(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力手段は、前記位置に係る情報を他の情報処理装置に送信可能なサーバに前記変更した位置情報を送信することにより、当該位置を、前記他の情報処理装置を使用する前記他のユーザに確認可能とする、
請求項1記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の説明及び参照する図面の記載において、同一又は類似の構成には、それぞれ同一又は類似の符号が付されている。
(実施形態)
【0013】
図1乃至10は、実施形態を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って実施形態を説明する。まず「1」で実施形態全体の概要を示す。その上で、「2」でシステム構成を、「3」で処理の流れを説明する。「4」では、本実施形態に係る効果を説明する。最後に、「5」以降では、変形例に係る実施形態等を説明する。
【0014】
(1 概要)
(1.1 システム概要)
図1は、情報処理システムである情報処理サーバ100を含む通信システム1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、通信システム1は、情報処理サーバ100、携帯端末200(携帯端末200A乃至200Eを総称して携帯端末200という。)、及び基地局300を含む。情報処理サーバ100及び基地局300は、それぞれ公衆網Nに接続されている。尚、公衆網Nは、情報処理サーバ100及び携帯端末200が相互に通信できればどのような方式のネットワークでもよい。より具体的には、公衆網Nは、例えばインターネットの他、携帯電話網等であることが考えられる。
【0015】
ここで、通信システム1は、あるユーザが有する携帯端末200の位置情報を、他のユーザと共有することのできるシステムである。ここで、共有される位置情報は、現在位置情報であっても良いし、若しくは、過去の1以上の位置情報(複数の位置情報からなる位置情報の履歴。すなわち移動経路)であっても良い。
【0016】
より具体的な例を挙げると、携帯端末200A乃至200Eは、情報処理サーバ100からSNS(Social Networking Service)等の提供を受ける。携帯端末200を保有するユーザは、情報処理サーバ100が提供するSNS等を介して、ユーザの位置(ユーザが保有する携帯端末200の位置)や移動経路(ユーザが保有する携帯端末200の移動経路)等を、他のユーザに知らせることが可能となっている。尚、SNSによる位置又は移動経路の共有はあくまで具体例であり、この共有方法はSNSに限られるものではない。
【0017】
尚、
図1の例では、説明のため、位置情報を送信する側の携帯端末200A乃至200Cと、他のユーザの位置を表示する携帯端末200D及び200Eとを分けて示しているが、位置情報を送信する携帯端末200が、他のユーザの位置情報を受信して表示することも可能である。
【0018】
情報処理サーバ100は、ユーザが保有(携帯)する携帯端末200(
図1の例において、携帯端末200A乃至200Cのいずれか)から、例えば5分間隔等で位置情報(緯度経度情報)を受信することにより、ユーザの位置履歴情報133をデータベース(DB)130上で管理する。当該位置履歴情報133は、他のユーザの保有する携帯端末200(
図1の例において、携帯端末200Dまたは200E)からの要求に応じて、その少なくとも一部(最新の位置情報、つまり現在位置情報である場合も含む)が、表示用の位置情報として当該携帯端末200へと送信される。これにより、携帯端末200D、200Eを持つユーザは、携帯端末200A乃至200Cを持つユーザの現在位置や移動経路等の情報を知ることができる。
【0019】
携帯端末200は、図示しないユーザが持ち運び自在な可搬性の情報処理装置である。携帯端末200の具体例としては、例えば、携帯電話(いわゆるスマートフォンであるか、フィーチャーフォンであるかは問わない。)、ノートPC(Personal Computer)、PDA(Personal Data Assistance)等が考えられる。但し、位置を表示する情報処理装置である携帯端末200D及び200Eは、据え置き型の情報処理装置、たとえばデスクトップPC等であっても良い。携帯端末200は、通常、表示部及び入力部を備える。
【0020】
ユーザが保有する携帯端末200(
