【実施例】
【0045】
本明細書中に記載された方法は、任意の誘電体膜上で行うことができるが、以下の例は、PDEMS(商標)2.5ATRP膜を用いる。本明細書中で使用される場合、「PDEMS(商標)2.5ATRP膜」の表示は、約2.5の誘電率を有する低誘電体膜を記載する。Allentown、PAのAir Products Inc.により提供されたシリカ含有前駆体としてのジエトキシメチルシラン(DEMS)を使用して膜を堆積させ、そしてAir Products Inc.によって提供されたポロゲン前駆体としてのα−テルピネン(ATRP)を、Advance Energy 200rf発生器を取り付けた200mm D×Z真空のチャンバー内でApplied Materials Accuracy−5000システムを使用し、そして未ドープのTEOSプロセスキットを使用する、プラズマCVD(PECVD)法により生成させた。PDEMS(商標)2.5ATRP膜を、米国特許第6、846、515号明細書(参照によりその全てを本明細書中に取り込む。)に記載された方法によって調製した。
【0046】
以下の例では、そうでないと記載しなければ、特性は、媒体抵抗率(8〜12Ωcm)の単結晶ケイ素ウェハー基材上に堆積されたサンプル膜から得られた。
【0047】
それぞれの膜の240nmでの厚さ、膜屈折率、および240nmでの吸光係数を、SCI FilmTek2000反射率計上での反射率測定法により決定した。
【0048】
それぞれのサンプル膜の誘電率を、ASTM基準D150−98により決定した。それぞれの膜の静電容量電圧を、Solartron モデル SI 1260周波数分析器およびMSI ElectronicsモデルHg401単一接点 水銀プローブを用いて、1MHzで得た。静電容量測定および水銀電極面積(A)における誤差は1%未満であった。基材(ウェハー)静電容量(C
Si)、バックグラウンドの静電容量(C
b)および全静電容量(C
T)を、+20と−20ボルトとの間で測定し、そして薄膜サンプル静電容量(C
s)を、式(1):
Cs=C
Si(C
T−C
b)/[C
Si−(C
T−C
b)] 式(1)
によって計算した。
それぞれの膜の誘電率を、式(2):
【数1】
式(2)
(式中、dは、膜厚であり、Aは、水銀電極面積であり、そしてε
0は、真空中での誘電率である。)
によって計算した。
膜の誘電率の全誤差を6%未満と予期した。
【0049】
それぞれの膜の弾性係数を、ウェハーの中心から切断した1×0.4cm
2のサンプルからとり、そして低温溶融接着を使用して、Valley Cottage、N.Y.のArmco Products Inc.、によって製造されたCRYSTALBOND(商標)アルミニウムスタブ上へ取り付けて測定した。オリバーら、‘‘An improved technique for Determining Hardness and Elastic Modulus Using Load and Displacement Sensing Indentation Experiments’’、J.Material Research、1992、7、pp.1564−1583の参照(参照によりその全てを本明細書中に取り込む)中に記載された連続的剛性測定(「CSM」)法を使用して、ACCUTIP(商標)Berkovichダイアモンドチップを用いて、MTS Systems Corporationによって製造されたNANOINDENTER(商標)Dynamic Contact Module(DCM)で圧子押し込み試験を行った。小さな振動を最初のローディング信号に重ね合わせ、そして得られた系の応答を、周波数特定増幅器によって分析した。この励起周波数を、試験を通して75Hz(DCM)に一定に保ち、そして生じた置き換えられた振幅が1nm(DCM)で一定になるように、励起振幅を制御した。
【0050】
それぞれの圧子押し込み実験は、接触剛性Sの連続的な測定を可能にした。Sの動的測定尺度、ならびにヤング率および硬度(ポアソン比=シリカで0.18、低κ膜で0.25)の確立した式を使用して、それぞれの個々の圧子押し込み実験は、表面貫通の連続的な関数としてのヤング率および硬度を与えた。それぞれのサンプルでかつ約20〜25μmの距離で分離された一連のくぼみで4〜5のくぼみの配列を行った。それぞれの圧子押し込み実験からの結果を調べ、そしてあらゆる「異常値」を除いた。それぞれのサンプルの、ヤング率および硬度の結果対圧子押し込み実験の貫通を、約5nm間隔で置き換えた窓を使用して平均した。この窓におけるデータを使用して、それぞれのサンプルでの平均値、標準偏差、および信頼区間を、次に計算した。間の開いた窓の残りについても、同じ統計を同様に計算した。硬度の結果が得られ、そして同様に平均した。硬度およびヤング率を、(約30〜50nmでの)硬度曲線の最小値で測定した硬度の値および(約30〜50nmでの)ヤング率曲線の最小値で測定されたヤング率として報告した。膜のヤング率および硬度の誤差は、10%未満と期待される。
