【実施例1】
【0020】
図1,
図5に示すように、クランプユニットCUは、4つのクランプ装置Cを1組としてワークパレット1cに組み付けて構成され、4つのクランプ装置Cが同期動作可能に構成されている。尚、クランプユニットCUは、単独のクランプ装置Cによって構成することも可能であり、また、複数のクランプ装置Cを1組として構成することも可能である。
【0021】
図2〜
図4に示すように、このクランプ装置Cは、クランプ本体1と、このクランプ本体1の上端部分の挿通孔1dを挿通して上方へ延びワークWの穴Hの内周面をグリップ可能なグリップ部材2と、このグリップ部材2に係合した鉛直方向に延びるクランプロッド3と、スクレーパ4と、クランプロッド3を昇降駆動するエアシリンダ5(駆動手段)と、サポート機構6と、エアブロー機構7(エアブロー手段)等を備えている。クランプ本体1は、上部本体1aと下部本体1bとで構成され、クランプ本体1がベース部材としてのワークパレット1cに組み付けられる。
【0022】
上部本体1aは平面視にて略矩形状をなし、この上部本体1aは、4つのボルト孔1eに挿入される4本のボルトでワークパレット1cに固定される。
下部本体1bはシリンダ穴11を形成する環状部材であり、この下部本体1bの上端部が上部本体1aの下端側の凹部12に嵌合され、複数のボルトにより上部本体1aに固定されている。クランプ本体1の上半部の中心部に上方へ細長く突出する円筒状の本体筒部1tが設けられている。
【0023】
本体筒部1tの上端部の中心部分の挿通孔1dを上下に貫通するようにグリップ部材2とクランプロッド3が配設されている。本体筒部1tの上面には、グリップ部材2を囲む4つの円弧状の着座面1sが形成され、これら着座面1sにワークWを着座させた状態で、ワークWをクランプする。本体筒部1tの上面には、エアブローされた加圧エアが流れる4つの凹溝1gが十文字状に形成されている。
【0024】
次に、グリップ部材2について説明する。
図3,
図4に示すように、グリップ部材2は、クランプロッド3と共にクランプ本体1の上端部分の挿通孔1dを挿通して上方へ延びワークWの穴Hの内周面をグリップ可能に構成されている。このグリップ部材2は、クランプロッド3の外周側に等間隔に配設された3つの鋼製のグリップ形成部材2aで構成されている。3つのグリップ形成部材2aは、外径が拡大・縮小可能である。グリップ形成部材2aの上部にはグリップ爪部2bが形成され、グリップ形成部材2aの下端部には円弧形の基端鍔部2cが形成されている。グリップ形成部材2aの下半部の内面には、クランプロッド3の軸心と平行なストレート平面2dが形成されている。
【0025】
グリップ爪部2bのクランプロッド3の軸心と直交する断面(水平断面)が、偏平D形に形成されている。グリップ形成部材2aの上端部から中段部にかけての内面には、上方程クランプロッド3の軸心Xから離隔するテーパ面2eが形成され、このテーパ面2eがクランプロッド3のテーパ部3aのテーパ面に密着状に係合可能である。グリップ爪部2bの外周面には、ワークWの穴Hの内周面をグリップする3段の歯が形成されている。
【0026】
図2,
図3に示すように、上部本体1aの挿通孔1dには、グリップ部材2及びクランプロッド3の外周側の環状隙間を塞ぐスクレーパ4が装着されている。スクレーパ4は、グリップ部材2及びクランプロッド3の外周面に密着するゴムや合成樹脂等の弾力性のある材料で構成されている。スクレーパ4は、グリップ部材2及びクランプロッド3の外周側の隙間から切粉及び切削液などが内部に侵入するのを防ぎ、3つのグリップ形成部材2aとクランプロッド3を束ねる機能を有するものである。グリップ部材2の下部には、3分割された3つのグリップ形成部材2aを縮径方向へ付勢するOリング10が装着されている。
【0027】
