特許第6017727号(P6017727)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017727
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】誘導障害低減装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20161020BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   A61B18/12
   A61B8/14
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-509458(P2016-509458)
(86)(22)【出願日】2014年4月24日
(65)【公表番号】特表2016-522703(P2016-522703A)
(43)【公表日】2016年8月4日
(86)【国際出願番号】EP2014058298
(87)【国際公開番号】WO2014173990
(87)【国際公開日】20141030
【審査請求日】2015年10月22日
(31)【優先権主張番号】13165037.6
(32)【優先日】2013年4月24日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】バドゼラール フランシスクス パウルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】デラディ スザボルクス
【審査官】 冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−516305(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/066445(WO,A2)
【文献】 国際公開第2012/087956(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を切除するために使用され得る無線周波数切除電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるときにもたらされる、前記電気コネクタの第一の接続導体を介して送信されるべき信号の誘導障害を低減するための誘導障害低減装置であって、前記電気コネクタが切除カテーテルを無線周波数切除電流源に電気的に接続するように構成され、前記誘導障害低減装置は、
-前記信号を送信するための前記電気コネクタの前記第一の接続導体に電気的に接続されるための第一の導体と、
-前記電流を伝導するための前記電気コネクタの前記第二の接続導体に電気的に接続されるための第二の導体と
を有し、前記誘導障害低減装置の前記第一の導体及び前記第二の導体は、前記電流が前記誘導障害低減装置の前記第一の導体を通じて流れるとき、前記誘導障害低減装置の前記第一の導体において、前記電流が前記電気コネクタの前記第二の接続導体を通じて流れるとき前記電気コネクタの前記第一の接続導体において誘導される電圧を少なくとも部分的に補償する、電圧が誘導されるように構成される、誘導障害低減装置。
【請求項2】
前記誘導障害低減装置の前記第一の導体は、超音波検出信号を送信するように構成される、請求項1に記載の誘導障害低減装置。
【請求項3】
前記電気コネクタの前記第一の接続導体の少なくとも一つは、前記電気コネクタの前記第一の接続導体の他の一つよりも前記電気コネクタの前記第二の接続導体に近く、前記電気コネクタの前記第二の接続導体により近い、前記電気コネクタの前記第一の接続導体に電気的に接続されるための前記誘導障害低減装置の複数の前記第一の導体のうちの一つの前記第一の導体は、前記電気コネクタの前記第二の接続導体から、より遠く離れている、前記電気コネクタの前記第一の接続導体に電気的に接続されるための前記誘導障害低減装置の他の前記第一の導体よりも前記誘導障害低減装置の前記第二の導体から遠く離れている、請求項1に記載の誘導障害低減装置。
【請求項4】
前記電気コネクタの前記第一の接続導体及び前記第二の接続導体は少なくとも部分的に直線状であり、前記誘導障害低減装置の前記第一の導体及び前記第二の導体は少なくとも部分的に直線状であり、前記電気コネクタの前記第二の接続導体の直線部分により近い、前記電気コネクタの前記第一の接続導体の直線部分に電気的に接続されるための前記誘導障害低減装置の複数の前記第一の導体のうちの一つの前記第一の導体の直線部分は、前記電気コネクタの前記第二の接続導体の直線部分から遠く離れている、前記電気コネクタの前記第一の接続導体の直線部分に電気的に接続されるための前記誘導障害低減装置の複数の前記第一の導体のうちの他の前記第一の導体の直線部分よりも前記誘導障害低減装置の前記第二の導体の直線部分から遠く離れている、請求項3に記載の誘導障害低減装置。
【請求項5】
前記誘導障害低減装置は、前記電気コネクタに組み込まれるか、又は接続される、請求項1に記載の誘導障害低減装置。
【請求項6】
前記電気コネクタは、信号を送信するための前記第一の導体及び電流を伝導するための前記第二の導体を電気的に接続させるために接続可能である、分離された第一及び第二の部分を有し、前記誘導障害低減装置は前記第一及び第二の部分の一つに組み込まれるか、又は接続される、請求項5に記載の誘導障害低減装置。
【請求項7】
前記誘導障害低減装置は、信号を送信するための前記第一の導体及び電流を伝導するための前記第二の導体を有するケーブルに組み込まれ、前記ケーブルは前記電気コネクタに接続されるように構成されるか、又は前記ケーブルは前記電気コネクタに接続される、請求項1に記載の誘導障害低減装置。
【請求項8】
誘導障害装置の前記第一の導体及び前記第二の導体は、前記誘導障害低減装置として、オーバーモールドされたコンポーネントを形成するためにオーバーモールドされる、請求項1に記載の誘導障害低減装置。
【請求項9】
前記誘導障害低減装置は、前記第一の導体及び前記第二の導体が構成されるフレキシブルホイル又はプリント回路基板を有する、請求項1に記載の誘導障害低減装置。
【請求項10】
電気コネクタであって、前記電気コネクタは、切除カテーテルを無線周波数切除電流源に電気的に接続するように構成され、
-信号を送信するための前記第一の導体を電気的に接続するための前記第一の接続導体と、
-電流が前記第二の接続導体を通じて流れるとき、前記第一の接続導体において電圧が誘導され、組織を切除するために使用され得る前記無線周波数切除電流を伝導するための前記第二の導体を接続するための前記第二の接続導体と、
-請求項1に記載の前記誘導障害低減装置と
を有する、電気コネクタ。
【請求項11】
ケーブルであって、前記ケーブルは、
