(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
シリカは、二酸化ケイ素(SiO
2)又は主に二酸化ケイ素によって構成される物質の総称を意味する。シリカは、天然物であるケイ石やケイ砂の主成分として多量に産出するが、多くの不純物を含んでいる。半導体や太陽電池の製造には、シリカが必要であるが、それらのシリカは高純度であり高価である。
【0003】
農業廃棄物として大量に排出される稲わら、籾殻は、その多くが未利用のまま廃棄されている。そこで、稲わら、籾殻に含まれるシリカを回収する取組が行われている。
シリカを回収する取組として、下記のような特許出願が報告されている。
【0004】
特許文献1は、「下記の諸工程からなる、モミガラから高純度シリカを製造する方法:(a)モミガラをフッ化水素酸HF溶液で処理して、その中に含まれているケイ素化合物をヘキサフルオロケイ酸H
2SiF
6として抽出する工程、(b)抽出液にアンモニアを加えて、ヘキサフルオロケイ酸を、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム(NH
4)
2SiF
6をへて、フッ化アンモニウムNH
4FとシリカSiO
2とに分解する工程、(c)非晶質の粉末として析出したシリカを濾過分離し、水洗および乾燥して高純度シリカを得る工程、および(d)フッ化アンモニウムを含む濾液に強酸を加えてフッ化水素を生成させ、前記(a)工程に循環使用する工程。」を開示している。
特許文献1に記載の回収方法では、フッ化水素酸で処理を行うので、本出願の回収方法とは明らかに異なる。
【0005】
特許文献2は、「籾殻を酢酸含有溶液で処理して、籾殻に含まれるアルカリ成分を酢酸含有溶液に溶解して、籾殻と分離し、アルカリ成分が分離された籾殻を洗浄乾燥後、乾燥籾殻を熱分解して炭化させて籾殻炭を形成し、前記籾殻炭を焼成して高純度シリカを製造すること特徴とする籾殻から非晶質シリカの製造方法。」を開示している。
しかし、特許文献2に記載の回収方法では、酢酸処理を行うので、本出願の回収方法とは明らかに異なる。
【0006】
特許文献3は、「天然物由来の沈降シリカを液化炭素に溶解してシリカ含有溶液を生成し、次いで、上記シリカ含有溶液を圧縮し、その後、上記圧縮されたシリカ含有溶液を急速減圧して膨張することにより、上記溶液中の二酸化炭素を蒸発させ、微粉化されたシリカを回収するようにしたことを特徴とする微粉末シリカの製造方法。」を開示している。
しかし、特許文献3に記載の回収方法では、液化炭素による溶解処理等を行うので、本出願の回収方法とは明らかに異なる。
【0007】
特許文献4は、「下記工程:(a) 粒子状および可溶性物質を含有するサンプルを、表面上の活性基が1以上のシランと反応されているシリカフィルター媒体でろ過する、(b) 同時に粒子状物質の捕捉および目的とする可溶性成分のシリカフィルター媒体への結合を行う、および(c) 目的成分をシリカフィルター媒体より溶離する、を含有する、1以上の目的成分をサンプルより分離する方法。」を開示している。
しかし、特許文献4に記載の回収方法では、シランで表面が処理されフィルター媒体でサンプルをろ過するので、本出願の回収方法とは明らかに異なる。
【0008】
近年、廃プラスチックを処理し又は再利用する方法として、種々のものが提案され、また、一部は実用化されている。このような廃プラスチック処理の一つの有力な方法として、廃プラスチック片を光触媒として知られている酸化チタンからなる分解触媒の存在下において、加熱して、廃プラスチックをガス化する方法及び装置が提案されている(特許文献5、6参照)。
また、廃プラスチックの分解処理に用いられる触媒についても種々検討されている(特許文献7〜12)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(本発明)
本発明は、「酸化チタンを使用してシリカ含有植物体からシリカを回収する方法」に関する。特に、本発明は、「加熱した酸化チタン顆粒体を使用して籾殻からシリカを回収する方法」に関する。詳細は、以下で説明する。
【0016】
(シリカ含有植物体)
本発明の「シリカ含有植物体」は、シリカを含有している植物体又はその一部であれば特に限定されないが、イネ科(イネ・コムギ・オオムギ・カラスムギ・ライムギ・キビ・アワ・ヒエ・トウモロコシ・シコクビエ・モロコシ・タケ・マコモ・サトウキビ・ハトムギ・ヨシ・ススキ・ササ・ダンチク・シロガネヨシ・シバ等)の籾殻、籾、わら、糠等を例示することができるが、好ましくは、籾殻及びわらであり、より好ましくは籾殻である。
【0017】
(酸化チタン)
本発明で使用する「酸化チタン」は、特に限定されず、粉体酸化チタン、酸化チタン顆粒体のいずれでも良い。しかしながら、回収したシリカを酸化チタンと分別する(例えば、篩による分別する)ことを考慮すれば、酸化チタン顆粒体が好ましい。
【0018】
(酸化チタン顆粒体)
本発明の「酸化チタン顆粒体」は、活性成分が酸化チタンのみでだけでなく、銅及び/又は酸化銅を担持することもできる。
【0019】
{酸化チタン(酸化チタン顆粒体)の加熱温度}
本発明の「酸化チタンの加熱温度」は、少なくとも、300度以上かつ700度以下は必要であり、好ましくは、350度以上であり、特に好ましくは、420度〜560度であり、さらに好ましくは480度〜550度の範囲であり、最も好ましくは500度〜530度である。
