(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内視鏡の吸引口金に接続されており、流体を全量前記吸引口金に導入する第1オフ状態と、前記流体を前記吸引口金に導入すると共に第1所定量だけ前記吸引口金の外周に漏らす第1オン状態とを切り替え可能な第1洗浄チューブを取り付けるための第1取り付け部と、
前記第1洗浄チューブの前記第1オン状態と前記第1オフ状態とを切り替える第1切り替え部と、
前記第1洗浄チューブを介して、前記第1取り付け部から前記吸引口金に前記流体を供給する第1流体供給部と、
前記内視鏡の鉗子栓口金に接続されており、前記流体を全量前記鉗子栓口金に導入する第2オフ状態と、前記流体を前記鉗子栓口金に導入すると共に第2所定量だけ前記鉗子栓口金外周に漏らす第2オン状態とを切り替え可能な第2洗浄チューブを取り付けるための第2取り付け部と、
前記第2洗浄チューブの前記第2オン状態と前記第2オフ状態とを切り替える第2切り替え部と、
前記第2洗浄チューブを介して、前記第2取り付け部から前記鉗子栓口金に前記流体を供給する第2流体供給部と、
前記内視鏡の吸引シリンダに栓をしているコネクタの、前記流体を前記吸引シリンダから漏らさない第3オフ状態と、前記流体を第3所定量だけ前記吸引シリンダから漏らす第3オン状態とを切り替える第3切り替え部と、
前記第1切り替え部を制御して前記第1洗浄チューブを前記第1オフ状態、
前記第2切り替え部を制御して前記第2洗浄チューブを前記第2オン状態、
前記第3切り替え部を制御して前記コネクタを前記第3オフ状態、
前記第1流体供給部から前記第1洗浄チューブに前記流体が供給される状態、および
前記第2流体供給部から前記第2洗浄チューブへの前記流体の供給が停止される状態、にした第1駆動状態となるように、
前記第1切り替え部、前記第2切り替え部、前記第3切り替え部、前記第1流体供給部、および前記第2流体供給部を制御する制御部と、
を含む内視鏡リプロセッサ。
前記第1流体供給部から前記第1洗浄チューブへ前記流体を導入する状態と、前記第1流体供給部から前記第1洗浄チューブへ前記流体を導入しない状態とを切り替える第4切り替え部を有し、
前記制御部は、前記第4切り替え部を制御して、前記第1流体供給部から前記第1洗浄チューブに前記流体が供給される状態にすることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡リプロセッサ。
前記第2流体供給部から前記第2洗浄チューブへ前記流体を導入する状態と、前記第2流体供給部から前記第2洗浄チューブへ前記流体を導入しない状態とを切り替える第5切り替え部を有し、
前記制御部は、前記第5切り替え部を制御して、前記第2流体供給部から前記第2洗浄チューブへの前記流体の供給が停止される状態にすることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡リプロセッサ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施の形態に係わる内視鏡および内視鏡リプロセッサの構成を示す概略構成図である。
【0011】
(内視鏡の構成)
内視鏡2は、細長い挿入部3と、挿入部3の基端部が接続された操作部4と、操作部4から延出したケーブル5と、ケーブル5の先端部に設けられたコネクタ部6とを有して構成されている。
【0012】
内視鏡2の挿入部3内には処置具挿通チャンネル7(点線で示す)が設けられている。処置具挿通チャンネル7の一端は、挿入部3の先端部の開口2aに連通し、他端は、操作部4の近傍に設けられた処置具挿入口2bに連通している。処置具挿入口2bには、鉗子栓口金2baが設けられている。
【0013】
操作部4には、吸引ボタン(図示せず)を取り付けるための吸引シリンダ8が設けられている。コネクタ部6に設けられた吸引口金6aと、吸引シリンダ8は、吸引管路7eを介して連通している。
【0014】
処置具挿通チャンネル7は、開口2aに接続された先端側管路7bと、処置具挿入口2bに接続された基端側管路7dとからなる。先端側管路7bおよび基端側管路7dの間には分岐部7aが配置されている。
【0015】
挿入部3の基端側内部には、一端が吸引シリンダ8、他端が分岐部7aに接続された接続管路7c(一点鎖線で示す)が配置される。
【0016】
ケーブル5の内部には、一端が吸引口金6a、他端が吸引シリンダ8に接続された吸引管路7e(二点鎖線で示す)が配置される。
【0017】
処置具挿通チャンネル7(7b、7d)と接続管路7cとは分岐部7aを接点として連通しており、接続管路7cと吸引管路7eとは吸引シリンダ8を接点として連通している。
【0018】
世の中には、先端側管路7bの内径が、接続管路7c、基端側管路7d、吸引管路7eよりも小さい内視鏡も存在する。
