特許第6017896号(P6017896)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017896
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】アラビノースの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C13K 13/00 20060101AFI20161020BHJP
   C07H 3/02 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   C13K13/00
   C07H3/02
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-195989(P2012-195989)
(22)【出願日】2012年9月6日
(65)【公開番号】特開2014-50335(P2014-50335A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100126985
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 充利
(74)【代理人】
【識別番号】100126169
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 淳子
(72)【発明者】
【氏名】八代 洵
(72)【発明者】
【氏名】町田 誠
(72)【発明者】
【氏名】飯森 武志
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 勇雄
【審査官】 原 大樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−523349(JP,A)
【文献】 特開2010−166831(JP,A)
【文献】 特開2005−023041(JP,A)
【文献】 特開2000−336036(JP,A)
【文献】 特開2009−077697(JP,A)
【文献】 特開2006−141244(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/067795(WO,A1)
【文献】 米国特許第04816078(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C13K 1/00−13/00
C12P 1/00−41/00
B09B 1/00−5/00
B09C 1/00−1/10
C07H 1/00−99/00
MEDLINE/BIOSIS/EMBASE/WPIDS/WPIX/CAplus/FSTA/FROSTI(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
160〜190℃の熱水中で0.3〜3.0時間、カラマツおよび/またはアカマツを水熱処理してアラビノース含有液を得ることを含み、カラマツおよび/またはアカマツ1重量部(絶乾重量)に対して2〜5重量部の熱水を使用する、アラビノースの製造方法。
【請求項2】
カラマツおよび/またはアカマツ1重量部(絶乾重量)に対して2〜3.5重量部の熱水を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
水熱処理を0.5時間以上行う、請求項1または2に記載の方法
【請求項4】
前記アラビノース含有液のpHが2〜6である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
カラマツおよび/またはアカマツが、目開きが20mmの金網を通過するが、目開きが5mmの丸網は通過しないサイズのチップである、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針葉樹材からアラビノースを製造する方法に関する。特に本発明は、針葉樹材に含まれるヘミセルロースから、精製の容易なアラビノース含有液を得る方法に関する。
【従来の技術】
【0002】
アラビノースは、難消化性のノンカロリー五炭糖で、蔗糖の60%の甘味度を有する。近年、アラビノースには、小腸のショ糖分解酵素を阻害することにより、ショ糖摂取時の血糖値やインシュリンの上昇を抑制し、しかも効果が持続的に続くセカンドミール効果も有することが判り、注目されている。
【0003】
アラビノースを生産する技術として実用化されているものとしては、とうもろこし外粒皮や穂軸を特殊な酸で加水分解・精製する方法(特許文献1)やビートパルプを酵素で加水分解・精製する方法(特許文献2)がある。しかし、これらの方法ではアラビノースを得る為にデンプンやショ糖を採取した残渣から抽出後、さらに加水分解処理をする必要があり、分解時に抽出される不純物も複雑多岐にわたるため、その後の分離・精製工程が複雑となる。その結果、製品アラビノースは、現状非常に高価なものとなっており、普及の妨げとなっている。
