(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記押し付け部は、前記パレットの搬送方向に対して側方の位置から前記パレットの上方に延びた当接部を有し、前記当接部を前記バスバーに接触させて側方下方向へ引き込むことによって、前記バスバーの前記端子部における前記2面を前記バスバー位置決め部における前記2つの壁面に突き当てる、請求項1に記載のバスバー取り付け装置。
前記位置決め工程において、前記パレットの搬送方向に対して側方の位置から前記パレットの上方に延びた当接部を、前記バスバーに接触させて側方下方向へ引き込むことによって、前記バスバーの前記端子部における前記2面を前記バスバー位置決め部における前記2つの壁面に突き当てる、請求項7に記載のバスバー取り付け方法。
前記供給工程において、前記バスバーは、前記パレットに設けた第1ピン部材が前記バスバーに設けた第1ピン穴に挿入される位置に供給されることによって、前記2面が前記バスバー位置決め部における前記2つの壁面に向かい合う、請求項7または8に記載のバスバー取り付け方法。
前記供給工程において、前記バスバーは、前記スペーサに設けた第2ピン部材が前記バスバーに設けた第2ピン穴に挿入される位置に供給されることによって、前記2面が前記バスバー位置決め部における前記2つの壁面に向かい合う、請求項10に記載のバスバー取り付け方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電極タブにバスバーを取り付ける際には、当該バスバーを電極タブに対して高精度に位置決めする必要がある。高精度に動作するロボット等の設備によって、バスバーの電極タブに対する位置を高精度に定めることができる。しかしながら、そのような高精度に動作するロボット等の設備を用いてバスバーを高精度に位置決めするためには、ロボット等の設備の動作速度を比較的低速にせざるを得ない。また、高精度に動作するロボット等の設備は、コストが比較的高い。このため、バスバーを電池に取り付ける作業の高速化および低コスト化が阻害され、ひいては、電池の製造の効率化を図ることが難しくなる。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、バスバーを電池に取り付ける作業の高速化および低コスト化を図りつつ、バスバーを電池に対して高精度に位置決めすることが可能なバスバー取り付け装置およびバスバー取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバスバー取り付け装置は、電極タブが導出された
一つの扁平型電池
に、前記電極タブに電気的に接続されるバスバーを取り付けるバスバー取り付け装置である。本発明のバスバー取り付け装置は、前記扁平型電池、および、端子部を備えると共に、隣接する2面が前記端子部に形成されている前記バスバーが載置されるパレットと、前記パレットに設けられ、前記
扁平型電池の前記パレットに対する位置を定める電池位置決め部と、前記パレットに設けられ、前記電極タブに電気的に接続されるバスバーの前記パレットに対する位置を定めるバスバー位置決め部であって、前記バスバー
の前記端子部における隣接する
前記2面が突き当てられる隣接する2つの壁面を備えるバスバー位置決め部と、を有する。バスバー取り付け装置はさらに、前記パレット上に前記バスバーを供給するバスバー供給部と、前記バスバー供給部によって供給された前記バスバーにおける隣接する前記2面を、前記パレットの前記バスバー位置決め部における隣接する
前記2つの壁面に突き当てる押し付け部と、を有している。そして、前記バスバーは、前記バスバー供給部によって、前記2面が前記バスバー位置決め部における前記2つの壁面に向かい合う位置まで供給され、前記押し付け部によって、前記2面が前記バスバー位置決め部における2つの前記壁面に突き当てられて前記
扁平型電池に対する位置が定められてなる。
【0007】
本発明のバスバー取り付け方法は、電極タブが導出された
一つの扁平型電池
に、端子部を備えると共に、前記電極タブに電気的に接続されるバスバーを取り付けるバスバー取り付け方法である。本発明のバスバー取り付け方法は、前記扁平型電池を、パレットに対する位置を定めた状態で前記パレットに載置する載置工程と、
前記端子部に形成された隣接する2面が、前記バスバーの前記パレットに対する位置を定める前記パレットに設けられたバスバー位置決め部における隣接する2つの壁面に向かい合う位置まで、前記バスバーを供給する供給工程と、を有する。さらに、供給された前記バスバー
