【実施例】
【0029】
医薬組成物の製剤及び応用
実施例1
10グラムのポリ硫酸第二鉄を90グラムの蒸留水に溶解する。得られた溶液を3mlサイズの無菌アンプルに分注し、脱気して溶かすことで封止する。これを1.5重量%のレボブピバカイン及び1重量%のメチレンブルーを含む注射剤を当量使用して希釈し、5重量%のポリ硫酸第二鉄、0.75重量%のレボブピバカイン及び0.5重量%のメチレンブルーを含む注射剤を得る。それを適当量用いて様々な痔核、血管腫、静脈瘤及び出血性血腫を治療する。
【0030】
注射手順は、患部の洗浄及び殺菌工程と、痔核、血管腫、血腫又は血栓の数箇所に溶液を注射する工程と、数秒以内に綿棒で患部を押圧し、固くなっている痔核、血管腫又は血栓を溶液で均等に分散させる工程と、を含む。3分以上の後に、血管腫及び血腫は軟化し、脱水され、萎縮し、消失した。10〜20分以内に脱水及び萎縮処理は完了した。7〜14日後に、病理学的組織は正常組織によって置き換わるか脱皮するかして外傷は治癒された。共同効果(co-effect)、出血、瘢痕又は他の副作用は観察されなかった。従って、この方法は、痔核、血管腫、血腫及び血栓の新規な脱水治療である。医薬組成物は、痔核の静脈瘤、血腫及び血栓によって引き起こされるうっ血した病理学的組織の脱水及び萎縮に関して非常に特異性があり、迅速で優れた効果を有するものである。これは、世界中の文献で見つからなかった。
【0031】
実施例2
7グラムの高分子ケイ酸硫酸第二鉄(PFSS)を93グラムの蒸留水に溶解し、3mlサイズの無菌アンプルに分注し、脱気して溶かすことで封止する。それを1.5重量%のレボブピバカイン及び1重量%のメチレンブルーを含む注射剤を当量使用して希釈し、3.5重量%の
高分子ケイ酸硫酸第二鉄、0.75重量%のレボブピバカイン及び0.5重量%のメチレンブルーを含む注射剤を得る。それを適当量用いて様々な痔核、血管腫、静脈瘤及び出血性血腫を治療する。
【0032】
実施例3
7グラムのポリ塩化ケイ酸第二鉄(PFSC)を93グラムの蒸留水に溶解し、3mlサイズの無菌アンプルに分注し、脱気して溶かすことで封止する。それを1.5重量%のレボブピバカイン及び1重量%のメチレンブルーを含む注射剤を当量使用して希釈し、3.5重量%の
ポリ塩化ケイ酸第二鉄、0.75重量%のレボブピバカイン及び0.5重量%のメチレンブルーを含む注射剤を得る。それを適当量用いて様々な痔核、血管腫、静脈瘤及び出血性血腫を治療する。
【0033】
実施例4
7グラムのポリリン酸硫酸第二鉄(PPFS)を93グラムの蒸留水に溶解し、3mlサイズの無菌アンプルに分注し、脱気して溶かすことで封止する。それを1.5重量%のレボブピバカイン及び1重量%のメチレンブルーを含む注射剤を当量使用して希釈し3.5重量%の
ポリリン酸硫酸第二鉄、0.75重量%のレボブピバカイン及び0.5重量%のメチレンブルーを含む注射剤を得る。それを適当量用いて様々な痔核、血管腫、静脈瘤及び出血性血腫を治療する。
【0034】
実施例5
10グラムのポリ硫酸第二鉄の固体粉末を90グラムのワセリンオイル、1グラムのメントール及び0.75グラムのレボブピバカインと混ぜ合わせ、柔らかいペーストを形成させた。柔らかいペーストは、プラスチックソフトチューブに分注(10グラム/チューブ)し、臨床用のために封止される。柔らかいペーストを、外傷性創傷、熱湯熱傷及び火焔熱傷、局所損傷であって化学薬品又は細胞毒によって引き起こされるもの、細菌又はウイルスによる感染性外傷、又は膿の除去後の膿瘍空洞に対し塗布する。かかる治療は、洗浄、膿の除去、細菌及びウイルスの無毒化、止血、回復、乾燥、かさぶた化、治癒促進の効果を実現ができる。
【0035】
実施例6