図1の例では、携帯端末200A乃至200C)は、例えば一定時間毎に自装置の位置(すなわちユーザの位置)に係る位置情報(緯度経度情報)を情報処理サーバ100へと送信する。ここで、携帯端末200は、衛星S1乃至S4(以下、衛星S1乃至S4を総称して「衛星S」ともいう。)から発信されている時刻や軌道に関する情報が重畳された伝播を受信することにより、自装置の現在位置に対応する緯度経度に関する位置情報を生成することのできるGPS(Global Positioning System)に対応している。これにより、携帯端末200は自装置の位置に係る位置情報を取得すると共に、情報処理サーバ100へと当該位置情報を送信することが可能となる。
【0021】
また、他のユーザが保有する携帯端末200(
図1の例では、携帯端末200D及び200E)は、情報処理サーバ100から受信した表示用位置情報に基づき、携帯端末200A乃至200Cを保有するユーザの現在位置や移動履歴等の情報を表示することができる。携帯端末200D及び200Eによるこの表示の方法はいくつか考えられる。例えば地図上に位置を示しても良いし、緯度経度や近隣の建造物等の文字列情報として表示しても良い。
【0022】
ここで、ユーザの保有する携帯端末200の位置情報を全て他のユーザと共有可能としてしまうと、ユーザの自宅や勤務先といった個人情報が他のユーザに特定されてしまう。そこで本実施形態では、自宅や勤務先といった個人情報に関わる位置に係る情報は、精度を落とした形で、他のユーザと共有できるようにする。
【0023】
(1.2 位置の表示方法の具体例)
精度を落とした位置情報の表示方法の具体例を、
図2及び
図3を参照しながら説明する。
図2及び
図3は、携帯端末200での経路に係る位置情報の地図上への表示方法の具体例を示す図である。まず、
図2について説明する。
【0024】
図2において、当該位置情報にかかるユーザは、地点21に居住しているものとする。地点21の情報は、ユーザのプライバシーの保護のため、表示画面20上には表示されない。
【0025】
経路表示画像23は、携帯端末200A乃至200Cのいずれかを保有するユーザの移動経路を地図上に示すための画像である。当該経路表示画像23は、他のユーザが保有する携帯端末200D及び200Eの表示画面20上に表示される。これにより、当該他のユーザは、携帯端末200A乃至200Cのいずれかを保有するユーザの移動経路を知ることができる。
【0026】
範囲表示画像25は、携帯端末200A乃至200Cのいずれかを保有するユーザが、当該範囲表示画像25で示される領域(エリア)内を移動した場合に表示される画像である。つまり、当該領域内に関しては、この範囲表示画像25以上の詳細な情報が他のユーザに公開されることはない。これにより、ユーザの個人情報が必要以上に特定されることを防ぐことが可能となる。
【0027】
ここで、範囲表示画像25は、地点21を含む建物のみならず、その近傍の複数の建物を含む範囲(エリア)を含むように設定されている。また、範囲表示画像25が示す略円状の領域の中心は、地点21からずれた位置となっている。このように範囲表示画像25を設定することにより、ユーザの個人情報の特定を一層困難にしている。
【0028】
尚、
図2の例では、範囲表示画像25は地点21を含む円状となっているが、これに限られるものではなく、例えば、範囲表示画像25の形状を四角形等の他の形状にしたり、大きさを変更したりといった変更を加えることも可能である。
また、これらの範囲表示画像25の大きさや形状等を、ユーザが個別に指定できるようにしても良い。更に、この指定の際に、位置を見せる相手ユーザに応じて、範囲表示画像25の大きさや形状等を変えられるようにしても良い。このようにすれば、例えば、頻繁に自宅へ招く程親しい相手ユーザに対しては、特に範囲表示画像25を表示させることなく地点21を特定可能な形で見せ、一方で、会社でのみ付き合う仕事仲間に対しては、近隣の駅が特定できる程度の広い範囲を示すように範囲表示画像25を設定する、といったことが可能となる。
【0029】
次に、他の位置情報の表示方法を、
図3を参照しながら説明する。
図3の例においても、ユーザの自宅が地点21にあるものとする。
