(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の実施形態の一例を説明する。
図1に示す内視鏡リプロセッサ1は、内視鏡に対して、再生処理を施す装置である。ここでいう再生処理とは特に限定されるものではなく、水によるすすぎ処理、有機物等の汚れを落とす洗浄処理、所定の微生物を無効化する消毒処理、全ての微生物を排除もしくは死滅させる滅菌処理、またはこれらの組み合わせ、のいずれであってもよい。
【0010】
なお、以下の説明において、上方とは比較対象に対してより地面から遠ざかった位置のことを指し、下方とは比較対象に対してより地面に近づいた位置のことを指す。また、以下の説明における高低とは、重力方向に沿った高さ関係を示すものとする。
【0011】
内視鏡リプロセッサ1は、内視鏡リプロセッサ1は、制御部5、電源部6、処理槽2、薬液貯留部20、および薬液採取部80を備える。
【0012】
制御部5は、演算装置(CPU)、記憶装置(RAM)、補助記憶装置、入出力装置および電力制御装置等を具備して構成することができ、内視鏡リプロセッサ1を構成する各部位の動作を、所定のプログラムに基づいて制御する構成を有している。以下の説明における内視鏡リプロセッサ1に含まれる各構成の動作は、特に記載がない場合であっても制御部5によって制御される。
【0013】
電源部6は、内視鏡リプロセッサ1の各部位に電力を供給する。電源部6は、商用電源等の外部から得た電力を各部位に分配する。なお、電源部6は、発電装置やバッテリーを備えていてもよい。
【0014】
処理槽2は、開口部を有する凹形状であり、内部に液体を貯留することが可能である。処理槽2内には、図示しない内視鏡を配置することができる。本実施形態では一例として、処理槽2の上部には、処理槽2の開口部を開閉する蓋3が設けられている。処理槽2内において内視鏡に再生処理を施す場合には、処理槽2の開口部は蓋3によって閉じられる。
【0015】
処理槽2には、薬液ノズル12、排液口11、循環口13、循環ノズル14、洗浄液ノズル15、内視鏡接続部16および付属品ケース17が設けられている。
【0016】
薬液ノズル12は、薬液管路26を介して薬液貯留部20に連通する開口部である。薬液貯留部20は、薬液を貯留する。薬液管路26には、薬液ポンプ27が設けられている。薬液ポンプ27を運転することにより、薬液貯留部20内の薬液が、薬液管路26および薬液ノズル12を経由して、処理槽2内に移送される。
【0017】
薬液貯留部20が貯留する薬液の種類は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として、薬液は消毒処理に用いられる例えば過酢酸等の消毒液である。ただし、本発明はこれに限定されず、薬液として、洗浄処理に用いられる洗浄液、乾燥に用いられる高揮発性溶液等を目的に応じて適宜選択することができる。
【0018】
また、本実施形態では一例として、薬液は、薬液ボトル18から供給された薬液の原液を、水によって所定の比率で希釈したものである。本実施形態の薬液貯留部20は、薬液ボトル18から供給された薬液の原液を薬液貯留部20内に導入するボトル接続部19、および希釈用の水を薬液貯留部20内に導入する希釈管路48に連通している。薬液ボトル18がボトル接続部19に接続されることにより、薬液の原液が薬液貯留部20内に導入される。希釈管路48から薬液貯留部20内に水を導入する構成については後述する。
【0019】
なお、内視鏡リプロセッサ1は、薬液を水等によって希釈する構成を有していなくともよい。また、薬液が複数種類の原液を混合して使用されるものである場合には、ボトル接続部19は複数の薬液ボトル18に接続可能である。
【0020】
また、本実施形態では一例として、薬液は、濃度が薬効を有する所定の範囲内である場合には、再使用可能である。薬液貯留部20は、薬液貯留部20内から処理槽2内に移送された薬液を回収して再び貯留する薬液回収部を兼ねる。
【0021】
また、薬液貯留部20には、排液部28が配設されている。排液部28は、薬液貯留部20内から薬液または水等の液体を排出する。排液部28は、重力によって薬液貯留部20内から液体を排出する構成であってもよいし、ポンプによって強制的に薬液貯留部20内から液体を排出する構成であってもよい。
【0022】
本実施形態では一例として、排液部28は、薬液貯留部20の底面または底面付近に設けられた排液口20aに連通するドレーン管路28aと、ドレーン管路28aを開閉するドレーンバルブ28bと、を含む。ドレーンバルブ28bは、制御部5によって開閉の制御がなされる電磁開閉弁であってもよいし、使用者の手動操作によって開閉が行われるコックであってもよい。
【0023】
なお、薬液貯留部20内から液体を排出する経路は、ドレーン管路のみに限られない。例えば、薬液ポンプ27の運転を開始することによって、薬液管路26および薬液ノズル12を経由して、薬液貯留部20内から液体を処理槽2内に排出することも可能である。この場合、内視鏡リプロセッサ1は、