なお、加熱温度とは、酸化チタンとシリカ含有植物体を反応させるための反応槽内の温度であり、その酸化チタンの設定温度を保つための設定温度を指す。すなわち、設定温度を480度としても、反応槽内の酸化チタン顆粒体温度の振れ範囲は設定温度からプラス・マイナス約30度となる。
さらに、反応槽内のある箇所では、反応槽の形状や大きさにより、本発明の特に好ましい「酸化チタンの加熱温度」よりも高く又は低くなる場合がある。しかしながら、酸化チタンの大部分が好ましい加熱温度に維持されていれば良い。
【0020】
本発明の回収方法では、最適な加熱条件下で酸化チタンを使用することにより、高効率でシリカの回収を行うことができる。さらには、該酸化チタンは、シリカ含有植物体に含まれるシリカ以外の成分(セルロース、リグニン、ヘミセルロース等の有機物)を容易に分解できる。
さらに、本発明の回収方法では、加熱した酸化チタンをシリカ含有植物体に接触することができれば特に限定されないが、好ましくは、酸化チタンとシリカ含有植物体を、反応容器に入れて静置して加熱するだけでなく、撹拌する。なお、酸化チタンとシリカ含有植物体を撹拌する方法は、特に限定されないが、撹拌装置を導入した反応容器を使用することもできるが、好ましくは、酸化チタンとシリカ含有植物体が反応容器内を循環撹拌可能な装置を使用する。
なお、反応容器内を循環撹拌できる装置としては、国際公開2007/122967号公報、国際公開2009/051253号公報に記載されている分解装置を例示することができるが特に限定されない。
【0021】
(酸化チタン(酸化チタン顆粒体)の粒子径)
本発明の回収方法に用いる酸化チタンの「粒子径」は、0.20mm〜1.2mm、好ましくは0.30mm〜1.0mm、より好ましくは0.40mm〜1.0mm、最も好ましくは0.40mm〜0.80mmである。
より詳しくは、使用前の全酸化チタン中の70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の粒子径が、0.20mm〜1.2mm、好ましくは0.3mm〜1.0mm、より好ましくは0.40mm〜1.0mm、最も好ましくは0.40mm〜0.80mmである。
加えて、粒子径の中心分布は、使用前の酸化チタンでは、0.4mm〜0.6mm、好ましくは約0.50mmである。
なお、回収したシリカを酸化チタンと分別する(例えば、篩による分別する)ことを考慮すれば、粒子径の大きい酸化チタン顆粒体を使用することが好ましい。
例えば、0.5mm〜1.2mmの粒子径の酸化チタンを使用する。
なお、上記範囲の粒子径は、国際公開2010/021122に記載の内容を参照することができる。
【0022】
また、本発明の回収方法に用いる酸化チタンの「粒子径」は、下記の範囲でも良い。
1.4mm以上が、0〜1.0重量%
1.0〜1.4mmが、0〜10.0重量%
0.6〜1.0mmが、10〜60.0重量%
0.3〜0.6mmが、10〜60.0重量%
0.125〜0.3mmが、0〜30.0重量%
0.125mm以下が、0〜30.0重量%
より詳細には、粒度分布が次の範囲に入る。
1.4mm以上が、0重量%
1.0〜1.4mmが、0〜2.0重量%
0.6〜1.0mmが、27〜60.0重量%
0.3〜0.6mmが、30〜55.0重量%
0.125〜0.3mmが、0〜20.0重量%
0.125mm以下が、0〜25.0重量%
なお、上記範囲の粒子径は、本実施例1で確認済である。
【0023】
また、本発明の回収方法に用いる酸化チタンの「粒子径」は、下記の範囲でも良い。
1.2mm以上が、1〜50重量%、
0.5〜1.2mmが、40〜90重量%
0.5mm以下が、1〜20重量%。
または、
1.2mm以上が、10〜60重量%、
0.5〜1.2mmが、40〜90重量%
なお、上記範囲の粒子径は、日本特許4848479に記載の内容を参照することができる。
【0024】
(酸化チタン顆粒体の形状が略球形)
本発明の「顆粒体の形状が略球形」とは、従来の酸化チタンの形状と比較して、顆粒体(粒子)表面の角が取れ、粒子形状の球形の度合いが高いことを意味する。
なお、粒子形状の球形度合いが高いことを示す指標として、「真円度」、「顆粒体(粒子)の転がり傾斜角度」、「安息角度」等が挙げられる。
詳細は、国際公開2013/089222号公報を参照することができる。
【0025】
本発明の「真円度測定方法」は、以下の条件及び装置で行うことができる。
(条件)
倒立型顕微鏡にCCDカメラを装着し、画像の処理はImage-Pro Plusにより行う。詳しくは、酸化チタン顆粒体をプラスチックシャーレに重ならないようにいれる。そして、下記倒立型顕微鏡により倍率4倍で画像を取り込み、Image-Pro Plusにより真円度を自動計測する。
(装置)
顕微鏡:倒立型顕微鏡 TMD-300 日本光学(ニコン),
CCDカメラ:日本ローパー株(Nippon Roper) Retiga 2000R(1600×1200pixels)
画像処理装置:Nippon Roper, Image-Pro Plus
【0026】
