【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の第1の態様において、関心対象の循環系における血液内の血液ガス分圧を邪魔にならないように決定する装置が、提示され、前記装置は、
‐現在の本質的な自然な血液温度レベル差を示す温度関連測定値を検出する邪魔にならない温度検出器と、
‐前記温度関連測定値を考慮して前記対象の血液の酸素飽和度測定値を導出する邪魔にならない酸素飽和度センサと、
‐前記対象の現在の血液温度レベル差を示す前記温度関連測定値を考慮して前記導出された酸素飽和度測定値から前記監視される対象の血液ガス分圧を決定する血液ガス圧プロセッサと、
を有する。
【0031】
本発明は、監視される対象(又は患者)内に存在する本質的な自然な血液温度差及び/又は変化が、酸素飽和度(SpO
2)及び血液温度に対する実際の依存性を決定するのに使用されうるという洞察に基づく。したがって、例えば、SpO
2値及び対応する温度値の間の関係は、ヘモグロビン酸素解離曲線のような形式的関係に関連して考慮されることができるので、単なるSpO
2検出は、血液ガス分圧測定に拡張されることができ、前記ヘモグロビン酸素解離曲線に基づいて、所望の血液ガス分圧が導出されることができる。例えば、前記対象の動脈血内の二酸化炭素分圧の決定が、対処されることができる。更に、酸素分圧も、測定の対象であることができる。言うまでもなく、そこから推測される測定値も、導出されることができる。換言すると、前記対象の血液内の二酸化炭素分圧の決定に対処する場合に、酸素飽和度を表す値及び温度を表す値を有する値の対が、基本的に同時に検出されることができ、これは、他の形式的関係を考慮して酸素ヘモグロビン解離曲線(OHDC)から二酸化炭素分圧(PaCO
2)を推測することを可能にする。これに関連して、Guidelines for Blood Gas and pH Analysis and Related Measurementにおいて臨床・検査標準協会(CLSI)により開示されるヘンダーソン・ハッセルバルヒの単純化及び標準化された形式を使用する例を示すWO2012/077065A1が参照される。更に、WO98/03847A2も、これに関して参照される。この文献は、血液パラメータの非侵襲的決定に対する装置を開示する。また、この文献は、患者の血液における二酸化炭素パラメータの計算に対処する。更に、ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式の使用は、この文献に記載されている。
【0032】
しかしながら、従来技術とは対照的に、本開示の装置は、温度変化を誘導するのではなく、決定及び検出するように更に構成される。結果的に、能動的温度管理が、「受動的」温度測定により置き換えられ、これは、単純化された測定及び処理機器を可能にする。このようにして、ほとんど邪魔にならない血液ガス圧測定が、達成される。これは、特に、前記温度検出器及び前記酸素飽和度センサが、邪魔にならないセンサとして構成される場合に適用される。好ましくは、前記温度検出器及び前記酸素飽和度センサの少なくとも1つが、光センサとして構成される。より好ましくは、前記温度検出器及び前記酸素飽和度センサの少なくとも1つが、非接触測定を可能にする遠隔光センサに配置される。
【0033】
上に示されたように、酸素飽和度検出に対する非接触光電式容積脈波記録アプローチは、近年、導入されている。これに関連して、光電式容積脈波信号が環境光及び従来の消費者レベルビデオカメラを使用して遠隔で測定されることができることを示すVerkruysse et al., "Remote plethysmographic imaging using ambient light", Optics Express, 16(26), 22 December 2008, pp. 21434-21445が、参照される。
【0034】
カメラベースの非接触生理学的測定は、所望のバイタルサイン情報を抽出するのに適切な波長における十分な光を要求する。これは、環境照明が適切にセットアップされることを保証することにより達成されることができる。睡眠時間中に、しかしながら、照明が測定中にオンにされなければならない場合に、これは、患者又は他の監視対象にとって大きな不快感であることができる。更に、照明の光スペクトルが要件を満たすことが重要である。例えば、規定された波長、典型的には赤及び赤外の光を持つことが、血液の酸素飽和度を測定するのに重要である。