【0019】
内視鏡2のユーザは、吸引シリンダ8に装着された吸引ボタン(図示せず)を操作することにより、挿入部3の先端部の開口2aからの吸引動作を行うことができる。
【0020】
なお、内視鏡2は、挿入部3の先端部に湾曲部(図示せず)を有し、操作部4には、湾曲部の湾曲操作のための湾曲ノブ、撮影のためのフリーズボタンなどが設けられているが、ここでは、これら湾曲部等は図示せず、説明も省略する。
【0021】
(内視鏡リプロセッサ1の構成)
なお、ここでは、内視鏡リプロセッサ1は、汚染された内視鏡又は内視鏡付属品の再生処理を行う内視鏡洗浄消毒装置であるが、内視鏡2に対して水または揮発性流体によるすすぎ、有機物等の汚れを落とす洗浄、所定の微生物を排除する消毒、若しくは死滅させる滅菌、又はこれらの組合せの処理を行う装置でもよい。
【0022】
内視鏡リプロセッサ1は、制御部11と、エアコンプレッサ12と、流液ポンプ13を有する。制御部11は、中央処理装置(以下、CPUという)、ROM及びRAM等を有する。内視鏡リプロセッサ1は、図示しない操作パネルを有し、ユーザが操作パネルを操作すると、入力された指示に応じて制御部11が所定のプログラムをROMから読み出して実行することにより、ユーザの指示に応じた機能が実現される。
【0023】
内視鏡リプロセッサ1は、処理槽14を有し、処理槽14内で内視鏡は液体と接触する。処理槽14の底面には、循環液吸引口15が設けられている。内視鏡2を液体に浸漬させる処理を行う場合、処理槽14は、内視鏡2全体を浸漬可能な深さを有していてもよいが、本発明はこれに限定されない。内視鏡2は液体に浸漬されてもよいし、シャワー処理されてもよいし、単に管路内に流体を導入されるだけであってもよい。
【0024】
処理槽14の近傍には、さらに、複数の接続用コネクタ21〜25が設けられている。なお、
図1では、複数の接続用コネクタ21〜25は、簡略して示すため処理槽14の側壁に設けられているように示されているが、処理槽14の上面側縁部の周辺部に配置される。
【0025】
接続用コネクタ21には、第2洗浄チューブ31が接続されている。第2洗浄チューブ31の一端のコネクタ31aは、接続用コネクタ21と着脱可能であってもよいし、一体化されていてもよい。第2洗浄チューブ31の他端のコネクタ31bは、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baに着脱可能に接続されている。
【0026】
コネクタ31bは、接続された処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとの間をシール状態と非シール状態のいずれかにすることが可能なコネクタである。
【0027】
シール状態で第2洗浄チューブ31から流体を導入すると、流体の全量が鉗子栓口金2baに導入される。本発明ではこれをオフ状態と称する。オフ状態では早い流速で内視鏡管路に流体を導入することができる。
【0028】
非シール状態で第2洗浄チューブ31から流体を導入すると、流体の一部が鉗子栓口金2baに導入され、残りは鉗子栓周りに漏れる。本発明ではこれをオン状態と称する。オン状態では内視鏡管路および鉗子栓周りの双方を洗浄または消毒することができる。
【0029】
コネクタ31bは、例えば上述した特開2004−135946号公報に開示のコネクタと同様の構造を有し、シール部材と、そのシール部材に外力を加えて、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとコネクタ31bとの間の流路をシールするシール状態と、シール状態から解放する解放状態とに制御可能なシール部材付勢部材と、を有する。
【0030】
第2洗浄チューブ31は、内視鏡2の鉗子栓口金である鉗子栓口金2baに接続されており、流体を全量鉗子栓口金2baに導入するオフ状態と、流体を鉗子栓口金2baに導入すると共に所定量だけ鉗子栓口金2baの外周に漏らすオン状態とを切り替え可能なチューブである。接続用コネクタ21は、第2洗浄チューブ31を取り付けるための取り付け部を構成する。
【0031】
接続用コネクタ22には、エアー供給チューブ32が接続されている。エアー供給チューブ32の一端のコネクタ32aは、接続用コネクタ22と接続可能である。エアー供給チューブ32の他端は、コネクタ31bのエアー供給口に接続されている。
【0032】
エアー供給チューブ32からコネクタ31bにエアーが供給されると、コネクタ31bの内部のシール部材が膨張して、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baの外周部に密着して、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとコネクタ31bとの間の流路はシール状態となる。
