特許第6017659号(P6017659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6017659
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/06 20160101AFI20161020BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20161020BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20161020BHJP
【FI】
   H01M8/06 B
   H01M8/04 N
   H01M8/04 J
   !H01M8/12
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-210247(P2015-210247)
(22)【出願日】2015年10月26日
【審査請求日】2016年7月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多久 俊平
(72)【発明者】
【氏名】中村 和郎
【審査官】 久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−96601(JP,A)
【文献】 特開2007−212018(JP,A)
【文献】 特開2010−129286(JP,A)
【文献】 特開2008−204784(JP,A)
【文献】 特開2004−192824(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第2656899(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00−8/2485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料極へ供給される燃料ガスと空気極へ供給される空気により発電し、前記燃料極からアノードオフガスが排出されると共に前記空気極からカソードオフガスが排出される燃料電池と、
前記アノードオフガスが流入される流入部と、前記アノードオフガスから二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離膜により前記流入部と区画された透過部と、を有し、前記アノードオフガスから二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方の濃度が低減された再生燃料ガスを送出する分離部と、
スイープガスとして前記透過部へ空気を供給する空気供給部と、
前記分離部の上流側に設けられ、前記アノードオフガスと前記空気供給部からの空気との間で熱交換を行う第1熱交換部と、を備えた燃料電池システム。
【請求項2】
前記第1熱交換部は、並流式で前記アノードオフガスと前記空気供給部からの空気との熱交換を行うこと、を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記空気供給部と前記第1熱交換部との間に設けられ、前記空気供給部からの空気の温度を上昇させる空気昇温部と、
前記分離部の温度に応じて、前記空気昇温部から流出される空気の温度を制御する制御部と、
を備えた請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記空気供給部から前記第1熱交換部へ流入される空気の流量を一定としたことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記分離部の温度に応じて、前記第1熱交換部へ流入される空気の流量を制御する制御部、を備えた請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記透過部から排出されたガスを前記空気極へ導入する酸化ガス導入路、をさらに備えた請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
可燃性気体を燃焼させる燃焼器を備え、
前記透過部から排出されたガスが直接または間接的に前記燃焼器へ導入されている、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記燃料電池は、前記分離部の前記流入部へアノードオフガスを送出する第1燃料電池と、前記再生燃料ガスが前記燃料ガスとして燃料極へ供給される第2燃料電池と、を含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記第1熱交換部よりも上流側を流通する前記アノードオフガスと、前記再生燃料ガスとの間で熱交換を行う、第2熱交換部、を更に備えた請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムにおいて、エネルギー利用効率を向上させるための構成として、単一の燃料電池スタックを用い、当該燃料電池スタックから排出された未反応の燃料ガスを循環させて再利用する循環式や、燃料電池スタックを複数設け、前段の燃料電池スタックから排出された使用済みの燃料ガス中の未反応の燃料ガスを後段の燃料電池スタックで再利用する多段式が知られている。何れの構成においても、使用済みの燃料ガスに含まれる水蒸気や二酸化炭素(CO2)を除去できれば、反応に寄与する水素及び一酸化炭素の濃度が増加することで、再利用する燃料ガスが供給される燃料電池スタックの性能向上が見込める。
【0003】
上記に関連して特許文献1には、固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)の燃料処理プロセスにおいて、燃料電池スタックから排出された使用済みの燃料ガスから水蒸気を分離膜で分離して除去し、これを再生燃料ガスとして再利用する技術が開示されている。特許文献1では、透過側に空気を導入して透過側における水蒸気の分圧が下げられる例が示されており、これにより、分離膜での水蒸気の透過が促進されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開2013/0108936
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
燃料電池において燃料極での使用済み燃料(アノードオフガス)から二酸化炭素や水蒸気などの特定物質を除去するために分離膜を用いる際には、さらに工夫が求められる。
【0006】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、アノードオフガスから再生ガスを生成する際に使用する分離膜の機能を有効に発揮させて、燃料電池スタックの性能を向上させることができる燃料電池システムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係る燃料電池システムは、燃料極へ供給される燃料ガスと空気極へ供給される空気により発電し、前記燃料極からアノードオフガスが排出されると共に前記空気極からカソードオフガスが排出される燃料電池と、前記アノードオフガスが流入される流入部と、前記アノードオフガスから二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離膜により前記流入部と区画された透過部と、を有し、前記アノードオフガスから二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方の濃度が低減された再生燃料ガスを送出する分離部と、スイープガスとして前記透過部へ空気を供給する空気供給部と、前記分離部の上流側に設けられ、前記アノードオフガスと前記空気供給部からの空気との間で熱交換を行う第1熱交換部と、を備えている。
