(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スリープ状態にあるデバイスの低電力プロセッサによって、近距離無線通信対応(NFC対応)エンティティの存在を示す磁界を検出するステップであって、前記低電力プロセッサが、前記NFC対応エンティティを認証することができない、ステップと、
前記低電力プロセッサによって前記磁界を検出したことに応じて、前記NFC対応エンティティを認証することができる前記デバイスの別のより高電力のプロセッサをアクティブ化するステップと、
前記デバイスの近距離無線通信(NFC)インターフェースによって、前記NFC対応エンティティから認証情報を受け取るステップと、
前記別のより高電力のプロセッサによって、認証情報に基づいて、前記デバイスを前記スリープ状態から起こすのに効果的な前記NFC対応エンティティを認証するステップとを含み、
前記磁界を検出するステップの前、前記NFCインターフェースがスリープ状態にあり、前記認証情報を受け取るステップの前に、前記NFC対応エンティティとの通信を可能にするために前記NFCインターフェースをアクティブ化するステップをさらに含む、方法。
前記デバイスが、発光ダイオード(LED)インジケータまたは振動モータを含み、アクティブ化するステップ、受け取るステップ、または認証するステップの前記行為の前記開始を示すステップが、前記LEDインジケータの状態を交互に切り替えるステップ、または前記振動モータの駆動を引き起こすステップを含む、請求項2に記載の方法。
前記デバイスの前記別のより高電力のプロセッサが、前記NFCインターフェースに動作可能なように結合され、前記低電力プロセッサよりも多くの電力を消費するアプリケーションプロセッサである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
前記デバイスがディスプレイをさらに含み、前記アプリケーションプロセッサが、前記ディスプレイによって、前記認証動作の開始、前記デバイスの前記ロックされた状態、または前記デバイスの前記ロックを解除された状態を示すようにさらに構成される、請求項9に記載のデバイス。
前記デバイスが、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、パーソナルメディアプレイヤー、またはポータブルゲームデバイスとして構成される、請求項9に記載のデバイス。
前記アプリケーションプロセッサが、前記別のデバイスを認証する試みの失敗に応じて、前記デバイスの電力を節約するために前記アクティブ状態から前記スリープ状態に遷移するようにさらに構成される、請求項9に記載のデバイス。
前記低電力プロセッサが、前記NFC対応エンティティとの認証を実行すること、または前記デバイスの前記NFCインターフェースを介して通信することができない、請求項13または14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
デバイスのロックを解除するための通常の技術は、より高いレベルの認証動作を実行するためにデバイスの様々な構成要素をアクティブに保つことに依拠することが多い。しかし、デバイスがスリープ状態にある間、これらの構成要素をアクティブに保つことは、デバイスのバッテリを徐々に枯渇させる。加えて、デバイスのこれらのアクティブな構成要素およびその他の構成要素の間のハードウェアおよびソフトウェアの相互依存性が、デバイスがさらなる節電を提供するより低活動の状態(たとえば、より深いスリープ状態)に達することを妨げる可能性がある。
【0008】
本開示は、コンピューティングデバイスが低電力またはスリープ状態にある間に認証するために用いるNFC対応デバイスを検出することを可能にする低電力NFC認証のための技術および装置を説明する。そのようにすることによって、コンピューティングデバイスの構成要素が、デバイスを起こすおよび/またはデバイスのロックを解除するための認証プロセスの開始までそれぞれの低電力またはスリープ状態のままにされ得る。
【0009】
以下の検討は、始めに動作環境を説明し、その後、この環境で使用され得る技術を説明し、例示的な装置で終わる。
【0010】
動作環境
図1は、低電力NFC認証のための技術が実装され得る例示的な環境100を示す。例示的な環境100は、コンピューティングデバイス102、ワイヤレス通信媒体104、および近距離無線通信対応デバイス106(NFCデバイス106)を含む。コンピューティングデバイス102は、認証動作を実装することができる多くの異なる種類のコンピューティングまたは電子デバイスであるかまたはそれらのデバイスを含む可能性がある。この例において、コンピューティングデバイス102は、スマートフォンとして示されるが、その他のデバイスも想定される。その他のコンピューティングデバイス102は、単に例として、セルラー電話、ノートブックコンピュータ(たとえば、ネットブックもしくはウルトラブック)、スマートウォッチ、タブレットコンピュータ、パーソナルメディアプレイヤー、パーソナルナビゲーションデバイス(たとえば、全地球測位システム)、ゲームコンソール、デスクトップコンピュータ、ビデオカメラ、またはポータブルゲームデバイスを含み得る。
【0011】
コンピューティングデバイス102は、アプリケーションプロセッサ108および低電力プロセッサ110を含む。アプリケーションプロセッサ108は、コンピューティングデバイス102の様々な機能を可能にすることができるシングルまたはマルチコアプロセッサとして構成される可能性がある。場合によっては、アプリケーションプロセッサ108は、コンピューティングデバイス102の様々な信号またはデータを処理するためのデジタル信号処理(DSP)サブシステムを含む。アプリケーションプロセッサ108は、以下で説明されるように、コンピューティングデバイス102のその他の構成要素と結合される、それらのその他の構成要素の機能を実施する。
【0012】