図1に示される排液口20a、ドレーン管路28a、およびドレーンバルブ28bを含まない構成であってもよい。
【0024】
また、薬液貯留部20内には、採取管90の第1端部90aが開口している。採取管90は、薬液採取部80の構成に含まれる。薬液採取部80の構成については後述する。
【0025】
排液口11は、処理槽2内の最も低い箇所に設けられた開口部である。排液口11は、排出管路21に接続されている。排出管路21は、排液口11と切替バルブ22とを連通している。切替バルブ22には、回収管路23および廃棄管路25が接続されている。切替バルブ22は、排出管路21を閉塞した状態、排出管路21と回収管路23とを連通した状態、または排出管路21と廃棄管路25とを連通した状態、に切り替え可能である。
【0026】
回収管路23は、薬液貯留部20と切替バルブ22とを連通している。また、廃棄管路25には排出ポンプ24が設けられている。廃棄管路25は、内視鏡リプロセッサ1から排出される液体を受け入れるための排液設備に接続される。
【0027】
切替バルブ22を閉状態とすれば、処理槽2内に液体を貯留することができる。また、処理槽2内に薬液が貯留されている時に、切替バルブ22を排出管路21と回収管路23とが連通した状態とすれば、薬液が処理槽2から薬液貯留部20に移送される。また、切替バルブ22を排出管路21と廃棄管路25とが連通した状態とし、排出ポンプ24の運転を開始すれば、処理槽2内の液体が廃棄管路25を経由して排液設備に送出される。
【0028】
循環口13は、処理槽2の底面付近に設けられた開口部である。循環口13は、循環管路13aに連通している。循環管路13aは、内視鏡循環管路30および処理槽循環管路40の二つの管路に分岐している。
【0029】
内視鏡循環管路30は、循環管路13aと後述するチャンネルバルブ32とを連通している。内視鏡循環管路30には、循環ポンプ33が設けられている。循環ポンプ33は、稼働することにより内視鏡循環管路30内の流体をチャンネルバルブ32に向かって移送する。
【0030】
チャンネルバルブ32には、前述の内視鏡循環管路30の他に、吸気管路34、アルコール管路38および送出管路31が接続されている。チャンネルバルブ32は、送出管路31に、内視鏡循環管路30、吸気管路34およびアルコール管路38のうちのいずれか1つの管路を選択的に連通させる。
【0031】
吸気管路34は、一方の端部が大気に開放されており、他方の端部がチャンネルバルブ32に接続されている。なお、図示しないが、吸気管路34の一方の端部には、通過する気体を濾過するフィルタが設けられている。エアポンプ35は、吸気管路34に設けられており、稼働することにより吸気管路34内の気体をチャンネルバルブ32に向かって移送する。
【0032】
アルコール管路38は、アルコールを貯留するアルコールタンク37とチャンネルバルブ32とを連通している。アルコールタンク37内に貯留されるアルコールは、例えばエタノールが挙げられる。アルコール濃度については、適宜に選択することができる。アルコールポンプ39は、アルコール管路38に設けられており、稼働することによりアルコールタンク37内のアルコールをチャンネルバルブ32に向かって移送する。
【0033】
処理槽2内に液体が貯留されている場合に、チャンネルバルブ32を送出管路31と内視鏡循環管路30とが連通した状態とし、循環ポンプ33の運転を開始すれば、処理槽2内の液体が、循環口13、循環管路13aおよび内視鏡循環管路30を経由して、送出管路31に送り込まれる。
【0034】
また、チャンネルバルブ32を送出管路31と吸気管路34とが連通した状態とし、エアポンプ35の運転を開始すれば、空気が送出管路31に送り込まれる。また、チャンネルバルブ32を送出管路31とアルコール管路38とが連通した状態とし、アルコールポンプ39の運転を開始すれば、アルコールタンク37内のアルコールが送出管路31に送り込まれる。
【0035】
送出管路31は、内視鏡接続管路31bおよびケース接続管路31cに分岐している。内視鏡接続管路31bは、内視鏡接続部16に接続されている。また、ケース接続管路31cは、付属品ケース17に接続されている。
【0036】
また、送出管路31には、流路切替部31aが設けられている。流路切替部31aは、チャンネルバルブ32から送出管路31に送り込まれた流体を、内視鏡接続管路31bおよびケース接続管路31cのいずれに流すかを切り替え可能である。なお、切り替え時に内視鏡接続管路31b側の圧力が一定となるように制御してもよい。
【0037】
内視鏡接続部16は、図示しない内視鏡チューブを介して、内視鏡に設けられた口金に接続される。また、付属品ケース17は、内視鏡の図示しない付属品を収容するかご状の部材である。したがって、チャンネルバルブ32から送出管路31に送り込まれた流体は、内視鏡の口金内または付属品ケース17内に導入される。
【0038】