【0008】
請求項1に係る燃料電池システムは、分離部を有している。分離部は、アノードオフガスから二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離膜を備え、分離膜によって互いに区画された流入部と透過部を有している。スイープガスとしての空気は透過部へ流入される。これにより、空気の通過がない場合と比較して、透過部における二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方の分圧は低減される。一方、アノードオフガスは流入部に流入される。流入部へ流入したアノードオフガスに含まれる二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方は、分離膜を透過して透過部へ流入する。これにより、アノードオフガス中の二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方の濃度が低減され、再生燃料ガスとして流入部から送出される。再生燃料ガスは、再度、燃料電池の発電に用いることができる。
【0009】
ところで、分離部において、分離膜が適切に分離機能を発揮するためには、分離部が適切な温度であることが求められる。本発明の燃料電池システムでは、第1熱交換部において、分離部に流入されるアノードオフガスと空気とで熱交換を行い、熱交換後のアノードオフガスと空気が分離部の流入部と透過部とへ各々流入される。したがって、例えば、空気の流量調整や温度調整により、分離部へ流入されるアノードオフガスと空気の両方について、簡易に適温に設定することができる。このように、分離部を適温に維持して分離膜の性能を発揮させることにより、アノードオフガスから二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を多く分離することができる。これにより、アノードオフガスを再利用する燃料電池スタックで効率よく発電することができ、燃料電池システムの性能を向上させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明に係る燃料電池システムは、前記第1熱交換部が、並流式で前記アノードオフガスと前記空気供給部からの空気との熱交換を行うこと、を特徴とする。
【0011】
請求項2に係る燃料電池システムでは、第1熱交換部において、アノードオフガスと空気供給部からの空気とが並流式(並行流式)で熱交換されるので、分離部へ送出するアノードオフガスと空気の温度を比較的容易に同温度にすることができる。
【0012】
請求項3記載の発明に係る燃料電池システムは、前記空気供給部と前記第1熱交換部との間に設けられ、前記空気供給部からの空気の温度を上昇させる空気昇温部と、前記分離部の温度に応じて、前記空気昇温部から流出される空気の温度を制御する制御部と、を備えている。
【0013】
請求項3に係る燃料電池システムでは、第1熱交換部へ流入される空気は、前記分離部の温度に応じて空気昇温部で昇温される。したがって、第1熱交換部へ流入される空気の流量の調整幅を少なくして、分離部を適温に維持することができる。これにより、透過部へ流入させる空気を確保して、透過部の二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方の分圧を下げることができる。
【0014】
請求項4記載の発明に係る燃料電池システムは、前記空気供給部から前記第1熱交換部へ流入される空気の流量を一定としたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に係る燃料電池システムによれば、空気昇温部での空気の温度調整のみによって、分離部を適温にすることができる。
【0016】
請求項5記載の発明に係る燃料電池システムは、前記分離部の温度に応じて、前記第1熱交換部へ流入される空気の流量を制御する制御部、を備えている。
【0017】
請求項5に係る燃料電池システムでは、第1熱交換部へ流入される空気の流量は、分離部の温度に応じて制御される。したがって、空気の流量調整だけでも、簡単に分離部を適温にすることができる。
【0018】
請求項6記載の発明に係る燃料電池システムは、前記透過部から排出されたガスを前記空気極へ導入する酸化ガス導入路、をさらに備えている。
【0019】
請求項6に係る燃料電池システムによれば、スイープガスとして用いられた後の空気が空気極へ導入されるので、空気極への空気の導入と第1熱交換部への空気の導入を同一の空気供給部(ブロア等)を用いて行うことができ、燃料電池システムを簡易な構成にすることができる。
【0020】
請求項7記載の発明に係る燃料電池システムは、可燃性気体を燃焼させる燃焼器を備え、前記透過部から排出されたガスが直接または間接的に前記燃焼器へ導入されている。
【0021】
請求項7に係る燃料電池システムによれば、スイープガスとして用いられた後のガスに含まれている水素等の可燃性気体が燃焼器へ導入され、燃焼に供される。これにより、スイープガスとして用いられた後のガス中の可燃性気体を適切に処理することができる。
【0022】
請求項8記載の発明に係る燃料電池システムは、前記燃料電池は、前記分離部の前記流入部へアノードオフガスを送出する第1燃料電池と、前記再生燃料ガスが前記燃料ガスとして燃料極へ供給される第2燃料電池と、を含んでいる。
【0023】
請求項8に係る燃料電池システムによれば、燃料電池から排出されたアノードオフガスについて、分離部で二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方の濃度が低減された再生燃料ガスが、第2燃料電池の燃料極へ供給されて用いられる。これにより、多段式の燃料電池システムを実現することができる。
【0024】
請求項9記載の発明に係る燃料電池システムは、前記第1熱交換部よりも上流側を流通する前記アノードオフガスと、前記再生燃料ガスとの間で熱交換を行う、第2熱交換部、を更に備えている。
【0025】
請求項9に係る燃料電池システムによれば、第1熱交換部の上流側の第2熱交換部でアノードオフガスの温度が低下されるので、第1熱交換部での温度調整幅を小さくすることができる。また、分離部を経た後の再生燃料ガスが第2熱交換部で昇温されるので、再使用されるために適した温度に近くなり、システム全体の発電効率及び熱効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る燃料電池システムによれば、アノードオフガスを再利用する際の燃料電池スタックの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
図2】第2実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
図3】第3実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
図4】第4実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
図5】第5実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
図6】第6実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
