(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された貯湯式給湯システムにおいては、貯湯タンクが湯切れ状態となったときに、ヒートポンプ又は補助熱源機を単独で作動させて給湯を行っている。そのため、ヒートポンプと補助熱源機を共に作動させて給湯を行う場合のヒートポンプの効率についての検討はなされていない。
【0006】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、ヒートポンプと補助熱源機を共に作動させて給湯を行う場合に、ヒートポンプの効率を高めることができる貯湯式給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、
下部に給水管が接続されると共に上部に給湯管が接続され、該給水管から供給される水が貯められる貯湯タンクと、
前記貯湯タンクの下部と上部を接続したタンク循環路と、前記貯湯タンクの下部に貯まった湯水を該タンク循環路を介して前記貯湯タンクの上部へと循環させるタンク循環ポンプと、該タンク循環ポンプの作動により循環該タンク循環路内を流通する湯水を加熱するヒートポンプとを有するヒートポンプユニットと、
前記給湯管の途中に設けられて、前記給湯管内を流通する湯水を加熱する補助熱源機と
を備えた貯湯式給湯システムに関する。
【0008】
そして、
前記給水管又は前記給湯管内の流水を検出する流水センサと、
前記貯湯タンクの湯切れを検知したときに、前記ヒートポンプユニットにより、前記貯湯タンクの下部の湯水を第1貯湯温度以上の第1沸かし上げ温度まで加熱して前記貯湯タンクの上部に戻す、第1沸かし上げ運転を実行する第1貯湯制御部と、
前記流水センサにより流水が検出されているときに、前記補助熱源機による加熱を行わずに前記給湯管から所定の目標給湯温度の湯を出湯する第1給湯運転、又は前記補助熱源機による加熱を行って前記給湯管から該目標給湯温度の湯を出湯する第2給湯運転を実行する給湯制御部と、
前記第2給湯運転が実行されているときに、前記第1貯湯制御部による前記第1沸かし上げ運転の実行を禁止して、前記ヒートポンプユニットにより、前記貯湯タンクの下部の湯水を前記第1沸かし上げ温度よりも低い第2沸かし上げ温度まで加熱して前記貯湯タンクの上部に戻す、第2沸かし上げ運転を実行する第2貯湯制御部とを備え
る(前提構成)。
【0009】
上記前提構成において、前記給湯制御部により前記第2給湯運転が実行されているときには、前記貯湯タンクから前記給湯管に供給される湯水の温度が前記目標給湯温度よりも低いために、前記補助熱源機が作動している状況になっている。そして、この場合に、前記第1貯湯制御部により前記第1沸かし上げ運転が実行されていると、前記ヒートポンプで前記貯湯タンク内の湯水を沸かし上げつつ、前記補助熱源機を作動させる状態となるが、前記ヒートポンプの効率は、沸かし上げ温度が高いほど低くなる。
【0010】
そこで、前記第2給湯運転が実行されているときには、前記第2貯湯制御部により、前記第1貯湯制御部による前記第1沸かし上げ運転の実行を禁止して、前記第2沸かし上げ運転を実行する。これにより、前記ヒートポンプによる沸かし上げ温度を前記第1沸かし上げ温度よりも低い前記第2沸かし上げ温度として、前記ヒートポンプの1次エネルギー効率を高めた状態で、前記第2給湯運転を実行することができる。
【0011】
また、
上記前提構成において、
前記第2貯湯制御部は、前記第2沸かし上げ運転を開始したときに、その後の前記第2給湯運転の実行の有無にかかわらず、前記貯湯タンク内の前記第2沸かし上げ温度よりも所定温度低い第2貯湯温度以上の湯水の量が、所定の貯湯確保量以上となるまでは、前記第1貯湯制御部による前記第1沸かし上げ運転の実行を禁止して、前記第2沸かし上げ運転を継続することを特徴とする(第
1発明)。
【0012】
第
1発明によれば、前記第2給湯運転が断続的に実行された場合に、前記第1沸かし上げ運転と前記第2沸かし上げ運転が頻繁に切り替わって、前記ヒートポンプの1次エネルギー効率が低下することを防止することができる。
【0013】
また、
