(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の照明装置は良質な睡眠の環境作りに貢献するものではなく、いずれの照明下であってもユーザは良質な睡眠が得られない問題があった。また、いずれの照明下であってもユーザが行う作業の作業能率を高めることができず、作業能率が低い問題もあった。
【0006】
本発明は、睡眠効率及び作業能率を向上できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、LED素子の発光により、国際照明委員会が定めるxy色度図上の、点A(0.555,0.394)を通る等色温度線及び黒体輻射軌跡に対する等偏差線と、点B(0.419,0.343)を通る等色温度線及び黒体輻射軌跡に対する等偏差線とによって囲まれる第1領域内の照明色の照明光を出射する第1照明モードと、
点Bを通る等色温度線及び黒体輻射軌跡に対する等偏差線と、点C(0.418,0.390)を通る黒体輻射軌跡に対する等偏差線と、点D(0.397,0.370)を通る等色温度線と、点Cと点Dとを結ぶ直線とによって囲まれる第2領域内の照明色の照明光を出射する第2照明モードと、
を備え、第1照明モード及び第2照明モードを選択可能な操作部を設けたことを特徴としている。
【0008】
この構成によると、LED素子の発光によって第1照明モードまたは第2照明モードによる照明が行われる。第1照明モードによって黄赤色の照明色またはオレンジピンク色の照明色の照明光が出射される。これにより、居室内のユーザのメラトニン分泌を妨げず、副交感神経を優位にする。従って、就寝時の入眠潜時を短縮して睡眠効率が向上するとともに、休憩時等に寛ぎと癒やしをもたらして蓄積された疲労感が軽減される。
【0009】
また、第2照明モードによって黄赤色と黄みの白色との間の照明色またはオレンジピンク色とうすいピンク色との間の照明色の照明光が出射される。これにより、業務や家事等の作業負荷による交感神経系の昂進を抑制して作業時の疲労感が低減され、作業能率が向上される。
【0010】
また本発明は、上記構成の照明装置において、第1照明モードの照明色がxy色度図上の点(0.499,0.382)を中心とするマグアダム楕円5−stepで表される等色範囲の属する色であることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、上記構成の照明装置において、第1照明モードの照明色がxy色度図上の点(0.499,0.382)を中心とするマグアダム楕円1−stepで表される等色範囲の属する色であることを特徴としている。
【0012】
また本発明は、上記構成の照明装置において、第2照明モードの照明色がxy色度図上の点(0.416,0.377)を中心とするマグアダム楕円5−stepで表される等色範囲の属する色であることを特徴としている。
【0013】
また本発明は、上記構成の照明装置において、第2照明モードの照明色がxy色度図上の点(0.416,0.377)を中心とするマグアダム楕円1−stepで表される等色範囲の属する色であることを特徴としている。
【0014】
また本発明は、上記構成の照明装置において、昼光色、昼白色または白色の照明光を出射する寒色照明モードを備えたことを特徴としている。この構成によると、所定の操作によって寒色照明モードが行われ、昼光色、昼白色または白色の照明光が出射される。
【0015】
また本発明は、上記構成の照明装置において、電球色または温白色の照明光を出射する暖色照明モードを備えたことを特徴としている。この構成によると、所定の操作によって暖色照明モードが行われ、電球色または温白色の照明光が出射される。
【0016】
また本発明は、上記構成の照明装置において、前記寒色照明モードと前記暖色照明モードとの間の色に照明色を可変にするとともに、前記操作部が第1照明モードを選択する第1操作スイッチと、第2照明モードを選択する第2操作スイッチと、前記寒色照明モードと前記暖色照明モードとの間の色に照明色を段階的に可変する可変スイッチとを有することを特徴としている。
【0017】
この構成によると、操作部の第1操作スイッチが操作されると第1照明モードによる照明が行われ、第2操作スイッチが操作されると第2照明モードによる照明が行われる。可変スイッチが操作されると、寒色照明モードの照明色から暖色照明モードの照明色に段階的に可変して照明が行われる。
【0018】
また本発明は、上記構成の照明装置において、前記寒色照明モードと前記暖色照明モードとの間の色に照明色を可変にするとともに、第1領域及び第2領域内で照明色を可変にし、前記操作部が第1領域及び第2領域内の色に照明色を可変する第1可変スイッチと、前記寒色照明モードと前記暖色照明モードとの間の色に照明色を可変する第2可変スイッチとを有することを特徴としている。
【0019】
この構成によると、第1領域と第2領域とはxy色度図上で連続する。第1可変スイッチの操作によって第1領域の照明色から第2領域の照明色に段階的に可変して第1照明モード及び第2照明モードが行われる。第2可変スイッチが操作されると、寒色照明モードの照明色から暖色照明モードの照明色に段階的に可変して照明が行われる。
【0020】
また本発明は、上記構成の照明装置において、電球色または温白色の照明光を出射する暖色照明モードを備えたことを特徴としている。
【0021】
また本発明は、上記構成の照明装置において、照明色の異なる第1照明モード及び第2照明モードのみを備え、前記操作部が第1照明モードを選択する第1操作スイッチと、第2照明モードを選択する第2操作スイッチとを有することを特徴としている。この構成によると、操作部の第1操作スイッチが操作されると第1照明モードによる照明が行われ、第2操作スイッチが操作されると第2照明モードによる照明が行われる。
【0022】
また本発明は、上記構成の照明装置において、照明色の異なる第1照明モード及び第2照明モードのみを備え、照明色を第1領域及び第2領域内で可変にするとともに、前記操作部が照明色を段階的に可変する可変スイッチを有することを特徴としている。この構成によると、第1領域と第2領域とはxy色度図上で連続する。可変スイッチの操作によって第1領域の照明色から第2領域の照明色に段階的に可変して第1照明モード及び第2照明モードが行われる。
【0023】