-信号を送信するための前記第一の導体と、
-組織を切除するために使用され得る無線周波数切除電流を伝導するための前記第二の導体と
を有し、前記ケーブルは前記電気コネクタに接続されるように構成され、又は前記ケーブルは前記電気コネクタに接続され、前記電気コネクタは切除カテーテルを無線周波数切除電流源に電気的に接続するように構成され、前記電気コネクタは、前記信号を送信するための前記ケーブルの前記第一の導体を電気的に接続するための前記第一の接続導体及び前記電流を伝導するための前記ケーブルの前記第二の導体を電気的に接続するための前記第二の接続導体を有し、前記第一の接続導体において、電流が前記第二の接続導体を通じて流れるとき電圧が誘導され、前記ケーブルは、
-請求項1に記載の前記誘導障害低減装置
を有する、ケーブル。
【請求項12】
組織を切除するために使用され得る無線周波数切除電流が前記電気コネクタの前記第二の接続導体を通じて流れるときにもたらされる、前記電気コネクタの前記第一の接続導体を介して送信されるべき信号の誘導障害を低減するための、請求項1に記載の前記誘導障害低減装置を製造するための製造装置において、前記電気コネクタは切除カテーテルを無線周波数切除電流源に電気的に接続するように構成され、前記製造装置は、
-前記信号を送信するための前記電気コネクタの前記第一の接続導体に電気的に接続されるための前記誘導障害低減装置の前記第一の導体及び前記電流を伝導するための前記電気コネクタの前記第二の接続導体に電気的に接続されるための前記誘導障害低減装置の前記第二の導体をもたらすための電気導体供給ユニットと、
-前記電流が前記誘導障害低減装置の前記第一の導体を通じて流れるとき、前記誘導障害低減装置の前記第一の導体において、前記電流が前記電気コネクタの前記第二の接続導体を通じて流れるとき前記電気コネクタの前記第一の接続導体において誘導される電圧を少なくとも部分的に補償する、電圧が誘導されるように、前記誘導障害低減装置の前記第一の導体及び前記第二の導体を構成するための構成ユニットと
を有する、製造装置。
【請求項13】
組織を切除するために使用され得る無線周波数切除電流が前記電気コネクタの前記第二の接続導体を通じて流れるときもたらされる、前記電気コネクタの前記第一の接続導体を介して送信されるべき信号の誘導障害を低減するための、請求項1に記載の前記誘導障害低減装置を製造するための製造方法において、前記電気コネクタは切除カテーテルを無線周波数切除電流源に電気的に接続するように構成され、前記製造方法は、
-電気導体供給ユニットによって、前記電流を伝導するための前記電気コネクタの前記第二の接続導体に電気的に接続されるための前記誘導障害低減装置の前記第二の導体、及び前記信号を送信するための前記電気コネクタの前記第一の接続導体に電気的に接続されるための前記誘導障害低減装置の前記第一の導体をもたらすステップと、
-構成ユニットによって、前記電流が前記誘導障害低減装置の前記第一の導体を通じて流れるとき、前記誘導障害低減装置の前記第一の導体において、前記電流が前記電気コネクタの前記第二の接続導体を通じて流れるとき前記電気コネクタの前記第一の接続導体において誘導される電圧を少なくとも部分的に補償する、電圧が誘導されるように、前記誘導障害低減装置の前記第一の導体及び前記第二の導体を構成するステップと
を有する、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるときにもたらされる、電気コネクタの第一の接続導体を介して送信されるべき信号の誘導障害を低減する誘導障害低減装置に関する。本発明は更に、誘導障害低減装置を有する電気コネクタ及び誘導障害低減装置を有するケーブルに関する。また、本発明は、誘導障害低減装置を製造するための製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの最小限の侵襲性の介入において、治療とモニタリング機能が組み込まれる多目的カテーテルが使用される。このような多目的カテーテルの一つの例は、無線周波数(RF)切除チップ(先端部)及びたとえば、リアルタイムにおける損傷深さをモニタリングするために使用され得る感受性超音波素子、すなわち超音波トランスデューサ(振動子)を有する切除カテーテルである。切除カテーテルは、外部切除電流源から切除カテーテルのチップまでRF切除電流を伝導させるための高電流切除ワイヤと、切除カテーテルのチップにおいて構成される超音波素子から外部超音波制御ユニットまで超音波信号を送信するための信号ワイヤとを有する。高電流切除ワイヤを通じて流れる高電流によって生成される磁場が信号ワイヤ内にかなりの誘導電圧を誘導しないように、切除カテーテル内で高電流切除ワイヤ及び信号ワイヤは通常、互いから十分に遮蔽(シールド)される。しかしながら、電気コネクタが、高電流切除ワイヤ及び信号ワイヤをそれぞれ、切除電流源及び超音波制御ユニットに電気的に接続するために使用され、電気コネクタ内において、信号ワイヤは高電流切除ワイヤを通じて流れる高い切除電流によって生成される磁場からあまり遮蔽されず、これにより、送信されるべき超音波信号に干渉する、信号ワイヤにおける誘導電圧がもたらされ、それ故に送信された超音波信号の品質は下げられてもよい。
【0003】
国際特許出願第WO 99/27627号は、スルーホールを規定するキャパシタガスケットと、キャパシタガスケットに隣接して、及びキャパシタガスケットの複数のキャパシタと電気的コンタクト(接触)して結合される導電プレートと、薄い領域を各々有する一対の導電性コンタクトとを有し、導電性コンタクトは信号線の差動対に結合される装置を開示する。国際特許出願公開第WO 2012/087956 A2号は、第一の差動信号対及び第二の差動信号対を有する装置を開示し、第二の差動信号対は第一の差動信号対の近くに位置され、第二の差動信号対のルーティング長の中点の近くで極性をスイッチする。
【0004】
国際特許出願公開第WO 2011/066445 A2号は、中空導電性同軸ケーブルを備える切除カテーテル、ケーブルの近位端のコネクタ、及びRFエネルギをターゲット組織部位に加えるように構成される、ケーブルの遠位端の切除要素を有するRF切除システムを開示する。ケーブルは、軸方向に延在するルーメン又は通路を有する第一の内部伸長型導電性管状要素、第一の導電性管状要素の少なくとも部分に渡って実質的に同軸の関係で配置される第二の伸長型外部導電性要素、内部及び外部導電性管状要素の間の誘電媒体、並びにケーブルの遠位端に位置される電磁(EM)トラッキングセンサを有する。RF切除システムは、EMトラッキングセンサが、生成されたEM場内にあるとき、EMトラッキングセンサにおいて電圧を誘導するEM場を生成するためのEM場(フィールド)発生器と、ケーブルの近位端においてコネクタに接続される信号プロセッサを備える信号処理ユニットとを更に有し、EMトラッキングセンサは信号プロセッサと通信し、信号プロセッサは、EMトラッキングセンサにおける誘導電圧を検出し、誘導電圧を使って患者の体において切除カテーテルの遠位端の位置及び方向を決定するように構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるときにもたらされる、電気コネクタの第一の接続導体を介して送信されるべき信号の誘導障害を低減するための誘導障害低減装置を提供することにある。本発明の更なる目的は、誘導障害低減装置を有する電気コネクタ及び誘導障害低減装置を有するケーブルを提供することにある。また、本発明の更なる目的は、誘導障害低減装置を製造するための製造装置及び製造方法を提供することにある。