の前記端子部における隣接する前記2面を、前記バスバー位置決め部における隣接する
前記2つの壁面に突き当てて、前記バスバーの前記
扁平型電池に対する位置を定める位置決め工程を有している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バスバーは、隣接する2面がバスバー位置決め部における2つの壁面に向かい合う位置まで供給され、隣接する2面がバスバー位置決め部における2つの壁面に突き当てられて電池に対する位置が定められる。バスバーを、隣接する2面がバスバー位置決め部における2つの壁面に向かい合う位置まで供給するときには、バスバーのパレットに対する位置決め精度が比較的低くてもよいため、バスバーを高速で供給することができ、バスバーを供給するロボット等の設備のコストの低減を図ることができる。さらに、バスバーの隣接する2面をバスバー位置決め部における2つの壁面に突き当てているので、バスバーの電池に対する位置を高精度に定めることができる。したがって、バスバーを電池に取り付ける作業の高速化および低コスト化を図りつつ、バスバーを電池に対して高精度に位置決めすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。
【0011】
図1および
図2を参照して、電池モジュール1は、ケース20の内部に、直列または並列に接続した複数(本実施形態では4つ)の扁平型電池10(10A〜10D)を含むセルユニット30と、電気絶縁性を備えた絶縁カバー34とを収納している。電池モジュール1は、単独で使用することが可能であるが、例えば、複数の電池モジュール1を更に直列化および/または並列化することによって、所望の電流、電圧、容量に対応した組電池を形成することができる。
【0012】
ケース20は、略矩形の箱形状をなすロアケース22と、蓋体をなすアッパーケース24とを有する。アッパーケース24の縁部は、カシメ加工によって、ロアケース22の周壁の縁部に巻き締められている。ロアケース22およびアッパーケース24は、比較的薄肉の鋼板またはアルミ板から形成している。ロアケース22およびアッパーケース24は貫通孔26を有する。貫通孔26は、隅部の4箇所に配置されており、電池モジュール1同士を複数積み重ねて組み電池として保持するための通しボルト(図示せず)を挿通するために使用される。符号31、32は、ロアケース22の前面の開口部から突出するように配置された出力端子である。
【0013】
セルユニット30は、複数の扁平型電池10が電気的に接続されて積層された積層体33、電池を支持するための複数のスペーサ40、90を有する。スペーサ40、90は、電気絶縁性の樹脂材料を用いることができる。スペーサ40は積層体33の前面側に配置され、スペーサ90は積層体33の背面側に配置される。
【0014】
扁平型電池10は、
図3に示すように、例えば、リチウムイオン二次電池であり、積層電極体50が外装部材11内に電解液とともに収納されている。扁平型電池10は、外装部材11から外部に導出される正極タブ14(電極タブ)および負極タブ15(電極タブ)を有する。
【0015】
積層電極体50は、正極51、負極52およびセパレータ53を順に積層して形成される。正極51は、例えば、LiMn
2O
4等のリチウム−遷移金属複合酸化物からなる正極活物質層を有する。負極52は、例えば、カーボンおよびリチウム−遷移金属複合酸化物からなる負極活物質層を有する。セパレータ53は、例えば、電解質を浸透し得る通気性を有するポーラス状のPE(ポリエチレン)から形成される。
【0016】
外装部材11は、軽量化および熱伝導性の観点から、アルミニウム、ステンレス、ニッケル、銅などの金属(合金を含む)をポリプロピレンフィルム等の絶縁体で被覆した高分子−金属複合ラミネートフィルムなどのシート材からなる。外装部材11は、積層電極体50を覆う本体部12と、本体部12の周縁に伸びる外周部13とを有しており、外周部13の一部または全部が、熱融着により接合されている。
【0017】
スペーサ40は、長手方向両端部に貫通孔41を有する。貫通孔41は、ロアケース22およびアッパーケース24の前面側の貫通孔26と位置合せされて、通しボルトを挿通するために使用される。また、スペーサ90は、長手方向両端部に貫通孔91を有する。貫通孔91は、ロアケース22およびアッパーケース24の背面側の貫通孔26と位置合せされて、通しボルトを挿通するために使用される。
【0018】
正極タブ14および負極タブ15は、積層電極体50から電流を引き出すための部材であり、扁平型電池10の一方側に延長している。
【0019】
