【実施例】
【0026】
つぎに本発明の第1の実施例によるリストバンド連続体1およびリストバンド4を
図1ないし
図5にもとづき説明する。
図1は、リストバンド連続体1をロール状に巻いた状態の斜視図、
図2は、リストバンド連続体1を帯状に延ばした状態の平面図であって、リストバンド連続体1は、帯状のバンド基材2の表面に特定情報を表示可能としているとともに、手首や足首などの被巻付け部に巻き付け可能な複数のリストバンドを連続して形成している。
【0027】
バンド基材2は、複数のバンド支持部3と、それぞれのバンド支持部3内に形成した複数のリストバンド4と、を有する。
バンド基材2自体の材料は、人体に接触する裏面側および特定情報を表示する表面側のそれぞれ特性に適した任意のものを選択するが、裏面側は柔軟かつ通気性に優れ、表面側は印字ないし印刷可能なものが望ましく、それぞれの機能に応じて必要な基材を積層する構造を採用することができる。
【0028】
また、バンド基材2は、リストバンド連続体1の製造工程において、バンド基材2の材料に二酸化炭素吸収剤を添加することができる。
この二酸化炭素吸収剤としては、たとえば無機系の二酸化炭素吸収剤からこれを構成し、ナノメートル(nm=10
−9m)のレベルにまで微粒子化しているとともに、バンド基材2全体にわたって均一に分散させていることが望ましい。たとえば、粒子径としては少なくとも1μm未満、より好ましくは10〜100nm程度とすることができる。
ナノメートルのレベルまで微粒子化している二酸化炭素吸収剤としては、たとえばアクテイブ株式会社製のナノベシクル二酸化炭素削減添加剤を用いることができる。
このような二酸化炭素球乳剤を添加しておくことにより、焼却炉(図示せず)における焼却処理において、リストバンド4も焼却されることになるが、加熱による燃焼により二酸化炭素(CO
2ガス)が発生し、二酸化炭素が二酸化炭素吸収剤に吸着されることになる。
とくに、二酸化炭素吸収剤がナノレベル(たとえば10〜100nm程度)にまで微粒子化されているとともに均一に分散しているので、二酸化炭素を効率的に吸収可能である。
なおまた、バンド基材2全体を抗菌仕様とすることが望ましい。
【0029】
バンド支持部3は、一枚単位のリストバンド4を有するもので、リストバンド4をバンド基材2からリストバンド4を取り除いたのちには、使用することなく破棄する領域である。
バンド支持部3は、互いの間に設けた切断可能なミシン目などによる接続線5を介してこれらを接続してある。
【0030】
リストバンド4は、 外縁境界線6を介してこのバンド支持部3の内方領域に形成したもので、母親用リストバンド7と、子供用リストバンド8と、を内縁境界線9を介して互いに隣り合わせに一体的に形成している。
外縁境界線6は、リストバンド4の外縁部ないしは外形線を構成するもので、母親用リストバンド7および子供用リストバンド8をその内方部に位置させ、この外縁境界線6の部分でリストバンド4をバンド支持部3から一体的に分離させる。
内縁境界線9は、母親用リストバンド7および子供用リストバンド8の隣接する境界部に直線的に位置しているもので、この内縁境界線9の部分で母親用リストバンド7と子供用リストバンド8とを分離させる。
【0031】
母親用リストバンド7は、これを子供用リストバンド8より大型としているとともに、子供用リストバンド8は、これを母親用リストバンド7より小型としている。
具体的には、母親用リストバンド7の方がより長くかつ幅が太く、母親用リストバンド7および子供用リストバンド8をそれぞれ母子の手首ないし足首(被巻付け部)のサイズに合わせている。
【0032】
図2に一部を拡大した断面で示すように、外縁境界線6および内縁境界線9は、バンド基材2の裏面側からバンド基材2の厚さ方向にほぼ半分の深さで形成したハーフカットによる切り目を有して、バンド支持部3からのリストバンド4の分離、およびリストバンド4における母親用リストバンド7からの子供用リストバンド8の分離を可能としている。
ただし、内縁境界線9における子供用リストバンド8の端部近傍には、接続線5などのミシン目と同等の強さで必要数(図示の例では、二個)のもろい一部接続部10をそれぞれ形成している。もろい一部接続部10は、ハーフカットによる切り目で形成された内縁境界線9の端部近傍の一部を、ハーフカットによる切り目を形成しないで所々繋がった状態(いわゆる点留め)にすることによって、内縁境界線9の部分を外縁境界線6の部分より切り離しにくくしてある。
かくして、内縁境界線9の分離強度を外縁境界線6の分離強度より大きくしてある。
【0033】