【0006】
本発明の第一の局面において、誘導障害低減装置がもたらされ、誘導障害低減装置は、組織を切除するために使用され得るRF切除電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるときにもたらされる、電気コネクタの第一の接続導体を介して送信されるべき信号の誘導障害を低減するように構成され、電気コネクタが切除カテーテルをRF切除電流源に電気的に接続するように構成され、誘導障害低減装置は、
-信号を送信するための電気コネクタの第一の接続導体に電気的に接続されるための第一の導体と、
-電流を伝導するための電気コネクタの第二の接続導体に電気的に接続されるための第二の導体と
を有し、誘導障害低減装置の第一の導体及び第二の導体は、電流が誘導障害低減装置の第一の導体を通じて流れるとき、電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるとき電気コネクタの第一の接続導体において誘導される電圧を少なくとも部分的に補償する、電圧が、誘導障害低減装置の第一の導体において、誘導されるように構成される。
【0007】
誘導障害低減装置において、電気コネクタにおいて誘導される電圧を少なくとも部分的に補償する、電圧が誘導されるため、すなわち、互いを少なくとも部分的に打ち消すように逆の極性を有する電圧が誘導されるため、全誘導電圧は低減され、特に除去され、それにより結果として、電気コネクタの第一の接続導体を介して送信されるべき信号における低減された誘導障害がもたらされる。
【0008】
電気コネクタは、信号を送信するための二つ又はそれより多くの第一の接続導体及び電流を伝導するための単一の第二の接続導体を有してもよく、特に電気信号を伝導するための二つ又はそれより多くのワイヤ及び電流を伝導するための一つのワイヤを有してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
電気コネクタは二つのケーブルを接続するように構成されてもよく、各々のケーブルは、電流を伝導するための一つのワイヤ及び信号を送信するための同軸ケーブルを含む。電気コネクタは同軸コネクタを使うことなく、同軸ケーブルを電気的に接続するように構成されることが可能であり、それでも誘導障害低減装置における導体の構成のため、送信された信号は実質的に妨害されない。このように、技術的に比較的複雑かつ高価な同軸コネクタを必ずしも使うことなく、高品質電気接続はもたらされることが可能である。
【0010】
電気コネクタは切除カテーテルをRF切除電流源に電気的に接続するように構成され、誘導障害低減装置の第二の導体は組織を切除するために使用され得るRF切除電流を伝導するように構成される。さらに、誘導障害低減装置の第一の導体は、超音波検出信号を優先的に送信するように構成される。このように、電気コネクタは、チップにおいて切除電極及び超音波トランスデューサを有する切除カテーテルを切除電流源及び超音波制御ユニットに電気的に接続するように構成されることが可能であり、RF切除電流が第二の接続導体を通じて流れているとき、たとえば、同軸コネクタを必ずしも必要とすることなく、超音波信号は、生成される磁場によってもたらされる干渉によって実質的に妨害されない。
【0011】
実施例において、電気コネクタの第一の接続導体の少なくとも一つは、電気コネクタの第一の接続導体の他の一つよりも電気コネクタの第二の接続導体に近く、電気コネクタの第二の接続導体により近い、電気コネクタの第一の接続導体に電気的に接続されるための誘導障害低減装置の複数の第一の導体のうちの一つの第一の導体は、電気コネクタの第二の接続導体から遠く離れている、電気コネクタの第一の接続導体に電気的に接続されるための誘導障害低減装置の他の第一の導体よりも誘導障害低減装置の第二の導体から遠く離れている。特に、電気コネクタの第一の接続導体及び第二の接続導体は少なくとも部分的に直線状になることが可能であり、誘導障害低減装置の第一の導体及び第二の導体は少なくとも部分的に直線状になり、電気コネクタの第二の接続導体の直線部分(直線状の部分)により近い、電気コネクタの第一の接続導体の直線部分に電気的に接続されるための誘導障害低減装置の複数の第一の導体のうちの一つの第一の導体の直線部分は、電気コネクタの第二の接続導体の直線部分から遠く離れている、電気コネクタの第一の接続導体の直線部分に電気的に接続されるための誘導障害低減装置の複数の第一の導体のうちの他の第一の導体の直線部分よりも誘導障害低減装置の第二の導体の直線部分から遠く離れていてもよい。
【0012】
このように、電気コネクタは、たとえば、利用可能であり、技術的に比較的単純であり、あまり高価でない標準的な非同軸電気コネクタ又は当該非同軸コネクタの部分になることが可能であり、誘導障害低減装置において、第一の接続導体はより合されてもよい。それ故に、電気コネクタ及び誘導障害低減装置のこのような組合せは、技術的に比較的単純な態様で提供されることが可能である。
【0013】
実施例において、誘導障害低減装置は、電気コネクタに組み込まれるか、又は接続される。特に、電気コネクタは、信号を送信するための第一の導体及び電流を伝導するための第二の導体を電気的に接続させるために接続可能である、第一及び第二の別個の部分を有し、誘導障害低減装置は第一及び第二の部分の一つに組み込まれるか、又は接続される。たとえば、第一の部分は、第一の接続導体及び第二の接続導体の全てがそれらの全長に沿って直線状になる、直線状の導体コネクタコンポーネントであってもよく、誘導障害低減装置を形成する第二の部分は、第一の導体及び第二の導体の全てがそれらの全長に沿って直線状にならない、非直線状の導体コネクタコンポーネントであってもよい。たとえば、第一及び第二の部分は、電気装置を互いに電気的に接続するために係合可能である、別個のコンポーネントになるように構成されてもよい。たとえば、係合可能な第一及び第二の部分をもたらすため、第一及び第二の部分の一つはオス型要素を形成することが可能であり、第一及び第二の部分の他はメス型要素を形成することが可能である。第一の部分は、第一の電気装置に、すなわち直接、又はケーブルを介して接続されてもよく、第二の部分は第二の電気装置に、すなわち直接、又はケーブルを介して電気的に接続されてもよく、それから、第一及び第二の電気装置は、電気コネクタの第一及び第二の部分を互いに係合させることによって容易に電気的に接続されることが可能である。
