(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6017715
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20161020BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20161020BHJP
H02J 3/46 20060101ALI20161020BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20161020BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20161020BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20161020BHJP
H02S 10/20 20140101ALI20161020BHJP
H02S 50/00 20140101ALI20161020BHJP
【FI】
H02J3/38 150
H02J3/32
H02J3/46
H02J7/35 B
H02J3/00 180
H02J13/00 311R
H02J13/00 301A
H02S10/20
H02S50/00
【請求項の数】19
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-15457(P2016-15457)
(22)【出願日】2016年1月29日
【審査請求日】2016年1月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510139874
【氏名又は名称】株式会社A−スタイル
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 博
【審査官】
緑川 隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−166009(JP,A)
【文献】
特開2015−136233(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/125520(WO,A1)
【文献】
特開2013−045376(JP,A)
【文献】
特表2013−542706(JP,A)
【文献】
特開2014−79058(JP,A)
【文献】
特開2015−220966(JP,A)
【文献】
特開2012−95397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00−7/12,
H02J7/34−7/36,
H02J13/00,
H02S10/00−10/40,
H02S30/00−99/00,
H03J9/00−9/06,
H04Q9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の太陽電池モジュールアレイと、
商用系統に接続された交流出力端子を有し、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイから供給される直流電力を交流電力に変換する少なくとも一つのパワーコンディショナと、
蓄電池及び充放電コントローラを含み、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイが発電した電力を前記蓄電池に充電すると共に、前記蓄電池に充電されている電力を前記パワーコンディショナに供給する少なくとも一つの蓄電システムと、
前記パワーコンディショナに接続されると共に、公衆通信ネットワークに接続された通信インターフェース装置と、
前記公衆通信ネットワークに接続され、前記公衆通信ネットワーク及び前記通信インターフェース装置を介して前記パワーコンディショナとデータ通信可能であり、前記パワーコンディショナから提供される発電監視用データに基づいて前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの発電状況を遠隔監視すると共に前記パワーコンディショナを遠隔制御する発電監視システムとを備え、
少なくとも前記第1の太陽電池モジュールアレイの出力容量は前記パワーコンディショナの出力容量よりも大きく、
前記充放電コントローラは、前記通信インターフェース装置とデータ通信可能な通信部を備え、前記パワーコンディショナから前記通信インターフェース装置を介して前記発電監視システムに提供される前記発電監視用データを利用して、前記蓄電池の充放電を制御することを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項2】
前記充放電コントローラは、
前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの合計出力電力が前記パワーコンディショナの出力制限電力を上回る場合に、前記出力制限電力に対する前記合計出力電力の余剰分を前記蓄電池に蓄電し、
前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの合計出力電力が前記パワーコンディショナの前記出力制限電力を下回る場合に、前記蓄電池を放電して前記出力制限電力に対する前記合計出力電力の不足分を前記パワーコンディショナに供給する、請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項3】
前記第1の太陽電池モジュールアレイの出力端子と前記パワーコンディショナとを接続する第1の配電ラインと、
前記第2の太陽電池モジュールアレイの出力端子と前記パワーコンディショナとを接続する第2の配電ラインとをさらに備え、
前記第1及び第2の配電ラインは短絡されている、請求項1又は2に記載の太陽光発電システム。
【請求項4】
前記蓄電システムは前記第2の配電ラインに接続されている、請求項3に記載の太陽光発電システム。
【請求項5】
前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、複数の太陽電池モジュールストリングと、前記複数の太陽電池モジュールストリングの出力を一つにまとめる接続箱とを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項6】
前記パワーコンディショナは相互に短絡された複数の入力端子を備え、
前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、複数の太陽電池モジュールサブアレイを備え、
前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各々は、複数の太陽電池モジュールストリングと、前記複数の太陽電池モジュールストリングの出力を一つにまとめる接続箱とを含み、
前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各出力電力は、対応する接続箱を介して前記パワーコンディショナの前記複数の入力端子の一つに入力される、請求項1又は2に記載の太陽光発電システム。
【請求項7】
前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各接続箱の出力端子から延びる複数の配電ラインは、前記パワーコンディショナの前記複数の入力端子にそれぞれ接続されている、請求項6に記載の太陽光発電システム。
【請求項8】
前記蓄電システムは、前記複数の配電ラインの少なくとも一つに接続されている、請求項7に記載の太陽光発電システム。
【請求項9】
前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各々は、前記複数の太陽電池モジュールストリングの各出力端子に接続された逆流防止ダイオードをさらに含み、