【0033】
エアー供給チューブ32からコネクタ31bへのエアーの供給が停止されると、コネクタ31bの内部のシール部材が収縮して、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baの外周部に密着しなくなり、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとコネクタ31bとの間の流路は非シール状態となる。
【0034】
すなわち、シール状態は、コネクタ31bと鉗子栓口金2baの間から液体が漏れない状態であり、非シール状態は、コネクタ31bと鉗子栓口金2baの間から液体が漏れる状態である。シール状態では、第2洗浄チューブ31を流れる液体は、漏れなく全量がコネクタ31bから鉗子栓口金2baに導入される。非シール状態では、第2洗浄チューブ31を流れる液体は、所定量だけ漏れながらも、残量はコネクタ31bから鉗子栓口金2baに導入される。
【0035】
接続用コネクタ23には、第1洗浄チューブ33が接続されている。第1洗浄チューブ33の一端のコネクタ33aは、接続用コネクタ23と接続可能である。第1洗浄チューブ33の他端のコネクタ33bは、コネクタ部6の吸引口金6aに着脱可能に接続されている。
【0036】
コネクタ33bも、コネクタ31bと同様の構成を有し、接続されたコネクタ部6の吸引口金6aとの間をシール状態と非シール状態のいずれかにすることが可能なコネクタである。
すなわち、第1洗浄チューブ33は、内視鏡2の吸引口金6aに接続されており、流体を全量吸引口金に導入するオフ状態と、流体を吸引口金6aに導入すると共に所定量だけ吸引口金6aの外周に漏らすオン状態とを切り替え可能なチューブである。接続用コネクタ23は、第1洗浄チューブ33を取り付けるための取り付け部を構成する。
【0037】
接続用コネクタ24には、エアー供給チューブ34が接続されている。エアー供給チューブ34の一端のコネクタ34aは、接続用コネクタ24と接続可能である。エアー供給チューブ34の他端は、コネクタ33bのエアー供給口に接続されている。
【0038】
エアー供給チューブ34からコネクタ33bにエアーが供給されると、コネクタ33b内部のシール部材が膨張して、コネクタ部6の吸引口金6aの外周部に密着して、コネクタ部6の吸引口金6aとコネクタ33bとの間の流路はシール状態となる。
【0039】
エアー供給チューブ34からコネクタ33bへのエアーの供給が停止されると、コネクタ33bの内部のシール部材が収縮して、コネクタ部6の吸引口金6aの外周部に密着しなくなり、コネクタ部6の吸引口金6aとコネクタ31bとの間の流路は非シール状態となる。
【0040】
接続用コネクタ25には、エアー供給チューブ35が接続されている。エアー供給チューブ35の一端のコネクタ35aは、接続用コネクタ23と接続可能である。エアー供給チューブ35の他端は、吸引シリンダ8に装着可能なコネクタ35bである。コネクタ35bは、吸引シリンダ8に栓をするコネクタである。
【0041】
コネクタ35bも、コネクタ31bと同様の構成を有し、接続された吸引シリンダ8との間をシール状態と非シール状態のいずれかにすることが可能なコネクタである。コネクタ35bは、シール状態のとき、吸引シリンダ8とコネクタ35bの間から液体を噴出させない、すなわち液体が漏れない状態となる。コネクタ35bは、非シール状態のとき、吸引シリンダ8とコネクタ35bの間から液体を噴出可能、すなわち液体の漏洩が可能な状態となる。
【0042】
接続用コネクタ21から25は、それぞれ電磁弁41から45に接続されている。接続用コネクタ21と23は、それぞれ電磁弁41と43を介して流液ポンプ13に接続されている。
【0043】
よって、流液ポンプ13と電磁弁41は、第2洗浄チューブ31を介して、接続用コネクタ21から鉗子栓口金2baに流体を供給する流体供給部を構成する。流液ポンプ13と電磁弁43は、第1洗浄チューブ33を介して、接続用コネクタ23から吸引口金6aに流体を供給する流体供給部を構成する。
【0044】
なお、ここでは、接続用コネクタ21と23に1つの流液ポンプ13が接続されているが、接続用コネクタ21と23のそれぞれに別々の流液ポンプを接続するようにしてもよい。
【0045】
流液ポンプ13は、処理槽である処理槽14の底面の循環液吸引口15にさらに接続されている。ただし本発明はこれに限定されず、例えば、流液ポンプ13は水または薬液を貯留したタンクに接続されていてもよい。
【0046】
接続用コネクタ22、24及び25は、それぞれ電磁弁42、44及び45を介してエアコンプレッサ12に接続されている。
【0047】