図3の例では、実際にユーザの自宅がある地点21を、地点27に変更して表示画面20上に表示される。つまり、表示画面20上には、道路上のみの移動経路を示す経路表示画像23(実際の自宅がある地点21を経由しない経路)として表示される。更に、この変更後の地点27は、道路上、更には他の建物からほぼ等間隔にある交差点上に配置されている。これにより、他のユーザが表示画面20を見たとしても、ユーザがどの建物に居住しているのかを特定することが困難となる。また、地点27を道路上とすることで、誤った建物にユーザが居住していると誤解されることも防ぐことが可能となる。更に、地点27を交差点上とすることで、単に道路上に地点27を配置した場合よりも居住建物の候補の数を増やすことができるため、単に道路上に位置を変更する場合よりも、ユーザの居住地を特定されづらくすることができる。
【0030】
尚、上記
図2及び
図3に係る説明では、携帯端末200が移動経路を表示する場合を例に説明したが、位置の表示方法はこれに限られるものではない。例えば、現在位置の表示の際にも、
図2や
図3に準じた表示が可能である。
【0031】
(2 システム概要)
(2.1 装置構成)
以下、
図4を参照しながら、本実施形態に係る通信システム1の装置構成を説明する。
図4は、本実施形態に係る通信システム1の装置構成を示すブロック図である。尚
図4の例において、基地局300は記載を省略している。また、携帯端末200は、位置情報を送信する機能と受信する機能とを両方備えているものとして説明する。
【0032】
まず、情報処理サーバ100について説明する。情報処理サーバ100は前述の通り、携帯端末200から位置情報を受信すると共に、当該位置情報をユーザ毎に管理するための位置履歴情報133をデータベース130上に管理する。当該位置履歴情報133に含まれる情報は、位置情報の発信元である携帯端末200とは異なるユーザが保有する携帯端末200に対して情報処理サーバ100から送信可能である。これにより、あるユーザの位置情報(行動履歴を示す場合も含む)が、他のユーザが確認できるようになっている。このような機能を実現するために、情報処理サーバ100は、制御部110、通信部120、及びDB130を有する。尚、情報処理サーバ100の機能は、1台の情報処理装置として実装することも可能であるし、2以上の情報処理装置(サーバも含む)を組合せた情報処理システムとして実装することも可能である。
【0033】
制御部110は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)111及びメモリ113を含む。制御部110では、メモリ113にプログラム(ソフトウェア)を記憶し,CPU111上で当該プログラムを実行することにより、情報処理サーバ100上の各種機能を実行する。例えば、携帯端末200から受信した位置情報をDB130上に位置履歴情報133として記憶したり、携帯端末200から要求された位置履歴情報133に含まれる情報や地図情報131を当該携帯端末200へ送信したりといった処理を、制御部110が制御する。制御部110での機能処理に関しては、
図5を参照しながら「2.2」で後述する。
【0034】
通信部120は、携帯端末200等の各種情報処理装置と公衆網Nを介して通信するための通信インタフェースである。通信部120は、例えば、携帯端末200からの位置情報の受信や、携帯端末200への表示用の位置情報(例えば、位置履歴情報133の一部)や、地図情報131等を送信する。
【0035】
DB130は、地図情報131や位置履歴情報133等を管理する。地図情報131は、携帯端末200からの要求に応じて、適当な範囲、及び縮尺の地図画像を当該携帯端末200へ送信するための各種情報が格納されるデータベースである。
【0036】
位置履歴情報133は、ユーザ毎(ユーザが保有する携帯端末200毎)の移動履歴を管理する。本実施形態では、携帯端末200から定期的に送信される位置情報の履歴を、位置履歴情報133が管理する。位置履歴情報133の具体例は、
図5を参照しながら「2.3」で説明する。
【0037】
次に、携帯端末200の構成を説明する。携帯端末200は、
図4に示すように、主制御部210、無線通信部220、入力部230、表示部240、及びセンサ250を含む。
【0038】
主制御部210は、携帯端末200における各種処理を制御する。主制御部210は、CPU211及びメモリ213(揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含む。)を含む。主制御部210では、メモリ213の記憶領域に各種アプリケーション等のプログラムを格納したり、CPU211が当該アプリケーション等のプログラムを実行したりすることにより、携帯端末200における各種機能を実現できる。より具体的には、主制御部210は、GPS受信機253により取得できる位置情報の情報処理サーバ100へ送信したり、情報処理サーバ100から受信した地図情報131及び表示用の位置情報に基づき、