【0014】
更なる実施例において、誘導障害低減装置は、信号を送信するための第一の導体及び電流を伝導するための第二の導体を有するケーブルに組み込まれ(一体化され)、ケーブルは電気コネクタに接続されるように構成されるか、又はケーブルは電気コネクタに接続される。誘導障害低減装置は、ケーブルの端部、又はケーブルの端部の間に位置されることが可能である。このようなケーブルが電気コネクタに電気的に接続される場合、誘導障害低減装置を備えるケーブルにおいて、及び電気コネクタにおいて誘導される全電圧は低減され、特に、除去されるであろう。
【0015】
誘導障害装置の第一の導体及び第二の導体は、誘導障害低減装置として、オーバーモールドされたコンポーネントを形成するためにオーバーモールドされてもよい。しかしながら、誘導障害低減装置は、他の方法で製造されてもよい。たとえば、誘導障害低減装置は、誘導障害低減装置の第一の導体及び第二の導体が構成されるフレキシブルホイル又はプリント回路基板を使用することによって製造されてもよい。たとえば、誘導障害低減装置は、第一の導体及び第二の導体の構成を備えるプリント回路基板を有することが可能であり、この場合、プリント回路基板は電気コネクタにはんだ付けされることが可能である。特に、プリント回路基板は、誘導障害低減装置の第二の導体を形成するトレース及び誘導障害低減装置の第一の導体を形成するトレースを有することが可能であり、トレースは、誘導障害低減装置において誘導される電圧が、電気コネクタにおいて誘導される電圧の極性の逆になる極性を持つようにレイアウトされる。誘導障害低減装置の第一の導体及び第二の導体がフレキシブルホイルの上で構成される場合、フレキシブルホイルは堅牢な支持手段上に優先的に構成される。たとえば、電気コネクタがカテーテルを、超音波モニタリングユニットのような一つ又はいくつかのモニタリングユニット及びRF切除電流源のような他の電気装置に接続するために使用される場合、それはカテーテルのハンドセットにおいて固定されてもよい。
【0016】
本発明の他の局面において、切除カテーテルをRF切除電流源に電気的に接続するように構成される電気コネクタがもたらされ、前記電気コネクタは、
-信号を送信するために第一の導体を電気的に接続するための第一の接続導体と、
-電流が第二の接続導体を通じて流れるとき、第一の接続導体において電圧が誘導され、組織を切除するために使用され得るRF切除電流を伝導するために第二の導体を接続するための第二の接続導体と、
-請求項1に記載の誘導障害低減装置と
を有する。
【0017】
本発明の更なる局面において、ケーブルがもたらされ、ケーブルは、組織を切除するために使用され得るRF切除電流を伝導するための第二の導体及び信号を送信するための第一の導体を有し、ケーブルは電気コネクタに接続されるように構成され、又はケーブルは電気コネクタに接続され、電気コネクタは切除カテーテルをRF切除電流源に電気的に接続するように構成され、電気コネクタは、信号を送信するためのケーブルの第一の導体を電気的に接続するための第一の接続導体及び電流を伝導するためのケーブルの第二の導体を電気的に接続するための第二の接続導体を有し、第一の接続導体において、電流が第二の接続導体を通じて流れるとき、電圧が誘導される。ケーブルは、請求項1に記載の誘導障害低減装置を更に有する。
【0018】
本発明の更なる局面において、製造装置がもたらされ、製造装置は、組織を切除するために使用され得るRF切除電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるときもたらされる、電気コネクタの第一の接続導体を介して送信されるべき信号の誘導障害を低減するための、請求項1に記載の誘導障害低減装置を製造するように構成され、電気コネクタは切除カテーテルをRF切除電流源に電気的に接続するように構成され、製造装置は、
-信号を送信するための電気コネクタの第一の接続導体に電気的に接続されるための誘導障害低減装置の第一の導体及び電流を伝導するための電気コネクタの第二の接続導体に電気的に接続されるための誘導障害低減装置の第二の導体をもたらすための電気導体供給ユニットと、
-電流が誘導障害低減装置の第一の導体を通じて流れるとき、電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるとき電気コネクタの第一の接続導体において誘導される電圧を少なくとも部分的に補償する、電圧が誘導障害低減装置の第一の導体において誘導されるように、誘導障害低減装置の第一の導体及び第二の導体を構成するための構成ユニットと
を有する。
【0019】
本発明の他の局面において製造方法がもたらされ、前記製造方法は、組織を切除するために使用され得るRF切除電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるときもたらされる、電気コネクタの第一の接続導体を介して送信されるべき信号の誘導障害を低減するための、請求項1に記載の誘導障害低減装置を製造するように構成され、電気コネクタは切除カテーテルをRF切除電流源に電気的に接続するように構成され、前記製造方法は、
-電気導体供給ユニットによって、電流を伝導するための電気コネクタの第二の接続導体に電気的に接続されるための誘導障害低減装置の第二の導体、及び信号を送信するための電気コネクタの第一の接続導体に電気的に接続されるための誘導障害低減装置の第一の導体をもたらすステップと、
-電流が誘導障害低減装置の第一の導体を通じて流れるとき、構成ユニットによって、電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるとき電気コネクタの第一の接続導体において誘導される電圧を少なくとも部分的に補償する、電圧が誘導障害低減装置の第一の導体において誘導されるように、誘導障害低減装置の第一の導体及び第二の導体を構成するステップと
を有する。
【0020】
特に、従属クレームにおいて規定されるように、請求項1の誘導障害低減装置、請求項10の電気コネクタ、請求項11のケーブル、請求項12の製造装置、並びに請求項13の製造方法が、類似及び/又は同一の好ましい実施例を有することは理解されるであろう。
【0021】