なお、本発明の回収方法に用いる酸化チタン顆粒体の「真円度」は、1.00〜2.00、好ましくは1.00〜1.50、より好ましくは1.00〜1.40、さらに好ましくは1.00〜1.30、最も好ましくは1.00〜1.20である。
より詳しくは、使用前の全酸化チタン顆粒体中の70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の顆粒体の真円度が、1.00〜2.00、好ましくは1.00〜1.50、より好ましくは1.00〜1.40、さらに好ましくは1.00〜1.30、最も好ましくは1.00〜1.20である。
【0027】
本発明の「顆粒体の転がり傾斜角度」は、以下の条件で行うことができる。
酸化チタン顆粒体20gをガラス板上に載せ、そして該ガラス板を水平(0度)から斜めにして、(1)酸化チタン顆粒体の滑り始める角度、(2)全ての顆粒体が滑り終わる角度を測定する。
【0028】
なお、本発明の回収方法に用いる酸化チタン顆粒体の「顆粒体の転がり傾斜角度」の数値は以下の通りである。
(1)顆粒体の滑り始める角度は、0.5度〜15.0度、好ましくは0.5度〜10.0度、より好ましくは0.5度〜8.0度、最も好ましくは0.5度〜5.0度である。
(2)全ての顆粒体が滑り終わる角度は、2.0度〜30.0度、好ましくは2.0度〜25.0度、より好ましくは2.0度〜22.0度、最も好ましくは2.0度〜18.0度である。
【0029】
本発明の「安息角度」の測定は、以下の方法で行うことができる。
未使用の酸化チタン顆粒体20gをロートで落下させ、山型に層を形成した時の斜面が水平面となす角を測定する。なお、 安息角度は,流動性の良い粉粒体ほど小さく、逆に粉体流動性の良くない粉粒体の場合には大きくなる。
【0030】
なお、本発明の回収方法に用いる酸化チタン顆粒体の「安息角度」は、15度〜35度、好ましくは20度〜35度である。
【0031】
また、本発明の回収方法に用いる酸化チタン顆粒体の特性を示す別の指標として「タップ密度」がある。
本発明において、酸化チタン顆粒体のタップ密度は以下のように測定できる。
酸化チタン顆粒体約180gを200mLガラス製メスシリンダーに投入し、このメスシリンダーを厚み10mmのゴム製シート上に高さ50mmの位置から繰り返し10回自然落下させた後、50mmの距離から木製の板の側面に10回打ち当て、以上の操作を2回繰り返した後、メスシリンダーの目盛を読み取り、顆粒体の容積V(mL)とし、別に、顆粒体を110℃で3時間乾燥した後、その重量M(g)を測定、これらに基づいて、タップ密度を式M/Vから求める。
【0032】
なお、本発明の回収方法に用いる酸化チタン顆粒体の「タップ密度」は、1.00g/mL〜1.80g/mL、好ましくは1.03g/mL〜1.60g/mL、より好ましくは1.05g/mL〜1.40g/mLである。
【0033】
また、本発明の回収方法に用いる酸化チタン顆粒体の特性を示す別の指標として「摩耗率」がある。
本発明の酸化チタン(顆粒体)の摩耗率は以下の方法で測定をすることができる。
【0034】
図1に示す摩耗率測定装置にて測定する。即ち、この摩耗率測定装置は、内径63mm、深さ86mmの試料容器201に撹拌機202を取付けてなり、この撹拌機202は、軸体203の下端部にそれぞれ長さ20mmの楕円形状の撹拌羽根204を3枚、60゜間隔で軸体から直径方向に延びるように取付けたものであって、撹拌羽根はそれぞれ水平に対して45゜の角度を有するように傾斜している。この撹拌羽根は、その最下縁が試料容器の底から8mmの距離に位置する。
なお、酸化チタン顆粒体の摩耗率の測定に際しては、200mLメスシリンダーで酸化チタン顆粒体150mLを計量し、重量を記録した後、試料容器に全量を投入し、300rpmで30分間上記撹拌機を用いて撹拌した後、試料容器から試料を取り出し、全量を目開き0.5mmの篩に移し、この篩を通過した試料の重量を測定する。ここに、試料の摩耗率Aは、目開き0.5mmの篩を通過した試料の重量をWとし、測定に供した試料の重量をW
0とするとき、A=(W/W
0)×100(%)である。
【0035】
なお、本発明の回収方法に用いる酸化チタン顆粒体の「磨耗率」は、2.0重量%以下、好ましくは1.5重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下である。
【0036】
また、本発明の回収方法に用いる酸化チタン(顆粒体)の特性を示す別の指標として「比表面積」がある。
本発明の酸化チタン顆粒体の比表面積は以下の方法で測定をすることができる。
本発明ではBET法を使用して測定する。詳しくは、以下の通りである。
BET法は,粉体粒子表面に吸着占有面積の判った分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法である。
本発明では、比表面積測定装置は、2300形 自動測定装置(島津製作所(株)製造元)を使用する。
【0037】
なお、本発明の回収方法に用いる酸化チタン(顆粒体)の「比表面積」は、30m
2/g 以上であり、好ましくは33m
2/g〜80m
2/g、より好ましくは35m
2/g〜70m
2/gである。
さらには、使用前の酸化チタン顆粒体の比表面積は、30m
2/g〜70m
2/gである。
これは、比表面積が大きいほど、顆粒体とシリカ含有植物体との接触面が大きくなり、回収効率を上げることができる。しかし、比表面積が大きすぎると耐熱性が弱くなり、かつ顆粒体が崩れやすく粉末化しやすくなる。