また本発明は、上記構成の照明装置において、前記LED素子を複数有し、各前記LED素子が異なる色で発光することを特徴としている。この構成によると、複数のLED素子が異なる色で発光して混色され、各照明モードの照明光が出射される。
【0024】
また本発明は、上記構成の照明装置において、電球色を発光する前記LED素子と、赤色を発光する前記LED素子と、白色を発光する前記LED素子とを備えたことを特徴としている。この構成によると、複数のLED素子から出射される電球色と赤色と白色とを混色して各照明モードの照明光が出射される。
【0025】
また本発明は、上記構成の照明装置において、前記LED素子の出射光を異なる波長に変換する蛍光体を備えたことを特徴としている。この構成によると、LED素子の出射光と蛍光体による蛍光とが混色され、各照明モードの照明光が出射される。
【0026】
また本発明は、上記構成の照明装置において、青色を発光する前記LED素子と、青色光を電球色の光に変換する前記蛍光体と、青色光を赤色光に変換する前記蛍光体と、青色光を黄色光に変換する前記蛍光体とを備えたことを特徴としている。
【0027】
この構成によると、LED素子の出射光と蛍光体による黄色の蛍光とが混色して白色光が形成される。該白色光と蛍光体による赤色の蛍光と蛍光体による電球色の蛍光とが混色して各照明モードの照明光が出射される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、xy色度図上の点A(0.555,0.394)を通る等色温度線及び黒体輻射軌跡に対する等偏差線と、点B(0.419,0.343)を通る等色温度線及び黒体輻射軌跡に対する等偏差線とによって囲まれる第1領域内の照明色の照明光を出射する第1照明モードと、点Bを通る等色温度線及び黒体輻射軌跡に対する等偏差線と、点C(0.418,0.390)を通る黒体輻射軌跡に対する等偏差線と、点D(0.397,0.370)を通る等色温度線と、点Cと点Dとを結ぶ直線とによって囲まれる第2領域内の照明色の照明光を出射する第2照明モードとをLED素子の発光によって行う。
【0029】
このため、第1照明モードによって入眠潜時の短縮や睡眠効率の向上など良質な睡眠が得られるとともに蓄積された疲労感を軽減することができる。また、第2照明モードによってユーザが行う作業の作業能率を向上することができる。加えて、LED素子の発光により第1領域及び第2領域の照明色の照明光を出射するため、人体に対して化学的な悪影響を与える紫外線や熱的な悪影響を与える赤外線を含まずに照明を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は第1実施形態の照明装置を下方から見た全体斜視図である。照明装置100は照明器具であるシーリングライトを構成し、室内の天井面に取り付けられる。照明装置100が室内の側壁に取り付けられる照明器具であってもよい。
【0032】
照明装置100は上方に位置する室内天井面に固定される円形をなす略板状の本体1と、リモートコントローラ50(
図6参照)とを備え、下方の室内床面を照明する。本体1は光源基板2と、反射板3と、フレーム4と、照明制御部5とを備えている。
【0033】
光源基板2は平面視矩形に形成され、本体1に対して垂直または略垂直に起立した状態でフレーム4を介して本体1の下面に取り付けられている。光源基板2の表面には複数の白色LED素子6a、電球色LED素子6b及び赤色LED素子6c(
図2参照)が設けられている。以下の説明において、白色LED素子6a、電球色LED素子6b及び赤色LED素子6cを総称してLED素子6という場合がある。
【0034】
反射板3は本体1の下面であって、光源基板2の径方向外側部分に設けられている。反射板3はLED素子6が出射した光を床面方向に向かって反射させ、その反射光が床面を照射する。これにより、床面全体の照度が得られる。
【0035】
フレーム4は本体1の上下に延びる中心軸線を中心とする正多角形(例えば
図1では正八角形)または略正多角形をなしている。このフレーム4の正八角形の各辺に、LED素子6の光の出射方向が径方向外側を向くように光源基板2が取り付けられている。LED素子6は本体1の中心に対して放射状に径方向外側に向かって光を出射し、その光が反射板3に反射される。
【0036】
照明制御部5は電源回路(
図3参照)等を含む制御基板(不図示)を有し、フレーム4の径方向内側に配置されている。照明制御部5は本体1の径方向中心部に設けられた図示しない電源コネクタに接続され、この電源コネクタを介して外部電源から電力の供給を受ける。そして、照明制御部5はその電力をLED素子6に供給してLED素子6を発光させる。
【0037】
なお、説明の便宜上図示していないが、拡散レンズやカバーを設けてもよい。拡散レンズは光源基板2の発光面の前面に取り付けられ、LED素子6が出射する光を均一に拡散させる。カバーは本体1の外径と略同径の円形をなし、本体1の周縁部に嵌合して保持されて本体1の下面全域を覆っている。カバーはLED素子6が出射する光をさらに拡散させるとともに、人がその光を直視することを回避している。
【0038】
このようにして、照明装置100はLED素子6が直接床面を照射しないので、人が天井方向を向いて照明を直視した場合でもLED素子6の光が人の目に直接差し込み難く、目の負担を抑えることができる。
【0039】
図2は光源基板2の平面図を示している。光源基板2にはそれぞれ複数の白色LED素子6a、電球色LED素子6b及び赤色LED素子6cが例えば略横一列に並べて配置されている。本実施形態では9個の白色LED素子6aと4個の電球色LED素子6bと3個の赤色LED素子6cとが光源基板2に実装される。
【0040】
LED素子6の配置や間隔等は反射板3への発光の均一性に影響を及ぼす。反射板3への発光が不均一になる場合、照度ムラなどが生じて照明装置100の照明品質が低下することになる。特に、各LED素子6が異なる色で発光してその組み合わせで調色を行う場合、照度の不均一さが色ムラの原因となり照明装置100の照明品質に大きく影響する。そのため、異なる色で発光する複数のLED素子6を用いる場合、特にその配置や間隔が重要となる。
【0041】