本発明の好ましい実施例が従属クレームの何れかの組合せ又はそれぞれの独立クレームを伴う上記の実施例にもなり得ることは理解されるであろう。
【0022】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載された実施例から明らかであり、これらの実施例を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】切除プロシージャを実行するためのシステムの実施例を図示する。
図2】切除プロシージャの間、使用される切除カテーテルのチップを図示する。
図3】誘導障害低減装置を備える電気コネクタを図示する。
図4】電気コネクタの接続領域を図示する。
図5】誘導障害低減装置を備えるケーブル及び電気コネクタを図示する。
図6】誘導障害低減装置を製造するための製造装置の実施例を示す。
図7】誘導障害低減装置を製造するための製造方法の実施例を図示するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、切除プロシージャを実行するための切除システムの実施例を図示する。切除システム1は、患者テーブル7のような支持手段上に構成される人8内のターゲット領域を切除するための切除カテーテル10を有する。本実施例において、切除カテーテル10の遠位チップは、心臓9内の異なる位置において心臓組織を切除するために人8の心臓9にもたらされている。
【0025】
蛍光透視装置2が、介入性プロシージャの間、人8内において切除カテーテル10の遠位チップをイメージングするために使用される。蛍光透視装置2は、患者テーブル7に横たわる人8を横断するX線6を放射するためのX線源3を有する。人8を横断した後、蛍光透視装置2は、X線6を検出するためのX線検出器5を更に含む。異なる方向で人8に照射するため、X線源3及びX線検出器5が、人8に対して回転可能な、C-アーム4上に取り付けられる。さらに、支持手段7及びC-アーム4は、人8の異なる部分に照射するため、互いに対して移動可能であってもよい。X線検出器5は、検出されたX線6を示す検出信号を生成するように構成され、検出信号は、C-アーム4、X線源3、及びX線検出器5を制御すると共に、受信された検出信号に依存して二次元投影(プロジェクション)画像を生成するように構成される、蛍光透視制御ユニット15に送信される。二次元投影画像は、ディスプレイ16上で示されてもよい。
【0026】
図2に図示されるように、切除カテーテル10は遠位チップ70において切除電極72及び超音波トランスデューサ71を有する。切除電極72は、切除電流導体19であってもよい、第二の導体19に電気的に接続され、超音波トランスデューサ71は、信号導体であってもよい、同軸ケーブル20の第一の導体22及び23に電気的に接続される。
【0027】
切除カテーテル10は、電気コネクタ11を介して超音波制御ユニット12及び切除電流源13に電気的に接続され、超音波制御ユニット12及び切除電流源13は同じ装置14において構成されてもよく、又はそれらが別個に構成されてもよい。超音波制御ユニット12は、超音波トランスデューサ71から超音波信号を受信するように構成され、受信された超音波信号に基づいて、ディスプレイ16上に示される、超音波画像を生成する。超音波制御ユニット12は更に、超音波トランスデューサ71に制御信号を送信することによって超音波トランスデューサ71を制御するように構成される。切除電流源13は、人8内において組織を切除するために切除電極72にRF切除電流をもたらすように構成される。
【0028】
電気コネクタ11は、図3において更に詳細に図示される。装置14、特に超音波制御ユニット12に超音波信号を送信するため、電気コネクタ11は、装置14に接続される更なる同軸ケーブル32の第一の導体33及び34に同軸ケーブル20の第一の導体22及び23を電気的に接続するように構成される。電気コネクタ11は更に、RF切除電流源13からRF切除電流をもたらすために、切除電流導体であってもよい、第二の導体31にカテーテル10の第二の導体19を電気的に接続するように構成される。第二の導体31及び更なる同軸ケーブル32はケーブル30において位置される。
【0029】
電気コネクタ11は、第一の部分17及び第二の部分18を有する。第一の部分17は、カテーテル10の第二の導体19に接続される第二の接続導体24及びカテーテル10の第一の導体22及び23に接続される第一の接続導体25及び26を含む。電気コネクタ11の第二の部分18は、電流が電気コネクタ11の第二の接続導体24を通じて流れるときもたらされる、電気コネクタ11の第一の接続導体25及び26を介して送信されるべき信号の誘導障害を低減するための誘導障害低減装置を形成する。第二の部分18は、ケーブル30の第二の導体31に接続される第二の導体27及びケーブル30の第一の導体33及び34に接続される第一の導体28及び29を有する。
【0030】
電気コネクタ11の第一の部分17において、第一の接続導体25及び26並びに第二の接続導体24は、電流が第二の接続導体24を通じて流れるとき、第一の誘導電圧は第一の接続導体25及び26において誘導されるように構成され、電気コネクタ11の第二の部分18において、第一の導体28及び29並びに第二の導体27は、電流が第二の導体27を通じて流れるとき、第一の誘導電圧を少なくとも部分的に補償する、第二の誘導電圧が第一の導体28及び29において誘導されるように構成される。
【0031】
第一の部分17の第二の接続導体24並びに第一の接続導体25及び26は、絶縁物質82に埋め込まれ、第二の部分18の第二の導体27並びに第一の導体28及び29は、絶縁物質81に埋め込まれる。この実施例において、第一及び第二の部分17及び18は、電気装置10及び14を互いに電気的に接続するために係合可能である、別個のコンポーネントであるように構成される。特に、第二の部分18は、メス型コンポーネントを形成する第二の部分17における、対応する没入部によって受けられるための突起部80を有するオス型コンポーネントになり得る。図3において、第一及び第二の部分17及び18は、係合された状態で示される。
【0032】
第一の部分17において、第一の接続導体25及び26並びに第二の接続導体24の全ては、それらの全長に沿って直線状である。それらは、直線状のピンで形成されることが可能である。第一の部分17は、直線状の導体コネクタコンポーネントになり得る。それは、たとえば、標準的な非同軸電気コネクタコンポーネントになり得る。
【0033】
