(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017772
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】二つの物体を連結するための方法
(51)【国際特許分類】
B29C 65/52 20060101AFI20161020BHJP
B29C 69/00 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
B29C65/52
B29C69/00
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-238603(P2011-238603)
(22)【出願日】2011年10月31日
(65)【公開番号】特開2012-96541(P2012-96541A)
(43)【公開日】2012年5月24日
【審査請求日】2014年10月22日
(31)【優先権主張番号】10189951.6
(32)【優先日】2010年11月4日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503036818
【氏名又は名称】イナルファ・ルーフ・システムズ・グループ・ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】カロルス・テーオドルス・ウィルヘルムス・ペトルス・ヤンセン
【審査官】
大塚 徹
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭54−131676(JP,A)
【文献】
特開平06−015745(JP,A)
【文献】
特開平05−185839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/52
B29C 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの物体を連結するための方法であって、
前記物体の少なくとも一方に対して、硬化時に柔軟性を有するタイプの所定量の接着剤を塗布するステップと、
その後、前記物体の他方を前記所定量の接着剤と接触するようもたらすステップと、
前記所定量の接着剤の塗布の前に、前記所定量の接着剤が塗布される前記物体から延在しかつそれに取り付けられ、かつ完成された所定量の接着剤の高さよりも小さな高さを備える硬化手段を提供し、続いて前記完成された所定量の接着剤の底部の対向する側に係合する補助硬化手段を提供する付加的なステップと、
を含み、
前記付加的なステップの後に、前記所定量の接着剤が前記硬化手段の周囲に塗布されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記硬化手段は前記物体に対して射出成形されたものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硬化手段は、前記所定量の接着剤が塗布される前記物体の製造中に、前記所定量の接着剤が塗布される前記物体と一体的に製造されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所定量の接着剤は前記硬化手段の周囲に射出成形されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記所定量の接着剤は、接着剤からなる細長い縁部を含んでおり、かつ、前記硬化手段は、前記細長い縁部の長さ全体に実質的に沿って延在する単一の細長の硬化隆起部を具備してなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記所定量の接着剤は、接着性のドットからなる連続部を含み、かつ前記硬化手段は、これらドットにそれぞれに位置させられる硬化柱状部を具備してなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記補助硬化手段の高さは、前記硬化手段の高さより小さいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記所定量の接着剤は、接着剤からなる細長い縁部を含んでおり、かつ、前記硬化手段は、前記細長い縁部の長さ全体に実質的に沿って延在する単一の細長の硬化隆起部を具備してなり、
前記補助硬化手段は2つの細長い硬化隆起部を具備してなることを特徴とする請求項1または7に記載の方法。
【請求項9】
前記所定量の接着剤は、接着性のドットからなる連続部を含み、かつ前記硬化手段は、これらドットにそれぞれに位置させられる硬化柱状部を具備してなり、
前記補助硬化手段は、接着剤からなるドットの底部の周囲にそれぞれ配置される多数のリング状硬化体を具備してなることを特徴とする請求項1または7に記載の方法。
【請求項10】
前記物体の一方が車両のためのオープンルーフ構造体のパネルであり、かつ前記物体の他方が形状付けられた補強部材であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