【0051】
DTGS KBR検出器およびKBrビームスプリッターを備えたThermo Nicolet Nexus 470systemを使用してウェハー上のFTIRデータを収集した。スペクトルからCO
2および水を除くために、バックグラウンドスペクトルを、類似の媒体抵抗率ウェハー上で収集した。4cm
−1の分解能で32回スキャンして収集することによって4000〜400cm
−1の範囲にあるデータを得た。OMNICソフトウェアパッケージを、データを処理するために使用した。すべての膜で、ベースラインを修正した、強度を500nmの膜厚に正規化し、そして関心の対象であるピーク面積および高さをOMNICソフトウェアで決定した。
【0052】
相対感度因子および同種の層を仮定したモデルを使用して、X線光電子分光法(XPS)データを定量化したXPS測定を、単色化されたAlk
α 1486.6eV X線源、±7°の受光角、65°の取り出し角、800μm
2の分析面積、86Å/分のスパッタ速度、およびAr
+、3keV、4x4mmラスターのイオン中の条件を使用して、Phi 5701 LSci system上で得た。分析の体積は、分析の面積(スポットサイズまたは開口サイズ)と、情報の深さとの産物である。光電子がX線の貫通深さ(典型的には、数μm)以内に生成されるが、しかし深さから脱出した上位3番以内の光電子のみが検出される。脱出深さは、約50〜100Åの分析深さとなる、15〜35Å程度である。典型的には、信号の95%がこの深さ内から生じる。9.4T(400MHz)の場強度で、12〜14kHzのスピニング速度を有するVarian 3.2 mm T3DR プローブを使用して、
29Siおよび
13C MAS NMRデータを収集した。Livermore、CAのAcorn NMR、Inc.によって開発されたNUTSソフトウェアを使用して、データ分析を行った。
【0053】
以下の例の幾つかにおいて、特定しなければ、自動化Applied Materials P5000プラットフォームに取り付けられた200mm D×lチャンバーに統合化された10’’H
+バルブを有するFusion VPS/I−600をスウィープすることで、UV暴露を行った。サセプターの温度を、300℃に設定した。0.5分〜10分、好ましくは1分〜3分の範囲で100%のUV出力にサンプルを曝した。以下の例のいくつかでは、UV硬化工程(例えば、または多孔質OSG膜を提供するために、複合膜から有機材料を除去するのに使用される工程)に加えて、UV曝露工程を使用できる。
【0054】
以下の例のいくつかにおいて、例示的ウェハーを、以下の表IIに提供された以下の化学組成物の1種で処理した:
表II:例示的ウェハーを処理するための化学組成物(すべてのパーセンテージは、重量%で提供され、そして100重量%まで加えられる)
【表2】
用語集:
ジメチルアセトアミド(DMAC)
テトラヒドロフリルアルコール(THFA)
脱イオン化水(DIW)
酢酸アンモニウム(アンモニウムアセテート)
フッ化アンモニウム(AF)
グリセロール(Gly)
ヒドロキシルアミン(50%溶液)(HA)
メタノールアミン(MEA)
【0055】
例1:低誘電体OSG膜内の炭素含有種の検出
29Si MAS NMRを、ネットワーク構造を評価するために使用し、そして
13C MAS NMRを、膜内の炭素含有種を評価するために使用した。1超タイプの炭素、例えば、共有結合でSiに結合したCH
3および残留する炭素含有種が、これらの膜の中にありそうである証拠として、表IIIに200mmウェハーからすくい取った粉末の
29Si MAS NMRおよび
13C MAS NMRをまとめる。表IIIは、膜内の存在する異なるSi種および炭素含有種が存在することを示す。表IIIはまた、膜内の存在する2つのタイプの炭素含有種:Si原子またはネットワーク末端炭素基に結合したメチル基およびアルケンのような炭素相に関連したものを示す。後者の炭素は、膜の誘電率の増加および機械的特性の低下に寄与しそうである。これが、本明細書中に記載された方法が損傷を与えるシリケートネットワークまたは膜を疎水性にする末端基に損傷を与えることなく、除去しようとするこのアルケンのような炭素種である。好ましくない炭素含有種が膜ネットワーク等の材料を著しく劣化させることなく膜から除去できる場合、得られた膜において改善された電気的特性または機械的特性があることができる。