第二の部分18において、第一の導体28及び29はより合わされる。第一の接続導体25より電気コネクタ11の第二の接続導体24に近い、第一の部分17の第一の接続導体26に電気的に接続される、第二の部分18、すなわち誘導障害低減装置18の第一の導体29は、第一の部分17の第二の接続導体24から遠く離れ、第一の部分17の第一の接続導体25に電気的に接続される、第二の部分18の他の第一の導体28よりも第二の部分18の第二の導体27から遠く離れている構成がもたらされる。この構成により、第一の部分17の第一の接続導体25及び26並びに第二の部分18の第一の導体28及び29において全誘導電圧は減らされるように第一及び第二の部分17及び18において逆方向の誘導電圧がもたらされる。
【0034】
更なる実施例において、第二の部分18は、第二の導体27並びに第一の導体28及び29をそれぞれ形成するトレースを備えるプリント回路基板になり得る。トレースを備えるプリント回路基板によって形成されるこの第二の部分18は、第一の部分17の第一の接続導体25及び26において誘導される誘導電圧を少なくとも部分的に打ち消す、第二の部分18の第一の導体28及び29における誘導電圧を誘導するために、図3に関して上述の電気構成がもたらされるように、第一の部分17にはんだ付けされることは可能である。更なる実施例において、第二の部分18は、第二の部分18の第一及び第二の導体27、28、及び29が、図3に図示されるように構成されることは可能であるフレキシブルホイルによって形成されてもよい。フレキシブルホイルは、切除カテーテル10のハンドセットのような堅牢な支持手段上において構成されることが可能である。
【0035】
誘導障害低減装置を形成する第二の部分18はケーブル30に取り付けられる。このように、誘導障害低減装置18は電気コネクタ11に組み込まれることが可能であるばかりでなく、ケーブル30に組み込まれることも可能である。
【0036】
図4は、異なるコンポーネントが互いに電気的に接続される、接続領域35、36、及び37を図示する。これらの領域35、36、及び37において、ワイヤ又は他の電気導体は、完全に補償され得ない、電気信号がこれらの接続領域において誘導され得るように、あまり制御されない態様で構成されるかもしれない。それ故にそれらは、コンポーネント間の干渉の大きさの変動を低減するために、優先的に可能な限り小さくなる。優先的に、これらの領域において誘導される電圧が、電気コネクタ11の第一の部分17の第一の接続導体25及び26において誘導される電圧の10パーセントより小さくなるように、これらの領域はサイジングされる。実施例において、これらの接続領域はそれぞれ、5mmより小さくなる長さを持つ。図4は、第一の部分17の第二の接続導体24及び第二の部分18の第二の導体27を通じて流れる電流によって生成される磁場60をさらに図示する。
【0037】
図5は、誘導障害低減装置を形成する第二の部分118から分離される第一の部分117を有する電気コネクタ111の実施例を示す。第一及び第二の部分117及び118の電気導体の構成は、図3に関して上述の構成に類似している。しかしながら、この実施例において、第一の部分117の第二の接続導体24及び第二の部分118の第二の導体27は、中間接続導体75を介して接続され、第一の部分117の第一の接続導体25及び26並びに第一の導体28及び29は、中間接続導体77及び76を介して接続される。中間接続導体75、76、及び77は、第二の部分118を第一の部分117にはんだ付けすることによってもたらされてもよい。この実施例において、第二の部分118は、堅牢な支持手段上のフレキシブルホイル又はプリント回路基板によって優先的に形成され、フレキシブルホイル又はプリント回路基板上において、第二の部分118の第一及び第二の導体27、28及び29がもたらされる。
【0038】
以下に、誘導障害低減装置18を製造するための製造装置の実施例が、図6に関して記述されるであろう。製造装置42は、誘導障害低減装置18によって使用されるべき第二の接続導体27並びに第一の導体28及び29をもたらすための電気導体供給ユニット40を有する。製造装置40は、誘導障害低減装置18が電気コネクタ11の第一の部分17に電気的に接続される場合、及び電流が誘導障害低減装置18の第二の導体27を通じて流れるとき、第一の部分17の第一の接続導体25及び26において誘導される誘導電圧を少なくとも部分的に補償する、電圧が第一の導体28及び29において誘導されるように、第一の導体28及び29並びに第二の導体27を構成することによって誘導障害低減装置18を形成するための構成ユニット41を更に有する。製造装置は、また、第一の部分17を生成するように構成されてもよい。しかしながら、第一の部分17は、電気コネクタ11をもたらすために、生成された第二の部分18、すなわち誘導障害低減装置18に電気的に接続され得る、すでに利用可能な非同軸電気コネクタであってもよい。図3に関して上述の第二の部分18を生成する代わりに、構成ユニット41は、プリント回路基板又はフレキシブルホイル上において導体を配置するように構成されることも可能である。
【0039】
以下に、誘導障害低減装置18を製造するための製造方法が、図7に示されるフローチャートを参照して記載されるであろう。
【0040】
この実施例において、製造方法は、電気コネクタ11だけの第二の部分18、すなわち誘導障害低減装置18を生成するように構成される。しかしながら、他の実施例において、製造方法は、電気コネクタ11の第一の部分17も生成するように構成される。ステップ201において、第一の導体28及び29並びに第二の導体27は、電気導体供給ユニット40によってもたらされる。ステップ202において、電気コネクタの第二の部分18が形成され、第一の導体28及び29並びに第二の導体27が、構成ユニット41によって、第二の部分18が第一の部分17に電気的に接続される場合、及び電流が第二の導体27を通じて流れるとき、第一の部分17の第一の接続導体25及び26において誘導される電圧を少なくとも部分的に補償する、電圧が第一の導体28及び29において誘導されるように構成される。
【0041】
多くの最小限の侵襲性の介入において、多目的カテーテルが使用され、治療及びモニタリング機能が組み込まれる。このような多目的カテーテルの一つの例は、たとえばリアルタイムで障害深さをモニタリングするために使用されてもよい、RF切除チップ及び一つ又はいくつかの感受性超音波素子、すなわち超音波トランスデューサを有する上記の切除カテーテル10である。しかしながら、知られているカテーテルにおいて、モニタリング機能及び治療の一体化は、干渉の形態で問題をもたらす。特に超音波チャネルの近くの高出力切除信号、すなわち高出力切除電流の存在は、超音波信号の性能を低下させ得る。低コストコネクタが使用される場合、この状況はさらに悪化する。同軸コネクタは電気的な見地から良好な選択になるが、それらは技術的に比較的複雑であり、それ故に比較的高価になる。知られている非同軸コネクタは、超音波信号を搬送するために使用される、非シールド(非保護)ピンの各々の対が、超音波信号送信チャネルは、高電流切除ワイヤによって生成される磁場に感度を有するようにする、ループを形成する。このように、超音波信号搬送ワイヤ及び高電流切除ワイヤが、知られている非同軸コネクタにおいて結合される場合、干渉が誘導されるであろう。さらに、非同軸コネクタが単一の切除電流ワイヤのみを有する場合、通常、非同軸コネクタがフォワード電流経路(パス)をもたらすのみである、切除アプリケーションにおいて、戻り経路が異なるルートを介している一方、磁場が回避不可能になるように、非ゼロ全電流はケーブルアセンブリを通じて流れるであろう。
