特許第6017807号(P6017807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017807
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】血圧関連情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
   A61B5/02 635A
   A61B5/02 635Z
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-60280(P2012-60280)
(22)【出願日】2012年3月16日
(65)【公開番号】特開2013-192609(P2013-192609A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2015年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100122286
【弁理士】
【氏名又は名称】仲倉 幸典
(72)【発明者】
【氏名】山田 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】山本 知愛
(72)【発明者】
【氏名】土屋 直樹
(72)【発明者】
【氏名】桑原 光巨
【審査官】 伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−198030(JP,A)
【文献】 特開2009−160105(JP,A)
【文献】 特開2004−261452(JP,A)
【文献】 特開2004−248793(JP,A)
【文献】 特開昭62−155830(JP,A)
【文献】 土井洋平 外1名,“正しい血圧測定と臨床評価”,臨牀と研究,大道学館出版部,2011年 2月,第88巻,第2号,p.144−149
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02 − 5/03
メディカルオンライン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する血圧関連情報表示装置であって、
上記被験者の或る期間にわたる日ごとの血圧データを取得する血圧データ取得部と、
上記血圧データが1日のうち最初に測定されたときから予め定められた時間後までの最初の一機会または1日のうち最後に測定されたときから遡って予め定められた時間前までの最後の一機会を特定し、特定された上記一機会の間に測定された血圧データ群を代表する代表値を上記血圧データ群から選択または算出する仕方を表す代表値取得モードを上記表示画面に一覧リストにして複数提示し、この複数の代表値取得モードからいずれか1つの上記代表値取得モードを設定するための代表値取得モード設定部と、
上記血圧データ取得部によって取得された上記血圧データ群から、上記代表値取得モード設定部によって設定された上記代表値取得モードに基づいて、上記期間にわたる日ごとの上記代表値を選択または算出する代表値取得部と、
上記表示画面上に、上記期間にわたる日ごとの上記代表値の全部または一部を表示する制御を行う表示制御部と
を備えることを特徴とする血圧関連情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の血圧関連情報表示装置において、
上記複数の代表値取得モードは、
上記代表値として上記特定された一機会の間に測定された血圧データ群のうち1回目に測定された血圧データを選択する第1の代表値取得モードと、
上記代表値として上記特定された一機会の間に測定された血圧データ群のうち2回目に測定された血圧データを選択する第2の代表値取得モードと、
上記代表値として上記特定された一機会の間に測定された血圧データ群のうち最小値を選択する第3の代表値取得モードと、
上記代表値として上記特定された一機会の間に測定された血圧データ群を平均した平均値を算出する第4の代表値取得モードと
を含むことを特徴とする血圧関連情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の血圧関連情報表示装置において、
上記期間のうち第1の期間についての日ごとの上記代表値を平均した第1の平均値を算出する第1の平均値算出部を備え、
上記表示制御部は、上記表示画面上に、上記第1の平均値を表示することを特徴とする血圧関連情報表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の血圧関連情報表示装置において、
上記期間のうち上記第1の期間とは異なる第2の期間についての日ごとの上記代表値を平均した第2の平均値を算出する第2の平均値算出部を備え、
上記表示制御部は、上記表示画面上に、上記第2の平均値を上記第1の平均値に並べて表示することを特徴とする血圧関連情報表示装置。
【請求項5】
被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
上記方法は、
上記被験者の或る期間にわたる日ごとの血圧データを取得する第1ステップと、
上記血圧データが1日のうち最初に測定されたときから一定時間後までの最初の一機会または1日のうち最後に測定されたときから遡って一定時間前までの最後の一機会を特定し、特定された上記一機会の間に測定された血圧データ群を代表する代表値を上記血圧データ群から選択または算出する仕方を表す代表値取得モードを上記表示画面に一覧リストにして複数提示し、この複数の代表値取得モードからいずれか1つの上記代表値取得モードを設定する第2ステップと、
