特許第6017951号(P6017951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キリンエンジニアリング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6017951-安全カバー 図000002
  • 特許6017951-安全カバー 図000003
  • 特許6017951-安全カバー 図000004
  • 特許6017951-安全カバー 図000005
  • 特許6017951-安全カバー 図000006
  • 特許6017951-安全カバー 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017951
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】安全カバー
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/00 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
   B65G21/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-280892(P2012-280892)
(22)【出願日】2012年12月25日
(65)【公開番号】特開2014-125290(P2014-125290A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】392032100
【氏名又は名称】キリンエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100093942
【弁理士】
【氏名又は名称】小杉 良二
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】笹崎 博之
(72)【発明者】
【氏名】石引 正美
(72)【発明者】
【氏名】村上 利弘
(72)【発明者】
【氏名】藤原 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】近藤 隆資
(72)【発明者】
【氏名】石井 直人
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03878936(US,A)
【文献】 実開昭52−033889(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G21/00−21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベアラインを横切るようにコンベアラインの下方に設けられ、作業員が行き来するための通路の天井部に設置される安全カバーであって、
コンベアフレームの両側面およびコンベアフレームの下面を覆うように設けられ、平板状部と該平板状部の両側縁から上方に折曲された2つの側板部とを有した樋状の薄板からなるカバー本体と、
前記カバー本体を支持するとともに前記コンベアフレームに固定される複数の支持部材とを備え、
前記複数の支持部材は略U字状の板バネからなり、板バネの一端部を前記カバー本体に固定するとともに他端部を前記コンベアフレームに固定することにより、板バネにより前記カバー本体を吊り下げるようにしたことを特徴とする安全カバー。
【請求項2】
前記カバー本体の外周縁には、樹脂材が固定されていることを特徴とする請求項1記載の安全カバー。
【請求項3】
前記カバー本体における前記平板状部と前記側板部との接続部は曲面になっていることを特徴とする請求項1又は2記載の安全カバー。
【請求項4】
前記カバー本体はステンレス鋼板からなることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の安全カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全カバーに係り、特に工場内において物品を搬送するコンベアラインを横切るようにコンベアラインの下方に設けられ作業員が行き来するための通路である作業動線に好適な安全カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
製造工場や組立工場においては、多数の工程を経て製品ができあがるが、各工程間を接続するために多数のコンベアラインが設置されている。工場におけるコンベアラインにおいては、搬送されている物品の目視ができるようにコンベア搬送面は作業員の身長より低い位置にあることが多い。コンベアラインの側方には、作業員が行き来したり物品を搬入したりするための通路が設けられているが、工場内ではコンベアラインが縦横に又は曲線状に走っている場合が多いため、コンベアラインを横切るようにコンベアラインの下方にも作業員が行き来するための作業動線と呼ばれる通路を安全に確保することが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−156069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、コンベアラインの搬送面は、作業員の身長より低い位置にあることが多いため、コンベアラインを横切るようにコンベアラインの下方に設けられる作業動線と呼ばれる通路は、作業員の身長よりかなり低い高さの通路になる。そのため、この通路を行き来する場合には、身を屈めて通る必要がある。
