(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
太陽電池と、上記太陽電池で発電された電気を蓄電する蓄電池を備え、上記蓄電池をガス漏れ検知器を稼動させる電源として使用する請求項1または2記載の移動電源車。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、移動させて設置する発電機は、そのほとんどが、駆動エネルギーとしてガソリンや軽油などの液体燃料を用いている。一方、LPガスなどのガス燃料を用いるものも提案されてはいるが、小型の発電機に限られていた。
【0008】
例えば、上記特許文献1には、発電機を駆動するガソリンエンジンに対し、LPガスを燃料として供給するものが開示されている。しかしながら、ガソリンとLPガスの切り換え式になっていることからもわかるように、LPガスの利用はいわば緊急避難的なものである。このため、ガス燃料を用いることに対する安全対策については、一切考慮されていない。
【0009】
また、特許文献2は、移動電源車に関するものであり、発電機を自動車に搭載したものが提案されている。このような移動電源車には、従来の移動設置タイプの発電機が搭載され、ガソリンや軽油等の液体燃料が用いられる。したがって、上述したように、被災地まで移動して行ったとしても燃料の枯渇によって、電気の供給がおぼつかないという問題を抱えている。
【0010】
しかも、このような移動電源車は、電気の供給が必要な被災地に到着してから、装置を組み立て、燃料吸入から発電稼動に至るまでのラインの安全を確認するなど、マンパワーによる煩雑な事前作業が必要である。現実問題として、被災地に到着してから本格的に電気の供給を開始するまでに24時間も必要であった。したがって、被災地域において緊急を要する電気の需要に応えられるものではなかった。
【0011】
このように、現在までのところ、LPガスなどのガス燃料で発電を行ない、さらにガス燃料を用いることを考慮した安全機構を確保し、かつ非常時に十分に速やかに起動して電気の供給を開始できる移動電源車は供給されていなかったのが実情である。
【0012】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、ガス燃料を用いることを考慮した安全機構を確保し、かつ非常時に十分に速やかに起動して電気の供給を開始できる移動電源車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の移動電源車は、
ガス燃料で駆動する発電用エンジンと、
上記発電用エンジンによって発電する発電機と、
ガス燃料の供給源からガス燃料の供給を受けて上記発電用エンジンに供給するガス燃料供給部と、
ガス燃料の漏れを検知するガス漏れ検知器と、
上記ガス漏れ検知器でガス燃料の漏れを検知したときに、発電用エンジンへのガス燃料の供給を停止する遮断弁と
、
ガス燃料の供給源から高圧で供給を受けたガス燃料を、上記発電用エンジンに対して中圧で供給するための第1圧力調節器と、
上記中圧で供給されてきた上記ガス燃料を、低圧にして上記発電用エンジンに供給するための第2圧力調節器とを備え
、
上記遮断弁は、上記ガス燃料の低圧領域に設けられている
ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の移動電源車は、ガス燃料で駆動する発電用エンジンと、上記発電用エンジンによって発電する発電機とを備えている。したがって、従来の移動電源車等で用いられていた軽油やガソリンなどの液体燃料に頼る必要が無い。このため、被災地で車利用と燃料を取り合いすることが起こりえず、逆に被災地で今まで利用されてこなかったLPガスなどの気体燃料を有効利用して電気を供給できる。
また、ガス燃料の漏れを検知するガス漏れ検知器と、上記ガス漏れ検知器でガス燃料の漏れを検知したときに、発電用エンジンへのガス燃料の供給を停止する遮断弁とを備えている。したがって、可燃性のガス燃料を用いることの安全性が確保され、事故のリスクが極めて少なくなる。このように、これまで大規模災害時に余り活用されていなかったLPガスのような気体燃料を有効に活用して被災地に電気を供給できるようになる。特に、震災後の悪路を被災地まで走行する際に、機器や部材は激しい振動を受けることになる。このため、ガス漏れを検知してガス燃料の供給を停止することにより、ガス漏れの危険を回避した運用がより重要になるのである。