前記蓄電システムは、前記逆流防止ダイオードを介して前記複数の太陽電池モジュールストリングの各出力端子に並列接続されている、請求項7に記載の太陽光発電システム。
【請求項10】
前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各接続箱の出力を一つにまとめる集電盤をさらに備え、
前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各接続箱の出力端子から延びる複数の配電ラインは、前記集電盤の複数の入力端子にそれぞれ接続されており、
前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各集電盤の出力は、前記パワーコンディショナの前記複数の入力端子の一つに入力される、請求項6に記載の太陽光発電システム。
【請求項11】
前記蓄電システムは、各集電盤の複数の入力端子の各々に並列接続されている、請求項10に記載の太陽光発電システム。
【請求項12】
前記パワーコンディショナは相互に短絡された複数の入力端子を備え、
前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、複数の太陽電池モジュールストリングと、前記複数の太陽電池モジュールストリングの各出力端子に接続された逆流防止ダイオードとを含み、
前記複数の太陽電池モジュールストリングの各出力端子は、対応する逆流防止ダイオードを介して前記パワーコンディショナの前記複数の入力端子の一つに接続されている、請求項1又は2に記載の太陽光発電システム。
【請求項13】
前記通信インターフェース装置は、第1の通信インターフェースを介して前記パワーコンディショナに接続され、
前記充放電コントローラは、前記第1の通信インターフェースと異なる第2の通信インターフェースを介して前記通信インターフェース装置に接続されている、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項14】
前記発電監視システムは、
前記公衆通信ネットワークに接続され、前記公衆通信ネットワークおよび前記第1の通信インターフェースを介して前記パワーコンディショナとデータ通信可能なサーバを含み、
前記サーバは、前記パワーコンディショナから提供される前記発電監視用データに基づいて前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの発電状況を管理する、請求項13に記載の太陽光発電システム。
【請求項15】
前記発電監視システムは、前記公衆通信ネットワーク又はLANを介して前記サーバとデータ通信可能な管理端末をさらに含み、
前記管理端末は、前記発電状況を画面表示する表示部を有し、
前記サーバは、前記管理端末からの指示に従って前記パワーコンディショナの出力制限電力を遠隔制御する、請求項14に記載の太陽光発電システム。
【請求項16】
複数の前記蓄電システムを備え、
前記複数の蓄電システムの各充放電コントローラは、前記パワーコンディショナから前記通信インターフェース装置を介して前記発電監視システムに提供される前記発電監視用データを利用して、前記蓄電池の充放電を制御する、請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項17】
第1及び第2のパワーコンディショナを含む複数の前記パワーコンディショナを備え、
前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、第1及び第2の太陽電池モジュールサブアレイを含み、
前記第1及び第2の太陽電池モジュールサブアレイの出力容量は前記第1及び第2のパワーコンディショナの出力容量よりもそれぞれ大きく、
前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ内の前記第1の太陽電池モジュールサブアレイの出力電力は前記第1のパワーコンディショナに入力され、
前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ内の前記第2の太陽電池モジュールサブアレイの出力電力は前記第2のパワーコンディショナに入力され、
前記充放電コントローラは、前記第1及び第2のパワーコンディショナの各々から前記通信インターフェース装置を介して前記発電監視システムに提供される前記発電監視用データを利用して、前記蓄電池の充放電を制御する、請求項1に記載の太陽光発電システム。
【請求項18】
前記蓄電システムは前記蓄電池の容量増設機能を有するラックマウント方式である、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【請求項19】
前記第2の太陽電池モジュールアレイの出力容量は前記パワーコンディショナの出力容量よりも大きい、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の太陽光発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システムに関し、特に蓄電システムを備えた産業用太陽光発電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力会社の商用系統に連系して発電を行う太陽光発電システムが広く普及している。系統連系を行うことにより、自家発電した電力では賄い切れない負荷電力を電力会社からの電力供給で補完でき、余剰電力が発生した場合には電力会社への電気の逆潮流による売電が可能であり、太陽光発電設備を最大限に活用することが可能である。
【0003】
近年、太陽光発電システムの中でも設置容量が10kW以上50kW未満の小規模産業用太陽光発電システムが特に注目されている。小規模システムであれば工場、倉庫、駐車場、建物の屋根や遊休地など、現在使用されていない空き地や小さなスペースを有効活用して設置できるため、太陽光発電システムの導入の可能性を広げることができる。また、50kW未満のシステムであれば住宅用設備と同じ低圧連系の範囲で設置できるため、高圧連系に比べて高額な機器をそろえる必要がなく、機器コストを抑えることができる。また保安規定の制定・届出・遵守や、有資格者(電気主任技術者)の確保等が不要になり、簡単な手続で太陽光発電システムを設置して運用することができる。
【0004】
太陽光発電システムの発電量は基本的に天候の影響を受けるため、その影響を最小限に抑えて電力を安定的に供給することが好ましい。例えば特許文献1には、太陽電池モジュールアレイにより生成された直流電圧を蓄積する蓄電池を備え、直流電圧がパワーコンディショナの動作電圧に達しない場合にすべての直流電流を蓄電に利用する太陽光発電システムが記載されている。また電気料金が安い夜間の電力を蓄電池に蓄電し、電力需要が多い日中の特定の時間帯に蓄電池の電力を使用することで、電力需要のピークを調整可能な太陽光発電システムもよく知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−93365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
産業用太陽光発電システムの多くは売電を目的としており、太陽光発電所として機能するものであるため、既存の発電設備を最大限に活用してできるだけ多くの電力を売電できることが望ましい。一方、従来の産業用太陽光発電システムにおいて、パワーコンディショナの出力容量を超える電力はピークカットされ、せっかく発電した電力が無駄になるため、パワーコンディショナの出力容量と同等の発電能力を有する太陽電池モジュールアレイが採用されることが通例である。しかしこの場合、太陽電池モジュールアレイの発電量が少なく、パワーコンディショナの能力を十分に活かすことができないという問題がある。
【0007】