上記第1ステップによって取得された上記血圧データ群から、上記第2ステップによって設定された上記代表値取得モードに基づいて、上記期間にわたる日ごとの上記代表値を選択または算出する第3ステップと、
上記表示画面上に、上記第3ステップによって選択または算出された上記代表値の全部または一部を表示する第4ステップと
を有することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する血圧関連情報表示装置に関する。
【0002】
また、この発明は、被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来、被験者の血圧に関連する情報を表示する装置としては、特許文献1(特開2004−261452号公報)に開示されているように、測定された血圧値と、測定時刻情報や測定条件を対応づけてメモリに格納し、朝時間帯と夕方時間帯などの特定の時間帯に複数回測定された血圧値を平均した平均値をそれぞれ算出し、その算出結果に基づいてリスク値を算出、表示する血圧計が知られている。
【0004】
また、生体情報を、通信や手入力によってパーソナルコンピュータに取り込み、被験者の健康管理をサポートするデータ記録プログラムも知られている。
【0005】
これらの方式(上記血圧計や上記プログラム等)によれば、血圧値等の生体情報に基づいて、被験者に対する健康指導が支援される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−261452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の方式では、上記特定の時間帯内で複数回測定された血圧値のうち例えば2回目に測定された血圧値のみを選択する、または最小値のみを選択するなど、算出の元になる血圧値を医師の流儀に合わせて選択するということができないという問題がある。
【0008】
そこで、この発明の課題は、被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する血圧関連情報表示装置であって、複数回測定された血圧データから算出の元になる血圧データを医師の流儀に合わせて容易に選択できるものを提供することにある。
【0009】
また、この発明の課題は、被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、複数回測定された血圧データから算出の元になる血圧データを医師の流儀に合わせて容易に選択できるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明の血圧関連情報表示装置は、
被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する血圧関連情報表示装置であって、
上記被験者の或る期間にわたる日ごとの血圧データを取得する血圧データ取得部と、
上記血圧データが1日のうち最初に測定されたときから予め定められた時間後までの最初の一機会または1日のうち最後に測定されたときから遡って予め定められた時間前までの最後の一機会を特定し、特定された上記一機会の間に測定された血圧データ群を代表する代表値を上記血圧データ群から選択または算出する仕方を表す代表値取得モードを上記表示画面に一覧リストにして複数提示し、この複数の代表値取得モードからいずれか1つの上記代表値取得モードを設定するための代表値取得モード設定部と、
上記血圧データ取得部によって取得された上記血圧データ群から、上記代表値取得モード設定部によって設定された上記代表値取得モードに基づいて、上記期間にわたる日ごとの上記代表値を選択または算出する代表値取得部と、
上記表示画面上に、上記期間にわたる日ごとの上記代表値の全部または一部を表示する制御を行う表示制御部と
を備えることを特徴とする。
【0011】
本明細書で、「血圧データ」とは、最高血圧である収縮期血圧(SBP(Systolic Blood Pressure))、最低血圧である拡張期血圧(DBP(Diastolic Blood Pressure))を含む血圧値、脈拍数および測定日数などを広く指す。
【0012】
また、「最初の一機会」および「最後の一機会」における「一機会」とは、血圧の測定を開始したときから予め定められた時間、例えば10分間という時間を指す。この時間は、被験者が正確を期するために血圧計によって複数回(例えば、2〜3回)血圧を測定するために費やす時間を想定したものである。なお、「一機会」における血圧の測定には、上記予め定められた時間内で自動的に複数回血圧を測定する態様を含む。具体的には、血圧の測定を開始したときから「予め定められた時間」内で、10分間よりも短い周期(例えば1分間間隔)で自動的に複数回(例えば3回)血圧を繰り返し測定する態様を含む。
【0013】