また、本発明は、ガス燃料の供給源から高圧で供給を受けたガス燃料を、上記発電用エンジンに対して中圧で供給するための第1圧力調節器を備えている。このため、ガス燃料の供給圧力を中圧でコントロールすることで、ガス供給用のホースの長さを確保しながら車載用としてのコンパクト性を確保している。すなわち、供給圧力が低すぎると、ガス燃料を太いホースで供給しなければならず、被災地で必要な長さを確保しようとすると、ホースリールだけで車載できないほど嵩張るものになってしまう。反対に供給圧力が高すぎると、ガス漏れのリスクが高くなって好ましくない。すなわち、震災後の悪路を被災地まで走行する際に、機器や部材は激しい振動を受けることになる。このため、供給圧力を中圧に保つことによりガス漏れのリスクを低く運用するのが好ましいのである。
上記中圧は、たとえば、0.07〜0.09MPaが好ましい。
また、本発明は、上記中圧で供給されてきた上記ガス燃料を、低圧にして上記発電用エンジンに供給するための第2圧力調節器を備え、上記遮断弁は、上記ガス燃料の低圧領域に設けられている。このため、遮断弁を低圧領域に設けることとなるため、ガス漏れ検知時にガス燃料の供給を確実に遮断し、安全性が担保される。すなわち、震災後の悪路を被災地まで走行する際に、遮断弁は激しい振動を受けることになる。このため、低圧領域でガスの供給を遮断してガス漏れのリスクを低く運用するのが好ましいのである。
上記低圧は、たとえば、2.0〜3.3kPaが好ましい。
【0015】
本発明において、上記ガス漏れ検知器は、ガス燃料の漏れを検知したときに警報を発する警報機を兼ねている場合には、
可燃性のガス燃料を用いることの安全性が確保され、事故のリスクが極めて少なくなる。
【0016】
本発明において、太陽電池と、上記太陽電池で発電された電気を蓄電する蓄電池を備え、上記蓄電池をガス漏れ検知器を稼動させる電源として使用する場合には、
発電機が稼動するまでの間のガス漏れ検知器の電源を太陽電池ならびに蓄電池により確保する。これにより、可燃性のガス燃料を用いることの安全性が確保されるとともに、迅速な電気の供給を担保する。従来の移動電源車では発電機の本格的な稼動が開始するまで24時間程度の時間が必要であったところ、本発明では15分程度の短時間での稼動が可能となる。被災地・災害地でのスムーズな救助対応が可能になり、迅速に不便を解消できる。
【0017】
本発明において、上記蓄電池を夜間照明用のLEDを発光させる電源として使用する場合には、
夜間においても、迅速に発電機を稼動させ、被災地・災害地でのスムーズな救助対応を可能とし、迅速に不便を解消できる。
【0020】
本発明において、上記ガス燃料供給部は、ガス燃料の供給源からガス燃料の供給を受けるカプラーを備えている場合には、
ガス供給用のホースなどをカプラーで接続するため、迅速な電気の供給を担保する。従来の移動電源車では発電機の本格的な稼動が開始するまで24時間程度の時間が必要であったところ、本発明では15分程度の短時間での稼動が可能となる。被災地・災害地でのスムーズな救助対応が可能になり、迅速に不便を解消できる。
【0021】
本発明において、上記カプラーは、上記第1圧力調節器の下流側に配置されている場合には、
カプラーを中圧領域に設けることとなるため、ガス漏れのリスクを低下させ、安全性が担保される。すなわち、震災後の悪路を被災地まで走行する際に、カプラー等の機器は激しい振動を受けることになる。このため、中圧領域にカプラーを設けてガス漏れのリスクを低く運用するのが好ましいのである。
【0022】
本発明において、上記発電機で発電した電気を出力するコンセントとして三相コンセントと単相コンセントの双方を備えている場合には、
単相コンセントを一般家庭用の100V電源とし、三相コンセントを動力用の200V電源とする。これにより、100V電源によって家電製品を使用可能にするほか、200V電源によってエレベータや空調を稼動させることができる。従来の移動電源車等では、家電製品は使えるようにできたが、停電が復旧するまでのあいだエレベータを動かすことができなかった。本発明では、停電した被災地でエレベーターに閉じ込められた被災者を救助するのに必要な電力を確保できる。被災地・災害地でのスムーズな救助対応が可能となる。また、非常時にエレベータ等の電源を確保して被災地の不便を解消することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