上記前提構成において、
前記給湯管は、前記補助熱源機が設けられた箇所の下流側で浴槽に接続され、
所定の湯張り温度を前記目標給湯温度として、前記給湯制御部により前記第1給湯運転又は前記第2給湯運転を実行させることにより、前記浴槽に、前記湯張り温度の湯を所定の湯張り量分だけ供給する湯張り運転を実行する湯張り制御部と、
前記湯張り運転の開始を指示する湯張り指示部とを備え、
前記第2貯湯制御部は、前記湯張り指示部により前記湯張り運転の開始が指示されたときに、前記貯湯タンク内の湯水の蓄熱量が前記湯張り運転の実行に必要な熱量以上であるか否かを判断し、前記貯湯タンク内の湯水の蓄熱量が前記湯張り運転の実行に必要な熱量よりも少ないときには、前記第1貯湯制御部による前記第1沸かし上げ運転の実行を禁止して、前記第2沸かし上げ運転を開始することを特徴とする(第
2発明)。
【0014】
第
2発明によれば、前記第2貯湯制御部は、前記湯張り指示部の指示に応じて前記湯張り運転の開始が指示されたときに、前記貯湯タンク内の湯水の蓄熱量が前記湯張り運転の実行に必要な熱量よりも少ないか否かを判断する。そして、前記貯湯タンク内の湯水の蓄熱量が前期湯張り運転の実行に必要な熱量よりも少ないときには、前記第2貯湯制御部は、前記第1貯湯制御部による前記第1沸かし上げ運転の実行を禁止して、前記第2沸かし上げ運転を開始する。
【0015】
このように、前記貯湯タンク内に貯められている湯水の熱量のみでは、前記湯張り運転を実行することが不能であるときに、前記湯張り運転の開始時から前記第2沸かし上げ運転を開始することによって、前記ヒートポンプをより有効に作動させて1次エネルギー効率を高めつつ、前記湯張り運転を実行することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、
図1〜
図3を参照して説明する。
図1を参照して、本実施形態の貯湯式給湯システムは、貯湯ユニット10、ヒートポンプユニット50、ガス熱源ユニット80、及び、貯湯式給湯システムの全体的な作動を制御するコントローラ120を備えて構成されている。
【0018】
なお、
図1では、貯湯式給湯システムのコントローラとして一つのコントローラ120を示したが、貯湯ユニット10のコントローラと、ヒートポンプユニット50のコントローラと、ガス熱源ユニット80のコントローラを個別に備え、各コントローラ間の通信によって、貯湯式給湯システムの全体的な作動を制御する構成としてもよい。
【0019】
貯湯ユニット10は、貯湯タンク11、給水管12、給湯管13等を備えている。貯湯タンク11は内部に湯水を保温して貯め、高さ方向に略等間隔でタンク温度センサ14〜17が設けられている。貯湯タンク11の底部には、作業者の手動操作により開弁される排水弁18が設けられている。
【0020】
給水管12は、一端が給水口30を介して図示しない水道に接続され、他端が貯湯タンク11の下部に接続されて、貯湯タンク11内の下部に水を供給する。給水管12には、貯湯タンク11の内圧が過大になることを防止するための減圧弁19と、貯湯タンク11から給水管12への湯水の流出を阻止するための逆止弁20が設けられている。
【0021】
給水管12は、タンク混合弁21を介して給湯管13に連通しており、タンク混合弁21により、貯湯タンク11から給湯管13に供給される湯と給水管12から給湯管に供給される水との混合比が変更される。給水管12には、給水管12に供給される水の温度を検出する給水温度センサ22と、給水管12を流通する水の流量を検出する水流量センサ23と、給湯管13から給水管12への湯水の流出を阻止するための逆止弁24とが設けられている。
【0022】
給湯管13は、一端が給湯口31に接続され、他端が貯湯タンク11の上部に接続されている。貯湯タンク11の上部に貯められた湯水は、給湯口31を介して図示しない給湯栓(台所、洗面所、浴室のカランやシャワー等)に供給される。給湯管13には、給湯管13から貯湯タンク11への湯水の流入を阻止する逆止弁25と、給湯管13内の湯水の温度を検出する湯温度センサ26と、給湯管13を流通する湯水の流量を検出する湯流量センサ27とが設けられている。