処理槽循環管路40は、循環管路13aと循環ノズル14とを連通している。循環ノズル14は、処理槽2内に設けられた開口部である。処理槽循環管路40には、流液ポンプ41が設けられている。
【0039】
また、処理槽循環管路40の流液ポンプ41と循環ノズル14との間には、三方弁42が設けられている。三方弁42には、給水管路43が接続されている。三方弁42は、循環ノズル14と処理槽循環管路40とを連通した状態、または循環ノズル14と給水管路43とを連通した状態、に切り替え可能である。
【0040】
給水管路43は、三方弁42と水供給源接続部46とを連通している。給水管路43には、給水管路43を開閉する水導入バルブ45および水を濾過する水フィルタ44が設けられている。水供給源接続部46は、例えばホース等を介して、水を送出する水道設備等の水供給源49に接続される。
【0041】
給水管路43の、水フィルタ44と三方弁42との間の区間には、希釈バルブ47が設けられている。希釈バルブ47には、希釈バルブ47と薬液貯留部20とを連通する希釈管路48が接続されている。希釈バルブ47は、水フィルタ44と三方弁42とを連通した状態、または水フィルタ44と希釈管路48とを連通した状態、に切り替え可能である。
【0042】
処理槽2内に液体が貯留されている場合に、三方弁42を循環ノズル14と処理槽循環管路40とを連通した状態とし、希釈バルブ47を水フィルタ44と三方弁42とを連通した状態として、流液ポンプ41の運転を開始すれば、処理槽2内の液体が、循環口13、循環管路13aおよび処理槽循環管路40を経由して、循環ノズル14から吐出される。
【0043】
また、三方弁42を、循環ノズル14と給水管路43とを連通した状態とし、希釈バルブ47を水フィルタ44と三方弁42とを連通した状態として、水導入バルブ45を開状態とすれば、水供給源49から供給された水が循環ノズル14から吐出される。循環ノズル14から吐出された液体は、処理槽2内に導入される。
【0044】
また、希釈バルブ47を水フィルタ44と希釈管路48とを連通した状態とし、水導入バルブ45を開状態とすれば、水供給源49から供給された水が薬液貯留部20内に導入される。
【0045】
洗浄液ノズル15は、洗浄液管路51を介して、洗浄液を貯留する洗浄液タンク50に連通する開口部である。洗浄液は、洗浄処理に用いられる。洗浄液管路51には、洗浄液ポンプ52が設けられている。洗浄液ポンプ52を運転することにより、洗浄液タンク50内の洗浄液が、処理槽2内に移送される。
【0046】
また、内視鏡リプロセッサ1は、使用者との間の情報の授受を行うユーザインターフェースを構成する、操作部7および出力部8を備える。操作部7および出力部8は、制御部5に電気的に接続されている。
【0047】
操作部7は、例えばプッシュスイッチやタッチセンサ等の操作部材を含む。また、出力部8は、例えば画像や文字を表示する表示装置、光を発する発光装置、音を発するスピーカ、またはこれらの組み合わせ、を含む。なお、操作部7および出力部8は、制御部5との間で無線通信を行う電子機器に備えられる形態であってもよい。
【0048】
図2に示すように、薬液採取部80は、採取管90、第1室81、第2室82、狭窄部83、第1進退部84および付勢部85を備える。また、薬液採取部80は、押子86を備える。
【0049】
採取管90は、第1端部90aに設けられた開口と、第2端部90bに設けられた開口とを連通する通路90cを有する。採取管90の第1端部90aは、薬液貯留部20内の所定水位L1以下に配置されており、第2端部90bは、薬液貯留部20外において所定水位L1よりも高い位置に配置されている。すなわち、薬液貯留部20内の所定水位L1まで薬液が貯留されている場合には、採取管90の第1端部90aが薬液中に没する。採取管90は、撥水性の高い材料により構成されるか、もしくは通路90cの内周面に撥水性を高める表面処理が施されていることが好ましい。
【0050】
第1端部90aに設けられている開口は、薬液貯留部20内の空間に開放されている。第2端部90bの開口は、後述する第1室81内の空間に接続されている。
【0051】
第1室81および第2室82は、狭窄部83によって接続された空間である。すなわち、第2室82は、狭窄部83および第1室81を介して、採取管90の第2端部90bに接続されている。第2室82は、前述のように狭窄部83に連通するとともに、開口部82bを介して外部に開放されている。また、第2室82は、第1室81よりも高い位置に配置されている。
【0052】
より具体的に、第1室81は、基台部91内に形成されている。また、第2室82は、基台部91に対して着脱可能な筒部92内に形成されている。なお、筒部92は、基台部91と一体であってもよい。基台部91および筒部92は、撥水性の高い材料により構成されるか、もしくは第1室81および第2室82の内面に撥水性を高める表面処理が施されていることが好ましい。
【0053】
