(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記排水弁から排水された洗浄水を、前記洗浄便座装置の本体部の前側の下方に設けられた排水口まで導水するための導水路をさらに備えた請求項1記載のポータブルトイレ装置。
前記洗浄便座装置の本体部には、周囲がリブにより構成されることにより、前記排水弁と前記導水路との接続部から漏洩した洗浄水を前記排水口まで導水するための排水溝が設けられている請求項2記載の温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭内や公共施設に設置されている多くのトイレには、便座に着座した利用者の局部をノズルから噴出した洗浄水により洗浄する温水洗浄便座装置が取り付けられている。このような温水洗浄便座装置では、内部に温水タンクが設けられ、この温水タンクに洗浄水を貯留し、この温水タンクに貯留した洗浄水を洗浄ノズルから噴出して、便座に着座した利用者の局部を洗浄するという動作が行われる。また、このような温水洗浄便座装置にあっては、温水タンクに貯留された洗浄水は、ヒータにより温水化され、予め設定された温度付近の洗浄水となるような制御が行われる。
【0003】
このような温水洗浄便座装置では、電源がオン状態であれば、温水タンクに貯留されている洗浄水が温められるため、例え周囲が低温となった場合でも凍結するようなことはない。しかし、冬季等の気温が低い環境下において主電源オフや洗浄水を温めるためのヒータをオフとするような状態で長時間放置されると、温水タンクに貯留された洗浄水が凍結してしまい温水タンクが破損してしまう可能性がある。そのため、このような温水タンクの破損を防止するために、例えば、取扱説明書には温度調整スイッチ(温水モード)をオフにしないような注意書きや、温水タンクに貯留した洗浄水を水抜きして温水タンク内部を空にする方法等の注意書きをして対策をしている。
【0004】
また、近年の高齢化に伴う要介護者の増加により、トイレまでの移動が困難な要介護者のために、水道が設けられていない場所等で使用されるポータブルトイレ装置の需要も増えており、このようなポータブルトイレ装置においても、洗浄便座装置を取り付けたものが市販されるようになっている。
【0005】
このようなポータブルトイレ装置では、特定の要介護者のみが利用することが多く、普段使用している要介護者が入院したり介護サービス等を利用して長期間別の場所で生活する等の可能性があるため、長期間使用されなくなってしまうような状況が発生し易い。よって、ポータブルトイレ装置に温水洗浄便座装置を設置した場合、温水タンクを排水して空にする必要性が発生する頻度が高い。
【0006】
このような温水タンクの排水のため、例えば、特許文献1、2には、温水洗浄便座ユニットの側面に温水タンクの洗浄水を排水するための水抜き穴を設け、水抜き穴を封止していた排水栓を取り外すことにより温水タンク内の洗浄水を便器内に排水することができるような水抜き構造を有するトイレ装置も提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、歩行や移動が困難な要介護者のベッド等の近くに置かれて使用されるポータブルトイレでは、利用する際の安定性や、移動時に手で体重を支えることを可能とするための等の理由から左右にアームレストや支持部材が設けられたり、背後に背もたれ等が設けられている。そのため、このようなポータブルトイレに設置される温水洗浄便座装置(温水洗浄便座ユニット)では、左右の側面は塞がれてしまい、上記の特許文献1、2に示されたような水抜き穴を設けることはできない。
【0009】
そして、一般的に温水タンクは、温水洗浄便座本体の奥の方に設置されるため、このようなポータブルトイレ装置において温水タンクの洗浄水を排水しようとすると、温水洗浄便座本体のカバーを取り外して、温水洗浄便座ユニットから温水タンクを取り外さなければならない。
【0010】
しかし、上述したようにポータブルトイレ装置では温水タンクを排水して空にする必要性が発生する頻度が高いため、温水タンク内の洗浄水を排水する度に温水洗浄便座ユニットから温水タンクを取り外すのでは排水のための手間が煩わしいという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上記問題点を解決することを課題とし、洗浄便座装置のカバーを取り外したりする等の面倒な手間を必要とすることなく、温水タンク内に貯留された洗浄水を容易に排水することが可能な洗浄便座装置およびポータブルトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のポータブルトイレ装置は、ノズルから洗浄水を噴出して利用者の局部を洗浄するための洗浄便座装置が備えられたポータブルトイレ装置であって、