表III:200mmの硬化したPDEMS(商標)2.5ATRPウェハーからすくい取った粉末の
29Si MAS NMR および
13C MAS NMR。
【表3】
【0056】
酸化剤を含む薬品での処理、UV光への暴露、さらなる化学的調合物での処理、およびそれらの組み合わせを行った、種々の硬化したPDEMS(商標)2.5ATRP膜の誘電率および機械的特性を表IV中に提供する。表IV中のすべての例において、硬化したPDEMS(商標)2.5ATRP膜を、酸化性化学的オゾン(O
3)で処理した。表IV中の例3および4において、処理されたPDEMS(商標)2.5ATRP膜を、広帯域のH
+バルブ、6000ワット融着システム、真空、および300℃のサセプター温度、の条件でUV光に1分間曝した。表IV中の例1および2は、次の化学処理工程を有するか、または有さないオゾン処理が、膜の誘電率を増加させ、そして膜の機械的特性を低下させることを示す。しかし、O
3で処理した膜をUV光に短時間曝した後で、誘電率は通常に戻ったか、または低下し、一方、膜の機械的特性は高くなった。
表IV:種々の処理後の誘電率および機械的特性への影響
【表4】
【0057】
比較例:1種または2種以上の化学的クリーニング組成物を用いた処理
表V、VI、およびVIIに提供した種々の処理条件下で硬化し、そして未硬化のPDEMS(商標)2.5ATRPウェハーを(上記表II中に提供された)種々の化学組成物で処理した。表V、VI、およびVIIは、種々のクリーニング組成物で処理した後のそれぞれの例示的なウェハーについて、反射率計によって得た厚さ、屈折率、および吸光係数をさらに提供する。PDEMS(商標)2.5ATRPウェハーを、20℃〜80℃の範囲の種々の温度で、湿式薬品を含有する容器内で接触させるか、または容器内に浸した。種々の化学組成物への基材の暴露の典型的な時間は、例えば、1〜120分の範囲であることができる。化学組成物での処理後に、ウェハーを脱イオン水ですすぎ、そして次に乾燥した。乾燥を不活性雰囲気下で行った。
【0058】
化学組成物Hを用いて、10分間および30分間硬化した膜を処理した後(比較例1および2、それぞれ)で、膜厚はわずかに減少したが、対照Bと比較して、処理したDEMS(商標)2.5ATRP膜では屈折率および吸光係数の変化は観察されなかった(表Vを参照のこと)。60分間の処理後では、比較例3の膜が大幅に損傷され、そして表面粗さが目で見えた。比較例1、2、および3の膜のFTIRデータは、膜厚の減少を示すSi−Oピークの一定の減少を示すが、1735cm
−1でのカルボニルピークは観察されなかったことを示す。これらの結果は、ヒドロキシルアミンを含む化学組成物が炭素含有種を除去できなかったが、より長い暴露時間で硬化したPDEMS(商標)2.5ATRP膜を損傷したことを示す。
【0059】
表VIは、化学組成物Iを用いて硬化した膜を5分間処理した後(比較例4)で、対照Cと比較して、PDEMS(商標)2.5ATRP膜上に屈折率および吸光係数の変化がないことをさらに示す。化学組成物Iを用いて10分間処理した後(比較例5)では、屈折率および吸光係数と共に膜厚は減少した。化学組成物Iを用いて30分間処理した後(比較例6)では、膜は剥離した(deliminated)。比較例4、5、および6の膜のFTIRデータは、膜厚の減少を示すSi−Oピークの一定の減少を示すが、1735cm
−1でのカルボニルピークは観察されなかったことを示す。これらの結果は、ヒドロキシルアミンを含む化学組成物が炭素含有種を除去できなかったが、より長い暴露時間で硬化したPDEMS(商標)2.5ATRP膜を損傷したことを示す。
【0060】
表VIIは、30分間まで、種々のクリーニング組成物を用いて処理した後に、対照Dと比較した場合、未硬化のPDEMS(商標)2.5ATRPの厚さ、屈折率および吸光係数の変化がなかったことを示す。FTIRデータは、膜特性の変化およびカルボニル種の存在を示さなかった。これらの結果は、これらのクリーニング組成物が未硬化のPDEMS(商標)2.5ATRP膜からポロゲンおよび炭素含有種を除去できなかったことを示す。
表V:化学組成物Hを用いた処理
【表5】
表VI:化学組成物Iを用いた処理
【表6】
表VII:化学組成物A、B、D、E、F、およびGを用いた処理
【表7】
【0061】
例2:オゾン、オゾンおよび湿式化学的処理、ならびにオゾンおよびUVへの暴露後の硬化した多孔質OSG膜の種々の特性への影響
硬化した多孔質PDEMS(商標)2.5ATRPウェハーを、ウェハーがオゾンを含むガス状の雰囲気に曝されるUV−オゾン乾燥洗浄機、または紫外線オゾン洗浄システム、UVOCS Inc.、モデルT10X10/OES、Serial no.1034中で処理した。表VIIIは、それぞれの例示的なウェハーの、反射率計で得られた処理条件および厚さ、屈折率、および吸光係数を提供する。反射率計のデータは、表VIIIに提供され、そしてO