図7】第7実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
図8】第8実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
図9】第9実施形態に係る燃料電池システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0029】
〔第1実施形態〕
図1には、本発明の第1実施形態に係る燃料電池システム10Aが示されている。燃料電池システム10Aは、主要な構成として、気化器12、改質器14、第1燃料電池スタック16、第2燃料電池スタック18、空気供給部46、分離部20、第1熱交換部30、第2熱交換部32、第3熱交換部34、第4熱交換部36、燃焼器40、タンク42、及び制御部44を備えている。
【0030】
気化器12には、原料ガス管P1の一端が接続されており、原料ガス管P1の他端は図示しないガス源に接続されている。ガス源からは、ブロアBによりメタンが気化器12へ送出される。原料ガス管P1の中間部には、水を貯留するタンク42からの水供給管P2が接続されている。タンク42からは、ポンプPにより、水(液相)が気化器12へ送出される。気化器12では、水が気化される。気化には、後述する燃焼器40の熱が用いられる。なお、本実施形態では、原料ガスとしてメタンを用いるが、改質が可能なガスであれば特に限定されず、炭化水素燃料を用いることができる。炭化水素燃料としては、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、石炭改質ガス、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、本実施形態で用いるメタンが好ましい。なお、炭化水素燃料としては、上述した低級炭化水素ガスを混合したものであってもよく、上述した低級炭化水素ガスは天然ガス、都市ガス、LPガス等のガスであってもよい。
【0031】
メタン及び水蒸気は、気化器12から配管P3を介して改質器14へ送出される。改質器14は、燃焼器40、第1燃料電池スタック16、及び第2燃料電池スタック18と隣接されており、これらとの間で熱交換を行うことで加熱される。
【0032】
改質器14では、メタンを改質し、水素を含む600℃程度の温度の燃料ガスG1を生成する。改質器14は、第1燃料電池スタック16のアノード(燃料極)16Aと接続されている。改質器14で生成された燃料ガスG1は、燃料ガス管P4を介して第1燃料電池スタック16のアノード16Aに供給される。
【0033】
第1燃料電池スタック16は固体酸化物形の燃料電池スタックであり、積層された複数の燃料電池セルを有している。第1燃料電池スタック16は本発明における燃料電池(第1燃料電池)の一例であり、本実施形態では、作動温度が650℃程度とされている。個々の燃料電池セルは、電解質層と、当該電解質層の表裏面にそれぞれ積層されたアノード16A、及びカソード(空気極)16Bと、を有している。図1では、複数の燃料電池セルの個々のアノード、カソードをまとめて、各々「アノード16A」「カソード16B」と図示している。
【0034】
なお、第2燃料電池スタック18についての基本構成は、第1燃料電池スタック16と同様であり、アノード16Aに対応するアノード18A、及びカソード16Bに対応するカソード18Bを有している。
【0035】
第1燃料電池スタック16のカソード16Bには、後述する酸化ガス管P5を介して酸化ガスG5(空気)が供給される。カソード16Bでは、下記(1)式に示すように、酸化ガス中の酸素と電子とが反応して酸素イオンが生成される。生成された酸素イオンは電解質層を通って第1燃料電池スタック16のアノード16Aに到達する。
【0036】
(空気極反応)
1/2O+2e →O2− …(1)
【0037】
また、カソード16Bには、カソード16Bから排出されるカソードオフガスG2を第2燃料電池スタック18のカソード18Bへ案内するカソードオフガス管P6が接続されている。
【0038】
一方、第1燃料電池スタック16のアノード16Aでは、下記(2)式及び(3)式に示すように、電解質層を通ってきた酸素イオンが燃料ガス中の水素及び一酸化炭素と反応し、水(水蒸気)及び二酸化炭素と電子が生成される。アノード16Aで生成された電子がアノード16Aから外部回路を通ってカソード16Bに移動することで、各燃料電池セルにおいて発電される。また、各燃料電池セルは、発電時に発熱する。
【0039】
(燃料極反応)
+O2− →HO+2e …(2)
CO+O2− →CO+2e …(3)
【0040】
第1燃料電池スタック16のアノード16Aにはアノードオフガス管P7の一端が接続されており、アノードオフガス管P7には、アノード16AからアノードオフガスG3が排出される。アノードオフガスG3には、未反応の水素、未反応の一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気等が含まれている。
【0041】
なお、本発明の燃料電池としては、固体酸化物形の燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)に限られるものではなく、アノードオフガスに二酸化炭素及び水素の少なくとも一方が含まれる他の燃料電池、例えば溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)であってもよい。
【0042】
アノードオフガス管P7の他端は、後述する第2熱交換部32及び第1熱交換部30を経て分離部20と接続されている。分離部20は、アノードオフガスG3から二酸化炭素及び水蒸気を後述する分離膜28で分離するものである。分離部20は、流入部24及び透過部26を有している。流入部24と透過部26は、分離膜28で区画されている。
【0043】
分離部20の透過部26には、空気供給管P8の他端が接続されている。空気供給部46は、ブロアを含んで構成されており、空気供給部46に空気供給管P8の一端が接続されている。空気供給部46からは、常温の空気Aが送出されており、空気供給部46から空気供給管P8を通って、透過部26へスイープガスとしての空気Aが供給されている。空気供給部46は、後述する制御部44と接続されている。
【0044】
ここで、分離膜28について説明する。本実施形態では、分離膜28は二酸化炭素及び水蒸気の両方を透過する機能を有するものを用いる。なお、本実施形態では、二酸化炭素及び水蒸気の両方を透過する機能を有するものを用いるが、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を透過する機能を有するものであってもよい。二酸化炭素及び水蒸気の両方を透過する機能を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、有機高分子膜、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜、液体膜などが挙げられる。また、分離膜は、ガラス状高分子膜、ゴム状高分子膜、イオン交換樹脂膜、アルミナ膜、シリカ膜、炭素膜、ゼオライト膜、セラミック膜、アミン水溶液膜又はイオン液体膜であることがより好ましい。
【0045】