図4に示すように、第1の扁平型電池10Aおよび第2の扁平型電池10Bの正極タブ14A、14Bは、外部出力正極端子31と電気的に接続されているバスバー60と超音波溶接等によって接合されている。一方、第1の扁平型電池10Aおよび第2の扁平型電池10Bの負極タブ15A、15Bは、第3の扁平型電池10Cおよび第4の扁平型電池10Dの正極タブ14C、14Dとともに、電圧検出用端子37と電気的に接続されているバスバー80と超音波溶接等によって接合されている。また、第3の扁平型電池10Cおよび第4の扁平型電池10Dの負極タブ15C、15Dは、外部出力負極端子32と電気的に接続されているバスバー70と超音波溶接等によって接合されている。
【0020】
このように扁平型電池10A〜10Dの各電極タブ14A〜14D、15A〜15Dが、バスバー60、70、80を介して、外部出力正極端子31、外部出力負極端子32、および電圧検出用端子37にそれぞれ接続されることにより、これら扁平型電池10A〜10Dは、
図5に示すように、2並列2直列の接続構成を形成している。
【0021】
電圧検出用端子37は、電池モジュール1を構成する扁平型電池10A〜10Dの電圧を検出するために用いられる端子である。具体的には、第1の扁平型電池10Aおよび第2の扁平型電池10Bの電圧については、外部出力正極端子31と電圧検出用端子37とを用い、これらの端子間の電圧を測定することにより、検出することができる。また、第3の扁平型電池10Cおよび第4の扁平型電池10Dの電圧については、外部出力負極端子32と電圧検出用端子37とを用い、これらの端子間の電圧を測定することにより、検出することができる。
【0022】
バスバー60、80は、
図4に示すように、第1の扁平型電池10Aに取り付けられているスペーサ40に固定され、バスバー70は、第3の扁平型電池10Cに取り付けられているスペーサ40に固定されている。
【0023】
バスバー70は、スペーサ40と接する設置部71、および外部出力負極端子32として機能する端子部72を備えている。バスバー70の設置部71には、後述するパレット110に形成される第1ピン部材114(
図8A、8B、9参照)が貫通する第1ピン穴74が形成されている。また、設置部71には、スペーサ40に形成される第2ピン部材42(
図12、14参照)が貫通する第2ピン穴73も形成されている。
【0024】
次に、本実施形態に係るバスバー取り付け装置100について説明する。
【0025】
バスバー取り付け装置100は、スペーサ40を取り付けられた扁平型電池10(以下、単に「電池10」ともいう)に対し、バスバー70を取り付けるための装置である。なお、ここでは3つのバスバー60、70、80の1つであるバスバー70を取り付ける際を例として説明する。バスバー70は、電極タブ14A〜14D、15A〜15Dのうち負極タブ15C、15Dに電気的に接続される。
【0026】
図6〜
図10を参照して、バスバー取り付け装置100は、概説すれば、負極タブ15Cが導出された電池10Cが載置されるパレット110と、パレット110に設けられ電池10Cのパレット110に対する位置を定めるスペーサ固定ピン111(電池位置決め部に相当する)と、パレット110に設けられ、負極タブ15Cに電気的に接続されるバスバー70のパレット110に対する位置を定めるバスバー位置決め部113と、パレット110上にバスバー70を供給するバスバー供給部120と、バスバー供給部120によって供給されたバスバー70をバスバー位置決め部113に突き当てる押し付け部130と、パレット110を保持して搬送する搬送部140と、を有する。バスバー位置決め部113は、バスバー70における隣接する2面が突き当てられる隣接する2つの壁面(第1側面116Aと第3側面116C、第2側面116Bと第3側面116C、第3側面116Cと底面117)を備える。押し付け部130は、バスバー70における隣接する2面を、バスバー位置決め部113における隣接する2つの壁面に突き当てている。このバスバー取り付け装置100においては、バスバー70は、バスバー供給部120によって、2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面に向かい合う位置まで供給され、押し付け部130によって、2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面に突き当てられて電池10Cに対する位置が定められている。図示する実施形態では、電池10Cは、電極タブに重ねて取り付けられたスペーサ40を備えている。スペーサ固定ピン111は、スペーサ40のパレット110に対する位置を定めることによって、電池10Cのパレット110に対する位置を定めている。バスバー供給部120は、パレット110上に載置された電池10Cのスペーサ40上にバスバー70を供給している。以下、詳述する。