車両のためのオープンルーフ構造体に使用することを意図されたパネルの連結方法であって、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法を使用して前記パネルに部材が連結されることを特徴とするパネルの連結方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一に、二つの物体を連結するための方法であり、固まったときにフレキシブル特性を備えるタイプの所定量の接着剤を少なくとも1つの物体に対して適用するステップと、その後、所定量の接着剤にもう一方の物体を接触させるステップとを備える方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大きな差が出るよう熱膨張する2つの物体を連結するために上記方法が使用される際には、熱膨張におけるこうした差異を補償するために、完成した所定量の接着剤は十分にフレキシブルなものでなければならない。この問題は、例えば、スチール製の物体をプラスチック製の物体に連結する場合において、形状付けられたスチール製の補強部材がプラスチックパネルに連結されている車両のためのオープンルーフ構造における場合などにおいて引き起こされる。所定量の接着剤がさまざまな熱膨張性に対処できない場合、そうした連結の構造的な部分は、高い応力にさらされかつ不適切な様式で歪んでしまうようになる。
【0003】
所定量の接着剤に十分なフレキシブル性を確実に持たせるのに最も効果的な方法は、その高さを増大させることである。ただし、そうして増大させられた高さは、所定量の接着剤に関連する製造中に特定の問題を引き起こす。接着剤は、その塗布中において、まだ固まっていないことが全員となって別々の物体上に流出する傾向がある。これは、十分な高さのある所定量の接着剤を形成することが非常に困難であり、さらに言えば不可能であるということを意味している。さらに、この接着剤の軟度が十分な高さを有する所定量の接着剤の形成を可能にするものであっても、そうした所定量の接着剤は非常に不安定となりやすい。例えば所定量の接着剤が射出成形ノズルを使用して製造される場合、堆積された所定量の接着剤からノズルを離間させる動きは、堆積された接着剤の一部が依然としてノズルにつながっていることが原因となって、所定量の接着剤を損なう傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ本発明の課題は、2つの物体を連結するための改良された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記方法は、所定量の接着剤を塗布する前に、所定量の接着剤が塗布される物体から延在しかつそれに取り付けられ、かつ完成された所定量の接着剤の高さより小さな高さを備える硬化手段を提供する付加的なステップと、その後、硬化手段の周囲に所定量の接着剤を塗布する付加的なステップとによって特徴付けられる。
【0006】
硬化手段は、所定量の接着剤が所望のフレキシブル特性を得るために所望の高さを備えるよう製造することを確実なものとする。
【0007】
本発明に基づく方法の一実施形態において、硬化手段は、上記物体に対して射出成形されたものであるが、他の方法(例えば接着剤または溶着などの使用)を採用することもできる。
【0008】
本発明に基づく方法の他の実施形態においては、硬化手段は、物体の製造中に個々の物体と一体的に製造される。これは、物体に対して硬化手段を取り付ける付加的なステップを省略できることを意味している。
【0009】
好ましくは、所定量の接着剤は、硬化手段の周囲に射出成形される。これは、上記方法の達成を容易なものとする。硬化手段が物体に対して射出成形される実施形態と組み合わせられる場合、二段階射出成形工程が適用されてもよい(必要であれば、その個々のステップは異なる位置において異なる時間で実施されてもよい)。
【0010】
本発明に基づく方法の一実施形態において、所定量の接着剤は細長い縁部状の接着剤を含み、かつ硬化手段は、細長い縁部の長さ全体に実質的に沿って延在する単一の細長の硬化隆起部を備えている。硬化隆起部の長さと縁部の長さとの比は、環境および要求に応じてさまざまであってもよい。
【0011】
代替的には、所定量の接着剤が接着性のドットの連続部を含んでいてもよく、かつ硬化手段は、これらドットのそれぞれに対して位置させられる硬化柱状部を備えていてもよい。ドットの数およびドット同士の間の空間は、完成された連結部の所望の特性に応じて多くの方法でさまざまになされてもよい。
【0012】
連結部の製造中において接着剤の挙動における硬化手段の作用は、硬化手段と、固まっていない接着剤の望ましくない流動を防止する接着剤との間に作用する接着力に部分的に依存すると考えられている。ただし、付加的に本発明に基づく方法が、所定量の接着剤を底部の対向する側に取り付けられる補助硬化手段を提供するステップをさらに備える場合、接着剤の流動は、所定量の接着剤の底部において接着剤のためのバリアを形成するそうした補助硬化手段によっても防止される(所定量の接着剤は書く物体に対して取り付けられる)。
【0013】
さらに、補助硬化手段の高さは、上記硬化手段の高さよりも小さいことが好ましい。そうした小さな高さは所望の効果を得るのに有効である。