なお、もろい一部接続部10を2個以上形成する場合は、もろい一部接続部10と、隣接する他のもろい一部接続部10との間に挟まれている内縁境界線9のみをフルカットとしてもよい。そうすることにより、母親用リストバンド7から子供用リストバンド8が分離してしまうおそれを回避するとともに、母親用リストバンド7から子供用リストバンド8を分離する際に子供用リストバンド8の端部最近傍のもろい一部接続部10まで切離すことができれば、その後の切離し操作を容易にすることができる。
【0034】
当該リストバンド連続体1は、任意の方式によるプリンターにこれを装填してバンド基材2(リストバンド4)の表面に印字可能としてある。
図3は、上記プリンターの一例としての熱転写プリンター11の概略側面図であって、熱転写プリンター11は、リストバンド連続体1の供給部12と、位置検出部13と、印字部14と、を有する。
【0035】
供給部12は、リストバンド連続体1をロール状に保持し、位置検出部13および印字部14方向に向かってリストバンド連続体1を帯状に繰り出し可能としている。
【0036】
位置検出部13は、任意の方式による位置検出センサー15を有し、リストバンド連続体1におけるバンド支持部3の裏面側に形成した位置検出用マーク16を検出して、印字部14に対するリストバンド連続体1(リストバンド4)の相対位置を検出する。
なお、位置検出用マーク16は、これをリストバンド4の裏面内に配置させないようにして、母子の肌にそのインキが接触しないようにすることが望ましい。
また、位置検出用マーク16の代わりに、バンド支持部3の任意の部位、あるいはリストバンド4の後記セット孔27、28および調節孔29、30(
図2)とは異なる列の部位に位置検出用貫通孔(図示せず)を形成して、上記相対位置検出に用いることもできる。
【0037】
印字部14は、サーマルヘッド17と、プラテンローラー18と、熱転写インキリボン19の供給軸20および巻取り軸21と、を有し、プラテンローラー18の回転駆動にともなってリストバンド連続体1を移送するとともに、サーマルヘッド17の部分で母親および子供に関する特定情報を印字する。
【0038】
このような構成の熱転写プリンター11により、出産予定の母親が入院した時点で、母親用リストバンド7の母親用印字領域22および子供用リストバンド8の子供用印字領域23にそれぞれ必要な特定情報を可変情報として印字する。
ただし、母親用印字領域22および子供用印字領域23において、内縁境界線9にまたがって、特定情報に関連するバーコード24を印字することができ、かくすれば、一度に母子とも同一の特定情報を確実に印字表示しておくとともに、子供用リストバンド8を母親用リストバンド7から切り離したのちも母子共通のコード管理が可能である(
図4、
図5)。
図4は、母親用リストバンド7および子供用リストバンド8にバーコード24およびその他必要な特定情報25を目視可能に印字して表示した状態を示すバンド基材2の平面図である。
【0039】
図2に戻って、既述のようにリストバンド4は、ハーフカットを形成した外縁境界線6によりバンド支持部3から分離可能とするとともに、同じくハーフカットを形成した内縁境界線9により母親用リストバンド7から8を分離可能としているが、より詳細には、リストバンド4の長さ方向における外縁境界線6および内縁境界線9の直線部分をハーフカットとしている一方、リストバンド4の分離用端部としての両端部を半円弧状の弧状端部として、バンド支持部3からのリストバンド4の分離方向上流側におけるこの一方の弧状端部を、バンド基材2の厚さ方向に貫通して形成したフルカットとしてある。
すなわち、
図2に一部を拡大した断面で示すように、母親用リストバンド7および子供用リストバンド8は、それぞれの分離用端部を半円弧状とした弧状端部(分離開始側弧状端部7A、8A、および分離終了側弧状端部7B、8B)を有しており、母親用リストバンド7および子供用リストバンド8の分離開始側弧状端部7A、8Aを横並びに位置させるとともに、それぞれの分離開始側弧状端部7A、8Aを、バンド基材2の厚さ方向に貫通して形成したフルカットとしてある。
【0040】
換言すれば、リストバンド4の分離方向上流側とは、リストバンド4の移送方向上流側のことであり、熱転写プリンター11におけるリストバンド4の移送方向上流側にある外縁境界線6の端部(分離開始側弧状端部7A、8A)を、バンド基材2の厚さ方向に貫通して形成したフルカットとしてある。リストバンド連続体1を熱転写プリンター11に装填して移送印字する際にも、これらの弧状端部(分離開始側弧状端部7A、8A)が捲れ上がるおそれはないとともに、バンド支持部3からリストバンド4をはがし取り始める際に利用することができる。なお、分離開始側弧状端部7A、8Aの部分に、はがし用の矢印26をあらかじめ印刷し、必要であれば、「ここからはがしてください。」などの説明文(図示せず)を表示しておいてもよい。