【0038】
また、本発明の「酸化チタン(顆粒体)」は、活性成分としての酸化チタンの細孔容積が0.05ml/g〜1.00ml/g、好ましくは0.07ml/g〜0.80ml/g、より好ましくは0.10ml/g〜0.60ml/gである。
なお、酸化チタン顆粒体の細孔容積の測定方法は、自体公知の方法を利用することができるが、本発明では水銀圧入法を使用して測定する。詳しくは、以下の通りである。
【0039】
水銀圧入法は、水銀の表面張力が大きいことを利用して粉体の細孔に水銀を浸入させるために圧力を加え、圧力と圧入された水銀量から細孔容積を求める方法である。
本発明では、Thermo Finnigan社製のポロシメーター(水銀圧入式 最高圧力:200MPa)を使用した。
【0040】
また、本発明では、酸化チタンのゾルを乾燥して酸化チタンゲルとし、この酸化チタンゲルを450〜850℃の範囲の温度で焼成し、この焼成物を破砕し、エッジ処理して得られる酸化チタン顆粒体からなり、0.5〜1.18mmの粒径を有する粒子の割合が50〜95重量%の範囲にあり、2.0%以下の摩耗率を有するものである。
詳細は、日本特許公開2005−307007号公報を参照することができる。
【0041】
本発明では、前記記載した酸化チタン顆粒体に、酸化銅又は銅を担持していても良い。
酸化銅の担持量は、特に限定されないが、酸化銅換算で0.5重量%〜5.0重量%であることが好ましい。
詳細は、国際公開2013/089222号公報を参照することができる。
【0042】
本発明の「酸化チタン顆粒体」又は「酸化銅又は銅を担持した酸化チタン顆粒体」は、上記特性を有することにより、長時間にわたってシリカを高効率で回収することができる。
さらに、本発明の「酸化チタン顆粒体」は、酸化チタン顆粒体の粒子径の分布が、従来の酸化チタンの粒子径分布より狭い。よって、酸化チタン顆粒体の粒子分布よりも大きい篩及び小さい篩を使用することで、該顆粒体とシリカを容易に分離することができる。
【0043】
(酸化チタン顆粒体の製造方法)
本発明の「酸化チタン顆粒体の製造方法」は、チタニアゾル(必要に応じて、シリカゾル、アルミナゾル及びジルコニアゾルから選ばれる少なくとも1種のゾルも含める)を撹拌造粒して球状の顆粒とした後、好ましくは、400℃〜850℃の範囲の温度で焼成する。そして、篩分けによって、特定の粒径を持つ焼成した後の顆粒体を得る。
【0044】
なお、上記撹拌造粒は、自体公知の方法を利用することができるが、液体バインダー(本発明においては、前述したゾル)を撹拌して、高速の撹拌羽根によるせん断効果によって、上記粉体の圧密化された凝集体を得る造粒が好ましい。
さらには、無機酸化物の粉体と液体バインダー(本発明においては、前述したゾル)を撹拌して、ゾルによる粉体の凝集と共に、高速の撹拌羽根によるせん断効果によって、上記粉体の圧密化された凝集体を得る造粒でも良い。
なお、ゾルの量、撹拌羽根の回転数、造粒時間等によって、得られる凝集粒の圧密度や粒度を任意に調整することができる。また、撹拌造粒装置の造粒容器内の底盤を適宜に選択することによって、得られる凝集体の形状を、より一層、球状化することもできる。
【0045】
本発明において、撹拌造粒するための造粒機は、特に限定されるものではないが、例えば、(株)奈良機械製作所製混合造粒機NMGシリーズ、深江パウテック(株)製ハイスピードミキサーやハイフレックスグラル、日本アイリッヒ(株)製アイリッヒインテンシブミキサー(アイリッヒ逆流式高速混合機)、(有)G−LABO製高速撹拌造粒機HSGシリーズ、(株)ダルトン製混練・高速撹拌造粒機SPGシリーズや高速混合・細粒機スパルタン・リューザー、(株)パウレック製バーチカル・グラニュレータVG−CTシリーズ等が好ましく用いられる。
【0046】
上記で得られた顆粒の球状性を一層高めると共に、粒度分布を一層精密なものとするために、撹拌造粒して得られた顆粒を前記ゾルの存在下に転動造粒と流動層造粒から選ばれる少なくとも1種の方法にて更に造粒してもよい。
この造粒に際して、得られる顆粒をより硬くして、その磨耗性を一層向上させるために、前記ゾルと共に、前記無機酸化物の粉砕物や前記ゾルを乾燥、焼成した後、粉砕して得られる粉砕物との混合物を用いてもよい。
【0047】
転動造粒は、既によく知られているように、粉体と液体バインダーの混合物に転動運動を与えて、凝集粒を得る造粒法をいい、流動層造粒も既によく知られているように、粉体の流動層に液体バインダーを供給して、粒子間のバインダーによる架橋を形成させて凝集粒を得る造粒法をいう。
このようにして、撹拌造粒し、更に、転動造粒と流動層造粒から選ばれる少なくとも1種の方法にて更に造粒した後、前述したように、400℃〜850℃の範囲の温度で焼成し、この後、篩分けによって、粒径が0.1mm〜1.2mm(又は、0.1mm〜1.4mm)の範囲にある粒子を集めることによって、必要な粒度を有する顆粒体を得ることができる。
【0048】
このような造粒のための転動造粒機や流動層造粒機(複合型造粒機)もまた、特に限定されるものではないが、例えば、(株)ダルトン製の流動層造粒装置「ニュー/マルメライザー」や球形整粒機「マルメライザー」、(株)パウレック製の流動層造粒装置や転動流動コーティング装置「マルチプレックス」シリーズ等を挙げることができる。