分離膜としては、例えば、ガラス状高分子膜、ゴム状高分子膜、イオン交換樹脂膜などの有機高分子膜が挙げられる。有機高分子膜の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリスチレン、酢酸セルロース、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリピロール、ポリフェニレンオキシド、ポリアニリン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール等の各種有機材料が挙げられる。また、有機高分子膜は、1種の有機材料から構成される膜であってもよく、2種以上の有機材料から構成される膜であってもよい。
【0046】
また分離膜としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体、ポリエチレングリコールなどの吸水性を有する有機高分子と、二酸化炭素と親和性を有し、かつ水溶性を示す二酸化炭素キャリアとを含む有機高分子膜であってもよい。
【0047】
二酸化炭素キャリアとしては、無機材料及び有機材料が用いられ、例えば、無機材料としては、アルカリ金属塩(好ましくはアルカリ金属炭酸塩)、アンモニア、アンモニウム塩などが挙げられ、有機材料としては、例えば、アミン、アミン塩、ポリアミンなどが挙げられる。なお、二酸化炭素キャリアは、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜、液体膜等に含まれていてもよい。
【0048】
分離膜としては、例えば、アルミナ膜、シリカ膜、炭素膜、ゼオライト膜、セラミック膜などの無機材料膜が挙げられ、無機材料膜としては、中でもゼオライト膜が好ましい。ゼオライトとしては、例えば、A型、Y型、T型、ZSM−5型、ZSM−35型、モルデナイト系などが挙げられる。また、無機材料膜は、1種の無機材料から構成される膜であってもよく、2種以上の無機材料から構成される膜であってもよい。
【0049】
分離膜は、有機高分子−無機材料複合膜であってもよい。有機高分子−無機材料複合膜としては、有機材料及び無機材料から構成される膜であれば特に限定されないが、例えば、上述した有機材料から選択される少なくとも1種の有機材料及び上述した無機材料から選択される少なくとも1種の無機材料から構成される複合膜であることが好ましい。
【0050】
分離膜としては、例えば、アミン水溶液、イオン液体などの液体膜が挙げられる。これら液体膜は、前述の有機高分子膜、無機材料膜、有機高分子−無機材料複合膜に、アミン水溶液又はイオン液体を含浸させたものであってもよい。
【0051】
分離膜として、アミン水溶液膜を用いた場合、オフガス中の二酸化炭素をアミン水溶液膜に化学的に吸着させた後、加熱することで二酸化炭素が分離され、アミン水溶液膜の透過側に二酸化炭素が移動する。アミン水溶液としては、モノエタノールアミンなどのアミノアルコールなどが挙げられる。
【0052】
分離膜として、イオン液体膜を用いた場合、オフガス中の二酸化炭素がイオン液体膜に吸着し、吸着された二酸化炭素をイオン液体膜から分離することで、イオン液体膜の透過側に二酸化炭素が移動する。ここで、イオン液体は、150℃以下の比較的低温の融点を有する塩であり、例えば、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオンなどの陽イオンと、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオンなどの陰イオンと、から構成される。
【0053】
分離膜の厚さは、特に限定されないが、機械的強度の観点からは、通常、10μm〜3000μmの範囲が好ましく、より好ましくは10μm〜500μmの範囲であり、さらに好ましくは15μm〜150μmの範囲である。
【0054】
なお、分離膜は、多孔質性の支持体に支持されていてもよい。支持体の材質としては、紙、セルロース、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、金属、ガラス、セラミックなどが挙げられる。
【0055】
また、分離膜としては、二酸化炭素及び水蒸気の分離機能を発揮すると共に、耐久性を維持する観点から、使用の際の適温T0が、燃料電池システム10A内の露点よりも高く、第1燃料電池スタック16のアノード16Aから排出された直後のアノードオフガスG3の温度よりも低いものが好適に用いられる。例えば、露点が80℃、分離膜の耐久性を考慮した最高使用温度が130℃であるとすると、80℃〜130℃の間で、後述する適温T0を設定する。
【0056】
二酸化炭素及び水蒸気を分離する分離膜としては、例えば、「Zi Tong et al., "Water vapor and CO2 transport through amine-containing facilitated transport membranes", Reactive & Functional Polymers (2014)に記載の膜を用いてもよい。
【0057】
アノードオフガスG3は、分離部20で二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が分離されることにより二酸化炭素及び水蒸気の濃度が低減されて、再生燃料ガスG4となって、透過部26から送出される。再生燃料ガス管P9は、第2燃料電池スタック18のアノード18Aと接続されており、再生燃料ガスG4は、再生燃料ガス管P9を経て、第2燃料電池スタック18のアノード18Aに供給される。
【0058】
一方、分離部20の透過部26では、空気供給管P8から供給された空気Aが、スイープガスとして透過部26へ流入する。これにより、透過部26における二酸化炭素及び水蒸気の分圧が下がり、流入部24から分離膜28を透過して二酸化炭素及び水蒸気が透過部26へ移動し易くなる。空気Aは、二酸化炭素、水蒸気、及び、その他分離膜28を透過したアノードオフガスG3中の気体と共に、透過部排出ガスとして透過部26から送出される。送出された透過部排出ガスは、酸化ガス管P5を介して酸素を含む酸化ガスG5としてカソード16Bへ供給される。
【0059】
第2燃料電池スタック18のアノード18A及びカソード18Bでは、第1燃料電池スタック16と同様の反応により発電が行われる。アノード18A及びカソード18Bから排出された使用済のガスは、配管P11、カソードオフ燃焼導入管P12により燃焼器40へ送出され、燃焼器40で焼却に供される。本実施形態の燃料電池システム10Aは、第1燃料電池スタック16で使用された燃料であるアノードオフガスG3が再生されて、燃料ガスとして第2燃料電池スタック18で再利用される多段式の燃料電池システムとなっている。
【0060】
燃焼器40からは、燃焼排ガスG6が送出される。燃焼排ガスG6は、燃焼排ガス管P10内を流通し、第3熱交換部34、第4熱交換部36、及び、気化器12を経て、タンク42へ流入される。
【0061】
次に、燃料電池システム10Aにおける熱交換について説明する。燃料電池システム10Aは、第1熱交換部30、第2熱交換部32、第3熱交換部34、及び第4熱交換部36を備えている。
【0062】
第1熱交換部30は、第1燃料電池スタック16のアノード16Aの下流側で分離部20(流入部24)の上流側(アノードオフガス管P7について)、且つ、空気供給部46の下流側で分離部20(透過部26)の上流側(空気供給管P8について)に設けられている。第1熱交換部30では、アノードオフガス管P7を流れるアノードオフガスG3と空気供給管P8を流れる空気Aとの間で熱交換が行われる。当該熱交換は、並行流で行われることが好ましい。熱交換を並行流で行うことにより、分離部20へ送出されるアノードオフガスG3と空気Aの温度を比較的容易に同温度にすることができる。なお、アノードオフガスG3は、アノード16Aから送出された後、後述する第2熱交換部32での熱交換により、アノード16からの送出時よりも温度が低くなっている。