3つのグリップ部材2の3つの基端鍔部2cは、本体筒部1t内の円形凹部12に収容され、基端鍔部2cの外周側には隙間が形成されている。3つの基端鍔部2cは、円形凹部12の上壁部とサポート部材40の上端壁40bとの間に水平方向へ可動に挟着され、サポート部材40で支持されている。グリップ部材2は、サポート部材40及び環状受圧部材41と一体的に昇降すると共に、円形凹部12の外周部の環状隙間とスクレーパ4の弾性変形を介して、クランプ装置Cの軸心と直交する水平方向へ移動可能に装着されている。上部本体1aには、円形凹部12の下方に連なる円筒穴13が形成されている。
【0028】
次に、クランプロッド3について説明する。
図2〜
図4に示すように、クランプロッド3は、グリップ部材2の内側に係合し、このグリップ部材2よりも下方へ延びている。クランプロッド3は、下端部分の断面逆T形の係合部3dと、この係合部3dから上方に連なる水平断面が円形の小径部3cと、この小径部3cから上方へ連なる中段部3bと、この中段部3bから上方へ連なるテーパ部3aとを備えている。テーパ部3aは、上方程外径が拡大するように形成され、テーパ部3aはグリップ形成部材2aを外径拡大側へ駆動する為の3つのテーパ面を備えている。
【0029】
中段部3bは3つのストレート面と部分円錐面とを有し、中段部3bのストレート面以外の部分は上方に向って外径が拡大する部分円錐状に形成されている。3つのストレート面は、3つのテーパ面の下端に連なるようにクランプロッド3の軸心と平行に形成されている。このストレート面に、グリップ形成部材2aのストレート平面2dが面接触している。
【0030】
テーパ部3aは、3つのグリップ形成部材2aのグリップ爪部2bが面接触的に当接する3つのテーパ面と、上方程半径が大きくなる部分円錐面と、上下に短い部分円筒面と、部分円錐面の上方に連なる部分円筒面を有している。テーパ部3aの下部の水平断面が、テーパ面と平行な辺を有し且つ頂部が円弧からなる三角形状に形成されている。スクレーパ4の近傍部における、前記三角形状の各頂部を構成する部分円錐面がスクレーパ4の内周部に当接可能である。
【0031】
アンクランプ状態からクランプ状態に亙ってスクレーパ4の近傍部における、3つのグリップ形成部材2aとクランプロッド3の水平断面(クランプロッド3の軸心Xと直交する水平断面)が円形に形成されている。前記テーパ面と部分円錐面のクランプロッド3の軸心に対する傾斜角度が同じである。
【0032】
このクランプ装置Cにおいて、グリップ部材2とクランプロッド3が夫々の上限位置に位置するアンクランプ状態から、クランプロッド3が徐々に下方へ移動してグリップ部材2が拡径駆動されると、スクレーパ4の近傍部における3つのグリップ形成部材2aとクランプロッド3の円筒形状部の外径が徐々に拡大し、スクレーパ4の内周部が周方向と径方向に弾性変形し、3つのグリップ形成部材2aとクランプロッド3の外周面との密着状態を維持する。
【0033】
次に、複動型のエアシリンダ5について説明する。
図3〜
図5に示すように、エアシリンダ5は、クランプロッド3をクランプ本体1及びグリップ部材2に対して加圧エア供給源8から供給された加圧エアによって昇降駆動するものである。エアシリンダ5は、下部本体1bに形成された縦向きのシリンダ穴11と、クランプ力出力用のピストン部材20(軸心Xを有する)と、このピストン部材20のピストン部20aの上側のクランプ用の第1作動室21であってピストン部材20を加圧エアによりクランプ位置に駆動する第1作動室21(クランプ用エア作動室)と、ピストン部20aの下側のアンクランプ用の第2作動室22であってピストン部材20を加圧エアによりアンクランプ位置(上限位置)に駆動する第2作動室22(アンクランプ用エア作動室)等を備えている。
【0034】
ピストン部材20は、シリンダ穴11に気密摺動自在に装着されたピストン部20aと、このピストン部20aから上方へ本体筒部1t内まで延びるロッド部20bを有する。
ピストン部20aの外周部は上下2つのシール部材23aで気密に封止され、ロッド部20bの外周部はシール部材23bで気密に封止されている。ロッド部20bの上端側部分には、ネジ軸部24が形成され、このネジ軸部24には、逆T形のT溝25を形成するT溝形成部材26が螺合にて取り付けられている。