【0035】
Wieringa, et al., "Contactless Multiple Wavelength Photoplethysmographic Imaging: A First Step Toward "SpO2 Camera" Technology," Ann. Biomed. Eng. 33, 1034-1041 (2005)は、異なる波長におけるプレチスモグラフ信号の測定に基づく組織内の動脈血酸素飽和度の非接触撮像に対する遠隔PPGシステムを開示している。前記システムは、モノクロCMOSカメラ及び3つの異なる波長のLEDを持つ光源を有する。前記カメラは、前記3つの異なる波長において前記対象の3つの動画を順次的に取得する。脈拍は、単一の波長におけるシーケンスから決定されることができるのに対し、異なる波長における少なくとも2つの動画は、酸素飽和度を決定するのに要求される。Wieringa, et al.によると、前記測定は、一度に1つの波長のみを使用して、暗い部屋で実行される。
【0036】
接触パルスオキシメータは、典型的には、関心対象の血管組織を通る赤(R)及び赤外(IR)(又は、より正確には、場合により近赤外)光を送る。それぞれの光部分(R/IR)は、交互に(高速切り替えで)送信及び検出されることができる。それぞれのスペクトル部分が、酸化ヘモグロビン(HbO
2)及び還元ヘモグロビン(Hb)により異なって吸収されると仮定すると、血液酸素飽和度は、最終的に処理されることができる。酸素飽和度(SO
2)推定アルゴリズムは、前記赤及び赤外部分に関連する信号の比を使用することができる。更に、前記アルゴリズムは、非脈動信号成分を考慮することができる。典型的には、PPG信号は、DC成分及び比較的小さい脈動するAC成分を有する。更に、SO
2推定は、一般に、処理された値に適用される経験的に導出された較正係数を含む。
【0037】
典型的には、前記較正係数(又は較正曲線)は、侵襲的血液酸素飽和度測定を含む基準測定に基づいて決定される。PPG装置は、基本的に、典型的にはHbO
2及びHbの比を含む血液酸素飽和度値に変換されなければならない(スペクトル)信号部分の比を検出するので、較正係数が、必要とされる。例えば、本開示を限定することを意図しないが、血液酸素飽和度推定は、以下の一般的な式、
SO
2=HbO
2/(HbO
2+Hb) (2)
に基づくことができるのに対し、PPG装置は、間接的に少なくとも2つの波長におけるスペクトル応答からHbO
2及びHbを単に検出する。
【0038】
一般に、特徴信号としての測定された強度曲線28、29は、かなり一定の(DC)部分及び前記DC部分に重なる交流(AC)部分を含むと見なされる。信号処理方策を適用して、前記AC部分は、抽出され、更に、かく乱を補償されることができる。例えば、前記特徴信号の前記AC部分は、前記対象の血管活動、特に心拍を高度に示すことができる優位周波数を有することができる。まだ、前記特徴信号、特に前記AC部分は、他のバイタルパラメータを示すことができる。この関連で、動脈血酸素飽和度の検出は、重要な応用分野である。
【0039】
上に示されたように、基本的に、動脈血酸素飽和度を表す値は、異なるスペクトル部分における前記特徴信号の前記AC部分の振る舞いを考慮に入れて計算されることができる。換言すると、動脈血酸素飽和度の度合いは、血管における異なる放射線吸収に反映されることができる。更に、酸素化度による吸収の差も異なるスペクトル部分にわたり大幅に変化するという事実を使用することができる。更に、前記信号のDC成分も、血液酸素飽和度検出に対して使用されることができる。典型的には、前記DC成分は、前記組織、静脈血、及び非脈動動脈血の全体的な光吸収を表す。一方、前記AC成分は、脈動する動脈血の吸収を表しうる。結果的に、動脈血酸素飽和度(SaO
2)の決定は、
SaO
2=C・(AC/DC)
red/(AC/DC)
infrared (3)
と表されることができ、ここでCは、較正パラメータである。Cは、AC/DC関係に適用可能な多種多様な較正パラメータを表してもよく、したがって、式(3)の厳密な代数的意味で解釈されるべきではない。Cは、例えば、固定の定数、固定の定数のセット又は調整可能な較正パラメータを表してもよい。例として、他の典型的なSaO