【0063】
ここで、分離膜28でアノードオフガスGから二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離するために適した温度で、且つ分離膜28の耐久性を維持可能な温度で、且つ露点よりも高い適温T0とすると、第1熱交換部30から分離部20へ流入される空気A及びアノードオフガスG3は、適温T0に近い温度であることが好ましい。そこで、制御部44では、第1熱交換部30から分離部20へ流入される空気A及びアノードオフガスG3が適温T0に近づくように、空気供給部46から送出される空気Aの流量を制御する。なお、適温T0は、分離膜28の材質等により適宜設定される。前述のように、例えば、露点が80℃、分離膜28の耐久性を考慮した最高使用温度が130℃であるとすると、適温T0は、80℃〜130℃の間で設定される。
【0064】
分離部20には、分離部20の温度Tを測定する温度センサSSが設けられている。制御部44は、温度センサSSで測定された分離部20の温度に基づいて、空気供給部46から送出される空気Aの流量を制御する。具体的には、温度Tが適温T0よりも低い場合には、空気供給部46から送出する空気Aの流量を減少させ、温度Tが適温T0よりも高い場合には、空気供給部46から送出する空気Aの流量を増加させる。燃料電池システム10Aの運転時に、制御部44で常時又は間欠的に、温度Tに基づいて空気供給部46から送出される空気Aの流量をフィードバック制御することにより、分離部20の温度を適温T0又は適温T0に近い温度に維持することができる。なお、分離部20の温度Tは、分離部20の内部の温度であってもよいし、分離膜28が影響を受ける分離部20の他の部分の温度であってもよい。
【0065】
第2熱交換部32は、第1燃料電池スタック16のアノード16Aの下流側で第1熱交換部30の上流側(アノードオフガス管P7について)、且つ、分離部20(流入部26)の下流側で第2燃料電池スタック18のアノード18Aの上流側(再生燃料ガス管P9について)に設けられている。第2熱交換部32では、アノードオフガス管P7を流れるアノードオフガスG3と再生燃料ガス管P9を流れる再生燃料ガスG4との間で熱交換が行われる。アノードオフガスG3は、通常650℃程度の高温であり、再生燃料ガス管P9を流れる再生燃料ガスG4は、分離部20の適温T0に近い温度である。第2熱交換部32において、アノードオフガスG3は温度が低下し、再生燃料ガスG4は温度が上昇する。
【0066】
第3熱交換部34は、分離部20(流入部26)の下流側で第1燃料電池スタック16のカソード16Bの上流側(酸化ガス管P5について)、且つ、燃焼器40の下流側で気化器12の上流側(燃焼排ガス管P10について)に設けられている。第3熱交換部34では、酸化ガス管P5を流れる酸化ガスG5と燃焼排ガス管P10を流れる燃焼排ガスG6との間で熱交換が行われる。酸化ガス管P5を流れる酸化ガスG5は、分離部20の適温T0に近い温度である。第3熱交換部34において、カソード16Bへ供給される酸化ガスG5は、燃焼排ガスG6によって昇温される。
【0067】
第4熱交換部36は、分離部20の下流側で第2熱交換部32の上流側(再生燃料ガス管P9について)、且つ、第3熱交換部34の下流側で気化器12の上流側(燃焼排ガス管P10について)に設けられ、再生燃料ガス管P9を流れる再生燃料ガスG4と燃焼排ガス管P10を流れる燃焼排ガスG6との間で熱交換が行われる。再生燃料ガス管P9を流れる再生燃料ガスG4は、分離部20の適温T0に近い温度であり、第4熱交換部36において、燃焼排ガスG6によって昇温される。
【0068】
次に、本実施形態の燃料電池システム10Aの動作について説明する。
【0069】
燃料電池システム10Aにおいては、ガス源からの燃料であるメタン及びタンク42からの水が、気化器12へ供給される。気化器12では、供給されたメタン及び水が混合されると共に、燃焼排ガス管P10を流通する燃焼排ガスG6から熱を得て加熱され、水が気化され水蒸気となる。
【0070】
メタン及び水蒸気は、気化器12から配管P3を介して改質器14へ送出される。改質器14では、改質反応により、水素を含む600℃程度の燃料ガスG1が生成される。燃料ガスG1は、燃料ガス管P4を介して第1燃料電池スタック16のアノード16Aに供給される。
【0071】
第1燃料電池スタック16のカソード16Bには、分離部20の透過部26から排出された透過部排出ガス(空気Aと二酸化炭素及び水蒸気の混合気体)が、酸化ガスG5として酸化ガス管P5を経て供給される。これにより、第1燃料電池スタック16では、前述の反応により発電が行われる。上記反応により第1燃料電池スタック16は発熱し、650℃程度の温度で発電が行われる。この発電に伴い燃料電池スタック16のアノード16Aからは、アノードオフガスG3が排出される。また、カソード16Bからは、カソードオフガスG2が排出され、カソードオフガスG2は、カソードオフガス管P6を通って第2燃料電池スタック18のカソード18Bへ供給される。
【0072】
アノード16Aから排出されたアノードオフガスG3は、アノードオフガス管P7に導かれ、第2熱交換部32、第1熱交換部30を経て、分離部20の流入部24へ流入される。第2熱交換部32では、アノードオフガスG3の温度は、約650℃からある程度温度が低下し(例えば、80℃〜140℃程度の低下)、第1熱交換部30では、アノードオフガスG3の温度は、適温T0に近い温度まで下げられる。
【0073】
一方、空気供給部46からは、制御部44による分離部20の温度Tのフィードバック制御により流量が制御された空気Aが第1熱交換部30を介して分離部20の透過部26へ送出される。第1熱交換部30では、空気Aの温度は、適温T0に近い温度、すなわち、第1熱交換部30で熱交換が行われた後のアノードオフガスG3と略同じ温度となる。
【0074】
アノードオフガスG3は、第2熱交換部32、第1熱交換部30での熱交換を経て分離部20の流入部24へ流入され、二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方が、分離膜28を透過して透過部26側へ移動することにより分離される。流入部24からは再生燃料ガスG4が送出され、第4熱交換部36、第2熱交換部32を経て、600℃程度に昇温され、再生燃料ガス管P9により第2燃料電池スタック18のアノード18Aへ供給される。
【0075】
第2燃料電池スタック18では、前述の反応により発電が行われる。上記反応により第2燃料電池スタック18は発熱し、650℃程度の温度で発電が行われる。アノード18A、カソード18Bでの使用済ガスは、配管P11、P12により各々燃焼器40へ送出され、燃焼器40で焼却に供される。
【0076】
燃焼器40からの燃焼排ガスG6は、第3熱交換部34、第4熱交換部36、及び気化器12を経て、燃焼排ガス管P10によりタンク42へ送出される。燃焼排ガスG6に含まれる水蒸気は、気化器12からタンク42までの経路やタンク42内で冷却され、凝縮されてタンク42に貯留される。その他の燃焼排ガスは、タンク42から放出される。
【0077】
一方、透過部26へ流入したスイープガスとしての空気Aは、分離膜28を透過して流入した二酸化炭素、水蒸気、及び、その他分離膜28を透過したアノードオフガスG3中の気体と共に、透過部26から送出される。送出された透過部排出ガスは、第4熱交換部36、第3熱交換部34を経て、酸化ガスG5として酸化ガス管P5によりカソード16Bへ供給される。
【0078】
