(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6017653
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】プーリー装置、及びフォークリフト
(51)【国際特許分類】
B66F 9/08 20060101AFI20161020BHJP
F16H 55/36 20060101ALN20161020BHJP
【FI】
B66F9/08 F
!F16H55/36 C
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-174090(P2015-174090)
(22)【出願日】2015年9月3日
【審査請求日】2015年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】ニチユ三菱フォークリフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 健一
【審査官】
大野 明良
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−075576(JP,A)
【文献】
特開2010−024039(JP,A)
【文献】
実開昭58−123886(JP,U)
【文献】
実開昭60−056897(JP,U)
【文献】
特開平11−092092(JP,A)
【文献】
特開平08−021223(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第2257758(GB,A)
【文献】
特開昭52−143365(JP,A)
【文献】
特公昭49−005125(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 23/04
B66B 7/00− 7/12
B66B 11/00−11/08
B66F 7/00−19/02
F16H 55/36
F16H 57/00−57/12
F16N 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線回りに回転可能であるとともに、該軸線の周方向に延びて配管チューブが外周側から巻き掛けられる摺接面を有し、内部に空間が形成されるとともに、該空間と前記摺接面の径方向外側とを連通する露出孔が形成されたプーリー本体と、
前記空間内に設けられて、前記露出孔を前記軸線の径方向内側から閉塞可能な蓋体と、
前記蓋体に潤滑油を供給する潤滑油供給部と、
前記プーリー本体に設けられて、前記蓋体を前記軸線の径方向内側から外側に付勢する弾性部材と、
を備えるプーリー装置。
【請求項2】
前記蓋体は、前記露出孔よりも直径が大きい請求項1に記載のプーリー装置。
【請求項3】
前記潤滑油供給部は、前記プーリー本体における前記空間に形成されたタンク部と、該タンク部から前記蓋体に向かって開孔する供給孔と、を備える請求項1又は2に記載のプーリー装置。
【請求項4】
前記露出孔は、前記摺接面の周方向に間隔を空けて複数形成され、
前記蓋体は、前記複数の露出孔に対応して複数設けられる請求項1から3のいずれか一項に記載のプーリー装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のプーリー装置を備えるフォークリフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プーリー装置、及びフォークリフトに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば倉庫で荷物の搬出入、ピッキング等を行うに当たっては、従来フォークリフトが一般的に用いられてきた。具体的には、下記特許文献1に記載されたフォークリフトが知られている。このフォークリフトは、いわゆるリーチ型と呼ばれる形式のフォークリフトである。リーチ型フォークリフトは、荷物が搭載されるフォークと、このフォークを上下方向に移動可能に支持するマストと、油圧によってマストを伸縮動作させるリフトシリンダと、を備えている。
【0003】