また近い将来、太陽光発電所の増加により電力供給が需要を上回るものと予想されるが、需要側が電力を消費しきれないときには売電が受け入れられず、せっかく発電した電力が無駄になってしまうという問題もある。さらに、太陽光発電システムにおいて新たに系統連系する発電設備の増設を既存の発電設備の運転開始後に行う場合には、新たに設備認定を受ける必要であり、新設認定時の固定買取価格が適用されるので、固定買取価格の低下が問題となる。
【0008】
したがって、本発明の目的は、太陽電池モジュールアレイ及びパワーコンディショナの能力を最大限に活かして発電した電力の無駄をなくすと共に電力供給の安定化を図ることが可能な太陽光発電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明による太陽光発電システムは、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイと、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイから供給される直流電力を交流電力に変換する少なくとも一つのパワーコンディショナと、蓄電池及び充放電コントローラを含み、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイが発電した電力を前記蓄電池に充電すると共に、前記蓄電池に充電されている電力を前記パワーコンディショナに供給する少なくとも一つの蓄電システムと、前記パワーコンディショナに接続された通信インターフェース装置と、通信インターフェース装置を介して前記パワーコンディショナとデータ通信可能な発電監視システムとを備え、少なくとも前記第1の太陽電池モジュールアレイの出力容量は前記パワーコンディショナの出力容量よりも大きく、前記充放電コントローラは、前記通信インターフェース装置とデータ通信可能な通信部を備え、前記パワーコンディショナから前記通信インターフェース装置を介して前記発電監視システムに提供される発電監視用データを利用して、前記蓄電池の充放電を制御することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、蓄電システムとパワーコンディショナとの間の通信により両者を連携させて蓄電池の充放電をリアルタイムに制御することができ、パワーコンディショナが常に出力制限付近で動作するように制御することができる。したがって、既設の第1の太陽電池モジュールアレイに対して第2の太陽電池モジュールアレイを増設してシステム全体の発電能力を増強した場合でも、増強された発電能力を有効に活用することができる。また第1の太陽電池モジュールアレイの出力容量がパワーコンディショナの出力容量よりも大きいので、第2の太陽電池モジュールアレイを増設した場合でもシステム全体の出力容量は変更されない。したがって、増設後のシステムが出力変更の認定を受ける必要はなく、出力変更後の固定買取価格が適用されることもない。さらに本発明はパワーコンディショナの入力端子側に蓄電システムを設置し、太陽光発電量の不足時に蓄電池の電力を使用することで売電量の安定化を図ることができる。
【0011】
本発明において、前記充放電コントローラは、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの合計出力電力が前記パワーコンディショナの出力制限電力を上回る場合に、前記出力制限電力に対する前記合計出力電力の余剰分を前記蓄電池に蓄電し、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの合計出力電力が前記パワーコンディショナの前記出力制限電力を下回る場合に、前記蓄電池を放電して前記出力制限電力に対する前記合計出力電力の不足分を前記パワーコンディショナに供給することが好ましい。このように、蓄電システムは、パワーコンディショナから出力される発電監視用データに基づいて、余剰電力の充電と不足電力の供給をリアルタイムに制御するので、パワーコンディショナが常に出力制限電力いっぱいで動作するように制御することができ、第1及び第2の太陽電池モジュール及びパワーコンディショナの能力を最大限に活かすことができる。
【0012】
本発明による太陽光発電システムは、前記第1の太陽電池モジュールアレイの出力端子と前記パワーコンディショナとを接続する第1の配電ラインと、前記第2の太陽電池モジュールアレイの出力端子と前記パワーコンディショナとを接続する第2の配電ラインとをさらに備え、前記第1及び第2の配電ラインは短絡されていることが好ましい。この場合において、前記蓄電システムは前記第2の配電ラインに接続されていることが好ましい。このような配電系統により、既設の第1の太陽電池モジュールアレイに対して第2の太陽電池モジュールアレイを新設した場合でも、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの両方の出力電力を蓄電池に充電することができる。したがって、第1及び第2の太陽電池モジュールの発電能力を最大限に活かすことができる。
【0013】
本発明において、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、複数の太陽電池モジュールストリングと、前記複数の太陽電池モジュールストリングの出力を一つにまとめる接続箱とを含むことが好ましい。太陽電池モジュールアレイの出力端子は、接続箱の出力端子となる。前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、複数の太陽電池モジュールストリングの出力を複数の接続箱でまとめた後、複数の接続箱の各々の出力を集電盤でさらにまとめたものであってもよい。この場合、太陽電池モジュールアレイの出力端子は、集電盤の出力端子となる。接続箱には逆流防止ダイオードが設けられているので、太陽電池モジュールストリングに向かって電流が逆流することを防止することができる。
【0014】
本発明において、前記パワーコンディショナは相互に短絡された複数の入力端子を備え、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、複数の太陽電池モジュールサブアレイを備え、前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各々は、複数の太陽電池モジュールストリングと、前記複数の太陽電池モジュールストリングの出力を一つにまとめる接続箱とを含み、前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各出力電力は、対応する接続箱を介して前記パワーコンディショナの前記複数の入力端子の一つに入力されることが好ましい。
【0015】
本発明において、前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各接続箱の出力端子から延びる複数の配電ラインは、前記パワーコンディショナの前記複数の入力端子にそれぞれ接続されていることが好ましい。この場合において、前記蓄電システムは、前記複数の配電ラインの少なくとも一つに接続されていることが好ましい。この構成によれば、集電盤を用いることなくパワーコンディショナの複数の入力端子を利用して各太陽電池モジュールサブアレイの出力をまとめることができ、設備コストの削減と配線の簡素化を図ることができる。
【0016】
本発明において、前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各々は、前記複数の太陽電池モジュールストリングの各出力端子に接続された逆流防止ダイオードをさらに含み、前記蓄電システムは、前記逆流防止ダイオードを介して前記複数の太陽電池モジュールストリングの各出力端子に並列接続されていてもよい。
【0017】