3曝露後に、632nmにおける屈折率および240nmにおける吸光係数が、厚さの変化なく著しく減少したことを示す。さらなる湿式化学処理を、UV硬化の前にO
3に暴露したウェハーを洗浄するために使用した。湿式薬品は、中性から酸性の半水性溶媒および水混合物またはC=Oを含有する有機溶媒であった。種々の湿式薬品の調合物を上記表IIに示す。O
3で処理した基材を20℃〜80℃の範囲の温度で種々の化学組成物に接触させるか、種々の化学組成物を含有する容器に浸した。化学組成物での基材の典型的な処理時間は、例えば、1〜120分間である。化学組成物との接触後に、基材を脱イオン水ですすぎ、そして次に乾燥させることができる。乾燥は、典型的には、不活性な雰囲気下で行う。化学組成物を用いた追加の処理の後で、屈折率および吸光係数は、さらに低下した(例10を参照のこと)。
【0062】
表IXは、例示的なウェハーのそれぞれで得られたFTIRデータを提供する。表IX中のデータが具体的に示すように、O
3での処理後に、Si−CH
3/SiOの比が本質的に変化していないことを示し、これはSiに共有結合で結合したメチル基がO
3を用いた処理により影響されていないことを示す(比較対照Eおよび例5)。FTIRスペクトルはまた、O
3処理の後で、おそらく、それぞれ、C=Oおよび−OH伸縮遷移による、強いピークが、約1735cm
〜1に現れ、そして広いピークが約3500cm
〜1現れたことを示す(例5を参照のこと)。これは、炭素含有種が、O
3処理によって多分カルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種または炭素含有副生成物に転化されたことを示す。追加のクリーニング組成物へのウェハーさらなる曝露は、約1735cm
〜1のカルボニルピークを完全に除去したが、−OH結合は残った(例6、7、および8を参照のこと)。この−OH結合は、表面上に水素結合したH
2Oから生じることができる。さらなるUV曝露工程は、カルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種または炭素含有副生成物を完全に除去することができ、そして膜構造を回復した(例9および例10を参照のこと)。
【0063】
表Xは、ある例のXPSデータを提供する。XPSデータは、硬化したPDEMS2.5(対照E)をそのまま、およびO
3暴露した硬化したPDEMS2.5の表面(例5)およびXPSおよびESCAによってスパッタされた表面上で観察された種を示す。これらの種は、R−Si、炭化水素、Oを含む有機物、より少量のフルオライドおよびC−Nを含む。例5はまた、FTIRからの発見と一致するO−C=O官能性(恐らく、エステル)を含んでいた。対照Eおよび例5の炭素濃度を比較すると、O
3処理は、そのままの表面で炭素濃度を24.1%から15.3%、および−10nmの表面で19.3%から7.1%に減少させた。これらの結果は、炭素含有種がO
3を用いた処理で効果的に除去されたことの更なる証拠を提供する。
表VIII:O
3、種々のクリーニング組成物およびUV曝露を用いた処理後の硬化したPDEMS(商標)2.5ATRP膜の反射率計データ
【表8】
表IX:O
3、湿式化学クリーニング薬品への暴露およびUV曝露後の硬化したPDEMS2.5膜のFTIRデータ
【表9】
表X:XPSおよびESCAによるイオンスパッタリングの前および後の(%での)
a濃度および元素比
【表10】
a100%の検出された元素に正規化している。XPSは、HまたはHeを検出しない。
【0064】
例3:オゾン水を用いた処理およびUVへの曝露後の硬化した多孔質OSG膜の種々の特性への影響
2.5の誘電率を有する硬化した多孔質PDEMSウェハーを、約21.8℃で水中に30(ppm)オゾンを含むオゾン水(O
3/H
2O)に表XIおよびXIIに示した種々の時間浸した。反射率計データ(表XI)は、オゾン水への浸漬の後で、浸漬時間を増やすにつれて、632nmでの屈折率および240nmでの吸光係数が著しく減少することを示す。ウェハーの厚さは、本質的に変わっていない。
【0065】
表XIIは、例示的なウェハーのそれぞれで得られたFTIRデータを示す。表XII中でデータが具体的に示すように、60分までの間オゾン水に浸漬した後、(対照Fと例11〜14とを比較して)Si−CH
3/SiO比が本質的に変化を示しておらず、Siに共有結合で結合したメチル基がオゾン水によって影響されていないことを示す。FTIRスペクトルはまた、オゾン水中への5分間の浸漬後に、それぞれ、C=Oおよび−OH伸縮遷移による強いピークが約1735cm
