(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記格納部は、前記アクチュエータを用いて前記ファイバを揺動した際の前記被検体上に照射された前記照明光の照射位置を較正するためのキャリブレーションデータを前記固有情報として格納し、
前記画像生成用情報格納部は、前記本体装置に接続可能な前記走査型内視鏡を含む複数の走査型内視鏡それぞれの前記格納部に格納された複数の前記キャリブレーションデータを平均した平均のキャリブレーションデータを前記予備の画像生成用情報として格納することを特徴とする請求項2に記載の走査型内視鏡装置。
更に、前記本体装置内に設けられた前記第2の格納部が、前記本体装置に接続された前記走査型内視鏡の前記格納部が格納している前記固有情報と同じ第2の情報を格納しているか否かを判定する判定部を前記本体装置内に有し、
前記制御部は、前記判定部により前記固有情報と同じ前記第2の情報を格納している判定結果の場合には、前記予備の画像生成用情報を用いないで、前記第2の情報を用いて前記表示装置に表示する前記画像情報を生成するように前記画像情報生成部を制御することを特徴とする請求項11に記載の走査型内視鏡装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように本発明の第1の実施形態の走査型内視鏡装置1は、被検体5の体腔内に挿入される走査型内視鏡2と、走査型内視鏡2が着脱自在に接続される本体装置(又は走査型内視鏡制御装置)3と、本体装置3に接続される表示装置としてのモニタ4と、を有する。走査型内視鏡2は、各走査型内視鏡2に固有の固有情報を含むスコープIDデータを格納したメモリ6を有し、このメモリ6は、走査型内視鏡2内に設けたスコープ基板7に設けられている。
また、走査型内視鏡2は、被検体5の体内又は体腔内に挿入可能な細長の形状及び可撓性を備えて形成された挿入部11を有し、挿入部11の基端部には、走査型内視鏡2を本体装置3に着脱自在に接続するためのスコープコネクタ(単にコネクタと略記)12が設けられている。なお、コネクタ12の内部に、上記スコープ基板7が設けられている。
挿入部11内には、基端部から先端部11a付近にかけて、本体装置3の光源ユニット21から供給された照明光を導光する導光部材となる照明用光ファイバ13が挿通されている。照明用光ファイバ13により導光された照明光は、照明用光ファイバ13の先端から、対向する集光光学系14を経て、被検体5内の検査部位等の被写体に向けて照明光が出射される。
【0008】
また、挿入部11内には、被検体5(側の被写体)からの戻り光を受光して本体装置3の検出部を構成する検出ユニット23へ導く受光用光ファイバ15が挿通されている。
上記照明用光ファイバ13における光入射面を含む端部は、光コネクタ13aにおいて本体装置3の内部に設けられた照明用光ファイバ13bの先端側の端部と接続され、この照明用光ファイバ13bの基端側の光入射面を含む端部は光源ユニット21内の合波器32近傍に配置されている。
また、照明用光ファイバ13の光出射面を含む端部は、挿入部11の先端部11aに設けられた集光光学系14に近接して対向する位置に配置され、その状態において、アクチュエータ16により揺動される。
受光用光ファイバ15の光入射面を含む端部は、挿入部11の先端部11aの先端面における、例えば集光光学系14の光出射面の周囲に円形に沿って配置されている。また、受光用光ファイバ15の光出射面となる基端側の端部は、光コネクタ15aにおいて本体装置3の内部に設けられた受光用光ファイバ15bの先端側の端部と接続され、この受光用光ファイバ15bの基端側の端部は検出ユニット23内の検出器37近傍に配置されている。
また、検出ユニット23は本体装置内3に設けられているものに限らず、走査型内視鏡2内に設けられていても良い。
【0009】
集光光学系14は、凸レンズ14a及び凹レンズ14bからなる色消し機能を持つ光学系を形成し、照明用光ファイバ13の先端面から照明光を集光して被写体側へ出射する。
挿入部11における先端部11a寄りとなり、照明用光ファイバ13の中途部には、本体装置3のドライブユニット22から出力される駆動信号に基づいて照明用光ファイバ13の先端側を、該照明用光ファイバ13の長手方向と直交する方向に駆動するためのスキャナを構成するアクチュエータ16が設けてある。アクチュエータ16を構成するアクチュエータ素子17a,17bと17c,17dは、挿入部11内に挿通された駆動線18a,18bと接続され、駆動線18a,18bはコネクタ12の接点を介して本体装置3内の駆動線18c、18dと接続される。駆動線18c、18dはドライブユニット22と接続され、駆動信号が印加される。
アクチュエータ16は、照明用光ファイバ13の長手方向をZ軸方向とした場合、駆動信号の印加によりZ軸方向に伸張又は収縮することによって、
図1の実線で示す状態から点線で示すように照明用光ファイバ13の先端側を移動して、照明用光ファイバ13の先端面から出射される照明光をZ軸と垂直となるX,Y軸方向に走査する。
【0010】
駆動信号の印加によりアクチュエータ16を駆動した場合、照明用光ファイバ13の先端側をX,Y軸方向に走査し易いように、アクチュエータ16のZ軸方向に沿ったその基端側部分を支持部材18を介して挿入部11の内面に固定している。
照明用光ファイバ13及びアクチュエータ16は、挿入部11の長手軸方向に垂直な断面において、例えば、