様々な実施形態において、アプリケーションプロセッサ108は、フルパワー(デュアルコア)、パーシャルパワー(partial-power)(シングルコア)、またはスリープ(電源を切られたコア)などの複数の動作または活動状態を有するすべての機能が揃ったまたは高電力プロセッサである。フルパワーからオフに進むこれらの活動状態の間のアプリケーションプロセッサ108の遷移は、アプリケーションプロセッサ108によって消費される電力の量を減らす。代替的にまたは追加的に、アプリケーションプロセッサ108の活動状態は、コンピューティングデバイス102のそれぞれの活動状態と一致する可能性がある。したがって、コンピューティングデバイス102がスリープ状態または低電力状態になるとき、アプリケーションプロセッサ108は、電力が節約されるスリープ状態または低電力状態になる可能性がある。
【0013】
低電力プロセッサ110は、低電力プロセッサコア、組み込みコントローラ、またはマイクロコントローラとして構成される可能性がある。低電力プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサ108によって実施される機能の一部を実施することができない。場合によっては、低電力プロセッサ110は、専用通信、メモリ、またはディスプレインターフェースなどの機能に固有のデータインターフェースを持たない。低電力プロセッサ110は、データを受け取るかまたは送るために用いる汎用データバス(パラレルもしくはシリアル)または汎用入力/出力(GPIO)へのインターフェースを含む可能性がある。
【0014】
低電力プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサ108と比べてより小さな命令セットを有するか、より低い周波数で動作するか、またはより少ない処理能力を有する縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサとして実装される可能性がある。たとえば、アプリケーションプロセッサ108が32ビット命令セットを実装するマルチコアプロセッサとして構成されるとき、低電力プロセッサ110は、16ビット命令セットを実装するRISCに基づくマイクロコントローラとして構成される可能性がある。アプリケーションプロセッサ108および/または低電力プロセッサ110は、それぞれ、(図示された)異なる構成要素として別々に実装されるか、または統合された付帯マイクロコントローラ(図示せず)を有するアプリケーションプロセッサとして一緒に実装される可能性がある。
【0015】
コンピューティングデバイス102は、コンピュータ可読媒体112およびディスプレイ114を含む。コンピュータ可読媒体112(CRM 112)は、デバイスデータ116と、この例においてはCRM 112に記憶されたコンピュータが実行可能なコードとして具現化されるオーセンティケータ118とを含む。デバイスデータ116は、アプリケーションプロセッサ108および/または低電力プロセッサ110によって実行可能であるコンピューティングデバイス102のオペレーティングシステム、ファームウェア、またはアプリケーションを含む可能性がある。代替的にまたは追加的に、デバイスデータ116は、画像、音楽、文書、電子メール、連絡先などの様々なユーザデータを含む可能性がある。
【0016】
オーセンティケータ118は、コンピューティングデバイス102の認証、セキュリティ、および/または暗号化動作を管理する。例として、オーセンティケータ118は、コンピューティングデバイス102がスリープ状態になるときにコンピューティングデバイス102をロックし、コンピューティングデバイス102のユーザを認証したことに応じてコンピューティングデバイス102のロックを解除する可能性がある。オーセンティケータ118のさらなる実装および使用は様々であり、下でより詳細に説明される。ディスプレイ114は、コンピューティングデバイス102のコンテンツに関連するアプリケーションまたはグラフィカルユーザインターフェースとのユーザインタラクションを可能にする。そのような場合、ディスプレイは、ユーザ入力が受け取られるタッチ感知式入力デバイス(たとえば、タッチスクリーン)に関連付けられるか、またはそのようなタッチ感知式入力デバイスを含む可能性がある。
【0017】
コンピューティングデバイス102は、近距離無線通信トランシーバ120(NFCトランシーバ120)、ワイヤレストランシーバ122、および有線データインターフェース124も含む。NFCトランシーバ120は、ほんのいくつか挙げるとすれば、ISO 18000-3、ISO/IEC 18092、ECMA-340、ISO/IEC 21481、およびECMA 352などの様々なNFC規格に従ってワイヤレス通信媒体104を介してNFCデバイス106との通信を可能にするように構成される。NFCトランシーバ120は、通信するために用いる範囲(たとえば、20センチメートル)以内のその他のNFC対応デバイスを能動的に探索する可能性がある。
【0018】
ワイヤレストランシーバ122は、ワイヤレスネットワーク(図示せず)を介して通信するように構成された任意の好適な種類のトランシーバを含み得る。これらのワイヤレスネットワークの例は、ワイヤレス広域ネットワーク(WWAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、およびワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(ワイヤレスPAN)を含み、これらのネットワークの各々は、部分的にまたは全体的に、インフラストラクチャ、アドホック、またはメッシュネットワークとして構成される可能性がある。コンピューティングデバイス102は、イーサネット(登録商標)トランシーバまたはユニバーサルシリアルバス(USB)ポートとして構成される可能性がある有線データインターフェース124を介してその他のデバイスと通信する可能性もある。
【0019】