【0035】
T溝形成部材26のロッド挿通穴26aは平面視にてU形であり、クランプロッド3の係合部3dが上記のT溝25に水平方向側方から装着される。係合部3dとT溝形成部材26の間には僅かな隙間があるため、クランプロッド3はT溝形成部材26に対して水平方向へ相対的に約1〜2mm位移動可能である。
【0036】
第1作動室21は、下部本体1bとピストン部20aと環状受圧部材41で形成されている。第1作動室21には、外部の加圧エア供給源8からクランプ用エア通路15を介して加圧エアを供給可能であり、第1作動室21に供給された加圧エアによりピストン部材20がクランプ側へ(下方へ)駆動される(
図4参照)。このとき、第2作動室22に充填されている加圧エアは、ピストン部材20の下降移動に伴って第2作動室22からアンクランプ用エア通路16を流れて排出される。
第2作動室22は、下部本体1bとワークパレット1cとピストン部20aとで形成されている。
図5に示すように、第2作動室22には、加圧エア供給源8からアンクランプ用エア通路16を介して加圧エアを供給可能であり、第2作動室22に供給された加圧エアによりピストン部材20がアンクランプ側へ(上方へ)駆動される(
図2参照)。このとき、第1作動室21に充填されている加圧エアは、ピストン部材20の上昇移動に伴って第1作動室21からクランプ用エア通路15を流れて排出される。
【0037】
次に、サポート機構6について説明する。
図3,
図4に示すように、サポート機構6はグリップ部材2を下方から支持する機構であり、サポート機構6は、グリップ部材2の下端を支持するサポート部材40と、このサポート部材40を支持する環状受圧部材41と、この環状受圧部材41の下端に加圧エアを作用させるサポート用作動室21aと備えている。
【0038】
サポート部材40は、T溝形成部材26の外周面と円筒穴13の壁面との間に可動に装着された筒部40aと、この筒部40aの上端に一体形成された上端壁40bとを有し、クランプロッド3は上端壁40bに形成された開口部40cを挿通している。
尚、開口部40cは、クランプロッド3の係止部3d以外の部分が通過可能に形成されている。
【0039】
環状受圧部材41は、ピストン部材20のロッド部20bに摺動自在に外嵌されている。環状受圧部材41は、下半部のピストン部41aと、このピストン部41aの上端から上方へ一体的に延びる筒状部41bとを有する。筒状部41bはロッド部20bと円筒穴13の壁面との間に可動に装着されている。サポート部材40の下端が筒状部41bの上端で支持されている。前記ピストン部41aは、その上端部分に形成された弁操作用のフランジ部42と、このフランジ部42の下端に連なり且つフランジ部42よりやや小径の中径部43と、この中径部43よりもやや小径のピストン本体部44とを備えている。
【0040】
図3に示すように、フランジ部42は、収容穴42aに上下方向に数mm(例えば、2〜3mm)移動可能に収容され、アンクランプ状態のとき、フランジ部42の下側には上記の数mmの厚さの環状隙間42bが形成されている。中径部43は収容穴43aに上下方向に移動可能に収容されている。ピストン本体部44は、収容穴44aに収容され、この収容穴44aはクランプ用の第1作動室21の一部で構成されたサポート用作動室21aに連通しており、第1作動室21の加圧エア(サポート用作動室21aの加圧エア)をピストン本体部44に受圧させるように構成されている。
【0041】
中径部43の外周部はシール部材43bで気密にシールされ、中径部43の下側には環状隙間42bよりもやや厚い環状隙間43cが形成されている。ピストン本体部44の外周側はシール部材44bでシールされている。
サポート機構6は、グリップ部材2を拡径させてワークWの穴Hの内周面をグリップさせる際に、環状受圧部材41に作用する加圧エアの圧力でグリップ部材2を支持し、グリップ部材2に対してクランプロッド3が相対的に下方へ移動可能にする。
