(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
《実施形態1》
−システムの概要−
図1は、ネットワークシステム(以下、単に「システム」ともいう)100の概略図である。システム100は、無線アドホックネットワークである。このシステム100は、近接する小型無線端末が自律的にネットワークを構築するよう構成される。システム100は、複数のノード装置110,110,…と、ユーザ機器120,120,…とを備えている。各ノード装置110には、ユーザ機器120が有線で接続されている。
【0015】
ユーザ機器としては、PC(パーソナルコンピュータ)120A、センサ120B等が含まれる(以下、各ユーザ機器を区別しないときには、単に、「ユーザ機器120」と称する)。複数のユーザ機器においては、PC120Aがマスタ機として機能し、それ以外のセンサ120B,120B,…がスレーブ機として機能する。つまり、PC120Aが、センサ120B,120B,…を一方的に制御する。以下、PC120Aをマスタユーザ機器120Aと、センサ120Bをスレーブユーザ機器120Bとも称する。各ユーザ機器120は、固有の機器IDを有している。以下、特定の機器IDのセンサ120Bについて言及するときには、符号「120B」の後に機器IDを括弧書きで付す。例えば、センサ120Bの機器IDが「1」の場合は、センサ120B(1)のように表す。
【0016】
複数のノード装置110,110,…間は、無線で結合される。すなわち、複数のノード装置110,110,…は、無線ネットワークを構築している。複数のノード装置110,110,…には、1つの基地局ノード装置110Aと、複数の子ノード装置110B,110B,…とが含まれている。基地局ノード装置110Aが親機であり、子ノード装置110Bが子機である。基地局ノード装置110Aには、前記マスタユーザ機器120Aが接続されている。子ノード装置110Bには、前記スレーブユーザ機器120Bが接続されている。以下、各ノード装置を区別しないときには、単に、「ノード装置110」と称する。
【0017】
各ノード装置110は、固有のノードIDを有している。基地局ノード装置110AのノードIDは、「0」であり、子ノード装置110BのノードIDは、「0」以外の数字である。以下、特定の子ノードIDのノード装置110Bについて言及するときには、符号「110B」の後にノードIDを括弧書きで付す。
【0018】
複数のノード装置110,110間の無線リンクは、例えば、2.4GHz帯を用いたIEEE802.15.4に準拠する短距離無線ネットワークであり得る。このIEEE802.15.4は、PAN(Personal Area Network)又はWPAN(Wireless Personal Area Network)と呼ばれる無線通信規格の一つであり、低コスト・低消費電力で、高い信頼性とセキュリティを持つ。また、無線リンクは、上述の特定の無線ネットワークに限定されず、典型的にはパケットの形で情報をやりとりできる任意の適切なネットワークであり得る。
【0019】
また、ノード装置110は、自動中継機能を有し、通信環境を察知して自律的にネットワークを構成し得る。例示的なネットワークは、真メッシュであり、ホップ数も実質的に無制限である。換言すれば本実施形態は、マルチホップの無線ネットワークを使用可能である。こうして、1つのノード装置110を1つの無線端末として、無線アドホックネットワークが構築される。
【0020】
より詳しくは、ノード装置110は、電源がオンされると、ルーティングを開始する。ノード装置110は、隣接するノード装置110にビーコンメッセージ(ルーティングパケットとも呼ばれる)を送信する等して、通信状態が良好なノード装置110との間で通信経路を構築する。ノード装置110は、電源をオンにした直後だけでなく、前記ビーコンメッセージを定期的に送信して、通信状態が良好な通信経路を更新している。
【0021】
ノード装置110は、基板上に取り付けられた、半導体素子を含む回路要素群によって典型的には実現され得る。典型的には、ノード装置110は、ユーザ機器120からのアナログ信号及び無線ネットワークのための高周波信号を扱うアナログ回路と、MCUを主要素とするデジタル回路との組み合わせによって実現され得る。
【0022】
ノード装置110の制御は、典型的にはソフトウェアによって実現され得る。すなわち、ノード装置110の制御は、典型的にはコンピュータで読み取り可能な媒体に記憶されたソフトウェアによって実現され得る。コンピュータで読み取り可能な媒体には、ハードディスクドライブ、半導体メモリ等がある。代替として、ノード装置110の制御は、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせ、又はハードウェアのみによって実現され得る。