センサ126は、コンピューティングデバイス102が動作する環境の様々な特性または特徴をコンピューティングデバイス102が検出または感知することを可能にする。センサ126は、磁気センサ(たとえば、ホール効果または磁力計)、温度センサ、加速度計、全地球測位モジュール、動き感知微小電気機械システム(MEMS)、環境光センサなどを含む可能性がある。代替的にまたは追加的に、センサ126は、デバイス102のユーザとのインタラクションを可能にするか、またはデバイス102のユーザから入力を受け取る。そのような場合、センサ126は、圧電センサ、マイクロフォン、カメラ、静電容量式タッチセンサ、ハードウェアスイッチ(たとえば、キーボード、スナップドーム(snap-dome)、またはダイヤルパッド(dialpad))に関連する入力感知論理などを含む可能性がある。
【0020】
一部の実施形態において、センサ126は、センサ126から入力を受け取るように構成され得る低電力プロセッサ110と動作可能なように結合される。低電力プロセッサ110は、コンピューティングデバイス102が動作する環境の特性またはパラメータを検出するためにセンサ126からの入力を処理することができる。たとえば、低電力プロセッサ110は、加速度計によって、3次元座標系に対するコンピューティングデバイス102の向きまたはコンピューティングデバイス102を用いて行われるジェスチャを判定することができる。センサ126から受け取られる入力は、アプリケーションの環境に基づく機能を有効化するためにアプリケーションプロセッサ108で実行されるアプリケーションに送られる可能性もある。
【0021】
NFCデバイス106は、NFCによって通信することができる多くの異なる種類の回路または電子デバイスであるか、またはそのような回路または電子デバイスを含む可能性がある。この例において、NFCデバイス106は、NFCタグ128、NFC対応磁気スナップ(snap)130(NFCスナップ130)、および販売時点情報管理端末132として示される。その他のNFCデバイス106は、単に例として、NFCステッカー、無線周波数識別(RFID)タグ、NFC対応リング、車載ドック、充電ステーション、認証トークン、スマートフォン、またはカメラを含み得る。
【0022】
各NFCデバイス106は、リスニング回路134と、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電子的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)などを含み得るNFCデバイス媒体136(デバイス媒体136)とを含む。リスニング回路134は、ワイヤレス通信媒体104を介したNFCによるコンピューティングデバイス102との通信を可能にするように構成される。NFCデバイス106は、電源を内蔵していない場合、リスニング回路134を介してコンピューティングデバイス102から電力を受け取る。コンピューティングデバイス102から受け取られる電力が、NFCデバイス106の構成要素に給電して、それらの構成要素の様々な機能を可能にする。
【0023】
デバイス媒体136は、NFCデバイス106の一意識別番号(たとえば、シリアル番号)、タグデータ、統一資源識別子(URI)、ユニフォームリソースロケータ、パスワード、秘密鍵、ネットワーク設定情報などの任意の好適な種類のデータを含む可能性があるNFCデバイスデータ138(NFCデータ138)を記憶する。NFCデータ138は、NFCデータ交換フォーマット(NDEF)または(たとえば、独自仕様のもしくは暗号化された)別の好適なデータフォーマットに従ってフォーマットされる。代替的にまたは追加的に、NFCデータ138は、これらのデータフォーマットを用いて通信または転送のために構造化される(たとえば、シリアル化、パケット化、またはフレーム化される)可能性がある。
【0024】
一部のNFCデバイス106は、マイクロプロセッサ140(μprocessor 140)および磁石142も含む。マイクロプロセッサ140は、様々なデータ処理タスクを実行することができる組み込みコントローラまたはマイクロコントローラとして実装される可能性がある。マイクロプロセッサ140は、NFCデータ138を読む、書く、またはそれ以外の方法で操作するためにデバイス媒体136にやはりアクセスし得る。磁石142は、NFCデバイス106の外部で検出可能である磁界を生成し、鉄または希土類(たとえば、ネオジム)などの任意の好適な種類の磁石である可能性がある。一部のNFCデバイス106は、その他の金属のまたは磁気的な物体への磁気的な締め付けまたは取り付けなどのその他の機能を提供するために複数の磁石142を含む可能性がある。
【0025】
図2は、低電力NFC認証の1つまたは複数の実施形態を実装することができる例示的なデバイスの構成200を示す。この特定の例において、コンピューティングデバイス102は、リスニング回路134、NFCデータ138、および磁石142を含むNFCデバイス106の近くにある。NFCデータ138は、コンピューティングデバイス102のユーザを認証するのに有用な認証情報(図示せず)を含む。たとえば、コンピューティングデバイス102がロックされるとき、ワイヤレス通信媒体104を介したNFCデバイス106からコンピューティングデバイス102への認証情報の送信が、ユーザの認証およびコンピューティングデバイス102のロックの解除を可能にする。
【0026】
コンピューティングデバイス102が低電力状態(たとえば、スリープまたはスタンバイ)にある場合、コンピューティングデバイス102のアプリケーションプロセッサ108、ディスプレイ118、およびNFCトランシーバ120は、電源を切られて、それらのそれぞれの低電力状態にされる。この例の文脈では、コンピューティングデバイス102のその他の構成要素(見やすくするために図示せず)も、電源を切られて、それらのそれぞれの低電力状態にされる可能性がある。代替的にまたは追加的に、コンピューティングデバイス102の機能は、ユーザデータを保護するかまたは機能の意図しないアクティブ化(たとえば、偶発的なタッチダイヤル(touch dialing))を防止するためにロックされる。
【0027】