【0049】
(本発明の回収方法で使用する装置)
本発明の回収方法で使用する装置は、自体公知のプラスチック・有機物の分解装置を利用することができる。特に、本発明の回収方法で使用する好ましい酸化チタン顆粒体は、非常に回収効率が高いので、従来のバッチ式分解装置よりも、該顆粒体とシリカ含有植物体の接触効率が高い触媒循環式廃プラスチック・有機物の分解装置が好ましい。なお、触媒循環式廃プラスチック・有機物の分解装置は、国際公開2007/122967号公報、国際公開2009/051253号公報に記載されている。
【0050】
さらに、上記の分解装置では、酸化触媒処理手段及び/又は還元触媒処理手段を含み、さらに好ましくは石灰中和処理手段を含む。
【0051】
また、本発明の回収方法で使用する分解装置では、以下のいずれか1以上の手段を有することができる。
(1)アルミナ触媒処理手段
(2)シリカ含有植物体の破砕手段
(3)担体ガス供給手段
(4)シリカ含有植物体処理手段の反応槽から排出される飛散した金属・無機物及び/又は触媒を回収する手段。
(5)サイクロン集塵手段(第1集塵手段)
(6)バグフィルター付き集塵手段(第2集塵手段)
(7)熱交換手段
(8)プレヒーター手段
(9)排気ブロアー手段
(10)冷却手段
(11)熱回収手段
(12)塩化水素連続測定手段
(13)CO連続測定手段
(14)警報手段
(15)酸化触媒処理手段・還元触媒処理手段
【0052】
酸化チタン顆粒体とシリカ含有植物体の撹拌は、反応容器の容積量、撹拌羽根の形状及び撹拌方法により異なるが、回転数は3rpm〜70rpm、好ましくは10rpm〜60rpm、より好ましくは10 rpm〜30 rpmである。なお、反応容器がバッチ方式又は循環方式でも同様な回転数が好ましい。
これは、回転数が速すぎると、酸化チタン顆粒体の磨耗が大きい、しかし回転数を遅くすると、酸化チタン顆粒体とシリカ含有植物体の接触効率が落ちることを考慮した値である。
【0053】
(回収したシリカの用途)
最近、リチウムイオンバッテリーの電極に可溶性シリカを利用することでバッテリーの能力が飛躍的に上がるという報告がされている。本発明の回収方法で回収した高純度の非結晶質シリカ(特に、可溶性シリカ)は、リチウムイオンバッテリーの電極の使用に非常に有効である。
さらに、本発明の回収方法で回収した高純度の非結晶質シリカ(特に、可溶性シリカ)は、化粧品・医薬品(アイシャドー、ファウンデーションの化粧品の湿気による固形化を防ぐ成分、クリームや乳液の安定化成分、歯磨き粉の研磨成分)、食品添加物(ビールや清酒、みりんといった醸造物や食用油、醤油、ソース、砂糖、缶詰)、工業製品(乾燥剤、消臭剤、農業肥料、調湿剤、研磨剤、耐熱器具、実験器具、光ファイバーの原料、エナメル、シリカセメント、陶磁器、液体クロマトグラフィー担体、電球、CRTディスプレイ、新聞紙の印刷インク等の成分)等で利用することができる。
また、非結晶質シリカ(特に、可溶性シリカ)は、生体中の皮膚、髪、骨などに含まれる必須ミネラルとして知られている。特に、水溶性(可溶性)シリカはミネラルウォーターや健康食品に利用することができる。また、シリカは、骨粗鬆症予防に対する効果が知られているので、骨粗鬆予防治療組成物としても利用することができる。
【0054】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0055】
(本発明のシリカの回収方法に用いる酸化チタン顆粒体の製造)
下記の複数の方法により、本発明で使用する酸化チタン顆粒体を製造した。詳細は、以下の通りである。
【0056】
(1)酸化チタン顆粒体1
硫酸法による酸化チタン製造工程のうち、加水分解工程から得られたチタン水酸化物のスラリーを濾過、水洗し、これをリパルプして、スラリーAを得た。このスラリーAにゾル化剤として硝酸を加え、チタン酸化物のゾルBを得た。更に、このゾルBの一部を100℃に加熱、乾燥し、乾燥ゲルとし、これを電気炉中、500℃で3時間焼成して、酸化チタン焼成物Cを得た。
この酸化チタン焼成物Cを粉砕し、得られた粉砕物を(株)ダルトン製高速撹拌造粒機SPG−25型を用いて、撹拌羽根250rpm、高速チョッパ3000rpmの条件下、水で5倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら造粒して、酸化チタン粒子を得た。
この酸化チタン粒子を100℃で3時間乾燥し、次いで、600℃で焼成し、目開き1.19mmと0.104mmの篩で篩分けして、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体を100重量%とした。
なお、本発明において、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体は、ステンレス製金網からなる標準篩15メッシュ(線径0.5mm、目開き1.19mm)と150メッシュ(線径0.065mm、目開き0.104mm)を用いて篩分けし、15メッシュ下(通過分)、150メッシュ上(残留分)をいうものとする。