基台部91は、内視鏡リプロセッサ1の本体部1aに固定されている。第1室81は、薬液貯留部20内の所定水位L1よりも高い位置に配置されている。内視鏡リプロセッサ1において基台部91が固定される箇所は、第1室81が薬液貯留部20内の所定水位L1よりも高い位置に配置される箇所であれば特に限定されるものではない。基台部91は、内視鏡リプロセッサ1の使用者によって容易に視認が可能であり、かつ手が届く位置に配置されることが好ましい。
【0054】
本実施形態では一例として、基台部91は、内視鏡リプロセッサ1の本体部1aの上面に固定されている。なお、基台部91は、例えば処理槽2内に固定されていてもよい。また例えば、基台部91は、例えば本体部1aに設けられた開閉可能なドアの内側に固定されていてもよい。
【0055】
第1室81には、2つの開口が設けられており、一方の開口である下側開口81aは、採取管90の第2端部90bの開口に連通しており、他方の開口である上側開口81bは、後述する狭窄部83に連通している。上側開口81bは、下側開口81aよりも高い位置に設けられている。
【0056】
本実施形態では一例として、第1室81は、中心軸が上下方向に延在する円柱状の空間である。なお、第1室81の断面形状は、円形に限られず、多角形や楕円形等であってもよい。下側開口81aは、第1室81の下面に形成されている。また、上側開口81bは第1室81の上面に形成されている。上側開口81bは、第1室81の内径よりも小さい内径を有する。上側開口81bは、第1室81の中心軸上に形成されている。
【0057】
狭窄部83は、基台部91の外側と第1室81とを連通する貫通孔である。狭窄部83は、基台部91の上端において、基台部91の外側に開口する。狭窄部83は、第1室81の内径よりも小さい内径を有している。本実施形態では一例として、狭窄部83は、基台部91の上端の、第1室81の中心軸上に形成されている。
【0058】
第2室82は、基台部91に対して着脱可能な筒部92の内部に形成された空間である。第2室82には、2つの開口が設けられており、一方の開口である連通口82aは、筒部92が基台部91に固定された状態において狭窄部83に連通する。すなわち、第2室82は、狭窄部83に対して着脱可能である。
【0059】
また、第2室82の他方の開口である開口部82bは、筒部92の外部に開放されている。筒部92が基台部91に固定された状態において、開口部82bは、連通口82aよりも高い位置に設けられている。
【0060】
本実施形態では一例として、筒部92は円筒形状であり、外周部に設けられた爪状の係合部92aが、基台部91に係合することにより、基台部91に固定される。なお、筒部92を基台部91に固定するための構成は、本実施形態に限られるものではなく、例えばネジ機構等であってもよい。
【0061】
円筒形状である筒部92は、基台部91に固定された状態において、中心軸が上下方向に延在する。そして第2室82は、筒部92内に形成された、径が一定の円柱状の空間である。連通口82aは、第2室82の下端に形成された開口である。また、開口部82bは、第2室82の内径以上の内径を有する。
【0062】
すなわち、筒部92が基台部91に固定された状態において、第2室82は、開口部82bが上方に向かって開口した凹部の内部であり、第2室82の底面には、連通口82aが開口している。
【0063】
また、筒部92が基台部91に固定された状態において、連通口82aの中心軸は、第1室81の中心軸と略一致し、連通口82aは、基台部91の上端において開口する狭窄部83に連通する。
【0064】
すなわち、筒部92が基台部91に固定された状態において、第2室82は、第1室81よりも上方に配置され、狭窄部83は、第1室81の上側開口81bと第2室82の連通口82aとをつなぐ。基台部91と筒部92との間には、連通口82aと狭窄部83との接続部からの気体の漏れを防止するシール部材91aが設けられている。
【0065】
第1進退部84は、第1室81内に配置されている。第1進退部84は、上側開口81bまたは狭窄部83を閉塞する第1位置、および上側開口81bまたは狭窄部83を開放する第2位置との間で進退移動する。
【0066】
より具体的には、第1進退部84は、第1室81内において上下方向に進退移動する。第1進退部84の移動範囲の上端が第1位置である。第1進退部84は、第1位置に位置している状態において、上側開口81bまたは狭窄部83を閉塞する。
【0067】
第1進退部84が上側開口81bまたは狭窄部83を閉塞する構成は特に限定されるものではない。例えば、第1進退部84は、第1位置に位置している状態において、第1室81の上面の上側開口81bの周囲に密接することによって、上側開口81bを閉塞する蓋状の部材であってもよい。また例えば、第1進退部84は、第1位置に位置している状態において、狭窄部83内に挿入されて狭窄部83の内周面に密接することによって、狭窄部83を閉塞する栓状の部材であってもよい。
【0068】