前記ノズルから噴出するための洗浄水を貯留して所定温度まで加温するための温水タンクと、
前記温水タンクの下部に設けられ、当該温水タンクの外側から所定以上の応力が加えられることにより、前記温水タンク内に貯留されている洗浄水を排水するための排水弁と、
前記洗浄便座装置の前記ノズルが収納されている本体部の前側に操作部が設けられ、前記操作部が操作されることにより前記排水弁に応力を伝達するための排水レバーとを備えている。
【0013】
本発明によれば、温水タンクには排水弁が設けられていて、洗浄便座装置の本体部の前側に排水レバーの操作部が設けられているため、操作部を操作して排水レバーを介して排水弁に応力を加えることにより温水タンク内に貯留された洗浄水は排水弁から排水される。そのため、本発明によれば、洗浄便座装置のカバーを取り外したりする等の面倒な手間を必要とすることなく、温水タンク内に貯留された洗浄水を容易に排水することが可能になる。
【0014】
また、本発明のポータブルトイレ装置は、前記排水弁から排水された洗浄水を、前記洗浄便座装置の本体部の前側の下方に設けられた排水口まで導水するための導水路をさらに備えるようにしてもよい。
【0015】
本発明によれば、排水弁から排水された洗浄水は、導水路により排水口まで導水されるため、温水タンクと離れた場所に排水口が設けられた場合でも排水された洗浄水を確実に排水口に導水することが可能となる。
【0016】
また、本発明のポータブルトイレ装置では、前記排水レバーには、突起部が設けられ、
前記洗浄便座装置の本体部には、前記操作部が操作され前記排水レバーが前記洗浄便座装置の本体部の後方に押し込まれた際に前記突起部を係止し、前記排水レバーに上側方向の応力が加えられた場合に前記突起部を開放するための係止部が設けられているようにしてもよい。
【0017】
本発明によれば、操作部を操作して排水レバーを押し込むことにより、排水レバーに設けられた突起部が、洗浄便座装置の本体部に設けられた係止部によって係止されるため、使用者が排水レバーの操作部から手を離しても温水タンク内の洗浄水の排水が継続され、温水タンク内に貯留された全ての洗浄水の排水を容易に行うことが可能となる。
【0018】
また、本発明のポータブルトイレ装置では、前記洗浄便座装置の本体部には、周囲がリブにより構成されることにより、前記排水弁と前記導水路との接続部から漏洩した洗浄水を前記排水口まで導水するための排水溝を設けるようにしてもよい。
【0019】
本発明によれば、排水弁と導水路との接続部から洗浄水が漏洩したとしても、漏洩した洗浄水は排水溝により排水口まで導水されるため、漏洩した洗浄水が洗浄便座装置内の意図しない場所に流れてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0020】
また、本発明の洗浄便座装置は、ノズルから洗浄水を噴出して利用者の局部を洗浄するための洗浄便座装置であって、
前記ノズルから噴出するための洗浄水を貯留して所定温度まで加温するための温水タンクと、
前記温水タンクの下部に設けられ、当該温水タンクの外側から所定以上の応力が加えられることにより、前記温水タンク内に貯留されている洗浄水を排水するための排水弁と、
前記ノズルが収容されている本体部の前側に操作部が設けられ、前記操作部が操作されることにより前記排水弁に応力を伝達するための排水レバーとを備えている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、洗浄便座装置のカバーを取り外したりする等の面倒な手間を必要とすることなく、温水タンク内に貯留された洗浄水を容易に排水することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための洗浄便座装置及び洗浄便座付ポータブルトイレ装置を例示するものであって、本発明をこの洗浄便座装置及び洗浄便座付ポータブルトイレ装置に特定することを意図するものではない。本発明は特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも適応し得るものである。
【0024】