制御部11は、エアコンプレッサ12及び流液ポンプ13と接続され、起動及び停止の動作を制御することができる。流液ポンプ13は、管路16により2つの電磁弁41と43と接続され、管路16には流量センサ17が設けられている。流量センサ17は、制御部11に接続されて、検出した流量値すなわち送液量を制御部11に出力する。流量センサ17は、後述するように管路の詰まりを検知するための検知器であり、流液ポンプ13から供給される流体の流量を測定する流量センサである。
制御部11は、電磁弁41〜45と接続され、各電磁弁41〜45の開閉動作を制御するためのオン・オフ信号を出力する。各電磁弁41〜45は、オン信号に応じて、閉状態となり、オフ信号に応じて、開状態となる。
【0048】
電磁弁41は、流液ポンプ13から第2洗浄チューブ31へ流体を導入する状態と、流液ポンプ13から第2洗浄チューブ31へ流体を導入しない状態とを切り替える切り替え部を構成する。制御部11は、電磁弁41を制御して、流液ポンプ13から第2洗浄チューブ31への流体の供給が停止される状態にする。
【0049】
電磁弁42は、第2洗浄チューブ31のオン状態とオフ状態とを切り替える切り替え部を構成する。
電磁弁43は、流液ポンプ13から第1洗浄チューブ33へ流体を導入する状態と、流液ポンプ13から第1洗浄チューブ33へ流体を導入しない状態とを切り替える切り替え部を構成する。制御部11は、電磁弁43を制御して、流液ポンプ13から第1洗浄チューブ33に流体が供給される状態にする。
【0050】
電磁弁44は、第1洗浄チューブ33のオン状態とオフ状態とを切り替える切り替え部を構成する。
そして、電磁弁45は、内視鏡2の吸引シリンダ8に栓をしているコネクタ35bの、流体を吸引シリンダ8から漏らさないオフ状態と、流体を所定量だけ吸引シリンダ8から漏らすオン状態とを切り替える切り替え部を構成する。
【0051】
上述したように、制御部11はCPUを有しており、各種処理は、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行する。
【0052】
(作用)
図2は、内視鏡リプロセッサ1の再生処理の流れの例を示すフローチャートである。ここでいう再生処理とは、濯ぎ処理、洗浄処理、または消毒処理のいずれであってもよい。
【0053】
これらの処理は、いずれかが単独で行われる処理でもよいし、組み合わせて行われる処理でもよい。本発明は、内視鏡管路の汚れを除去する効果が高いことから洗浄処理に適用されることが好ましい。洗浄処理は、制御部11のCPUが、ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行して、エアコンプレッサ12及び流液ポンプ13の起動と停止、及び各電磁弁41〜45の開閉を制御することにより行われる。
【0054】
洗浄処理を行う前に、洗浄を行う作業者であるユーザは、
図1に示すように、内視鏡リプロセッサ1の処理槽14内に内視鏡2をセットし、第2洗浄チューブ31、第1洗浄チューブ33、及び3本のエアー供給チューブ32、34、35を、内視鏡2に接続する。
【0055】
洗浄処理は、図示しない操作パネルに対して、ユーザが洗浄処理の実行指示を与えることにより開始される。
まず、制御部11は、図示しない蛇口から水(液体)が処理槽14内に貯留し、洗剤を投入し、洗浄液が作製された後に、エアコンプレッサ12及び流液ポンプ13を起動させ、
図2の処理を実行する。
【0056】
制御部11は、第1駆動状態実行処理を行い(S1)、第1駆動状態実行処理の後、第2駆動状態実行処理を実行し(S2)、第2駆動状態実行処理の後、第3駆動状態実行処理を実行する(S3)。以下、各駆動状態実行の処理について説明する。
【0057】
(第1駆動状態実行処理:S1)
第1駆動状態実行処理は、吸引口金6aから処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baまでの管路の洗浄と、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baの洗浄と、接続管路7c、基端側管路7d及び吸引管路7eの詰まり検知を行う処理である。
【0058】
第1駆動状態の実行は、制御部11が、電磁弁41〜45を制御して、電磁弁41をオン、電磁弁42をオン、電磁弁43をオフ、電磁弁44をオフ、電磁弁45をオフにすることによって行われる。
【0059】
図3は、第1駆動状態実行処理における液体の流れを説明するための図である。
第1駆動状態では、制御部11が上述したように電磁弁41〜45を制御することにより、
図3に示すように、液体は、吸引口金6aから吸引管路7e内に供給されて、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baと、挿入部3の先端部の開口2aとから噴出する。