10グラムのポリ硫酸第二鉄の固体粉末、0.25グラムのメントール及び0.75グラムのレボブピバカインを90グラムの蒸留水に溶解し、バクテリアろ過器によってフィルター処理をして、100ml、250ml又は500mlサイズの無菌の褐色ガラス瓶又はプラスチックボトルに分注し、臨床用のために封止される。スプレー(sraying)又は塗摩によって、外傷性創傷、感染性及び炎症性外傷、膿の除去後の膿瘍空洞、化学薬品又は細胞毒によって引き起こされる局所損傷を治療する。かかる治療は、洗浄、膿の除去、止血、回復、細菌及びウイルスの殺菌、無毒化及び治癒促進の効果を実現ができる。
【0036】
実施例7
5グラムのポリ硫酸第二鉄の固体粉末、0.25グラムのメントール又はミント及び0.75グラムのレボブピバカインを94グラムの蒸留水に溶解し、バクテリアろ過器によってフィルター処理をし、100ml、250ml又は500mlサイズの無菌の褐色ガラス瓶又はプラスチックボトルに分注して、臨床用のために封止される。スプレー(sraying)又は塗摩によって、外傷性創傷、感染性及び炎症性外傷、膿の除去後の膿瘍空洞と、化学薬品又は細胞毒によって引き起こされる局所損傷を治療する。かかる治療は、洗浄、膿の除去、止血、回復、細菌及びウイルスの殺菌、無毒化及び治癒促進の効果を実現ができる。
【0037】
臨床実験の所見
塩基性硫酸第二鉄、無機高分子第二鉄塩(ポリ硫酸第二鉄)及び無機高分子第二鉄塩複合体(高分子ケイ酸硫酸第二鉄)は、関連疾患を治療する臨床において無事に利用されている。
【0038】
臨床実験I
0.5重量%のカエル毒を含有する(containg)塩基性硫酸第二鉄の飽和溶液を老人性血管腫(また、老人性血管腫と呼ばれる)を患っている患者の顔、胴体、腕及び脚に位置する136個の腫瘍表面に塗布した。同じ箇所に浸透させる目的でコアニードルを用いて上記溶液を腫瘍に注射した。腫瘍の組織構造及び血液を凝固させ、硬化させた。上記腫瘍は、軟化し、脱水され、乾燥し、萎縮し、そして乾燥したかさぶたを形成した。1つの腫瘍を治療するのにわずか10〜20秒であるため、全ての腫瘍は2人の医師によって1時間以内に治療できる。かさぶたは、次の7〜10日に剥離した。
【0039】
臨床実験II
0.25mlの5%ポリ硫酸第二鉄を、肛門管の静脈瘤(また、外痔核と呼ばれるもの)を患う患者に局所注射によって投与した。病理学的血管は、数秒以内に石のように堅くなって、そして1分以内に軟化した。上記血管は、脱水され、萎縮し、12分以内に平になった。
【0040】
臨床実験III
ポリ硫酸第二鉄及び高分子ケイ酸硫酸第二鉄は、病理学的組織を脱水させ、萎縮させ、そして除去するための組成物として使用し、様々な痔核、静脈瘤、血管腫及び腫瘍組織を含む疾患を患っている130人の患者を治療した。痔核は、環状混合痔核、内痔核及び外痔核を含む。環状混合痔核とは、種々のレベルの感染、出血(したたり落ちる血液又は注射による出血)、血栓、壊死、化膿、寒さに対する嫌悪、熱病、重篤な苦痛等を含む症状を伴う急性嵌頓痔核が主である。これらの患者の中で、何人かは静脈瘤内痔核及び外痔核を患っていた。何人かは、嵌頓痔核を患い、壊死、重篤な苦痛及び熱病の症状があった。何人かは、嵌頓痔核を患い、冠不全の治療に用いられるワーファリン投与のために出血を止められなかった。何人かは、10日以上の間出血が止まらない痔核を患い、血液関連疾患(例えば血液凝固障害及び重篤な貧血)も患っていた。何人かは、直腸ポリープ又は肛門腫瘍を患っていた。患者は主に老人であり、そのうちの一人は、肛門に血管腫を患う95歳の患者である。
【0041】