第1進退部84は、移動範囲の上端(第1位置)から下方に向かって移動して第2位置に到達した時点で、上側開口81bまたは狭窄部83を開放する。ここで、第2位置とは、第1進退部84の移動範囲のうちの特定の1点を指すものではなく、第2位置とは、第1進退部84の移動範囲のうちの上側開口81bまたは狭窄部83が開放状態となる所定の幅の範囲のことである。第1進退部84が第2位置に位置している場合には、第1室81と第2室82との間で、狭窄部83を経由した流体の往来が可能となる。
【0069】
第1進退部84は、付勢部85によって、第2位置から第1位置に向かう方向に付勢されている。すなわち、
図3に示すように、第1進退部84は、付勢部85以外からの力が加えられていない場合には、第1位置に位置する。付勢部85は、金属や樹脂製のバネによって付勢力を発生する構成であってもよいし、磁力によって付勢力を発生する構成であってもよい。付勢部85が、磁力によって付勢力を発生する構成である場合には、例えば第1進退部84と狭窄部83のうちの一方が磁石を含んでおり、他方が前記磁石に吸着する鉄等の磁性体を含む。
【0070】
本実施形態では一例として、第1進退部84は、第1位置において狭窄部83内に進入する円柱状の進入部84aと、進入部84aの外周に配置された環状の滞留部84bと、を備える。
【0071】
進入部84aは、狭窄部83の内径よりも小さい柱状の部位であり、狭窄部83内に進入することにより、狭窄部83の開口面積を小さくする。滞留部84bは、ゴム等の弾性を有する材料からなる弾性部であり、第1進退部84が第1位置に位置している状態において、第1室81の上面の上側開口81bの周囲に密接する。このため、第1進退部84が第1位置に位置している状態では、進入部84aおよび滞留部84bによって、上側開口81bが閉塞される。なお、第1進退部84をゴム等の弾性を有する材料により構成すれば、進入部84aおよび滞留部84bを一体に構成することができる。
【0072】
第1進退部84を第2位置から第1位置に移動させた場合において、進入部84aは、第1進退部84が第1位置に到達するより前の時点で狭窄部83内に進入する。すなわち、第1進退部84が第2位置から第1位置に移動する場合、上側開口81bの閉塞が行われる前に、進入部84aによって狭窄部83の開口面積が絞られる。
【0073】
また、本実施形態では一例として、付勢部85は、第1室81内において、第1進退部84と、第1室81の下面との間に挟持された圧縮コイルバネである。付勢部85の付勢力によって、第1進退部84は、上方に向かって付勢される。付勢部85の付勢力によって滞留部84bが第1室81の上面に突き当たる位置が、第1進退部84の移動範囲の上端である第1位置である。言い換えれば、滞留部84bは、第1室81の上面に突き当たることによって、進入部84aを含む第1進退部81を第1位置に留める。
【0074】
なお、本実施形態では、第1進退部84は、第1室81内において、第1室81の中心軸に沿って進退移動することにより、上側開口81bまたは狭窄部83を開閉するが、第1進退部84の構成は本実施形態に限られるものではない。例えば、第1進退部84は、第1室81内に設けられた回転軸周りに揺動し、上側開口81bまたは狭窄部83を開閉する構成であってもよい。
【0075】
押子86は、第2進退部87および保持部88を備える。なお、本実施形態では第2進退部87および保持部88は一体であるが、両者は分離可能であってもよい。
【0076】
第2進退部87は、開口部82bを通じて第2室82の外から第2室82内に挿入可能な柱状の部材である。第2進退部87は、第2室82内において、上下方向に進退移動可能である。第2進退部87には、第2進退部87が第2室82内に挿入されている状態において、開口部82から上方向に露出するハンドル部87aが設けられている。
【0077】
また、第2進退部87の外周には、第2進退部87が第2室82内に挿入されている状態において、第2室82の内周面82cに気密に接触する摺接部87bが設けられている。第2進退部87が第2室82内に挿入されている状態では、第2室82の摺接部87bよりも下の領域は、第2進退部87および摺接部87bによって封止される。
【0078】
すなわち、第2進退部87は、シリンダー状の第2室82内に挿入されるピストン状の部材である。第2進退部87が第2室82内を進退移動することにより、第2室82の容積が変化する。なお、第2進退部87をゴム等の弾性を有する材料により構成すれば、第2進退部87および摺接部87bを一体に構成することができる。
【0079】
本実施形態では一例として、第2進退部87は、第2室82内に所定の隙間を有して嵌合する円柱形状を有する。第2進退部87の外周面には、第2室82の内周面82cとの間の隙間を埋める環状の摺接部87bが設けられている。
【0080】
保持部88は、第2進退部87に連結しており、第2進退部87が第2室82内に挿入されている状態において、第2室82の連通口82a内に向かって突出している。保持部88は、第2進退部87と共に第2室82内を進退移動する。
【0081】