【0023】
ノード装置110は、ネットワーク設定(例えば、通信仕様やプロトコル仕様)を適宜設定することによって、様々な種類のユーザ機器120,120,…に対応可能(即ち、接続可能且つ通信可能)に構成されている。具体的には、ノード装置110は、各種の設定パラメータを有しており、これらの設定パラメータを変更することによって、各種のユーザ機器120と通信が可能となるように構成されている。設定パラメータには、ユーザ機器120の通信仕様に関する通信パラメータと、ユーザ機器120のプロトコル仕様に関するプロトコルパラメータとが含まれる。通信パラメータには、ボーレート(4800bps/9600bps/19200bps/…)、データビット(8ビット/7ビット)、パリティ(なし/奇数/偶数)、ストップビット(1ビット/2ビット)等が含まれる。プロトコルパラメータには、スタートコード(01〜FF)、エンドコード(01〜FF)、エンドコードからパケット終端までのオフセット(0〜9)、先頭から送信先アドレスまでのオフセット(1〜99)、送信先アドレスの長さ(0〜6)、送信先アドレスの表現形式(10進ASCII/16進ASCII/LEバイナリ/BEバイナリ)等が含まれる。
【0024】
ノード装置110は、電文を送信するときには、該電文を含むパケットを生成し、該パケットを変調して送信する。また、ノード装置110は、パケットを受信したときには、該パケットを復調して、該パケットから電文を読み出す。ノード装置110の無線信号の符号化及び変調・復調のための方式には様々なものがある。本実施形態では、上述のIEEE802.15.4に準拠した方式が用いられる。
【0025】
PC120Aは、例えば、ソフトウェアを用いて、センサ120Bへの様々な制御信号を生成し、送信することができる。PC120Aは、センサ120Bと共通のプロトコルを有している。そのため、PC120Aとセンサ120Bとは、互いに電文のやりとりを行うことができる。また、PC120Aは、センサ120Bからの信号を受信し、適宜、処理する。PC120Aは、例えば、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)を備えるソフトウェアを用いて、センサ120Bから受け取られたデータを視覚的に表示したり、統計的に処理したりできる。前記ソフトウェアは、例えば通信状態の確認、データの数値表示、グラフ表示、値の分布カラーマッピング、データの記録、データのエクスポート、端末設定の変更等を行うことができる。
【0026】
センサ120Bは、各種の物理量(温度、湿度、電流、電圧、電力等)を計測・検出するものであって、任意の適切な計測機器であり得る。例えば、センサ120Bは、温度センサや電力計であり得る。センサ120Bは、PC120Aからの電文を受け取って、該電文に応じた様々な処理を実行する。例えば、センサ120Bは、PC120Aからの電文に応じて、検出値を返信するように構成されている。
【0027】
−ノード装置のハードウェア構成−
図2は、ノード装置110のブロック図である。
【0028】
ノード装置110は、RFユニット410及びアンテナ430を備える。RFユニット410には、ユーザ機器120からのデータが入力される。RFユニット410は、ユーザ機器120が出力したデータを無線信号に変換して、アンテナ430から他のノード装置110、例えば上流ノード(基地局ノード装置110A等)へ送信する。
【0029】
RFユニット410は、インタフェース440、電源445、制御部450、ROM(読み出し専用メモリ)453、RAM(ランダムアクセスメモリ)454、タイマ456、第1発振器457、第2発振器458、電源回路459及びRFインタフェース460を有する。
【0030】
制御部450は、MCU(Micro Controller Unit)451と、無線通信部452とを有している。MCU451と無線通信部452とは、1チップで構成されている。MCU451は、演算部の一例である。
【0031】
さらに詳しくは、MCU451は、主として演算機能を司るコア451aと、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)451bと、SPI(Serial Peripheral Interface)451cと、I
2C(Inter-Integrated Circuit)451dとを有する。UART451b、SPI451c及びI
2C451dは、入出力部を構成している。MCU451は、ノード装置110の機能を実現するのに用いられるマイクロプロセッサである。MCU451は、ユーザ機器120と通信を行う際には、UART451b、SPI451c及びI