詳しくは、次のようにして、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体を得た。即ち、(株)吉田製作所製ロータップ式標準篩振盪機に上蓋に上記15メッシュ標準篩を取り付け、下受皿に上記150メッシュ標準篩を取り付け、15メッシュ標準篩上に酸化チタン顆粒体100gを試料として供給し、振盪回転数300rpm、打数150回/分で3分間篩分けして、15メッシュ下(通過分)、150メッシュ上(残留分)を粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体として得た。
上記で得られた酸化チタン顆粒体は、BET法による比表面積60m
2/gであり、水銀圧入法による細孔容積0.15mL(cc)/gであり、タップ密度1.16g/mLであった。また、摩耗率は0.3%であった。
【0057】
(2)酸化チタン顆粒体2
上記(1)で得られたチタン水酸化物のスラリーAを100℃で加熱、乾燥し、乾燥ゲルとし、これを電気炉中にて500℃で3時間焼成し、粉砕処理して、酸化チタン焼成物Dの粉砕物を得、この酸化チタン焼成物Dの粉砕物50重量部と前記酸化チタン焼成物Cの粉砕物50重量部を混合した。
この酸化チタン焼成物Dの粉砕物50重量部と酸化チタン焼成物Cの粉砕物50重量部の混合物を上記(1)と同様に処理し、得られた粒子を乾燥、焼成し、篩分けして、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体を得た。
上記で得られた酸化チタン顆粒体は比表面積62m
2/g、細孔容積0.28mL(cc)/g、タップ密度1.06g/mL、摩耗率は1.0%であった。
【0058】
(3)酸化チタン顆粒体3
上記(1)で得られた酸化チタンの顆粒に転動造粒機「マルメライザー」にて上記(1)で得られた酸化チタンCの粉砕物と水で4倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら、より球状に整粒し、得られた粒子を上記(1)と同様にして、粒径が0.1mm〜1.2mmの範囲の顆粒体を得た。
上記で得られた酸化チタン顆粒体は、比表面積59m
2/g、細孔容積0.17mL(cc)/g、タップ密度1.18g/mL、摩耗率0.3%であった。
【0059】
(4)酸化チタン顆粒体4
上記(1)で得たチタン酸化物のゾルBとタングステン酸アンモニウムを混合した。この混合物を100℃に加熱、乾燥して、乾燥ゲルとし、これを電気炉中、500℃で3時間焼成して、チタン/タングステン複合酸化物(酸化チタン/酸化タングステン重量比90:10)の焼成物を得た。
このチタン/タングステン複合酸化物Eの焼成物を粉砕して、粉砕物を得た。この粉砕物を(株)ダルトン製高速撹拌造粒機SPG−25型を用いて、撹拌羽根250rpm、高速チョッパ3000rpmの条件下、水で5倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら造粒して、チタン/タングステン複合酸化物顆粒を得た。
次いで、この顆粒に球形整粒機「マルメライザー」にて上記チタン/タングステン複合酸化物Eの焼成物の粉砕物と水で4倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら、より球状に整粒し、得られた顆粒を上記(1)と同様にして、粒径が0.1mm〜1.2mmの顆粒体を得た。
上記で得られた酸化チタン顆粒体の比表面積は69m
2/gであり、細孔容積は0.2ml(cc)/gであり、タップ密度は1.20g/mlであり、摩耗率は0.5%であった。
【0060】
(5)酸化チタン顆粒体の粒子径
上記で得られた全酸化チタン顆粒体中の70%以上の顆粒体の粒子径(半径の2倍)は、0.2mm〜1.0mm、さらには0.3mm〜1.0mmの範囲であった。
より詳しくは、以下の粒子径の範囲であった。
1.4mm以上が、0重量%
1.0〜1.4mmが、0〜2.0重量%
0.6〜1.0mmが、27〜60.0重量%
0.3〜0.6mmが、30〜55.0重量%
0.125〜0.3mmが、0〜20.0重量%
0.125mm以下が、0〜25.0重量%
【0061】
(6)酸化チタン顆粒体の真円度
上記で得られた全酸化チタン顆粒体中の70%以上の顆粒体の真円度は、1.00〜1.50、さらには1.00〜1.30の範囲であった。
【0062】
(7)酸化チタン顆粒体の転がり傾斜角度の測定
上記で得られた酸化チタン顆粒体の滑り始める角度は、1.5度〜2.5度であった。
上記で得られた酸化チタン顆粒体の全ての顆粒体が滑り終わる角度は、9.0度〜10.0度であった。
【実施例2】
【0063】
(本発明のシリカの回収方法に用いる酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体の製造)
下記の複数の方法により、本発明で使用する酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体を製造した。詳細は、以下の通りである。
【0064】
(1)酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体1
硫酸法による酸化チタン製造工程のうち、加水分解工程から得られたチタン水酸化物のスラリーを濾過、水洗し、これをリパルプして、スラリーAを得た。このスラリーAにゾル化剤として硝酸を加え、チタン酸化物のゾルBを得た。更に、このゾルBの一部を100℃に加熱、乾燥し、乾燥ゲルとし、これを電気炉中、500℃で3時間焼成して、酸化チタン焼成物Cを得た。
