利用者識別番号での認証入力)。また、利用者識別番号を入力する構成に代えて、携帯端末2が保持するSIM(Subscriber Identity Module:加入者識別モジュール)に記憶されたIMSI(International Mobile Subscriber Identity:国際移動電話加入者識別番号)などの識別番号を、利用者識別番号として使用する構成にしてもよい。この場合、利用者識別番号の入力が不要となる。
【0050】
次に、携帯端末2において、利用者から、決済の対象となる決済額が入力される(ステップS405)。このステップにおける決済額の入力は、例えば、制御部22が決済プログラムを実行することによって、表示部25に表示される画面インタフェース(図示せず)へのタッチ操作、ボタン入力などの入力操作によって入力されるような構成にしてもよい。また、携帯端末2のカメラ26によって、利用者が購入した商品等に付された一次元バーコードおよび/もしくは二次元バーコードを読み取ること、または、加盟店のレジスタによって出力されたレシートの印字された一次元バーコードおよび/もしくは二次元バーコードを読み取ることによって、決済額を入力するような構成にしてもよい。このバーコード読み取り・認識機能は、決済プログラムにおいて実装してもよく、またはその機能を単独で実装して、決済プログラムと連動してもよい。
【0051】
決済額が入力されると、携帯端末2の通信部21は、ステップS403で特定された位置情報、ステップS404で入力された利用者識別番号、およびステップS405で入力された決済額を含む決済データを、ネットワーク6を介して決済サーバ1に送信する(ステップS406)。
【0052】
決済サーバ1の通信部11が、ステップS406で送信された決済データを受信すると(ステップS407)、制御部12は、決済データに含まれる利用者識別番号に基づいて、利用者データテーブルから該当の利用者データレコードを取得する(ステップS408)。利用者データレコードとは、サービス事業者予め登録された利用者に関する情報を記憶したデータベーステーブルである。
図5を参照して、利用者データテーブル500を説明する。
【0053】
図5に示すように、利用者データテーブル500は、項目「利用者識別番号」、「利用者名」、および「口座情報」を少なくとも有している。このような情報の他に、現実的な実装では、電話番号などの情報も含むことになるが、本明細書では、説明を簡易にするために、上述した情報のみとする。項目「口座情報」は、口座振替決済において使用される、利用者が指定した口座情報である。つまり、本項目において示される口座から、決済額の引き落としがされる。
【0054】
図4の説明に戻ると、決済サーバ1の制御部12は、決済データに含まれる位置情報に基づいて、該当の加盟店を特定する(ステップS409)。本ステップにおける位置情報に基づく加盟店の特定においては、例えば、決済サーバ1は、
図6に示す加盟店マッピングテーブル600を補助記憶部14に記憶しており、その加盟店マッピングテーブル600を使用して、該当の加盟店を特定してもよい。
【0055】
図6は、加盟店識別番号、加盟店名、および住所を含む、加盟店識別番号と加盟店の住所とのマッピングを示す加盟店マッピングテーブル600を示す。このマッピングテーブルから、決済データに含まれる位置情報で示される住所の加盟店を特定する。なお、本実施形態では、ステップS403において取得された位置情報、および加盟店マッピングテーブル600における加盟店の住所は、都道府県、市区町村、および住居番号などからなる住居表示で位置・住所を示しているが、このような形式に限定されず、例えば、位置座標によって示してもよい(例えば、北緯35度50分37.2秒、東経139度44分13.4秒など)。
【0056】
なお、本実施形態では、アクセスポイントから受信したビーコン信号に基づいて、上述したような方法で、対象の加盟店を特定しているが、携帯端末2から対象の加盟店識別コードを直接入力するなどによって、加盟店を特定してもよい。
【0057】
また、決済データに含まれる位置情報(つまり、ビーコン信号から得られた位置情報)に基づいて、加盟店マッピングテーブル600から重複した住所の加盟店が得られる場合が考えられる(例えば、住所を同一とする同一の建物内に複数の加盟店が存在し、ビーコン信号から、その中の特定の加盟店を特定することができない場合)。そのような事態に対処するために、ビーコン信号から得られるアクセスポイント識別子および/またはMACアドレスなどに基づいて、加盟店を特定するような構成にしてもよい。そのような構成の場合、加盟店マッピングテーブル600には、加盟店住所に加えて/代えて、上述した
アクセスポイント識別子および/またはMACアドレスを含ませることになる。
【0058】
次に、制御部12は、ステップS409で特定した加盟店の加盟店識別番号に基づいて、加盟店データテーブルから該当の加盟店データレコードを取得する(ステップS410)。加盟店データレコードとは、サービス事業者と提携した、予め登録された加盟店に関する情報を記憶したデータベーステーブルである。
図7を参照して、加盟店データテーブル700を説明する。
【0059】