この発明の血圧関連情報表示装置では、まず、血圧データ取得部は、或る期間にわたって日ごとに測定された被験者(典型的には、患者を指す。以下同様。)の血圧データを取得する。代表値取得モード設定部は、上記最初の一機会または上記最後の一機会を特定し、特定された上記一機会の間に測定された血圧データ群を代表する代表値を上記血圧データ群から選択または算出する仕方を表す代表値取得モードを上記表示画面に一覧リストにして複数提示する。そして、例えば医師の選択に応じて、上記代表値取得モード設定部によって複数の上記代表値取得モードからいずれか1つの上記代表値取得モードが設定される。代表値取得部は、上記血圧データ取得部によって取得された上記血圧データ群から、上記代表値取得モード設定部によって設定された上記代表値取得モードに基づいて、上記期間にわたる日ごとの上記代表値を選択または算出する。表示制御部は、上記表示画面上に、上記期間にわたる日ごとの上記代表値の全部または一部を表示する制御を行う。
【0014】
このように動作する場合、この血圧関連情報表示装置によれば、上記医師は、上記表示画面に一覧リストにして提示された複数の上記代表値取得モードから自らの流儀に合う上記代表値取得モードを設定できる。その結果、上記医師は、自らの流儀に合わせて選択した血圧データの代表値を上記表示画面上に表示させることができる。
【0015】
一実施形態の血圧関連情報表示装置では、
上記複数の代表値取得モードは、
上記代表値として上記特定された一機会の間に測定された血圧データ群のうち1回目に測定された血圧データを選択する第1の代表値取得モードと、
上記代表値として上記特定された一機会の間に測定された血圧データ群のうち2回目に測定された血圧データを選択する第2の代表値取得モードと、
上記代表値として上記特定された一機会の間に測定された血圧データ群のうち最小値を選択する第3の代表値取得モードと、
上記代表値として上記特定された一機会の間に測定された血圧データ群を平均した平均値を算出する第4の代表値取得モードと
を含むことを特徴とする。
【0016】
この一実施形態の血圧関連情報表示装置では、上記医師は、上記第1から第4の代表値取得モードからいずれか1つの代表値取得モードを設定できる。したがって、上記医師は、複数回測定された血圧値から算出の元になる代表血圧値を自らの流儀に合わせてより容易に選択できる。
【0017】
一実施形態の血圧関連情報表示装置では、
上記期間のうち第1の期間についての日ごとの上記代表値を平均した第1の平均値を算出する第1の平均値算出部を備え、
上記表示制御部は、上記表示画面上に、上記第1の平均値を表示することを特徴とする。
【0018】
この一実施形態の血圧関連情報表示装置では、上記表示制御部は、上記表示画面上に、上記第1の平均値を表示する。したがって、上記医師は、上記表示画面上で上記第1の平均値を参照して、被験者の血圧状態を容易かつ確実に把握できる。
【0019】
一実施形態の血圧関連情報表示装置では、
上記期間のうち上記第1の期間とは異なる第2の期間についての日ごとの上記代表値を平均した第2の平均値を算出する第2の平均値算出部を備え、
上記表示制御部は、上記表示画面上に、上記第2の平均値を上記第1の平均値に並べて表示することを特徴とする。
【0020】
この一実施形態の血圧関連情報表示装置では、上記表示制御部は、上記表示画面上に、上記第2の平均値を上記第1の平均値に並べて表示する。したがって、上記医師は、上記表示画面上で上記第1の平均値と第2の平均値とを容易に比較できて、被験者の血圧状態をより容易かつ確実に把握できる。
【0021】
この発明のプログラムは、
被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
上記方法は、
上記被験者の或る期間にわたる日ごとの血圧データを取得する第1ステップと、
上記血圧データが1日のうち最初に測定されたときから一定時間後までの最初の一機会または1日のうち最後に測定されたときから遡って一定時間前までの最後の一機会を特定し、特定された上記一機会の間に測定された血圧データ群を代表する代表値を上記血圧データ群から選択または算出する仕方を表す代表値取得モードを上記表示画面に一覧リストにして複数提示し、この複数の代表値取得モードからいずれか1つの上記代表値取得モードを設定する第2ステップと、
上記第1ステップによって取得された上記血圧データ群から、上記第2ステップによって設定された上記代表値取得モードに基づいて、上記期間にわたる日ごとの上記代表値を選択または算出する第3ステップと、
上記表示画面上に、上記第3ステップによって選択または算出された上記代表値の全部または一部を表示する第4ステップと
を有することを特徴とする。
【0022】
この発明のプログラムによれば、次のように、被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する方法をコンピュータに実行させることができる。
すなわち、第1ステップでは、上記被験者の或る期間にわたる日ごとの血圧データを取得する。
第2ステップでは、上記最初の一機会または上記最後の一機会を特定し、特定された上記一機会の間に測定された血圧データ群を代表する代表値を上記血圧データ群から選択または算出する仕方を表す代表値取得モードを上記表示画面に一覧リストにして複数提示する。そして、例えば医師による入力に応じて、この複数の代表値取得モードからいずれか1つの上記代表値取得モードを設定する。
第3ステップでは、上記第1ステップによって取得された上記血圧データ群から、上記第2ステップによって設定された上記代表値取得モードに基づいて、上記期間にわたる日ごとの上記代表値を選択または算出する。
第4ステップでは、上記表示画面上に、上記第3ステップによって選択または算出された上記代表値の全部または一部を表示する。
