特許第6017961号(P6017961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マイクロドース セラピューテクス,インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000004
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000005
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000006
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000007
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000008
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000009
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000010
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000011
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000012
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000013
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000014
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000015
  • 特許6017961-吸入デバイスおよび方法 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017961
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】吸入デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20161020BHJP
   A61M 11/00 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   A61M15/00 Z
   A61M11/00 300Z
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-548100(P2012-548100)
(86)(22)【出願日】2011年1月5日
(65)【公表番号】特表2013-516283(P2013-516283A)
(43)【公表日】2013年5月13日
(86)【国際出願番号】US2011020252
(87)【国際公開番号】WO2011085022
(87)【国際公開日】20110714
【審査請求日】2013年9月26日
(31)【優先権主張番号】61/292,404
(32)【優先日】2010年1月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/292,403
(32)【優先日】2010年1月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/292,401
(32)【優先日】2010年1月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500566682
【氏名又は名称】マイクロドース セラピューテクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100116757
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 英雄
(74)【代理人】
【識別番号】100123216
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 祐一
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(72)【発明者】
【氏名】アコウカ,ヘンリ,エム.
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,ダニエル,ピー.
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−503866(JP,A)
【文献】 特表2003−526480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
A61M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の個別の投与量の医薬品が入った医薬品引渡しパッケージであって、
円筒として構成される支持体材料から形成される投薬ドラムであって、前記個別の投与量の医薬品を入れるための複数の投薬コンパートメントを含む投薬ドラムと、
前記投薬ドラムを取囲み、前記投薬コンパートメント内に前記複数の個別の投与量の医薬品を入れ、かつ離隔する鞘と、を包含し、
前記鞘が、前記投薬ドラムの外側表面のまわりにきつく嵌まる形状に形成されており、それにおいて前記鞘が、
前記投薬コンパートメントに医薬品を充填するための第1の孔と、
前記複数の個別の投与量の医薬品うちの1つの前記引渡しを可能にするための第2の孔を含む少なくとも2つの孔を有することを特徴とする医薬品引渡しパッケージ。
【請求項2】
前記医薬品引渡しパッケージにおいて、
(a)前記医薬品が乾燥粉末の形式であるとする特徴と、
(b)前記鞘がテープ、箔、またはフィルムから形成されるとする特徴と、