図2に示すような位置関係を有するようにそれぞれ配置されている。
図2は、走査型内視鏡2に設けられたアクチュエータ16の構成を示す断面図である。
図2に示すように、照明用光ファイバ13とアクチュエータ16との間には、接合部材としてのフェルール41が配置されている。具体的には、フェルール41は、例えば、ジルコニア(セラミック)またはニッケル等により形成されている。
フェルール41は、
図2に示すように、正方形の四角柱の形状を有するように形成されており、中心軸に沿った孔に通した照明用光ファイバ13が固定され、Y軸方向(紙面の上下方向)の両側面と、X軸方向(紙面の左右方向)の両側面とにアクチュエータ16を形成するアクチュエータ素子17a、17bと17c、17dが取り付けられている。
【0011】
各アクチュエータ素子は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電素子により構成され、駆動信号の印加により、長手方向(
図2においてZ軸方向)に伸縮する。従って、基端が保持又は固定された状態で、例えばアクチュエータ素子17a,17bに(一方を伸張、他方を収縮させる)逆位相の駆動信号を印加することにより、
図1において点線で示すように受光用光ファイバ15の先端側を上下方向に振動(揺動)させることができる。
なお、各アクチュエータ素子17a〜17dは、それぞれ分極方向が所定方向になるように分極処理され、対向する両面に駆動信号が印加される電極(図示略)が設けられている。
図3は、アクチュエータ素子17a(及び17b),17c(及び17d)を駆動する駆動信号の波形を示す。
【0012】
図3に示すようにアクチュエータ素子17a(及び17b)とアクチュエータ素子17c(及び17d)とを駆動する駆動信号は、一方の駆動信号の位相をシフトした殆ど同じ波形で、正弦波形状に変化させると共に、その電圧(振幅)を走査開始位置Pa(
図4参照)に相当する0の値から走査終了位置Pb(
図4参照)に相当する値まで次第に大きくした後、再び次第に小さくして走査開始位置Paに相当する0の値に戻すようにしている。
このような駆動信号をアクチュエータ素子17a(及び17b)とアクチュエータ素子17c(及び17d)とに印加することにより、アクチュエータ16により駆動される照明用光ファイバ13の先端側は、
図4に示すように走査開始位置Paから走査終了位置Pbまで渦巻き形状に移動(走査)される。照明用光ファイバ13の先端の走査に対応して照明用光ファイバ13の先端から出射された照明光も、被検体5の表面上を渦巻き形状に光走査する。なお、照明光は、連続発光でなく、パルス発光するように制御される。
【0013】
図3に示すような駆動波形の駆動信号でアクチュエータ16を駆動した場合、実際には、アクチュエータ16を形成するアクチュエータ素子17a〜17dの電気的特性等の個体差のために、
図4に示した走査位置が変化する。そのため、予め基準の被写体面に対して
図3に示すような駆動信号で各走査内視鏡2のアクチュエータ16を駆動した場合における光が実際に照射された2次元の座標位置を調べ、調べられた適正な座標位置(走査位置、又は照射位置とも言う)を取得できるように走査位置を較正したキャリブレーションデータを、アクチュエータ16を搭載した走査型内視鏡2内のメモリ6に予め格納している。
また、このメモリ6は、アクチュエータ16を駆動する駆動周波数等の駆動条件のデータ(情報)も格納している。なお、駆動条件のデータは、例えば走査型内視鏡2の種類に応じて異なるデータであり、同じ種類の走査型内視鏡2では、共通となる場合がある。
図5は、メモリ6に格納された(走査型内視鏡2)に固有なスコープIDデータを示す。スコープIDデータは、走査型内視鏡2の型式、シリアルNo.、製造年月日、駆動条件、各種設定値、キャリブレーションデータからなる。
【0014】
これらのデータ項目が異なるデータは、
図6Aに示すようにメモリ6におけるアドレスと関連付けたメモリ領域に格納されている。
図6Aに示す例においては、(メモリ)アドレス10〜1B(又は0x10〜0x1B)のメモリ領域に、駆動周波数、位相差、振幅値(電圧比)のデータを含む駆動条件のデータが格納されている。また、アドレス1C〜21のメモリ領域には、アクチュエータ16に流れる電流値の上限値、下限値、基準値が各種設定値のデータが格納されている。
【0015】
これらの駆動条件等のデータに比較して、アドレスが22〜DB19BAのメモリ領域に格納されるデータがキャリブレーションデータである。キャリブレーションデータのデータ量は、このキャリブレーションデータ以外の駆動条件等のデータのデータ量に比較すると、(数10倍以上となる)遥かに大きなデータ量となる走査型内視鏡2に固有のデータとなる。つまり、キャリブレーションデータは、種類が異なる場合は勿論、種類が同じ走査型内視鏡2においても、個々の走査型内視鏡2毎に異なるデータとなる。
【0016】
また、キャリブレーションデータは、例えば
図6Bに示すようなデータである。
図6Bにおいて、Num(Number)は、中心側から順序付けられた発光する番号を表し、1バイト分のデータには、0,1のフラグ、R,G,Bのデータを表す要素番号、走査位置となるピクセル位置、重み番号などが格納される。なお、ピクセル位置は、18ビットで表される。