コンピューティングデバイス102がスリープする間少なくとも準アクティブ状態のままである低電力プロセッサ110は、磁力計202と動作可能なように結合される。磁力計202は、コンピューティングデバイス102の周りの磁界の強さの変化を検出するように構成された磁気センサである。低電力プロセッサ110は、磁力計202を監視して、磁気的に有効化されたNFCデバイス106(たとえば、NFCスナップ130)の存在を示す可能性がある磁界の強さのこれらの変化を検出する。その他のデバイスを検出するための低電力プロセッサ110の使用は、アプリケーションプロセッサ108およびNFCトランシーバ120が低電力状態のままであることを可能にし、そのことは、コンピューティングデバイス102の電力を節約する。この例の文脈で、低電力プロセッサ110は、NFCデバイス106の磁石142によって生成された磁界204を磁力計202によって感知することができる。
【0028】
NFCデバイス106の存在が検出されると、低電力プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサ108を起こしてNFCデバイス106との認証動作を開始することができる。たとえば、アプリケーションプロセッサは、NFCトランシーバ120を介してNFCデバイス106から受け取られた認証データを用いてオーセンティケータ118によって認証動作を実施することができる。代替的にまたは追加的に、アプリケーションプロセッサは、ディスプレイ118をオンにして、認証動作の開始をユーザに知らせる可能性がある。そして、オーセンティケータ118が、NFCデバイス106との認証動作が完了すると、コンピューティングデバイス102のロックを解除する可能性がある。
【0029】
NFCデバイス106が検出されるまでアプリケーションプロセッサ108および/またはNFCトランシーバ120を低電力状態のままにすることは、コンピューティングデバイス106においてかなりの節電を可能にすることができる。代替的にまたは追加的に、認証動作を実行する構成要素を起こすための低電力プロセッサ110および磁力計202の使用は、さらに、ユーザが(たとえば、ハードウェアのボタンによって)コンピューティングデバイス102を起こすかまたは手動で認証情報を入力する必要をなくし得る。
【0030】
図3は、デバイスにおいて低電力NFC認証の実施形態を実装するための例示的なスタックのアーキテクチャ300を示す。スタックのアーキテクチャ300は、アプリケーションレイヤ302、フレームワークレイヤ304、およびハードウェアレイヤ306を含み、コンピューティングデバイス102の機能が実装される。NFC認証アプリケーション308などのコンピューティングデバイス102のアプリケーションは、アプリケーションプロセッサ108によって実行され、アプリケーションレイヤ302に実装される。NFC認証アプリケーション308は、様々な認証動作を実行するためにオーセンティケータ118と関連して実装され得る。アプリケーションレイヤ302のアプリケーションは、フレームワークレイヤ304を介してコンピューティングデバイス102のデータ、サービス、およびその他のリソースにアクセスする。フレームワークレイヤ304またはその構成要素は、やはりアプリケーションプロセッサ108によって実行されるコンピューティングデバイス102のオペレーティングシステム(図示せず)によって提供される。したがって、アプリケーションレイヤ302およびフレームワークレイヤ304の機能は、アプリケーションプロセッサ108がアクティブ状態であるときに有効化される。
【0031】
コンピューティングデバイス102のハードウェア構成要素は、ハードウェアレイヤ306に実装され、この例においては、NFCトランシーバ120および磁力計202を含む。ハードウェアレイヤ306のハードウェア構成要素は、コンピューティングデバイス102の活動状態またはスタックのアーキテクチャ300のより高いレベルのレイヤとは独立して動作し得る。たとえば、コンピューティングデバイス102が低電力状態にあるとき、磁力計202またはNFCトランシーバ120は、給電されたおよび/またはアクティブ状態のままである可能性がある。スタックのアーキテクチャ300の文脈で、磁力計202は、アプリケーションプロセッサ108が低電力状態にある間、低電力プロセッサ110(図示せず)によって監視される。代替的にまたは追加的に、NFCインターフェース120は、コンピューティングデバイス102またはアプリケーションプロセッサ108が低電力状態にある間、その他のNFC対応デバイスを能動的に探索し得る。
【0032】
スタックのアーキテクチャ300によって示されるように、磁力計202によって検出された磁界の強さの変化が、アーキテクチャスタックのその他のレイヤにおける動作を開始する可能性がある。例として、コンピューティングデバイス102が、示されるように、NFCスナップ130の近く(たとえば、0センチメートルから5センチメートルまで)に置かれると仮定する。また、コンピューティングデバイス102がロックされ、スリープ状態にあり、アプリケーションプロセッサ108およびNFCトランシーバ120もそれぞれの低電力状態にあると仮定する。ここで、低電力プロセッサ110は、NFCスナップ130によって生成された磁界204を磁力計202によって検出する。そして、低電力プロセッサ110が、アプリケーションプロセッサ108を起こしてアプリケーションレイヤ302およびフレームワークレイヤ304を有効化し、それがひいてはそれらのレイヤの機能を有効化する。
【0033】
磁力計202によって感知された磁界の強さの変化は、NFCフレームワーク310に伝達され、そして、NFCフレームワーク310が、ワイヤレス通信媒体104を介してNFCトランシーバ120によってNFCスナップ130との通信を開始する。ここで、NFC認証アプリケーション308が、様々な認証動作を実行するために用いる認証情報に関してNFCスナップ130に問い合わせる。NFC認証アプリケーション308は、コンピューティングデバイス102のユーザを認証するかまたはNFCデバイス106との認証を行うように構成され、そのNFCデバイス106とのより高いレベルのインタラクション(たとえば、データ交換、コンテンツのストリーミング、またはネットワークの構成)を可能にする。この例の文脈で、NFC認証アプリケーション308は、NFCスナップ130が関連付けられるユーザを認証し、スクリーンロックフレームワーク312を介してコンピューティングデバイス102のロックを解除する。