【0042】
それ故に、たとえば図3に関して上述の電気コネクタは、感知された干渉を打ち消すために、逆極性を持つ、故意に更なる干渉をもたらすように構成される。優先的に、二つの信号導体、すなわち二つの信号ワイヤが、感受性信号経路を形成するために使用され、一つの電流導体、特に一つの切除ワイヤは、高電流を運ぶために優先的に使用される。信号導体及び電流導体、すなわち各々の信号及び電流経路は、非同軸コネクタである電気コネクタに渡ってルーティングされる。第一の部分における電気コネクタ内において、対応する第一の接続導体及び第二の接続導体は、特定の距離に渡って平行に走る。切除電流が第二の接続導体を通じて流れる場合、電流導体はそれのまわりにおいてより強い磁場を生成し、この磁場は第一の接続導体によって作られるループにおいて誘導信号、すなわち誘導電圧を生成する。この誘導信号の強さは、第一の部分において第二の接続導体を流れる電流の強さ及び第一の部分において第一の接続導体によって形成されるループのジオメトリに依存する。特に、誘導信号の強さは、第一の部分における第二の接続導体に対する第一の接続導体の距離、第一の接続導体の方向、及び第一の接続導体の間の距離に依存してもよい。第一の部分における第一の接続導体は、誘導信号が最小になるように構成されてもよい。しかしながら、コネクタ構成の制約のため、第一の部分における直線状の第一の接続導体は特に、干渉が完全に除去され得ないように、信号ピンは完全に位置され得ない。それ故に、電気コネクタは第二の部分、すなわち誘導障害低減装置を有し、逆極性で、第一の部分において生成される誘導信号を打ち消すために、実質的に同じ干渉が、信号導体を介して送信されるべき信号において誘導される。このように、逆極性で、全ての誘導された干渉を打ち消すために、第二の部分における第一の導体は、同じ干渉を拾う更なるループを優先して形成する。
【0043】
第一の部分はオス型の部分を形成することが可能であり、第二の部分は非同軸コネクタである電気コネクタのメス型の部分を形成することが可能である。オス型及びメス型の部分の接続は、優先的にシームレスになる。電気コネクタの第二の部分は補償レイアウト、すなわち、第一の部分において誘導される電圧が、第二の部分において誘導される電圧によって補償されるような、第一の導体及び第二の導体のレイアウトを有する。第二の部分を生成するために第一の導体及び第二の導体は、所望のように形成されると共に構成され、それからオーバーモールドされることが可能である。これにより、たとえば、導体の所望のより合わせを実現するために、いかなる所望の空間構成においても、いかなる3次元構成においてさえも、第二の部分における第一の導体及び第二の導体が構成され得る。
【0044】
たとえば、所望のように曲げられるべきワイヤを受けるための成形チャネルを有するモールドがもたらされることが可能である。ワイヤを曲げるために、それらはモールドのチャネルに挿入されることが可能である。モールドは、曲げられたワイヤがモールドから引き抜され得るように開けられることが可能であってもよく、それから曲げられたワイヤは第二の部分を生成するためにオーバーモールドされることが可能である。モールドは、オーバーモールドするために使用されるプラスチックの融解温度より低い融解温度を持つプラスチックからなる固いプラスチックチューブを有することもできる。ワイヤの所望の構成を生成するために、ワイヤは堅いプラスチックチューブに入れられることが可能である。それから、ワイヤのまわりにおいて一緒に二つのプラスチックを融解するために、より高い融解温度を備えるプラスチックは、プラスチックチューブを備えるモールド上にオーバーモールドされることが可能である。
【0045】
実施例において、電気コネクタの第二の部分、すなわち誘導障害低減装置を形成する導体の所望のレイアウトを備えるプリント回路基板は、電気コネクタの第一の部分上に直接はんだ付けされることが可能である。プリント回路基板は、RF切除電流を伝導するためのケーブルの第一の導体及び第一の部分の第二の接続導体に接続されるためのトレース、並びに超音波チャネル、すなわち第一の部分の第一の接続導体及び信号を送信するケーブルの信号導体、すなわち第一の導体に接続されるためのトレースを有していてもよい。プリント回路基板上のこれらのトレースは、逆極性で、信号接続トレースによって形成されるループにおける誘導信号が、第一の部分において誘導される信号と同じになるように優先的に構成される。トレースがプリント回路基板上において比較的自由に構成され得るため、第一の接続導体及び第二の接続導体、特に、第一の部分における、対応するピンは、自由に構成されることが可能であり、第一の部分において結果としてもたらされる干渉は、それに応じてプリント回路基板上においてトレースを構成することによってまだ補償され得る。このように、第一の部分は何れのピンレイアウトを有していてもよい。プリント回路基板の代わりにフレキシブルホイルが使用される場合、フレキシブルホイルの屈曲の自由は特に、フレキシブルホイルをカテーテルのハンドセットのような剛性又は半剛性の要素に取付けることによって優先的に制限される。
【0046】
電気コネクタは、優先的に、感受性信号チャネルが高電流信号と同じコネクタに渡ってルーティングされる、アプリケーションのための非同軸コネクタになる。たとえば、電気コネクタは、電気又は電磁センサのような組み込みセンサを持つ切除針又は切除カテーテルを使用するアプリケーションにおいて使用されるように構成されることが可能である。
【0047】