メモリ6に格納されたキャリブレーションデータは、同じメモリ6に格納された駆動条件のデータ量に比較して、遥かにデータ量が大きいために、後述する画像生成回路25bが画像生成の際に利用できるように絶縁素子36cを介してメモリ6から読み出すのに時間がかかる。そのため、本実施形態においては、絶縁素子を経由することを必要としないで、画像生成回路25bが利用できるように、例えば複数のキャリブレーションデータを平均化したような異なる走査型内視鏡に搭載されたアクチュエータ16に対しても共通して使用できるように予め用意された予備又は補助の画像生成用データ(又は画像生成用プリセットデータ)を本体装置3側の例えばメモリ24に格納している。
【0017】
後述する画像情報生成部を形成する画像生成回路25bは、2次回路内に配置され、これに対してメモリ6は、2次回路から電気的に絶縁された回路としての患者回路側に配置されている。そのため、画像生成回路25bがメモリ6に格納された情報を利用できる状態となるように読み出すためには、絶縁素子を経由することが必要になる。このように、メモリ6からキャリブレーションデータを読み出すことは、2次回路内に配置された画像生成回路25bが利用できる状態とするように読み出すことを意味する。
【0018】
上記メモリ24は、画像生成用プリセットデータ格納部(又は、画像生成用プリセットデータ格納エリア)24aに画像生成用プリセットデータを格納している(なお、
図7では画像生成用プリセットデータ格納部24aを単にプリセットデータ格納部24aと略記)。なお、このメモリ24は、
図6のメモリ配置テーブルの情報も格納している。
そして、走査型内視鏡装置1が起動した起動時においては、メモリ6からスコープIDデータを読み出す場合、キャリブレーションデータを最後に読み出すようにして、キャリブレーションデータ以外の駆動条件等のデータの読み出しを先に行い、駆動条件等のデータの読み出し後において、アクチュエータ16を駆動し、光走査する。また、アクチュエータ16を駆動した際に検出ユニット23により取得した検出信号に対して、画像生成用プリセットデータを用いて画像(信号)を生成し、起動から短時間に光走査した際の画像を表示することができるようにしている。
予め用意した画像生成用プリセットデータは、個々のアクチュエータ16における走査位置を高精度で特定又は反映するキャリブレーションデータではないが、本体装置3における画像生成回路25bが画像を生成する場合、待ち時間を殆ど必要としないで、複数の走査型内視鏡2において平均的な走査位置を特定することができるキャリブレーションデータとなる。概略的には、画像生成用プリセットデータは、高精度のキャリブレーションデータにおけるその精度を低下させたキャリブレーションデータと言うことができる。又は、画像生成用プリセットデータは、個々のキャリブレーションデータを近似する予備又は補助の画像生成用情報と言うこともできる。
【0019】
画像生成用プリセットデータとして、複数の走査型内視鏡2にそれぞれ格納された複数のキャリブレーションデータを平均した平均値のキャリブレーションデータを用いても良い。従って、画像生成用プリセットデータを用いて、精密な位置からのずれ量が閾値以下に小さい(より具体的には、平均値からのずれ量以内となる)画像信号を、待ち時間が短い所定時間以内に生成し、生成した画像信号の画像をモニタ4に表示することができる。
【0020】
これに対して、個々の走査型内視鏡2内のメモリ6に格納されたキャリブレーションデータは、画像生成回路25bが画像を生成しようとした場合、読み出しが終了するまで待つことが必要となるキャリブレーションデータである。但し、このキャリブレーションデータは、個々の走査型内視鏡2に搭載されたアクチュエータ16における走査位置を最適化(又は特定)することができるキャリブレーションデータであるため、このキャリブレーションデータを用いて画像を生成した場合には、個々の走査型内視鏡2に搭載されたアクチュエータ16による走査位置を高精度で反映した画質の良い画像を生成することができる。
このため、後述するようにキャリブレーションデータの読み出しが終了した後には、画像生成回路25bは、画像生成用プリセットデータの使用から読み出したキャリブレーションデータの使用に切り替え、キャリブレーションデータを用いて画像を生成する。そして、上記のように画質の良い画像を生成し、走査型内視鏡2を操作する術者は、画質の良い画像を観察することができるようにしている。
【0021】
図1に示すように本体装置3は、照明光を生成し、走査型内視鏡2の照明用光ファイバ13の基端側に生成した照明光を供給する光源を形成する光源ユニット21と、照明用光ファイバ13の先端を2次元的に走査するように駆動するドライブユニット22と、照明用光ファイバ13の先端から出射された照明光の戻り光を受光する受光用光ファイバ15を用いて戻り光を検出し、光電変換した信号(又は検出信号)を生成する信号生成部を形成する検出ユニット23と、上記メモリ6から読み出されたスコープIDデータが(一時的に)格納される読出データ格納部24bを形成するメモリ領域になると共に、予備の作業エリアとして用いられるメモリ24と、本体装置3の全体の制御を行うコントローラ25と、を有して構成されている。
【0022】