2C451dを介して有線通信を行う。MCU451は、ROM453、RAM454、及びタイマ456などの周辺素子をその中に含んでもよい。
【0032】
UART451bは、調歩同期方式によるシリアル信号をパラレル信号に変換したり、その逆方向の変換を行うための集積回路である。UART451bは、インタフェース44に接続されている。
【0033】
SPI451c及びI
2C451dはそれぞれ、シリアルバスの一種であり、インタフェース440に接続されている。
【0034】
無線通信部452は、MCU451からのデータを他のノード装置110へ送る応答パケットに変換したり、他のノード装置110から受け取られた要求パケットをデータに変換したりする。
【0035】
インタフェース440は、各種の入出力ポートを備えている。例えば、インタフェース44は、RA485用、SPI用及びI
2C用の入出力ポートを有している。また、インタフェース440は、ユーザ機器120によって出力された信号を制御部450が処理できる適当な信号(例えば10ビットデジタル信号)に変換したり、制御部450から出力される信号をユーザ機器120が処理できる適当な信号に変換したりする。例えば、インタフェース440は、UART451bからの信号をRS485の信号レベルに変換したり、その逆に変換したりするICを含む。すなわち、インタフェース440は、ユーザ機器120の通信規格と共通のインタフェースである。例えば、インタフェース440は、RS485インタフェースである。また、ノード装置110がアナログ信号を出力するユーザ機器120を対象とする場合には、インタフェース440は、AD変換器を含む。このように、ノード装置110は、RS485の通信規格、SPIの通信規格、及びI
2Cの通信規格の何れでも通信可能であり、何れかの通信規格がユーザ機器120の通信規格に応じて適宜選択される。
【0036】
電源445は、RFユニット410の各機能ブロックに電力を供給する。電源445は、例えば直流3Vを供給するリチウム電池であり得る。あるいは、電源445は、商用電源等の交流をコンバータを介して直流に変換して、外部から供給されるものであり得る。尚、電源445は、コンバータを内蔵していてもよい。
【0037】
ROM453又はRAM454は、ノード装置110の機能を実現するのに必要なプログラム及びデータを記憶している。タイマ456は、例えば電源をオフにするタイミングを計測し、所定時間が経過したときに、電源445からの電力供給を断つよう制御部450をトリガする。RFインタフェース460は、無線通信部450bから出力されたパケットをRF信号に変換し、アンテナに出力したり、アンテナで受け取られたRF信号からパケットを再生し、無線通信部450bに出力したりする。
【0038】
第1発振器457は、所定の第1周波数を有する第1クロック信号を出力する。第1クロック信号は、前記無線通信部450bを作動させるのに適したクロック信号、即ち、ノード装置110が採用する周波数帯で無線通信を行うのに適したクロック信号である。第1周波数は、例えば、16MHzであり得る。16MHzという周波数は、2.4GHzで無線通信をするのに好適な周波数である。
【0039】
第2発振器458は、第1周波数と異なる第2周波数を有する第2クロック信号を出力する。第2クロック信号は、UART450cを介してユーザ機器120と通信を行うのに適したクロック信号、即ち、ノード装置110が採用する有線通信のうち、特に、クロック信号を厳密に管理すべき有線通信に適したクロック信号である。第2周波数は、例えば、14.74MHzであり得る。14.74MHzという周波数は、115.2kbpsでUART通信するのに適した周波数である。
【0040】
電源回路459は、電源445と第2発振器458との間に介設されている。電源回路459は、制御部450からの制御信号が入力可能に構成されており、制御部450からの指令に応じて、第2発振器458への電源の供給及び遮断を切り替える。
【0041】
この電源回路459を切り替えることによって、第1クロック信号だけが制御部450へ入力される第1状態と、第1クロック信号及び第2クロック信号が制御部450へ入力される第2状態とに切り替えられる。制御部450が電源回路459のオン/オフを制御する。第1状態においては、MCU451及び無線通信部452の両方に第1クロック信号が入力される。一方、第2状態においては、MCU451に第2クロック信号が入力され、無線通信部452に第1クロック信号が入力される。
【0042】
尚、機能ブロック群の一部又は全ては、適宜、結合されることによって一体化されて実現されてもよい。例えば、RFユニット410は、ハイブリッドIC(集積回路)として実現されてもよい。さらには、RFユニット410及びアンテナ430を一つの基板に一体化して実現されてもよい。
【0043】