尚、本実施例では、加圧エアの圧力を環状受圧部材41に作用させてサポート部材40を介してグリップ部材2を支持するサポート機構6を例にして説明したが、コイルスプリングや皿バネ等の弾性力でグリップ部材2を支持するサポート機構を採用してもよい。
【0042】
まず、エアブロー機構7の説明の前にクランプユニットCUの駆動用エア回路について簡単に説明する。
図1,
図3,
図5に示すように、クランプ用加圧エアは、加圧エア供給源8からクランプ用エア通路31a,31b,14,15を流れてクランプ装置Cを駆動する加圧エア供給源8から第1作動室21へ供給される。
クランプ用エア通路31aは、一端が加圧エア供給源8に連通され、他端が第1急速排気弁34を介してクランプ用エア通路31bの上流端に連通されている。クランプ用エア通路31aの途中部には、圧力スイッチ39aが設けられている。クランプ用エア通路31bは、第1急速排気弁34の第3ポート34cをワークパレット1cに設けられたクランプエアポート19aに連通している。エア通路14は、ワークパレット1cの内部に形成され、クランプエアポート19aをクランプ用エア通路15の上流端に連通し、エア通路15は、上部本体1a(クランプ本体1)の内部に形成され、エア通路14の下流端を第1作動室21に連通している。
【0043】
アンクランプ用加圧エアは、加圧エア供給源8からアンクランプ用エア通路32a,32b,16を流れてクランプ装置Cを駆動する第2作動室22へ供給される。
アンクランプ用エア通路32aは、一端が加圧エア供給源8に連通され、他端が第2急速排気弁35を介してクランプ用エア通路32bの上流端に連通されている。アンクランプ用エア通路32aの途中部には、圧力スイッチ39bが設けられている。アンクランプ用エア通路32bは、第2急速排気弁35の第3ポート35cをワークパレット1cに設けられたクランプエアポート19bに連通している。エア通路16は、ワークパレット1cの内部に形成され、クランプエアポート19bを第2作動室22に連通している。
【0044】
次に、エアブロー機構7について説明する。
エアブロー機構7は、第1,第2作動室21,22から排出された排気エアをサポート部材40の筒部40aの下端に形成された切欠き穴18aからサポート部材40の内側と外側との隙間へ供給可能に構成されている。これにより、供給された加圧エアは、グリップ部材2の基端鍔部2cの外周側の隙間、グリップ形成部材2a同士間の隙間及びグリップ部材2とクランプロッド3との隙間等を通って4つの着座面1sと4つの凹溝1gに向かって流れ、これらの着座面1sと凹溝1gをエアブローして切粉等を除去する。
【0045】
図1〜
図5に示すように、エアブロー機構7は、クランプ用エア通路31b,14,15と、アンクランプ用エア通路32b,16と、エアブロー通路33,17,18と、バイパス通路37a,37bと、クランプ本体1の外部に配設された第1,第2急速排気弁34,35と、チェックバルブ36a,36b等を備えている。
【0046】
エアブロー通路33は、一端がバイパス通路37a,37b及びエアブロー専用通路38に連通され、他端がワークパレット1cに設けられたエアブローポート19cを介してエアブロー通路17の上流端に連通されている。エアブロー通路17の下流端は上部本体1a内のエアブロー通路18に連通され、このエアブロー通路18はエアブロー通路17の下流端を切欠き穴18aに連通している。これにより、第1作動室21又は第2作動室22からの排気エアは、エアブロー通路33と、エアブロー通路17と、エアブロー通路18とを流れて切欠き穴18aへ供給される。
【0047】
第1急速排気弁34は、クランプ用エア通路31aに連通された第1ポート34aと、エアブロー通路33にバイパス通路37aを介して連通された第2ポート34bと、これら第1,第2ポート34a,34b間の途中部に設けられ且つ第1作動室21にクランプ用エア通路31b,14,15を介して連通された第3ポート34cと、第1,第2ポート34a,34bを選択的に閉塞可能な弁部材34d等を備えている。