〜1に現れ、そして広いピークが約3500cm
〜1に現れることを示す。これは、オゾン化への5分間の浸漬の後で、炭素含有種が、おそらくカルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種または炭素含有副生成物に転化されたことを示す(対照Fおよび例11〜14を参照のこと)。より長い浸漬時間では、カルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種の大幅な増加がない。
表XI: O
3/H
2Oを用いた処理後の例示的OSG膜の反射率計データ
【表11】
表XII:O
3/H
2Oにおける浸漬後の例示的OSG膜のFTIRデータ
【表12】
【0066】
例4:SPMを用いた処理後の硬化した多孔質OSG膜の種々の特性への影響
2.5の誘電率を有する硬化した多孔質PDEMS(商標)2.5ATRPウェハーを、SPM(10:1モル比率の98%硫酸:30%H
2O
2)中に120℃で表XIIIおよびXIVに示した種々の時間浸漬した。反射率計データ(表XIII)は、浸漬時間が増えるにつれて、SPMへの浸漬後に、632nmでの屈折率はわずかに低下し;240nmでの吸光係数は著しく低下し;そしてウェハーの厚さは、わずかに変化したことを示す。
【0067】
表XIVは、例示的なウェハーのそれぞれで得られたFTIRデータデータを示す。表XIV中のデータが具体的に示すように、30分までの間SPM中に浸漬した後で、Si−CH
3/SiOの比はわずかに低下し、Siに共有結合で結合したメチル基がSPMへの浸漬によりわずかに影響されたことを示す。FTIRスペクトルはまた、SPMへの1分間の浸漬後に、それぞれ、C=Oおよび−OH伸縮遷移による、強いピークが約1735cm
〜1に現れそして広いピークが約3500cm
〜1に現れたことを示す。これは、SPMへの1分間の浸漬の後で、炭素含有種が、おそらくカルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種または炭素含有副生成物に転化されたことを示す。カルボニル(C=O)伸縮の積分面積の連続した減少は、カルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種がより長い浸漬時間でSPMへのSPMにより除去されることを示す。
表XIII:SPMへの浸漬後の硬化した多孔質OSG膜の反射率計データ
【表13】
表XIV:SPMへの浸漬後の硬化した多孔質OSG膜のFTIRデータ
【表14】
【0068】
例5:オゾンおよび種々のクリーニング薬品を用いた処理後の未硬化の多孔質OSG膜の種々の特性への影響
未硬化のPDEMS(商標)2.5ATRPウェハーを、ウェハーがオゾンを含有するガス雰囲気に曝されるUVオゾン乾燥洗浄機(UVOC)中で処理した。反射率計データ(表XV)は、O
3曝露後に、厚さのわずかな減少を伴いながら632nmでの屈折率および240nmでの吸光係数は、著しく低下したことを示す。UV硬化の前にO
3に暴露されたウェハーを洗浄するために追加の湿式化学処理を使用した。湿式薬品は、中性から酸性の半水性溶媒および水混合物またはC=Oを含有する有機溶媒である。薬品の例は、組成物AからCであり、本明細書中の表IIに提供されている。
【0069】
FTIRデータ(表XVI)は、O
3への暴露後にSiに共有結合で結合したメチル基がO
3への暴露によって影響されていないことを示すSi−CH
3/SiOの比が本質的に変化していないことを示す。他方では、C−H/SiOの比は、著しく低下し、O
3への曝露によりポロゲンが実質的に除去されたことを示す。FTIRスペクトルはまた、O
3への曝露の後で、それぞれ、C=Oおよび−OH伸縮遷移による、強いピークが約1735cm
〜1に現れそして広いピークが約3500cm
〜1に現れたことを示す。これは、O
3への曝露によって、炭素含有種が、おそらくカルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種または炭素含有副生成物に転化されたことを示す。湿式薬品クリーニングは、約1735cm
〜1におけるカルボニルピークのいくつかを除去したが、しかしC=Oおよび−OH種を完全に除去するのに充分効果的でなかった。
表XV:O
3曝露および湿式化学的クリーニング後の未硬化のOSG膜の反射率計データ
【表15】
表XVI:O
3曝露および湿式化学的クリーニング後の未硬化のOSG膜のFTIRデータ
【表16】
【0070】
例6:オゾン水処理後の未硬化の多孔質OSG膜の種々の特性への影響