図2や
図3に例示したような表示画面20を表示したりする。
【0039】
無線通信部220は、公衆網Nを介して他の情報処理装置との間でデータを送受信(通信)できる。より具体的には、例えば無線通信部220は、情報処理サーバ100へ現在位置情報を送信する。
【0040】
入力部230は、携帯端末200に対するユーザからの各種入力を受け付けるモジュールである。入力部230は、例えば入力キーやタッチパネル等を含むことが考えられる。この他、入力部230は、ユーザからの音声を受け付けて入力情報として主制御部210へ出力する機能を有しても良い。
【0041】
表示部240は、例えは、他のユーザ(他のユーザが保持する携帯端末200)の位置や移動履歴等を地図上に表示する表示画面20等の各種情報を表示することにより、当該各種情報をユーザへ提示するための、例えばディスプレイ装置である。
【0042】
センサ250、携帯端末200のユーザの移動状態に応じて変化する検出信号等を出力する。センサ250は、例えば、加速度センサ251やGPS受信機253を含む。具体的には、センサ250から出力される検出信号には、加速度センサ251から出力される加速度を示す加速度情報や、GPS受信機253から出力される携帯端末200の現在位置を示す位置情報(緯度経度情報)等が含まれる。尚、位置情報は、高度に係る情報を含んでも良い。
【0043】
(2.2 ソフトウェアの機能構成)
次に、
図5を参照しながら、情報処理サーバ100のソフトウェアの機能構成を説明する。
図5は、情報処理サーバ100の制御部110上で動作するソフトウェアの構成を模式的に示す機能ブロック図である。制御部110で動作するソフトウェアは、位置情報受信部114、位置情報変更部115、変更条件設定部116、及び表示用位置情報送信部117、地図情報送信部118を含む。
【0044】
位置情報受信部114は、ユーザが保有する携帯端末200から送信される位置情報を受信すると共に、当該情報をDB130の位置履歴情報133として管理する。
【0045】
位置情報変更部115は、後述する変更条件設定部116が設定した条件に合致する位置情報に対して、位置情報の精度を落とす(位置情報の内容を変更する)処理を行う。より具体的には、例えば、ユーザの自宅や職場の近辺といった極めてパーソナルな領域が条件として設定されている場合には、位置情報変更部115は、その領域内の位置情報に対しては、例えば
図2に示したように領域(範囲)として位置を示すように変更したり、
図3に例を示したように道路上や交差点上の位置にマッピングした位置を示すように変更したりといった処理を行うことで、元の位置(自宅や職場の位置)が特定されにくくする。
【0046】
変更条件設定部116は、先述の位置情報変更部115が位置情報を変更する条件を設定する。この条件の設定は、ユーザが携帯端末200を操作することにより、情報処理サーバ100上に設定するようにしても良いし、或いは、情報処理サーバ100の管理者が設定するようにしても良い。
【0047】
自宅や勤務先といった、位置情報の精度を落とす具体的な位置や領域の指定方法も、いくつか考えられる。例えば、ユーザが緯度経度を指定したり、或いは地図上の位置や領域を指定したりすることが考えられる。若しくは、位置履歴情報133を解析することにより、自宅や職場を推定した上で(例えば、1週間のうち、夜間の滞在時間の長い地点は自宅、平日昼間に長時間滞在する地点は勤務先と推定できる)、その地点の周囲を精度を落とす領域とすることも考えられる。
【0048】
更に、前述のように、相手ユーザに応じて、位置の精度の落とし方を指定できるようにしても良い。この場合、各ユーザを識別するための識別情報等を元に、公開先の相手ユーザ毎に落とす精度の大小や範囲の指定等をユーザが指定することとなる。
【0049】
表示用位置情報送信部117は、携帯端末200からの要求に応じて、当該携帯端末200の保有者以外のユーザの現在位置や行動履歴を当該携帯端末200上に表示できるようにするために、位置履歴情報133の少なくとも一部に係る表示用の位置情報を送信する。
【0050】
地図情報送信部118は、携帯端末200からの要求に応じて、要求された位置(範囲)及び縮尺の地図情報131を携帯端末200へと送信する。表示用位置情報送信部117が送信する、他のユーザ(他のユーザが保有する携帯端末200)の位置若しくは移動履歴に係る表示用位置情報と、地図情報送信部118が送信する地図情報131とに基づき、携帯端末200は、
図2や