【0023】
給湯管13は、給水管12の分岐管との接続部よりも下流側で、ガス熱源ユニット80と接続されるバイパス管33(バイパス往管33a,バイパス戻管33b)に分岐する。給湯管13のバイパス往管33aとの接続部とタンク混合弁21の間には、湯温度センサ28が設けられ、給湯管13のバイパス戻管33bとの接続部と給湯口31の間に、混合湯温度センサ32が設けられている。
【0024】
また、給湯管13のバイパス往管33aとの接続部とバイパス戻管33bとの接続部の間に、バイパス往管33aに供給される湯水の流量を調整するためのバイパス制御弁29が設けられている。
【0025】
貯湯ユニット10に備えられた各センサの検出信号は、コントローラ120に入力される。また、コントローラ120から出力される制御信号によって、タンク混合弁21とバイパス制御弁29の作動が制御される。
【0026】
次に、ヒートポンプユニット50は、貯湯タンク11内の湯水をタンク循環路41を介して循環させて加熱するものであり、屋外に設置されている。ヒートポンプユニット50は、ヒートポンプ循環路52により接続された蒸発器53、圧縮機54、ヒートポンプ熱交換器55(凝縮機)、及び膨張弁56により構成されたヒートポンプ51を有している。
【0027】
蒸発器53は、ファン60の回転により供給される空気(外気)とヒートポンプ循環路52内を流通する熱媒体(ハイドロフルオロカーボン(HFC)等の代替フロン、二酸化炭素等)との間で熱交換を行う。圧縮機54は、蒸発器53から吐出された熱媒体を圧縮して高圧・高温とし、ヒートポンプ熱交換器55に送出する。膨張弁56は、圧縮機54で加圧された熱媒体の圧力を開放する。
【0028】
除霜弁61は膨張弁56をバイパスして設けられており、圧縮機54から送出される熱媒体により蒸発器53を除霜する。ヒートポンプ循環路52の膨張弁56の上流側及び下流側、圧縮機54の上流側及び下流側には、ヒートポンプ循環路52内を流通する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサ62,63,64,65が、それぞれ設けられている。また、蒸発器53には、蒸発器53に吸入される空気の温度を検出する周囲温度センサ67が設けられている。
【0029】
ヒートポンプ熱交換器55はタンク循環路41と接続され、圧縮機54により高圧・高温とされた熱媒体と、タンク循環路41内を流通する湯水との熱交換により、タンク循環路41内を流通する湯水を加熱する。タンク循環路41には、貯湯タンク11内の湯水をタンク循環路41を介して循環させるためのタンク循環ポンプ66が設けられている。
【0030】
貯湯タンク11内の下部に貯まった湯水は、タンク循環ポンプ66によりタンク循環路41に導かれ、ヒートポンプ熱交換器55で目標沸かし上げ温度まで加熱されて貯湯タンク11の上部に戻される。これにより、目標沸かし上げ温度の湯水が、貯湯タンク11の上部から順次積層して貯められる。
【0031】
なお、タンク循環路41のヒートポンプ熱交換器55の上流側及び下流側には、タンク循環路41内を流通する湯水の温度を検出する湯温度センサ68,69が設けられている。また、ヒートポンプ熱交換器55には、その内部の雰囲気温度を検出する雰囲気温度センサ57が設けられている。
【0032】
ヒートポンプユニット50に備えられた各センサの検出信号は、コントローラ120に入力される。また、コントローラ120から出力される制御信号によって、圧縮機54、タンク循環ポンプ66、及びファン60の作動が制御される。
【0033】
次に、ガス熱源ユニット80は、バイパス管33に供給される湯水と、浴槽101に接続された風呂循環路102内を流通する温水を加熱するものであり、給湯バーナ81、給湯熱交換器82、追焚きバーナ83、追焚き熱交換器84、給水管85、給湯管86等を備えている。なお、給水管85及び給湯管86と給湯熱交換器82の通水路は、貯湯タンク11に接続された本発明の給湯管を構成する。
【0034】