つぎに、本発明を実施するための形態を説明する。
【0025】
図1は、本発明が適用された第1実施形態の移動電源車の構成を示す図である。
【0026】
この例では、牽引車100に引かれるトレーラー101に発電コンテナ102が積載されて構成されている。本発明の移動電源車は、図示した例に限定するものではなく、トレーラー101に発電コンテナ102が積載された状態のもの、トラックの荷台に発電部等を積載した状態のものなど、各種の態様のものを含む趣旨である。
【0027】
図2は、上記移動電源車の構成を説明するフローチャートである。
【0028】
この移動電源車は、発電ユニット1と、LPガス供給設備2と、分電盤3とを備えている。LPガス供給設備2と発電ユニット1はカプラー6で接続されている。これにより、ガス燃料としてのLPガスをLPガス供給設備2から発電ユニット1に供給する。また、発電ユニット1と分電盤3は、三相コンセント7および単相コンセント8で接続されている。これにより、発電機5で発電された電気は、三相200Vと単相100Vの双方で供給できるようになっている。
【0029】
上記発電ユニット1は、ガス燃料で駆動する発電用エンジンとしてのLPガスエンジン4と、上記LPガスエンジン4によって発電する発電機5とを備えている。この例では、LPガスをガス燃料としてLPガスエンジン4を駆動し、LPガスエンジン4によって発電機5を回して発電する。
【0030】
上記LPガス供給設備2は、ガス燃料の供給源としてのLPガス供給源9からガス燃料の供給を受けて発電用エンジンとしてのLPガスエンジン4に供給するもので、本発明のガス燃料供給部として機能する。LPガス供給源9は、具体的には、例えばバルクタンクや50kgボンベ等を用いることができる。駆動エネルギーに用いるLPガスは、家庭用または事業所用の複数のボンベであってもよいし、LPガスのバルク容器やバルクローリからの供給でも構わない。
【0031】
LPガス供給源9から供給を受けたガス燃料をLPガスエンジン4に供給するLPガス供給設備2において、ガス燃料を0.07〜0.09MPaの中圧で供給するための第1圧力調節器10を備えている。これにより、LPガス供給源9から0.9MPa程度の高圧で供給されたLPガスを0.07〜0.09MPaの中圧に減圧して発電ユニット1に供給する。図示した例では、LPガスを0.09MPaまで減圧している。
【0032】
上記LPガス供給設備2は、LPガス供給源9からガス燃料の供給を受けるカプラー6を備えている。第1圧力調節器10により0.07〜0.09MPaの中圧まで減圧されたLPガスをカプラー6を介して発電ユニット1に供給する。
【0033】
上記カプラー6は、上記第1圧力調節器10の下流側に配置されている。これにより、第1圧力調節器10によって中圧まで減圧されたLPガスを接続部であるカプラー6に通してLPガス供給設備2から発電ユニット1に供給するようになっている。このように、これらのガス配管の接続部をカプラー式としたため、ガス配管を接続するために工具等を必要としない。
【0034】
上記発電ユニット1は、LPガス供給設備2のカプラー6まで延びてLPガスの供給を受けるためのホースが巻回されたホースリール11を備えている。この例では、40メートルのホースが巻回されて収容されている。ここで、この例では、ホースリール11のホースを通過することによる圧力損失により、LPガスの供給圧力は0.07MPaまで低下する。上記ホースとしては、例えば、中条発条株式会社製のバルクローリー用ホース(高圧供給仕様)を用いることができる。このホースは、内径19mm長さ40mである。ホース内のガス圧を0.07〜0.09MPa程度の中圧として供給する。
【0035】
上記発電ユニット1は、LPガス供給設備2を供給されてきたガス燃料を、2.0〜3.3kPaの低圧にして遮断弁13およびLPガスエンジン4に供給するための第2圧力調節器12を備えている。これにより、第2圧力調節器12によって低圧まで減圧されたLPガスを遮断弁13に通してLPガスエンジン4に供給するようになっている。この例では、3.0kPaまで減圧したLPガスを遮断弁13を介してLPガスエンジン4に供給する。
【0036】
また、上記発電ユニット1は、ガス燃料の漏れを検知するガス漏れ検知器14と、上記ガス漏れ検知器14でガス燃料の漏れを検知したときに、LPガスエンジン4へのガス燃料の供給を停止する遮断弁13とを備えている。これにより、例えばガス漏れ検知器14がカプラー6よりも下流の発電ユニット内でLPガスの漏れを検知したときに、遮断弁13が閉じてLPガスエンジン4へのLPガスの供給が停止される。