【0005】
しかしながら、前記作業動線と呼ばれる通路の上方には、コンベアフレームがあり、またコンベアフレームの周囲に配管が走っていたり、配管を支持するサポート等の突起物が突出している場合が多く、作業者は通路を通る際に、コンベアフレーム、配管および突起物等に頭をぶつけることがある。
そのため、上記作業動線の周りに下記のような安全対策を施している。
1)コンベアフレームへのクッション材の貼り付け、注意喚起用のトラテープ等の貼り付け
2)配管サポート等の突起物へのクッション材の貼り付け、注意喚起用のトラテープ等の貼り付け
3)作業動線の床への身を屈める注意範囲を示す目安テープの貼り付け
【0006】
しかしながら、作業者が注意喚起用のテープを見過ごしたり、クッション材が剥離するなど想定外の事例が発生して作業者が負傷するなどの事故が起こったりして、未だ事故を完全には撲滅しきれていない。
本発明は、上述の事情に鑑みなされたもので、工場に設置されたコンベアラインを横切るようにコンベアラインの下方に形成された通路の天井部に設けられ、通路を通る作業者の安全を確保することができる安全カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明の安全カバーは、コンベアラインを横切るようにコンベアラインの下方に設けられ、作業員が行き来するための通路の天井部に設置される安全カバーであって、コンベアフレームの両側面およびコンベアフレームの下面を覆うように設けられ、平板状部と該平板状部の両側縁から上方に折曲された2つの側板部とを有した樋状の薄板からなるカバー本体と、前記カバー本体を支持するとともに前記コンベアフレームに固定される複数の支持部材とを備え、前記複数の支持部材は略U字状の板バネからなり、板バネの一端部を前記カバー本体に固定するとともに他端部を前記コンベアフレームに固定することにより、板バネにより前記カバー本体を吊り下げるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、コンベアラインの下方に設けられた通路を作業者が通る際に、作業者の頭等がカバー本体にぶつかったとしても、緩衝用の板バネからなる支持部材によりカバー本体が移動して逃げるため、作業者には衝撃が加わることなく、作業者の安全を確保することができる。
【0008】
発明によれば、板バネによりカバー本体が吊り下げられている構成であるため、カバー本体に作業者がぶつかったとしても、カバー本体が上方及び/又は側方に移動して逃げるため、作業者には衝撃が加わることなく、作業者の安全を確保することができる。
【0009】
本発明の好ましい態様によれば、前記カバー本体の外周縁には、樹脂材が固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、カバー本体の外周縁が樹脂材により覆われているため、作業者が接触しても安全である。
【0010】
本発明の好ましい態様によれば、前記カバー本体における前記平板状部と前記側板部との接続部は曲面になっていることを特徴とする。
本発明によれば、カバー本体に角部がないため、作業者が安全カバーに激突した場合でも切創等が発生する危険性が少ない。
【0011】
本発明の好ましい態様によれば、前記カバー本体はステンレス鋼板からなることを特徴とする。
本発明によれば、カバー本体がステンレス鋼板からなるため、カバー本体の耐久性および洗浄性を確保することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以下に列挙する効果を奏する。
(1)コンベアラインの下方に設けられた通路を作業者が通る際に、作業者の頭等がカバー本体にぶつかったとしても、緩衝用の板バネからなる支持部材によりカバー本体が移動して逃げるため、作業者には衝撃が加わることなく、作業者の安全を確保することができる。
(2)コンベアフレームの周囲にある突起物を安全カバー内に収めることにより、作業者が突起物へ激突する事故がなくなる。
(3)設置した安全カバーに角部がないため、万が一、作業者が安全カバーに激突した場合でも切創等が発生する危険性が少ない。
(4)安全カバーを緩衝用の板バネからなる支持部材でコンベアフレームに固定しているため、安全カバーにクッション性を持たせることができ、万が一、作業者が激突した場合でも脳震盪等が発生する危険性も少ない。
(5)安全カバーの奥行および長さを変えることで、安全カバーをどんな場所にも取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の安全カバーを備えたコンベアラインを示す平面図である。
図2図2は、図1に示す安全カバーを備えたコンベアラインを平面に展開した図である。
図3図3は、図1のIII−III線断面図である。
図4図4(a),(b)は、安全カバーの詳細構造を示す図であり、図4(a)は正面図、図4(b)はIV−IV断面図である。
図5図5は、安全カバーがコンベアラインに設置された状態を示す図である。
図6図6は、安全カバーがコンベアラインに設置された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る安全カバーの実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。