治療手順は、以下の通りに要約される。患者を局所消毒し、局部麻酔薬を含むポリ硫酸第二鉄溶液を病理学的組織に適量注射した。例えば、痔核又は腫瘍の各々は、上記溶液の投与後直ちに硬化し、1分以内に柔らかくなり、液体がにじみ出て、出血及び痛みが止まった。痔核の体積は、10〜30分後に処理前の1/5又は1/7に収縮した。痔核は、肛門に引っ込んだ。萎縮した痔核又は腫瘍は、4〜8日後に吸収されるか又は剥離した。全ての患者は、同じ手順に従って治療され、例外なく同じ成果になった。
【0042】
本発明の治療は、正常組織又は生理的構造を損傷させない病理学的組織に焦点を置いた。上記治療方法は、低コストであり、安全且つ短時間で簡単に実施できる。加えて、上記方法は幅広く用いることができ、著しい禁忌症がない。例えば、本方法は従来型の手術方法(例えば切除、結紮及び縫合による結紮)より著しい効果と、従来型の薬剤注射方法(例えば硬化剤注射、壊死薬剤注射及び軟化剤注射)より著しい効果と、従来型の物理療法(例えば電気凝固、レーザー治療、寒冷療法、マイクロ波療法、低周波治療法、高周波療法、静電容量場療法、イオン導入及び電気振動療法)より著しい効果と、痔核、静脈瘤、血管腫及び局所腫瘍の治療に関して、国内及び国際的な医学界によって提案及び叫ばれているPPH治療(脱出及び痔核の手技)より更に著しい効果と、を有する。事実、本方法によって治った多くの患者は、以前PPHの実施又は他の従来型の処理方法による治療を受けていた。
【0043】
図2〜12は、患者2〜患者12の治療効果を示す。
【0044】
図2は、嵌頓混合痔核を治療するための手順を示す。これらの図において、
図2Aは、壊死、出血、化膿及び熱症の症状を患っている患者の局所病理学的部位を示す。
図2Bは、薬剤注射の処理を通じて痔核が脱水され、萎縮し、そして除去されたことを示す。
図2Cは、痔核が薬剤注射の25分後に肛門に引っ込んでいるところを示し、内視鏡検査により痔核の体積が治療前の約1/5に収縮したことを示す。
図2Dは、治療の17時間後の治療効果を示す。
図2Eは、治療の5日後の肛門の外見を示す。
図2Fは、治療の35日後の内視鏡検査の所見を示す。
【0045】
図3は、肛門から脱出した混合痔核及び腫瘍を治療するための手順を示す。
図3Aは、治療前の病理学的部位を示す。
図3Bは、薬剤注射の3分後に腫瘍がまず収縮し始めているところを示す。
図3Cは、治療の25分後に腫瘍が肛門に引っ込んでいるところを示す。
図3Dは、患者の痔核を出させた時、腫瘍が消失し、痔核が萎縮しているところを示す。
図3Eは、痔核が自然に肛門に引っ込んでいるところを示す。
図3Fは、8日後に病理学的組織が剥離することを示す。
図3Gは、15日後に外傷がほとんど瘢痕化しているところを示す。
【0046】
図4は、出血が止まらない嵌頓混合痔核を治療するための手順を示す。これらの図において、
図4Aは、治療前の病理学的部位を示す。
図4Bは、脱水及び萎縮薬液の注射を示す。
図4Cは、注射10分後の病理学的部位を示す。
図4Dは、注射25分後の病理学的部位を示す
【0047】
図5は、壊死症状のある他の嵌頓混合痔核を治療するための手順を示す。これらの図において、
図5Aは、治療前の病理学的部位を示す。
図5Bは、脱水及び萎縮薬液の注射を示す。
図5Cは、5分以内に薬液を完全に注射するところを示す。
図5Dは、注射の29分後に病理学的組織が脱水され、萎縮しているところを示す。
図5Eは、注射の30分後に萎縮性の痔核が肛門に引っ込んでいるところを示す。
図5Fは、注射の31分後に肛門鏡によって観察される図を示す。
図5Gは、11日後に痔核が除去された後の外傷を示す。
図5Hは、治療41日後の肛門を示す。
【0048】
図6は、肛門管の歯状線下にある環状の静脈瘤を治療するための手順を示す。これらの図において、
図6Aは、治療前の病理学的部位を示す。
図6Bは、脱水及び萎縮薬液の注射を示す。
図6Cは、7分以内に薬液を完全に注射し、以前治療した痔核が萎縮しているところを示す。