ノード装置110は、USB−RS485コンバータを介してPC120Aに接続される。つまり、PC120Aは、ノード装置110とUART451bを介して通信(以下、「UART通信」という)を行う。一方、ノード装置110は、その通信規格に応じて、センサ120BとUART451b、SPI451c及びI
2C451dの何れかを介して通信を行う。
【0044】
−計測データの収集−
以下、PC120Aによるセンサ120Bの制御について説明する。
【0045】
PC120Aは、センサ120Bの検出結果を収集する。例えば、PC120Aは、センサ120B(1)へ計測データを要求する要求コマンドを生成し、該要求コマンドを基地局ノード装置110Aへ送信する。基地局ノード装置110Aは、要求コマンドを含む要求パケットを生成し、該要求パケットを送信する。基地局ノード装置110Aから送信された要求パケットは、いくつかの子ノード装置110Bを介して(図示省略)又は直接、センサ120B(1)が接続された子ノード装置110B(1)に到達する。子ノード装置110B(1)は、パケットのペイロードデータの中から要求コマンドを読み出し、該要求コマンドをセンサ120B(1)に有線で送信する。センサ120B(1)は、要求コマンドに応答して、計測データを電文形式の信号に符号化し、該応答コマンドを子ノード装置110B(1)へ返信する。
【0046】
該子ノード装置110B(1)は、該応答コマンドを受信すると、応答パケットを生成し、該応答パケットを基地局ノード装置110Aへ送信する。応答パケットは、要求パケットとは逆の流れで、基地局ノード装置110Aまで到達する。
【0047】
基地局ノード装置110Aは、応答パケットのペイロードデータの中から応答コマンドを読み出し、該応答コマンドをPC120Aに有線で送信する。PC120Aは、応答コマンドを受信すると、該応答コマンドを復号化して、計測データを得る。
【0048】
PC120Aは、このような計測データの取得を全てのセンサ120B,120B,…に対して定期的に行っている。
【0049】
−クロック信号の設定−
このように構成されたノード装置110は、接続されるユーザ機器120に応じてクロック信号の設定が異なっている。
【0050】
詳しくは、PC120Aに接続される基地局ノード装置110Aは、第1状態となってる。つまり、電源回路459がオンとなり、第1発振器457だけでなく、第2発振器458にも電力が供給され、第1クロック信号及び第2クロック信号が制御部450へ入力される。制御部450のうち、MCU451には第2クロック信号が供給され、無線通信部452には第1クロック信号が供給される。その結果、MCU451は、第2クロック信号に基づいて動作し、無線通信部452は、第1クロック信号に基づいて動作する。
【0051】
一方、センサ120Bに接続される子ノード装置110Bは、第2状態となっている。つまり、電源回路459がオフとなり、第2発振器458には電力が供給されず、第1発振器457のみに電力が供給され、第1クロック信号のみが制御部450へ入力される。制御部450において、MCU451及び無線通信部452の両方に第1クロック信号が供給される。その結果、MCU451は、第1クロック信号に基づいて動作し、無線通信部452も、第1クロック信号に基づいて動作する。
【0052】
電源回路459のオン/オフの切替は、ファームウェアの書き換えによって行われる。例えば、出荷時又は現場において、ファームウェアを書き換えることによって、電源回路459のオン又はオフを設定することができる。詳しくは、各ノード装置110のファームウェアには、そのノード装置110が基地局ノード装置110Aか子ノード装置110Bかが書き込まれる。基地局ノード装置110Aと書き込まれることによって、そのノード装置110は電源回路459をオンにする第2状態に設定される。一方、子ノード装置110Bと書き込まれることによって、そのノード装置110は電源回路459をオフにする第1状態に設定される。
【0053】
基地局ノード装置110Aは、PC120AとUART通信を行う。また、PC120Aは、上述のような計測データの収集を行うため、基地局ノード装置110AとPC120Aとは比較的高速且つ大容量のデータ通信を行う。つまり、基地局ノード装置110Aは、PC120Aと比較的高いボーレート(例えば、115.2kbps)でUART通信を行う。そのため、基地局ノード装置110AのMCU451は、UART通信の比較的高いボーレートに適した第2クロック信号で動作する。これにより、基地局ノード装置110Aは、PC120Aと比較的高いボーレートでUART通信を適切に行うことができる。一方、基地局ノード装置110Aは、子ノード装置110B,110B,…と無線通信を行う。そのため、基地局ノード装置110Aの無線通信部452は、無線通信に適した第1クロック信号で動作する。これにより、基地局ノード装置110Aは、無線通信も適切に行うことができる。このように、PC120Aとの有線通信を司るMCU451を高速のUART通信に適した第2クロック信号で動作させ、子ノード装置110Bとの無線通信を司る無線通信部452を無線通信に適した第1クロック信号で動作させることによって、有線通信及び無線通信の両方を適切に行うことができる。