【0027】
パレット110は、
図8A、9、11に示すように、スペーサ40、90の貫通孔41、91に挿通してスペーサ40、90を固定するスペーサ固定ピン111と、電池10Cの側端に接して保持する電池保持部112と、バスバー70を位置決めするためのバスバー位置決め部113とを備えている。パレット110は、バスバー70に形成される第1ピン穴74に挿入される第1ピン部材114を有している。スペーサ40は、バスバー70に形成される第2ピン穴73に挿入される第2ピン部材42を有している。バスバー位置決め部113は、バスバー70の端子部72が嵌合する嵌合部115を有している。嵌合部115に近接して第1ピン部材114が配置されている。
【0028】
嵌合部115は、パレット110の電池10Cを載置する面から立ち上がる略コ字状の側壁116と、側壁116に囲まれる底面117とを有している。側壁116の内側には、対向する第1側面116Aおよび第2側面116Bと、第1側面116Aおよび第2側面116Bの間に挟まれて位置する第3側面116Cとが形成される。第1〜第3側面116A〜116Cおよび底面117は、バスバー70の端子部72に接する壁面を構成する。そして、底面117と第3側面116Cとの間に、略90度で立ち上がる角部118が形成される。
【0029】
第1側面116Aおよび第2側面116Bは、
図8Aに示される平面で見て、嵌合部115の導入口116Dから第3側面116Cに向けて若干先細りとなるテーパ形状を有している。
図8Bには、バスバー位置決め部113のテーパ形状が誇張して示される。嵌合部115の導入口116Dにおける幅寸法はw1であり、第3側面116Cにおける幅寸法はw2(w1>w2)である。このように、バスバー位置決め部113は、パレット110の電池10Cを載置する面から立ち上がる略コ字状の側壁116を有し、この側壁116において開放された導入口116Dから当該導入口116Dに向かい合う側面(第3側面116C)に向けて先細りとなるテーパ形状を有している。このようなテーパ形状に形成することによって、バスバー70の端子部72を導入口116Dから嵌合部115内に導入しやすくなる。
【0030】
バスバー位置決め部113は、バスバー70における隣接する2面が突き当てられる隣接する2つの壁面を備える。バスバー70の端子部72における隣接する2面が、嵌合部115における隣接する第1側面116Aと第3側面116Cとの2つの壁面に突き当てられ、さらに、バスバー70の端子部72における隣接する他の2面が、嵌合部115における隣接する第2側面116Bと第3側面116Cとの2つの壁面に突き当てられることによって、バスバー70のパレットに対する幅方向位置(
図8A、
図8Bにおいて左右方向の位置)が定まり、バスバー70のパレット110に対する側方位置(
図8A、
図8Bにおいて上方向の位置)が定まる。バスバー70の端子部72における隣接する他の2面が、嵌合部115における隣接する第3側面116Cと底面117との2つの壁面に突き当てられることによって、バスバー70のパレットに対する高さ位置(
図9において上下方向の位置)が定まり、バスバー70のパレット110に対する側方位置(
図9において左方向の位置)が定まる。
【0031】
図10を参照して、バスバー供給部120は、例えばロボット等の設備から構成されている。ロボットハンド121が、トレー等に複数収納されて供給されるバスバー70を1つずつ取り出して、パレット110上に供給する。ロボットハンド121は、固定ハンド部122と、固定ハンド部122に対して接近離反移動可能な可動ハンド部123とを有し、固定ハンド部122と可動ハンド部123との間に端子部72を把持して、スペーサ40上にバスバー70を供給する。可動ハンド部123には、バスバー70の端子部72におけるナット穴75の部分を保持するクランプ124が設けられている。クランプ124は、ナット穴75に一部が嵌まり込む半球形状を有している。クランプ124がナット穴75に嵌まり込むことによって、ロボットハンド121は、バスバー70の端子部72を確実に把持して、バスバー70の姿勢を安定させて供給することができる。
【0032】