ただし、母親用リストバンド7の分離終了側弧状端部7Bは移送方向最下流側に位置しているので、これをハーフカットとし、上記熱転写プリンター11にリストバンド連続体1を装填して移送印字する際の捲れ上がりを防止可能としている。
また、第1の実施例では、子供用リストバンド8の分離終了側弧状端部8Bにおいてもハーフカットとしてあるが、フルカットとしてあっても良い。子供用リストバンド8の分離終了側弧状端部8Bはフルカットとしてあっても、母親用リストバンド7の分離終了側弧状端部7Bより移送方向上流側に位置しているので、フルカットとしてあっても、熱転写プリンター11においてこの分離終了側弧状端部8Bが捲れ上がるおそれは少ないとともに、子供用リストバンド8を母親用リストバンド7とともにバンド支持部3から切り離す際にこの分離終了側弧状端部8Bの部分が切離し操作の支障になることはない。
なお、分離終了側弧状端部8Bをフルカットにする場合、子供用リストバンド8の上記分離終了側弧状端部8Bの最先端弧状部8Cをハーフカットとして、熱転写プリンター11内での移送印字時における捲れ上がりの防止を確実化し、この最先端弧状部8Cから内縁境界線9に至る弧状部分およびこの弧状部分に対向する母親用リストバンド7における外縁境界線6の弧状部分対向直線部7Cについては、外縁境界線6であっても、これをフルカットとしておくことにより、バンド支持部3からリストバンド4として分離する際の切離し操作を確実にするように構成することもできる。
【0041】
なお、母親用リストバンド7および子供用リストバンド8の母親用印字領域22および子供用印字領域23の両端部側には、それぞれ任意の数のセット孔27、28、および調節孔29、30を形成してあって、母親用固定用クリップ31および子供用固定用クリップ32(
図5(3))により母親用リストバンド7および子供用リストバンド8をリング状に留めることができるようになっている。
【0042】
さらに、バンド支持部3の余白部分に、熱転写プリンター11における移送方向を示す印字進行方向矢印33をあらかじめ印刷してある。
なお、印字進行方向矢印33は、熱転写プリンター11におけるリストバンド連続体1およびリストバンド4の印字方向を示すものであるとともに、熱転写プリンター11におけるリストバンド連続体1およびリストバンド4の移送方向を示すものでもある(
図3)。
【0043】
また、母親用リストバンド7および子供用リストバンド8は、同一のデザインによる任意の装飾(図示せず)を施すことにより、それぞれの一体性をより確実に視認可能としている。
ただし、母親用リストバンド7の地色をピンクとし、子供用リストバンド8の地色を黄色など異なる色とした上で、図柄などを同一系統のものとすることにより、デザインはそれぞれ統一感があるものの、母親用リストバンド7と子供用リストバンド8とを識別可能とするようにすることもできる。
【0044】
こうした構成のリストバンド連続体1によるリストバンド4を母子に巻き付ける操作について
図5にもとづき説明する。
図5は、リストバンド連続体1によるリストバンド4を母親および子供に巻き付ける操作の説明図であって、
図5(1)は、リストバンド4をバンド支持部3から分離した状態の平面図、
図5(2)は、リストバンド4を母親の手首W1に巻き付けた状態を示す斜視図、
図5(3)は、リストバンド4の母親用リストバンド7を母親の手首W1に巻き付けるとともに、リストバンド4の子供用リストバンド8を子供の手首W2に巻き付けた状態を示す斜視図である。
【0045】
図3に示した熱転写プリンター11により、
図4に示すように、リストバンド4の母親用印字領域22および子供用印字領域23にバーコード24および特定情報25などを印字し、ミシン目などによる接続線5の部分で切断し、一枚のバンド支持部3およびリストバンド4を得る。
この印字の際に、リストバンド4における移送方向の下流側に位置する分離終了側弧状端部7Bは、ハーフカットであり、移送方向の上流側に位置する分離開始側弧状端部7Aおよび分離開始側弧状端部8Aはフルカットであるため、印字の途中において、リストバンド4がバンド支持部3から分離してしまうおそれはない。
なお、子供用リストバンド8は、分離終了側弧状端部8Bをフルカットにした場合でも、その形成割合が小さいため大きな影響はない。
【0046】