実施例において、誘導障害低減装置の第一の導体及び第二の導体は、何れの形態も持つことが可能であり、すなわち3次元空間において何れの位置及び/又は形状も持つことが可能であり、それにより、組織を切除するために使用され得るRF切除電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるときにもたらされる、電気コネクタの第一の接続導体を介して送信されるべき信号の誘導障害の低減、特に打ち消しが可能となる。たとえば実施例において、誘導障害低減装置の第一の導体が、第二の導体に対してそれらの位置を反転又は逆転する場合、反転又は逆転位置は、電気コネクタの第一の接続導体、誘導障害低減装置の第一の導体、並びに電気コネクタの第一の接続導体及び誘導障害低減装置の第一の導体が接続される、更なる導体のような検出信号を送信する電気導体によって規定される全ての信号経路の中点にもたらされる必要はない。さらに、実施例において、誘導障害装置の第一の導体の3次元構成及び電気コネクタの第一の接続導体は、反転又は逆転位置に関して対称でなく、すなわち図3において、誘導障害装置18の導体27、28、及び29は、電気コネクタの部分17における導体24、25、及び26の距離に対応する、互いに対する距離を持つ直線部分を持っていなくてもよい。たとえば、導体27、28、及び29の直線部分は互いに対する他の距離を持っていてもよく、及び/又は誘導障害が低減されるような他の態様で、三次元において導体27、28、及び29が形成されると共に位置されてもよい。
【0048】
上記の実施例において、電気コネクタが二つの信号導体、すなわち第一のケーブル20の二つの第一の導体22及び23を、二つの信号導体、すなわち第二のケーブル30の二つの第一の導体33及び34に接続するように構成されるが、他の実施例において、電気コネクタは二つより多くの対の信号導体を互いに電気的に接続するように構成されることも可能である。
【0049】
上記の実施例において、電気コネクタは、電気コネクタを介して単一の超音波センサの超音波信号を送信するための第二のケーブルの二つの信号導体に第一のケーブルの二つの信号導体を電気的に接続するように構成されるが、他の実施例において、電気コネクタは、電気コネクタを介したいくつかのセンサの信号の送信を可能にするように構成され得る。それ故に電気コネクタは、第一のケーブルのいくつかの信号導体を第二のケーブルのいくつかの信号導体に電気的に接続するための複数の信号電気コネクタになることが可能であり、いくつかの信号導体は、超音波センサ、電気活性化センサ、熱電対センサ、圧力センサ等のような異なるセンサによって生成される信号を送信する。電気コネクタは、たとえば、複数の超音波トランスデューサによって生成される検出信号を送信するために、同じタイプのいくつかのセンサから検出信号を送信するために使用されることもできる。実施例において、電気コネクタは、特に、いくつかのセンサからいくつかのセンサ信号を送信するための電気コネクタを使うため、14個までの第一の接続導体を有する。たとえば、電気コネクタは、超音波センサ、熱電対、電気活性度モニタリング電極等のような心臓切除モニタリングカテーテルのチップに組み込まれる複数のセンサを有する心臓切除モニタリングカテーテルを電気的に接続するように構成されてもよい。このように、複数のセンサを有する心臓切除モニタリングカテーテルを電気的に接続するための、対応するマルチ同軸コネクタを使う代わりに、低価格で、使い捨て電気コネクタとしてさえ使用されてもよく、使い捨てケーブル又は他の一つの使い捨て電気コンポーネントに永続的に接続されてもよい、技術的にあまり複雑でない電気コネクタが使用されることが可能である。
【0050】
上記の実施例において、電気導体は、単一のプリント回路基板又は単一のフレキシブルホイル、すなわち単一の平面において構成されるが、他の実施例において、電気導体は、プリント回路基板又はフレキシブルホイルのいくつかの層の上においていくつかの電気導体を構成することによって複数の平面において構成されることもできる。
【0051】
上記の実施例において、第一の部分の第二の接続導体及び第二の部分の第二の導体は、直線状の導体になるが、他の実施例において、第一の部分の第二の接続導体及び/又は第二の部分の第二の導体は屈曲され得る。たとえば、第一の部分の第一の接続導体において誘導される電圧を少なくとも部分的に補償する、電気コネクタの第二の部分の第一の導体における電圧を誘導するため、電気コネクタの第二の部分において、第二の導体は曲げられてもよい。
【0052】
上記の実施例において、誘導障害低減装置の第一の導体は、超音波検出信号を送信するように構成されるが、他の実施例において、誘導障害低減装置の第一の導体は、温度検出信号、及び組織を電気的に検出することによって生成される検出信号等のような他の種類の検出信号を送信するように構成され得る。
【0053】
誘導障害低減装置は、電気コネクタに組み込まれていないコンポーネントにもなり得るが、たとえば、電気コネクタに直接又は間接的に電気的に接続されるべき別個の装置又はケーブルに組み込まれたコンポーネントにもなり得る。また、この場合、誘導障害低減装置はプリント回路基板又はフレキシブルホイルを有していてもよく、誘導障害低減装置内において導体のジオメトリをもたらすため、誘導障害低減装置は、剛性又は少なくとも半剛性になり、これにより、電気コネクタにおいて生成される誘導電圧は少なくとも部分的に打ち消されることが可能になる。
【0054】
開示の実施例に対する他のバリエーションは、図面、開示、及び従属請求項の検討から特許請求の範囲に記載の発明を実施する当業者によって理解され得ると共にもたらされ得る。
【0055】
クレームにおいて、"有する"という語は他の要素若しくはステップを除外せず、不定冠詞"a"若しくは"an"は複数を除外しない。
【0056】
単一のプロセッサ若しくは他のユニットがクレームに列挙される複数の項目の機能を満たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属クレームに列挙されているという単なる事実はこれら手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0057】
クレームにおけるいかなる参照符号も、範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0058】
本発明は、切除電流が電気コネクタの第二の接続導体を通じて流れるときにもたらされる、電気コネクタの第一の接続導体を介して送信されるべき超音波信号のような信号の誘導障害を低減するための誘導障害低減装置に関する。誘導障害低減装置は、電気コネクタの第一の接続導体を介して送信されるべき信号における誘導障害を低減するため、電気コネクタにおいて誘導される電圧を少なくとも部分的に補償する、電圧を誘導するように構成される。誘導障害が減らされるため、たとえば、技術的に比較的複雑かつ高価な同軸コネクタを必ずしも使うことなく、高品質の電気接続がもたらされることが可能である。誘導障害低減装置は、たとえば、電気コネクタの部分又はケーブルにおいて組み込まれてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7