【0004】
その他の製造方法としては、グルコースを次亜塩素酸で変換する方法(非特許文献1)もあるが、この方法は複雑であり、生成したアラビノースは合成物となり天然物とは言えない。
【0005】
一方、できるだけアラビノース純度(含量)の高い抽出液を得る方法としては、とうもろこしの場合、篩を用いてアラバマン含量の多い区分を集め、これを酸や酵素で分解してアラビノース含有液を得る方法(特許文献3)、また、鉱酸を用いてオレンジファイバー、みかんジュース粕等を70〜150℃で加水分解してアラビノースを製造する方法(特許文献4)が提案されている。
【0006】
また、アラビノースをその構造に含むヘミセルロースは、木本類、特に針葉樹中に多く含まれていることが知られている。木本類を原料としてアラビノースを製造する技術として、特許文献5では、木本類のスルフィット(亜硫酸)蒸煮リカーから、クロマトグラフィー擬似移動床によってアラビノースを分離・精製することが検討されている。しかし、木本類のスルフィット蒸煮リカー中にはアラビノース以外の糖やリグニン物質が多く溶出しており、蒸煮リカーからアラビノースを分離することが複雑なため、実用に供されていないのが実情であった。
【0007】
ヘミセルロースの糖化については、加圧熱水処理後に機械粉砕・酵素糖化する方法(特許文献6)、熱水処理後に過酸化水素処理・酵素分解を行って糖化する方法(特許文献7)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11-313700号公報
【特許文献2】特開2001-286294号公報
【特許文献3】特許第4660457号公報
【特許文献4】特開2009-273398号公報
【特許文献5】特許第4924964号公報
【特許文献6】特開2006-136263号公報
【特許文献7】特開2007-74993号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】J. Am. Chem. Soc., 81, 3136 (1959)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、針葉樹は、アラビノースをその構造に含むヘミセルロースを比較的多く含むため、針葉樹材を原料としてアラビノースを製造できれば極めて有用である。しかしながら、アラビノースは、とうもろこしなどの草本類を原料として製造されることが一般的であり、従来、木本類を原料として効率よくアラビノースを製造する技術は知られていなかった。
【0011】
このような状況に鑑み、本発明の課題は、針葉樹材を原料として効率的にアラビノースを製造する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者等は鋭意検討の結果、針葉樹材を、特定の温度の加圧熱水で処理する事により、木材中に含有されるヘミセルロースからアラビノースを定量的かつ選択的に加水分解し、アラビノースが多く含まれる抽出液が得られる事を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0013】
すなわち、マツ属に代表される針葉樹木材を、160〜190℃程度の熱水で0.3〜3時間処理すると、針葉樹材に含まれる木材ヘミセルロース中のアラビノースが高い収率で単糖として加水分解・抽出され、アラビノースの精製に適した溶液が得られる。
【0014】
以下に限定されるものではないが、本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 針葉樹材を、温度160〜190℃の水中で0.3〜3.0時間処理してアラビノース含有液を得ることを含む、アラビノースの製造方法。
(2) 針葉樹材1重量部(絶乾重量)に対して2〜5重量部の水を使用する、(1)に記載の方法。
(3) 針葉樹材がマツ属である、(1)または(2)に記載の方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、針葉樹材を原料として効率的にアラビノースを製造することができ、本発明によって初めて、木質バイオマスからアラビノースを実用的に製造することが可能になった。特に本発明によって得られる抽出液は、特許文献5〜6などの従来技術と比較して、アラビノース含有量が高く、アラビノース以外の単糖類やリグニン類の含有量が格段に少ないため、アラビノースを精製し易い。特に本発明によれば、化学的な薬品を使用せずとも、針葉樹に含まれるヘミセルロースから選択的にアラビノースを得ることができる。
【0016】
また、本発明によって処理された針葉樹材の抽出残渣は、そのままパルプ原料或いは高純度セルロース原料とする事が出来るため、資源の有効活用という観点からも有用である。
【0017】