この酸化チタン焼成物Cを粉砕し、得られた粉砕物を(株)ダルトン製高速撹拌造粒機SPG−25型を用いて、撹拌羽根250rpm、高速チョッパ3000rpmの条件下、水で5倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら造粒して、酸化チタン粒子を得た。
この酸化チタン粒子を100℃で3時間乾燥し、次いで、600℃で焼成し、目開き1.19mmと0.104mmの篩で篩分けして、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体を100重量%とした。
なお、本発明において、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体は、ステンレス製金網からなる標準篩15メッシュ(線径0.5mm、目開き1.19mm)と150メッシュ(線径0.065mm、目開き0.104mm)を用いて篩分けし、15メッシュ下(通過分)、150メッシュ上(残留分)をいうものとする。
詳しくは、次のようにして、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体を得た。即ち、(株)吉田製作所製ロータップ式標準篩振盪機の上蓋に上記15メッシュ標準篩を取り付け、下受皿に上記150メッシュ標準篩を取り付け、15メッシュ標準篩上に酸化チタン顆粒体100gを試料として供給し、振盪回転数300rpm、打数150回/分で3分間篩分けして、15メッシュ下(通過分)、150メッシュ上(残留分)を粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体として得た。
最後に、該顆粒体を様々な濃度の硝酸銅水溶液に浸漬し、さらに乾燥した後に、500℃で焼成して、1重量%CuO、3重量%CuO、又は5重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体を得た。なお、酸化銅の担持量は、蛍光X線で確認した。
【0065】
(2)酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体2
上記(1)で得られたチタン水酸化物のスラリーAを100℃で加熱、乾燥し、乾燥ゲルとし、これを電気炉中にて500℃で3時間焼成し、粉砕処理して、酸化チタン焼成物Dの粉砕物を得、この酸化チタン焼成物Dの粉砕物50重量部と前記酸化チタン焼成物Cの粉砕物50重量部を混合した。
この酸化チタン焼成物Dの粉砕物50重量部と酸化チタン焼成物Cの粉砕物50重量部の混合物を上記(1)と同様に処理し、得られた粒子を乾燥、焼成し、篩分けして、粒径0.1mm〜1.2mmの顆粒体を得た。
最後に、該顆粒体を様々な濃度の硝酸銅水溶液に浸漬し、さらに乾燥した後に、500℃で焼成して、1重量%CuO、3重量%CuO、又は5重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体を得た。なお、酸化銅の担持量は、蛍光X線で確認した。
【0066】
(3)酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体3
上記(1)で得られた酸化チタンの顆粒に転動造粒機「マルメライザー」にて前記酸化チタンCの粉砕物と水で4倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら、より球状に整粒し、得られた粒子を上記(1)と同様に処理し、粒径が0.1mm〜1.2mmの範囲の顆粒体を得た。
最後に、該顆粒体を様々な濃度の硝酸銅水溶液に浸漬し、さらに乾燥した後に、500℃で焼成して、1重量%CuO、3重量%CuO、又は5重量%CuOを担持した酸化チタン顆粒体を得た。なお、酸化銅の担持量は、蛍光X線で確認した。
【0067】
(4)酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体4
上記(1)で得られたチタン酸化物のゾルBとタングステン酸アンモニウムを混合した。この混合物を100℃に加熱、乾燥して、乾燥ゲルとし、これを電気炉中、500℃で3時間焼成して、チタン/タングステン複合酸化物(酸化チタン/酸化タングステン重量比90:10)の焼成物を得た。
このチタン/タングステン複合酸化物Eの焼成物を粉砕して、粉砕物を得た。この粉砕物を(株)ダルトン製高速撹拌造粒機SPG−25型を用いて、撹拌羽根250rpm、高速チョッパ3000rpmの条件下、水で5倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら造粒して、チタン/タングステン複合酸化物顆粒を得た。
次いで、この顆粒に球形整粒機「マルメライザー」にて上記チタン/タングステン複合酸化物Eの焼成物の粉砕物と水で4倍希釈した前記ゾルBを噴霧しながら、より球状に整粒し、得られた顆粒を上記(1)と同様に処理し、粒径が0.1mm〜1.2mmの顆粒体を得た。
最後に、該顆粒体を様々な濃度の硝酸銅水溶液に浸漬し、さらに乾燥した後に、500℃で焼成して、1重量%CuO、3重量%CuO、又は5重量%CuOを担持したチタン/タングステン複合酸化物の顆粒体を得た。なお、酸化銅の担持量は、蛍光X線で確認した。