【0037】
上記ガス漏れ検知器14は、この例では、ガス燃料の漏れを検知したときに警報を発する警報機を兼ねたものである。すなわち、上記ガス漏れ検知器14は、漏れ出したガス燃料を検知すると、警報音および警報ランプで警報を発するとともに、遮断弁13を閉じてLPガスエンジンへのLPガスの供給を遮断する。上記ガス漏れ検知器14としては、例えば、矢崎エナジーシステム株式会社製の型番GSL−50Sを用いることができる。このガス漏れ検知器14は、接触燃焼式ガスセンサ方式でガス漏れを検知する。
【0038】
本発明では、発電機5が車載される。移動している道中で余震に遭ったり、悪路を走行することによる振動を受けることが想定される。この振動により、ガス供給ラインに不具合や破損が生じ、現場で配管の接続を終えた後にガス漏れを生じることが可能性として懸念される。したがって、このガス漏れをガス漏れ検知器14で検知し、遮断弁13を遮断してガス燃料の供給をストップする。
【0039】
このガス漏れ検知器14は、稼動準備初期からの駆動が必要である。このため、本格発電前にガス漏れ検知器14を稼動するための電気エネルギーが準備されている。
【0040】
すなわち、上記発電ユニット1には、太陽電池15と、上記太陽電池15で発電された電気を蓄電する蓄電池16を備え、上記蓄電池16をガス漏れ検知器14を稼動させる電源として使用する。上記太陽電池15としては、例えば長州産業株式会社製の型番CS−260C11(発電能力260W、最大32V)を使用することができる。
【0041】
この例では、上記太陽電池15で直流32Vの電気を発電し、チャージコントローラー17を介して28.8Vの直流電流により24Vの蓄電池16に蓄電するようになっている。このように、太陽電池15で発電した電気を一旦、チャージコントローラー17を通じて蓄電池16(DC24V)内に送る。
【0042】
上記蓄電池16に蓄えられた電気は、インバーター18を経由することによって100Vの交流に変換され、ガス漏れ検知器14を稼動させる電源として使用される。また、上記蓄電池16からインバーター18を経由して100Vの交流に変換された電気は、遮断弁13を駆動する電源としても使用される。このように、インバーター18を介してガス漏れ検知器(AC100V)を稼動させる。このようにすることにより、ガス漏れが発生すれば、発電を開始する前から対処することができる。装置立ち上げ時の電力確保にも問題が無く、同時に可燃性ガス使用に対する安全性も確保できる。
【0043】
また、上記蓄電池16に蓄えられた電気は、夜間照明用のLED19を発光させる電源として使用される。この例では蓄電池16の28.8V直流電源をそのままLED19の電源として使用する。このように、太陽電池15から蓄電池16に蓄えられた電気は、立ち上げ準備時用のLED照明にも同時に用いることができる。このため、夜間や暗い場所での作業性も確保できる。
【0044】
さらに、上記蓄電池16に蓄えられた電気は、DC−DCコンバーター充電器20を経由することによって13.1Vの直流に変換され、発電機5に内臓された内蔵バッテリー21に蓄電される。この内臓バッテリー21は、発電機5のセルモータや電装類22を稼動するための待機電力として使用する。
【0045】
この発電ユニット1では、上述したように、LPガスをガス燃料としてLPガスエンジン4を駆動し、LPガスエンジン4によって発電機5を回して発電する。この例では、LPガスエンジン4の回転数は1500rpmである。上記発電機5としては、例えば、KOHLER社製125kVAタイプを用いることができる。
【0046】
この発電ユニット1は、上記発電機5で発電した電気を出力するコンセントとして三相コンセント7と単相コンセント8の双方を備えている。
【0047】
上記発電機5で発電された三相200Vの電気は、一次ブレーカー23を経由して2系統に分岐される。
【0048】
一方は、一次ブレーカー23から三相二次ブレーカー24および三相電源線25を経由して、三相200Vのまま三相コンセント7に送られる。この例では、20メートルの三相電源線25がリールに巻回されて収容されている。
【0049】