【0054】
一方、子ノード装置110Bは、センサ120Bと、該センサ120Bの通信規格に応じた通信を行う。本実施形態においては、子ノード装置110Bは、センサ120Bと、SPI451cを介した通信(以下、「SPI通信」という)又はI
2C451dを介した通信(以下、「I
2C通信」という)を行う。SPI通信及びI
2C通信は、同期通信であるため、クロック信号が受信側との関係で制約を受けることがない。そのため、子ノード装置110BのMCU451は、有線通信に特化した専用のクロック信号で動作する必要はなく、無線通信部452と共通の第1クロック信号で動作する。このように、子ノード装置110Bは、MCU451及び無線通信部452の両方を第1クロック信号で動作させても、有線通信及び無線通信の両方を適切に行うことができる。さらに、子ノード装置110Bでは、第2発振器458への電力供給を停止しているので、消費電力を低減することができる。
【0055】
したがって、本実施形態によれば、ノード装置110は、MCU451と、無線通信部452と、第1クロック信号を出力する第1発振器457と、前記第1クロック信号とは周波数が異なる第2クロック信号を出力する第2発振器458とを備え、前記第2発振器458を作動させることなく、前記第1発振器457を作動させることによって前記第1クロック信号を前記MCU451及び無線通信部452の両方に供給する第1状態と、前記第1発振器457を作動させることによって前記第1クロック信号を前記無線通信部452に供給し且つ、前記第2発振器458を作動させることによって前記第2クロック信号を前記MCU451に供給する第2状態とを切替可能に構成されている。
【0056】
換言すると、システム100は、複数のユーザ機器120,120,…と、該ユーザ機器120,120,…に有線により接続される複数のノード装置110,110,…とを備え、該ノード装置110,110,…間で無線通信を行う。そして、ノード装置110は、MCU451と、無線通信部452と、第1クロック信号を出力する第1発振器457と、前記第1クロック信号とは周波数が異なる第2クロック信号を出力する第2発振器458とを備え、前記第2発振器458を作動させることなく、前記第1発振器457を作動させることによって前記第1クロック信号を前記MCU451及び無線通信部452の両方に供給する第1状態と、前記第1発振器457を作動させることによって前記第1クロック信号を前記無線通信部452に供給し且つ、前記第2発振器458を作動させることによって前記第2クロック信号を前記MCU451に供給する第2状態とを切替可能に構成されている。
【0057】
つまり、ノード装置110は、無線通信に適した第1発振器457と有線通信に適した第2発振器458とを備えており、有線通信のクロック信号を無線通信のクロック信号と共用できない、又は、有線通信においてクロック信号が制約を受けるユーザ機器120が接続される場合には、第2発振器458からMCU451へ第2クロック信号を供給し且つ、第1発振器457から無線通信部452へ第1クロック信号を供給する。一方、有線通信のクロック信号を無線通信のクロック信号と共用できる、又は、有線通信においてクロック信号が制約を受けないユーザ機器120が接続される場合には、第1発振器457からMCU451及び無線通信部452の両方へ第1クロック信号を供給する。後者の場合には、第2発振器458への電力供給を停止する。
【0058】
こうすることによって、ノード装置110に、クロック信号を有線通信と無線通信とで共用できないユーザ機器120が接続される場合であっても、クロック信号を有線通信と無線通信とで共用できるユーザ機器120が接続される場合であっても、有線通信及び無線通信を適切に行うことができる。すなわち、ノード装置110は、第2発振器458の作動及び停止を切り替えるだけで第1状態と第2状態とを切り替えることができるため、1種類のノード装置110で様々なユーザ機器120に対応して、有線通信を適切に行うことができる。その結果、ノード装置110の汎用性を向上させることができる。さらに、ノード装置110に、クロック信号を共用できるユーザ機器120が接続される場合には、MCU451及び無線通信部452の両方に共通のクロック信号、詳しくは第1クロック信号を供給し、第2発振器458への電力供給を停止することによって、消費電力を低減することができる。
【0059】