図5(1)に示すように、リストバンド4全体(母親用リストバンド7および子供用リストバンド8)をバンド支持部3から分離する。この分離操作の際に、母親用リストバンド7および子供用リストバンド8の分離開始側弧状端部7Aおよび分離開始側弧状端部8Aがフルカットであるので、この部分から分離を開始すれば、簡単に切離し操作を実行可能である。
なお、子供用リストバンド8の分離終了側弧状端部8Bをフルカットにした場合、分離終了側弧状端部8Bの弧状部分がリストバンド4のバンド支持部3からの分離方向に逆らってはいても、分離終了側弧状端部8Bはバンド支持部3から確実に分離可能である。
【0047】
つぎに
図5(2)に示すように、母親用リストバンド7および子供用リストバンド8が一体に接続状態のままで、母親用リストバンド7のセット孔27および調節孔29を合わせて、固定用クリップ31により母親の手首W1にリストバンド4を巻き付けて取り付け固定する。
【0048】
図5(3)に示すように、出生児が生まれたときには、母親の手首W1からリストバンド4のうち子供用リストバンド8の部分を内縁境界線9においてそのハーフカットおよびもろい一部接続部10を引き裂くようにして母親用リストバンド7から切り離し、子供用リストバンド8のセット孔28および調節孔30を合わせて、固定用クリップ32により出生児の手首W2に子供用リストバンド8を巻き付けて取り付ける。
【0049】
かくして、リストバンド4への印字、およびバンド支持部3からリストバンド4の分離操作、さらには母親の手首W1への巻付けを支障なく容易に行うことができるとともに、もろい一部接続部10が内縁境界線9に形成されているために、分離強度が内縁境界線9と外縁境界線6との間で二段階となっていることから、母親の手首W1への装着中であっても子供用リストバンド8が母親用リストバンド7から分離してしまうおそれを回避し、子供用リストバンド8を母親用リストバンド7から分離して出生児への子供用リストバンド8の巻付け操作も容易に行うことができる。
【0050】
なお本発明において、内縁境界線9の分離強度を外縁境界線6の分離強度より大きくする構成としては、上述のフルカット、ハーフカット、および、もろい一部接続部10を任意に組み合わせた二段階強度ないしは必要に応じて三段階強度を有するものとすることができる。
たとえば、既述した第1の実施例によるリストバンド連続体1およびリストバンド4のように、外縁境界線6をフルカットおよびハーフカットの組み合わせから構成するとともに、内縁境界線9をハーフットおよびもろい一部接続部10の組み合わせから構成することができるとともに、外縁境界線6をハーフカットから構成し、内縁境界線9をハーフカットおよびもろい一部接続部10の組み合わせから構成することができる。
あるいは、外縁境界線6および内縁境界線9ともにハーフカットから構成するが、そのハーフカットの深さについて、外縁境界線6のハーフカットをより深く形成するとともに、内縁境界線9のハーフカットをより浅く形成することもできる。もちろん、この場合にも、上記もろい一部接続部10を内縁境界線9に設けておくように構成することもできる。
【0051】
さらに本発明においては、バンド支持部3に母親用リストバンド7を単一に準備することはもちろん、子供用リストバンド8を複数枚準備しておくこともでき、出生児が双子以上の場合、あるいは子供の手首および足首の両方に子供用リストバンド8を取り付けておき、万が一、子供の手首あるいは足首のいずれか一方から子供用リストバンド8がはずれても、いずれか他方に取り付けた子供用リストバンド8により出生児を特定可能としておくことができる。
【0052】
すなわち
図6は、本発明の第2の実施例によるリストバンド連続体40の平面図であって、リストバンド連続体40は、前記バンド基材2にバンド支持部3およびリストバンド41を形成している。
【0053】
リストバンド41は、母親用リストバンド42と、一対の第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44と、を一体に有している。
リストバンド41とバンド支持部3との間の分離は、外縁境界線45の部分で行い、母親用リストバンド42と第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44との間の分離は、第1の内縁境界線46および第2の内縁境界線47の部分で行う。
【0054】
すなわち、外縁境界線45、第1の内縁境界線46および第2の内縁境界線47の直線部分はこれをハーフカットとし、母親用リストバンド42における移送方向上流側の分離開始側弧状端部42A、ならびに、第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44における移送方向上流側の分離開始側弧状端部43A、44Aはこれをフルカットとしている。