未硬化のPDEMS(商標)2.5ATRPウェハーを、約21.8℃で水中に30(ppm)オゾンを含むオゾン水(O
3/H
2O)に、表XVIIおよびXVIIIに示した種々の時間浸した。反射率計データ(表XVII)は、オゾン水への浸漬後に、浸漬時間が増えるにつれて240nmでの吸光係数が、著しく減少したことを示す。ウェハーの屈折率および厚さがわずかに変化した。
【0071】
FTIRデータ(表XVIII)は、60分までの間のオゾン水への浸漬後にSi−CH
3/SiOの比が本質的に変化せず、Siに共有結合で結合したメチル基がオゾン水によって影響されていないことを示す。他方では、C−H/SiOの比は、著しく低下し、オゾン水への浸漬により、ポロゲンが実質的に除去されたことを示す。FTIRスペクトルはまた、オゾン水への5分間の浸漬後に、それぞれ、C=Oおよび−OH伸縮遷移による、強いピークが約1735cm
〜1に現れそして広いピークが約3500cm
〜1に現れたことを示す。これは、オゾン水への5分間の浸漬後に、炭素含有種が、おそらくカルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種または炭素含有副生成物に転化されたことを示す。より長い浸漬時間において、カルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種の大幅な増加はなかった。
表XVII:オゾン水への浸漬後の未硬化のPDEMS2.5膜の反射率計データ
【表17】
表XVIII:オゾン水への浸漬後の未硬化のPDEMS2.5膜のFTIRデータ
【表18】
【0072】
例7:SPMへの曝露後の未硬化の多孔質OSG膜の種々の特性への影響
未硬化のPDEMS2.5ウェハーを、120℃でSPM(98%硫酸:30%H
2O
2=10:1)に種々の時間浸漬した。反射率計データ(表XVIX)は、浸漬時間が増えるにつれて、SPMへの浸漬後に、632nmでの屈折率および240nmでの吸光係数著しく低下したことを示す。浸漬時間が増えるにつれて、ウェハーの厚さのわずかな減少がある。
【0073】
FTIRデータ(表XX)は、SPMへの10分間までの浸漬後に、Si−CH
3/SiOの比がわずかに低下し、Siに共有結合で結合したメチル基がSPMによってわずかに影響されたことを示す。C−H/SiO比率の大幅な変化は、SPMが未硬化のPDEMS膜からポロゲンを効果的に除去したことを示す。FTIRスペクトルはまた、SPMへの1分間の浸漬後に、それぞれ、C=Oおよび−OH伸縮遷移による、強いピークが約1735cm
〜1に現れそして広いピークが約3500cm
〜1に現れたことを示す。これは、SPMへの1分間の浸漬後に、炭素含有種が、おそらくカルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種または炭素含有副生成物に転化されたことを示す。より長い浸漬時間において、カルボニル(C=O)またはカルボン酸(COOH)種は、SPMによって除去される傾向にある。SPMへの浸漬後に、低いC−H/SiO比が硬化したPDEMS2.5ウェハーのその比に近づいていることが観察された(対照A−Gを参照のこと)。
表XVIX:SPMへの浸漬後の未硬化のPDEMS2.5膜の反射率計データ
【表19】
表XX:SPMへの浸漬後の未硬化のPDEMS2.5膜のFTIRデータ
【表20】
【0074】
机上例8:ヒドラジンでの処理後の硬化した多孔質OSG膜の種々の特性への影響
2.5の誘電率を有する硬化した多孔質PDEMS(商標)2.5ATRPウェハーを、70℃でヒドラジン溶液(水中35wt%ヒドラジン)に、1、5、10、および30分間浸漬した。反射率計データは、ヒドラジン溶液への浸漬後に、632nmでの屈折率が減少するであろうし;240nmでの吸光係数が低下するであろうし;そして浸漬時間が増加するにつれて、ウェハーの厚さがわずかに変化するであろうことを示す。
【0075】
FTIRデータは、スペクトルの炭化水素領域における大幅な低下がある、すなわち、C−H/SiO比が低下するであろうが、しかしCH
3−Siピーク面積が変化しないことを示すであろう。これは、還元的化学的処理が炭素含有種の除去に選択的であり、そして炭素種が末端のネットワークでは選択的でない個を示す。
【0076】
膜の誘電率は2.5から2.3に低下し、そして機械的特性は未処理のPDEMS2.5膜と同じままである。ヒドラジンで処理したサンプルの暴露により、誘電率は、2.2まで低下するであろうし、そして膜の弾性率は、5%増加するであろう。
【0077】
机上例9:シュウ酸を用いた処理後の硬化した多孔質OSG膜の種々の特性への影響。