図1は本発明の一実施形態に係る温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1の正面斜視図であり、
図2は温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1の背面斜視図である。本実施形態に係る温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1は、イス本体2と、温水洗浄便座ユニット(洗浄便座装置)3と、汚水バケツ4と、給水タンク5と、を備えて構成されている。
【0025】
イス本体2は、脚部を兼ねる左支持部21と、脚部を兼ねる右支持部22と、左支持部21と右支持部22との間で固定されている背もたれ23と、で構成されている。また、イス本体2は、このイス本体2における座部を、後述の温水洗浄便座ユニット3を構成する便座部32により構成されている。なお、イス本体2は、左支持部21と右支持部22とに、使用者が着座した際に、使用者の肘が位置するあたりに肘掛を備える等、他の構成を備えていても構わない。
【0026】
温水洗浄便座ユニット3は、詳細を後述するが、ノズルから洗浄水を噴出して利用者の局部を洗浄するための装置であり、イス本体2の左支持部21と右支持部22との間で保持されており、温水洗浄便座本体部31と、温水洗浄便座本体部31の前方に位置する便座部32と、で構成されている。
【0027】
汚水バケツ4は、便座部32の下方において、左支持部21と右支持部22との間で保持されており、使用された後の洗浄水等を汚水として溜めておくような構成となっている。また、この汚水バケツ4は、イス本体2の前方側へスライド可能に取り付けられている。そして、汚水バケツ4内の汚水を廃棄する場合、イス本体2から汚水バケツ4を取り外し、この汚水バケツ4を廃棄場所へ持ち運んで汚水の廃棄が行われる。
【0028】
給水タンク5は、
図2に示すように、イス本体2の背面側で、温水洗浄便座本体部31の下方において、左支持部21と右支持部22との間で保持されている。そして、この給水タンク5には、2つの給水口5a、5bが設けられている。この2つの給水口5a、5bは、それぞれキャップで覆われており、洗浄水として使用するための水を給水タンク5内へ注入する場合、一方のキャップを外して水を注入するような構成となっている。
【0029】
温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1は、以上のような構成となっている。そして、温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1は、給水タンク5に注入された水を用いて、後述のノズルから洗浄水を噴出することにより、使用者の局部を洗浄し、この洗浄後の洗浄水を汚水バケツ4で受ける構成となっている。したがって、一般的な温水洗浄便座付トイレ装置のように、洗浄水として使用する水を供給するための上水道や、洗浄後の洗浄水を流すための下水道との接続を必要としないものとなっている。そして、このような温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1は、例えば、トイレまでの移動が困難な要介護者のベッドの近くにおいて使用することで、介護用のトイレ装置として利用することができる。また、例えば、地震等の災害による上下水道が不通のような状況で使用することで、緊急用のトイレ装置として利用することができる。
【0030】
次に、温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1を構成する温水洗浄便座ユニット3の詳細について説明する。
図3は、温水洗浄便座ユニット3の正面斜視図である。温水洗浄便座ユニット3は、後方に汚水洗浄便座本体部31を備え、温水洗浄便座本体部31の前方に便座部32が連結された構成となっている。なお、温水洗浄便座本体部31については詳細を後述する。
【0031】
便座部32は、開口32aを備えた樹脂製の環状部32bで構成されている。そして、この環状部32bに使用者が着座して温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1は使用される。また、便座部32は、環状部32bの後部が軸支部32cで支持されており、軸支部32cを介して回動できるようになっている。更に、便座部32では、環状部32bの内部に図示しない便座ヒータが備わっており、この便座ヒータの発熱によって、環状部32bが加温される構成となっている。なお、図示していないが、便座部32を覆う便座蓋を温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1は備えている。