また、母親用リストバンド42における移送方向下流側の分離終了側弧状端部42B、ならびに、第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44における移送方向下流側の分離終了側弧状端部43B、44Bはこれをハーフカットとしている。
【0055】
ただし、母親用リストバンド42の分離終了側弧状端部42Bの最先端弧状部42C、ならびに、第1の子供用リストバンド43の分離終了側弧状端部43Bの最先端弧状部43Cおよび第2の子供用リストバンド44の分離終了側弧状端部44Bの最先端弧状部44Cをハーフカットとして、熱転写プリンター11内での移送印字時における捲れ上がりの防止を確実化し、この最先端弧状部42C、43C、44Cから第1の内縁境界線46および第2の内縁境界線47に至る弧状部分については、外縁境界線45であっても、これをフルカットとしておくことにより、バンド支持部3からリストバンド41として分離する際の切離し操作を確実にする。
さらに、第1の子供用リストバンド43における移送方向上流側の分離開始側弧状端部43Aに対向する母親用リストバンド42における外縁境界線45の弧状部分対向直線部42Dについては、外縁境界線45であっても、これをフルカットとしておくことにより、バンド支持部3からリストバンド41として分離する際の切離し操作を確実にする。
【0056】
母親用リストバンド42は母親用印字領域48を有し、また、第1の子供用リストバンド43は第1の子供用印字領域49を有し、第2の子供用リストバンド44は第2の子供用印字領域50を有するが、第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44については、第2の内縁境界線47を途中からやや屈曲させて、その子供用印字領域49、50の幅を確保している。
【0057】
なお、第1の内縁境界線46および第2の内縁境界線47の両端側には、前記もろい一部接続部10を任意の数だけ設けることにより、母親用リストバンド42と、第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44との間の分離強度を、リストバンド41全体をバンド支持部3から切り離す際の分離強度より大きくしている。
【0058】
図7は、母親用リストバンド42さらには第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44にバーコード24およびその他必要な特定情報25を目視可能に印字して表示した状態を示すバンド基材2の平面図であって、これらのバーコード24および特定情報も、前記熱転写プリンター11(
図3)に装填することにより可変情報として印字可能である。
【0059】
こうした構成のリストバンド連続体40およびリストバンド41においても、既述の第1の実施例によるリストバンド連続体1(
図1)およびリストバンド4(
図2)と同様に、とくに出生児が双子の場合あるいは出生児の手足にリストバンドを巻き付ける場合に、母子の特定に必要な母親用リストバンド42、第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44に必要な特定情報25を印字することができる。
【0060】
さらに、接続線5の部分で切り離した一枚のバンド基材2において、バンド支持部3からリストバンド41を分離するにあたって、母親用リストバンド42のフルカットによる分離開始側弧状端部42Aから切り離し始めれば、そのハーフカットによる外縁境界線45に沿ってリストバンド41として、母親用リストバンド42、第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44を一体的に容易かつ確実に分離することができる。
このリストバンド41を、前記リストバンド4(
図2)と同様に母親の手首W1に巻き付けるが、ハーフカットによる第1の内縁境界線46および第2の内縁境界線47にもろい一部接続部10が形成されているので、母親用リストバンド42から第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44が不用意に切り離されてしまうおそれを回避可能である。
出産後は、母親用リストバンド42から第1の子供用リストバンド43および第2の子供用リストバンド44を分離して、出生児の手首および足首にそれぞれ巻き付けることができる。