本実施形態の燃料電池システム10Aは、分離膜28の透過側(透過部26)へスイープガスとしての空気Aが供給されるので、透過部26における二酸化炭素及び水蒸気の分圧は低減される。これにより、流入部24へ流入したアノードオフガスG3に含まれる二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方をより多く分離膜28を透過させて分離することができる。
【0079】
また、分離部20へは、適温T0に近づくように第1熱交換部30において熱交換されたアノードオフガスG3及び空気Aが流入されているので、分離部20を適温T0に維持して分離膜28の性能を発揮させることができる。これにより、アノードオフガスG3から二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を多く分離することができると共に、分離膜28の耐久性を維持することができる。そして、アノードオフガスG3を再利用する第2燃料電池スタック18へ、二酸化炭素、水蒸気が低減された再生燃料ガスG4が供給されるので、効率よく発電を行うことができ、燃料電池システム10Aの性能を向上させることができる。
【0080】
また、第1熱交換部30における熱交換は、いずれも分離部20へ供給される気体である空気AとアノードオフガスG3との間で行われ、適温T0への調整は、空気Aの流量を制御することで行われているので、簡易に分離部20の温度を調整することができる。
【0081】
なお、本実施形態では、分離部20の温度をフィードバックして空気供給部46から送出される空気Aの流量を調整したが、第1熱交換部30から送出される空気AやアノードオフガスG3の温度を測定し、この温度をフィードバックして空気供給部46から送出される空気Aの流量を調整してもよい。
【0082】
また、本実施形態では、第1熱交換部30の上流側の第2熱交換部32でアノードオフガスG3の温度を低下させるので、第1熱交換部30での温度調整幅を小さくすることができる。また、分離部20を経た後の再生燃料ガスG4を第2熱交換部32で昇温させるので、発電に適した温度に近くなり、燃料電池システム10A全体の発電効率及び熱効率を向上させることができる
【0083】
また、本実施形態では、分離部20の透過部26から排出された透過部排出ガスは、第1燃料電池スタック16のカソード16Bへ導入されているので、カソード16Bへの空気の導入と第1熱交換部30への空気の導入を同一のブロアを用いて行うことができ、燃料電池システム10Aを簡易な構成にすることができる。
【0084】
さらに、本実施形態では、分離部20の透過部26から排出された透過部排出ガスを、カソード16Bへ導入して発電に供した後、第2燃料電池スタック18のカソード18Bへ導入して発電に供した後、燃焼器40へ送出して燃焼に供する。透過部排出ガスには、分離膜28におけるアノードオフガスG3からのリーク等により、水素、一酸化炭素、その他の可燃性物質が含まれることが考えられる。本実施形態の燃料電池システム10Aによれば、透過部排出ガスの中に含まれる水素、一酸化炭素、その他の可燃性物質を燃焼させた後、燃料電池システム10Aの外へ放出することができ、燃料電池システム10Aの安全性を向上させることができる。
【0085】
なお、本実施形態では、透過部26から排出された透過部排出ガスを、カソード16Bへ導入したが、透過部排出ガスを直接燃焼器40へ導入してもよい。この場合には、第1燃料電池スタック16のカソード16Bへ空気を導入するためのブロアを別途用意すればよい。
【0086】
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0087】
図2には、本発明の第2実施形態に係る燃料電池システム10Bが示されている。燃料電池システム10Bは、第1実施形態で説明した燃料電池システム10Aと比較して、空気供給部46から送出される空気が、第1熱交換部30へ至るまでに昇温される点が異なっている。また、空気供給部46から送出される空気Aの流量が一定であり、バルブ48を通過する空気A−1の流量で分離部20へ供給される空気及びアノードオフガスG3の温度を調整する点が異なっている。
【0088】
空気供給部46に接続される空気供給管P8は、分岐部B1で空気調整管P8−1と空気昇温管P8−2に分岐され、合流部B2で合流されている。合流部B2は、第1熱交換部30よりも上流側に設けられている。
【0089】
空気調整管P8−1には、バルブ48が設けられている。バルブ48は、制御部44に接続されている。空気昇温管P8−2は、第5熱交換部38へ導入されている。第5熱交換部38には、第4熱交換部36の下流側の燃焼排ガス管P10が導入されており、空気昇温管P8−2を通過する空気A−2は、燃焼排ガス管P10を流れる燃焼排ガスG6との間で熱交換を行って昇温される。空気調整管P8−1、バルブ48、第4熱交換部36、及び空気昇温管P8−2により、空気昇温部が形成されている。
【0090】
制御部44では、第1熱交換部30から分離部20へ流入される空気A及びアノードオフガスG3が適温T0に近づくように、バルブ48を通過する空気A−1の流量を制御する。当該制御は、温度センサSSで測定された分離部20の温度に基づいて、バルブ48を通過する空気A−1の流量を調整することにより行われる。具体的には、分離部20の温度Tが適温T0よりも低い場合には、バルブ48の開度を小さくしてバルブ48を通過する空気A−1の流量を減少させ、温度Tが適温T0よりも高い場合には、バルブ48の開度を大きくしてバルブ48を通過する空気A−1の流量を増加させる。燃料電池システム10Bの運転時に、制御部44で常時又は間欠的に、温度Tに基づいてバルブ48を通過する空気A−1の流量をフィードバック制御することにより、分離部20の温度を適温T0又は適温T0に近い温度に維持することができる。
【0091】
本実施形態によれば、空気供給部46から送出する空気Aの流量を一定に維持しつつ、分離部20が適温T0になるように、第1熱交換部30での熱交換を行うことができる。空気供給部46から送出する空気Aの流量を一定に維持することにより、透過部26へ供給する空気Aの流量を確保することができる。
【0092】
また、燃料電池システム10Bは、その他の第1実施形態と同様の効果を奏することもできる。
【0093】
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1、第2実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0094】
図3には、本発明の第3実施形態に係る燃料電池システム10Cが示されている。燃料電池システム10Cは、第2実施形態で説明した燃料電池システム10Bと比較して、空気供給部46から送出される空気Aの流量とバルブ48を通過する空気A−1の流量の双方を調整することにより、分離部20を適温T0に近い温度に制御する点が異なっている。
【0095】
制御部44は、空気供給部46及びバルブ48と接続されている。制御部44では、第1熱交換部30から分離部20へ流入される空気A及びアノードオフガスG3が適温T0に近づくように、空気供給部46から送出される空気A、及び、バルブ48を通過する空気A−1の流量を制御する。具体的には、温度センサSSで測定された分離部20の温度Tが適温T0よりも低い場合には、空気供給部46のブロアの出力を低くすると共にバルブ48の開度を小さくして、空気供給部46から送出する空気Aの流量、及びバルブ48を通過する空気A−1の流量を減少させる。一方、温度Tが適温T0よりも高い場合には、空気供給部46のブロアの出力を高くすると共にバルブ48の開度を大きくして、空気供給部46から送出する空気Aの流量、及びバルブ48を通過する空気A−1の流量を増加させる。燃料電池システム10Cの運転時に、制御部44で常時又は間欠的に、分離部20の温度Tに基づいて、空気供給部46から送出する空気Aの流量、及びバルブ48を通過する空気A−1の流量をフィードバック制御することにより、分離部20の温度を適温T0又は適温T0に近い温度に維持することができる。