【0068】
上記酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体1〜4の特性は、いずれも以下の範囲に含まれていることを確認した。
BET法による比表面積:30m
2/g〜70m
2/g
水銀圧入法による細孔容積:0.20cc/g〜0.60cc/g
タップ密度:1.00g/mL〜1.80g/mL
摩耗率:2.0重量%以下
顆粒体の滑り始める角度:0.5度〜15.0度
全ての顆粒体が滑り終わる角度:2.0度〜30.0度
真円度:1.00〜2.00
安息角度:15度〜35度
【実施例3】
【0069】
(酸化チタン顆粒体を使用して籾殻からシリカの回収)
本実施例では、籾殻からシリカを回収した。さらに、回収したシリカの特性を確認した。
各条件、使用する装置、試料等の詳細は、以下の通りである。
【0070】
(使用した装置、試料)
1.実験装置(反応容器):小型撹拌式分解実験機{反応容器の体積:2380ml(φ150mm×高さ135mm)}
2.籾殻
3.使用した酸化チタン顆粒体:実施例1の酸化チタン顆粒体1
【0071】
(回収条件)
1.酸化チタン顆粒体の量:800g
2.反応時間:約365分
3.供給空気量:6L/min、8L/min
4.排気量:55L/min(インバータ設定30Hz)
5.石灰ペレット:700g
6.還元触媒入口温度:200℃
7.酸化触媒入口温度:450℃
8.分解槽チタン温度: 500℃、530℃
9.分解槽撹拌数:10〜30rpm
【0072】
(回収方法)
籾殻(350g)を0.8g/50secずつ小型撹拌式実験機(反応容器内の温度は500℃又は530℃)に投入して、処理した。
処理後、反応容器から残渣(酸化チタン触媒+籾殻灰)を回収し、篩(目開き:500μm)により酸化チタン触媒と籾殻灰を分けた。
【0073】
(シリカの回収結果)
籾殻灰の回収率は14〜22%であった。籾殻に含まれているシリカの含有割合(重量%)は、約16〜20%であると報告されている。すなわち、本発明の回収法では、従来報告されている回収方法と比較して、籾殻灰を高効率で回収できた。
さらに、籾殻灰中の可溶性シリカの含有量を分析(財団法人日本肥糧検定協会に依頼)した。回収処理後の籾殻灰中の可溶性シリカの含有量は、90.71%であった。
なお、既存する炉で一般的に燃焼させると、可溶性シリカは10%も回収することができないことが報告されている(参照:http://www.jst.go.jp/tt/fair/ij2012/list/exhibitor_detail/ed10007.html)。
さらに、市販のバイオマスボイラーにより約20%の可溶性シリカを回収できること、「空気吹き込み流動層もみ殻焼却炉」では、約50%の可溶性シリカを回収できることが報告されている(参照:http://sangakukan.jp/journal/journal_contents/2013/02/articles/1302-03-3/1302-03-3_article.htm)。
すなわち、本発明の回収法では、従来報告されている回収方法と比較して、高効率で可溶性シリカを回収することができる。
【0074】
回収処理後の籾殻灰をX線回折{X'Pert MPD(PANalytical)}により結晶質のシリカ含有量を測定した。クリストバライト及びトリジマイトは検出されず、クォーツは0.1wt%以下であり、結晶質シリカは0.2 wt%以下であった。
以上により、回収処理後の籾殻灰に含まれるシリカの98%(wt)以上は非結晶質シリカであることを確認した。すなわち、本発明の回収法では、従来報告されている回収方法と比較して、高純度の非結晶質シリカ(特に、可溶性シリカ)を回収することができる。
【実施例4】
【0075】
(酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体を使用して籾殻からシリカの回収)
本実施例では、実施例3と同様に、酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体(実施例2の酸化銅を担持した酸化チタン顆粒体1)を使用して籾殻からシリカを回収した。
【0076】
実施例3と同様に、高回収率でシリカを回収できた。
【実施例5】
【0077】
(稲わらからシリカの回収)
本実施例では、実施例3と同様に、酸化チタン顆粒体を使用して稲わらからシリカを回収した。
【0078】
実施例3と同様に、高回収率でシリカを回収できた。
【0079】
(総論)
以上の回収結果より、本発明の回収方法は以下のことが言える。
(1)従来報告されている回収方法と比較して、可溶性シリカの純度が非常に高い。
(2)従来報告されている回収方法と比較して、短時間かつ高回収率である。
(3)回収に伴う排ガス発生が少ない。
(4)焼却処理と比較して、約500℃という低温で処理できる。
(5)強酸などの処理が不要で環境負荷が少ない。
(6)常圧で処理できるため、高圧処理に伴う危険性がない。
(7)分解熱を利用して処理でき、さらに余った熱量はボイラーなどに再利用できる。
これにより、本発明の回収方法は、シリカ含有植物体(特に、籾殻)の有効利用に非常に有望である。