給湯バーナ81及び追焚きバーナ83には、図示しないガス供給管から燃料ガスが供給されると共に、図示しない燃焼ファンにより燃焼用空気が供給される。コントローラ120は、給湯バーナ81及び追焚きバーナ83に供給する燃料ガスと燃焼用空気の流量を調節して、給湯バーナ81及び追焚きバーナ83の燃焼量を制御する。
【0035】
給湯熱交換器82は、給水管85及び給湯管86に連通しており、給湯バーナ81の燃焼熱によって、給水管85から供給される水を加熱して給湯管86に出湯する。給水管85は、一端が貯湯ユニット10のバイパス往管33aに接続され、バイパス往管33aを介して湯水が供給される。給湯管86は、一端が貯湯ユニット10のバイパス戻管33bに接続されており、バイパス戻管33bを介して給湯口31から湯を供給する。
【0036】
給水管85には、上流側から順に、止水弁93と水量センサ88(本発明の流水センサに相当する)が設けられている。給水管85と給湯管86は、バイパス管89により連通しており、バイパス管89にはバイパス管89の開度を調節するための水量調節弁90が設けられている。給湯管86の給湯熱交換器82の下流側、及びバイパス管89との接続部分の下流側には、給湯管86内を流通する湯の温度を検出する給湯温度センサ91,92が、それぞれ設けられている。
【0037】
この構成により、貯湯タンク11内に湯が無いとき(湯切れ状態)に、バイパス往管33aを介して給水管85に供給される水が給湯熱交換器82により加熱されて湯となり、バイパス管89からの水と混合されて、給湯管86及びバイパス戻管33bを介して給湯口31から供給されるようになっている。
【0038】
なお、給水管85及び給湯管86に接続された給湯熱交換器82と、給湯熱交換器82を加熱する給湯バーナ81とを備えて、給水管85から給湯熱交換器82を介して給湯管86に流通する湯水を加熱する構成が、本発明の補助熱源機に相当し、
図1では給湯器87として示している。給湯器87は、給水管85及び給湯管86と給湯熱交換器82の通水路を含む本発明の給湯路の途中に設けられている。
【0039】
また、給湯管86は、湯張り管100により、浴槽101に接続された風呂循環路102に連通している。湯張り管100には、湯張り管100を開閉する湯張り弁103と、湯張り管100を流通する湯の流量を検出する湯張り流量センサ104とが設けられている。
【0040】
コントローラ120は、湯張り弁103を開弁することにより、給湯管86から湯張り管100及び風呂循環路102を介して浴槽101に湯を供給し、湯張り流量センサ104の検出流量により浴槽101への給湯量を積算して、浴槽101に目標湯張り量の湯を供給する「湯張り運転」を実行する。
【0041】
風呂循環路102は、浴槽101と追焚き熱交換器84を接続した風呂往管102a及び風呂戻管102bを含む。風呂戻管102bには、浴槽101内の湯水を風呂循環路102を介して循環させる風呂循環ポンプ105と、風呂循環路102内の水流を検出する水流スイッチ108と、風呂戻管102b内を流通する湯水の温度を検出する風呂戻り温度センサ107とが設けられている。また、風呂往管102aには、風呂往管102a内を流通する湯水の温度を検出する風呂往き温度センサ106が設けられている。
【0042】
コントローラ120は、風呂循環ポンプ105を作動させて、浴槽101内の湯水を風呂循環路102を介して循環させた状態で、追焚きバーナ83を燃焼させることにより、浴槽101内の湯水を加熱する「追焚き運転」を実行する。
【0043】
ガス熱源ユニット80に備えられた各センサ及び水流スイッチ108の検出信号はコントローラ120に入力される。また、コントローラ120から出力される制御信号によって、給湯バーナ81、追焚きバーナ83、水量調節弁90、止水弁93、湯張り弁103、及び、風呂循環ポンプ105の作動が制御される。
【0044】
コントローラ120は、図示しないCPU,メモリ等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持された貯湯式給湯システムの制御用プログラムを、CPUで実行することによって、第1貯湯制御部121、第2貯湯制御部122、給湯制御部123、湯張り制御部124、及び、追焚き制御部125として機能する。