【0096】
本実施形態によれば、空気供給部46から送出する空気Aの流量、及びバルブ48を通過する空気A−1の流量の双方を調整することにより、分離部20が適温T0になるように第1熱交換部30での熱交換を行う。したがって、よりフレキシブルに分離部20の温度調整を行うことができる。
【0097】
また、燃料電池システム10Cは、その他の第1、2実施形態と同様の効果を奏することもできる。
【0098】
〔第4実施形態〕
次に本発明の第4実施形態について説明する。なお、第1−3実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0099】
図4には、本発明の第4実施形態に係る燃料電池システム10Dが示されている。燃料電池システム10Dは、第1実施形態で説明した燃料電池システム10Aと比較して、第2燃料電池スタック18を有していない点が異なっている。
【0100】
分離部20に接続された再生燃料ガス管P9は、第4熱交換部36の下流側に設けられた分岐部B3で分岐されている。分岐された一方の再生燃料ガス管P9−1は、第2熱交換部32を経て配管P3へ接続されている。分岐された他方の再生燃料ガス管P9−2は、燃焼器40へ接続されている。分岐部B3では、再生燃料ガス管P9−1と再生燃料ガス管P9−2へ再生燃料ガスG4が分流されている。再生燃料ガス管P9−1の第2熱交換部32よりも上流側には、ブロア52が設けられている。ブロア52は、再生燃料ガス管P9−1内の再生燃料ガスG4を配管P3側へ向かって流通させる。
【0101】
再生燃料ガス管P9−1を経て改質器14へ導入された再生燃料ガスG4は、気化器12から供給された燃料ガスG1と混合され、アノード16Aへ供給される。再生燃料ガス管P9−2を経て燃焼器40へ導入された再生燃料ガスG4は、燃焼器40で燃焼される。なお、カソード16Bから排出されたカソードオフガスG2は、カソードオフガス管P6を介して燃焼器40へ導入する。
【0102】
本実施形態の燃料電池システム10Dは、第1燃料電池スタック16で使用済みの燃料であるアノードオフガスG3が再生されて、再度、第1燃料電池スタック16で再利用される循環式の燃料電池システムとなっている。本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0103】
〔第5実施形態〕
次に本発明の第5実施形態について説明する。なお、第1−4実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0104】
図5には、本発明の第5実施形態に係る燃料電池システム10Eが示されている。燃料電池システム10Eは、第4実施形態で説明した燃料電池システム10Dと比較して、第2実施形態と同様に、空気供給部46から送出される空気が昇温される点が異なっている。すなわち、空気供給部46から送出される空気Aの流量が一定であり、バルブ48を通過する空気A−1の流量で分離部20へ供給される空気及びアノードオフガスG3の温度を調整する点が異なっている。
【0105】
空気供給部46に接続される空気供給管P8は、分岐部B1で空気調整管P8−1と空気昇温管P8−2に分岐され、合流部B2で合流されている。合流部B2は、第1熱交換部30よりも上流側に設けられている。
【0106】
空気調整管P8−1には、バルブ48が設けられている。バルブ48は、制御部44に接続されている。空気昇温管P8−2は、第5熱交換部38へ導入されている。第5熱交換部38には、第4熱交換部36の下流側の燃焼排ガス管P10が導入されており、空気昇温管P8−2を通過する空気A−2は、燃焼排ガス管P10を流れる燃焼排ガスG6との間で熱交換を行って昇温される。
【0107】
制御部44では、第2実施形態と同様に、第1熱交換部30から分離部20へ流入される空気A及びアノードオフガスG3が適温T0に近づくように、バルブ48を通過する空気A−1の流量を制御する。
【0108】
本実施形態によれば、空気供給部46から送出する空気Aの流量を一定に維持しつつ、分離部20が適温T0になるように、第1熱交換部30での熱交換を行うことができる。空気供給部46から送出する空気Aの流量を一定に維持することにより、透過部26へ供給する空気Aの流量を確保することができる。
【0109】
また、燃料電池システム10Eは、その他の第1実施形態と同様の効果を奏することもできる。
【0110】
〔第6実施形態〕
次に本発明の第6実施形態について説明する。なお、第1−5実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0111】
図6には、本発明の第6実施形態に係る燃料電池システム10Fが示されている。燃料電池システム10Fは、第5実施形態で説明した燃料電池システム10Eと比較して、第3実施形態と同様に、空気供給部46から送出される空気Aの流量とバルブ48を通過する空気A−1の流量の双方を調整することにより、分離部20を適温T0に近い温度に制御する点が異なっている。
【0112】
制御部44は、空気供給部46及びバルブ48と接続されている。制御部44では、第3実施形態と同様に、第1熱交換部30から分離部20へ流入される空気A及びアノードオフガスG3が適温T0に近づくように、空気供給部46から送出される空気A、及び、バルブ48を通過する空気A−1の流量を制御する。
【0113】
本実施形態によれば、空気供給部46から送出する空気Aの流量、及びバルブ48を通過する空気A−1の流量の双方を調整することにより、分離部20が適温T0になるように第1熱交換部30での熱交換を行う。したがって、よりフレキシブルに分離部20の温度調整を行うことができる。
【0114】
また、燃料電池システム10Fは、その他の第5、6実施形態と同様の効果を奏することもできる。
【0115】
〔第7実施形態〕
次に本発明の第7実施形態について説明する。なお、第1−6実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0116】
図7には、本発明の第7実施形態に係る燃料電池システム10Gが示されている。燃料電池システム10Gは、第1実施形態で説明した燃料電池システム10Aと比較して、第3燃料電池スタック17を有している点が異なっている。
【0117】
第3燃料電池スタック17の基本構成は第1燃料電池スタック16と同様であり、アノード16Aに対応するアノード17A、及びカソード16Bに対応するカソード17Bを有している。第3燃料電池スタック17は、燃料電池システム10Gにおいて、第1燃料電池スタック16と並列に配置されている。なお、図7では、第2燃料電池スタック18及び第3燃料電池スタック17が改質器14と離間して図示されているが、実際には、第2燃料電池スタック18及び第3燃料電池スタック17は、第1燃料電池スタック16と同様に改質器14と隣接配置され、熱交換が行われている。
【0118】