【0060】
第1駆動状態では、電磁弁41がオンされて閉じ、流液ポンプ13からの液体は第2洗浄チューブ31へ供給されず、電磁弁43がオフされて開き、流液ポンプ13からの液体は第1洗浄チューブ33を介して、コネクタ部6の吸引口金6aへ供給される。
【0061】
また、第1駆動状態では、電磁弁42がオンされて閉じ、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとコネクタ31bとの間の流路は非シール状態となり、電磁弁44がオフされて開き、吸引口金6aとコネクタ33bの間の流路はシール状態となり、電磁弁45がオフされて開き、吸引シリンダ8とコネクタ35bの間は液体を漏らさないシール状態となる。
【0062】
すなわち、制御部11は、電磁弁44を制御して第1洗浄チューブ33をオフ状態、電磁弁42を制御して第2洗浄チューブ31をオン状態、電磁弁45を制御してコネクタ35bをオフ状態、流液ポンプ13から電磁弁43を介して第1洗浄チューブ33に流体が供給される状態、および流液ポンプ13から電磁弁41を介して第2洗浄チューブ31への流体の供給が停止される状態、にした第1駆動状態となるように、電磁弁41〜45及び流液ポンプ13を制御する。
【0063】
その結果、第1駆動状態では、吸引口金6aとコネクタ33bの間の流路は、シール状態となり、流液ポンプ13からの液体は、全量が吸引管路7e内に流し込まれる。吸引シリンダ8がシール状態であるので、吸引管路7eに流れ込んだ液体全量が、接続管路7c内に流れ込む。接続管路7c内に流れ込んだ液体は、分岐部7aで分かれて先端側管路7bと基端側管路7d内に流れ込む。
【0064】
先端側管路7b内に流れ込んだ液体は、挿入部3の先端部の開口2aから噴出し、基端側管路7dに流れ込んだ液体は、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとコネクタ31bとの間の流路が非シール状態であるので、鉗子栓口金2baとコネクタ31bとの間から漏れ出す。
第1駆動状態では、吸引口金6aから吸引管路7eに流れ込んだ液体は、
図3において、二点鎖線で示すように吸引管路7e、接続管路7c、基端側管路7d、先端側管路7b内を流れるが、先端側管路7bの内径が小さいため、基端側管路7dを流れる流量は、先端側管路7bを流れる流量よりも大きい。
図3において、太い二点鎖線で示す流れL1は、細い二点鎖線で示す液体の流れL2よりも流量が大きいことを示している。
【0065】
よって、第1駆動状態では、コネクタ35bがシール状態にしながらも鉗子栓口金2baを非シール状態にしている。このため、吸引口金6aから吸引管路7e内に流れ込んだ液体は、先端側管路7bだけでなく、基端側管路7dからも抜けてゆく。結果、吸引管路7eを通過する液体の流量と流速とを目的の量と早さに維持することができる。
【0066】
また、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baが非シール状態であり、液体は、鉗子栓口金2baで漏れ出すので、鉗子栓口金2baの洗浄も行われる。
さらに、接続管路7c、基端側管路7d及び吸引管路7eのいずれかに異物による詰まりがあると、流量センサ17の検出値すなわち送液量が小さくなるので、その詰まりを検知することもできる。
【0067】
以上のように、第1駆動状態では、接続管路7c、基端側管路7d及び吸引管路7e内の洗浄、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baの洗浄、及び接続管路7c、基端側管路7d及び吸引管路7eの詰まり検知を行うことができる。
【0068】
なお、第1駆動状態において、詰まりが検知されると、制御部11は、例えば、図示しない表示装置に詰まりがあることを示すメッセージなどを表示して、洗浄処理を中止する。
【0069】
(第2駆動状態実行処理:S2)
第2駆動状態実行処理は、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから挿入部3の先端部の開口2aまでの管路の洗浄と、先端側管路7b及び基端側管路7dの詰まり検知を行う処理である。
【0070】
第2駆動状態の実行は、制御部11が、電磁弁41〜45を制御して、電磁弁41をオフ、電磁弁42をオフ、電磁弁43をオン、電磁弁44をオフ、電磁弁45をオフにすることによって行われる。
【0071】
図4は、第2駆動状態実行処理における液体の流れを説明するための図である。
第2駆動状態では、制御部11が上述したように電磁弁41〜45を制御することにより、