白色LED素子6cは白色光を発光する。電球色LED素子6bは電球色で発光する。より詳しくは電球色LED素子6bは国際照明委員会が定めるxy色度図上の点(0.445,0.408)を中心とするマグアダム楕円5−stepで表される等色範囲の属する色で発光する。赤色LED素子6cは赤色で発光する。より詳しくは赤色LED素子6cは波長の極大値が575nm〜780nmである色で発光する。
【0042】
ここで、電球色LED素子6bの色は上記のようにxy色度図上の点(0.445,0.408)を中心とするマグアダム楕円5−stepで表される等色範囲の属する色であってある程度のばらつきがある。また、赤色LED素子6cの色も上記のように波長の極大値が575nm〜780nmであってある程度の範囲がある。
【0043】
このため、
図2に示したように複数の白色LED素子6a、複数の電球色LED素子6b及び複数の赤色LED素子6cを光源基板2に実装して発色のばらつきを抑えることができる。尚、色の異なる複数のLED素子を1つのLED素子として構成してもよい。
【0044】
続いて、照明装置100の制御に係る詳細な構成について、
図2に加えて
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は照明装置1の構成を示すブロック図、
図4は照明装置1のLED素子発光機構の構成を示す説明図である。
【0045】
照明制御部5は、
図3に示すように電源回路10を備えている。電源回路10は交流電源(AC入力、100V)から電力の供給を受けて直流電圧に変換し、照明装置100の各部に電力を供給する。なお、本実施形態において、電源回路10は一例として制御電源供給回路14及び光源基板2に電力を供給しているように示しているが、特にこれに限らず他の部位に対しても必要な電力が供給されるものとする。
【0046】
照明制御部5は電源回路10に加えて、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリ12と、PWM(Pulse Width Modulation)制御回路13と、制御電源供給回路14と、入力部15とを備えている。一例としてCPU11、メモリ12及びPWM制御回路13はマイクロコンピュータによって構成される。
【0047】
CPU11は各部と接続されるとともに、照明装置100全体を制御するために必要な動作を指示する。CPU11はリモートコントローラ50(
図6参照)等のスイッチと無線または有線にて接続され、入力部15にて当該スイッチの操作に応答した指示入力を受け付ける。
【0048】
メモリ12は照明装置100を制御するための各種プログラム及び初期値等が格納されるとともに、CPU11のワーキングメモリとしても用いられる。PWM制御回路13はCPU11からの指示に従ってLED素子6を駆動するために必要なPWMパルスを生成する。制御電源供給回路14は電源回路10から供給される電力の電圧をCPU11に供給するために調整する。
【0049】
光源基板2には前述のように白色LED素子6aと電球色LED素子6bと赤色LED素子6cとの3種類のLED素子6が配置されるとともに、各LED素子6を駆動するためのFET(Field Effect Transistor)スイッチ21、22、23が配置されている。
【0050】
なお、説明の便宜上、
図3には白色LED素子6aと電球色LED素子6bと赤色LED素子6cとをそれぞれ1つずつ描画しているが、
図2のように白色LED素子6aと電球色LED素子6bと赤色LED素子6cはそれぞれ複数設けられる。また、FETスイッチ21、22、23はPWM制御回路13にあってもよい。
【0051】
次に、LED素子6の発光機構の詳細について説明する。CPU11はPWM制御回路13に指示し、白色LED素子6aと電球色LED素子6bと赤色LED素子6cとの少なくとも1種類を発光させるためのPWMパルスM1、M2、M3を生成して出力する。
【0052】
白色LED素子6a、電球色LED素子6b及び赤色LED素子6cは電源回路10から必要な電力の供給を受ける。白色LED素子6a、電球色LED素子6b及び赤色LED素子6cと接地電圧GNDとの間にはFETスイッチ21、22、23がそれぞれ設けられている。
【0053】
PWMパルスM1、M2、M3に応答してFET21、22、23が導通、非導通となることにより白色LED素子6a、電球色LED素子6b、赤色LED素子6cに電流が供給、遮断される。白色LED素子6a、電球色LED素子6b、赤色LED素子6cに電流が供給されると、これらLED素子6はそれぞれ発光する。尚、白色LED素子6a、電球色LED素子6b、赤色LED素子6cを発光させる構成について説明したが、他のLED素子がさらに複数個設けられている場合についても同様である。
【0054】
上記発光機構によって各LED素子6がリモートコントローラ50(
図6参照)の操作に応じた光量で発光し、複数の照明色の照明光が出射される。照明装置100は第1照明モード、第2照明モード、寒色照明モード及び暖色照明モードを備えている。また、寒色照明モードと暖色照明モードとの間の色に照明色を可変できるようになっている。
【0055】
図5は国際照明委員会が定めるxy色度図の黒体輻射軌跡V0近傍の詳細図を示している。同図には等色温度線群及び黒体輻射軌跡V0に対する等偏差線群を重ねて記述している。第1照明モードはxy色度図上の、点A(0.555,0.394)を通る等色温度線W1及び黒体輻射軌跡V0に対する等偏差線V1と、点B(0.419,0.343)を通る等色温度線W2及び黒体輻射軌跡V0に対する等偏差線V2とによって囲まれる第1領域S1内の照明色の照明光を出射する。
【0056】
点Aは相関色温度が1680Kであり、黒体輻射軌跡V0に対する偏差Δuv=−0.003の点を示している。点Bは相関色温度が2750Kであり、黒体輻射軌跡V0に対する偏差Δuv=−0.025の点を示している。尚、等色温度線W1と等偏差線V2との交点Eの色度座標は(0.510,0.340)であり、等色温度線W2と等偏差線V1との交点Fの色度座標は(0.453,0.401)である。従って、第1領域S1は図中、時計回りに点A、点E、点B、点Fにより囲まれる。
【0057】
第2照明モードはxy色度図上の、点Bを通る等色温度線W2及び等偏差線V2と、点C(0.418,0.390)を通る等偏差線V1と、点D(0.397,0.370)を通る等色温度線W3と、点Cと点Dとを結ぶ直線とによって囲まれる第2領域S2内の照明色の照明光を出射する。
【0058】