図1は、本発明の安全カバーを備えたコンベアラインを示す平面図である。図2は、図1に示す安全カバーを備えたコンベアラインを平面に展開した図である。
図1および図2においては、ガラス壜や缶等の容器を曲線搬送系路上を搬送するコンベアライン1が図示されている。コンベアライン1は、コンベアフレーム2と、コンベアフレーム2に支持されたコンベア3とを備えている。コンベア3の搬送面3aは、略円弧状の搬送面になっている。コンベアフレーム2には、3つの安全カバー10が固定されている。
【0015】
図3は、図1のIII−III線断面図である。図3においては、3つの安全カバー10のうち真ん中の安全カバー10を示すが、断面構成は3つの安全カバー10は略同一である。図3に示すように、安全カバー10はコンベアフレーム2の下部両側面およびコンベアフレーム2の下面を覆うようにコンベアフレーム2に固定されている。安全カバー10はコンベアフレーム2の下面全面を覆っている。コンベアフレーム2の周囲に配管等が設置されている場合には、安全カバー10は配管および配管サポートを含めてコンベアフレーム2の周囲にある突起物を覆うように設けられる。
【0016】
図4(a),(b)は、安全カバー10の詳細構造を示す図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は図4(a)のIV−IV断面図である。図4(a),(b)に示すように、安全カバー10は、コンベアフレーム2の下部両側部およびコンベアフレーム2の下面を覆うためのカバー本体11と、カバー本体11を支持するとともにカバー本体11をコンベアフレーム2に固定するための支持部材12とから構成されている。図4(a)に示すように、カバー本体11はコンベアフレーム2に沿って延びる長尺の部材からなり、図4(b)に示すように、カバー本体11は、平板状部11aと、平板状部11aの両側縁から上方に折曲された側板部11b,11bとから構成されている。カバー本体11は、略U字状の断面を有した樋状に形成されている。カバー本体11は耐久性および洗浄性を考慮してステンレス鋼板から形成されており、ステンレス鋼板は、板厚0.5mm〜2.0mmの薄板からなっている。
【0017】
図4(a),(b)に示すように、支持部材12はカバー本体11の上部両側端に固定されており、支持部材12はカバー本体11の長手方向に沿って間隔をおいて複数個設けられている。支持部材12はカバー本体11にボタンボルトとナットからなる締結具13により固定されている。支持部材12は、略U字状の板バネから構成されており、カバー本体11を弾性的に保持するようになっている。板バネは、材質がステンレス鋼板からなり、板厚が0.5mm〜1.0mmのものが用いられている。
【0018】
図4(a)において二点鎖線はカバー本体11の外周縁に固定される樹脂材を示すものであり、カバー本体11の外周縁をポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂材で覆うことにより、作業者がカバー本体11の外周縁に接触しても安全なようになっている。
また、図4(b)において二点鎖線はコンベアフレーム2を示すものである。図4(b)に示すように、支持部材12はボルト15を用いてコンベアフレーム2に固定されている。
【0019】
図1乃至図4に示すように、コンベアライン1のコンベアフレーム2の下部両側面およびコンベアフレーム2の下面を覆うように安全カバー10を設置することにより、以下のような効果が期待できる。
1)コンベアフレーム2の周囲にある突起物を安全カバー10内に収めることにより、作業者が突起物へ激突する事故がなくなる。
2)設置した安全カバーに角部がないため、万が一、作業者が安全カバーに激突した場合でも切創等が発生する危険性が少ない。
3)安全カバー10を緩衝用の板バネからなる支持部材12でコンベアフレーム2に固定しているため、安全カバー10にクッション性を持たせることができ、万が一、作業者が激突した場合でも脳震盪等が発生する危険性も少ない。
4)安全カバー10の奥行および長さを変えることで、安全カバー10をどんな場所にも取り付けることができる。
【0020】
図5および図6は、安全カバー10がコンベアライン1に設置された状態を示す図である。
図5に示すように、コンベアライン1のコンベアフレーム2の側面および下面を覆うように、安全カバー10が設置されている。安全カバー10の下方には作業動線としての通路20が形成されている。安全カバー10の前面には「頭上注意」の注意喚起のためのステッカーが貼り付けられている。
図6に示すように、コンベアフレーム2の周囲には配管15及び配管サポート16等の突起物があり、安全カバー10は、コンベアフレーム2だけではなく、配管15および配管サポート16等の突起物を収めている。
【0021】
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内において、種々の異なる形態で実施されてよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0022】
1 コンベアライン
2 コンベアフレーム
3 コンベア
3a 搬送面
10 安全カバー
11 カバー本体
11a 平板状部
12 支持部材
13 締結具
15 配管
16 配管サポート
20 通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6