さらに、本発明は、とうもろこしやビート糖残渣をわざわざ酵素・酸で加水分解する方法と比較して工程的に簡略であり、実用性も高い。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、原料として針葉樹材を用いる。針葉樹は、比較的アラビノースが多く含まれるヘミセルロースを含有するため、アラビノースの製造原料として好適である。針葉樹の例としては、エゾマツ、トドマツ、アカマツ、クロマツ、カラマツ、スギ、ヒノキ、西洋カラマツ、ラジアータパイン、ブラックスプルース、ホワイトスプルース、ウェスタンヘムロック、サザンパイン、バルサムファー、ラーチ、ジャックパイン、ダグラスファー等が挙げられる。産地は特に制限されず、日本産であっても外国産であってもよい。カラマツ、アカマツ、スギ等が、本発明の実施に適している。
【0019】
従来、アラビノースを側鎖に含むヘミセルロースを多く含有する木材として、マツ属の木材が知られていたが、とうもろこし外皮やビートパルプと比較すると含量は少ない。また、草本類と比較して木本類からアラビオースを抽出することは難しく、また、木材を酸加水分解すると大量のグルコースや木材抽出成分を同伴してしまうことから、これまで、アラビノース原料としての木材の検討は殆ど行われてこなかった。
【0020】
本発明によれば、針葉樹材から効率的にアラビオースを得ることができるが、その理由は以下のように推定される。すなわち、とうもろこしなどの禾本科バイオマスや広葉樹材と比較して、針葉樹材にはアラビノースを側鎖に持つアラビノガラクタンが多く含まれており、さらに、これらのアラビノガラクタンはいずれも側鎖末端に露出した形で結合しているため加水分解され易いものと推定される。一方、現在、アラビノースの生産に一般的に用いられている禾本科バイオマス類では、酵素処理や酸処理による単糖化が必要となることが多いが、これは、禾本科バイオマス類では、側鎖アラビノースの先にクマル酸やフマル酸が結合している場合が多く、これが保護基となるために分解し難くなっているものと推定される(加藤陽治等編『植物細胞壁と多糖類』培風館)。
【0021】
また、本発明においては、水熱処理の間に発生する酢酸が重要な役割を果たしている可能性が考えられる。すなわち、針葉樹材の水熱処理によって生成する酢酸の量は、広葉樹材の水熱処理によって生成する酢酸の量の1/2〜1/3程度と少ないため、過分解が生じにくい。そのため、針葉樹材を原料として特定の条件で水熱処理を行う本発明によれば、定量的にアラビノースを得ることができるものと推測される。
【0022】
本発明においては、針葉樹材を有る程度の大きさ以下にして用いることが好ましい。すなわち、針葉樹材をチップ化または粉末化して用いると、効率的にアラビノースを得ることができる。針葉樹材の大きさとしては、パルプや製紙用途として一般的な大きさ(例えば、木目方向の長さ15〜20mm、幅12〜25mm、厚さ10mm以下程度)でも構わないが、熱水を浸透しやすくして抽出や加水分解効率を上げるため、一辺が3〜6mmの大きさにすることが望ましい。
【0023】
本発明では、このような針葉樹材に対して特定の条件で水熱処理を行う。木材に対する高温・高圧水による処理は、木材のセルロースからバイオエタノール原料となるグルコースを製造する方法として検討されており、セルロースのグルコースへの単糖化には、180〜450℃、1.0〜100MPaの高温・高圧熱水が適しているとされる。しかし、本発明者らの検討によると、ヘミセルロースにこの条件を適用すると過分解が多く生じてしまい、ヘミセルロースの単糖化に適するものではない。
【0024】
また、「加圧熱水を用いた木質バイオマスの分解挙動」(鹿児島県工業技術センター研究報告、45〜51頁、No14、2000年)や「木質資源の加圧熱水処理技術」(鹿児島県工業技術センター、平成11年度研究結果発表会)では、熱水の温度が180℃未満であると溶出する単糖の主体は細胞内に含まれる糖類であると推定されており、180℃以上の処理によって単糖まで加水分解されると推定されている。
【0025】
本発明において抽出に使用する水はどのようなものでも構わないが、硬度の低い水のほうが良好な抽出・加水分解効果が得られる。硬度の範囲は特に制限されないが、100以下であることが好ましく、50以下であるとより好ましい。
【0026】
原料である針葉樹材に対する水の量は、針葉樹材の絶乾重量に対する水の割合を液比とすると1〜10の範囲が好ましく、遊離してくる酢酸の加水分解に適した濃度という観点及び出来るだけ高い糖濃度を得る目的から、液比は2〜5がより好ましく、2.5〜3.5が特に適している。液比が低くなりすぎると効率的な抽出が困難であり、液比が高くなりすぎると抽出液の濃度が薄まり以後の工程で不利となる。
【0027】
また、本発明の水熱反応における熱水の温度は、160〜190℃の範囲であり、165〜185℃が好ましい。熱水の温度が低すぎるとオリゴ糖が残存してしまう一方、熱水の温度が高すぎると過分解が進行してアラビノースの収率が低下する。樹種によって若干の差があるが、総じて165〜185℃が抽出・加水分解が確実に進行し、且つ過分解が少ない条件として推奨される。
【0028】