保持部88は、第2進退部87の摺接部87bが第2室82の内周面82cに気密に接触している場合には、狭窄部83内または第1室81内にまで延出して第1進退部84に当接する。そして、第2進退部87の摺接部87bが第2室82の内周面82cに気密に接触している場合には、保持部88は、付勢部85の付勢力に抗して第1進退部84を第2位置に移動させる。
【0082】
図4に示すように、第1進退部84が第1位置に位置している場合には、第2進退部87の摺接部87bは第2室82内から脱しており、第2室82は外部に開放される。
【0083】
本実施形態では一例として、保持部88は、円柱形状である第2進退部87の中心軸に沿って、第2進退部87の下端から突出する柱状の部位である。保持部88は、連通口82aおよび狭窄部83の内径よりも細い。
【0084】
第2進退部87を開口部bから第2室82内に挿入する場合において、保持部88は、連通口82aおよび狭窄部83内に進入し、保持部88は、摺接部87bが第2室82の内周面82cに密接するよりも先に、第1進退部84の進入部84aに当接する。
【0085】
また、本実施形態では、第2進退部87の摺接部87bが第2室82の内周面82cの上端に接している場合において、第1進退部84の進入部84aは狭窄部83内に進入している。言い換えれば、保持部88に保持された第1進退部84が第2位置にあり、かつ第2進退部87の摺接部87bが第2室82の内周面82cに密接している時に、進入部84aは、狭窄部83内に進入している。
【0086】
次に、以上に説明した構成を有する薬液採取部80による薬液を採取する動作について説明する。
【0087】
薬液採取部80による薬液の採取は、薬液貯留部20内に所定の水位L1まで薬液が貯留されている場合に行うことができる。以下の説明では、
図5に示すように、薬液貯留部20内には所定の水位L1まで薬液が貯留されているものとする。すなわち、採取管89の第1端部90aが薬液貯留部20内において薬液中に没した状態で、以下に述べる薬液採取部80による薬液の採取が行われる。
【0088】
図5は、薬液を採取する動作を開始する前の状態を示している。内視鏡リプロセッサ1による再生処理を実行する場合には、薬液採取部80は
図5に示す状態とされる。
図5に示すように、薬液採取部80を使用しない場合には、押子86および筒部92は、第2室82から離脱した状態とされる。この場合、第1進退部84は、付勢部85の付勢力によって第1位置に位置しており、第1室81の上側開口81bは、第1進退部84によって閉塞されている。
【0089】
薬液採取部80を使用する場合には、
図6に示すように、筒部92を基台部91に固定し、第2室82内の最も下まで押子86の第2進退部87を挿入する。この操作により、第1進退部84は、押子86の保持部88によって押圧されて第1室81の下方に移動して第2位置に位置する。第1進退部84が第2位置に位置することにより、第1室81の上側開口81bは開放状態となる。また、第2進退部87が第2室82内の最も下まで挿入されていることから、第2室82の容積は小さくなっている。
【0090】
次に、
図7から
図9に示すように、押子86を上方に引き上げて、第2進退部87を第2室82内から引き抜く。
図7から
図9に示す段階は、停止せずに連続的に移行する。
【0091】
押子86を上方に引き上げることにより、第2進退部87が第2室82内において上昇する。第2進退部87は、摺接部87bにおいて第2室82の内周面82cを気密に接触しながら移動するため、第2進退部87の上昇に伴って第2室82内の気圧が低下する。
【0092】
またこのとき、第1進退部84は、押子86の保持部88に当接して第2位置に位置しており、第1室81の上側開口81bは開放状態とされる。すなわち、第2室82は、連通口82a、狭窄部83および上側開口81bを介して第1室81に連通した状態である。
【0093】
したがって、第2室82内において、第2進退部87を下端から引き上げることによって、第2室82、第1室81および第1室81に連通する採取管90の通路90c内の気圧が低下し、
図7に示すように、採取管90および第1室81を経由して第2室82内にまで、薬液貯留部20内の薬液が吸い上げられる。
【0094】
押子86を引き上げて、第2進退部87の摺接部87bが、第2室82の内周面82cの上端に到達した段階では、
図8に示すように、保持部88の押圧によって第1進退部84が第2位置に位置しており、第2室82は、第1室81に連通した状態のままである。このため、第2進退部87は、第2室82内から容易に引き抜くことができる。例えば、第2進退部87が第2室82内から引き抜かれる前に、第1進退部84によって上側開口81bが閉塞されると、封止された第2室82から第2進退部87を引き抜くために必要な力が大きくなる。
【0095】
そして、
図9に示すように、第2室82内から第2進退部87が脱した段階では、押子86の保持部88が第1進退部84から離れるため、第1進退部84は第1位置に位置し、上側開口81bを閉塞する。したがって、第2室82内まで吸い上げられた薬液は、第2室82内に貯留されたままとなる。
【0096】