2導出モデルは、
SaO
2=C
1+C
2・(AC/DC)
red/(AC/DC)
infrared (4)
と表されることができ、ここでC
1及びC
2は、線形近似の較正パラメータと見なされることができる。他の実施例において、信号較正パラメータ決定は、パラメータC
1を調整又は適合させることを対象とすることができる。まだ、代案において、SaO
2導出は、分析ユニット内に配置された(又はこれによりアクセス可能な)値表に基づいてもよい。前記値表(又はデータベース)は、検出されたPPG信号と所望の較正パラメータとの間の関係の離散表現を提供しうる。また、この場合、適応可能な較正パラメータが、バイタルパラメータ決定の精度を改良するように使用されてもよい。
【0040】
式(3)及び(4)が、主に例示目的で提示されていると理解されるべきである。これらは、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。実際に、当業者は、他の適切なSaO
2導出モデルを決定及び確立してもよい。代替的な波長の組み合わせ、例えば緑及び赤が、検出されるべき物質に依存して使用されることができる。SaO
2の測定が、詳細に記載されているが、これは、血液及び/又は組織内の物質の濃度を測定する一般概念に対する一例として理解されるべきである。
【0041】
血液ガス分圧を決定する、特に血液内の二酸化炭素分圧を決定する前記装置は、SpO
2検出に対してこのような原理を使用することができる。更に、代わり又は加えて、熱カメラのような遠隔温度検出器は、前記酸素飽和度測定に対する測定側において又は近くで温度を遠隔で感知するのに使用されることができる。言うまでもなく、基本的に血液温度ではなく皮膚温度(表面温度)が前記温度測定器により検出されることができるので、前記温度検出器は、温度関連測定値を検出するように構成されることができる。しかしながら、前記温度関連測定に基づいて、血液温度レベルが、計算及び導出されることができる。
【0042】
このようにして、酸素飽和度値及び関連する温度関連値の適切な対が得られることができるので、二酸化炭素分圧のような血液ガス分圧の決定に対する適切な基準が、確立されることができる。
【0043】
本開示の他の態様によると、前記血液ガス分圧は、二酸化炭素分圧であり、前記血液ガス圧プロセッサは、二酸化炭素分圧プロセッサとして構成され、前記血液ガス圧プロセッサは、前記対象の現在の血液pH値に起因するpHを表す値を決定するように更に構成される。
【0044】
このようにして、前記装置は、酸素解離曲線を考慮して前記対象の動脈血のpH値を導出することにより前記導出された酸素飽和度測定値から二酸化炭素分圧を決定するように構成される。更に、ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式は、二酸化炭素分圧を導出するときに考慮に入れられることができる。
【0045】
酸素飽和度検出は、温度検出に沿って実行されることができるので、前記導出された酸素飽和度測定値の変化が、基本的に前記温度検出器により検出された温度変化により引き起こされると仮定されてもよい。この関係を仮定して、pH値は、酸素解離曲線(ODC)から導出されることができる。結果的に、ヘンダーソン・ハッセルバルヒの式をこうして、前記血液ガス分圧、特に二酸化炭素分圧は、計算されることができる。
【0046】
他の態様によると、前記温度検出器は、前記対象の皮膚における少なくとも2つの測定ゾーンを監視するように更に構成され、前記少なくとも2つの測定ゾーンは、異なる血液温度レベルを示す。
【0047】
結果的に、前記酸素飽和度センサも、これに応じて構成されるべきであり、すなわち、好ましくは、温度検出及び酸素飽和度検出は、基本的に同じ測定サイト又は少なくとも基本的に隣接した測定サイトにおいて実行される。このようにして、前記酸素飽和度値とそれぞれの温度値との間の密接な関係が、保証されることができる。これに関連して、ほんの少しの温度差が、所望の信号を検出及び導出するのに使用されることができることが強調される。結果的に、前記対象の皮膚における測定サイトを能動的に加熱又は冷却することにより血液温度レベルを変調し、能動的温度測定を実行する更なる必要性が存在しない。
【0048】