バスバー70は、バスバー供給部120によって、隣接する2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面(第1側面116Aと第3側面116C、第2側面116Bと第3側面116C、第3側面116Cと底面117)に向かい合う位置まで供給され、押し付け部130によって、隣接する2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面に突き当てられて電池10Cに対する位置が定められる。バスバー70を供給する機能と、バスバー70を電池10Cに対して位置決めする機能とを、別個の手段に発揮させるようにしたので、バスバー70を、隣接する2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面に向かい合う位置まで供給するときには、バスバー70のパレット110に対する位置決め精度が比較的低くてもよい。このため、バスバー70を高速で供給することができ、バスバー70を供給するロボット等の設備のコストの低減を図ることができる。
【0033】
バスバー70は、バスバー供給部120によって、第1ピン部材114が第1ピン穴74に挿入される位置に供給されることによって、端子部72における2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面(第1側面116Aと第3側面116C、第2側面116Bと第3側面116C、第3側面116Cと底面117)に向かい合う。
【0034】
また、バスバー70は、バスバー供給部120によって、第2ピン部材42が第2ピン穴73に挿入される位置に供給されることによって、端子部72における2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面(第1側面116Aと第3側面116C、第2側面116Bと第3側面116C、第3側面116Cと底面117)に向かい合う。
【0035】
第1ピン部材114の外周面と第1ピン穴74の内周面との間にはある程度の隙間が設けられ、第2ピン部材42の外周面と第2ピン穴73の内周面との間にはある程度の隙間が設けられている。第1ピン部材114と第1ピン穴74との嵌め合い、および第2ピン部材42と第2ピン穴73との嵌め合いは、バスバー70のパレット110に対する位置を定めるためのものではない。これらの嵌め合いは、押し付け部130によってバスバー70をバスバー位置決め部113に突き当てることが可能な程度に、換言すれば比較的ラフな状態で、バスバー70をパレット110上に載置するためのものである。
【0036】
押し付け部130は、パレット110の搬送方向Xに対して側方Yの位置からパレット110の上方に延びた当接部131を有し、当接部131をバスバー70に接触させて側方下方向へ引き込むことによって、バスバー70における2面をバスバー位置決め部113における2つの壁面に突き当てている。さらに詳しくは、押し付け部130は、バスバー70に接してバスバー70を押し付けるための当接部131と、当接部131を直線的に移動させるための駆動源を有する駆動部133とを備えている。当接部131は、下方に伸びる複数の爪部132を有しており、当該爪部132の下端部が、バスバー70に当接する。駆動部133の駆動源は、例えばシリンダーやモータ等であり、パレット110の搬送方向Xに対する側方Yに位置している。駆動部133は、鉛直方向Zと傾斜した駆動軸134を備え、当接部131をパレット110の上方から下方へ移動させることで、当接部131を側方Yへ移動させる。
【0037】
搬送部140は、
図6、7に示すように、略水平に延びるガイドレール141に沿って移動可能であって、パレット110を載置可能なパレット保持部142を有している。なお、搬送部140は、パレット110を搬送できるのであれば構成は限定されず、例えばコンベア等であってもよい。
【0038】
次に、本実施形態に係るバスバー取り付け装置100によりバスバー70を取り付ける方法を説明する。
【0039】
バスバー70の取り付けは、概説すれば、載置工程と、供給工程と、位置決め工程とを経て行われ、載置工程においては、負極タブ15Cが導出された電池10Cを、パレット110に対する位置を定めた状態でパレット110に載置する。供給工程においては、バスバー70における隣接する2面がバスバー位置決め部113における隣接する2つの壁面に向かい合う位置まで、バスバー70を供給する。そして、位置決め工程におい、供給されたバスバー70における隣接する2面を、バスバー位置決め部113における隣接する2つの壁面に突き当てて、バスバー70の電池10Cに対する位置を定めている。以下、詳述する。
【0040】