【0023】
このような方法をコンピュータに実行させる場合、上記医師は、上記表示画面に一覧リストにして提示された複数の上記代表値取得モードから自らの流儀に合う上記代表値取得モードを設定できる。その結果、上記医師は、自らの流儀に合わせて選択した血圧データの代表値を上記表示画面上に表示させることができる。


【発明の効果】
【0024】
以上より明らかなように、この発明の血圧関連情報表示装置およびプログラムによれば、複数回測定された血圧値から算出の元になる血圧値を医師の流儀に合わせて容易に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の血圧関連情報表示装置をネットワーク上のシステムとして構成した一実施形態を示すブロック図である。
図2】上記システムに含まれた病院端末の構成を示すブロック図である。
図3】上記システムに含まれたサーバの構成を示すブロック図である。
図4】上記システムに含まれた血圧計の構成を示すブロック図である。
図5】上記サーバの概略的な動作フローを示す図である。
図6A】上記サーバに記憶された血圧データのうち、朝の2機会についてのデータ配列表を説明する図である。
図6B】上記サーバに記憶された血圧データのうち、晩の2機会についてのデータ配列表を説明する図である。
図7A】上記サーバに記憶された血圧データのうち、朝のm機会についてのデータ配列表を説明する図である。
図7B】上記サーバに記憶された血圧データのうち、晩のm機会についてのデータ配列表を説明する図である。
図8】上記病院端末の表示画面上に、代表値取得モードを設定するための代表値設定欄が表示された例を示す図である。
図9】上記病院端末の表示画面上に、今回の診察日から遡って約60日間にわたって朝および晩に測定された最高血圧値および最低血圧値の推移が画像として表示された例を示す図である。
図10】上記病院端末の表示画面上に、前回の診察期間における血圧データの平均と、今回の診察期間における血圧データの平均とが並べて画像として表示された例を示す図である。
図11】上記病院端末に上記サーバの機能を組み込んだときの、上記病院端末の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1は、この発明の血圧関連情報表示装置をネットワーク上の一実施形態のシステム(全体を符号100で示す。)として構成した例を示している。このシステム100は、表示画面としての表示部240を有する病院端末200と、サーバ300と、血圧計400とを含んでいる。病院端末200とサーバ300と血圧計400とは、ネットワーク900を介して互いに通信可能になっている。
【0028】
図2に示すように、病院端末200は、本体200Mと、この本体200Mに搭載された、制御部210と、メモリ220と、操作部230と、表示画面としての表示部240と、通信部290とを含む。この病院端末200は、市販のノート型パーソナルコンピュータからなり、後述の処理を行わせるようにアプリケーションソフトウェア(コンピュータプログラム)をインストールしたものであり、サーバ300にアクセスできるようになっている。
【0029】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)およびその補助回路を含み、病院端末200の各部を制御し、メモリ220に記憶されたプログラムおよびデータに従って後述の処理を実行する。すなわち、操作部230、および、通信部290から入力されたデータを処理し、処理したデータを、メモリ220に記憶させたり、表示部240で表示させたり、通信部290から出力させたりする。
【0030】
メモリ220は、制御部210でプログラムを実行するために必要な作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)と、制御部210で実行するための基本的なプログラムを記憶するためのROM(Read Only Memory)とを含む。また、メモリ220の記憶領域を補助するための補助記憶装置の記憶媒体として、半導体メモリ(メモリカード、SSD(Solid State Drive))などが用いられてもよい。
【0031】
操作部230は、この例では、キーボードおよびマウスで構成され、ユーザによる操作を示す操作信号を制御部310に入力する。また、操作部230は、キーボードおよびマウスに替えて、または、加えて、タッチパネルなどの他の操作デバイスで構成されるようにしてもよい。
【0032】
表示部240は、表示画面(例えば、LCD(Liquid Crystal Display)またはEL(Electroluminescence)ディスプレイなど)を含む。表示部240は、制御部210によって制御されて、所定の画像を表示画面に表示させる。
【0033】
通信部290は、制御部210からの情報をネットワーク900を介してサーバ300へ送信する。
【0034】
図3に示すように、サーバ300は、制御部310と、記憶部320と、操作部330と、表示部340と、ネットワーク通信部390とを含む。このサーバ300は、汎用のコンピュータ装置に、後述の処理を行わせるようにプログラム(ソフトウェア)をインストールしたものである。
【0035】