また、前記MCU451と無線通信部452とは、1チップで構成されている。
【0060】
これによれば、1チップで構成されているMCU451及び無線通信部452に、敢えて2つの発振器(詳しくは、第1発振器457及び第2発振器458)を設けることによって、有線通信及び無線通信を適切に行うことができる。つまり、1チップに対して1つの発振器を設ける構成の場合、該発振器で生成されるクロック信号が無線通信に適している場合には、ユーザ機器と有線通信を適切に行えない虞がある一方、該発振器で生成されるクロック信号が有線信号に適している場合には、他のノード装置110との無線通信を適切に行えない虞がある。それに対し、1チップであるにもかかわらず、2つの発振器を設けることによって、有線通信に適したクロック信号と無線通信に適したクロック信号の両方を生成することができる。その結果、有線通信及び無線通信の両方を適切に行うことができる。また、MCU451と無線通信部452とを1チップ化することによって、実装面積を小さくして、ノード装置110を小型化することができる。
【0061】
さらに、ノード装置110は、同期通信(例えば、SPI通信やI
2C通信)を行うユーザ機器120、詳しくはセンサ120Bに接続される場合には、第1発振器457を作動させ且つ第2発振器を作動させない第1状態に設定され、非同期通信(例えば、UART通信)を行うユーザ機器120、詳しくはPC120Aに接続される場合には、第1発振器457及び第2発振器458の両方を作動させる第2状態に設定される。
【0062】
非同期通信のように、受信側にも基準クロック信号が必要な通信においては、送信側であるノード装置110のクロック信号を、受信側の基準クロック信号と厳密に合わせる必要はないものの、受信側が信号を適切に受信できるようなクロック信号とする必要がある。特にボーレートが高い場合には、許容できるクロック信号の幅も狭くなる。すなわち、通信を適切に行うことができるクロック信号が限定される。そのため、非同期通信を行うユーザ機器120にノード装置110が接続される場合には、有線通信に適した第2クロック信号をMCU451に供給し、無線通信に適した第1クロック信号を無線通信部452に供給する。こうすることで、有線通信及び無線通信の両方を適切に行うことができる。
【0063】
一方、同期通信のように、送信側のクロック信号を基準に受信側で信号が受信される通信の場合には、クロック信号はほとんど制約されない。そのため、同期通信を行うユーザ機器120にノード装置110が接続される場合には、無線通信に適した第1クロック信号をMCU451及び無線通信部452の両方に供給すると共に、第2発振器458への電力供給を停止する。こうすることで、有線通信及び無線通信の両方を適切に行うことができると共に、消費電力を低減することができる。
【0064】
特に、第2発振器458への電力供給を停止するノード装置110は、子ノード装置110Bである。子ノード装置110Bは、外部電源が無い場所に設置されることが多く、電池等の内部電源によって作動することがない。そのため、第2発振器458への電力供給を停止して、消費電力を抑制することは非常に有効である。
【0065】
《実施形態2》
前記実施形態1では、子ノード装置110Bは、ユーザ機器120と同期通信を行っているのに対し、実施形態2においては、子ノード装置110Bは、ユーザ機器120と非同期通信を行う点で異なる。
【0066】
実施形態2では、ノード装置110は、ボーレートが所定値よりも低いか否かによって第1状態と第2状態とを切り替える。つまり、ボーレートが低い場合には、UART通信における誤差が小さいため、許容できるクロック信号の幅が広い。そこで、所定値よりも低いボーレートで通信を行うユーザ機器120に接続されるノード装置110は、第1状態に設定する一方、所定値以上のボーレートで通信を行うユーザ機器120に接続されるノード装置110は、第2状態に設定する。所定値は、例えば、19200bpsであり得る。
【0067】
こうすることによって、クロック信号を有線通信と無線通信とで共用できる、又は、有線通信においてクロック信号が制約を受けないユーザ機器120にノード装置110が接続される場合には、第1発振器457だけを作動させることによって、消費電力を抑制しつつ、有線通信及び無線通信の両方を適切に行うことができる。一方、クロック信号を有線通信と無線通信とで共用できない、又は、有線通信においてクロック信号が制約を受けるユーザ機器120にノード装置110が接続される場合には、第1発振器457及び第2発振器458の両方を作動させることによって、有線通信及び無線通信の両方を適切に行うことができる。また、ノード装置110は、第2発振器458の作動及び停止を切り替えるだけで第1状態と第2状態とを切り替えることができるため、1種類のノード装置110で様々なユーザ機器120に対応して、有線通信を適切に行うことができる。