【0034】
例示的な技術
以下の検討は、NFCによって認証するために用いるNFC対応デバイスをコンピューティングデバイスが低電力状態で検出することを可能にする低電力NFC認証のための技術を説明する。少なくとも一部の実施形態において、コンピューティングデバイスは、磁気センサによってNFC対応デバイスを検出し、ユーザが認証動作を開始する必要性をなくす。これらの技術は、
図1のオーセンティケータ118、NFCトランシーバ120、および/またはセンサ126などの上述の環境を利用して実装され得る。これらの技術は、1つまたは複数のエンティティによって実行される動作として示される、
図4〜
図6に示される例示的な方法を含む。これらの方法の動作が示されるおよび/または説明される順序は、限定と見なされるように意図されておらず、任意の数または組合せの説明される方法の動作が、
図4〜
図6によって示される方法のいずれかを含む方法または代替的な方法を実施するために任意の順序で組み合わされ得る。
【0035】
図4は、1つまたは複数の実施形態による低電力NFC認証の例示的な方法400を示す。
【0036】
402において、NFC対応エンティティの存在を示す磁界が検出される。磁界は、スリープ状態にあるおよび/またはロックされているデバイスの低電力プロセッサによって検出される。低電力プロセッサは、磁力計またはホール効果センサなどの磁気センサを監視することによって磁界を検出する。NFC対応デバイスは、本明細書に記載のNFCスナップ、NFCステッカー、NFCリング、またはその他のNFCデバイスなどの任意の好適なNFCデバイスを含み得る。
【0037】
ユーザがそれらのスマートフォンをロックし、それらの認証情報を含むNFCスナップを所持する例を考える。例示的な動作環境100およびデバイスの構成200の文脈で、コンピューティングデバイス102(この例においてはスマートフォン)は、ロックされるときにスリープ状態になり、アプリケーションプロセッサ108、ディスプレイ114、NFCトランシーバ120、およびその他の構成要素が、電力を節約するために電源を切られて低電力状態にされる。そして、磁界の強さの変化に関する磁力計202を含め、コンピューティングデバイス102がスリープ状態にある間、低電力プロセッサ110がセンサ126を監視する。
【0038】
ここで、コンピューティングデバイス102のユーザが(現在ロックされている)コンピューティングデバイス102のアプリケーションを介してそれらのユーザの電子メールをチェックしたいと思っており、ユーザがユーザの認証情報を含むNFCスナップ130を所持すると仮定する。ユーザは、コンピューティングデバイス102をNFCスナップ130にタップ(tap)してロック解除シーケンスを開始する。ここで、コンピューティングデバイス102がNFCスナップ130に近づく(たとえば、3センチメートル以内)とき、低電力プロセッサ110は、NFCスナップ130の存在を示す、磁石142によって生成された磁界204を検出する。
【0039】
404において、デバイスの別のプロセッサが、NFC対応エンティティの存在を示す磁界の検出に応答してアクティブ化される。この別のプロセッサは、デバイスの認証および通信機能を実施することができるデバイスのアプリケーションプロセッサまたはすべての機能が揃ったプロセッサである。場合によっては、別のプロセッサは、アプリケーションプロセッサよりも少ない電力を消費するが、デバイスの認証および通信機能を実施するのに十分なだけ強力であるデバイスのDSPサブシステムである。
【0040】
この例の文脈で、低電力プロセッサ110は、アプリケーションプロセッサ108をアクティブ化し、そして、アプリケーションプロセッサ108が、オーセンティケータ118およびNFCトランシーバ120を実施する。ディスプレイ118、ワイヤレストランシーバ122、および有線データインターフェース124などのコンピューティングデバイス102のその他の構成要素は、低電力状態のままでいてコンピューティングデバイス102の電力を節約し続ける。
【0041】
406において、認証情報が、デバイスのNFCトランシーバによってNFC対応エンティティから受け取られる。認証情報は、一意識別番号、NFC対応エンティティのシリアル番号、前に送られた乱数、暗号学的ハッシュ番号、またはこれらの任意の好適な組合せを含み得る。この認証情報は、NFC対応エンティティまたはそれを所持するユーザの識別情報を検証するために後続の認証動作が実行されることを可能にする。
【0042】
説明中の例においては、オーセンティケータ118が、NFCトランシーバ122によってNFCスナップ130とのNFC通信を確立する。そして、オーセンティケータ118は、コンピューティングデバイス102のユーザに関連する認証情報に関してNFCスナップ130に問い合わせる。ここで、認証情報は、コンピューティングデバイス102によってNFCデータ138に前にプログラムされた乱数を付加されるNFCスナップ130の一意のシリアル番号を含むと仮定する。
【0043】
408において、NFC対応エンティティが、NFCを介して受け取られた認証情報に基づいて認証される。NFC対応エンティティを認証することは、受け取られた認証情報を、デバイスのローカルに記憶される可能性がある既知の認証情報と比較することを含む。認証はデバイスの別のプロセッサを用いて実行され、その別のプロセッサを通じてデバイスのNFCフレームワークおよび認証アプリケーションがアクセスされる。認証が成功すると、デバイスは、デバイスのオペレーティングシステムおよびアプリケーションを実施するためにスリープ状態から起こされる。代替的にまたは追加的に、デバイスは、デバイスのユーザアクセスを可能にするためにロックされた状態からロックを解除され得る。
【0044】