制御部310は、CPUおよびその補助回路を含み、サーバ300の各部を制御し、記憶部320に記憶されたプログラムおよびデータに従って所定の処理を実行し、操作部330、および、通信部390から入力されたデータを処理し、処理したデータを、記憶部320に記憶させたり、表示部340で表示させたり、通信部390から出力させたりする。
【0036】
記憶部320は、制御部310でプログラムを実行するために必要な作業領域として用いられるRAMと、制御部310で実行するための基本的なプログラムを記憶するためのROMとを含む。記憶部320には、多くのユーザから送られてきた血圧測定データを含むデータベース321が設けられている。また、記憶部320の記憶領域を補助するための補助記憶装置の記憶媒体として、磁気ディスク(HD(Hard Disk)、FD(Flexible Disk))、光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blu-ray Disc))、光磁気ディスク(MO(Magneto-Optical disk))、または、半導体メモリ(メモリカード、SSD)などが用いられてもよい。
【0037】
操作部330は、この例では、キーボードおよびマウスで構成され、ユーザによる操作を示す操作信号を制御部310に入力する。また、操作部330は、キーボードおよびマウスに替えて、または、加えて、タッチパネルなどの他の操作デバイスで構成されるようにしてもよい。
【0038】
表示部340は、表示画面(例えば、LCDまたはELディスプレイなど)を含む。表示部340は、制御部310によって制御されて、所定の映像をディスプレイに表示させる。
【0039】
ネットワーク通信部390は、制御部310からの情報をネットワーク900を介して他の装置(この例では病院端末200)へ送信するとともに、他の装置からネットワーク900を介して送信されてきた情報を受信して制御部310に受け渡す。
【0040】
図4に示すように、血圧計400は、ケーシング400Mと、このケーシング400Mに搭載された、制御部410と、メモリ420と、操作部430と、表示部440と、血圧データ取得部としての測定部450と、通信部490とを含む。
【0041】
操作部430は、操作ボタン・操作キーなどの操作デバイス(図示せず)が操作者によって操作されたことに応じて、操作された内容に応じた操作信号を制御部410に入力する。
【0042】
測定部450は、血圧を測定するためのカフ451と血圧測定部454とを含み、患者から最高血圧(SBP)、最低血圧(DBP)、脈拍数の測定値を取得する。
【0043】
メモリ420は、血圧計400を制御するためのプログラムのデータ、血圧計400の各種機能を設定するための設定データ、および、測定結果のデータなどを記憶する。また、メモリ420は、プログラムが実行されるときのワークメモリなどとして用いられる。
【0044】
制御部410は、CPUを含み、メモリ420に記憶された血圧計400を制御するためのプログラムに従って、操作部430からの操作信号に応じて、測定部450からの検知信号に基づいて、メモリ420、表示部440、および、通信部490を制御する。
【0045】
表示部440は、ディスプレイおよびインジケータ等を含み、制御部410からの制御信号に従って所定の情報を表示する。
【0046】
通信部490は、制御部410によって制御されて所定の情報を、ネットワーク900を介して外部の装置に送信したり、外部の装置からの情報を、ネットワーク900を介して受信して制御部410に受け渡したりする。このネットワーク900を介した通信は、無線、有線のいずれでもよい。この実施の形態において、ネットワーク900は、インターネットであるが、これに限定されず、病院内LAN(Local Area Network)のような他の種類のネットワークであってもよいし、USBケーブルなどを用いた1対1の通信であってもよい。
【0047】
このシステム100は、次のように用いられる。
【0048】
i) 被験者は、血圧計400を用いて、或る期間、すなわちN日間(Nは2以上の自然数)にわたって日ごとに毎日被験者自身の血圧を測定する。具体的には、被験者は、血圧の測定を開始したときから予め定められた時間(この例では10分間。以下、一機会という。)に血圧を3回測定し、これを朝、晩それぞれ2回ずつ行うものとする。つまり、被験者は、日ごとに朝、晩それぞれ二機会ずつ、合計して12回血圧を測定するものとする。
【0049】
血圧計400は、測定された血圧データをその測定日時とともにネットワーク900を介してサーバ300に送信する。
【0050】
ii) サーバ300は、サーバ300の動作状態で、血圧計400から上記血圧データを受信すると、受信した血圧データをその測定日時とともに記憶部320に記憶する。
【0051】
ここで、サーバ300の記憶部320に記憶される血圧データは、例えば図6A図6Bに示すようなデータ配列表で表される。図6A図6Bのデータ配列表では、それぞれ、表頭(上欄)は何日目の血圧データであるかを特定し、表側(左端欄)は何機会目の血圧データであるかを特定している(図7A図7Bでも同様)。
【0052】
図6Aは、朝に測定された血圧データの配列表を示している。例えば図6A中の「1M23」は、1日目の朝の2機会目M2に測定された血圧データのうち、3番目に測定された血圧データを表している。
【0053】
図6Bは、晩に測定された血圧データの配列表を示している。例えば図6B中の「3E21」は、3日目の晩の2機会目E2に測定された血圧データのうち、1番目に測定された血圧データを表している。