(c)前記複数の投薬コンパートメントのそれぞれが、前記円筒の外側表面上の凹められた容積を包含し、前記凹められた容積は、前記投薬ドラムの中心に向かって延びているとする特徴と、
(d)前記複数の投薬コンパートメントが、前記投薬ドラムの円周まわりに延びる一連の行の形で配されるとする特徴と、
(e)前記複数の投薬コンパートメントが、つる巻パターンで配されるとする特徴と、
(f)前記投薬ドラムが、投薬リングとして形成され、前記複数の投薬コンパートメントが、前記円筒の円周まわりに単一行の形で配されるとする特徴のうちの1つまたは複数を特徴とする、請求項1に記載の医薬品引渡しパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、概して吸入デバイスの分野に関する。開示は、特に、乾燥粉末吸入器を使用する患者に対する粉末医薬の引渡しと関連して有用性を有し、ほかの有用性も企図されるが、その種の有用性に関連して説明する。
【背景技術】
【0002】
特定の気道疾患は、治療薬の直接適用による治療に応答することが知られている。これらの作用剤が乾燥粉末形式においてもっとも容易に利用可能であることから、それらの適用は、鼻または口を通じた粉末物質の吸入によってもっとも好都合に達成される。この粉末形式は、薬剤が望ましい部位、すなわちそれの作用が必要とされているとし得る部位に正確に堆積されることから、結果としてより良好な薬物治療の有用性をもたらし、したがって、非常にわずかな薬剤の投与量が、しばしば、より多くの投与量がほかの手段によって投与されるときと同等の意図した薬効を生じ、望ましくない副作用および薬物治療コストの発生の著しい低減という結果を伴う。代って、この形式の薬剤は、呼吸器系疾患以外の疾患の治療のためにも使用されることがある。薬剤が肺の非常に大きな表面積の上に堆積されるとき、それが非常に迅速に血流内に吸収されることがあり、したがってこの適用の方法は、注入、タブレット、またはそのほかの従来的な手段による投与に代わることができる。
【0003】
医薬品産業の見解は、気道に引渡される薬剤粒子がサイズにおいて1乃至5ミクロンの間にあるときに薬剤の生物学的利用能が最適化されるというものである。薬剤粒子がこのサイズ範囲内にあることが必要とされるとき、乾燥粉末引渡しシステムは、いくつかの問題に取り組む必要がある。
【0004】
(1)サイズの小さい粒子は、製造および貯蔵の間にそれ自体の上に電荷を発生することがある。これは、粒子の凝固または凝集の原因となり、結果として事実上のサイズが5ミクロンより大きい粒子の塊をもたらし得る。その場合にこれらの大きな塊が肺の深くまで届く可能性は低くなる。転じてこれは、パッケージ化された薬剤のうち患者が吸収のために利用できるパーセンテージを下げる結果となる。
【0005】
(2)患者に引渡される必要がある活性薬剤の量は、数十マイクログラム台になることがある。たとえば、喘息に使用される薬剤のアルブテロールの場合においては、これが、一般に25乃至50マイクログラムである。現在の製造装置は、許容可能な正確度を伴ってミリグラムの投与範囲における薬剤のアリコットを効果的に引渡すことが可能である。したがって標準的な実践として、活性薬剤とラクトース等の賦形剤または増量剤を混合することが行なわれる。この添加物は、また、薬剤の『流れを容易に』する。この賦形剤は、薬剤粒子が静電気的または化学的結合を通じてそれらの粒子に固着することから、キャリアとも呼ばれている。これらのキャリア粒子は、サイズにおいて、薬剤粒子よりはるかに大きい。乾燥粉末吸入器がキャリアから薬剤を分離する能力は、設計の有効性における重要な性能パラメータである。
【0006】
(3)5ミクロンより大きいサイズを伴う活性薬剤粒子は、口内または咽頭のいずれかに堆積しがちである。このことは、これらの部位における薬剤の生物学的利用能および吸収が肺とは異なることから別のレベルの不確定度を導く。乾燥粉末吸入器は、これらの部位に堆積される薬剤を最小化し、薬剤の生物学的利用能に関連付けされる不確定度を低減する必要がある。
【0007】
先行技術の乾燥粉末吸入器(DPl)は、通常、薬剤(活性薬剤およびキャリア)を高速の空気流内へ導入するための手段を有している。高速空気流は、微粉末化された粒子の塊の破壊またはキャリアからの薬剤粒子の分離のための一次的なメカニズムとして使用される。この粉末形式の薬物治療剤の払出しのために有用な吸入デバイスを先行技術の中からいくつか知ることができる。たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5においては、粉末薬物治療剤が入ったカプセルを穿孔するための手段を有する吸入デバイスが開示されており、それにおいては、吸入時に、穿孔されたカプセルから粉末薬物治療剤がユーザの口内に引出される。これらの特許のいくつかはプロペラ手段を開示しており、吸入時にそれがカプセルからの粉末の払出しを補助し、その結果、カプセルからの粉末の吸引を、吸入される空気だけに頼る必要がなくなる。たとえば、特許文献6においては、吸入の前に下側チャンバ内に配置される粉末の入ったカプセルを有するデバイスが開示されており、それにおいては、ユーザによる穿孔ピンのマニュアル押込みによって当該カプセルが穿孔される。穿孔の後に吸入が開始され、カプセルがデバイスの上側チャンバに引込まれ、そこでそれが全方向に動き回り、穿孔された孔を通じた吸入空気流内への粉末の払出しが生じる。特許文献7は、複数の穿孔ピン、プロペラ手段、および外部のマニュアル操作を介してプロペラ手段を動作させるための自蔵式動力源を有する吸入デバイスを開示しており、吸入時にプロペラ手段が吸入空気流内への粉末の払出しを補助する。特許文献8、特許文献9も参照されたい。
【0008】