【0045】
コントローラ120は、通信ケーブル130によりリモコン140と接続されている。リモコン140は、貯湯式給湯システムの運転状況や運転条件の設定等を表示するための表示器141と、各種スイッチが設けられたスイッチ部142とを備えている。
【0046】
貯湯式給湯システムの使用者は、リモコン140を操作することによって、貯湯タンク11内の湯水の沸かし上げ温度(本発明の第1沸かし上げ温度に相当する)の指示、給湯口31からの給湯温度(目標給湯温度)の設定、浴槽101への給湯温度(目標湯張り温度)の設定、「湯張り運転」の実行指示、「追焚き運転」の実行指示等を行うことができる。なお、スイッチ部142に設けられて、「湯張り運転」の実行を指示するための湯張りスイッチが、本発明の湯張り指示部に相当する。
【0047】
第1貯湯制御部121は、タンク温度センサ14〜17の検出温度によって貯湯タンク11の湯切れを検知し、湯切れが生じたときに、ヒートポンプユニット50を作動させて貯湯タンク11内の湯水を目標沸かし上げ温度まで加熱する。例えば、リモコン140により目標沸かし上げ温度が45℃に設定されているときは、貯湯タンク11の上部のタンク温度センサ17の検出温度が40℃(目標沸かし上げ温度−5℃、本発明の第1貯湯温度に相当する)以下になったときに、第1貯湯制御部121は、貯湯タンク11の湯切れが生じていると判断する。
【0048】
なお、貯湯タンク11の湯切れの検知を、(1)ガス熱源ユニット80の給湯器87が作動したこと、(2)貯湯タンク11のタンク温度センサ14〜17の検出温度が目標給湯温度よりも低くなったこと、(3)湯温度センサ26による貯湯タンク11からの湯水の検出温度が設定温度よりも低くなったこと、等を判断することによって行ってもよい。
【0049】
なお、貯湯タンク11の上部からタンク温度センサ17の取付位置までの湯水の量が、本発明の下限貯湯量に相当する。また、貯湯タンク11の上部のタンク温度センサ17の検出温度が40℃(第1貯湯温度)以下になったときは、貯湯タンク11内の第1貯湯温度以下の湯水の残量が下限貯湯量以下になっている。
【0050】
そして、第1貯湯制御部121は、貯湯タンク11の湯切れが生じているときに、ヒートポンプユニット50を作動させて、貯湯タンク11の下部の水をヒートポンプ熱交換器55で45℃まで加熱し、貯湯タンク11の上部に戻すことにより、貯湯タンク11の上部から目標沸かし上げ温度(第1沸かし上げ温度)の湯水を積層させる「第1沸かし上げ運転」を実行する。
【0051】
第1貯湯制御部121は、「第1沸かし上げ運転」の実行中に、タンク温度センサ14〜17の検出温度によって、貯湯タンク11内の目標沸かし上げ温度の湯の積層状況を検知し、貯湯タンク11内に目標沸かし上げ温度の湯水が満たされたときに、「第1沸かし上げ運転」を終了する。
【0052】
第2貯湯制御部122は、後述する場合に、第1貯湯制御部121による「第1沸かし上げ運転」の実行を禁止し、ヒートポンプユニット50を作動させて、貯湯タンク11の下部の水をヒートポンプ熱交換器55で、目標沸かし上げ温度よりも低い温度(本発明の第2沸かし上げ温度に相当する)まで加熱して貯湯タンク11の上部に戻す「第2沸かし上げ運転」を実行する。
【0053】
給湯制御部123は、給湯口31を介して接続された給湯栓(図示しない)が開栓されて、給水管85内に所定の最低流量以上の湯水が流れていることが水量センサ88により検出されているとき(給水管85内の流水が検出されているとき)に、給湯口31から目標給湯温度(リモコン140により設定された給湯温度)の湯を供給する「給湯運転」を実行する。
【0054】
給湯制御部123は、貯湯タンク11に貯められた湯水の温度が目標給湯温度以上であるときは、タンク混合弁21の作動等により、給湯器87を作動させずに目標給湯温度の湯を給湯口31から出湯する第1給湯運転を実行する。また、貯湯タンク11に貯められた湯水の温度が目標給湯温度よりも低いときには、給湯器87を作動させて目標給湯温度の湯を給湯口31から出湯する第2給湯運転を実行する。
【0055】