【0054】
なお、被験者は、朝、晩それぞれm機会(mは2以上の自然数)ずつ血圧を測定してもよい。この場合、サーバ300の記憶部320に記憶される血圧データは、朝については図7Aに示すようなデータ配列表で表される。また、晩については、図7Bに示すようなデータ配列表で表される。
【0055】
iii) 病院端末200の動作状態で、医師が病院端末200の操作部230を操作して、「血圧データ表示」を選択すると、病院端末200の制御部210は、代表値取得モードの設定を要求する。
【0056】
ここで、上記代表値取得モードは、1日のうち最初の上記一機会または最後の上記一機会を特定し、特定された上記一機会の間に測定された血圧データ群を代表する代表値を上記血圧データ群から選択または算出する仕方を意味する。この例では、上記代表値取得モードとして、例えば血圧データ群のうち1回目に測定された血圧データを選択する第1の代表値取得モード(以下「1回目取得モード」と呼ぶ。)がある。また、上記代表値取得モードとして、血圧データ群のうち2回目に測定された血圧データを選択する第2の代表値取得モード(以下「2回目取得モード」と呼ぶ。)、血圧データ群のうち最小値を選択する第3の代表値取得モード(以下「最小値取得モード」と呼ぶ。)、および血圧データ群を平均した平均値を算出する第4の代表値取得モード(以下「平均値取得モード」と呼ぶ。)がある。
【0057】
病院端末200の制御部210は、具体的には、図8に示すように、表示画面の一部51上に上記代表値取得モードを設定するためのドロップダウンリストからなる代表値設定欄41を画像として表示する。
【0058】
上記代表値設定欄41は、上から順に、設定部41bと、医師が設定部41bの逆三角形マーク42をマウスでクリックすると表示されるリスト部41aとを有している。
【0059】
上記リスト部41aには、上記代表値取得モードがリスト形式で全て一覧できるように、上から下へ順に1回目取得モードを表す「1回目」、2回目取得モードを表す「2回目」、最小値取得モードを表す「最小値」、平均値取得モードを表す「平均値」が表示される。
【0060】
また、上記リスト部41aは、複数種類の上記代表値取得モードのうち、いずれか1つの上記代表値取得モードを選んで設定できるようになっている。
【0061】
上記設定部41bには、リスト部41aから選ばれた代表値取得モード(この例では、「2回目」取得モードが上記リスト部41aで選ばれている。)が表示されている。
【0062】
上記代表値取得モードが選ばれると、病院端末200の制御部210は、サーバ300に対して血圧データの取得要求とともに選ばれた上記代表値取得モードと今回の診察日を示す日付データとを送信する。
【0063】
iv) サーバ300の制御部310は、図5のステップS101に示すように、サーバ300の動作状態で、ネットワーク900を介して病院端末200から、上記代表値取得モードと上記日付データとを含むデータが送られてくるのを待っている。制御部310は、ネットワーク900から通信部390を介して、病院端末200からの上記データを受信すると(ステップS101でYES)、代表値取得モード設定部として働いて、受信した上記データに基づいて上記代表値取得モードを設定する(ステップS102)。
【0064】
次に、制御部310は、代表値取得部として働いて、サーバ300の記憶部320に記憶されている上記血圧データ群から、設定された上記代表値取得モードに基づいて、上記期間にわたる日ごとの上記代表値を選択または算出する(ステップS103)。
【0065】
具体的には、上述の例では、制御部310は、1日のうち最初の上記一機会における2回目に測定された血圧データ(図6Aにおいて、1M12,2M12,…,nM12で表されている。)を代表値として選択する。また、制御部310は、1日のうち最後の上記一機会における2回目に測定された血圧データ(図6Bにおいて、1E22,2E22,…,nE22で表されている。)を代表値として選択する。ここで、上記代表値は、血圧値についての代表血圧値と、脈拍数についての代表脈拍数とを含む。
【0066】
また、制御部310は、朝、晩それぞれについて、前回の診察から今回の診察までの期間(第1の期間としての今回の診察期間)における日ごとの上記代表値と測定日数とを取得する。そして、制御部310は、第1の平均値算出部として働いて、取得した上記代表値と上記測定日数とに基づいて、今回の診察期間における上記代表値を平均した第1の平均値としての今回の診察の平均値を算出する。ここで、上記今回の診察の平均値は、血圧値についての平均血圧値と、脈拍数についての平均脈拍数とを含む。
【0067】
同様に、制御部310は、朝、晩それぞれについて、前々回の診察から前回の診察までの期間(第2の期間としての前回の診察期間)における日ごとの上記代表値と測定日数とを取得する。そして、制御部310は、第2の平均値算出部として働いて、取得した上記代表値と上記測定日数とに基づいて、前回の診察期間における上記代表値を平均した第2の平均値としての前回の診察の平均値を算出する。ここで、上記前回の診察の平均値は、血圧値についての平均血圧値と、脈拍数についての平均脈拍数とを含む。
【0068】
具体的には、上述の例では、今回の診察の平均血圧値(SBDとDBPとの組をSBP/DBPと表す。以下同様。)は、朝、晩ともに138/89mmHgである。一方、前回の診察の平均血圧値は、朝、晩ともに140/90mmHgである。