図4に示すように、液体は、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから接続管路基端側管路7d内に供給されて、挿入部3の先端部の開口2aとから噴出する。
第2駆動状態では、電磁弁41がオフされて開き、流液ポンプ13からの液体が第2洗浄チューブ31へ供給され、電磁弁43がオンされて閉じ、流液ポンプ13からの液体は第1洗浄チューブ33を介して、コネクタ部6の吸引口金6aへ供給されない。
【0072】
また、第2駆動状態では、電磁弁42がオフされて開き、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとコネクタ31bとの間の流路は液体を漏らさないシール状態となり、電磁弁44がオフされて開き、吸引口金6aとコネクタ33bの間の流路は液体を漏らさないシール状態となり、電磁弁45がオフされて開き、吸引シリンダ8とコネクタ35bの間の流路は液体を漏らさないシール状態となる。
すなわち、制御部11は、電磁弁44を制御して第1洗浄チューブ33をオフ状態、電磁弁42を制御して第2洗浄チューブ31をオフ状態、電磁弁45を制御してコネクタ35bをオフ状態、流液ポンプ13から第1洗浄チューブ33への流体の供給が停止される状態、および流液ポンプ13から第2洗浄チューブ31に流体が供給される状態、にした第2駆動状態となるように、電磁弁41〜45及び流液ポンプ13を制御する。
【0073】
その結果、第2駆動状態では、鉗子栓口金2baとコネクタ31bの間の流路は、シール状態となり、流液ポンプ13からの液体は、全量が基端側管路7d内に流し込まれる。吸引シリンダ8及び吸引口金6aがシール状態であるので、基端側管路7d内に流れ込んだ液体全量が、先端側管路7b内に流れ込む。先端側管路7b内に流れ込んだ液体は、挿入部3の先端部の開口2aとから噴出される。
【0074】
第2駆動状態では、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから基端側管路7dに流れ込んだ液体は、
図4において、二点鎖線で示すように基端側管路7d、先端側管路7b内を流れるが、先端側管路7bの内径が小さくても先端側管路7b内にのみ流れるため、基端側管路7dを流れる液体の流速は速く、流量も多い。
図4において、太い二点鎖線で示す流れL3は、流量が大きいことを示している。
【0075】
よって、第2駆動状態では、コネクタ31b、33b及び35bがシール状態であり、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから基端側管路7d内に流れ込んだ液体全量が、基端側管路7d及び先端側管路7b内に速い流速で流れるので、基端側管路7d及び先端側管路7b内は洗浄される。
【0076】
さらに、基端側管路7d及び先端側管路7bのいずれかに異物による詰まりがあると、流量センサ17の検出値すなわち送液量が小さくなるので、その詰まりを検知することもできる。
以上のように、第2駆動状態では、基端側管路7d及び先端側管路7b内の洗浄、及び基端側管路7d及び先端側管路7bの詰まり検知を行うことができる。
【0077】
なお、第2駆動状態においても、詰まりが検知されると、制御部11は、例えば、図示しない表示装置に詰まりがあることを示すメッセージなどを表示して、洗浄処理を中止する。
【0078】
(第3駆動状態実行処理:S3)
第3駆動状態実行処理は、吸引口金6a、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2ba及び吸引シリンダ8の洗浄を行う処理である。
第3駆動状態の実行は、制御部11が、電磁弁41〜45を制御して、電磁弁41をオン、電磁弁42をオン、電磁弁43をオフ、電磁弁44をオン、電磁弁45をオンにすることによって行われる。
【0079】
図5は、第3駆動状態実行処理における液体の流れを説明するための図である。
第3駆動状態では、制御部11が上述したように電磁弁41〜45を制御することにより、
図5に示すように、液体は、吸引口金6aから吸引管路7e内に供給されて、吸引口金6aとコネクタ33bの間、吸引シリンダ8とコネクタ35bの間、及び処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとコネクタ31bとの間から漏れ出すと共に、挿入部3の先端部の開口2aとから噴出される。
【0080】
第3駆動状態では、電磁弁41がオンされて閉じ、流液ポンプ13からの液体は第2洗浄チューブ31へ供給されず、電磁弁43がオフされて開き、流液ポンプ13からの液体は第1洗浄チューブ33を介して、コネクタ部6の吸引口金6aへ供給される。
【0081】