図6Dは、22分後の状態を示す。
図6Eは、25分後の状態を示す。
図6Fは、2日後の排便後の状態を示す。
【0049】
図7は、糖尿病、高血圧及び脳卒中を患う95歳の女性を治療するための手順を示す。上記患者は、肛門から脱出した血管腫も患っている。これらの図において、
図7Aは、治療前の病理学的部位を示す。
図7Bは、腫瘍が樹冠、葉、果物、木の幹及び根を有する木の様であり、そして薬剤を樹冠に注射するところを示す。
図7Cは、同じように脱水及び萎縮のために木の幹と根へ薬剤を注射し、そして萎縮した樹冠の剥離を示す。
図7Dは、12分後の病理学的部位の状態を示す。
【0050】
図8は、高血圧を患い、心抑制薬、抗高血圧症薬及びワーファリンを長い間服用している78歳の男性患者を治療するための手順を示す。上記患者は、肛門から脱出した腫瘍も患っている。これらの図において、
図8Aは、治療前の病理学的部位を示す。
図8Bは、薬剤注射後の病理学的部位を示す。
図8Cは、15分後に腫瘍が萎縮しているところを示す。
図8Dは、11日後の剥離した萎縮物を示す。
図8Eは、41日後の瘢痕化した外傷を示す。
図8Fは、肛門の外見を示す。
【0051】
図9は、膵臓癌を患う52歳の男性患者を治療するための手順を示す。上記患者は、壊死、化膿及び重篤な痛みの症状を有する混合痔核及びポリープ嵌頓も患っている。これらの図において、
図9Aは、治療前の病理学的部位を示す。
図9Bは、薬剤注射中の痔核を示す。
図9Cは、薬剤が完全に注射され、痔核が萎縮しているところを示す。
図9Dは、20分後の萎縮した痔核が肛門に引っ込み、それが直径1.5cmの痔核であることを示す。
図9Eは、6日後の剥離した黒い物質を示す。
図9Gは、21日後に外傷が回復したことを示す。
【0052】
図10は、嵌頓痔核を患う60歳の男性患者を治療するための手順を示す。この患者は、冠状動脈インターベンションを受けており、狭心症で苦しんでいた。彼は長い間ワーファリンを服用し続けており、痔核の出血が止まらない。これらの図において、
図10Aは、治療前の病理学的部位を示す。
図10Bは、麻薬注射の2分後の病理学的部位を示す。
図10Cは、5分後に、痔核が脱水され、萎縮し、出血が止まっているところを示す。
図10Dは、痔核が15分後に肛門に引っ込んでいるところを示す。
図10Eは、肛門の萎縮した痔核を示す。
【0053】
図11は、痔核の再発を患う56歳の男性患者を治療するための手順を示す。上記患者は、高血圧及び狭心症も患い、長い間ワーファリンを服用し続けている。痔核は排便後脱出し、出血している。上記患者は、最近の4年間に2回の結紮手術を受けた。これらの図において、
図11Aは、治療前の病理学的部位を示す。
図11Bは、麻薬注射後の病理学的部位を示す。
図11Cは、5分後に痔核が脱水され、萎縮しているところを示す。
図11Dは、痔核が肛門に引っ込んでいるところを示す。
図11Eは、肛門の内痔核を示す。薬剤は投与されていない。
図11Fは、追加薬剤の注射を示す。
図11Gは、14日目の肛門の外見を示す。
【0054】
図12は、高血圧及び糖尿病を患う83歳の男性患者を治療するための手順を示す。上記患者は、10年間、排便後脱出(格納式)の病歴を有する。上記患者は混合痔核も患い、外痔核部分は静脈瘤であり、内痔核部分はびらん性出血がある。これらの図において、
図12Aは治療前の病理学的部位を示す。
図12Bは、麻薬注射後の病理学的部位を示す。
図12Cは、14分後に痔核が肛門に引っ込んでいるところを示す。
図12Dは、肛門鏡によって観察される図を示す。
図12Eは、5日目の剥離物を示す。
図12Fは、11日目の病理学的部位を示す。
図12Gは、30日目の病理学的部位を示す。