この例の終わりに、コンピューティングデバイス102のオーセンティケータ118は、NFCスナップ130から受け取られた認証情報をデバイスデータ116で記憶されたローカルの認証情報と比較する。ローカルの認証情報は、NFCスナップ130のシリアル番号と、コンピューティングデバイス102がNFC 130に前にプログラムした乱数とを含む。ここで、オーセンティケータ118は、受け取られた認証情報がローカルの認証情報と一致すると判定すると仮定する。そして、オーセンティケータ118は、ユーザがそれらの電子メールアプリケーションにアクセスすることができるように、コンピューティングデバイス102のその他の構成要素を起こし、コンピューティングデバイス102のロックを解除する。
【0045】
図5は、1つまたは複数の実施形態による低電力NFC認証の別の例示的な方法500を示す。
【0046】
502において、信号が、ロックされているデバイスの低電力プロセッサから受け取られる。信号は、認証情報を含むNFCデバイス(たとえば、NFCスナップ130)などのNFC対応エンティティとの近接または接触を示す。低電力プロセッサは、NFC対応エンティティの近接を検出するためにデバイスのセンサを監視する。これらのセンサは、磁気センサ、加速度計、静電容量式センサ、マイクロフォンなどを含み得る。信号は、スリープ状態または低電力状態にあるデバイスの別のプロセッサによって受け取られる。代替的にまたは追加的に、信号は、別のプロセッサに関連するエンティティ(たとえば、オーセンティケータ118)によって受け取られる。
【0047】
504において、デバイスの別のプロセッサが、信号を受け取ったことに応じて低電力状態から起こされる。NFC対応エンティティの近接を検出する前、別のプロセッサは、デバイスのエネルギーを節約するために低電力状態にある。この別のプロセッサは、認証動作を実施することおよび/またはNFC対応エンティティと通信することができるデバイスのアプリケーションプロセッサまたはDSPサブシステムである。
【0048】
506において、デバイスのディスプレイが、NFC対応エンティティを認証する試みの開始を示すためにアクティブ化される。代替的にまたは追加的に、デバイスの振動モータまたはLEDインジケータが、認証する試みのアクティブ化される指示の開始である可能性がある。場合によっては、ディスプレイが、ロック画面のアニメーション、認証の進行の視覚的な指示(たとえば、プログレスバー)、(名前または種類によって)NFC対応エンティティを特定するアイコンなどの認証のグラフィカルな指示を提示する可能性がある。
【0049】
508において、NFC対応エンティティの認証情報が、デバイスのNFCインターフェースによって受け取られる。NFCインターフェースは、NFCトランシーバ、スタックのフレームワークレイヤのNFCリソース、およびNFCに基づく認証が可能なNFCアプリケーションを含み得る。場合によっては、デバイスのNFCインターフェースは、認証情報を受け取る前に低電力状態からアクティブ化される。デバイスの別のプロセッサに関連して上で論じられているように、NFC対応エンティティが検出されるまでNFCインターフェースを低電力状態のままにすることは、コンピューティングデバイスが電力を節約することを可能にする。
【0050】
510において、NFC対応エンティティの認証が、NFCインターフェースを介して受け取られた認証データを用いて試みられる。認証する試みは、認証動作を実施することができるデバイスの別のプロセッサによって実行される。場合によっては、認証動作は、デバイスのDSPサブシステムによって実施され、アプリケーションプロセッサをアクティブ化する必要性をなくす。認証するこの試みは、デバイスのその他の構成要素を起こす前に実行され、認証する試みが成功するまで電力が節約されることを可能にする。
【0051】
512において、デバイスが、NFC対応エンティティの認証の成功に応じてロックを解除される。デバイスのロックを解除することは、デバイスのデータおよび/または機能へのアクセスを可能にするのに効果的である。場合によっては、ロックの解除の指示が、ロック画面の削除または音声アラートの再生など、ディスプレイまたはスピーカによってユーザに提示される。その他の場合、デバイスのさらなる構成要素が、ロックの解除の前にデバイスを完全に起こすために低電力状態からアクティブ化される可能性がある。あるいは、デバイスは、NFC対応エンティティが認証されなかったことに応じてロックされたままである可能性がある。
【0052】
図6は、低電力NFC認証を使用するNFC対応エンティティとの認証を行うための例示的な方法600を示す。
【0053】
602において、磁気センサが、コンピューティングデバイスの低電力プロセッサによって監視される。磁気センサは、コンピューティングデバイスおよびそのその他の構成要素がそれぞれ低電力またはスリープ状態にある間、監視される。コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスのユーザデータまたは機能の認可されていないアクセスを防止するためにやはりロックされる。場合によっては、低電力プロセッサは、認証および/または通信などの別のプロセッサによって可能にされる機能を実施することができない。
【0054】
604において、NFC対応エンティティの近接が、磁気センサのアクティブ化に応じて検出される。NFC対応デバイスに関連する磁界が、0センチメートルから5センチメートルまでの範囲にわたって検出される可能性がある。場合によっては、NFC対応エンティティは、リング、磁気スナップ、トークン、腕時計、ブレスレット、認証カードなどのユーザに関連するデバイスである。NFC対応エンティティは、コンピューティングデバイスに対して瞬間的に「タップされる」かまたはごく近くに長期間留まる可能性がある。
【0055】
606において、コンピューティングデバイスの別のプロセッサが、NFC対応エンティティとの認証を行うためにスリープ状態から起こされる。別のプロセッサは、NFC対応エンティティの検出に応じて起こされる。この別のプロセッサは、デバイスの認証および通信機能を実施することができるコンピューティングデバイスのアプリケーションプロセッサまたはすべての機能が揃ったプロセッサである。場合によっては、別のプロセッサは、認証および通信機能を実施することができるが、デバイスを完全に起こすのに十分なだけ強力ではない可能性があるコンピューティングデバイスのDSPサブシステムである。