図7に示すように、加盟店データテーブル700は、項目「加盟店識別番号」、「加盟店名」、「口座情報1」、「口座情報2」、・・・「口座情報n」を少なくとも有している。このような情報の他に、現実的な実装では、電話番号などの情報も含むことになるが、本明細書では、説明を簡易にするために、上述した情報のみとする。項目「口座情報1」、「口座情報2」、・・・「口座情報n」は、口座振替決済において使用される、加盟店が指定した1または複数の口座情報である。つまり、本項目において示される口座に、利用者が指定した口座から引き落とされた決済額が入金される。
【0060】
なお、
図6に示したような加盟店識別番号と住所とのマッピングテーブルを、
図7で示した加盟店データテーブル700において実装してもよい。この場合、ステップS403で取得された位置情報に基づいて、加盟店データレコードを取得することになる。
【0061】
次に、制御部12は、ステップS408で取得した利用者データレコードに含まれる口座情報(利用者口座情報)に基づいて、ステップS410で取得した加盟店データレコードに含まれる1または複数の口座情報から(加盟店口座情報)、利用者口座情報と同一の金融機関を示す加盟店口座情報を特定する(ステップS411)。同一の金融機関であるかは、利用者口座情報および加盟店口座情報の双方の「金融機関コード」が同一であるか否かによって判定される。
【0062】
口座が判定されると、制御部12は、加盟店口座情報を引き落とし先口座情報、加盟店口座情報を入金先口座情報として、ステップS407で受信した決済データに含まれる決済額で口座振替データを作成し、その引き落とし先である、かつ入金先である口座の金融機関が提供する銀行システム5に、口座振替データを送信する(ステップS412)。銀行システム5が口座振替データを受信すると(ステップS413)、銀行システムは、引き落とし先口座から決済額を引き落とし、その引き落とした決済額を、入金先口座に入金する処理を実行する(ステップS414)。なお、ステップS412乃至ステップS414における処理は、従来からクレジットカード事業者と銀行などの金融機関との間で実行されているものであるので、本明細書における詳細な説明は省略する。
【0063】
以上のように、本実施形態に係る決済方法を説明した。
図1で説明したような従来の決済方法と比較して、本実施形態に係る決済方法は、(1)利用者が、加盟店から商品・サービスを購入すると、(2)利用者口座から決済額が引き落とされ、(3)金融機関は、利用者口座と同一の金融機関が指定された加盟店口座に決済額を入金する、(4)加盟店は、このような決済スキームを提供することに対して、サービス事業者に所定の手数料を支払う。
【0064】
上述した決済方法によって、サービス事業者は、従来のような収納代行会社に依頼することなく、口座振替決済を実現することができる。このことは、サービス事業者が収納代行会社に手数料を支払う必要がなくなるので、加盟店がサービス事業者に対して支払う手数料を下げることが可能になる。
【0065】
また、アクセスポイント3から受信したビーコン信号に基づいて、対象の加盟店を特定し、決済額を入力することによって口座振替決済を実行するので、従来のようなクレジットカードを使用することなく、キャッシュレス決済を実現することができる。また、決済の際に、加盟店識別番号を入力するなどの処理が不要となる。
【0066】
さらに、上述した決済方法を、携帯端末2および決済サーバ1において実行するので、加盟店に設置されたキャッシュレジスタ機器に特殊な機能を実装させるなどの対応を必要とせずに、本発明に係る決済システムを実装することができる。特に、近年では、あらゆる店舗において、ビーコン信号を送信するアクセスポイントが設置されていることが多く、当該機器を利用して、本発明に係る決済システムを実装することができる。
【0067】
以上のように、本実施形態に係る決済方法の説明を詳述したが、実施形態で説明した、利用者データテーブル500、加盟店マッピングテーブル600、および加盟店データテーブル700などの具体的なデータ構造は例示的なものにすぎず、特許請求する事項から逸脱しない範囲で変更がされてもよい。また、
図4で説明したフローチャートの順序は、特許請求する事項から逸脱しない範囲で変更されてもよく、一部のステップが除外されてもよい。
【0068】
さらに、
図4で説明した、決済サーバ1において実行される処理の一部は、携帯端末2において実行されてもよい。例えば、携帯端末2において、アクセスポイント3から受信したビーコン信号に基づいて、該当の加盟店を特定し、その加盟店識別番号を決済サーバ1に送信することになる。この場合、携帯端末2においても、利用者データテーブル500、加盟店マッピングテーブル600、および加盟店データテーブル700などを実装することになる。
【解決手段】クライアントコンピュータから、支払元識別番号、決済額、および位置情報を受信するステップと、支払元識別番号に基づいて、データ記憶部から支払元データを取得するステップと、位置情報に基づいて、データ記憶部から支払先データを取得するステップと、支払元データに含まれる支払元口座情報に基づいて、支払先データに含まれる支払先口座情報を判定するステップと、支払元データに含まれる支払元口座情報、支払先口座情報、および決済額に基づいて、口座振替データを作成するステップと、口座振替データを、勘定系システムに送信するステップと、を備える。