本発明において、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各接続箱の出力を一つにまとめる集電盤をさらに備え、前記複数の太陽電池モジュールサブアレイの各接続箱の出力端子から延びる複数の配電ラインは、前記集電盤の複数の入力端子にそれぞれ接続されており、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各集電盤の出力は、前記パワーコンディショナの前記複数の入力端子の一つに入力されることが好ましい。この場合において、前記蓄電システムは、各集電盤の複数の入力端子の各々に並列接続されていてもよい。
【0018】
本発明において、前記パワーコンディショナは相互に短絡された複数の入力端子を備え、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、複数の太陽電池モジュールストリングと、前記複数の太陽電池モジュールストリングの各出力端子に接続された逆流防止ダイオードとを含み、前記複数の太陽電池モジュールストリングの各出力端子は、対応する逆流防止ダイオードを介して前記パワーコンディショナの前記複数の入力端子の一つに接続されていることが好ましい。この構成によれば、接続箱を用いることなくパワーコンディショナの複数の入力端子を利用して各太陽電池モジュールストリングの出力をまとめることができ、設備コストの削減と配線の簡素化を図ることができる。
【0019】
本発明において、前記通信インターフェース装置は、第1の通信インターフェースを介して前記パワーコンディショナに接続され、前記充放電コントローラは、前記第1の通信インターフェースと異なる第2の通信インターフェースを介して前記通信インターフェース装置とデータ通信可能な通信部を有することが好ましい。例えば、第1の通信インターフェースはRS485、CAN(Controller Area Network)であり、第2の通信インターフェースは、3G/4G回線などの公衆電話通信回線網、無線LAN(IEEE 802.11)、有線LAN(イーサネット(登録商標))等である。この構成によれば、パワーコンディショナと蓄電システムとの通信のための専用の通信装置を用意することなく、パワーコンディショナと発電監視システムとの間のデータ通信に用いる通信インターフェース装置から放電コントローラに発電監視用データを提供することができる。したがって、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの出力電力とリアルタイムに連動させて蓄電池の充放電を制御することができ、第1及び第2の太陽電池モジュールの発電した電力を無駄にすることなく最大限に活かすことができる。
【0020】
本発明において、前記発電監視システムは、公衆通信ネットワークに接続され、前記公衆通信ネットワークおよび前記第1の通信インターフェースを介して前記パワーコンディショナとデータ通信可能なサーバを含み、前記サーバは、前記パワーコンディショナから提供される前記発電監視用データに基づいて前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの発電状況を管理することが好ましい。ここで、公衆通信ネットワークは、インターネットや携帯電話回線網などである。また、サーバは、パワーコンディショナから一定時間間隔で送られてくる当該パワーコンディショナの入力電力(第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの合計出力電力)及び出力電力を受信してデータベースに保存する。
【0021】
本発明において、前記発電監視システムは、前記公衆通信ネットワーク又はLANを介して前記サーバとデータ通信可能な管理端末をさらに含み、前記管理端末は、前記発電状況を画面表示する表示部を有し、前記サーバは、前記管理端末からの指示に従って前記パワーコンディショナの前記出力制限電力を遠隔制御することが好ましい。このように、パワーコンディショナの出力制限される場合でも、発電電力の無駄をなくして安定的に売電することができる。
【0022】
本発明による太陽光発電システムは、複数の前記蓄電システムを備え、前記複数の蓄電システムの各充放電コントローラは、前記パワーコンディショナから前記通信インターフェース装置を介して前記発電監視システムに提供される前記発電監視用データを利用して、前記蓄電池の充放電を制御することが好ましい。この構成によれば、トータルで大容量となる蓄電システムを低コストで構築することができ、保守等の面でも有利なシステムを実現することができる。
【0023】
本発明による太陽光発電システムは、第1及び第2のパワーコンディショナを含む複数の前記パワーコンディショナを備え、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイの各々は、第1及び第2の太陽電池モジュールサブアレイを含み、前記第1及び第2の太陽電池モジュールサブアレイの出力容量は前記第1及び第2のパワーコンディショナの出力容量よりもそれぞれ大きく、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ内の前記第1の太陽電池モジュールサブアレイの出力電力は前記第1のパワーコンディショナに入力され、前記第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ内の前記第2の太陽電池モジュールサブアレイの出力電力は前記第2のパワーコンディショナに入力され、前記充放電コントローラは、前記第1及び第2のパワーコンディショナの各々から前記通信インターフェース装置を介して前記発電監視システムに提供される前記発電監視用データを利用して、前記蓄電池の充放電を制御してもよい。
【0024】
本発明において、前記蓄電システムは前記蓄電池の容量増設機能を有するラックマウント方式であることが好ましい。この構成によれば、蓄電池の容量のみを容易に増設することができ、容量の増設により夜間により長く電力を供給することができる。また相互にトレードオフの関係にある蓄電池の容量増設コストと電力買取価格とのコストバランスに合わせて、蓄電池の容量設計を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、系統連系しない太陽電池モジュールアレイの増強により電力供給の安定化を図ると共に、蓄電システムを使用して発電した電力の無駄をなくし、これにより太陽電池モジュールアレイ及びパワーコンディショナの能力を最大限に活かすことが可能な太陽光発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、太陽光発電システム1の動作を説明するための図であって、(a)は第1の太陽電池モジュールアレイ10Aの出力電力の時間変化、(b)は第2の太陽電池モジュールアレイ10Bの出力電力の時間変化、(c)はパワーコンディショナ20の出力電力の時間変化、(d)は蓄電池31の充放電状態をそれぞれ示すグラフである。
【
図3】
図3は、本発明の第2の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本発明の第3の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明の第4の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、本発明の第5の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、本発明の第6の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、本発明の第7の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、本発明の第8の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロックである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【0029】