改質器14に接続された燃料ガス管P4は、分岐部B4で燃料ガス管P4−2と分岐されている。燃料ガス管P4はアノード16Aと接続され、改質器14からアノード16Aへ燃料ガスG1を供給する。燃料ガス管P4−2はアノード17Aと接続され、改質器14からアノード17Aへ燃料ガスG1を供給する。アノード17Aには、アノードオフガス管P7が接続され、アノードオフガス管P7−2は、アノードオフガス管P7と第2熱交換部32の上流側の合流部B5で合流されている。アノード17Aからは、使用済のアノードオフガスG3が送出され、アノードオフガス管P7−2、P7を経て、分離部20の流入部24へ流入される。
【0119】
カソード17Bには、第3熱交換部34の下流側で酸化ガス管P5から分岐部B6で分岐された酸化ガス管P5−2が接続されている。カソード17Bへは、酸化ガス管P5−2を介して酸化ガスG5が供給される。カソード17Bから排出された使用済みガスは、合流部B7でカソードオフガス管P6と合流されてカソード18Bへ導入される。
【0120】
上記のように、第1燃料電池スタック16と並列に配置された第3燃料電池スタック17を有することにより、燃料電池システム10Gの第1段目における発電は、第1燃料電池スタック16及び第3燃料電池スタック17で行われる。そして、第1燃料電池スタック16及び第3燃料電池スタック17で使用された後のアノードオフガスG3を、分離部20で再生燃料ガスG4に再生し、二段目の第2燃料電池スタック18での発電に供することができる。
【0121】
本実施形態の燃料電池システム10Gによれば、一段目と二段目の燃料電池スタックの稼働率の差が小さくなり、燃料電池システム10G18での発電効率を高めることができる。
【0122】
〔第8実施形態〕
次に本発明の第8実施形態について説明する。なお、第1−7実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図8には、本発明の第8実施形態に係る燃料電池システム10Hが示されている。燃料電池システム10Hは、第7実施形態で説明した燃料電池システム10Gと比較して、第2、5実施形態と同様に、空気供給部46から送出される空気が昇温される点が異なっている。すなわち、空気供給部46から送出される空気Aの流量が一定であり、バルブ48を通過する空気A−1の流量で分離部20へ供給される空気及びアノードオフガスG3の温度を調整する点が異なっている。
【0123】
空気供給部46に接続される空気供給管P8は、分岐部B1で空気調整管P8−1と空気昇温管P8−2に分岐され、合流部B2で合流されている。合流部B2は、第1熱交換部30よりも上流側に設けられている。
【0124】
空気調整管P8−1には、バルブ48が設けられている。バルブ48は、制御部44に接続されている。空気昇温管P8−2は、第5熱交換部38へ導入されている。第5熱交換部38には、第4熱交換部36の下流側の燃焼排ガス管P10が導入されており、空気昇温管P8−2を通過する空気A−2は、燃焼排ガス管P10との間で熱交換を行って昇温される。
【0125】
制御部44では、第2、5実施形態と同様に、第1熱交換部30から分離部20へ流入される空気A及びアノードオフガスG3が適温T0に近づくように、バルブ48を通過する空気A−1の流量を制御する。
【0126】
本実施形態によれば、空気供給部46から送出する空気Aの流量を一定に維持しつつ、分離部20が適温T0になるように、第1熱交換部30での熱交換を行うことができる。空気供給部46から送出する空気Aの流量を一定に維持することにより、透過部26へ供給する空気Aの流量を確保することができる。
【0127】
また、燃料電池システム10Hは、その他の第1実施形態と同様の効果を奏することもできる。
【0128】
〔第9実施形態〕
次に本発明の第9実施形態について説明する。なお、第1−8実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0129】
図9には、本発明の第9実施形態に係る燃料電池システム10Iが示されている。燃料電池システム10Iは、第8実施形態で説明した燃料電池システム10Hと比較して、第3、6実施形態と同様に、空気供給部46から送出される空気Aの流量とバルブ48を通過する空気A−1の流量の双方を調整することにより、分離部20を適温T0に近い温度に制御する点が異なっている。
【0130】
制御部44は、空気供給部46及びバルブ48と接続されている。制御部44では、第3、6実施形態と同様に、第1熱交換部30から分離部20へ流入される空気A及びアノードオフガスG3が適温T0に近づくように、空気供給部46から送出される空気A、及び、バルブ48を通過する空気A−1の流量を制御する。
【0131】
本実施形態によれば、空気供給部46から送出する空気Aの流量、及びバルブ48を通過する空気A−1の流量の双方を調整することにより、分離部20が適温T0になるように第1熱交換部30での熱交換を行う。したがって、よりフレキシブルに分離部20の温度調整を行うことができる。
【0132】
また、燃料電池システム10Iは、その他の第7、8実施形態と同様の効果を奏することもできる。
【0133】
なお、上記の第1〜第9実施形態における第2熱交換部32〜第5熱交換部38の配置は、上記の配置に限定されず、適宜変更しても良い。また、アノードオフガスG3から二酸化炭素や水蒸気を分離する手段として、例えば、水凝縮器、水蒸気吸着材、二酸化炭素吸収材、二酸化炭素吸着材などの他の手段を分離部と組み合わせて用いてもよい。
【0134】
また、上記の第1〜第9実施形態では、制御部44で分離部20が適温T0に近づくように空気供給部46から流出させる空気Aの流量や、第1熱交換部30へ流入させる空気Aの温度を制御したが、必ずしも制御部44は必要ではない。例えば、予め分離部20が適温T0に近づくための空気供給部46から流出させる空気Aの流量や、第1熱交換部30へ流入させる空気Aの温度を実験等により得て、当該得られた空気Aの流量や第1熱交換部30へ流入させる空気Aの温度となるように、各部(空気供給部46やバルブ48)の設定をしてもよい。
【0135】
さらに、本発明は、前述の第1〜第9実施形態に限定されず、本発明の技術的思想内で、当業者によって、前述の各実施形態を組み合わせて実施される。また、本発明において、例えば、熱交換器の設置位置、組み合わせなどはこれらの実施形態に限定されない。また、ガス、水などの各種流体の加熱及び冷却には熱交換器以外の手段を用いてもよい。
【符号の説明】
【0136】
10A〜10I 燃料電池システム
16 第1燃料電池スタック(燃料電池)、 17 第3燃料電池スタック(燃料電池)
18 第2燃料電池スタック(燃料電池)、
16A、17A、18A アノード(燃料極)
16B、17B、18B カソード(空気極)
20 分離部、 24 流入部、 26 透過部 、28 分離膜
30 第1熱交換部、 32 第2熱交換部
46 空気供給部、 P8−1 空気調整管、48 バルブ、36 第4熱交換部
P8−2 空気昇温管(空気昇温部)
40 燃焼器、 44 制御部、 P5 酸化ガス管(酸化ガス導入路)
G3 アノードオフガス、 G4 再生燃料ガス
【要約】
【課題】アノードオフガスを再利用する際の燃料電池スタックの性能を向上させることができる燃料電池システムを得る。
【解決手段】燃料電池システム10Aは、アノードオフガスG3から二酸化炭素及び水蒸気の少なくとも一方を分離する分離部20を有している。第1熱交換部30では、分離部20に流入されるアノードオフガスG3と空気Aとで熱交換を行い、熱交換後のアノードオフガスG3及び空気Aが分離部20へ流入される。アノードオフガスG3と空気Aとの熱交換は、分離部20における分離膜28の機能が発揮される適温T0となるように制御されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9