さらに、フォークリフトの一部では、リフトシリンダに加えて、他の油圧シリンダがマストに設けられたものがある。より具体的には、フォークをフォークリフトの前後方向に揺動させる動作(ティルト動作)を行うためのティルト用油圧シリンダを備えたものが知られている。このティルト用油圧シリンダは、フォークを支持するリフトブラケットに一体に設けられている。すなわち、フォークの上下動に伴って、ティルト用油圧シリンダもともに上下動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−114102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記のようにマストに設けられた油圧シリンダに作動油を供給する油圧配管は、プーリーに掛け回された状態で支持される。しかしながら、経年使用に伴ってプーリーと油圧配管との間で摩擦が繰り返されると、ゴム等で形成された油圧配管の表面に摩耗を生じる可能性がある。このような摩耗が進行した場合、油圧配管から作動油が漏出する等して、フォークリフトの動作に影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、配管チューブに与える摩耗を低減することができるプーリー装置、及びこれを備えるフォークリフトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るプーリー装置は、軸線回りに回転可能であるとともに、該軸線の周方向に延びて配管チューブが外周側から巻き掛けられる摺接面を有し、内部に空間が形成されるとともに、該空間と前記摺接面の径方向外側とを連通する露出孔が形成されたプーリー本体と、前記空間内に設けられて、前記露出孔を前記軸線の径方向内側から閉塞可能な蓋体と、前記蓋体に潤滑油を供給する潤滑油供給部と、前記プーリー本体に設けられて、前記蓋体を前記軸線の径方向内側から外側に付勢する弾性部材と、を備える。
【0008】
この構成によれば、配管チューブが当接していない状態では、蓋体は弾性部材によって支持されて上記の露出孔を閉塞する。一方で、配管チューブが突出部に当接した場合には蓋体がプーリー本体の径方向内側に没入するとともに、潤滑油が摺接面上に滲出する。これにより、配管チューブと摺接面との間を潤滑することができる。さらには、配管チューブに当接しない状態では、蓋体が露出孔を閉塞することから、余分な潤滑油の漏出を抑えることができる。
【0009】
本発明の一態様に係るプーリー装置では、前記蓋体は、前記露出孔よりも直径が大きくてもよい。
【0010】
この構成によれば、蓋体の直径が露出孔よりも大きいことから、該蓋体によって露出孔を十分に閉塞することができる。
【0011】
本発明の一態様に係るプーリー装置では、前記潤滑油供給部は、前記プーリー本体における前記空間に形成されたタンク部と、該タンク部から前記蓋体に向かって開孔する供給孔と、を備えてもよい。
【0012】
この構成によれば、タンク部に潤滑油を保持できることから、外部から連続して潤滑油を供給し続けることなく、プーリー装置を潤滑することができる。
【0013】
本発明の一態様に係るプーリー装置では、前記露出孔は、前記摺接面の周方向に間隔を空けて複数形成され、前記蓋体は、前記複数の露出孔に対応して複数設けられてもよい。
【0014】
この構成によれば、摺接面の周方向におけるおおむね全体にわたってこれを潤滑することができる。さらに、配管チューブと摺接面との間で滑りが生じた場合であっても、いずれか1つ以上の蓋体が配管チューブに接することから、摺接面を潤滑し続けることができる。
【0015】
本発明の一態様に係るフォークリフトは、上記いずれか一の態様に係るプーリー装置を備える。
【0016】
この構成によれば、安定的に継続使用可能なプーリー装置を備えるフォークリフトを提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、配管チューブに与える摩耗を低減することができるプーリー装置、及びこれを備えるフォークリフトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係るフォークリフトの全体図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るフォークリフトの動作を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るフォークリフトの動作を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るプーリー装置の外観を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るプーリー装置の周方向における断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るプーリー装置の周方向における断面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係るプーリー装置の軸線方向における断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るプーリー装置の変形例の断面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るプーリー装置の変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、このフォークリフト100は、リーチ型のフォークリフト100である。フォークリフト100は、作業者が搭乗する運転台10を有する車体1と、この車体1に設けられた荷役装置2と、を備えている。