【0069】
また、上述の例では、今回の診察の平均脈拍数は、朝、晩ともに64bpmである。一方、前回の診察の平均脈拍数は、朝、晩ともに65bpmである。
【0070】
また、この例では、今回の診察期間の測定日数は、朝、晩ともに14日である。一方、前回の診察期間の測定日数は、朝、晩ともに12日である。
【0071】
次に、制御部310は、上記代表値や、今回の診察および前回の診察に関する血圧データの平均値等に基づいて、病院端末200の表示部240に表示されるべき画像データ(この画像データについては後述する。)を作成する(図5のステップS104)。
【0072】
次に、制御部310は、作成された画像データをデータベース321に記憶する。それとともに、通信部390からネットワーク900を介して、病院端末200へ送信する(ステップS105)。
【0073】
(v) 病院端末200は、上記画像データをネットワーク900から通信部290を介して受信して、メモリ220に記憶する。次に、病院端末200の制御部210は、表示制御部として働いて、メモリ220に記憶されている画像データを表示部240の表示画面に表示する。
【0074】
表示部240の表示画面の一部52に表示される画像は、例えば図9に示すものである。図9に示すように、被験者の代表血圧値の時間推移を示す血圧推移グラフ表示欄61を画像として表示する。
【0075】
上記血圧推移グラフ表示欄61には、今回の診察日(この例では12/15(12月15日))から遡って約60日間に対応する日ごとの被験者の上記代表血圧値が、横方向を時間(単位:日)、縦方向を血圧値(単位:mmHg)として折れ線グラフ62a,62b,63a,63bで表示されている。
【0076】
ここで、折れ線62aは、朝の上記代表血圧値についてのSBPを示し、折れ線62bは、晩の上記代表血圧値についてのSBPを示している。また、折れ線63aは、朝の上記代表血圧値についてのDBPを示し、折れ線63bは、晩の上記代表血圧値についてのDBPを示している。これにより、上記医師は、表示部240により、今回の診察日(12/15)から遡って約60日間における上記被験者の代表血圧値の時間推移を直感的に把握できる。
【0077】
また、上記血圧推移グラフ表示欄61は、横方向に一直線で延びる破線65,66を含んでいる。破線65は、SBPについて上記被験者もしくは担当医師が設定した目標値である140mmHgを示す一方、破線66は、DBPについて上記被験者もしくは担当医師が設定した目標値である90mmHgを示している。したがって、折れ線グラフ62a,62b,63a,63bをこの破線65,66と比較することで、上記医師は、上記被験者の血圧値が上記設定した目標値を達成できているか否かを一見して把握できる。
【0078】
また、表示部240の表示画面の一部53に表示される画像は、例えば図10に示すものである。図10に示すように、具体的には、平均血圧グラフ表示欄70を画像として表示する。
【0079】
上記平均血圧グラフ表示欄70は、上から順に、朝の平均血圧グラフ表示欄71と晩の平均血圧グラフ表示欄72とを有している。
【0080】
上記朝の平均血圧グラフ表示欄71には、縦方向を血圧値(単位:mmHg)として、今回の診察における朝の平均血圧値について、上がSBP、下がDBPとなるように示した浮動棒グラフ71bがSBPおよびDBPの値とともに表示されている。また、上記晩の平均血圧グラフ表示欄72には、縦方向を血圧値(単位:mmHg)として、今回の診察における晩の平均血圧値について、上がSBP、下がDBPとなるように示した浮動棒グラフ72bがSBPおよびDBPの値とともに表示されている。これにより、上記医師は、表示画面の一部53上で上記平均血圧値を参照して、被験者の血圧状態を容易かつ確実に把握できる。
【0081】
また、上記朝の平均血圧グラフ表示欄71には、前回の診察における朝の平均血圧値について、上がSBP、下がDBPとなるように示した浮動棒グラフ71aがSBPおよびDBPの値とともに表示されている。また、前回の診察における晩の平均血圧値について、上がSBP、下がDBPとなるように示した浮動棒グラフ72aがSBPおよびDBPの値とともに表示されている。上記浮動棒グラフ71a,72aは、浮動棒グラフ71b,72bの左側に並べて表示されている。これにより、上記医師は、上記表示画面上で上記今回の診察の平均血圧値と前回の診察の平均血圧値とを容易に比較できて、被験者の血圧状態をより容易かつ確実に把握できる。
【0082】
また、上記浮動棒グラフ71a,71b,72a,72bの下方には、それぞれ対応する平均脈拍数および測定日数が表示されている。
【0083】
このように動作する場合、このシステム100によれば、上記医師は、複数の上記代表値取得モードから自らの流儀に合う上記代表値取得モードを設定できる。その結果、上記医師は、自らの流儀に合わせて選択した血圧データの代表値を上記表示画面上に表示させることができる。
【0084】
なお、サーバ300の制御部310は、画像データを病院端末200へ送信する代わりに、画像作成のためのデータのみを送信し、病院端末200の制御部210が専ら画像を作成してもよい。
【0085】