また、本体装置3は、本体装置3内の2次回路内に配置された各回路に直流の電源を供給する2次電源回路26aと、2次回路と電気的に絶縁された患者回路42内に配置された各回路に直流の電源を供給する患者電源回路26bとを有する電源回路26を備える。商用電源に1次巻線が接続された図示しないトランスにおける2次巻線に誘起する交流電圧を整流する整流回路などして2次電源回路26aが構成される。また、前記トランスは、1次巻線、2次巻線とそれぞれ絶縁された3次巻線を有し、3次巻線に誘起する交流電圧を整流する整流回路などして患者源回路26bが構成される。
【0023】
光源ユニット21は、赤色の波長帯域の光(R光とも言う)を発生するR光源31aと、緑色の波長帯域の光(G光とも言う)を発生するG光源31bと、青色の波長帯域の光(B光とも言う)を発生するB光源31cと、合波器32と、を有して構成されている。
【0024】
R光源31a、G光源31b及びB光源31bは、例えばレーザ光源等を用いて構成され、コントローラ25の制御によりオンされた際に、それぞれR光、G光、B光を合波器32へ順次出射する。コントローラ25は、R光源31a、G光源31b及びB光源31bの離散的な発光を制御するCPUなどから構成される光源制御回路25aを有する。この光源制御回路25aは、アクチュエータ16により照明用光ファイバ13を駆動した場合、上記メモリ42に記憶された離散的な座標位置への駆動タイミングにおいて、パルス発光させるようにR光源31a、G光源31b及びB光源31bの発光を制御する。
尚、本実施形態においては、コントローラ25は、R光源31a、G光源31b及びB光源31bに対して順次パルス的に発光させる制御信号を送り、R光源31a、G光源31b及びB光源31bは順次R光、G光、B光を発生し、合波器32へ出射する。
合波器32は、R光源31aからのR光、光源31bからのG光、光源31cからのB光、を順次照明用光ファイバ13bの光入射面に供給し、照明用光ファイバ13bは、R光、G光、B光を順次照明用光ファイバ13側に供給する。
【0025】
ドライブユニット22は、駆動信号出力部としての機能を有し、信号発生器33と、絶縁素子36a,36bと、D/A変換器34a及び34bと、アンプ35a及び35bと、を有する。
ドライブユニット22により生成される駆動信号は、被検体5内に挿入される走査型内視鏡2に搭載したアクチュエータ16を駆動する。そのため、
図1において2次回路側に配置された信号発生器33の出力信号を、2点鎖線で示すように絶縁素子36a,36bにより電気的に絶縁して患者回路42側に配置されたD/A変換器34a及び34bと、アンプ35a及び35bとに伝達する構成にしている。
図7は、患者回路42に属する電気回路系を示している。なお、
図1における本体装置3内における患者回路42以外の信号発生器33、コントローラ25(内の画像生成回路25b)、メモリ24等は、2次回路に属する、又は2次回路内に配置される。
信号発生器33は、コントローラ25の制御に基づき、照明用光ファイバ13の光出射面を含む端部を振動(又は揺動)させるための駆動信号を生成し、絶縁素子36a,36bを介してD/A変換器34a及び34bに出力する。
【0026】
図7に示すように絶縁素子36a,36b(更に、後述する36c,36d)は、それぞれ発光ダイオード(LEDと略記)Lと、フォトトランジスタQとから構成され、(光結合部において)電気信号を光信号に変換し、さらに光信号を電気信号に変換する構成とすることにより、光結合部において信号入力側となる2次回路側と信号出力側となる患者回路42側とを電気的に絶縁している。
なお、
図1において2点鎖線で示すようにコントローラ25と、信号発生器33とは、FPGA(Field Programmable Gate Array)30等のプログラマブルな半導体で構成されている。なお、コントローラ25の一部を中央処理装置(CPU)を用いて構成しても良い。
D/A変換器34a及び34bは、信号発生器33から出力されたデジタルの駆動信号をアナログの駆動信号に変換してそれぞれアンプ35a及び35bへ出力する。
アンプ35a及び35bは、D/A変換器34a及び34bから出力された小振幅の駆動信号をそれぞれ増幅して
図3に示した駆動信号にしてアクチュエータ16へ出力する。なお、患者回路42に属するD/A変換器34a及び34b、アンプ35a,35b等は、2次電源回路26aから絶縁された患者電源回路26b)から動作用の電源が供給される。
【0027】
本体装置3内の検出ユニット23は、検出器37及びA/D変換器38を有する。
検出器37は、フォトダイオード等の光検出器により構成され、受光用光ファイバ15の光出射面から出射された戻り光を受光して電気信号に変換する。受光用光ファイバ15は、R光、G光、B光により順次照明された被検体5により反射された戻り光を導光し、導光された戻り光が検出器37に順次入射される。検出器37は、入射されたR光、G光、B光の戻り光の強度にそれぞれ応じたアナログのR,G,B検出信号を順次生成し、A/D変換器38へ出力する。
A/D変換器38は、検出器37から順次出力されるアナログのR、G及びB検出信号を、それぞれデジタルのR、G及びB検出信号に順次変換してコントローラ25内の画像生成回路25bへ出力する。なお、
図1に示す構成において、R光源31a,G光源31b,B光源31cを同時にパルス発光させるような構成にしても良い。この場合には、検出ユニット23として、R光、G光、B光を同時に検出する構成にすれば良い。
【0028】