更に好適なのは、これに関連して、前記温度検出器が複数の測定スポットにおいて温度値を検出するように構成されることである。例えば、前記温度検出器が、光検出器として構成される場合、前記関心対象のかなり大きな表面部分の温度が、監視されることができる。このようにして、前記血液ガス圧プロセッサは、酸素飽和度測定サイトを囲む複数の温度測定サイトに基づいて現在の酸素飽和度測定サイトにおける実際の温度を補間する温度補間を実行するように更に構成されることができる。このようにして、まさに酸素飽和度測定スポットにおける温度効果は、全体的な血液ガス分圧決定精度に作用することができない。
【0049】
前記血液ガス圧プロセッサは、様々な最適化要件に基づいて測定スポット及び/又は測定場所を選択するように更に構成されてもよい。例えば、現在の測定において最小の二酸化炭素分圧を補償する測定サイトが、選択されることができる。換言すると、複数の測定スポット又はサイトが、監視されることができ、同時に、最適化アルゴリズムに基づいて、これらのスポット又はサイトのみが、更なる処理に対して選択され、これが、高い精度を達成しうる。
【0050】
前記装置の他の態様によると、前記温度検出器は、実際の温度値を示す電磁放射線を感知する少なくとも1つのセンサ要素を有する光検出器として構成されることができる。
【0051】
この実施例は、更に発展されることができ、前記温度検出器が、熱撮像センサ、特に熱撮像カメラとして構成される。
【0052】
基本的に、熱撮像センサは、遠隔センサとして、例えば赤外放射線を感知することができる少なくとも1つのフォトダイオードを有するセンサとして、構成されることができる。このような熱撮像センサは、前記対象の皮膚に取り付けられるように構成されることができる。しかしながら、代案において、赤外波長範囲における電磁放射線を感知する少なくとも1つのダイオードを有する熱撮像センサは、遠隔非接触センサとして構成されることができる。前記温度検出器が、熱撮像カメラとして構成される場合、複数のセンサ要素、例えばセンサ要素のアレイが、提供されることができる。このようなアレイは、例えば、CMOSセンサ(相補型金属酸化膜半導体センサ)として、及びCCDセンサ(電荷結合素子センサ)等として構成されることができる。好ましくは、前記センサアレイは、センサパネルとして構成される。更に好適なのは、これらのパネルが、赤外スペクトルにおける入射放射線を検出するように動作可能であることである。
【0053】
前記装置の他の実施例によると、前記温度検出器は、前記対象の皮膚に取り付け可能な少なくとも1つの光学的温度インジケータを更に有し、前記少なくとも1つの光学的温度インジケータは、温度の変化に応答する特性変化を示すことができる。例として、前記少なくとも1つの光学的温度インジケータは、いわゆる熱変色性物質及び材料を使用することができる。このようにして、前記関心対象における温度を「直接的に」測定することができる温度検出器の必要性が存在しない。例えば、画像処理を使用して、(色変化のような)前記少なくとも1つの光学的温度インジケータの検出された特性変化は、根本的な温度変化を導出するように検出及び分析されることができる。前記酸素飽和度測定が、ビデオカメラのような撮像装置を使用して実行されることができると仮定すると、基本的に同じ撮像装置が、酸素飽和度を示す値及び温度を示す値を検出するのに使用されることができる。ビデオデータは、温度関連情報及び酸素飽和度値の検出を可能にする皮膚特性の最小の変化の表現を含む皮膚表現を抽出するように取得及び分析されることができる。
【0054】
この実施例は、更に発展されることができ、前記少なくとも1つの光学的温度インジケータは、少なくとも部分的に透明な温度インジケータとして構成される。このようにして、温度検出及び酸素飽和度検出は、基本的に同じ測定サイトにおいて、又は互いに隣接しているそれぞれの測定サイトにおいて実行されることができる。
【0055】
前記装置の他の態様によると、前記酸素飽和度センサは、対象の組織内の血流を示す少なくとも2つの異なる波長部分において電磁放射線を感知することができる光センサとして構成される。このために、前記酸素飽和度センサは、少なくとも2つの波長部分において電磁放射線を選択的に放射することができる光源と結合される少なくとも1つのフォトダイオードを設けられてもよい。前記光源を常に切り替える又は交代させる及び対応して前記少なくとも1つのフォトダイオードを同期させることは、最終的に酸素飽和度値を導出するように処理及び分析されることができる前記少なくとも2つの波長部分における電磁放射線の交互の検出を可能にしうる。代案において、異なる波長部分に割り当てられる少なくとも2つのフォトダイオードが、使用されてもよい。