図1に示すように、太陽光発電システム1は、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bと、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの各々から供給される直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ20と、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bが発電した電力を蓄電するとともに、蓄電されている電力をパワーコンディショナ20に供給する蓄電システム30とを備えている。パワーコンディショナ20の出力端子(交流出力端子)は連携用遮断器21を介して商用系統22に接続されている。
【0030】
また太陽光発電システム1は、パワーコンディショナ20の通信ポートに接続された通信インターフェース装置40と、インターネット41を介して通信インターフェース装置40に接続可能であり、この通信インターフェース装置40を介してパワーコンディショナ20とデータ通信可能に構成されたサーバ51と、インターネット41やLAN42を介してサーバ51に接続可能な管理端末52とを備えている。そしてサーバ51及び管理端末52は第1及び第2の太陽光発電モジュールアレイ10A,10Bの発電状況を監視する発電監視システム50を構成している。
【0031】
サーバ51及び管理端末52は、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの発電状況を遠隔監視する発電監視システムを構成しており、サーバ51は、パワーコンディショナ20から提供される発電監視用データに基づいて第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの発電状況を管理する。またサーバ51は、管理端末52からの指示に従ってパワーコンディショナ20の動作を遠隔制御することができ、パワーコンディショナ20の出力制限電力を設定することができる。また、管理端末52は、サーバ51が管理している発電監視用データを取得して、太陽光発電システム1による発電状況を画面表示する。なお発電監視用データとは、少なくともパワーコンディショナ20の入力電力データ及び出力電力データを含む各種データである。
【0032】
第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの各々は、太陽電池の最小単位を構成する太陽電池モジュール(太陽光パネル)を複数枚組み合わせて構成される。複数枚(例えば4枚)の太陽電池モジュールを直列に接続したものを太陽電池モジュールストリング11といい、複数本(例えば3本)の太陽電池モジュールストリング11を並列に接続したものを太陽電池モジュールアレイといい、複数本の太陽電池モジュールストリング11の出力端子の各々は、直流開閉器及び逆流防止ダイオードを含む接続箱12の並列入力端子に接続されて一つの出力に束ねられる。1つの接続箱12によって束ねられた複数本(ここでは3本)の太陽電池モジュールストリング11は、太陽電池モジュールサブアレイ10sを構成しており、本実施形態による第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ1A、10Bの各々は、複数の太陽電池モジュールサブアレイ10sを備えるものである。
【0033】
本実施形態では、1台の接続箱12が3本のストリングを束ねた後、3台の接続箱12の出力を集電盤13でさらに束ねる構成を取っているが、太陽電池モジュールアレイの構成は特に限定されず自由に設定できる。太陽電池モジュールアレイの最終段が接続箱12となる場合、太陽電池モジュールアレイの出力は接続箱12の出力となり、最終段が集電盤13となる場合、太陽電池モジュールアレイの出力は集電盤13の出力となる。
【0034】
第1の太陽電池モジュールアレイ10Aの出力端子は第1の配電ライン23Aの一端に接続されており、第1の配電ライン23Aの他端はパワーコンディショナ20の入力端子20i(直流入力端子)に接続されている。また第2の太陽電池モジュールアレイ10Bの出力端子は第2配電ライン23Bの一端に接続されており、第2の配電ライン23Bの他端は第1の配電ライン23Aの中間点に接続されている。すなわち、第2の太陽電池モジュールアレイ10Bの出力端子は、第2の配電ライン23B及び第1の配電ライン23Aを介してパワーコンディショナ20の入力端子20iに接続されており、第1及び第2の配電ライン23A,23Bは短絡している。したがって、第2の配電ライン23B上の電位は第1の配電ライン23A上の電位と同じになる。
【0035】
このように、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの出力端子が第1及び第2の配電ライン23A,23Bを介して短絡されている場合、両者の出力電位差が過度に大きくならないように配慮する必要がある。つまり実質的に同じ発電条件下に置かれた第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの出力電圧は実質的に等しいことが好ましい。そのためには、第1の太陽電池モジュールアレイ10Aと第2の太陽電池モジュールアレイ10Bとが同一の構成を有し、同一の出力容量(公称出力)を有することが好ましい。実質的に同じ発電条件下に置かれた第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの出力電圧が実質的に等しくならない場合、DC/DCコンバータなどを用いて出力電圧を揃えることが好ましい。
【0036】
本実施形態において、第1の太陽電池モジュールアレイ10A及びパワーコンディショナ20は太陽光発電の基本システムを構成しており、第1の太陽電池モジュールアレイ10Aから独立して設けられた第2の太陽電池モジュールアレイ10B及び蓄電システム30は追加的なシステムを構成している。第1の太陽電池モジュールアレイ10Aだけでは十分とは言えない発電電力を第2の太陽電池モジュールアレイ10Bの増設によって強化することにより、パワーコンディショナ20に多量の電力を安定的に供給することができる。また第2の太陽電池モジュールアレイ10Bの増設によって余剰電力が発生しやすくなるが、システム全体の発電量が多い場合に余剰電力を蓄電することができ、発電した電力の無駄をなくすことができる。
【0037】
本実施形態において、第1の太陽電池モジュールアレイ10Aの出力容量(公称出力)はパワーコンディショナ20の出力容量(公称出力)よりも大きく、特にパワーコンディショナ20の出力容量の1.1〜1.2倍であることが好ましい。例えば、パワーコンディショナ20の出力容量が49kWであるのに対し、第1の太陽電池モジュールアレイ10Aの出力容量は55kWである。そのため、太陽光発電システム1の設置容量はパワーコンディショナ20の出力容量である49kW以下に制限される。この場合、第2の太陽電池モジュールアレイ10Bを追加してシステム全体の発電能力を高めたとしても太陽光発電システム1の出力容量が増加することはなく49kW以下のままである。したがって、設備変更後のシステムが法律上の認定を受ける必要はなく、新たな固定買取価格が適用されることもない。
【0038】
第2の太陽電池モジュールアレイ10Bは、第1の太陽電池モジュールアレイ10Aだけでは十分とは言えないシステム全体の発電量を増強するために設けられている。上記のように、第1及び第2の配電ライン23A,23B間が短絡されているので、第2の太陽電池モジュールアレイ10Bの発電能力(出力容量)は、第1の太陽電池モジュールアレイ10Aの発電能力(出力容量)と同一であることが好ましい。したがって、第2の太陽電池モジュールアレイ10Bの出力容量(公称出力)はパワーコンディショナ20の出力容量(公称出力)よりも大きく、特にパワーコンディショナ20の出力容量の1.1〜1.2倍であることが好ましい。
【0039】