本発明における水熱反応の処理時間は、0.3〜3.0時間である。バッチ式の場合と連続式の場合、及び昇温時間などによって、アラビノースの収率が若干異なってくるものの、0.3時間〜3時間の処理時間であればアラビノースを効率的に得ることができ、0.5〜2.5時間が好ましく、0.5〜1.5時間がより適している。
【0029】
本発明によって得られた抽出液は、アラビノースを多く含有しており、pHは2〜6程度、典型的には3〜4程度となる。本発明によれば、針葉樹材に含まれる木材ヘミセルロース中のアラビノースを、例えば、70%以上、80%以上、さらには90%以上という高い収率で回収することができる。
【0030】
本発明においては、この抽出液をさらに精製して、アラビノースを得ることができる。すでに述べたように、本発明によれば、アラビノース以外の単糖類や夾雑物の含量が少ない抽出液が得られるため、抽出物の精製が容易であり、従来技術と比較して有利である。例えば、本発明の抽出液からアラビノースを分離・精製する方法としては擬似移動床を利用した分離方法が特に適している。また、本発明においては、溶解クラフトパルプの製造における加水分解処理(前加水分解処理)の際の抽出液も利用できる。
【実施例】
【0031】
以下に実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明の技術範囲が本実施例により限定されるものではない。
実験1
日本産カラマツ(アラビノガラクタン含量5%、アラビノガラクタン中のアラビノース含量25%)を原料として水熱処理を行い、生成する各種単糖類の量を測定した。
【0032】
日本産カラマツのチップ(約5〜20mm)に、対絶乾チップ重量あたり5倍量の水を添加し、180℃にて0.5〜3時間、密閉した蒸解釜中で水熱処理を行った。
得られた処理液について、アラビノース、キシロース、ガラクトース、マンノース、グルコースの抽出率を測定した。また、抽出液のpHは約3.5だった。抽出率(%)とは、抽出液中の各単糖量/原料木材中の各単糖量×100、という式で表される。糖の定量は、常法によりイオンクロマトグラフ(日本ダイオネクス社製)を用いて行った。原料木材に含まれるそれぞれの単糖の量については、木材を酸加水分解した後に、イオンクロマトグラフにて測定した。
【0033】
結果を以下のグラフに示す。
【0034】
【化1】
【0035】
実験2
パルプ用アカマツチップ(約5〜20mm)を精選したチップを原料として水熱処理を行い、アラビノースを含有する抽出液を得た。精選チップは、目開きが約20mmの金網を通過するが、目開きが約5mmの丸網は通過しないサイズである。
【0036】
実験用蒸解釜(2.5L容)に、上記精選チップ300g、対絶乾チップ1重量部あたり(チップ中水分を含め)3重量部の水(液比3.0)を投入した。ハット社製マルチダイジェスターを用いて、密閉した実験用蒸解釜を加温し水熱処理を行った。具体的には、1時間で各々150℃、180℃、200℃まで昇温させ、その後1時間その温度を保持して水熱処理を行った。処理後、急冷し、処理液をろ過して抽出液を採取した。
【0037】
また、比較例として、同じアカマツチップを亜硫酸マグネシウム蒸解法で蒸解した。具体的には、液比4.0でチップと水を蒸解釜に投入し、亜硫酸濃度を5.49w/v%に調整し、酸化マグネシウムを添加してpHを1.29にした。次いで、ハット社製マルチダイジェスターを用いて、140℃で4時間蒸解した。蒸解後、処理液をろ過して抽出液を採取した。
【0038】
得られた抽出液について、アラビノース濃度及び固形分濃度を実験1と同様にして測定した。また、抽出液のpHは2.0だった。
【0039】
【表1】
【0040】
結果を表1に示す。表1に示されるように、本発明によれば、アラビノース濃度が高く、雑抽出物が少ない抽出液が得られ、固形分濃度あたりのアラビノース量も大きかった。一方、亜硫酸蒸解法では、アラビノース濃度の高い抽出液が得られたものの、固形分濃度が極めて高くなり、精製用には適さないことが判る。
【0041】
実験3
パルプ用カラマツチップ(約5〜20mm)を精選したチップを原料として水熱処理を行い、アラビノースを含有する抽出液を得た。精選チップは、目開きが約20mmの金網を通過するが、目開きが約5mmの丸網は通過しないサイズである。
【0042】
実験用蒸解釜(2.5L容)に、上記精選チップ300g、対絶乾チップ1重量部あたり(チップ中水分を含め)3重量部の水(液比3)を投入した。ハット社製マルチダイジェスターを用いて、1時間かけて170℃まで昇温し、30分〜4時間、170℃にて水熱処理を行った。処理後、急冷し、処理液をろ過して抽出液を採取した。
【0043】
得られた抽出液について、アラビノース濃度及び固形分濃度を実施例1と同じく測定した。また、抽出液のpHは約3.5だった。
【0044】
【表2】
【0045】
カラマツはアカマツより低い温度での抽出・加水分解が可能であった。また、量的にも対固形分純度的にも、より分離精製のし易い抽出液が得られた。