点Cは相関色温度が3250Kであり、黒体輻射軌跡V0に対する偏差Δuv=−0.003の点を示している。点Dは相関色温度が3500Kであり、黒体輻射軌跡V0に対する偏差Δuv=−0.008の点を示している。尚、等色温度線W3と等偏差線V2との交点Gの色度座標は(0.383,0.329)である。従って、第2領域S2は図中、時計回りに点F、点B、点G、点D、点Cにより囲まれ、第1領域S1に連続する。
【0059】
第1領域S1は黄赤色またはオレンジピンク色となる。このため、第1照明モードによって黄赤色の照明色またはオレンジピンク色の照明色の照明光が出射される。これにより、居室内のユーザのメラトニン分泌を妨げず、副交感神経を優位にすることができる。その結果、就寝時の入眠潜時を短縮して総睡眠時間が延長され、睡眠効率を向上することができる。また、休憩時や団欒時に寛ぎと癒やしをもたらして蓄積された疲労感を軽減することができる。
【0060】
第2領域S2は黄赤色と黄みの白色との間の色またはオレンジピンク色とうすいピンク色との間の色となる。このため、第2照明モードによって黄赤色と黄みの白色との間の照明色またはオレンジピンク色とうすいピンク色との間の照明色の照明光が出射される。これにより、業務や家事等の作業負荷による交感神経系の昂進を抑制して作業時の疲労感が低減される。その結果、長時間の作業時の作業能率の低下を抑制し、作業能率を向上することができる。
【0061】
寒色照明モードは従来から用いられる昼光色、昼白色または白色(狭義)の照明色の照明光を出射する。暖色照明モードは従来から用いられる電球色または温白色の照明色の照明光を出射する。
【0062】
尚、「黄赤色」、「オレンジピンク色」、「黄みの白色」、「うすいピンク色」、「昼光色」、「昼白色」、「狭義の白色」、「電球色」、「温白色」はJIS規格(JIS Z 8110)で規定される光源色に相当する。
【0063】
図6はリモートコントローラ50の正面図を示している。リモートコントローラ50は表示部51及び操作部52を備えている。表示部51は液晶パネル等により形成され、照明装置100の光量等を表示する。操作部52は複数の操作キーから成り、点灯キー53、消灯キー54、十字キー55、第1照明モードキー56及び第2照明モードキー57を有している。
【0064】
点灯キー53の操作によりLED素子6に通電して照明装置100が点灯する。消灯キー54の操作によりLED素子6の通電を遮断して照明装置100が消灯する。
【0065】
十字キー55(可変スイッチ)は寒色部55a、暖色部55b、増光部55c、減光部55dを有している。寒色部55a及び暖色部55bの操作によって寒色照明モードの照明色と暖色照明モードの照明色との間で段階的に照明色が可変される。照明色の可変は白色LED素子6a及び電球色LED素子6bの光量比の増減によって容易に実現することができる。
【0066】
増光部55cは十字キー55上に「明るく」と記され、照明光の光量を増加させる。減光部55dは十字キー55上に「暗く」と記され、照明光の光量を減少させる。
【0067】
第1照明モードキー56(第1操作スイッチ)は第1照明モードによる照明を行う。本実施形態では第1照明モードをオレンジピンク色の照明色としており、第1照明モードキー56上には「色1」と記される。第1照明モードをオレンジピンク色以外の照明色にした場合など、場合に応じて他の名称を第1照明モードキー56上に記してもよい。
【0068】
第2照明モードキー57(第2操作スイッチ)は第2照明モードによる照明を行う。本実施形態では第2照明モードをうすいピンク色の照明色としているため、第2照明モードキー57上に「色2」と記される。第2照明モードをうすいピンク色以外の間の照明色にした場合など、場合に応じて他の名称を第2照明モードキー57上に記してもよい。
【0069】
上記構成の照明装置100において、リモートコントローラ50によって所望の照明モードが選択される。これにより、CPU11は白色LED素子6a、電球色LED素子6b、赤色LED素子6cが予め規定された強度で発光するようにPWM制御回路13に指示する。PWM制御回路13はCPU11の指示によりPWMパルスM1、M2、M3を出力させ、各照明モードに応じた照明色となるよう調色する。
【0070】
本実施形態によると、LED素子6の発光により、xy色度図上の点A(0.555,0.394)を通る等色温度線W1及び等偏差線V1と、点B(0.419,0.343)を通る等色温度線W2及び等偏差線V2とによって囲まれる第1領域S1内の照明色の照明光を出射する第1照明モードを備える。また、点Bを通る等色温度線W2及び等偏差線V2と、点C(0.418,0.390)を通る等偏差線V1と、点D(0.397,0.370)を通る等色温度線W3と、点Cと点Dとを結ぶ直線とによって囲まれる第2領域S2内の照明色の照明光を出射する第2照明モードを備える。尚、第1照明モード及び第2照明モードの照明光の光量の増加、減少の操作については、十字キー55の増光部55c及び減光部55dにより行うことができる。
【0071】
このため、第1照明モードによって睡眠効率を向上するとともに蓄積された疲労感を軽減することができる。また、第2照明モードによってユーザが行う作業の作業能率を向上することができる。
【0072】
また、一般的に蛍光灯は紫外線が漏洩する虞があり、白熱電球は赤外線を多く放射しているとされている。生体や室内設備などに対して、紫外線は化学的な悪影響を与え、赤外線は熱的な悪影響を与える可能性がある。しかし、紫外線や赤外線を殆ど含まないLED素子6の発光により照明するため、人体に対して悪影響の少ない照明装置100を提供することができる。
【0073】
また、昼光色、昼白色または白色の照明光を出射する寒色照明モードを備えたので、従来の照明色による照明を行うことができる。
【0074】
また、電球色または温白色の照明光を出射する暖色照明モードを備えたので、従来の照明色による照明を行うことができる。
【0075】
また、操作部52が第1照明モードを選択する第1照明モードキー56(第1操作スイッチ)と、第2照明モードを選択する第2照明モードキー57(第2操作スイッチ)と、寒色照明モードと暖色照明モードとの間の色に照明色を段階的に可変する十字キー55(可変スイッチ)とを有する。これにより、ユーザの嗜好に応じて寒色と暖色との間の所望の照明色に容易に可変することができる。また、ユーザの状態に応じて第1照明モード及び第2照明モードを容易に選択して睡眠効率や作業能率を向上することができる。