【0032】
次に、温水洗浄便座本体部31の詳細について説明する。
図3に示すように、温水洗浄便座本体部31は、外側を樹脂製の外装カバー31aによって覆われている。この外装カバー31aには、各種のスイッチからなる本体操作部33が設けられている。
【0033】
本体操作部33を構成する各種のスイッチには、洗浄水の温度設定を行うためのスイッチや、局部の洗浄の開始・停止を行うスイッチや、後述する洗浄ノズルの位置を調整するためのスイッチ等が設けられており、これらスイッチを操作した信号が制御基板へ入力される。なお、温水洗浄便座付ポータブル装置1は、外装カバー31aに設けられた本体操作部33の他に、温水洗浄便座本体部31と有線或いは無線により接続可能なリモコン用の操作部を備える構成となっていても構わない。また、温水洗浄便座本体部31の内部には、商用電源を供給するための電源コード34が接続されており、外装カバー31aにはこの電源コード34を通すための孔が設けられている。そして、外装カバー31aの側面には、脱臭カセット35の一部が露出している。
【0034】
次に、温水洗浄便座本体部31の内部構造の説明を行う。
図4は、温水洗浄便座本体部31の外側を覆う外装カバー31aを外した、温水洗浄便座本体部31の内部構造の正面斜視図である。
【0035】
温水洗浄便座本体部31は、内部に給水ポンプ41と、制御基板ユニット42と、温水タンク43と、温風乾燥ユニット44と、ノズルユニット45と、脱臭ユニット46とを内部に備えている。
【0036】
給水ポンプ41は、給水タンク5の水を温水タンク43に供給するためのものである。この供給ポンプ41としては、定量式電磁ポンプやギヤポンプ等、各種のポンプを用いることができる。
【0037】
次に、本実施形態の温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1における水の流れを
図5のブロック図を参照して説明する。
図5は、温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1における水の流れを示した図である。
【0038】
図5に示されるように、給水タンク5に蓄えられた水は、給水ポンプ41により汲み上げられて、
図4においては図示されていない逆支弁50(図示せず)を経由して温水タンク43に送られる。そして、温水タンク43では、送られてきた水は洗浄水として貯留されヒータ(図示せず)により所定温度まで加温された後に、水圧によりノズルユニット45に送られる。そして、ノズルユニット45では、温水タンク43から送られてきた洗浄水が人体の局部に向けて噴出される。
【0039】
なお、
図5に示す逆止弁50は、温水タンク43の洗浄水が給水タンク5へ逆流するのを防止するためのものであり、
図4においては図示していないが、例えば制御基板ユニット42の背面側に配置されている。
【0040】
制御基板ユニット42は、CPUやメモリ等が備わった制御基板を備えており、制御基板と各種の構成部との間は有線・無線によって接続されている。そして、制御基板ユニット42は、本体操作部33を介して行われた使用者の操作等に基づいて、所定各種の構成部の制御をプログラムに従って行う。
【0041】
温水タンク43は、ノズルから噴出するための洗浄水を貯留して所定温度まで加温するためのタンクであり、樹脂製の箱状部材からなる。温水タンク43は、給水ポンプ41とチューブ(図示せず)を介してつながっており、また、ノズルユニット45とチューブ(図示せず)を介してつながっている。
【0042】
温風乾燥ユニット44は、温風用ヒータ(図示せず)と、乾燥ファンと、ファンケースとを備えて構成されている。そして、使用者が、本体操作部33の温風乾燥開始スイッチを操作することで、温風用ヒータと乾燥ファンが動作を開始し、ファンケースを介して、使用者の局部周辺に温風が送られる。
【0043】
ノズルユニット45は、おしり用の洗浄水経路とビデ用の洗浄水経路を備えるノズルと、温水タンク43から供給された温水をおしり用の洗浄水経路と、ビデ用の洗浄水経路とに切り替える水路切換えユニットと、ノズルを前後方向に移動させる移動手段とを備えて構成されている。そして、使用者が、本体操作部33のスイッチを操作することにより、ノズルが移動手段によって汚水バケツ4内へ進出し、洗浄水をノズル先端から噴出することにより、使用者の局部の洗浄が行われる。