2.5の誘電率を有する硬化した多孔質PDEMS(商標)2.5ATRPウェハーを、シュウ酸溶液に、1、5、10、および30分間浸漬した。反射率計データは、シュウ酸溶液への浸漬後に、632nmでの屈折率が減少するであろうし;240nmでの吸光係数が低下するであろうし;そして浸漬時間が増加するにつれて、ウェハーの厚さがわずかに変化するであろうことを示す。
【0078】
誘電率は、シュウ酸溶液への暴露後に変化しないが、しかし膜の機械的特性は5%低下した。UV光への1分間の暴露により、誘電率は、2.5から2.3に低下し、そして膜の弾性率は、10%増加した。
【0079】
例10:硬化したPDEMS2.5膜の偏光解析法データへの処理および暴露の影響
例10は、材料の孔サイズがUV−硬化した多孔質PDEMS膜からの非骨格炭素の改変および除去で変化することを具体的に示す。これらの結果は、未処理のPDEMS2.5膜と比較して、膜の増加した機械的特性および等しい誘電率を説明できる。
【0080】
吸着物としてトルエン溶媒を使用して、偏光解析法による多孔率測定(EP)を、フランスのSOPRA S.A.によって製造されたSOPRA EP−12偏光解析器で行った。EPは、減圧下での有機溶媒または水のいずれかの吸着および脱着の間の、光学特性および材料の厚さの変化を測定する。この分析は、誘電体材料の気孔率、マイクロ孔およびメソ細孔の細孔サイズ分布、累積表面積、孔の相互に接続性、ヤング率、厚さおよび屈折率を提供する。トルエンをチャンバーに入れ、そして膜の屈折率を測定した。トルエンの分圧を0.01から0.97まで変化させて、例示的な膜で吸着/脱着の等温線を得た。膜の屈折率の変化に基づいて、膜によるトルエン吸着の量を式(3)(式中、有n
rlは孔中の液体を有する膜の屈折率であり、n
reは、吸着物への暴露前の多孔質膜の屈折率であり、そしてn
lは、液体吸着物の屈折率である。)から計算できる。
【数2】
式(3)
【0081】
SOPRAによって開発されたWinElli IIソフトウェアを使用して、孔サイズおよび細孔サイズ分布を、ケルビンおよび/またはドゥビニン―ラドゥシュケビッチの式を用いて、吸着/脱着等温曲線から決定できる。
【0082】
表XXIは、膜から炭素含有種を除去していないPDEMS2.5およびオゾンを用いて処理した2つのPDEMS膜の孔サイズおよび細孔サイズ分布を提供する。例示的な膜は、例3および4および例1からの対照サンプルAである。表XXIは、孔直径が25%増加し、全マイクロ細孔容積が15%減少し、そしてメソ細孔容積が4%増加したことを示す。孔サイズおよび孔の分布におけるこれらの変化は、酸化性または還元性炭素改変技術を使用して、孔構造に大幅な変化があったことを示唆する。これらの膜の孔構造の変化は、多孔質誘電体膜の機械的および絶縁特性の両方に大幅な影響することができる。
表XXI:O
3への暴露後の硬化したPDEMS2.5膜のEPデータ
【表1】
(態様1)
複合有機シリケート膜を用意する工程であって、該複合有機シリケート膜が、少なくとも1種のケイ素含有前駆体および少なくとも1種のポロゲン含有前駆体を含む組成物から堆積され、そして該複合有機シリケート膜が、炭素含有種を含む工程と、
該複合有機シリケート膜を、紫外線を含むエネルギー源に曝す工程と、
膜に含まれる炭素含有種の少なくとも一部分を除去し、そして多孔質有機シリケート膜を提供するために、酸化剤、フッ素化試薬、メチル化試薬、還元剤、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種を含む薬品を用いて、該複合有機シリケート膜を処理する工程と、
を含んで成る、多孔質有機シリケート膜の生成方法。
(態様2)
該多孔質有機シリケート膜を、該エネルギー源に曝すことをさらに含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
該エネルギー源が、熱源、α−粒子、β−粒子、γ−線、X線、高エネルギー電子、電子ビーム、可視光、赤外光、マイクロ波、ラジオ周波数波長、およびそれらの組み合わせから選択された少なくとも1種をさらに含む、態様1に記載の方法。
(態様4)
該薬品が、酸化剤を含む、態様1に記載の方法。
(態様5)
該酸化剤が、酸素、オゾン、オゾン水、SPM、酸素原子、O2またはO3のラジカル、O2またはO3の帯電種、およびそれらの組み合わせから選択された少なくとも1種を含む、態様4に記載の方法。
(態様6)
該酸化剤が、オゾンを含む、態様4に記載の方法。
(態様7)
該酸化剤が、オゾン水を含む、態様4に記載の方法。
(態様8)
該酸化剤が、SPMを含む、態様4に記載の方法。
(態様9)
該薬品が、還元剤を含む、態様1に記載の方法。
(態様10)