太陽電池モジュールから実際に取り出せる電力は天候や気温によって大きく左右され、公称出力が得られる時間は年間を通してほんのわずかである。例えば、快晴時を100%としたとき、晴れの日は80%程度、曇りの日は30%程度、雨の日は20%程度の電力しか取り出せないと言われている。パワーコンディショナ20の変換効率まで考慮すると、第1の太陽電池モジュールアレイ10Aの実際の出力電力がパワーコンディショナ20によってピークカットされて無駄になる電力量はわずかである。逆に言うと、公称出力いっぱいで動作可能なパワーコンディショナ20の能力を十分に活かしきれていない。そのため、本実施形態ではパワーコンディショナ20の出力容量に比べて十分に大きな(例えば2倍以上の)発電が可能となるように第2の太陽電池モジュールアレイ10Bが増設されている。
【0040】
一方、太陽光発電システム1がパワーコンディショナ20の出力容量を大幅に超える高い発電能力を有する場合、パワーコンディショナ20の出力容量を上回る余剰電力が発生しやすい。しかしこのような余剰電力はすべて大容量の蓄電システム30に回されて蓄電されるので、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A、10Bが発電した電力が無駄になることはない。また特に、増設された第2の太陽電池モジュールアレイ10Bの出力電力のみならず、既設の第1の太陽電池モジュールアレイ10Aの出力電力も蓄電システム30の蓄電池31に蓄電されるので、発電した電力を最大限活かしきることができる。
【0041】
蓄電システム30は、蓄電池31と、充放電コントローラ32とで構成されている。蓄電池31の種類は特に限定されないが、例えばリチウムイオン電池や鉛電池を用いることができる。蓄電システム30は、第2の配電ライン23Bに第2の太陽電池モジュールアレイ10Bと並列に接続されている。
【0042】
蓄電システム30としては、蓄電池31の容量増設機能を有するラックマウント方式の蓄電システムを採用することが好ましい。この方式によれば、蓄電池31の容量のみを容易に増設することができ、容量の増設により夜間により長く電力を供給することができる。また相互にトレードオフの関係にある蓄電池31の容量増設コストと電力買取価格とのコストバランスに合わせて、蓄電池31の容量設計を容易に行うことができる。
【0043】
充放電コントローラ32は、BMU(バッテリーマネジメントユニット)としての機能を有し、蓄電池31の安全性やバランスの制御及び高電圧制御を行う。そのため、充放電コントローラ32はDC/DCコンバータを含み、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの高い出力電力を蓄電池31の低い入力電圧まで降圧するとともに、蓄電池31の低い出力電圧を第1及び2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの高い出力電圧と同じ電圧にまで昇圧する機能を有している。
【0044】
また充放電コントローラ32は、通信インターフェース装置40とデータ通信可能な通信部(通信モジュール)を有し、パワーコンディショナ20と連携して蓄電池31の充放電をリアルタイムに制御する。充放電コントローラ32をパワーコンディショナ20とリアルタイムに連携させる場合、充放電コントローラ32とパワーコンディショナ20とをつなぐ通信制御技術が必要である。本実施形態においては、サーバ51等からパワーコンディショナ20を遠隔制御するためパワーコンディショナ20の通信ポートに接続されている通信インターフェース装置40を利用して充放電コントローラ32とパワーコンディショナ20との通信を確保しているので、専用の通信装置を用意することなく、パワーコンディショナ20から発電監視用データの提供を受けることができる。また、パワーコンディショナ20の通信ポートのインターフェース規格はRS485、CAN等様々であるが、このような様々な通信方式を採用する多種類のパワーコンディショナ20にも容易に対応することができる。充放電コントローラ32は、例えば3G/4G回線などの公衆電話通信回線網や無線LANを介して通信インターフェース装置40に接続される。
【0045】
パワーコンディショナ20は、太陽電池モジュールアレイ10A,10Bによって発電された直流電力を交流電力に変換すると共に、歪みの少ない正弦波を生成する。パワーコンディショナ20は、MPPT(Maximum Power Point Tracker:最大電力点追従)機能を有し、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bから電力を効率よく取りだすことができる。パワーコンディショナ20の入力端子20iは、第1の配電ライン23Aを介して第1の太陽電池モジュールアレイ10Aの出力端子に接続されると共に、第2及び第1の配電ライン23A,23Bを介して第2の太陽電池モジュールアレイ10Bの出力端子に接続される。
【0046】
パワーコンディショナ20は、そのピークカットレベル(出力制限電力)を出力容量以下の任意の値に制限する出力制御機能を有し、パワーコンディショナ20の出力制限電力はサーバ51や管理端末52などの外部装置から遠隔制御することができる。出力制限はMPPTの最大電力点を調整することにより実現される。パワーコンディショナ20の出力制限電力が低く設定されている場合、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bが発電した電力をパワーコンディショナ20にそのまま供給するとピークカットされて無駄な電力が多量に生じることから、充放電コントローラ32はパワーコンディショナ20の出力制限電力を考慮して蓄電池31の充放電量を制御する。
【0047】
第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの出力変動を吸収して電力を安定的に供給(売電)するためには、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの出力変動に合わせて蓄電池31の充放電を制御する必要がある。すなわち、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bからの発電量に合わせてパワーコンディショナ20に供給する電力(電流)と蓄電池31に供給する電力(電流)との配分をリアルタイムに調整する必要がある。このような連携のための通信手段として、パワーコンディショナ20とサーバ51との間の通信に用いる通信インターフェース装置40を利用する。
【0048】
パワーコンディショナ20の通信ポートにはRS485、CANなどのインターフェース規格が採用されているが、通信インターフェース装置40がインターフェース変換を行い、パワーコンディショナ20から定期的に出力される発電監視用データが充放電コントローラ32に転送されるので、蓄電システム30は発電監視用データを取り込むことができ、発電量に合わせて蓄電池31の充放電をリアルタイムに制御することが可能となる。
【0049】
充放電コントローラ32は、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの合計出力電力がパワーコンディショナ20の出力制限電力を上回る場合に、出力制限電力に対する合計出力電力の余剰分を蓄電池31に供給して蓄電池31を充電する。また充放電コントローラ32は、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの合計出力電力がパワーコンディショナ20の出力制限電力を下回る場合に、蓄電池31を放電して出力制限電力に対する合計出力電力の不足分をパワーコンディショナ20に供給する。
【0050】