【0044】
脱臭ユニット46は、脱臭カセット35と、脱臭ファンと、ファンケースと、脱臭フィルタ47と、を備えて構成されている。脱臭ファンは、使用者が便座部32に着座すると動作し、脱臭フィルタ47を介して、汚水バケツ4の空気をファンケースへ吸い込む。そして、脱臭ファンによって吸い込まれた空気は、脱臭カセット35を通じて臭い成分が吸着・分解等されて外部へ排気される。
【0045】
また、温水洗浄便座本体部31には、温水タンク43内の洗浄水を排水するための排水レバー48が設けられていて、
図4では、この排水レバー48の先端である操作部のみが図示されている。その排水レバー48の構成の詳細については後述する。
【0046】
次に、
図4に示した温水洗浄便座本体部31の内部構造において、他の構造を省略して温水タンク43の排水構造のみを
図6に示して説明する。
【0047】
図6に示されるように、温水タンク43には、上部にフロートスイッチ431や負圧弁432が設けられている。フロートスイッチ431は、温水タンク43内部に貯留された洗浄水の水量(水位)を検出するために設けられている。また、負圧弁432は、洗浄水の噴出や温度変化等に伴って温水タンク43内の圧力が外気圧よりも低くなった場合に、温水タンク43内と外気を連通するために設けられている。なお、温水タンク43の内部は、負圧弁432の作動によって外気と連通するとき以外は、外気と連通しないように気密構造とされている。
【0048】
また、
図6には示されていないが、温水タンク43内に貯留された洗浄水を加温するためのヒータや、貯留した洗浄水の温度を検出するサーミスタ等により構成された温度検出センサが温水タンク43に設けられている。
【0049】
さらに、本実施形態の温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1では、温水タンク43の下部の側面に排水部52が設けられている。
【0050】
次に、
図6に示した排水部52の構成を
図7を参照して説明する。排水部52は、温水タンク43の下部に設けられた開口部に、排水弁61、Oリング62、排水弁カバー63が装着されることにより構成されている。
【0051】
排水弁61は、温水タンク43の下部に設けられた開口部に挿入されて固定されており、この温水タンク43の外側から所定以上の応力が加えられることにより、温水タンク43内に貯留されている洗浄水を排水する構成となっている。
【0052】
そして、排水弁カバー63には、
図6に示すように排水チューブ53が接続されており、排水弁61から排水された洗浄水は、排水弁カバー63を経由して、排水チューブ53に流れるようになっている。
【0053】
次に、
図7に示した排水弁61の詳細な構造を
図8を参照して説明する。排水弁61は、
図8(A)に示されるように、排水弁ケース71に弁パッキン72、弁バネ73、弁棒74が装着されることにより構成されている。そして、弁棒74は、弁パッキン72を貫通して係合することにより弁パッキン72を保持するとともに、弁バネ73により温水タンク43の外側方向に付勢されている。そのため、弁棒74に外部から応力が加わっていない場合には、弁パッキン72が弁棒74により排水弁ケース71に押し付けられることにより排水弁61は閉じた状態となる。
【0054】
そして、弁棒74に対して外側方向から応力が加わると弁パッキン72と排水弁ケース71との間に隙間が発生することにより洗浄水の流路が構成され、温水タンク43内の洗浄水が排水されるような構成となっている。
【0055】
次に、この排水弁61の断面図を
図8(B)に示す。
図8(B)の右図は、排水弁61のA−A'断面図である。
【0056】
次に、
図6に戻って温水タンク43の排水構造について説明を行う。温水タンク43の下部に設けられた排水部52には排水チューブ53が接続されている。この排水チューブ53は、温水洗浄便座本体部31に設けられた排水溝54内に設置されており、排水部52の排水弁61から排水された洗浄水を、温水洗浄便座本体部31の前側の下方に設けられた排水口55まで導水するための導水路として機能する。
【0057】
なお、温水洗浄便座本体部31に設けられている排水溝54は、周囲がリブにより構成されることにより、排水部52(排水弁61)と排水チューブ53との接続部から洗浄水が漏洩した場合でも、漏洩した洗浄水を排水口55まで導水するような構成となっている。
【0058】