なお、第2進退部87を第2室82内から引き抜く場合、第2進退部87の摺接部87bが第2室82の内周面82cから離れるタイミングは、第1進退部84によって上側開口81bが閉塞されるタイミングよりも先であるため、第2室82内の気圧が大気圧に戻り、薬液の一部は薬液貯留部20内に落下する。
【0097】
しかしながら、本実施形態では、第2進退部87を第2室82内から引き抜く場合において、第2進退部87の摺接部87bが第2室82の内周面82cから離れて第2室82内の気圧が大気圧となるタイミングよりも先に、第1進退部84の進入部84aが狭窄部83内に進入して狭窄部83の開口面積が絞られる。このため、第2室82内から薬液貯留部20内に落下する薬液の量は少量に抑えられる。
【0098】
第2進退部87が引き抜かれた後の第2室82は、開口部82bにおいて外部に開放されているため、第2室82内に貯留されている薬液に対する薬効確認試験を容易に実行することができる。薬効確認試験は、例えば薬液の濃度を測定するための試験紙を、第2室82に貯留されている薬液中に浸すことによって実行される。なお、薬効確認試験は、例えば第2室82に貯留されている薬液を、スポイト等によって試験装置に移送して実行されるものであってもよい。
【0099】
そして、本実施形態では、
図10に示すように、第2室82の連通口に、例えば棒状の開栓具89を挿入して第1進退部84を下方に向かって押圧し、第1進退部84を第2位置に位置させることにより、第2室82内に貯留されている薬液を、第1室81および採取管90を経由して薬液貯留部20内に戻すことができる。
【0100】
なお、開栓具89は、押子86の保持部88であってもよい。この場合、押子86を、保持部88によって第1進退部84を第2位置に保持するが、第2進退部87が第2室82の開口部82bを塞がない位置に保持することによって、第2室82内に貯留されている薬液を薬液貯留部20内に戻すことができる。
【0101】
なお、開栓具89は、薬液吸い上げに使用した押子86そのものであってもよい。この場合、薬液貯留部20と第1室81の高さ位置関係に関わらず第2室82内に貯留されている薬液を薬液貯留部20に戻すことができる。
【0102】
以上に説明したように、本実施形態の内視鏡リプロセッサ1は、押子86を第2室82の開口部82b内に挿入した後に引き抜く操作を行うことによって、薬液貯留部20内に貯留されている薬液を第2室82内に吸い上げて貯留することができる。また、本実施形態では、開栓具89によって第1進退部84を押し下げる操作を行うことによって、第2室82内に貯留されている薬液を薬液貯留部20内に戻すことができる。このように、本実施形態の内視鏡リプロセッサ1によれば、薬液貯留部20からの薬液の採取、および採取した薬液の薬液貯留部20への返還を容易に実行可能である。
【0103】
(第1の実施形態の変形例)
本発明の第1の実施形態において、
図11に例示するように第2室側面部の側面82cに開口を設け、検査口82dとしてもよい。検査口82dを設けることにより、第2推進部を引き抜くことなく側面開口部から薬効検査を行うことが可能となる。例えば、検査口82dにシリンジ等の採取具を差し込んで薬液を採取したり、検査口82dから試験紙を挿入したりすることができる。
【0104】
なお、この場合の第2進退部87の摺接部87bが側面開口部に達するタイミングは、第1進退部84によって上側開口81bが閉塞されるタイミングよりも先である。
【0105】
言い換えると、第1の実施形態とは異なり、変形例では、滞留部84bが狭窄部83に位置する時、摺接部87は第2室82の側面82c内に留まり、検査口82dは側面82cにおいて摺接部87よりも狭窄部83側に位置する。
【0106】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下では第1の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
【0107】
図12に示す本実施形態の内視鏡リプロセッサ1は、薬液採取部80が処理槽2内に配置されている点が、第1の実施形態と異なる。また、
図13に示す本実施形態の薬液採取部80は、開栓具89の構成が第1の実施形態と異なる。
【0108】
薬液採取部80の基台部91は、例えば処理槽2の底面に固定されている。したがって、第2室82内から押子86が取り出されている場合には、第2室82内が処理槽2内に開放される。したがって、本実施形態では、処理槽2内において内視鏡の再生処理を実行することにより、第2室82内にも再生処理と同様の処理を施すことができる。薬液採取部80による、薬液貯留部20内の薬液の採取および返還の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0109】
本実施形態の開栓具89は、狭窄部83内に挿入可能な押圧部89aと、押圧部89aを第1室81に対して所定の位置に保持する係止部89bと、処理槽2内から狭窄部83および第1室81にまで流体を透過する隙間である流体透過部89cと、を備える。