【0056】
任意で、608において、認証プロセスの開始が、コンピューティングデバイスのユーザに示される。認証の開始は、ディスプレイ、LEDインジケータ、振動モータなどのコンピューティングデバイスの任意の好適なユーザが知覚可能な出力を用いて示され得る。たとえば、コンピューティングデバイスは、認証プロセスをユーザに警告するために脈打つように振動するかまたはLEDインジケータを点滅させる可能性がある。指示は、ユーザが手動で電話を起こすかまたはNFC対応エンティティとの連絡を再び開始する必要をなくすのに効果的である可能性がある。
【0057】
610において、認証情報が、NFC通信インターフェース(たとえば、NFCトランシーバ120)によってNFC対応エンティティから受け取られる。認証情報は、一意識別番号、NFC対応エンティティのシリアル番号、前に送られた乱数、暗号学的ハッシュ番号、またはこれらの任意の好適な組合せを含み得る。この認証情報は、NFC対応エンティティまたはそれを所持するユーザの識別情報を検証するために後続の認証動作が実行されることを可能にする。
【0058】
612において、NFC対応エンティティとの認証が、認証情報に基づいて試みられる。認証の試みは、コンピューティングデバイスの別のプロセッサによって実行される。認証するこの試みは、コンピューティングデバイスを完全に起こす前に実行され、デバイスのロックを解除する決定がなされるまで電力が節約されることを可能にする。動作612から、方法600は、NFC対応デバイスを成功裏に認証したことに応じて動作614に進むか、またはNFC対応デバイスとの認証を行う試みが成功しなかったことに応じて動作616に進む。
【0059】
614において、コンピューティングデバイスが、NFC対応エンティティが認証されたことに応じてロックを解除される。コンピューティングデバイスのロックを解除することは、前にアクセス不可能であったコンピューティングデバイスのユーザデータまたは機能へのアクセスを可能にするのに効果的である。ロックの解除の前に、コンピューティングデバイスおよびそのその他の構成要素が、それらのそれぞれの低電力またはスリープ状態から起こされるかまたはアクティブ化される可能性がある。
【0060】
616において、NFC対応デバイスが認証されなかったことに応じて、別のプロセッサがスリープ状態に戻される。そのようにすることによって、コンピューティングデバイスの電力が、認証の後続の試みまで節約される。代替的にまたは追加的に、NFC対応エンティティとの認証の失敗が、後で分析するために記録される可能性がある。たとえば、NFC対応エンティティの故障および関連する識別情報は、未知のエンティティによりデバイスにアクセスするあり得る試みをユーザに警告するために、ユーザがコンピューティングデバイス102のロックを解除するときに提示され得る。動作616から、方法600は、低電力プロセッサが別のNFC対応エンティティを検出するために磁気センサを監視することを再開する動作602に戻る。
【0061】
例示的な電子デバイス
図7は、前の
図1〜
図6のいずれかを参照して説明されたようにコンピューティングデバイスとして実装され得る例示的な電子デバイス700の様々な構成要素を示す。デバイスは、コンシューマ、コンピュータ、ポータブル、ユーザ、通信、電話、ナビゲーション、ゲーム、メッセージング、ウェブブラウジング、ページング、メディア再生、および/または
図1を参照して説明されたコンピューティングデバイス102などのその他の種類の電子デバイスの任意の形態の固定またはモバイルデバイスのいずれか1つまたは組合せとして実装され得る。
【0062】
電子デバイス700は、受け取られるデータおよび送られるデータなどのデバイスデータ704の有線および/またはワイヤレス通信を可能にする通信トランシーバ702を含む。例示的な通信トランシーバは、様々なIEEE 802.15(Bluetooth(登録商標))規格に準拠するワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)無線、様々なIEEE 802.11(WiFi(商標))規格のいずれかに準拠するワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)無線、セルラー電話通信のためのワイヤレス広域ネットワーク(WWAN、3GPP準拠)無線、様々なIEEE 802.16(WiMAX(商標))規格に準拠するワイヤレスメトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)無線、および有線ローカルエリアネットワーク(LAN)イーサネット(登録商標)トランシーバを含む。電子デバイス700は、その他のデバイスまたはリスナー回路とのNFC通信を可能にする上述のNFCモジュール120などのNFCモジュール706も含む。
【0063】
実施形態において、電子デバイス700は、
図1を参照して説明された低電力プロセッサ110などの低電力プロセッサ708を含む。電子デバイス700は、
図1および
図2を参照して説明された磁力計202およびセンサ126などの磁力計710およびセンサ712も含み得る。低電力プロセッサ708、NFCトランシーバ706、および磁力計710が、低電力NFC認証を容易にするために実装され得る。たとえば、電子デバイス700がスリープまたは低電力状態になるとき、低電力プロセッサ708および磁力計710は、電子デバイス700のより強力なプロセッサおよびその他のサブシステムが電源を切られたままである間に認証するために用いる別のデバイスを検出するために利用され得る。
【0064】