メモリ24には、本体装置3の制御を行うための制御プログラム等が予め格納されている。また、メモリ24の一部のメモリ領域には、本体装置3のコントローラ25によりメモリ6から読み出されたスコープIDデータの情報が格納される。例えばメモリ24における一部のメモリ領域は、メモリ6から読み出されたスコープIDデータを一時的に格納する読出データ格納部24bを形成する。この読出データ格納部24bには、上述した駆動条件のデータや、キャリブレーションデータが格納される。
コントローラ25は、例えばメモリ24に格納された制御プログラム等に基づいて光源ユニット21及びドライブユニット22等の制御を行う。
スキャナとしての機能を有するアクチュエータ16は、前述のようなコントローラ25の制御に応じてドライブユニット22から出力される駆動信号に基づき、被写体へ照射される照明光の照射位置が渦巻き形状となる所定の走査パターンに応じた軌跡を描くように照明用光ファイバ13を揺動させる。
【0029】
また、コントローラ25の光源制御回路25aは、メモリ24に予め記憶された駆動信号に関連付けられた発光位置(又は発光タイミング)の情報に従って、R光源31a、G光源31b、B光源31cを順次離散的に発光させるように制御する。そして、検出ユニット23は、順次発光されたタイミングにおいて被写体からの戻り光をR,G,B検出信号としてサンプリングして取得し、取得したR,G,B検出信号を画像生成部又は画像情報生成部を形成する画像生成回路25b内のメモリに格納する。
また、コントローラ25内に設けた読出/書込制御回路25cは、絶縁素子36c,36dを介して患者回路42側に設けた読出/書込回路39と接続され、読出/書込回路39は信号線40a,40bを介して、メモリ6と接続される。読出/書込制御回路25cは、起動時にメモリ6からスコープIDデータを読み出すように読出/書込回路39を制御する。読み出されたスコープIDデータは読出/書込制御回路25c及び絶縁素子36cを経て画像情報生成部を形成する画像生成回路25b等からアクセスできる(共通の2次回路内に配置された)メモリ24に出力する。
【0030】
なお、画像生成回路25bが読出/書込回路39を制御し、メモリ6から読み出されたスコープIDデータを取得するようにしても良い。
読出/書込制御回路25cは、読出/書込回路39を経て読み出されたデータが誤りのあるデータであるか否かを判定する判定回路25dを有する。判定回路25dは、読出/書込制御回路25cの内部に設ける場合に限定されない。例えば、読出/書込回路39又は画像生成回路25bが判定回路25dを備える構成でも良い。
後述するように、読み出されたデータが誤りのある場合には、例えば複数回、同じデータの読み出しを行う。
術者などのユーザが、読み出されたデータが誤りのある場合、キーボード等から構成される入力装置43から繰り返し同じデータを読み出す回数の設定値Nsを予め入力し、入力された回数の設定値Ns以内の回数だけ、同じデータの読み出しを行うようにしても良い。設定値Nsは、少なくとも2以上の自然数で設定される。
【0031】
本実施形態においては、メモリ6からスコープIDデータを読み出す場合、本体装置3内に予め備えているメモリ6のデータ配置テーブルを参照して、キャリブレーションデータ以外のデータをキャリブレーションデータより先に読み出す。そして、駆動条件のデータの読み出しが終了した場合には、読み出した駆動条件のデータを参照して、ドライブユニット22は駆動信号を発生し、また光源制御回路25aは駆動信号に連動してR光源31a,G光源31b、B光源31cを発光させる制御を開始する。
また、被検体5からの戻り光は、検出ユニット23により検出され、検出された検出信号は画像生成回路25bに入力される。
画像生成回路25bは、検出信号に対して画像生成用プリセットデータを用いて検出信号の画像上の2次元位置を特定し、さらに特定された2次元位置をラスタスキャン方式の位置に変換して画像信号を生成し、生成した画像信号をモニタ4に出力する。
【0032】
また、キャリブレーションデータの読み出しが終了した後には、画像生成回路25bは、検出信号に対して画像生成用プリセットデータでなく、読み出したキャリブレーションデータを用いて検出信号の画像上の2次元位置を特定し、さらに特定された2次元位置をラスタスキャン方式の位置に変換して画像信号を生成し、生成した画像信号をモニタ4に出力する。
なお、コントローラ25、光源制御回路25a、画像生成回路25b、読出/書込制御回路25c、判定回路25dは、上述したCPU又はFPGAにより構成される場合に限定されるものでなく、専用のハードウェアを用いて構成しても良い。
本実施形態の走査型内視鏡装置1は、被検体5に照射される照明光を導光するファイバを揺動するためのアクチュエータ16を駆動することにより前記被検体5上において前記照明光を走査する走査型内視鏡2と、前記走査型内視鏡2に設けられ、前記アクチュエータ16の駆動条件に関する駆動条件情報と、前記駆動条件情報よりも大きなデータ量を有する前記走査型内視鏡2に固有の固有情報としてのキャリブレーションデータを格納する格納部を形成するメモリ6と、前記格納部に格納された情報のうち、前記駆動条件情報を前記走査型内視鏡2に固有の情報よりも先に読み出す読み出し部を形成する読出/書込制御回路25c及び読出/書込回路39と、前記読み出し部において先に読み出された前記駆動条件情報に基づき前記アクチュエータ16を駆動する制御をする制御部を形成するコントローラ25と、を有することを特徴とする。なお、読み出し部が更に絶縁素子36cを含めて構成されるように定義しても良い。