追焚き制御部125は、リモコン140のスイッチ部142に設けられた追焚きスイッチが操作されたときに、上述した「追焚き運転」を実行して浴槽101内の湯水を加熱する。
【0056】
湯張り制御部124は、リモコン140のスイッチ部142に設けられた湯張りスイッチが操作されたときに、上述した「湯張り運転」を行なって浴槽101に、目標湯張り温度の湯を目標湯張り量だけ供給する。「湯張り運転」において、給湯制御部123は、目標湯張り温度を目標給湯温度として設定して「給湯運転」を行なう。
【0057】
次に、
図2に示したフローチャートに従って、コントローラ120による「湯張り運転」及び「第2給湯運転」実行時の「第1沸かし上げ運転」と「第2沸かし上げ運転」の実行処理について説明する。
【0058】
コントローラ120は、STEP1で、リモコン140のスイッチ部142に設けられた湯張りスイッチが操作されたか否かを判断する。そして、湯張りスイッチが操作されたたときはSTEP2に進み、湯張りスイッチが操作されなかったときにはSTEP10に分岐する。ここで、湯張りスイッチが操作されたときは、湯張り制御部124により「湯張り運転」が開始される。
【0059】
STEP2〜STEP6は第2貯湯制御部122による処理である。第2貯湯制御部122は、STEP2で、貯湯タンク11に貯められた湯水の蓄熱量が、目標湯張り温度による湯張りに必要な熱量よりも少ないか否かを判断する。
【0060】
そして、貯湯タンク11に貯められた湯水の蓄熱量が、目標湯張り温度による湯張りに必要な熱量以上であって、貯湯タンク11に貯められた湯水のみによって、目標湯張り温度による湯張り運転が可能なときはSTEP10に分岐する。
【0061】
一方、貯湯タンク11に貯められた湯水の蓄熱量が、目標湯張り温度による湯張り運転に必要な熱量よりも少なく、貯湯タンク11に貯められた湯水のみによって、目標湯張り温度による湯張りが不能な場合はSTEP3に進む。この場合は、「湯張り運転」の実行中に、貯湯タンク11の湯切れが生じるため、給湯器87を作動させる「第2給湯運転」が実行されることになる。
【0062】
そして、このように、「第2給湯運転」が実行されると想定されるときには、「湯張り運転」が開始された時点から、ヒートポンプユニット50を作動せることにより、給湯器87よりも効率が高いヒートポンプ51を積極的に活用して、給湯器87でのエネルギーの消費量を低減することができる。
【0063】
ここで、
図3は、縦軸をヒートポンプ51の効率(%)に設定し、横軸をヒートポンプ51による沸かし上げ温度(℃)に設定して、給水温度Twが5℃の場合(図中c1)と25℃の場合(図中c2)のヒートポンプ51の効率と沸かし上げ温度との対応関係を示したものである。なお、
図3は、ヒートポンプ51の周囲温度(=外気温度)Toutが5℃の場合を示したものである。
【0064】
図3から、ヒートポンプ51による沸かし上げ温度が低いほど、ヒートポンプ51の効率が高くなることがわかる。そこで、第2貯湯制御部122は、STEP3で第1貯湯制御部121による「第1沸かし上げ運転」の実行を禁止し、STEP4で「第2沸かし上げ運転」を実行する。
【0065】
「第2沸かし上げ運転」において、第2貯湯制御部122は、沸かし上げ温度を目標沸かし上げ温度(45℃)よりも低い第2沸かし上げ温度になるようにして、ヒートポンプユニット50により貯湯タンク11内の湯水を加熱する。これにより、ヒートポンプ51を効率が高い状態で作動させつつ、「湯張り運転」を実行することができる。
【0066】
例えば、ヒートポンプ51の加熱能力が5.5kW、給水管12から貯湯タンク11に供給される水の温度が5℃、タンク循環ポンプ66の最大流量が4リットル/minであるときに、第2貯湯制御部122は、ヒートポンプ51とタンク循環ポンプ66を最大能力で作動させる。この場合、ヒートポンプ51による沸かし上げ温度(ヒートポンプ熱交換器55からの出湯温度)は24.7℃(<45℃)となり、ヒートポンプ51の効率が約700%となる。
【0067】