【0020】
車体1には、バッテリー(不図示)、及びモータ(不図示)によって駆動される複数の車輪11が設けられており、作業者の操作によって走行する。なお、以下の説明では、車両の走行する方向を前後方向と呼ぶ。
【0021】
車両の前側には、前後方向に移動可能な荷役装置2が設けられている。荷役装置2は、リーチキャリッジ21と、該リーチキャリッジ21上に設けられたマスト装置22と、を備えている。
【0022】
リーチキャリッジ21は、複数の車輪23を備えている。リーチキャリッジ21は、これら車輪23により、車体1に設けられたレールに沿って前後方向に移動可能とされている。
【0023】
マスト装置22は、アウターマスト221、及びインナーマスト222と、インナーマスト222に支持されるリフトブラケット223と、リフトブラケット223に取り付けられたフォーク部224と、リフトシリンダ225と、を備えている。
【0024】
さらに、リフトブラケット223には、フォーク部224をティルト動作させるためのティルト用油圧シリンダ229が設けられている。なお、ティルト動作とは、フォーク部224をリフトブラケット223に対して、車体1の前後方向に揺動させる動作を指す。このティルト用油圧シリンダ229には、不図示の供給源から作動油を供給するための油圧配管4が延びている。
【0025】
以下、
図2又は
図3を参照して、マスト装置22の構成の詳細について説明する。同図に示すように、アウターマスト221は、リーチキャリッジ21から上方向に延びるように左右1つずつ立設されている。インナーマスト222は、これらアウターマスト221に支持・案内されることで上下方向に昇降可能とされている。
【0026】
リフトブラケット223は、チェーン226を介してアウターマスト221と接続されている。このチェーン226は、後述するリフトシリンダ225のシリンダ部225Aに設けられたチェーンホイール227によって支持・案内される。すなわち、上記のチェーン226は、リフトブラケット223を起点として上方に向かって延びた後、チェーンホイール227を介して下方に向きを転じて、リフトシリンダ225に接続される。また、このチェーン226の長さは、リフトブラケット223及びインナーマスト222が最も下方に位置した状態において、リフトブラケット223とリフトシリンダ225とを互いに接続可能な長さに設定される。
さらに、このリフトブラケット223には、略水平方向に延びることで荷物を支持可能なフォーク部224が取り付けられている。
【0027】
リフトシリンダ225は、リーチキャリッジ21上に設けられた油圧装置である。リフトシリンダ225は、リーチキャリッジ21上に固定されたシリンダ部225Aと、該シリンダ部225Aから油圧によって出没可能なロッド部225Bと、を有している。このの上端部は、チェーンサポート228と接続されている。すなわち、ロッド部225Bが上方に進出した場合、インナーマスト222も同じく上方に進出することが可能となっている。なお、ロッド部225Bとインナーマスト222の接続の態様は上記に限定されない。
【0028】
さらに、上記した油圧配管4は、プーリー装置3に外周側から巻き掛けられた状態で支持されている。詳しくは後述するが、プーリー装置3は、
図1に示すように、インナーマスト222の上端部付近に設けられている。
【0029】
以上のように構成されたマスト部の動作について、再び
図2と
図3を参照して説明する。
図2に示すように、初期の状態では、リフトシリンダ225のロッド部225Bはシリンダ部225Aの内部に格納されている。これにより、インナーマスト222はアウターマスト221に重なるようにして、最も下方に位置した状態となる。さらに、このときリフトブラケット223、及びフォーク部224も下方端に位置した状態となる。
【0030】
上記の状態から、リフトシリンダ225のロッド部225Bを上方に進出させると、
図3に示すような状態となる。すなわち、リフトシリンダ225のロッド部225B、及びチェーンサポート228によって引っ張られて、インナーマスト222は上方に進出する。ここで、リフトブラケット223とアウターマスト221とは一定の長さのチェーン226によって接続されている。これにより、インナーマスト222の上昇に伴ってチェーン226は上方に引っ張られる。チェーン226が引っ張られるに伴って、インナーマスト222上端部のチェーンホイール227が回転する。すなわち、このチェーンホイール227は動滑車として機能する。なお、本実施形態では、チェーンホイール227は、プーリー装置3と同軸、かつ一体に設けられている。