【0033】
次に
図8及び
図9を参照して本実施形態の動作を説明する。
図8は本実施形態の代表的な動作の場合の処理手順を示し、
図9は本実施形態の代表的な動作の時間的なタイミングを示す。
走査型内視鏡2が本体装置3に接続され、電源が投入されると、本体装置3内の各回路は動作状態となる。本体装置3が起動する(
図9では起動時を時間t0で示す)と、ステップS1においてコントローラ25(の読出/書込制御回路25c)は、メモリ6からスコープIDデータの読み出しを開始する。
図9ではスコープIDデータの読み出し開始の時間をt1で示す。この場合、ステップS2に示すようにコントローラ25(の読出/書込制御回路25c)は、メモリ配置テーブルを参照して、駆動条件ないしは各設定値のデータを、キャリブレーションデータよりも先に読み出す読み出し状態で読出を開始する(
図8では駆動条件のデータを優先して読出と表記)。
【0034】
ステップS3に示すように読出/書込制御回路25c(の判定回路25d)は、メモリ6から読み出されたデータに対してチェックを行う。
図9においてはデータのチェック開始の時間をt2で示す。なお、データのチェックは、スコープIDデータの読み出しが終了するまで行われる。
データのチェックとしては、2進数の数値を一定の単位毎に区切り、その単位の中に含まれる1の数が必ず偶数個、又は奇数個になるように、末尾に1ビットの数値を付けてデータを送信し、受信側(読出側)で確認するパリティチェックや、送信前にデータを分割し、それぞれのブロック内のデータを数値と見なして合計値を算出し、データと一緒に送信し、受信側で確認するチェックSUM等を行う。
次のステップS4において読出/書込制御回路25c(の判定回路25d)は、誤り無し(データが正しい)か否かを判定する。誤り無しの場合には、次のステップS5の処理に進む。
一方、誤り有りの判定結果の場合には、ステップS6において読出/書込制御回路25c(の判定回路25d)は、繰り返し回数のパラメータIを初期値0に1を加算した値I=I+1に設定した後、ステップS7においてIが設定値Ns以内か否かを判定する。現在では、Iは1であるので、設定値Ns以内と判定され、ステップS2の処理に戻り、同様の処理が繰り返される。
【0035】
通常は、設定値Ns以内の回数において誤りを含むデータを繰り返し読み出すことにより、正常に読み出すことができるが、設定値Ns以内の回数では誤りの無いデータの読み出しが行えなかった場合には、ステップS8においてモニタ4においてエラー表示を行い、
図8の処理を終了する。
ステップS5においてコントローラ25(の読出/書込制御回路25c)は、駆動条件(までの)のデータ読出が終了したか否かの判定を行う。駆動条件(までの)のデータの読出が終了していない判定結果の場合には、ステップS2の処理に戻り、同様の処理が繰り返される。
一方、駆動条件(までの)のデータの読出が終了した判定結果の場合には、ステップS9の処理に移る。
図9において駆動条件(までの)のデータの読出が終了(完了)した時間をt3で示す。
【0036】
ステップS9においてドライブユニット22とコントローラ25(の光源制御回路25a)は、読出が終了した駆動条件のデータを参照して、アクチュエータ16の駆動と、光源の発光制御とを連動して行う(動作を開始する)。
図9においてアクチュエータ16の駆動開始の時間をt4で示す。また、駆動条件(までの)のデータの読出が終了すると、ステップS10に示すように読出/書込制御回路25cは、キャリブレーションデータの読出を開始する。
図9においてキャリブレーションデータの読出開始の時間をt5で示す。ステップS9とS10との処理は並行して行われることになる。
アクチュエータ16を駆動し、光源を発光させた際の被写体からの戻り光は検出ユニット23により検出され、検出信号が画像生成回路25bに入力される。なお、この段階においては、走査型内視鏡2はまだ被検体5内に挿入されていない。
ステップS11に示すように画像生成回路25bは、1フレーム分の検出信号を取得する毎に、メモリ24に格納された画像生成用プリセットデータを用いて画像信号を生成(画像構築)する。また、ステップS12に示すように画像生成回路25bは、生成した画像信号をモニタ4に出力し、モニタ4は生成された画像を表示する。
【0037】
図9において、例えば最初の画像生成を開始する時間をt6,最初の画像表示の時間をt7で示す。このように画像生成用プリセットデータを用いることにより、術者は起動時t0から比較的に短い待ち時間(t7−t0)となる時間t7で最初の画像を確認することができる。この場合の画像は、体外においての光走査による画像であるが、光走査による画像が得られるか否かを短時間に確認できる。
一方、ステップS10においてキャリブレーションデータの読出を開始した読出/書込制御回路25c(の判定回路25d)は、ステップS13において読み出したキャリブレーションデータのチェックを行う。次のステップS14において読出/書込制御回路25c(の判定回路25d)は、読み出したキャリブレーションデータが誤り無し(データが正しい)か否かを判定する。誤り無しの場合には、次のステップS15の処理に進む。