弁部材34dは、通常、第1ポート34aを閉塞するように付勢され、加圧エア供給源8から加圧エアが給気されたとき、第2ポート34bを閉塞し、第1作動室21から加圧エアが排気されたとき、第1ポート34aを閉塞するように構成されている。
バイパス通路37aの途中部には、エアブロー通路33側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブ36aが設けられている。
【0048】
第2急速排気弁35は、アンクランプ用エア通路32aに連通された第1ポート35aと、エアブロー通路33にバイパス通路37bを介して連通された第2ポート35bと、これら第1,第2ポート35a,35b間の途中部に設けられ且つ第2作動室22にアンクランプ用エア通路32b,16を介して連通された第3ポート35cと、第1,第2ポート35a,35bを選択的に閉塞可能な弁部材35d等を備えている。
弁部材35dは、通常、第1ポート35aを閉塞するように付勢され、加圧エア供給源8から加圧エアが給気されたとき、第2ポート35bを閉塞し、第2作動室22から加圧エアが排気されたとき、第1ポート35aを閉塞するように構成されている。
バイパス通路37bの途中部には、エアブロー通路33側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブ36bが設けられている。
【0049】
本実施例では、クランプ装置Cを駆動する加圧エア供給源8とは別にエアブロー専用の加圧エア供給源9を設けている。エアブロー専用通路38は、加圧エア供給源9をエアブロー通路33に連通し、その途中部には、下流側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブ36cが設けられている。尚、加圧エア供給源9とエアブロー専用通路38とは必須のものではなく、これらを省略しても良い。
【0050】
以上により、加圧エア供給源8からクランプ用エア通路31aに加圧エアを供給し、第2作動室22からアンクランプ用エアを排出するクランプ動作のとき、弁部材34dが第2ポート34bを閉塞するため、加圧エアはクランプ用エア通路31b,14,15を流れて第1作動室21に供給され、ピストン部材20がクランプ側(下側)へ駆動される(
図4参照)。このとき、ピストン部材20が下側へ駆動されるため、第2作動室22に充填されている加圧エアが第2作動室22から排気される。第2作動室22から排出された加圧エア(排気エア)は、アンクランプ用エア通路16,32bを流れ、第2急速排気弁35によってバイパス通路37bへ誘導されてエアブロー通路33へ供給される。こうして、クランプ状態になる前に、第2作動室22から排出された加圧エアがサポート部材40の筒部40aの内面側と外面側の円筒隙間を通ってグリップ部材2及びクランプロッド3の方へ供給される。
【0051】
これに対して、加圧エア供給源8からアンクランプ用エア通路32aに加圧エアを供給し、第1作動室21からクランプ用エアを排出するアンクランプ動作のとき、弁部材35dが第2ポート35bを閉塞するため、加圧エアはアンクランプ用エア通路32b,16を流れて第2作動室22に供給され、ピストン部材20がアンクランプ側(上側)へ駆動される(
図3参照)。このとき、ピストン部材20が上側へ駆動されるため、第1作動室21に充填されている加圧エアが第1作動室21から排気される。第1作動室21から排出された加圧エアは、クランプ用エア通路15,14,31bを流れ、第1急速排気弁34によってバイパス通路37aへ誘導されてエアブロー通路33へ供給される。こうして、アンクランプ動作のとき、第1作動室21から排出された加圧エアがサポート部材40の筒部40aの内面側と外面側の円筒隙間を通ってグリップ部材2及びクランプロッド3の方へ供給される。
【0052】
第1,第2作動室21,22から加圧エアが排出されないとき、例えば、クランプ装置Cを停止している状態等クランプ動作又はアンクランプ動作以外の任意のタイミングにおいてエアブローを行なう場合には、加圧エア供給源9からエアブロー専用通路38を介してエアブロー通路33に加圧エアを直接供給することができる。