【0068】
《その他の実施形態》
本発明は、前記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0069】
前記ネットワークシステム100における、ノード装置110の個数及びユーザ機器120の個数は、前記実施形態に限られるものではない。ノード装置やユーザ機器は、任意の個数とすることができる。また、各ノード装置110には、必ず、ユーザ機器120が接続されている必要はない。
【0070】
また、前記実施形態では、基地局ノード装置110Aは1台であるが、これに限られるものではない。例えば、複数の基地局ノード装置110Aを設け、各基地局ノード装置110Aが子ノード装置110Bとで無線ネットワークを構成し、基地局ノード装置110A,110A同士を無線又は有線で結合するようにしてもよい。
【0071】
また、前記ノード装置110とユーザ機器120との接続関係は、1対1であるが、これに限られるものではない。すなわち、1つのノード装置110に接続されるユーザ機器120の台数は任意に設定され得る。
【0072】
前記ユーザ機器は、PCやセンサに限られるものではない。ユーザ機器は、表示機器等の電子機器であってもよい。
【0073】
また、前記の構成では、PC120Aがマスタ機として機能しているが、これに限られるものではない。マスタ機は、必ずしも、PCである必要はなく、計測機器の何れかであってもよく、PC以外のユーザ機器であってもよい。
【0074】
さらに、前記ネットワークシステム100においては、マスタスレーブ関係が成立しているが、これに限られるものではない。
【0075】
また、前記実施形態では、非同期通信の例として、UART通信について説明しているが、これに限られるものではない。UART通信以外の非同期通信を行う場合であっても、上記の構成を採用することができる。また、同期通信の例として、SPI通信及びI
2C通信について説明しているが、これに限られるものではない。SPI通信及びI
2C通信以外の同期通信を行う場合であっても、上記の構成を採用することができる。
【0076】
また、前記実施形態では、UART通信は、RS485の信号レベルに変換されて実行されているが、これに限られるものではない。すなわち、RS485以外の通信規格を採用することもでき、例えば、RS422、RS232C等の通信規格であってもよい。
【0077】
さらに、実施形態1と実施形態2とを組み合わせて、所定値以上のボーレートで非同期通信を行うユーザ機器120がノード装置110に接続される場合には、ノード装置110を第2状態に設定する一方、所定値よりも低いボーレートで非同期通信を行うユーザ機器120又は同期通信を行うユーザ機器120がノード装置110に接続される場合には、ノード装置110を第1状態に設定するように構成してもよい。かかる構成であれば、子ノード装置110Bであっても、該子ノード装置110Bに接続されるユーザ機器120が所定値よりも低いボーレートで非同期通信を行う場合には、該子ノード装置110Bは第2状態に設定される。つまり、基地局ノード装置110Aだけでなく、子ノード装置110Bの中にも第2状態に設定されるものが存在するようになる。さらには、基地局ノード装置110Aであっても、それに接続されるユーザ機器120が所定値よりも低いボーレートで非同期通信を行うか又は同期通信を行う場合には、該基地局ノード装置110Aは第1状態に設定される。
【0078】
また、前記実施形態は、第1発振器457と第2発振器458との2つの発振器を有しているが、3つ以上の発振器を備えることを排除するものではない。
【0079】
さらに、前記実施形態では、第2発振器458の作動及び停止を電源回路459により行っているが、これに限られるものではない。第2発振器458の作動及び停止を実行できる限り、任意の構成を採用することができる。
【0080】
また、前記実施形態における第1クロック信号及び第2クロック信号は一例である。第1クロック信号は、ノード装置110が採用する無線通信の周波数帯に応じて適宜設定し得る。第2クロック信号は、ノード装置110に接続されるユーザ機器120との間の有線通信の方式に応じて、さらには、ノード装置110が採用する無線通信に応じて適宜設定し得る。
【0081】
さらに、前記実施形態では、MCU451と無線通信部452とが1チップで構成されているが、MCU451と無線通信部452とが別々のチップで構成されていてもよい。
【0082】
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0083】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。