載置工程においては、電池10Cの負極タブ15Cに重ねて取り付けられたスペーサ40のパレット110に対する位置を定めることによって、電池10Cのパレット110に対する位置を定めている。
図13、14に示すように、パレット110のスペーサ固定ピン111をスペーサ40の貫通孔41に貫通させ、パレット110の電池保持部112を電池10Cに当接させて、スペーサ40を取り付けた電池10Cをパレット110上に固定する。
【0041】
次に、
図15、16に示すように、バスバー供給部120により、スペーサ40上にバスバー70を供給する。供給工程において、バスバー70は、パレット110に設けた第1ピン部材114がバスバー70に設けた第1ピン穴74に挿入される位置に供給されることによって、2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面に向かい合う。また、供給工程において、バスバー7は、スペーサ40に設けた第2ピン部材42がバスバー70に設けた第2ピン穴73に挿入される位置に供給されることによって、2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面に向かい合う。供給工程の後に行われる位置決め工程において、押し付け部130によってバスバー70をバスバー位置決め部113に突き当てることが可能な程度に、バスバー70がパレット110上に載置される。供給工程のときには、押し付け部130の当接部131は、パレット110上のスペーサ40および電池10Cよりも上方に位置している。
【0042】
そして、位置決め工程において、駆動部133(
図7参照)を作動させて、
図17、18に示すように、パレット110の搬送方向Xに対して側方Yの位置からパレット110の上方に延びた当接部131を、バスバー70に接触させて側方下方向へ引き込むことによって、バスバー70における2面をバスバー位置決め部113における2つの壁面に突き当てる(
図18の矢印を参照)。これにより、当接部131の爪部132によって押圧されたバスバー70は、隣接する底面117および第3側面116Cの両方に当接するように角部118へ向かって押し付けられ、パレット110に対して高精度に位置決めされる。そして、スペーサ40がパレット110に対して既に高精度に位置決めされているため、パレット110に対してバスバー70を高精度に位置決めすることで、バスバー70がスペーサ40に対しても高精度に位置決めされることになる。このとき、バスバー70は、電池10Cの負極タブ15Cと接している。
【0043】
この後、バスバー70を、電池10Cの負極タブ15Cに対して超音波溶接等によって接合する。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、バスバー70は、バスバー供給部120によって、2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面(第1側面116Aと第3側面116C、第2側面116Bと第3側面116C、第3側面116Cと底面117)に向かい合う位置まで供給され、押し付け部130によって、2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面に突き当てられて電池10Cに対する位置が定められている。バスバー70を供給する機能と、バスバー70を電池10Cに対して位置決めする機能とを、別個の手段に発揮させるようにしたので、バスバー70を、隣接する2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面に向かい合う位置まで供給するときには、バスバー70のパレット110に対する位置決め精度が比較的低くてもよい。このため、バスバー70を高速で供給することができ、バスバー70を供給するロボット等の設備のコストの低減を図ることができる。さらに、バスバー70の隣接する2面をバスバー位置決め部113における2つの壁面に突き当てているので、バスバー70の電池に対する位置を高精度に定めることができる。したがって、バスバー70を電池に取り付ける作業の高速化および低コスト化を図りつつ、バスバー70を電池10Cに対して高精度に位置決めすることができる。
【0045】
特に、トレー等に複数入れられて供給されるバスバー70を1つずつ高精度に取り出すことは、構造や制御が複雑となるが、バスバー70のパレット110上への供給時における高精度な位置決めが不要となることによって、バスバー供給部120を容易な構成として低コスト化を図りつつ、押し付け部130によって高精度な位置決めが可能である。