加圧エア供給源9から供給された加圧エアは、エアブロー通路33からエアブロー通路17,18を介して切欠き穴18aに流れる。これにより、前述と同様にグリップ部材2及びクランプロッド3等をエアブローすることができる。
【0053】
以上説明したクランプ装置Cによれば次の効果を奏する。
このクランプ装置Cによれば、ピストン部材20を軸心方向へ進退移動させるための加圧エアを排出するときの排気エアを利用してグリップ部材2とクランプロッド3とをエアブローするため、エアブロー専用の加圧エアが不要になり、加圧エアの消費量を低減できる。また、エアブロー専用の加圧エア供給源9を省略することができるため、加圧エア供給源9から延設されたエアブロー専用のエアブロー通路38を省略することができ、製作コストを低減できる。しかも、ピストン部材20を軸心方向へ進退移動させた後の加圧エア排出時の排気エアによってエアブローするため、クランプ装置Cの動作状態を監視することなく、グリップ部材2とクランプロッド3との隙間が最小になるクランプ状態以外のタイミングでエアブローすることができ、エアブロー制御の簡単化を図ることができる。
【0054】
エアブロー機構7は、上記のように構成された第1急速排気弁34と第2急速排気弁35とを備えている。これにより、クランプ装置Cの小型化と簡単化とを両立でき、一層製作コストを低減できる。また、ピストン部材20を軸心方向へ進退移動させるための加圧エアの排出速度を速くできるため、クランプ装置Cの動作速度を速めつつ、エアブロー能率を向上できる。
【0055】
図1に示すように、第1急速排気弁34と第2急速排気弁35とがクランプ本体1の外部に配設されているため、汎用のクランプ装置に後付けで第1急速排気弁34と第2急速排気弁35とを装着することができ、更に製作コストを低減することができる。
第1,第2急速排気弁34,35の第2ポート34b,35bとエアブロー通路33との接続部にエアブロー通路側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブ36a,36b,36cを設けている。これにより、加圧エアの他のエア通路への漏れ等を防止できるため、エアブローするための加圧エアの圧力減衰を抑制することができ、エアブロー能率を一層向上することができる。
【0056】
エアシリンダ5は、第1作動室21と第2作動室22とを備え、クランプロッド3を後退駆動するとき、第1作動室21に加圧エアを給気すると共に第2作動室22から加圧エアを排気し、クランプロッド3を進出駆動するとき、第2作動室22に加圧エアを給気すると共に第1作動室21から加圧エアを排気するため、第1,第2作動室21,22の何れからも加圧エア排出時の排気エアをエアブローに利用することができ、クランプ装置Cの設計自由度を高くすることができる。
【実施例2】
【0057】
次に、実施例2に係るクランプ装置CAについて
図6に基づき説明する。尚、実施例1と同様の構成については、同一符号を付し、異なる構成についてのみ説明する。
このクランプ装置CAは、アンクランプ用エア通路側の急速排気弁やバイパス通路及びチェックバルブ等が省略されている。
【0058】
図6に示すように、エアブロー機構7Aは、クランプ用エア通路15bと、バイパス通路37cと、エアブロー通路18Aと、上部本体1a(クランプ本体1)の内部に配設された第1作動室21側の第1急速排気弁34Aと、上部本体1a(クランプ本体1)の内部に配設されたチェックバルブ47a,47b等を備えている。
【0059】
第1急速排気弁34Aは、上部本体1a内のクランプ用エア通路15aとこのクランプ用エア通路15aよりも下流側のクランプ用エア通路15bの間に配設されている。
この第1急速排気弁34Aは、加圧エア供給源8に連通された第1ポート34eと、エアブロー通路18Aに連通された第2ポート34fと、これら第1,第2ポート34e,34f間の途中部に設けられ且つ第1作動室21にクランプ用エア通路15bを介して連通された第3ポート34gと、第1,第2ポート34e,34fを選択的に閉塞可能な弁部材34h等によって構成されている。