他方は、一次ブレーカー23からスコットトランス26を経由することにより三相200Vを単相100V/200Vに変換する。スコットトランス26で変換された単相100V/200Vの電気は、単相二次ブレーカー27および単相電源線28を経由して、単相100V/200Vが単相コンセント8に送られる。この例では、20メートルの単相電源線28がリールに巻回されて収容されている。
【0050】
三相コンセント7と単相コンセント8により、発電ユニット1と分電盤3が電気的に接続されている。
【0051】
上記分電盤3は、上記三相コンセント7から供給される三相200Vの電気をユーザの三相分電盤31に接続して供給する。また、上記単相コンセント8から供給される単相100V/200Vの電気をユーザの単相分電盤32に接続して供給する。
【0052】
上記分電盤3は、三相切替スイッチ29を備えている。三相切替スイッチ29は、三相コンセント7に接続されるとともに、電力会社が供給する三相電力33と接続可能になっている。これにより、ユーザの三相分電盤31に供給する電気について、発電ユニット1から三相コンセント7を介して供給された電気か、電力会社から供給された電気かを切り替えることができるようになっている。
【0053】
また、上記分電盤3は、単相切替スイッチ30を備えている。単相切替スイッチ30は、単相コンセント8に接続されるとともに、電力会社が供給する単相電力34と接続可能になっている。これにより、ユーザの単相分電盤32に供給する電気について、発電ユニット1から単相コンセント8を介して供給された電気か、電力会社から供給された電気かを切り替えることができるようになっている。
【0054】
このように、上記発電機5からは、三相200Vの電気が発電されるが、その一部をスコットトランス26を通し、単相100V/200Vの一般家庭用電源を供給可能である。三相200Vは、例えばエレベーターなどの駆動に必要であるため、被災地などで停電により停止しているエレベーターをこれにより稼動させることもできる。
【0055】
この移動電源車では、従来の移動電源車や移動が可能な発電機には無い、初期起動用の太陽電池15および蓄電池16と、被災地などの悪環境で可燃性ガスを用いることのリスクを低減させるためのガス漏れ検知器14を搭載する。ガス圧を0.07〜0.09MPa程度の中圧でコントロールすることで、ホースの長さを確保しながら車載用としてコンパクトに収容できる。また、単相100Vと三相200Vの双方の供給が可能である。
【0056】
これにより、発電機5の本格稼動開始まで、従来の移動電源車では24時間程度の時間が必要ではあったが、本実施形態では15分程度の短時間での稼動が可能となる。停電した被災地でエレベーターに閉じ込められた人間を救助するのに必要な動力用の三相200V電力を確保でき、被災地・災害地でのスムーズな救助対応が可能となる。また、ガス漏れ検知や太陽電池15による予備電力が確保できるため、可燃性ガスを用いることのリスクは極めて少なく、安全性も確保される。
【0057】
この例で示した発電機5では、例えば980kgのバルク容器からのLPガス供給であれば、一般家庭30軒で24時間にわたり、通常通りの電気需要に耐えうる。
【0058】
以上に述べたように、本実施形態の移動電源車によれば、つぎの作用効果を奏する。
【0059】
すなわち、本実施形態の移動電源車は、ガス燃料で駆動するLPガスエンジン4と、上記LPガスエンジン4によって発電する発電機5とを備えている。したがって、従来の移動電源車等で用いられていた軽油やガソリンなどの液体燃料に頼る必要が無い。このため、被災地で車利用と燃料を取り合いすることが起こりえず、逆に被災地で今まで利用されてこなかったLPガスなどの気体燃料を有効利用して電気を供給できる。
また、ガス燃料の漏れを検知するガス漏れ検知器14と、上記ガス漏れ検知器14でガス燃料の漏れを検知したときに、LPガスエンジン4へのガス燃料の供給を停止する遮断弁13とを備えている。したがって、可燃性のガス燃料を用いることの安全性が確保され、事故のリスクが極めて少なくなる。このように、これまで大規模災害時に余り活用されていなかったLPガスのような気体燃料を有効に活用して被災地に電気を供給できるようになる。特に、震災後の悪路を被災地まで走行する際に、機器や部材は激しい振動を受けることになる。このため、ガス漏れを検知してガス燃料の供給を停止することにより、ガス漏れの危険を回避した運用がより重要になるのである。
【0060】
また、上記ガス漏れ検知器14は、ガス燃料の漏れを検知したときに警報を発する警報機を兼ねているため、