電子デバイス700は、ユーザが選択可能な入力、メッセージ、音楽、テレビコンテンツ、記録されたビデオコンテンツ、ならびに任意のコンテンツおよび/またはデータソースから受け取られる任意のその他の種類の音声、ビデオ、および/または画像データなどの任意の種類のデータ、メディアコンテンツ、および/または入力が受け取られ得る1つまたは複数のデータ入力ポート712も含み得る。データ入力ポート712は、USBポート、同軸ケーブルポート、およびフラッシュメモリ、DVD、CDなどのためのその他のシリアルまたはパラレルコネクタ(内部コネクタを含む)を含み得る。これらのデータ入力ポートは、電子デバイスをキーボード、マイクロフォン、またはカメラなどの構成要素、周辺機器、またはアクセサリに結合するために使用され得る。
【0065】
この例の電子デバイス700は、デバイスの動作を制御するためのコンピュータが実行可能な命令を処理する(つまり、実行する)プロセッサシステム714(たとえば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラなどのいずれか)またはプロセッサおよびメモリシステム(たとえば、SoCで実装される)を含む。プロセッサシステム714(プロセッサ714)は、
図1を参照して説明されたアプリケーションプロセッサ108などのアプリケーションプロセッサまたはフルパワープロセッサとして実装され得る。処理システムは、集積回路もしくはオンチップシステム、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、ならびにシリコンおよび/またはその他のハードウェアでのその他の実装の構成要素を含む可能性があるハードウェアで少なくとも部分的に実装され得る。代替的にまたは追加的に、電子デバイスは、概して716で特定される処理および制御回路(処理および制御716)に関連して実装されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、または固定論理回路のうちの任意の1つまたは組合せによって実装され得る。図示されていないが、電子デバイス700は、デバイス内の様々な構成要素を結合するシステムバス、クロスバー、またはデータ転送システムを含み得る。システムバスは、メモリバスもしくはメモリコントローラ、周辺バス、ユニバーサルシリアルバス、および/または様々なバスアーキテクチャのいずれかを利用するプロセッサもしくはローカルバスなどの異なるバス構造のうちの任意の1つまたは組合せを含み得る。
【0066】
電子デバイス700は、データストレージを可能にする1つまたは複数のメモリデバイス718も含み、メモリデバイス718の例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ(たとえば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなど)、およびディスクストレージデバイスを含む。メモリデバイス718は、デバイスデータ704、その他の種類の情報および/またはデータ、ならびに様々なデバイスアプリケーション720(たとえば、ソフトウェアアプリケーション)を記憶するためのデータストレージメカニズムを提供する。たとえば、オペレーティングシステム722は、メモリデバイス718内にソフトウェア命令として保有され、プロセッサ714によって実行され得る。一部の態様において、オーセンティケータ724は、実行可能な命令またはコードとして電子デバイス700のメモリデバイス718に具現化される。ソフトウェアの実装として表されているが、オーセンティケータ724は、制御アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、信号処理および制御モジュール、デバイスにインストールされるファームウェア、コントローラのハードウェアの実装などの任意の形態として実装され得る。
【0067】
電子デバイス700は、音声データを処理し、および/または音声およびビデオデータを通じて音声システム728および/またはディスプレイシステム730に渡す音声および/またはビデオ処理システム726も含む。音声システム728および/またはディスプレイシステム730は、音声、ビデオ、ディスプレイ、および/または画像データを処理し、表示し、および/またはそうでなければレンダリングする任意のデバイスを含み得る。ディスプレイデータおよび音声信号は、メディアデータポート732などの、RF(無線周波数)リンク、Sビデオリンク、HDMI(登録商標)(高精細度マルチメディアインターフェース)、コンポジットビデオリンク、コンポーネントビデオリンク、DVI(デジタルビデオインターフェース)、アナログ音声接続、またはその他の同様の通信リンクを介して音声構成要素および/またはディスプレイ構成要素に伝達され得る。一部の実装において、音声システム728および/またはディスプレイシステム730は、電子デバイス700の外部構成要素である。代替的にまたは追加的に、ディスプレイシステム730は、統合されたタッチインターフェースの一部などの例示的な電子デバイスの統合された構成要素である可能性がある。上述のように、オーセンティケータ724は、低電力NFC認証の一部の態様において、ディスプレイシステム730またはその構成要素を使用する可能性がある。たとえば、電子デバイス700がスリープまたは低電力状態にあるとき、オーセンティケータ724は、電子デバイス700のその他の構成要素が低電力状態のままである間、認証プロセスの開始をユーザに示すためにディスプレイシステム730をアクティブ化し得る。
【0068】
低電力NFC認証の実施形態が特徴および/または方法に固有の言葉で説明されたが、添付の請求項の対象は、説明された特定の特徴または方法に必ずしも限定されない。むしろ、特定の特徴または方法は、低電力NFC認証の例示的な実装として開示されている。
本明細書は、低電力近距離無線通信(NFC)認証を実施するための技術(400、500、600)および装置(100、700)を説明する。これらの技術(400、500、600)および装置(100、700)は、コンピューティングデバイス(102)が低電力状態でNFCによって認証するために用いるNFC対応デバイス(104)を検出することを可能にする。一部の実施形態においては、スリープ状態のコンピューティングデバイス(102)の様々な構成要素が認証を実行するためにアクティブ化され、および/または認証の開始を示す指示がユーザに提供される。