弁部材34hは、通常、第1ポート34eを閉塞するように付勢され、加圧エア供給源8から加圧エアが給気されたとき、第2ポート34fを閉塞し、第1作動室21から加圧エアが排気されたとき、第1ポート34eを閉塞するように構成されている。
【0060】
バイパス通路37cは、第1急速排気弁34Aの第2ポート34fとエアブロー通路18Aの途中部とを連通している。バイパス通路37cの途中部には、エアブロー通路18A側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブ47aが設けられている。
エアブロー通路18Aには、バイパス通路37cとエアブロー通路18Aとの接続部よりも上流側位置に下流側へのみ加圧エアの流れを許容するチェックバルブ47bが設けられている。
【0061】
図6に示すように、第2作動室22へアンクランプ用エアを供給し、第1作動室21からクランプ用エアを排出するアンクランプ動作のとき、加圧エア供給源8から供給された加圧エアはアンクランプ用エア通路16を通過して第2作動室22に供給され、ピストン部材20はアンクランプ側(上側)へ駆動される。このとき、ピストン部材20は上側へ駆動されるため、第1作動室21に充填されている加圧エアが第1作動室21から排気される。第1作動室21から排出された加圧エア(排気エア)は、クランプ用エア通路15bを流れ、第1急速排気弁34Aによってバイパス通路37cへ誘導されてエアブロー通路18Aへ供給され、切欠き穴18aに供給される。
こうして、第1作動室21から排気された加圧エアがサポート部材40の筒部40aの内面側と外面側の円筒隙間を通ってグリップ部材2及びクランプロッド3の方へ供給される。このクランプ装置CAによれば、第1急速排気弁34Aがクランプ本体1の内部に配設されているため、更にクランプ装置の小型化を図ることができる。
【0062】
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例1においては、複動型エアシリンダにおいて急速排気弁をクランプ用エア通路とアンクランプ用エア通路とに夫々設けた例を説明したが、急速排気弁を少なくとも何れか一方のエア通路に設けることによって本発明の効果を奏することができる。
また、急速排気弁を何れか一方のエア通路にのみ設け、エアブロー専用の加圧エア供給源及びエアブロー専用通路を省略した場合、他の通路への加圧エアの漏洩が発生しないため、バイパス通路に配設するチェックバルブを省略することができる。
【0063】
2〕前記実施例1,2においては、ピストン部材を昇降移動させる駆動手段として複動型エアシリンダを採用した例を説明したが、複動型エアシリンダに代えて、単動型エアシリンダを適用可能である。この場合、加圧エアが排出される側のエア作動室に連通されたエア通路に急速排気弁及びバイパス通路等を設ける。
【0064】
3〕前記実施例1,2においては、急速排気弁を用いた例を説明したが、少なくとも作動室から加圧エアを排気するとき、この加圧エアをエアブロー通路に供給できれば良く、2つの入口と1つの出口を備えた汎用的なシャトル弁等種々の切替弁を採用することが可能である。
【0065】
4〕前記実施例2においては、クランプ本体内のクランプ用エア通路に第1急速排気弁を配設し、アンクランプ用エア通路の第2急速排気弁を省略した例を説明したが、クランプ本体内のアンクランプ用エア通路に第2急速排気弁を配設し、クランプ用エア通路の第1急速排気弁を省略しても良い。また、他のエアシリンダがクランプ装置に使用される場合、そのシリンダの排気エアをエアブローに利用することも可能である。
【0066】
5〕その他、本発明は、ワークパレット等のようなクランプ専用装置以外の装置、例えば、少なくともクランプ機能を備えた搬送装置や洗浄装置等にも適用可能であり、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。