また、第3駆動状態では、電磁弁42がオンされて閉じ、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとコネクタ31bとの間の流路は非シール状態となり、電磁弁44がオンされて閉じ、吸引口金6aとコネクタ33bの間の流路は非シール状態となり、電磁弁45がオンされて閉じ、吸引シリンダ8とコネクタ35bの間の流路は非シール状態となる。
すなわち、制御部11は、電磁弁44を制御して第1洗浄チューブ33をオン状態、電磁弁42を制御して第2洗浄チューブ31をオン状態、電磁弁45を制御してコネクタ35bをオン状態、流液ポンプ13から第1洗浄チューブ33に流体が供給される状態、および、流液ポンプ13から第2洗浄チューブ31への流体の供給が停止される状態、にした第3駆動状態となるように、電磁弁41〜45及び流液ポンプ13を制御する。
【0082】
その結果、第3駆動状態では、吸引口金6aとコネクタ33bの間の流路は、非シール状態となり、流液ポンプ13からの液体は、吸引口金6aとコネクタ33bの間から漏れながら、吸引管路7e内に流し込まれる。吸引管路7eに流れ込んだ液体は、吸引シリンダ8とコネクタ35bの間の流路が非シール状態であるので、吸引シリンダ8とコネクタ35bの間から漏れると共に、接続管路7cにも流れ込む。接続管路7cに流れ込んだ液体は、先端側管路7bと基端側管路7dに流れ込む。
【0083】
先端側管路7bに流れ込んだ液体は、挿入部3の先端部の開口2aから噴出すると共に、基端側管路7dに流れ込んだ液体は、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとコネクタ31bの間の流路が非シール状態であるので、鉗子栓口金2baとコネクタ31bとの間からも漏れ出す。
【0084】
第3駆動状態では、吸引口金6aから吸引管路7eに流れ込んだ液体は、
図5において、二点鎖線L4で示すように吸引管路7e、接続管路7c、基端側管路7d、先端側管路7b内を流れ、かつ吸引口金6aとコネクタ33bの間、吸引シリンダ8とコネクタ35bの間、及び処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baとコネクタ31bの間から漏れ出す。
【0085】
よって、第3駆動状態では、吸引口金6aから吸引管路7eに流れ込んだ液体により、吸引口金6a、吸引シリンダ8、及び処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baを洗浄することができる。
【0086】
以上のように、第3駆動状態実行では、吸引口金6a、吸引シリンダ8、及び処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baの洗浄を行うことができる。
(第3駆動状態の変形例)
図2における第3駆動状態実行処理S3を以下に述べる第4〜6駆動状態のいずれかに置き換えることもできる。
【0087】
なお、上述した第3駆動状態では、吸引口金6aから液体の供給を行っているが、変形例1として、吸引口金6aからの液体の供給に代えて、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから液体の供給を行うようにしてもよい。その場合、制御部11は、電磁弁41をオフにして開き、電磁弁43をオンにして閉じるように、電磁弁41と43を制御する。
【0088】
すなわち、制御部11は、電磁弁44を制御して第1洗浄チューブ33を1オン状態、電磁弁42を制御して第2洗浄チューブ31をオン状態、電磁弁45を制御してコネクタ35bをオン状態、流液ポンプ13から第1洗浄チューブ33への流体の供給が停止される状態、および流液ポンプ13から第2洗浄チューブ31に流体が供給される状態、にした第3駆動状態となるように、電磁弁41〜45と、流液ポンプ13を制御する。
【0089】
このような変形例1に係る第4駆動状態によっても、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから基端側管路7dに流れ込んだ液体により、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2ba、吸引口金6a及び吸引シリンダ8を洗浄することができる。
さらになお、上述した第3駆動状態では、吸引口金6aから液体の供給を行い、変形例1では処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから液体の供給を行っているが、変形例2として吸引口金6aからの液体の供給と処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baからの液体の供給の両方を同時に行うようにしてもよい。その場合、制御部11は、電磁弁41をオフにして開き、電磁弁43もオフにして開く状態になるように、電磁弁41と43を制御する。