【0076】
また、第1照明モード及び第2照明モードに切り替えるスイッチを明示的に第1照明モードキー56及び第2照明モードキー57の2つのみとしている。そして、第1領域S1内及び第2領域S2内の各々について最も効果が大きく期待できる照明色をそれぞれ第1照明モードキー56及び第2照明モードキー57に初期値として設定(メモリ12の初期値としてあらかじめ登録)する。これにより、ユーザが容易かつ迅速に好適な第1照明モードまたは第2照明モードの照明色を選択することができる。
【0077】
また、第1照明モードキー56及び第2照明モードキー57について、各々の照明色により好適な明るさ(照明光の光量)を初期値として設定(メモリ12の初期値としてあらかじめ登録)してもよい。これにより、第1照明モードまたは第2照明モード利用時の明るさについてもユーザが容易かつ迅速に選択することができる。従って、ユーザの利便性をより向上するとともに照明色による効果をより好適に得ることができる。
【0078】
また、このようにキー操作を容易かつ迅速に行うことができることで、キー操作そのものによるわずらわしさ、ストレス感などを極力避けることができる。従って、第1照明モードにより期待される睡眠への効果や、第2照明モードにより期待される作業への効果を妨げることが無くなる。
【0079】
また、異なる色で発色する白色LED素子6a、電球色LED素子6b、赤色LED素子6cを有するので、第1照明モード、第2照明モード、寒色照モード及び暖色照明モードの各照明色の照明光を容易に出射させることができる。
【0080】
次に、
図7は第2実施形態の照明装置のリモートコントローラ50を示す正面図である。説明の便宜上、前述の
図6に示す第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。本実施形態の照明装置100はxy色度図上で連続する第1領域S1及び第2領域S2内で照明色を可変になっている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0081】
リモートコントローラ50には第1領域S1及び第2領域S2内の色に照明色を可変する可変キー58(第1可変スイッチ)が設けられる。可変キー58の操作により、第1領域S1の照明色から第2領域S2の照明色に段階的に可変して第1照明モード及び第2照明モードが行われる。尚、上記と同様に、可変キー58上に記される「色1」、「色2」を他の名称にしてもよい。
【0082】
また、上記と同様の十字キー55(第2可変スイッチ)の操作によって寒色照明モードの照明色と暖色照明モードの照明色との間で段階的に照明色が可変される。
【0083】
本実施形態によると、第1領域S1及び第2領域S2内で照明色を可変する可変キー58(第1可変スイッチ)を設けたので、ユーザの状態及び嗜好に応じて容易に第1照明モード及び第2照明モードの照明色を可変することができる。
【0084】
ここで、可変キー58による照明色の可変範囲が第1領域S1及び第2領域S2の範囲に限定されている。これにより、可変操作に伴う第1領域S1または第2領域S2に含まれる照明色の範囲から外れた照明色が選択されることを防止できる。このため、第1照明モードにより期待される睡眠への効果や、第2照明モードにより期待される作業への効果を得ることができる。尚、本実施形態のように第1領域S1と第2領域S2とが連続していない場合は、第1領域S1及び第2領域S2に限定した範囲内で両者間を飛び越えて段階的に照明色を変化させても同様の効果を得ることができる。
【0085】
次に、
図8は第3実施形態の照明装置のリモートコントローラ50を示す正面図である。説明の便宜上、前述の
図6に示す第1実施形態と同一の部分は同一の符号を付している。本実施形態の照明装置100は第1実施形態の寒色照明モード及び暖色照明モードが省かれ、第1照明モード及び第2照明モードのみを備えている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
【0086】
リモートコントローラ50には十字キー55(
図6参照)が省かれ、点灯キー53、消灯キー54、第1照明モードキー56及び第2照明モードキー57が設けられる。
【0087】
第1照明モードキー56(第1操作スイッチ)の操作によって第1照明モードによる照明が行われる。第2照明モードキー57(第2操作スイッチ)の操作によって第2照明モードによる照明が行われる。尚、上記と同様に、第1照明モードキー56上に記される「色1」や第2照明モードキー57上に記される「色2」を他の名称にしてもよい。
【0088】
本実施形態によると、照明色の異なる第1照明モード及び第2照明モードのみを備えるので、ユーザが簡単に第1照明モードの照明色や第2照明モードの照明色を選択することができる。
【0089】
また、第1照明モード及び第2照明モードに切り替えるスイッチを明示的に第1照明モードキー56及び第2照明モードキー57の2つのみとしている。そして、第1領域S1内及び第2領域S2内の各々について最も効果が大きく期待できる照明色をそれぞれ第1照明モードキー56及び第2照明モードキー57に初期値として設定(メモリ12の初期値としてあらかじめ登録)する。これにより、ユーザが容易かつ迅速に好適な第1照明モードまたは第2照明モードの照明色を選択することができる。
【0090】
また、第1照明モードキー56及び第2照明モードキー57について、各々の照明色により好適な明るさ(照明光の光量)を初期値として設定(メモリ12の初期値としてあらかじめ登録)してもよい。これにより、第1照明モードまたは第2照明モード利用時の明るさについてもユーザが容易かつ迅速に選択することができる。従って、ユーザの利便性をより向上するとともに照明色による効果をより好適に得ることができる。
【0091】
また、このようにキー操作を容易かつ迅速に行うことができることで、キー操作そのものによるわずらわしさ、ストレス感などを極力避けることができる。従って、第1照明モードにより期待される睡眠への効果や、第2照明モードにより期待される作業への効果を妨げることが無くなる。
【0092】
尚、第2実施形態と同様に、xy色度図上で連続する第1領域S1及び第2領域S2内で照明色を可変にし、第1領域S1及び第2領域S2内の色に照明色を可変する可変キー58(