【0014】
特に、所定量の接着剤が接着剤からなる伸長された縁部を含む場合、補助硬化手段は、2つの細長い硬化隆起部を備えることもでき、硬化隆起部のそれぞれはその対向する側において縁部の底部に沿って延在している。
【0015】
他の実施形態において、接着剤がドット状の接着剤の連続部を含む場合、補助硬化手段は、接着剤の底部の周囲にそれぞれが配置されたリング状硬化体を多数備えることができる。
【0016】
本発明に基づく方法の特定の実施形態において、物体のうちの1つが車両のためのオーブンルーフ開口構造体のパネル(例えばプラスチックパネル)であり、かつ他方の物体が(スチールから形成された)形状付けられた補強部材である。
【0017】
第2に、本発明は、車両のためのオーブンルーフ開口構造体に使用するよう意図されたパネルに関するものであり、このパネルは、それに対して連結される部材を有しており、かつその部材は、本発明に基づく方法を使用する方法を使用してパネルに連結されている。
【0018】
以下、本発明について図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に基づく方法の一実施形態を使用して2つの物体の連結部を製造する間の5つの連続した段階を概略的に示す図である。
【
図2】硬化手段の4つの代替実施形態を示す図である。
【
図3】本発明を具現化したオープンルーフ構造体のパネルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
まず
図1を参照すると、2つの物体を連結するための方法が5つの連続的な段階を通じて示されている。物体2が連結される物体1が提供される(段階a)。段階b中において、硬化手段3が物体1に取り付けられる。これは適切な様式(接着、溶着、射出成形など)により実施されてもよい。
【0021】
硬化手段3および物体1は、物体1の製造中に一体的な単一物として製造されてもよい。硬化手段3および物体1が一体的に製造される場合、これら部品はいずれも同一の材料からなることが好ましく、かつ、硬化手段3および物体1が別体として製造される場合には、これら部品は異なる材料からなるものであってもよい。
【0022】
硬化手段3が物体に取り付けられかつ物体から延在する場合(段階c)、固まったときにフレキシブル特性を有するタイプの所定量の接着剤4が硬化手段3の周囲および物体1の上部に塗布される(段階d)。所定量の接着剤4の塗布は、例えば射出成形ノズル7を用いて射出成形技術を使用するなどの適切な様式でなされてもよい。最終段階において、物体2の他方が所定量の接着剤4と接触するようにもたらされ(段階e)、その後、物体1と物体2との間の連結部を完成させるために接着剤の硬化が行われる。
【0023】
図1から明らかなように、硬化手段3は、完成された所定量の接着剤4の高さよりも小さな高さ(物体1の表面に垂直に測定された高さ)を有している。
【0024】
図2には、本発明の異なる実施形態をいくつか示す。
図2aにおいては、硬化手段3が物体1’に取り付けられている(あるいは物体1’の一体的な部分として形成されている)。
図2bにおいては、硬化手段3は、物体2に取り付けられている(あるいは物体2の一体的な部分として形成されている)。
図2cにおいては、硬化手段3は、物体1’に取り付けられて(あるいは物体1’の一体的な部分として形成されて)おり、かつ付加的な補助硬化手段5が、完成された所定量の接着剤の底部に対向する側に係合するよう設けられている。これら補助硬化手段5は、補助硬化手段3と同様の様式で設けられてもよく、かつ、所定量の接着剤が細長い縁部を含む場合には2つの細長い硬化隆起部を備えていてもよく、また所定量の接着剤が複数のドットを含む場合、リング状体を備えていてもよい。補助硬化手段5の高さは好悪か手段3の高さよりも小さい。
【0025】
図2dには
図2aと同様の実施形態が示されており、かつこの図において硬化手段は接着剤4の細長い縁部の長さ全体に実質的に沿って延在する単一の細長硬化隆起部3’を備える。
【0026】
図3を参照すると、車両のためのオープンルーフ構造体に使用することを意図されたパネル6が示されている。このパネル6は、所定量の接着剤を用いて連結される形状付けられた補強部材を有する。
図3は、これら形状付けられた補強部材(これは
図1および
図2に示される物体2のように形状付けられてもよい)は示しておらず、また所定量の接着剤も示していないが、硬化手段の異なる実施形態を示すために提供されたものである。
【0027】
それゆえ
図3には硬化手段13が示されており、硬化手段13は、その周囲に設けられる細長い縁部の長さ全体に実質的に沿って延在している。さらに
図3には、接着性のドットによって取り囲まれるように互いに沿って配置された別個の硬化柱状部を多数備える硬化手段を示す。
【0028】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で幅広く変更可能なものである。
【符号の説明】
【0029】
1,1’,2,2’ 物体
3,13 硬化手段
4 接着剤
5 補助硬化手段
6 パネル
7 射出成形ノズル