一方、誤り有りの判定結果の場合には、ステップS16において読出/書込制御回路25c(の判定回路25d)は、キャリブレーションデータの場合の繰り返し回数のパラメータJを初期値0に1を加算した値J=J+1に設定した後、ステップS17においてJが設定値Ns以内か否かを判定する。現在では、Jが1であるので、設定値Ns以内と判定され、ステップS10の処理に戻り、同様の処理が繰り返される。
【0038】
通常は、設定値Ns以内の回数において誤りを含むデータを繰り返し読み出すことにより、正常に読み出すことができるが、設定値Ns以内の回数では誤りの無いデータの読み出しが行えなかった場合には、ステップS18においてモニタ4においてエラー表示を行い、
図8の処理を終了する。
ステップS15において読出/書込制御回路25cは、キャリブレーションデータの読出が終了(又は完了)したか否かの判定を行い、終了していない場合には、ステップS10の処理に戻る。一方、キャリブレーションデータの読出が終了した判定結果の場合には、キャリブレーションデータの読出が終了した信号を画像生成回路25bに送る。
図9においてキャリブレーションデータの読出が終了した時間をt8で示す。
キャリブレーションデータの読出が終了した信号を受けた画像生成回路25bは、ステップS19に示すように、このキャリブレーションデータを用いて、画像の再構築を行う。
【0039】
画像の再構築を行う前においては、検出信号を取得した場合、画像生成用プリセットデータを用いて画像構築を行っていた。キャリブレーションデータの読出が終了した信号を受けた時間以後においては、取得した検出信号に対して、画像生成用プリセットデータを用いないで、キャリブレーションデータを用いて画像を構築(生成)し、構築した画像信号をモニタ4に出力する。キャリブレーションデータを用いて画像を構築(生成)することを画像の再構築とも言う。
図9においてキャリブレーションデータを用いた画像の再構築の開始の時間をt9で示す。
次のステップS20において、モニタ4は、キャリブレーションデータを用いて構築された画像を表示する。
図9においてキャリブレーションデータを用いた画像の表示の時間をt10で示す。なお、起動時の時間t0からキャリブレーションデータを用いた画像の表示の時間t10までの待ち時間t10−t0は、上述した待ち時間t7−t0の数倍となる。
キャリブレーションデータを用いて画像を構築(生成)する状態になった場合以後、ステップS21に示すように術者は、走査型内視鏡2を被検体5内に挿入して内視鏡検査を行う。このようにして、
図8の処理は終了する。
【0040】
このように動作する本実施形態によれば、起動時において絶縁素子36cを介して本体装置3に接続された走査型内視鏡2のメモリ6からスコープIDデータを読み出す場合、キャリブレーションデータの読出に時間がかかるが、駆動条件のデータを先に読み出し、読出後に直ちにアクチュエータ16を駆動して、検出信号を取得し、取得した検出信号の照射位置を、予め用意した予備の画像生成用プリセットデータを用いて特定することにより、起動時からの待ち時間が短く、短時間で光走査の画像を表示することができる。このため、術者は、走査型内視鏡2により取得した画像を、起動時からの短い待ち時間で確認することができ、術者に対する操作性を向上することができる。
なお、
図6Bに示したキャリブレーションデータのデータ量は、例えば
図10のようなデータ量から低減され、読出にかかる時間を短くするようにしている。
補足説明すると、走査型内視鏡2のメモリ6に格納されるキャリブレーションデータは、本体装置3を用いて定期的に補正されて、更新される。そして、更新されるキャリブレーションデータは、一時的に本体装置3のメモリ24に格納されており、読出/書込制御回路25cの制御下で、メモリ6に書き込まれる。
【0041】
本体装置3側のキャリブレーションデータを格納するメモリ24等のメモリは、絶縁素子36c等を経由しないで高速に読み書きの処理ができるので、キャリブレーションデータに不要なデータが存在しても術者等のユーザが遅いと感じる程の待ち時間が発生しない。
しかし、走査型内視鏡2内に設けたメモリ6に格納されたキャリブレーションデータは、絶縁素子36cを経由して読み出すことが必要となるため、絶縁素子36cを経由しないで読み出す場合に比較して低速になる。従って、術者等のユーザが遅いと感じる程の待ち時間が発生する。
このため、走査型内視鏡2内に設けたメモリ6に格納するキャリブレーションデータは、出来るだけ不要なデータを削除してデータ量を削減した方が、待ち時間を低減できる。本実施形態においては、本体装置3側で更新したキャリブレーションデータが例えば
図10に示すようなものであった場合、
図6Bに示すようにデータ量を低減してメモリ6に書き込む。このように低減したキャリブレーションデータをメモリ6に格納することにより、本体装置3に接続された走査型内視鏡2を用いて内視鏡検査を行う場合、起動時においてメモリ6からキャリブレーションデータを読み出す時間を短くできる。
【0042】
なお、上述の説明において、スコープIDデータにおけるキャリブレーションデータ以外の、
図5における形式〜各種設定値までのデータを読出後にアクチュエータ16を駆動するようにしても良い。
また、本体装置3側においては、絶縁素子を経由しないで本体装置3に設けた読出データ格納部24bからキャリブレーションデータ等を高速で読出、書込ができるため、以下の変形例のようにその長所を利用できるようにしても良い。