図7参照)を設けてもよい。
【0093】
また、照明光の光量を可変的に増加・減少する可変キー(不図示)を設けてもよい。また、第1照明モードキー56及び第2照明モードキー57について、キーを押すごとに照明光の光量を段階的に変化(例えば光量1→光量2→光量3→光量1と循環的に変化)してもよい。また第1照明モードキー56及び第2照明モードキー57について、キーを押した時間に応じて照明光の光量を可変的に変化してもよい。この場合、新たにキーを設けることなく照明光の光量の増加・減少を行う機能をユーザに提供することができる。
【0094】
第1〜第3実施形態において、他の発光色のLED素子6によって第1照明モードや第2照明モードの照明色を調色してもよい。例えば、青色、緑色、赤色をそれぞれ発光する複数のLED素子を設けてもよい。また、第1領域S1の色を発光するLED素子と、第2領域S2の色を発光するLED素子とを設けてもよい。
【0095】
また、LED素子とLED素子の出射光を異なる波長に変換する蛍光体を設けてもよい。例えば、青色を発光する複数のLED素子と、各LED素子に対応して青色をそれぞれ電球色、赤色、黄色に変換する蛍光体とを設けてもよい。青色光と黄色光により白色光が形成され、上記と同様に、白色、電球色及び赤色の光により第1照明モードや第2照明モードの照明色を調光することができる。
【0096】
また、照明装置100によって居室内に取り付けられる照明器具を構成しているが、照明器具に取り付けられる電球等を構成する照明装置であってもよい。
【0097】
以下に本実施形態の照明色の照明光による評価を行うために照明色を可変した実施例及び比較例について説明する。
図9は
図5のxy色度図の拡大図を示している。以下の実施例1、2、・・の点を図中、p1、p2、・・で示し、比較例1、2、・・の点を図中、q1、q2、・・で示している。
【実施例1】
【0098】
実施例1の照明装置1は第1領域S1の点A(0.555,0.394)(
図9の点p1)の照明色の照明光を出射する。
【実施例2】
【0099】
実施例2の照明装置1は第1領域S1の等色温度線W1上の点(0.537,0.373)(
図9の点p2)の照明色の照明光を出射する。
【実施例3】
【0100】
実施例3の照明装置1は第1領域S1の点E(0.510,0.340)(
図9の点p3)の照明色の照明光を出射する。
【実施例4】
【0101】
実施例4の照明装置1は第1領域S1の等偏差線V1上の点(0.515,0.404)(
図9の点p3)の照明色の照明光を出射する。
【実施例5】
【0102】
実施例5の照明装置1は第1領域S1の内部の点J(0.499,0.382)(
図9の点p5)の照明色の照明光を出射する。
【実施例6】
【0103】
実施例6の照明装置1は第1領域S1の等偏差線V2上の点(0.473,0.347)(
図9の点p6)の照明色の照明光を出射する。
【実施例7】
【0104】
実施例7の照明装置1は第1領域S1の等偏差線V1上の点(0.471,0.404)(
図9の点p7)の照明色の照明光を出射する。
【実施例8】
【0105】
実施例8の照明装置1は第1領域S1の内部の点(0.462,0.390)(
図9の点p8)の照明色の照明光を出射する。
【実施例9】
【0106】
実施例9の照明装置1は第1領域S1の等偏差線V2上の点(0.436,0.347)(
図9の点p9)の照明色の照明光を出射する。
【実施例10】
【0107】
実施例10の照明装置1は第1領域S1と第2領域S2との境界の点F(0.453,0.401)(
図9の点p10)の照明色の照明光を出射する。
【実施例11】
【0108】
実施例11の照明装置1は第1領域S1と第2領域S2との境界の等色温度線W2上の点(0.446,0.388)(
図9の点p11)の照明色の照明光を出射する。
【実施例12】
【0109】
実施例12の照明装置1は第1領域S1と第2領域S2との境界の点B(0.419,0.343)(
図9の点p12)の照明色の照明光を出射する。
【実施例13】
【0110】
実施例13の照明装置1は第2領域S2の等偏差線V1上の点(0.433,0.394)(
図9の点p13)の照明色の照明光を出射する。
【実施例14】
【0111】
実施例14の照明装置1は第2領域S2の内部の点(0.422,0.373)(
図9の点p14)の照明色の照明光を出射する。
【実施例15】
【0112】
実施例15の照明装置1は第2領域S2の等偏差線V2上の点(0.406,0.339)(
図9の点p15)の照明色の照明光を出射する。
【実施例16】
【0113】
実施例16の照明装置1は第2領域S2の点C(0.418,0.390)(
図9の点p16)の照明色の照明光を出射する。
【実施例17】
【0114】
実施例17の照明装置1は第2領域S2の内部の点K(0.416,0.377)(
図9の点p17)の照明色の照明光を出射する。
【実施例18】
【0115】
実施例18の照明装置1は第2領域S2の等偏差線V2上の点(0.397,0.336)(
図9の点p18)の照明色の照明光を出射する。
【実施例19】
【0116】
実施例19の照明装置1は第2領域S2の点D(0.397,0.370)(
図9の点p19)の照明色の照明光を出射する。
【実施例20】
【0117】
実施例20の照明装置1は第2領域S2の点G(0.383,0.329)(
図9の点p20)の照明色の照明光を出射する。
【0118】
[比較例1]
また、各実施例と比較する比較例1の照明装置1は等偏差線V1よりも黒体輻射軌跡V0に近く、等色温度線W1よりも相関色温度が低い点(0.586,0.393)(
図9の点q1)の照明色の照明光を出射する。
【0119】
[比較例2]
比較例2の照明装置1は等色温度線W1よりも相関色温度が低い等偏差線V1上の点(0.579,0.384)(
図9の点q2)の照明色の照明光を出射する。
【0120】
[比較例3]
比較例3の照明装置1は実施例2の点に対して相関色温度が低い点(0.558,0.364)(
図9の点q3)の照明色の照明光を出射する。
【0121】
[比較例4]
比較例4の照明装置1は等色温度線W1よりも相関色温度が低い等偏差線V2上の点(0.528,0.332)(
図9の点q4)の照明色の照明光を出射する。
【0122】
[比較例5]