図2は、太陽光発電システム1の動作を説明するための図であって、(a)は第1の太陽電池モジュールアレイ10Aの出力電力の時間変化、(b)は第2の太陽電池モジュールアレイ10Bの出力電力の時間変化、(c)はパワーコンディショナ20の出力電力の時間変化、(d)は蓄電池31の充放電状態をそれぞれ示すグラフである。ここでは、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの出力容量を共に55kWとし、パワーコンディショナ20の出力制限電力を上限値の49kWとする。
【0051】
図2(a)〜(d)に示すように、日の出から日照量が徐々に増加すると、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの出力電力も増加していき、パワーコンディショナ20の出力電力も増加する(区間T
1)。このとき蓄電池31はまだ空であり充放電動作は行っていない。
【0052】
日照量がさらに増加して発電量が増え、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの各々の出力電力が24.5kWを超えると、合計出力電力が49kWを超えることになるので、余剰電力の蓄電池31への充電が開始される(区間T
2)。また出力制限電力を超えない分の電力はパワーコンディショナ20から出力される。
【0053】
急に曇ったり雨が降ったりするなど、天候が悪化して日照量が一時的に低下すると、太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの発電量も一時的に低下する(区間T
3)。このとき、例えば太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの各々の出力電力が24.5kWを下回り、これにより合計出力電力が49kWを下回ると、そのような出力レベルの低下を監視する充放電コントローラが蓄電池31を放電し、不足電力が供給されるので、パワーコンディショナ20の出力電力は49kWに維持される。
図3(c)において色の濃い部分は蓄電池31から供給された電力を示している。その後、天候が回復すると蓄電池31の放電を停止し、余剰電力の蓄電池31への充電が再開される(区間T
4)。
【0054】
夕方になり日照量が徐々に減少すると第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの出力電力も減少していき、パワーコンディショナ20の出力電力も減少する。そして太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの各々の出力電力の各々が24.5kWを下回ると、合計出力電力が49kWを下回ることになるので、そのような出力レベルの低下を監視する充放電コントローラ32が蓄電池31を放電して不足電力が供給され、蓄電池31からの放電が続くまでパワーコンディショナの出力電力は49kWに維持される(区間T
5)。
【0055】
完全に日が落ちて第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの発電量がゼロになると、パワーコンディショナ20は蓄電池31から放電される電力だけで動作する(区間T
6)。そして蓄電池31が空になると、パワーコンディショナ20の出力も停止する。
【0056】
上記実施形態は、パワーコンディショナ20の出力制限電力を出力容量(49kW)と同一に設定して運用した場合であるが、出力制限電力をパワーコンディショナ20の出力容量よりも低い値(例えば30kW)に設定して運用することも可能である。また特に、出力制限電力は一日の中で変動させてもよく、例えば電力買取価格が時間変動する変動買取制度のもとでは、電力買取価格が安い時間帯に出力制限電力を低く設定してより多くの発電電力を充電に回し、電力買取価格が高い時間帯には出力制限電力を最大に設定してより多くの発電電力を売電に回す。このように、電力買取価格データの提供元から適時取得して当該電力買取価格データに基づいて出力制限電力を変更することで蓄電システム30を最大限に活かすことができる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態による太陽光発電システム1は、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの合計出力電力の余剰分(ピークカット分)を蓄電池31に回して充電し、一時的な曇りの時間帯や夜間など日照量の低下により第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bの出力電力が低下した時に、この蓄電した電力を放電してパワーコンディショナ20に供給するので、第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10Bが発電しなくなっても売電を継続させることができる。また曇りの日でも発電量を増やすことができ、パワーコンディショナ20の能力を最大限に発揮させることができる。またパワーコンディショナ20が出力制御されたときには余剰電力が多くなるが、このような余剰電力も蓄電池31に蓄電するので、発電した電力が無駄になることを防止することができ、蓄電池31の容量を最大限に活かすことができる。
【0058】
図3は、本発明の第2の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【0059】
図3に示すように、太陽光発電システム2の特徴は、パワーコンディショナ20が複数の入力端子20iを有し、第1の配電ライン23Aの他端がパワーコンディショナ20の入力端子20iの一つに接続され、第2の配電ライン23Bの他端がパワーコンディショナ20の入力端子20iの他の一つに接続されている点にある。そしてパワーコンディショナ20の内部で複数の入力端子20iどうしが短絡接続されており、これにより第1及び第2の配電ライン23A,23Bは短絡されている。
【0060】
上記第1の実施の形態では、パワーコンディショナ20の入力端子20iに第1の配電ライン23Aだけが直接接続され、第2の配電ライン23Bはパワーコンディショナ20に直接接続されていないが、本実施形態による太陽光発電システム2は、第1の配電ライン23Aのみならず第2の配電ライン23Bもパワーコンディショナ20に直接接続するものであり、このような構成であっても第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0061】
図4は、本発明の第3の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【0062】
図4に示すように、太陽光発電システム3の特徴は、パワーコンディショナ20が複数の入力端子10iを有し、第1の太陽電池モジュールアレイ10A側の複数の接続箱12の各々から延びる複数の配電ライン24Aと、第2の太陽電池モジュールアレイ10B側の複数の接続箱12の各々から延びる複数の配電ライン24Bとがパワーコンディショナ20の複数の入力端子20iにそれぞれ直接接続されている点にある。そしてパワーコンディショナ20の内部で複数の入力端子20iが相互に短絡接続されており、これにより複数の配電ラインはすべて短絡されている。
【0063】
このように、本実施形態においては集電盤13が省略されている点以外は第2の実施の形態と同様である。したがって、本実施形態は第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。またパワーコンディショナ20側の多数の入力端子20iを活用して集電盤13を省略することで設備コストの低減を図ることもできる。
【0064】
図5は、本発明の第4の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【0065】