各走査型内視鏡2に対しては、その走査型内視鏡2に搭載されたアクチュエータ16に対するキャリブレーションデータを更新した場合には、更新した最新の年月日(更新年月日)のデータ(情報)を記録(記憶)するようにする。例えば、製造年月日のデータが、更新年月日のデータを含むように記録する。
また、本体装置3(の2次回路内)に設けた読出データ格納部24b等から構成される記憶装置(
図1,
図7ではメモリ24であるが、その場合に限定されない)には、その記憶装置の記憶容量分だけ、この本体装置3に接続された走査型内視鏡2のメモリ6から読み出したキャリブレーションデータ、更新年月日を、例えば走査型内視鏡2の識別情報となるシリアルNo.に関連付けて格納する。この場合、
図5に示した他のデータ(型式、駆動条件、各種設定値)もシリアルNo.に関連付けて格納しても良い。なお、記憶装置は、その記憶容量を超えるキャリブレーションデータ、更新年月日、シリアルNo.を格納(記録)する場合には、時間的に最も古いデータのエリアから優先して上書き(オーバライト)して格納すると良い。
【0043】
そして、本体装置3は、走査型内視鏡2が接続された場合、その走査型内視鏡2のメモリ6から少なくともシリアルNo.と更新年月日のデータを読み出した場合、本体装置3側の記憶装置が同じデータを格納しているか否かを判定し、同じデータを格納している場合には、本体装置3側の記憶装置が格納しているキャリブレションデータを用いて画像を構築する。この場合には、画像生成用プリセットデータを用いることなく、キャリブレションデータを用いて画像を構築する。
一方、同じデータを格納していない場合には、上述した第1の実施形態のように画像を生成する。
図11はこの場合の処理例のフローチャートを示す。
図11に示す処理は、
図8における処理において、例えばステップS5とステップS9,S10との間に、ステップS31の判定を行う処理と、ステップS31の判定結果に応じて行うステップS32,S33とを備え、ステップS31〜S33以外は
図8と同じ処理となる。
ステップS31において読出/書込制御回路25c(又は判定回路25d)は、上記のようにスコープIDデータを読み出した場合、識別情報と最新の更新情報となる更新年月日の情報と一致する情報を、本体装置3側の記憶装置が格納しているか否かの判定を行う。なお、メモリ6は、格納するキャリブレーションデータと共に、作成された年月日の日時情報を格納する。また、メモリ6は、古いキャリブレーションデータが更新された場合には、更新された新しいキャリブレーションデータと共に、更新された年月日の日時情報で更新(オーバライト)される。
【0044】
上記の判定により一致していない場合には、ステップS9,S10の処理を行う。
【0045】
これに対して、一致していると判定した場合には、次のステップS32の処理に進み、ステップS9と同様にアクチュエータ16を駆動し、駆動の際に取得した検出信号に対して、ステップS33において画像生成回路25bは、本体装置3側の記憶装置が格納しているキャリブレーションデータを用いて画像を構築(生成)する処理を行う。
そして、生成された画像はステップS20においてモニタ4に表示される。この場合には、
図8における予備のキャリブレーションデータを用いて画像を生成する処理を行うことなく、接続された走査型内視鏡2に搭載されたアクチュエータ16に対応したキャリブレーションデータを用いて画質の良い画像を短時間に生成する。
このように作用するため、本体装置3に接続した走査型内視鏡2を用いて内視鏡検査を行った後、長い日数を経過することなく、再度同じ走査型内視鏡2を用いて内視鏡検査を行うような場合においては、短い待ち時間で画質の良い画像を表示することができる効果がある。
なお、上述した実施形態等の一部を省略して走査型内視鏡装置を構成しても良い。例えば、読出/書込制御回路25c、読出/書込回路39における読出に関する機能を持つ読出制御回路、読出回路を用いて走査型内視鏡装置を構成しても良い。また、読出/書込制御回路25c、又は読出制御回路が絶縁素子36cを介してメモリ6からスコープIDデータを読み出すことができる構成にしても良い。また、絶縁素子36cとして、複数の絶縁素子を用いてメモリ6からスコープIDデータを読み出すことができる構成にしても良い。
なお、上述した実施形態等においては、スコープIDデータにおけるキャリブレーションデータ以外の駆動条件等のデータの読出を、データチェックを行いながらキャリブレーションデータよりも先に行う例を説明したが、キャリブレーションデータを含むスコープIDデータを全て誤りなく読み出した後に、アクチュエータを駆動するようにしても良い。
【0046】
本出願は、2015年4月20に日本国に出願された特願2015−086156号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。
走査型内視鏡装置は、被検体に照射される照明光を導光するファイバを揺動するアクチュエータを駆動することにより被検体上において照明光を走査する走査型内視鏡と、アクチュエータの駆動条件に関する駆動条件情報と、駆動条件情報よりも大きなデータ量を有する走査型内視鏡に固有の固有情報とを格納する格納部と、格納部に格納された情報のうち、駆動条件情報を固有情報よりも先に読み出す読み出し部と、先に読み出された駆動条件情報に基づきアクチュエータを駆動する制御をする制御部と、を有する。