【0056】
前記装置の他の態様によると、前記酸素飽和度センサは、画像センサとして、特に少なくとも1つの特定の波長範囲内の電磁放射線を感知することができる撮像カメラとして、構成される。例として、前記撮像カメラは、可視放射線を感知することができる。前記撮像カメラが、拡張された応答性を持ち、赤外波長範囲内の電磁放射線も感知することを可能にすることは、更に有利であることができる。このようにして、赤外放射線、例えば温度を示す皮膚表現に沿った可視放射線、例えば皮膚表現が、取得されることができる。上に示されるように、一部の実施例において、撮像カメラのような単一の撮像センサが、温度検出に対して及び酸素飽和度測定検出に対して使用されることができる。
【0057】
特に好適なのは、温度検出及び酸素飽和度測定が、邪魔にならないように遠隔で実行されることである。これは、検出器、センサ又はセンサ要素が前記対象の皮膚に取り付けられないことを意味してもよい。このようにして、ほとんど邪魔にならない測定が、達成されることができる。言うまでもなく、遠隔撮像カメラを使用するこのような実施例も、前記対象の皮膚に取り付けられる少なくとも1つの光学的温度インジケータと組み合わせられることができる。
【0058】
まだ、しかしながら、一部の実施例において、前記温度検出器は、前記対象の皮膚に取り付け可能である接触センサとして構成されることができる。異なる温度レベルを検出するために、前記温度検出器は、前記対象の皮膚に取り付けられてもよい複数の温度検出器要素を有してもよい。結果的に、対象における異なる温度レベルが、検出されることができ、これは、所望の血液ガス分圧を決定するのに使用されてもよい。
【0059】
前記装置の他の態様によると、前記温度検出器及び前記酸素飽和度センサは、更に、血液温度及び血液酸素飽和度のサイクル間変化を検出することを可能にするサンプリングレートで動作することができる。血管内の脈動する血液の局所的温度が、サイクル間冷却効果により心拍サイクル中に変化しうることが、観測された。結果的に、温度測定及び酸素飽和度測定を同期させることは、有益である。前記サイクル間血液温度変化が、典型的には、増大する血液体積流とともに及びそれぞれの血管、例えば、動脈と、前記測定が行われる皮膚部分との間の増大する距離とともに減少しうる振幅を持つことが、更に観測されている。
【0060】
前記サイクル間変化を検出すること及び温度測定及び飽和度測定を同期させることは、要求される測定場所及び/又は測定サイトの数を大幅に減少させるのに寄与することができる。換言すると、異なる場所における血液の温度及び酸素飽和度の測定は、少なくとも部分的に、心拍サイクル内の異なる時間的段階及び/又は時間的瞬間における温度及び酸素飽和度の測定により置き換えられることができる。観測される効果は、皮膚血流及び同様の循環パラメータを測定するのに更に使用されることができる。結果的に、本開示の装置は、患者監視における更に幅広い応用を見つけうる。
【0061】
心拍による前記患者のサイクル間熱変動が、脈動する(動脈)血液が測定されるインジケータであってもよいことが、更に観測されている。結果的に、これらの変動を検出することは、実際の測定が診断的に関連し、確実であることを保証する動脈血ガスパラメータが検出されるという標示と見なされうる。
【0062】
例えば、サンプリングレートは、約10乃至30Hz又はそれ以上の範囲内で選択されうる。ここで使用される、サイクル間変化は、心拍サイクル及び/又は呼吸速度サイクル内の温度変化及び酸素飽和度を表しうる。かなり高いサンプリングレートが可能であると仮定して、前記装置は、循環周期内の時間依存検出のために有利に構成されることができる。このようにして、高解像度測定が、達成されることができる。これは、このようにして、心拍又は呼吸速度周期内の温度変化が、対応する酸素飽和度測定値に沿って検出されることができるので、更に有利でありうる。結果的に、理論的に、温度検出に対する単一の測定サイト及び酸素飽和度測定に対する単一の測定サイトが、前述の主要な態様によって所望の血液ガス分圧を導出するのに十分であることができる。