【0090】
すなわち、制御部11は、電磁弁44を制御して第1洗浄チューブ33をオン状態、電磁弁42を制御して第2洗浄チューブ31をオン状態、電磁弁45を制御してコネクタ35bをオン状態、流液ポンプ13から第1洗浄チューブ33に流体が供給される状態、および流液ポンプ13から第2洗浄チューブ31に流体が供給される状態、にした第3駆動状態となるように、電磁弁41〜45と、流液ポンプ13を制御する。
【0091】
このような変形例2に係る第5駆動状態によっても、吸引口金6aから吸引管路7eに流れ込んだ液体と処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから基端側管路7dに流れ込んだ液体により、吸引口金6a、吸引シリンダ8、及び処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baを洗浄することができる。
【0092】
また、上述した第3駆動状態では、吸引口金6aから液体の供給を行い、変形例1では処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから液体の供給を行い、変形例3では処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから液体の供給と吸引口金6aから液体の供給の両方を行っているが、変形例3として吸引口金6aからの液体の供給と、処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baからの液体の供給を交互に行うようにしてもよい。その場合、制御部11は、電磁弁41をオンにして閉じ、電磁弁43をオフにして開く状態と、電磁弁41をオフにして開き、電磁弁43をオンにして閉じる状態とが交互になるように、電磁弁41と43を制御する。
【0093】
すなわち、制御部11は、電磁弁44を制御して第1洗浄チューブ33をオン状態、電磁弁42を制御して第2洗浄チューブ31をオン状態、電磁弁45を制御してコネクタ35bをオン状態にすると共に、流液ポンプ13から第1洗浄チューブ33に流体が供給される状態と、流液ポンプ13から第2洗浄チューブ31に流体が供給される状態とが交互になるようにした第3駆動状態となるように、電磁弁41〜45と、流液ポンプ13を制御する。
【0094】
このような変形例3に係る第6駆動状態によっても、吸引口金6aから吸引管路7eに流れ込んだ液体と処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baから基端側管路7dに流れ込んだ液体により、吸引口金6a、吸引シリンダ8、及び処置具挿入口2bの鉗子栓口金2baを洗浄することができる。
【0095】
以上のように、上述した実施の形態によれば、口金部分の洗浄性の確保と管路の詰まり検知も可能としつつ、かつ管路を流れる液体の所定値以上の流速を得られるようにして管路内の洗浄性を高めることができる内視鏡リプロセッサを提供することができる。
【0096】
特に、細径な挿入部に挿通された管路を有する内視鏡に対しても、口金部分の洗浄性の確保と管路の詰まり検知も可能としつつ、かつ管路を流れる液体の所定値以上の流速を得られるようにして管路内の洗浄性を高めることができる内視鏡リプロセッサを提供することができる。
【0097】
また、上述した実施の形態によれば、結果として、洗浄時間も短くなる。
【0098】
なお、上述した実施の形態及び各変形例では、シール状態と非シール状態の2つの状態を切り換え可能なコネクタは、エアーの供給を制御することにより2つの状態が切り換えられているが、エアーの供給以外の方法で、2つの状態が切り換えられるようにしてもよい。
【0099】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0100】
本出願は、2015年5月27日に日本国に出願された特願2015−107809号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲に引用されるものとする。
内視鏡リプロセッサ1は、制御部11と、流液ポンプ13とを有する。制御部11は、複数の電磁弁を制御して、内視鏡2の吸引口金6aに接続された第1洗浄チューブ33をシール状態、内視鏡2の鉗子栓の鉗子栓口金2baに接続された第2洗浄チューブ31を非シール状態、内視鏡2の吸引シリンダ8に栓をしているコネクタ35bの状態を切り替える電磁弁45を制御してコネクタ35bをシール状態、流液ポンプ13から第1洗浄チューブ33に流体が供給される状態、および流液ポンプ13から第2洗浄チューブ31への流体の供給が停止される第1駆動状態にする。