図3に具体例を示した表示画面20を表示部240上に表示させることが可能となる。
【0051】
(2.3 位置履歴情報)
以下、本実施形態における位置履歴情報133の具体例を説明する。
携帯端末200が送信する位置情報に基づいて、位置情報受信部114がDB130に格納する位置履歴情報133は、
図6に示す通り、端末ID、座標情報(緯度経度情報)、及び測位時刻の情報を含む。この位置履歴情報133のうち、特定の携帯端末200の端末IDを持つ、特定の時間帯若しくは時刻(現在時刻に最も近い時刻も含む)の位置情報のみを抽出し、それを表示用の位置情報として携帯端末200へと送信することで、当該抽出した端末IDに係る携帯端末200を保有するユーザの行動履歴や位置情報を表示させることが可能となる。
【0052】
また、位置履歴情報133に格納されているのは、位置情報変更部115が変更した後の位置情報であるので、自宅周辺や職場周辺等の条件に合致する位置については、精度の落ちた位置(変更された位置(位置を範囲に変更する場合も含む))が表示されることになる。これにより、ユーザの自宅位置や職場位置等が特定されることを防ぐことができる。更に、精度は落ちるとはいえ、範囲や位置は表示されるため、全く位置情報が表示されないといった事態も防ぐことができる。
【0053】
(3 処理の流れ)
(3.1 位置情報の受信)
以下、
図7を参照しながら、情報処理サーバ100による位置情報受信に係る処理の流れを説明する。
図7は、情報処理サーバ100による位置情報受信に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
尚、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができ、また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することもでき、便宜上複数に分けて記載されているステップを1ステップとして実行することもできる。
【0055】
位置情報受信部114は、携帯端末200から定期的(例えば、5分毎)に位置情報を受信する(S701)。位置情報変更部115は、受信した位置情報は変更条件設定部116により設定された条件(例えば、自宅から一定範囲内等)に合致するか否かを判別する(S703)。もし、受信した位置情報が条件に合致する場合には(S703のYes)、当該位置情報に、位置の精度を下げる処理(位置情報を変更する処理)を加えた上で(S705)、当該位置情報をDB130に位置履歴情報133として登録する(S707)。一方、S703で条件に合致しなかった場合には(S703のNo)、当該位置情報を、そのままDB130に位置履歴情報133として登録する(S707)。
【0056】
(3.2 表示用位置情報の送信)
続いて、
図8を参照しながら、情報処理サーバ100による位置情報送信に係る処理の流れを説明する。
図8は、情報処理サーバ100による位置情報送信に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【0057】
表示用位置情報送信部117及び地図情報送信部118は、携帯端末200から、表示用の位置情報や地図情報131の取得要求を受信したか否かを判別する(S801)。もし、取得要求を受信した場合には、表示用位置情報送信部117及び地図情報送信部118はそれぞれ、携帯端末200から要求された条件に合致する位置情報や地図情報131をDB130から抽出する(S803)。そして、表示用位置情報送信部117及び地図情報送信部118は、抽出した位置情報や地図情報131を、要求を受けた携帯端末200へと送信する(S805)。
これにより、携帯端末200は、
図2や
図3に例示した、他のユーザに係る現在位置や移動履歴を表示部240上に表示させることが可能となる。
【0058】
(4 本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係る通信システム1は、あるユーザが有する携帯端末200の位置情報を他のユーザと共有することにより、当該他のユーザが保有する携帯端末200(据え置き型の端末であることも考えられる)上に位置や行動履歴を表示させることができる。
【0059】
さらにこのとき、
図2や
図3に例示したように、自宅や勤務先の周辺といった特定の条件に合致する領域に関しては、位置表示の精度を落として表示される。これにより、自宅や勤務先といった極めてプライベートな情報が、他のユーザに特定される可能性を抑制することが可能となる。