【0031】
以上により、リフトブラケット223、及びフォーク部224は、インナーマスト222とアウターマスト221の高さ寸法の和に概ね等しい高さにまで上昇する。これにより、高所にある貨物等を扱うことが可能となる。
【0032】
ここで、上記のティルト用油圧シリンダ229は、フォーク部224を支持するリフトブラケット223に一体に設けられている。これにより、リフトブラケット223の上下動に伴って、ティルト用油圧シリンダ229もともに上下動する。
【0033】
さらに、
図1又は
図4に示すように、ティルト用油圧シリンダ229に作動油を供給する油圧配管4は、プーリー装置3に掛け回された状態で支持される。経年使用に伴ってプーリーと油圧配管4との間で摩擦が繰り返されると、ゴム等で形成された油圧配管4の表面に摩耗を生じる可能性がある。このような摩耗が進行した場合、油圧配管4から作動油が漏出する等して、フォークリフト100の動作に影響を及ぼす可能性がある。
【0034】
そこで、本実施形態では、上記のような油圧配管4(配管チューブ4)を取回すためのプーリー装置3として、下記のような構成を採用している。
図5、
図6に示すように、このプーリー装置3は、プーリー本体31と、該プーリー本体31に設けられた蓋体32と、潤滑油供給部33と、弾性部材34と、を備えている。
【0035】
プーリー本体31は、軸線Oに沿って延びる略円柱状の部材であり、該軸線O回りに回転可能とされている。さらに、プーリー本体31の外周面は、径方向外側から内側に向かって凹むことで、摺接面31Sを形成する。この摺接面31S上で、上記の配管チューブ4が当接・支持される。
【0036】
さらに、摺接面31S上には、周方向に間隔を空けて配列された複数の露出孔35が形成されている(
図7参照)。この露出孔35は、径方向から見ておおむね円形をなす開孔である。この露出孔35からは、後述する蓋体32の一部が突出している。さらに、露出孔35よりも径方向内側に広がる空間は蓋体32を収容するための収容空間36(空間36)とされている。この収容空間36と摺接面31Sの径方向外側の領域とは、露出孔35によって互いに連通されている。
【0037】
本実施形態に係る蓋体32は、上記の露出孔35の内側に形成された収容空間36に収容される球状の部材である。球状をなす蓋体32のうちの一部分は上記の露出孔35から外部(径方向外側)に向かって突出することで、突出部32Pをなしている。さらに、蓋体32の直径は、露出孔35の直径よりも大きく設定されている。これにより、蓋体32は、露出孔35を径方向内側から閉塞可能とされている。
【0038】
上記の蓋体32は、プーリー本体31に設けられた弾性部材34(コイルバネ34)によって径方向内側から外側に向かって付勢されている。また、蓋体32と弾性部材34との間には、皿状のリテーナ38が設けられている。コイルバネ34の弾性復元力により、蓋体32は径方向内側から露出孔35に向かって押し付けられる。これにより、蓋体32の外表面32Sは、露出孔35の端縁35Pに対して径方向内側から当接した状態となる。
【0039】
潤滑油供給部33は、上記の蓋体32に対して潤滑油Lを供給する。より具体的には、この潤滑油供給部33は、プーリー本体31の内側に形成された空間であるタンク部331と、タンク部331から供給された潤滑油Lを上記蓋体32の表面に供給するための供給孔332と、を備えている。
【0040】
供給孔332は、上記収容空間36に向かって開孔している。本実施形態では、プーリー本体31の軸線O方向における一方側と他方側にそれぞれ1つずつの供給孔332が形成されている。タンク部331内には、潤滑用のグリス等(潤滑油L)が不図示のニップルを介して外部から充填される。
【0041】
以上のように構成されたプーリー装置3では、配管チューブ4が摺接面31Sに当接していない状態にあっては、
図5に示すように、露出孔35の内側から蓋体32が当接した状態となるため、潤滑油Lは外部には滲出しない。
【0042】
一方で、
図6に示すように、配管チューブ4が摺接面31Sに当接した状態になると、配管チューブ4の自重により、蓋体32が径方向内側に向かって没入し、収容空間36内に収まる。このとき、露出孔35の端縁35Pと、蓋体32の外表面32Sとの間にはわずかな間隙Gが形成される。この間隙Gを通じて、タンク部331内の潤滑油Lが、配管チューブ4の表面に向かって滲出する。滲出した潤滑油Lは、配管チューブ4に付着した後、周方向に向かって摺接面31S上を広がる。これにより、配管チューブ4の表面と、プーリー装置3の摺接面31Sとの間が潤滑される。