該還元剤が、ヒドラジン、ヒドラジンの塩、水素化物、カルボン酸、炭化水素、水素、スズ化合物、第一鉄化合物、一酸化炭素、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1種である、態様9に記載の方法。
(態様11)
該少なくとも1種のケイ素含有前駆体が、ジエトキシメチルシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメチルフェノキシシラン、フェノキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1、1、2、2−テトラメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、ジメチルシラシクロブタン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1、3、5、7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、メチレン架橋アルコキシシラン、およびそれらの組み合わせから選択される、態様1に記載の方法。
(態様12)
該少なくとも1種のポロゲン前駆体が、α−テルピネン、リモネン、シクロヘキサン、シクロオクタン、ビシクロヘキサジエン、γ−テルピネン、カンフェン、ジメチルヘキサジエン、エチルベンゼン、ノルボルナジエン、シクロペンテンオキシド、1、2、4−トリメチルシクロヘキサン、1、5−ジメチル−1、5−シクロオクタジエン、カンフェン、アダマンタン、1、3−ブタジエン、置換ジエン、デカヒドロナフタレン、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択される、態様1に記載の方法。
(態様13)
該少なくとも1種のポロゲン前駆体が、1〜13の炭素原子を有するガス状の炭化水素を含む、態様1に記載の方法。
(態様14)
該処理する工程が、該曝す工程の少なくとも一部の間に行われる、態様1に記載の方法。
(態様15)
該曝す工程が、該処理する工程の前に行われる、態様1に記載の方法。
(態様16)
該処理する工程が、該曝す工程の前に行われる、態様1に記載の方法。
(態様17)
蒸着によって、少なくとも1種のケイ素含有前駆体および少なくとも1種のポロゲン含有前駆体を含む組成物から複合有機シリケート膜を形成させる工程であって、該複合有機シリケート膜が、炭素含有種を含む工程と、
該膜に含まれる該炭素含有種の少なくとも一部分を除去するために薬品で、該複合有機シリケート膜を処理する工程と、
膜に含まれる炭素含有種の少なくとも一部分を除去し、そして該多孔質有機シリケート膜を提供するために、紫外線および任意選択的に熱エネルギーを含むエネルギー源に、該複合有機シリケート膜を曝す工程と、
を含んで成る、多孔質有機シリケート膜を形成するための方法。
(態様18)
該処理する工程中の該薬品が、酸化剤を含む、態様17に記載の方法。
(態様19)
該酸化剤が、酸素、オゾン、オゾン水、SPM、酸素原子、O2またはO3のラジカル、O2またはO3の帯電種およびそれらの組み合わせから選択された少なくとも1種を含む、態様18に記載の方法。
(態様20)
該処理する工程が、該曝す工程の少なくとも一部の間に行われる、態様17に記載の方法。
(態様21)
該曝す工程が、該処理する工程の前に行われる、態様17に記載の方法。
(態様22)
該処理する工程が、該曝す工程の前に行われる、態様17に記載の方法。
(態様23)
複合有機シリケート膜を用意する工程であって、該複合有機シリケート膜が、炭素含有種、第1の誘電率、および第1の硬度を含む工程と、
膜中の炭素含有種の少なくとも一部分を除去するために、該複合有機シリケート膜を酸化剤を含む薬品で処理する工程と、
膜中の炭素含有種の少なくとも一部分を除去し、そして第2の誘電率および第2の硬度を含む該多孔質有機シリケート膜を提供するために、紫外線を含むエネルギー源に該複合有機シリケート膜を曝す工程であって、該第2の誘電率が、実質的に、該第1の誘電率以下の誘電率を有し、そして該第2の硬度が、該第1の硬度より大きい工程と、
を含んで成る、多孔質有機シリケート膜を形成するための方法。
(態様24)
該第1の誘電率、該第2の誘電率、または該第1の誘電率および第2の誘電率の両方が、2.7以下である、態様23に記載の方法。
(態様25)
1.2〜2.5の範囲の誘電率、および偏光解析器により240nmで測定して0〜0.03の該膜の吸光係数を含む、多孔質有機シリケート膜。
(態様26)
孔の平均サイズが、約100ナノメートル以下である孔を含む、態様25に記載の多孔質有機シリケート膜。
(態様27)
0〜0.025の範囲の240nm測定された該膜の吸光係数を含む、態様25に記載の多孔質有機シリケート膜。