【0110】
係止部89bは、基台部91または筒部92に着脱可能に係合する。係止部89bは、押圧部89aに結合されており、基台部91または筒部92に係合した状態において、押圧部89aを、第1進退部84を第2位置に押し下げる位置に保持する。また、流体透過部89cは、係止部89bが基台部91または筒部92に係合した状態において、処理槽2内と狭窄部83との間での流体の往来を許容する開口を有する。
【0111】
したがって、開栓具89の係止部89bが基台部91または筒部92に係合することにより、薬液採取部80の採取管90の通路90cおよび第1室91は、処理槽2内に連通した状態となり、処理槽2内に導入された液体は、重力により、狭窄部83、第1室91および採取管90を通って薬液貯留部20内に流れ込む。
【0112】
本実施形態の内視鏡リプロセッサ1では、例えば、薬液ボトル18から薬液貯留部20内に供給された薬液の原液を水によって希釈する動作を実行する場合に、開栓具89の係止部89bを基台部91または筒部92に係合させる。
【0113】
その後に、三方弁42を、循環ノズル14と給水管路43とを連通した状態とし、希釈バルブ47を水フィルタ44と三方弁42とを連通した状態とし、水導入バルブ45を開状態とすることにより、水供給源49から供給された水を循環ノズル14から処理槽2内に導入する。処理槽2内に導入された水は、薬液採取部80の狭窄部83、第1室91および採取管90を通って薬液貯留部20内に導入され、薬液の原液を希釈する。薬液貯留部20内に、所定量の水が導入された後に、水導入バルブ45を閉状態とし、開栓具89を薬液採取部80から取り外す。
【0114】
このように、本実施形態では、薬液の原液を希釈する際に、水を薬液採取部80内に流すことで、薬液採取部80内に残留している薬液等の液体を流し出すことができる。薬液採取部80内に残留している薬液等の液体を流し出すことにより、薬液採取部80による次回の薬液の採取の際に残留している液体が採取した薬液中に混合することを防止し、薬効確認試験を正確に実行することが可能となる。
【0115】
なお、薬液貯留部20内において薬液の原液を希釈した後に、開栓具89を薬液採取部80に取り付けたままとし、薬液ポンプ27を運転して薬液貯留部20内の薬液を処理槽2内に導入することで、狭窄部83、第1室91および採取管90を経由して薬液が薬液貯留部20内に戻るように流す動作をさらに実行してもよい。
【0116】
このように、新たに希釈された薬液を、薬液貯留部20と処理槽2との間で、狭窄部83、第1室91および採取管90を経由して循環させることにより、薬液の原液と水の撹拌を実行するとともに、薬液採取部80内に残留している水を流し出すことができる。薬液採取部80による薬液採取に先だって、新たに希釈された未使用の薬液を薬液採取部80内に流すことにより、薬効確認試験を正確に実行することが可能となる。
【0117】
なお、薬液貯留部20と処理槽2との間で、狭窄部83、第1室91および採取管90を経由して薬液を循環させる場合には、薬液の流量を大きくして撹拌を促すために、さらに排液口11、排出管路21および回収管路23を経由して薬液を循環させることが好ましい。
【0118】
薬液貯留部20と処理槽2との間で薬液を流して撹拌する動作が終了した後には、開栓具89を薬液採取部80から取り外す。
【0119】
以上に説明したように、本実施形態の内視鏡リプロセッサ1は、薬液採取部80内を水または薬液によってすすぎ、古い薬液が薬液採取部80内に残留することを防止できる。
【0120】
なお、本発明は、前述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内視鏡リプロセッサもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0121】
本発明によれば薬液貯留部からの薬液の採取、および採取した薬液の薬液貯留部への返還が容易な内視鏡リプロセッサを実現できる。
【0122】
本出願は、2015年8月12日に日本国に出願された特願2015−159529号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。
本発明の内視鏡リプロセッサは、薬液を貯留する薬液貯留部と、第1端部が前記薬液貯留部内の所定水位以下で開口し、第2端部が前記薬液貯留部外のうち前記所定水位よりも高い位置で開口している採取管と、前記採取管の前記第2端部が内部で開口している第1室と、開口部および前記第1室に連通する連通口が形成された第2室と、前記第1室および前記連通口をつなぎ、前記第1室の内径よりも狭い内径を有する狭窄部と、前記第1室内において、前記狭窄部を閉塞する第1位置、および前記第1位置よりも前記狭窄部から離れて前記狭窄部を開放する第2位置、の間で進退移動する第1進退部と、前記狭窄部、または前記第1進退部に配置され、前記第1進退部を前記第1位置に留める滞留部と、を含む。