また、この実施形態では、上記代表値取得モードとして「1回目取得モード」、「2回目取得モード」、「最小値取得モード」、「平均値取得モード」があったが、これに限られるものではない。例えば、朝の1機会目と2機会目とのそれぞれ最初に測定した血圧データを平均した平均値を算出するなど、医師の流儀に合わせて代表値取得モードの内容を設定できるようにしてもよい。
【0086】
また、この実施形態では、制御部310は、朝、晩それぞれについて、今回の診察期間や前回の診察期間における上記代表値の平均値を算出したが、これに限られるものではない。例えば、4回前の診察から3回前の診察までの期間(3回前の診察期間)や、初回の診察前から初回の診察までの期間(初回の診察期間)など、他の期間における上記代表値の平均値を算出してもよい。また、今回の診察から遡って5日間における上記代表値の平均値を算出してもよい。
【0087】
また、この実施形態では、被験者は、毎日被験者自身の血圧を測定したが、これに限られるものではない。例えば、上記期間の始めの方は2日に1度だけ血圧を測定し、次は平日だけ毎日血圧を測定するというように、徐々に測定する頻度を上げていってもよい。
【0088】
また、この実施形態では、被験者は、日ごとに朝、晩それぞれ2機会ずつ被験者自身の血圧を測定したが、これに限られるものではない。例えば、朝に3機会分の血圧を測定し、晩に1機会分の血圧を測定してもよい
【0089】
また、この実施形態では、被験者は、一機会に被験者自身の血圧を3回測定したが、これに限られるものではない。例えば、一機会につき血圧を1回または2回測定してもよいし、血圧を4回以上測定してもよい。また、例えば朝の一機会に血圧を2回測定して、晩の一機会に血圧を4回測定してもよい。
【0090】
また、この実施形態では、本発明の血圧関連情報表示装置を、病院端末200と、サーバ300と、血圧計400とを含むネットワーク上のシステム100として構成したが、これに限られるものではない。
【0091】
例えば、本発明の血圧関連情報表示装置を、血圧計400と病院端末200のみで構成してもよい。つまり、病院端末200の制御部210、メモリ220、操作部230、表示部240、通信部290が、それぞれそれらの機能に加えて、サーバ300の制御部310、記憶部320、操作部330、表示部340、ネットワーク通信部390の機能を果たすものとする。この場合、病院端末200のメモリ220には、制御部210に、次のような、被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する方法を実行させるプログラムをインストールする。これにより、本発明の血圧関連情報表示装置を小型かつコンパクトに構成することができる。
【0092】
その方法は、大別して、図11に示すように4つのステップを有する。
【0093】
図11の第1ステップS201では、血圧計400によって測定された被験者の血圧データを取得する。
【0094】
第2ステップS202では、上記最初の一機会または上記最後の一機会を特定し、特定された上記一機会の間に測定された血圧データ群を代表する代表値を上記血圧データ群から選択または算出する仕方を表す代表値取得モードを複数提示し、この複数の代表値取得モードからいずれか1つの上記代表値取得モードを設定する。この第2ステップS202は、図5中のステップS102に相当する。
【0095】
第3ステップS203では、上記第1ステップS201によって取得された上記血圧データ群から、上記第2ステップS202によって設定された上記代表値取得モードに基づいて、上記期間にわたる日ごとの上記代表値を選択または算出する。この第3ステップS203は、図5中のステップS103に相当する。
【0096】
第4ステップS204では、表示画面の一部51に、上記第3ステップによって選択された被験者の血圧についての代表値の時間推移を示す血圧推移グラフ表示欄61を表示する。
【0097】
このような方法をコンピュータに実行させる場合、上記医師は、複数の上記代表値取得モードから自らの流儀に合う上記代表値取得モードを設定できる。その結果、上記医師は、自らの流儀に合わせて選択した血圧データの代表値を上記表示画面上に表示させることができる。
【0098】
このプログラムは、アプリケーションソフトウェアとして、CD、DVD、フラッシュメモリなどの記録媒体に記録することができる。この記録媒体に記録されたアプリケーションソフトウェアを、病院端末、パーソナルコンピュータ、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンツ)、スマートフォンなどの実質的なコンピュータ装置にインストールすることによって、それらのコンピュータ装置に、被験者の血圧に関連する情報を表示画面に表示する方法を実行させることができる。
【0099】
なお、このような病院端末(サーバ300の機能を組み込んだもの)に、さらに血圧計400の測定部450を組み込むことにより、本発明の血圧関連情報表示装置を、実質的に病院端末のみで構成してもよい。
【0100】
また、これらの各タイプの病院端末(サーバ300の機能を組み込んだもの、さらに血圧計400の測定部450を組み込んだもの)に代えて、各タイプの病院端末と同じ構成要素と機能を有するスマートフォン又は携帯電話を用いて、本発明の血圧関連情報表示装置を構成してもよい。
【符号の説明】
【0101】
100 システム
200 病院端末
240 表示部
300 サーバ
400 血圧計
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11