図5に示すように、太陽光発電システム4の特徴は、パワーコンディショナ20が複数の入力端子を有し、第1の太陽電池モジュールアレイ10A側の太陽電池モジュールストリング11の各々から延びる複数の配電ライン24Aと、第2の太陽電池モジュールアレイ10B側の太陽電池モジュールストリング11の各々から延びる複数の配電ライン24Bとがパワーコンディショナ20の複数の入力端子20iにそれぞれ接続されている点にある。そしてパワーコンディショナ20の内部で複数の入力端子20iが相互に短絡接続されており、これにより複数の第1及び第2の配電ライン24A,24Bはすべて短絡されている。
【0066】
このように、本実施形態においては集電盤13のみならず接続箱12も省略されているので、各太陽電池モジュールストリング11の出力端子には逆流防止ダイオード14が新たに設置されている。その他の構成は第3の実施の形態と同様である。したがって、本実施形態は第3の実施の形態と同様の効果を奏することができる。またパワーコンディショナ20側の多数の入力端子20iを活用して接続箱12をさらに省略することで設備コストの低減を図ることもできる。
【0067】
図6は、本発明の第5の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【0068】
図6に示すように、太陽光発電システム5の特徴は、蓄電システム30が複数の接続箱12の各々の各出力端子から延びる配電ライン24A、24B(複数の集電盤30の各々の各入力端子)に並列接続されている点にある。このような接続により、すべて接続箱12の出力端子側(すべての集電盤30のすべての入力端子側)はすべて同電位となる。本実施形態のような構成であっても第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0069】
図7は、本発明の第6の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【0070】
図7に示すように、太陽光発電システム6の特徴は、蓄電システム30が逆流防止ダイオード14を介して複数の太陽電池モジュールストリング11の各々の出力端子(複数の接続箱12の各々の各入力端子)に並列接続されている点にある。接続箱12よりも前段で太陽電池モジュールストリング11の各出力端子が短絡されるため、短絡位置よりも前段の各太陽電池モジュールストリング11の出力端子には逆流防止ダイオード14が新たに設置されている。逆流防止ダイオード14としては例えば逆流防止ダイオード付接続コネクタを好ましく用いることができる。本実施形態のような構成であっても第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0071】
図8は、本発明の第7の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【0072】
図8に示すように、太陽光発電システム7の特徴は、複数の蓄電システムを備えて構成されている点にある。すなわち、太陽光発電システム7は、第1の配電ライン23Aに接続された第1の蓄電システム30Aと、第2の配電ライン23Bに接続された第2の蓄電システム30Bとを備え、第1の蓄電システム30Aは第1の蓄電池31Aと第1の充放電コントローラ32Aとで構成されており、第2の蓄電システム30Bは第2の蓄電池31Bと第2の充放電コントローラ32Bとで構成されている。蓄電システムの台数は特に限定されず、3台以上であってもよい。
【0073】
第1及び第2の充放電コントローラ32A,32Bは、通信インターフェース装置40を介してパワーコンディショナ20から提供される発電監視用データを監視しながら第1及び第2の蓄電池31A,41Bをそれぞれ別々に制御するが、同一の発電監視用データに基づいて動作しているので、実際には同じように充放電動作を行う。すなわち、単一の蓄電システムと同じような充放電動作を行うことができる。したがって、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0074】
図9は、本発明の第8の実施の形態による太陽光発電システムの構成を示すブロックである。
【0075】
図9に示すように、太陽光発電システム8の特徴は、複数のパワーコンディショナを用いて構成されている点にある。すなわち、太陽光発電システム8は、第1〜第3のパワーコンディショナ20A、20B,20Cを備え、第1のパワーコンディショナ20Aには第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10B内の接続箱12Aからの出力電力がそれぞれ供給され、第2のパワーコンディショナ20Bには第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10B内の接続箱12Bからの出力電力がそれぞれ供給され、第3のパワーコンディショナ20Cには第1及び第2の太陽電池モジュールアレイ10A,10B内の接続箱12Cからの出力電力がそれぞれ供給される。
【0076】
以上のように、パワーコンディショナの設置台数は1台に限定されるものではなく、複数台のパワーコンディショナを用いてシステムを構成してもよい。各パワーコンディショナ20A〜20Cは通信インターフェース装置40にバス接続されており、各パワーコンディショナ20A〜20Cの発電監視用データは通信インターフェース装置40を介して充放電コントローラ32に提供される。したがって、充放電コントローラ32はこれらの発電監視用データに基づいて蓄電池31の充放電を制御することができ、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0078】
例えば、上記実施形態においては、設置容量が10kW以上50kW未満の太陽光発電システムを例に挙げたが、本発明は設置容量が10kW未満の太陽光発電システムに適用してもよく、また50kW以上の太陽光発電システムに適用することも可能であり、2MW以上の超高圧の太陽光発電システムに適用することも可能である。
【0079】
また、上記実施形態において通信インターフェース装置40はインターネット41を介してサーバ51等に接続されているが、携帯電話通信網などの他の公衆通信ネットワークを介して接続されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1,2,3,4,5,6,7,8 太陽光発電システム
10A 第1の太陽電池モジュールアレイ
10B 第2の太陽電池モジュールアレイ
10s 太陽電池モジュールサブアレイ
11 太陽電池モジュールストリング
12,12A,12B,12C 接続箱
13 集電盤
14 逆流防止ダイオード
20,20A,20B,20C パワーコンディショナ
20i パワーコンディショナの入力端子
21 連携用遮断器
22 商用系統
23A 第1の配電ライン
23B 第2の配電ライン
24A,24B 配電ライン
30,30A,30B 蓄電システム
31,31A,31B 蓄電池
32,32A,32B 充放電コントローラ
40 通信インターフェース装置
41 インターネット
50 発電監視システム
51 サーバ
52 管理端末
【要約】
【課題】太陽電池モジュールアレイ及びパワーコンディショナの能力を最大限に活かして発電した電力の無駄をなくすと共に電力供給の安定化を図る。
【解決手段】太陽光発電システム1は、太陽電池モジュールアレイ10A,10Bから供給される直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ20と、蓄電池31及び充放電コントローラ32を含む蓄電システム30と、通信インターフェース装置40を介してパワーコンディショナ20とデータ通信可能な発電監視システム50とを備え、少なくとも太陽電池モジュールアレイ10Aの出力容量はパワーコンディショナ20の出力容量よりも大きい。充放電コントローラ32は、通信インターフェース装置40とデータ通信可能な通信部を備え、パワーコンディショナ20から通信インターフェース装置40を介して発電監視システム50に提供される発電監視用データを利用して、蓄電池31の充放電を制御する。
【選択図】
図1