【0060】
(5 変形例)
上記実施形態では、情報処理サーバ100上で位置情報の精度を落とす(位置情報を変更する)処理を行なっていたが、これに限られるものではない。例えば、携帯端末200が位置情報の送信時に、条件に合致する位置情報の精度を落としたり、若しくは、携帯端末200が、位置情報の表示時に、条件に合致する位置情報の位置表示の精度を落としたりすることも考えられる。以下、この点を説明する。
【0061】
尚、以下の説明において、上記実施形態と同様の構成については、同一の符号を付すとともに説明を省略している。また、同様の作用効果についても、説明を省略している。
【0062】
(5.1 変形例1)
まず、携帯端末200が位置情報の送信時に、条件に合致する位置情報の精度を落とす場合について説明する。
図9は、携帯端末200が位置情報の送信時に、条件に合致する位置情報の精度を落とす場合の、携帯端末200の機能構成を示す図である。尚、ハードウェア構成は、上述の
図4と同様であるので説明を省略する。
【0063】
本変形例に係る携帯端末200は、例えば主制御部210上で、位置情報取得部214、位置情報変更部215、変更条件設定部216、及び表示用位置情報送信部217を含む。
【0064】
位置情報取得部214は、GPS受信機253を用いて、携帯端末200の位置情報を、例えば5分おきに取得する。尚、この取得間隔は5分おきでなくともよく、また、携帯端末200が移動していない(加速度がかかっていない)とかんがえられる場合には、位置情報を取得しないようにしても良い。この点、上記実施形態も同様である。
【0065】
位置情報変更部215は、上記実施形態の位置情報変更部115と同様、位置情報取得部214が取得した位置情報が、変更条件設定部216が設定した条件に合致する場合に、その位置情報が示す位置を変更する。これにより、例えば自宅周辺や勤務地周辺が条件として設定されている場合には、それらの位置が特定されないように、位置情報取得部214が取得した位置情報を、範囲を示したり、もしくはその近傍の異なる位置を示したりするように、変更する。
【0066】
変更条件設定部216の処理は、上記実施形態の変更条件設定部116の処理と同様である。位置情報変更部215が変更する位置情報の条件(例えば、自宅周辺や勤務地周辺、最寄り駅周辺など)を設定する。
【0067】
表示用位置情報送信部217は、位置情報変更部215で変更した後の位置情報を、情報処理サーバ100へと送信する。これにより、当該位置情報を情報処理サーバ100を介して取得する、他の携帯端末200は、
図2や
図3に例示した表示画面20を表示部240上に表示することが可能となる。
【0068】
(5.2 変形例2)
次に、携帯端末200が位置情報の表示時に、条件に合致する位置情報に係る位置表示の精度を落とす場合について説明する。
図10は、携帯端末200が位置情報に係る位置表示時に、条件に合致する位置情報の精度を落とす場合の、携帯端末200の機能構成を示す図である。尚、ハードウェア構成は、上述の
図4と同様であるので説明を省略する。
【0069】
本変形例に係る携帯端末200は、例えば主制御部210上で、位置情報受信部218、位置情報変更部215、変更条件設定部216、及び表示制御部219を含む。
【0070】
位置情報受信部218は、ユーザからの要求に応じて、情報処理サーバ100へ緯度経度や縮尺を指定した地図情報131の取得要求と、位置情報の取得要求とを行う。尚、この時点において、位置情報は、対象となる携帯端末200がGPSを元に取得し、情報処理サーバ100が受信したものであり、変更などは加えられていない。
【0071】
位置情報変更部215及び変更条件設定部216の処理は、上記変形例1と同様であるので説明を省略する。但し、変更条件設定部216に対して条件の設定を行うのは、例えば情報処理サーバ100側からの要求であったり、若しくは予めソフトウェアのインストール時に設定された条件であったりすることが考えられる。
【0072】
表示制御部219は、位置情報変更部215が精度を落とした位置情報に基づき、
図2や
図3に例を示した表示画面20を表示部240上に表示することが可能となる。
【0073】
(6 付記事項)
尚、前述の各実施形態の構成は、組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。また、本発明の構成は前述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。