比較例5の照明装置1は等偏差線V2よりも黒体輻射軌跡V0から離れ、等色温度線W1よりも相関色温度が低い点(0.516,0.318)(
図9の点q5)の照明色の照明光を出射する。
【0123】
[比較例6]
比較例6の照明装置1は等偏差線V1よりも黒体輻射軌跡V0に近い等色温度線W1上の点(0.563,0.404)(
図9の点q6)の照明色の照明光を出射する。
【0124】
[比較例7]
比較例7の照明装置1は等偏差線V2よりも黒体輻射軌跡V0から離れた等色温度線W1上の点(0.498,0.326)(
図9の点q7)の照明色の照明光を出射する。
【0125】
[比較例8]
比較例8の照明装置1は実施例4の点よりも黒体輻射軌跡V0に近い点(0.552,0.414)(
図9の点q8)の照明色の照明光を出射する。
【0126】
[比較例9]
比較例9の照明装置1は実施例6の点よりも黒体輻射軌跡V0から離れた点(0.462,0.331)(
図9の点q9)の照明色の照明光を出射する。
【0127】
[比較例10]
比較例10の照明装置1は実施例7の点よりも黒体輻射軌跡V0に近い点(0.477,0.414)(
図9の点q10)の照明色の照明光を出射する。
【0128】
[比較例11]
比較例11の照明装置1は実施例9の点よりも黒体輻射軌跡V0から離れた点(0.429,0.336)(
図9の点q11)の照明色の照明光を出射する。
【0129】
[比較例12]
比較例12の照明装置1は等偏差線V1よりも黒体輻射軌跡V0に近い等色温度線W2上の点(0.457,0.410)(
図9の点q12)の照明色の照明光を出射する。
【0130】
[比較例13]
比較例13の照明装置1は等偏差線V2よりも黒体輻射軌跡V0から離れた等色温度線W2上の点(0.410,0.328)(
図9の点q13)の照明色の照明光を出射する。
【0131】
[比較例14]
比較例14の照明装置1は実施例13の点よりも黒体輻射軌跡V0に近い点(0.437,0.404)(
図9の点q14)の照明色の照明光を出射する。
【0132】
[比較例15]
比較例15の照明装置1は実施例15の点よりも黒体輻射軌跡V0から離れた点(0.398,0.324)(
図9の点q15)の照明色の照明光を出射する。
【0133】
[比較例16]
比較例16の照明装置1は点Cよりも黒体輻射軌跡V0に近い点(0.420,0.398)(
図9の点q16)の照明色の照明光を出射する。
【0134】
[比較例17]
比較例17の照明装置1は実施例18の点よりも黒体輻射軌跡V0から離れた点(0.392,0.325)(
図9の点q17)の照明色の照明光を出射する。
【0135】
[比較例18]
比較例18の照明装置1は等偏差線V1よりも黒体輻射軌跡V0に近い等色温度線W3上の点(0.405,0.391)(
図9の点q18)の照明色の照明光を出射する。
【0136】
[比較例19]
比較例19の照明装置1は等偏差線V1と等色温度線W3との交点(0.402,0.383)(
図9の点q19)の照明色の照明光を出射する。
【0137】
[比較例20]
比較例20の照明装置1は等偏差線V2よりも黒体輻射軌跡V0から離れた等色温度線W3上の点(0.379,0.319)(
図9の点q20)の照明色の照明光を出射する。
【0138】
[比較例21]
比較例21の照明装置1は等偏差線V1よりも黒体輻射軌跡V0に近く、等色温度線W3よりも相関色温度が高い点(0.395,0.385)(
図9の点q21)の照明色の照明光を出射する。
【0139】
[比較例22]
比較例22の照明装置1は等色温度線W3よりも相関色温度が高い等偏差線V1上の点(0.392,0.378)(
図9の点q22)の照明色の照明光を出射する。
【0140】
[比較例23]
比較例23の照明装置1は点Dよりも相関色温度が高い点(0.389,0.367)(
図9の点q23)の照明色の照明光を出射する。
【0141】
[比較例24]
比較例24の照明装置1は点Gよりも相関色温度が高い等偏差線V2上の点(0.375,0.325)(
図9の点q24)の照明色の照明光を出射する。
【0142】
[比較例25]
比較例25の照明装置1は等偏差線V2よりも黒体輻射軌跡V0から離れ、等色温度線W3よりも相関色温度が高い点(0.372,0.315)(
図9の点q25)の照明色の照明光を出射する。
【0143】
上記各実施例及び比較例に対して以下の実験を行った。第1の実験は健常人である20歳以上65歳以下の男性16名及び女性16名の計32名を被験者として選定し、眠気、不快感、寛ぎ感を評価した。詳しくは、被験者を2グループに分け、同じ部屋で照明色を可変して照明光を被験者に照射した後に評価を行った。そして、同様に昼白色を照射した場合と比較した。昼白色の相関色温度は約5000Kであり、色度座標は(0.345,0.342)である(
図9の点q0)。
【0144】
評価手法として感覚・感状の強度を評価する際に用いられるVAS(Visual Analogue Scale)を用いた。この評価手法は一端が最悪の感覚、他端が最良の感覚を表す一本の直線上に、被験者がその時感じた質問項目に関しての感覚・感情の強さに適応した点にしるしを付け、そのしるしの位置から一端までの長さを計測することで、主観的感覚を数値化して点数評価するものである。
【0145】
第2の実験は健常人である20歳以上65歳以下の男性16名及び女性16名の計32名を被験者として選定し、睡眠の質を評価した。詳しくは、1室ごとに被験者を待機させてすべての被験者の環境状態を同じとし、就寝前1時間から就寝時まで各照明色の照明光を35W相当(約45lx)で照射した後の睡眠状態を測定した。そして、同様に、昼白色を35W相当(約85lx)で照射した場合の睡眠状態と比較した。
【0146】
睡眠状態の測定にはパラマウントベッド株式会社製の睡眠測定システム「眠りSCAN(登録商標)」を用いた。睡眠測定システムをベッドの下に敷いて就寝中の各被験者の活動量を測定し、その活動量により各被験者の入眠潜時、睡眠効率及び総睡眠時間を算出した。
【0147】
第3の実験は健常人である20歳以上65歳以下の男性16名、女性16名の計32名を被験者として作業能率を評価した。詳しくは、1室ごとに被験者を待機させてすべての被験者の環境状態を同じとし、作業時間の30分間各照明色の照明光を照射した後の主観及び作業能率を評価した。尚、各照明色において85W相当(約500lx)及び100W相当(約600lx)の実験を行った。そして、各々に対し、昼白色を85W相当(約650lx)で照射した場合の評価と比較した。