続くSTEP5で、第2貯湯制御部122は、湯張り制御部124による「湯張り運転」が終了したか否かを判断する。そして、「湯張り運転」が終了していないときはSTEP4に戻って、「第2沸かし上げ運転」を継続する。また、「湯張り運転」が終了しているときにはSTEP6に進み、第2貯湯制御部122は、「第2沸かし上げ運転」を終了する。次のSTEP7で、第2貯湯制御部122は、「第1沸かし上げ運転」の禁止を解除してSTEP1に戻る。
【0068】
また、STEP10で、第2貯湯制御部122は、「第2給湯運転」が実行中であるか否か判断する。そして、「第2給湯運転」が実行中であるとき(水量センサ88により下限流量以上の水流が検出され、且つ、給湯器87が作動中であるとき)は、STEP11に進み、「第2給湯運転」が実行中でないときには、STEP20に分岐する。
【0069】
STEP11で、第2貯湯制御部122は、貯湯タンク11のタンク温度センサ16の検出温度が、第1沸かし上げ温度−5℃(本発明の第2貯湯温度に相当する)以上であるかを判断する。なお、貯湯タンク11の上部からタンク温度センサ16に応じた水位までの湯水の貯湯量は、本発明の貯湯確保量に相当する。
【0070】
そして、タンク温度センサ16の検出温度が第2沸かし上げ温度−5℃よりも低く、貯湯タンク11内に貯まった湯水の蓄熱量が少ないとき(第2貯湯温度以上の湯水の量が、貯湯確保量よりも少ないとき)は、STEP12に進む。
【0071】
STEP12で、第2貯湯制御部122は「第1沸かし上げ運転」を禁止し、続くSTEP13で「第2沸かし上げ運転」を実行してSTEP1に戻る。このように、「第2給湯運転」の実行中であって給湯器87が作動しているときに、沸かし上げ温度を目標沸かし上げ温度よりも低い第2沸かし上げ温度とした「第2沸かし上げ運転」を実行することにより、ヒートポンプ51の効率を高めることができる。
【0072】
一方、STEP11で、タンク温度センサ16の検出温度が第2沸かし上げ温度−5℃以上であって、貯湯タンク11内にある程度の蓄熱量の湯水が貯まっているとき(貯湯タンク11内の第2貯湯温度以上の湯水の量が、貯湯確保量以上であるとき)には、STEP20に分岐する。STEP20で、第2貯湯制御部122は「第2沸かし上げ運転」を終了し、続くSTEP21で、「第1沸かし上げ運転」の禁止を解除する。
【0073】
この場合、タンク温度センサ16の検出温度が第2沸かし上げ温度以上であって、貯湯タンク11内にある程度の蓄熱量の湯水が貯まっているときには、「第2給湯運転」の実行中であっても「第2沸かし上げ運転」は実行されない。
【0074】
そのため、貯湯タンク11が湯切れしている状態で使用者が断続的に湯を使用したときに、給湯中は「第2沸かし上げ運転」が実行され、給湯停止中は「第1沸かし上げ運転」が実行されて、ヒートポンプ51による沸かし上げ温度が第2沸かし上げ温度と第1沸かし上げ温度とに頻繁に切替わり、ヒートポンプ51の効率が低下することを回避することができる。
【0075】
なお、本実施形態では、「湯張り運転」を行なう機能を備えた貯湯式給湯システムを示したが、「湯張り運転」を行なう機能を備えていない貯湯式給湯システムにおいても、本発明の効果を得ることができる。
【0076】
また、本実施形態では、
図2のSTEP11で、貯湯タンク11内の湯水の残量を判断することにより、「第1沸かし上げ運転」と「第2沸かし上げ運転」が頻繁に切替わることを回避する処理を行ったが、この処理を行わない場合であっても本発明の効果を得ることができる。
【0077】
この場合、STEP10で第2給湯運転が実行されているときは、貯湯タンク11が湯切れ状態であって、ヒートポンプ51による加熱のみでは貯湯タンク11内の湯水を目標給湯温度まで加熱することができない状況になっている。そこで、STEP11の判断をすることなく、STEP12で第1沸かし上げ運転を禁止してSTEP13で第2沸かし上げ運転を実行することにより、ヒートポンプ51による1次エネルギー効率を高めた状態で、第2給湯運転を実行することができる。
【0078】
また、本実施形態では、本発明の補助熱源機としてガスを燃料とする給湯器87を示したが、石油等の他の燃料を用いる給湯器や電気ヒータ等の他の種類の補助熱源機を用いてもよい。