【0063】
言うまでもなく、更に好適なのは、温度検出及び酸素飽和度測定が同期されることである。例えば、前記血液ガス圧プロセッサは、所望のサンプリングレートで測定を開始することができるクロック発生器及び/又は時間トラッカを有してもよい。
【0064】
本発明の他の態様において、患者を換気するシステムが、提示され、前記システムは、先行する態様のいずれかによる装置と、患者換気インタフェースとを有し、前記温度検出器は、前記患者の換気インタフェースに取り付けられる。本開示の前述の装置を使用して、血液ガス分圧の正確な決定が可能にされると仮定すると、換気パラメータは、改良された患者治療を可能にするように調整されうる。これは、いくつかの肺疾患を患う患者に対して特に有利である。
【0065】
これに関連して更に有利なのは、前記温度検出器及び前記酸素飽和度センサの少なくとも1つが、換気治療中に前記患者に使用される換気マスクのような患者インタフェースに取り付けられることができることである。結果的に、接触監視又はほぼ接触監視が、達成されることができ、これは、単純化された検出器及び/又はセンサを可能にしうる。例えば、赤外放射線及び/又は近赤外放射線を感知することができる少なくとも1つのダイオードが、温度検出のために前記患者換気インタフェースに取り付けられることができる。更に、カメラ又はフォトダイオードのアレイのようなかなり単純な画像センサが、酸素飽和度を検出及び監視するように前記患者換気インタフェースに結合されることができる。前記温度検出器及び前記酸素飽和度センサの各々は、前記患者換気インタフェース内である前記患者の皮膚部分又は前記患者換気インタフェースの外側に配置される前記患者の皮膚部分のいずれかを監視するように構成されうる。
【0066】
本発明の他の態様において、関心対象の循環系における血液内の血液ガス分圧を邪魔にならないように決定する方法が、提示され、前記方法は、以下のステップ、すなわち、
‐対象の血液の現在の本質的な自然な温度レベル差を示す温度関連測定値を邪魔にならないように検出するステップと、
‐前記温度関連測定値を考慮して前記対象の血液の酸素飽和度測定値を邪魔にならないように導出するステップと、
‐前記対象の現在の血液温度レベル差を考慮して前記導出された酸素飽和度測定値から監視される対象の血液ガス分圧を決定するステップと、
を有する。
【0067】
前記血液ガス分圧を決定するステップは、前記対象の現在の血液pH値に起因するpHを表す値を決定するステップを更に有してもよく、好ましくは、前記対象の血液の温度関連測定値を検出することに起因する前記血液の前記導出された酸素飽和度測定値の変化を考慮した酸素解離曲線からの前記pHを表す値の導出を有する。
【0068】
本発明の他の態様において、医療装置又はシステムの一部であるコンピュータ上で実行される場合に前記方法のステップを当該コンピュータに実行させるプログラムコード手段を有するコンピュータプログラムが、提供される。ここで使用される、用語「コンピュータ」は、多種多様な処理装置を表しうる。換言すると、相当な計算能力を持つモバイル装置も、標準的な「コンピュータ」より少ない処理パワーリソースを提供するにもかかわらず、コンピューティング装置と称されることができる。言うまでもなく、このような「コンピュータ」は、医療装置及び/又はシステムの一部であることができる。更に、用語「コンピュータ」は、クラウド環境において提供される計算能力を含みうる又は使用しうる分散型コンピューティング装置を指してもよい。用語「コンピュータ」は、一般に、データを処理することができる医療技術装置、フィットネス機器装置、及び監視装置に関してもよい。本開示の好適な実施例は、従属請求項に規定される。請求された方法及び請求されたコンピュータプログラムが、従属装置請求項に規定されるように請求された装置と同様の好適な実施例を持つことができると理解されるべきである。
【0069】
本発明の好適な実施例は、従属請求項に規定される。請求された方法が、従属請求項に規定されるように請求された装置と同様の及び/又は同一の好適な実施例を持つと理解されるべきである。
【0070】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例を参照して説明され、明らかになる。