【0148】
作業に関しての主観評価として、「意欲」の質問項目を設け、30分の作業後の主観を前述のVASにより評価した。作業負荷としては株式会社日本・精神技術研究所の「内田クレペリン検査(登録商標)」を用いた。検査内容は簡単な一桁の足し算を1分毎に行変えをしながら合計30分間行う計算作業負荷である。また、30分間の計算量の合計により作業能率を測定した。
【0149】
表1、表2は各実施例及び各比較例の第1〜第3の実験による結果を示している。結果の評価としては被験者全員の結果を統計学的に解析し、各照明色と昼白色との有意差検定を実施した。検定手法としてt検定を用い、有意水準を5%として「向上」または「劣化」と評価した。また、有意確率10%未満については差のある「向上傾向」または「劣化傾向」と評価した。
【0150】
【表1】
【0151】
【表2】
【0152】
第1の実験及び第2の実験の結果によると、第1領域S1の照明色の場合は昼白色に比して眠気や寛ぎ感が向上し、入眠潜時が向上する(短縮する)とともに睡眠効率及び睡眠時間が向上もしくは向上傾向となる。第1領域S1の範囲外の照明色の場合は昼白色に比して眠気、入眠潜時、睡眠効率及び睡眠時間が同等である。また、黒体輻射軌跡V0に対する偏差が大きくなると(比較例5、7、9、13、15)、昼白色に比して不快感が劣化傾向になった。また、黒体輻射軌跡V0に対する偏差が小さくなると(比較例6、8、12、14)、昼白色に比して寛ぎ感が向上傾向となるが、眠気や睡眠効率は同等である。
【0153】
従って、就寝前に第1領域S1の照明色による照明を行うことにより、就寝時の入眠潜時が短縮するとともに睡眠効率を向上することが期待できる。特に実施例5によると、入眠潜時、睡眠効率、睡眠時間に有意な向上が見られ、睡眠効率の向上が大いに期待できる。また、休憩時や団欒時に第1領域S1の照明色による照明を行うことにより、不快感がなく寛ぎをもたらすことができる。
【0154】
第3の実験の結果によると、第2領域S2の照明色の場合は85W相当、すなわち昼白色と光源からの光エネルギー出力が同等の場合では意欲や作業能率が昼白色と同等である。第2領域S2の照明色が100W相当、すなわち昼白色と机上の照度が同等の場合では意欲や作業能率が昼白色に比して向上もしくは向上傾向となる。
【0155】
第2領域S2の範囲外の照明色の場合は85W相当及び100W相当において意欲や作業能率が昼白色に比して向上しない。一般的に、作業時における照明条件の設定は、光源からの光エネルギー出力よりも机上照度の方を基準とされる(例えばJIS-Z-8516を参照)。これを考慮すると、作業時に第2領域S2の照明色による照明を行うことにより、作業に対する意欲を向上して作業能率を向上することが期待できる。
【0156】
特に実施例17によると作業能率に有意な向上が見られることから、作業能率を向上することが大いに期待できる。尚、意欲の主観については、疲労が高まるのに伴い意欲が低下することが一般的に知られている。このため、今回の実験における意欲の向上は作業負荷による交感神経系の昂進を抑制して作業時の疲労感が低減されたことによるものと考えられる。
【0157】
ここで、「Journal of the OPTICAL SOCIETY of AMERCA (Volume 32, NUMBER 5)」(1942年5月発行)掲載の、DAVID L. MACADAMによる論文「Visual Sensitivities to Color Differenced in Daylight」中において、視覚の等色実験から導き出された色度図上のある一点を選んだ時にその色と区別できない範囲が発表されている。この範囲は特定の中心色に対する識別変動の標準偏差をxy色度図に表わすと楕円となることが発表され、マクアダム楕円1−Stepとも呼ばれている。
【0158】
マクアダム楕円1−Stepに対して、工業的には、IEC(国際電機標準会議)の5−Stepや、ANSI(米国標準協会)の7−Stepが規格として「等色」として認められ、商品とすることが許されている。マクアダム楕円5−Stepはその楕円の短辺および長辺それぞれの長さが、マクアダム楕円1−Stepにおけるそれぞれに対して5倍となる関係を有している。
【0159】
尚、「IECの5−Step」のマクアダムについては、ウェブサイト(http://www.lrc.rpi.edu/programs/nlpip/lightinganswers/lightsources/whatisColorConsistency.asp)の中盤に、「The International Electrotechnical Commission(IEC) standard (IEC 2002) specifies six, 5-step MacAdam ellipses as color consistency criteria for double-capped fluorescent lamps.」とあり、国際電気標準会議(IEC)標準(IEC 2002)で認められていることが記載されている。
【0160】
また、「ANSIの7−Step」マクアダムについては、米国標準協会による「ANSI_NEMA_ANSLG C78.377-2008」(American National Standard for electric lamps-Specifications for the Chromaticity of Solid State Lighting Products)の14ページに表わされたSSL製品の仕様のグラフ図である
図A1で示されている。
【0161】
このため、第1領域S1の照明色を
図5の点J(0.499,0.382)(
図9の点p5)を中心とするマクアダム楕円5−stepで表される等色範囲S10(
図5参照)の属する色にしてもよい。また、点Jを中心とするマクアダム楕円1−stepで表される等色範囲の属する色にしてもよい。
【0162】
また、第2領域S2の照明色を
図5の点K(0.416,0.377)(
図9の点p17)を中心とするマクアダム楕円5−stepで表される等色範囲S20(
図5参照)の属する色にしてもよい。また、点Kを中心とするマクアダム楕円1−stepで表される等色範囲の属する色にしてもよい。