可燃性のガス燃料を用いることの安全性が確保され、事故のリスクが極めて少なくなる。
【0061】
また、太陽電池15と、上記太陽電池15で発電された電気を蓄電する蓄電池16を備え、上記蓄電池16をガス漏れ検知器14を稼動させる電源として使用するため、
発電機5が稼動するまでの間のガス漏れ検知器14の電源を太陽電池15ならびに蓄電池16により確保する。これにより、可燃性のガス燃料を用いることの安全性が確保されるとともに、迅速な電気の供給を担保する。従来の移動電源車では発電機の本格的な稼動が開始するまで24時間程度の時間が必要であったところ、本実施形態では15分程度の短時間での稼動が可能となる。被災地・災害地でのスムーズな救助対応が可能になり、迅速に不便を解消できる。
【0062】
また、上記蓄電池16を夜間照明用のLED19を発光させる電源として使用するため、
夜間においても、迅速に発電機5を稼動させ、被災地・災害地でのスムーズな救助対応を可能とし、迅速に不便を解消できる。
【0063】
また、ガス燃料のLPガス供給源9から供給を受けたガス燃料をLPガスエンジン4に供給するLPガス供給設備2において、ガス燃料を0.07〜0.09MPaの中圧で供給するための第1圧力調節器10を備えているため、
ガス燃料の供給圧力を0.07〜0.09MPa程度の中圧でコントロールすることで、ガス供給用のホースの長さを確保しながら車載用としてのコンパクト性を確保している。すなわち、供給圧力が低すぎると、ガス燃料を太いホースで供給しなければならず、被災地で必要な長さを確保しようとすると、ホースリールだけで車載できないほど嵩張るものになってしまう。反対に供給圧力が高すぎると、ガス漏れのリスクが高くなって好ましくない。すなわち、震災後の悪路を被災地まで走行する際に、機器や部材は激しい振動を受けることになる。このため、供給圧力を中圧に保つことによりガス漏れのリスクを低く運用するのが好ましいのである。
【0064】
また、LPガス供給設備2を供給されてきたガス燃料を、2.0〜3.3kPaの低圧にして遮断弁13およびLPガスエンジン4に供給するための第2圧力調節器12を備えているため、
遮断弁13を低圧領域に設けることとなるため、ガス漏れ検知時にガス燃料の供給を確実に遮断し、安全性が担保される。すなわち、震災後の悪路を被災地まで走行する際に、遮断弁13は激しい振動を受けることになる。このため、低圧領域でガスの供給を遮断してガス漏れのリスクを低く運用するのが好ましいのである。
【0065】
また、上記LPガス供給設備2は、ガス燃料のLPガス供給源9からガス燃料の供給を受けるカプラー6を備えているため、
ガス供給用のホースなどをカプラー6で接続するため、迅速な電気の供給を担保する。従来の移動電源車では発電機5の本格的な稼動が開始するまで24時間程度の時間が必要であったところ、本発明では15分程度の短時間での稼動が可能となる。被災地・災害地でのスムーズな救助対応が可能になり、迅速に不便を解消できる。
【0066】
また、上記カプラー6は、上記第1圧力調節器10の下流側に配置されているため、
カプラー6を中圧領域に設けることとなるため、ガス漏れのリスクを低下させ、安全性が担保される。すなわち、震災後の悪路を被災地まで走行する際に、カプラー6等の機器は激しい振動を受けることになる。このため、中圧領域にカプラー6を設けてガス漏れのリスクを低く運用するのが好ましいのである。
【0067】
また、上記発電機5で発電した電気を出力するコンセントとして三相コンセント7と単相コンセント8の双方を備えているため、
単相コンセント8を一般家庭用の100V電源とし、三相コンセント7を動力用の200V電源とする。これにより、100V電源によって家電製品を使用可能にするほか、200V電源によってエレベータや空調を稼動させることができる。従来の移動電源車等では、家電製品は使えるようにできたが、停電が復旧するまでのあいだエレベータを動かすことができなかった。本発明では、停電した被災地でエレベーターに閉じ込められた被災者を救助するのに必要な電力を確保できる。被災地・災害地でのスムーズな救助対応が可能となる。また、非常時にエレベータ等の電源を確保して被災地の不便を解消することができる。
【0068】
上述した説明ではガス燃料がLPガスである例を説明したが、天然ガス等に代表されるような他の気体化石燃料でもよい。また、化石燃料以外のガス燃料の適用を妨げる趣旨ではない。