そのため、この排水溝54が設けられていることにより、たとえ排水部52(排水弁61)と排水チューブ53との接続部から洗浄水が漏洩したとしても、漏洩した洗浄水が温水洗浄便座ユニット3内の意図しない場所に流れてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0059】
また、温水洗浄便座本体部31内には、排水弁61に応力を加えるための排水レバー48が設けられている。この排水レバー48は、ノズルユニット45を収容している温水洗浄便座本体部31の前側に操作部が設けられ、この操作部が操作されることにより排水部52内の排水弁61に応力を伝達するような構造となっている。
【0060】
そのため、温水タンク43内に貯留された洗浄水を排水しようとする使用者が、排水レバー48の操作部を指等により操作すると、排水弁61に応力が加えられ洗浄水の排水が行われる。
【0061】
次に、
図6に示した温水タンク43の排水構造の動作を
図9〜
図14を参照して説明する。
【0062】
図9〜
図11は、排水弁61が閉状態の場合を説明するための図であり、
図12〜
図14は、排水弁61が開状態の場合を説明するための図である。
【0063】
まず、排水弁61が閉状態の場合の断面図を
図9に示す。
図9(A)は、
図9(B)に示したB−B'面の断面図である。
【0064】
また、
図9(A)の断面図における排水レバー48の操作部周辺の拡大図を
図10に示し、排水弁61周辺の拡大図を
図11に示す。
【0065】
図10を参照すると、排水レバー48には、突起部481が設けられ、温水洗浄便座本体部31には、係止部90が設けられていることが分かる。この係止部90は、操作部が操作され排水レバー48が温水洗浄便座本体部31の後方に押し込まれた際に突起部481を係止し、排水レバー48に上側方向の応力が加えられた場合に突起部481を開放するような構造となっている。
【0066】
図10では、排水レバー48は温水洗浄便座本体部31の後方に押し込まれていないため、突起部481は係止部90により係止されていない。そのため、
図11に示すように、排水弁61では、弁パッキン72は排水弁ケース71に押し付けられ、排水弁61は閉状態となっている。
【0067】
次に、排水弁61が開状態の場合の断面図を
図12に示す。
図12(A)は、
図12(B)に示したC−C'面の断面図である。
【0068】
また、
図12(A)の断面図における排水レバー48の操作部周辺の拡大図を
図13に示し、排水弁61周辺の拡大図を
図14に示す。
【0069】
図13では、排水レバー48の操作部が使用者の指等により操作されたことにより温水洗浄便座本体部31の後方に押し込まれているため、突起部481が係止部90により係止されている。
【0070】
そのため、
図14に示されるように、弁棒74が排水レバー48により押されることにより、弁パッキン72が排水弁ケース71から離れて排水弁61が開状態となっている。その結果、温水タンク43内に貯留されていた洗浄水は、排水弁61を介して外部に排水され、排水チューブ53を経由して排水口55から汚水バケツ4に排水されることになる。
【0071】
なお、温水タンク43内の全ての洗浄水の排水が完了して、排水レバー48をもとの状態に戻す場合には、
図13に示した状態において排水レバー48を上側方向に押すことにより、突起部481が係止部90から外れてバネ等の付勢力により元の位置に戻ることになる。
【0072】
このように排水レバー48側に突起部481を設け、温水洗浄便座本体部31側に係止部90を設けることにより、使用者が排水レバー48の操作部から手を離しても温水タンク43内の洗浄水の排水が継続され、温水タンク43内に貯留された全ての洗浄水の排水を容易に行うことが可能となる。
【0073】
そして、本実施形態では、使用者が排水レバー48の操作部を操作して排水弁61に応力を加えることにより温水タンク43内に貯留された洗浄水は排水弁61、排水チューブ53を通って排水口55から汚水バケツ4に排水される。そのため、本実施形態の温水洗浄便座付ポータブルトイレ装置1によれば、温水洗浄便座ユニット3の外装カバー31aを取り外したりする等の面倒な手間を必要とすることなく、温水タンク43内に貯留された洗浄水を容易に排水することが可能になる。
【0074】
なお、本実施形態では、排水レバー48を温水洗浄便座本体部31の前面側に設けた場合について説明したが、構造的に背面側に設けることが可能な場合には、排水レバー48を温水洗浄便座本体部31の背面側に設けるようにしてもよい。