【0046】
押し付け部130は、パレット110の搬送方向Xに対して側方Yの位置からパレット110の上方に延びた当接部131を有し、当接部131をバスバー70に接触させて側方下方向へ引き込むことによって、バスバー70における2面をバスバー位置決め部113における2つの壁面に突き当てている。押し付け部130を側方Yに配置することで、パレット110の上方に空き空間が形成され、次に搬送される電池10Cやバスバー70をパレット110上に容易に供給することができる。パレット110の上方に押し付け部を設けた場合には、電池10Cやバスバー70をパレット110上に供給するための空間を確保するために、押し付け部の退避する距離を大きくする必要がある。これに対して、押し付け部130を側方Yに配置することによって、押し付け部130の退避する距離を小さくすることができ、押し付け部130の作動の高速化を通して、電池10Cの製造の高速化を図ることが可能となる。
【0047】
パレット110は、バスバー70に形成される第1ピン穴74に挿入される第1ピン部材114を有し、バスバー70は、バスバー供給部120によって、第1ピン部材114が第1ピン穴74に挿入される位置に供給されることによって、2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面に向かい合う。これによって、バスバー70をバスバー位置決め部113に突き当てることが可能な程度に、バスバー70を電池10C上にセットすることができる。
【0048】
電池は10、負極タブ15Cに重ねて取り付けられたスペーサ40を備え、スペーサ固定ピン111は、スペーサ40のパレット110に対する位置を定めることによって、電池10Cのパレット110に対する位置を定め、バスバー供給部120は、パレット110上に載置された電池10Cのスペーサ40上にバスバー70を供給している。スペーサ40を備える電池10Cであっても、バスバー70を電池10Cに対して高精度に位置決めすることができる。
【0049】
スペーサ40は、バスバー70に形成される第2ピン穴73に挿入される第2ピン部材42を有し、バスバー70は、バスバー供給部120によって、第2ピン部材42が第2ピン穴73に挿入される位置に供給されることによって、2面がバスバー位置決め部113における2つの壁面に向かい合う。これによって、バスバー70をバスバー位置決め部113に突き当てることが可能な程度に、バスバー70を電池10Cのスペーサ40上にセットすることができる。
【0050】
(改変例)
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜改変することができる。例えば、バスバー供給部120はロボット等の設備に限定されるものではなく、バスバー70を供給し得る限りにおいて構成は限定されない。また、スペーサ40を備える電池10Cを図示したが、スペーサ40を備えていない電池10Cにも本発明は適用可能である。
【0051】
当接部131の爪部132の数は、3つに限定されない。また、押し付け部130は、複数設けられてもよい。
【0052】
また、本実施形態では、バスバー位置決め部113における2つの壁面を利用してバスバー70を位置決めしているが、これに限定されず、底面117、第1側面116A、第2側面116Bおよび第3側面116Cのいずれか2つ以上の壁面を利用して位置決めすることができる。したがって、例えば3つの壁面を利用して位置決めすることもできる。
【0053】
また、側壁116は、略コ字状に形成されなくてもよい。例えば、
図19に示される改変例に係るバスバー位置決め部113にあっては、嵌合部115は、パレット110の電池10Cを載置する面から立ち上がる略L字状の側壁116と、側壁116に隣接する底面117とを有している。略L字状の側壁116にあっては、第1側面116Aが形成されずにこの部分が開放されており、第2側面116Bと、第3側面116Cとが形成される。第2、第3側面116B、116Cおよび底面117は、バスバー70の端子部72に接する壁面を構成する。そして、底面117と第3側面116Cとの間に、略90度で立ち上がる角部(
図9、16、18における「角部118」と同様)が形成されている。この改変例に係るバスバー位置決め部113は、バスバー70における隣接する2面が突き当てられる隣接する2つの壁面(第2側面116Bと第3側面116C、第3側面116Cと底面117)を備える。
【0054】
また、バスバー70以外のバスバー60、80に、本実施形態に係るバスバー取り付け装置および方法を適用してもよい。