【0043】
以上のように、本実施形態に係るプーリー装置3によれば、配管チューブ4が当接していない状態では、蓋体32は弾性部材34によって支持されて上記の露出孔35を閉塞する。一方で、配管チューブ4が突出部32Pに当接した場合には蓋体32がプーリー本体31の径方向内側に没入するとともに、潤滑油Lが摺接面31S上に滲出する。これにより、配管チューブ4と摺接面31Sとの間を潤滑することができる。さらには、配管チューブ4に当接しない状態では、蓋体32が露出孔35を閉塞することから、余分な潤滑油Lの漏出を抑えることができる。
【0044】
さらに、上記の構成によれば、配管チューブ4と蓋体32とが当接した状態で、蓋体32が球状をなすことで円滑に回動することができる。さらに、蓋体32と配管チューブ4との間で滑りが生じた場合であっても、蓋体32が配管チューブ4にキズ等を付ける可能性を低減することができる。
【0045】
加えて、上記の構成によれば、タンク部331に潤滑油Lを保持できることから、外部から連続して潤滑油Lを供給し続けることなく、プーリー装置3を潤滑することができる。
【0046】
さらに加えて、上記の構成によれば、摺接面31Sの周方向におけるおおむね全体にわたってこれを潤滑することができる。さらに、配管チューブ4と摺接面31Sとの間で滑りが生じた場合であっても、いずれか1つ以上の蓋体32が配管チューブ4に接することから、摺接面31Sを潤滑し続けることができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明した。しかしながら、上記の構成は一例に過ぎず、これに種々の変更や改修を加えることが可能である。
【0048】
例えば、上記実施形態では、蓋体32として球状の部材を採用した例について説明した。しかしながら、蓋体32の態様は球状に限定されず、
図8と
図9に示すような断面視台形の蓋体320を用いてもよい。この蓋体320は、径方向内側から外側に向かうに従って軸線O方向の寸法が次第に減少するように形成されている。これにより、露出孔35に対して径方向内側から嵌りこむことができる。さらに、蓋体320の径方向外側の端縁は、湾曲する摺接面31Sに対して突出することで、上記と同様に突出部32Pを形成する。
【0049】
このような構成であっても、上記球状の蓋体32と同様に、露出孔35を閉塞・開放することで、潤滑油Lを配管チューブ4の表面に向かって滲出させることが可能である。
【0050】
さらに、上記実施形態では、ティルト用シリンダに接続される配管チューブ4を例にプーリー装置3の態様を説明した。しかしながら、プーリー装置3の適用対象はこれに限定されず、例えばM型のマスト部を有するフォークリフト100にあっては、ミドルマストの昇降に用いられる油圧シリンダ、及びその油圧配管4に対して、上記のプーリー装置3を適用することが可能である。
【0051】
加えて、上記実施形態では、潤滑油供給部33は、プーリー本体31の内側に設けられた例について説明した。しかしながら、潤滑油供給部33の態様はこれに限定されず、プーリー本体31の外部から潤滑油を供給する構成を採ることも可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…車体 2…荷役装置 3…プーリー装置 4…油圧配管 4…配管チューブ 10…運転台 11…車輪 21…ベースフレーム 22…マスト装置 23…車輪 31…プーリー本体 32…蓋体 33…潤滑油供給部 34…弾性部材 35…露出孔 36…収容空間 34…コイルバネ 38…リテーナ 100…フォークリフト 221…アウターマスト 222…インナーマスト 223…リフトブラケット 224…フォーク部 225…リフトシリンダ 226…チェーン 227…ギア 228…サポートビーム 229…ティルト用油圧シリンダ 320…蓋体 331…タンク部 332…供給孔 225A…シリンダ部 225B…ロッド部 31S…摺接面 32P…突出部 32S…蓋体の外表面 35P…露出孔の端縁 G…間隙 L…潤滑油 O…軸線
【要約】
【課題】配管チューブに与える摩耗を低減することができるプーリー装置、及びこれを備えるフォークリフトを提供する。
【解決手段】プーリー装置は、軸線O回りに回転可能であるとともに、軸線Oの周方向に延びて配管チューブが外周側から巻き掛けられる摺接面31Sを有し、内部に空間36が形成されるとともに、空間36と摺接面31Sの径方向外側とを連通する露出孔35が形成されたプーリー本体31と、空間36内に設けられて、露出孔35を軸線Oの径方向内側から閉塞可能な蓋体32と、蓋体32に潤滑油を供給する潤滑油供給部と、プーリー本体31に設けられて、蓋体32を軸線Oの径方向内側から外側に付勢する弾性部材34と、を備える。
【選択図】
図5