先行特許である特許文献10、特許文献11、および特許文献12は、参照によってこれに援用され、共通の譲受人であるマイクロドース・テクノロジーズ・インク(MicroDose Technologies,Inc.)に譲渡されたものであるが、それらにおいては、振動を利用して吸入気体流内における粉末の懸濁を促進し、かつ合成ジェットを利用してブリスタ・パックまたはそれの類からの薬剤粉末のエーロゾル化する先行技術の吸入器に対する改良が提供されている。上記の特許文献10、特許文献11、および特許文献12で教示されているとおり、乾燥粉末のため、およびそれを保持するブリスタ・パックまたはそのほかの容器等の第1のチャンバ、および第1のチャンバからエーロゾル化された形式の乾燥粉末を受取るため、および当該エーロゾル化された乾燥粉末をユーザに引渡すための第1のチャンバと通路を介して接続された第2のチャンバを有する乾燥粉末吸入器が提供されている。第1のチャンバ内の乾燥粉末には、振動発生器が結合される。この振動発生器が付勢され、第1のチャンバと結合され、合成ジェットによってチャンバから粉末を駆動する。
【0009】
特許文献13もまた参照によってこれに援用され、共通の譲受人であるマイクロドース・テクノロジーズ・インク(MicroDose Technologies,Inc.)に譲渡されたものであるが、それに述べられているとおり、コントロールされたアリコットまたは投与量の医薬または薬剤がブリスタ・パック内にあらかじめパッケージされ、それが、円錐、先端が丸められた円錐、球、またはそのほかの隆起した形状の構成とすることができる壊れやすいクラウン付きトップ要素、および平坦なウェブまたは膜とすることができるボトム要素を含むか、またはそれ自体を、基礎をなす振動要素と密接して係合するための、形状およびサイズが所定の医薬または薬剤の最適にコントロールされた投与を提供するべく選択された形状の構成、たとえば円錐、球、ディッシュ形状等とすることができる。ブリスタ・パックのトップ要素は、鋭い針等の穿孔デバイスを用いて穿孔されて、ブリスタ・パック内に入れられた医薬または薬剤の引渡しのための1つまたは複数の開口が形成される。孔のパターンおよび孔のサイズは、それの中にパッケージされた特定の医薬または薬剤の最適引渡しを提供するべく選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第3,507,277号明細書
【特許文献2】米国特許第3,518,992号明細書
【特許文献3】米国特許第3,635,219号明細書
【特許文献4】米国特許第3,795,244号明細書
【特許文献5】米国特許第3,807,400号明細書
【特許文献6】米国特許第2,517,482号明細書
【特許文献7】米国特許第3,831,606号明細書
【特許文献8】米国特許第3,948,264号明細書
【特許文献9】米国特許第5,458,135号明細書
【特許文献10】米国特許第7,318,434号明細書
【特許文献11】米国特許第7,334,577号明細書
【特許文献12】米国特許第7,779,837号明細書
【特許文献13】米国特許第7,080,644号明細書
【特許文献14】米国特許第7,810,495号明細書
【特許文献15】米国特許第7,318,434号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2009/0217925号明細書
【特許文献17】米国特許第6,152,130号明細書
【特許文献18】米国特許出願公開第2005/0183725号明細書
【特許文献19】米国特許出願公開第2010/0294278号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2009/0090361号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
この開示は、1つの態様において、人または動物の患者の気道に医薬品を引渡すための、複数の個別の投与量の医薬品を入れたコンパクトなサイズの医薬品引渡しパッケージを提供することによって、上で述べたような先行技術のデバイスに対する改良を提供する。引渡しパッケージは、個別の投与量の医薬品を入れるための複数の投薬コンパートメントを含む円筒の形状の投薬ドラム、および複数の個別の投与量の医薬品が投薬コンパートメント内に入り、かつ離隔されるように投薬ドラムを取り巻く鞘からなる。医薬品引渡しパッケージは、投薬ドラムの外側表面のまわりにきつく嵌まる形状に作ることができ、それにおいては鞘が、投薬コンパートメントに医薬品を充填するための第1の孔、および前記複数の個別の投与量の医薬品のうちの1つの引渡しを可能にするための第2の孔を含む少なくとも2つの孔を有する。代替として、鞘を、剥ぎ取るか、または孔を開けてその中に入れられている医薬品投与量へのアクセスができるテープまたは箔から形成することができる。
【0012】
本発明の別の態様は、人または動物の患者の気道に医薬品を引渡すための吸入器を提供する。この吸入器は、円筒状に形成された投薬ドラムであって、個別の投与量の医薬品を入れるための複数の投薬コンパートメントを含む投薬ドラム、投薬ドラムを取り巻く鞘、投薬チャンバ、および患者の気道に引渡される個別の投与量が通るフロー・チャンネルを包含する。投薬チャンバは、圧電デバイス等の振動デバイスに結合される共振チャンバとすることができる。吸入器は、さらに個別の投与量を投薬チャンバ内に装填することができるように、投薬ドラムを進ませるための駆動機構を含むことができる。
【0013】
この開示の別の態様は、人または動物の患者の気道に医薬品物質を引渡す方法を提供し、この方法は、計量デバイスと接続されたリザーバ内に医薬品物質を提供するステップと、計量デバイスを用いて医薬品物質を計量し、単回分の医薬品投与量を形成するステップと、当該単回分の医薬品投与量を投薬チャンバ内に移動するステップと、当該単回分の医薬品投与量の医薬品物質の塊を解くステップと、当該単回分の医薬品投与量を投薬チャンバから患者の気道へ、フロー・チャンネルを介して引渡すステップとを包含する。
【0014】
この開示の別の態様は、人または動物の患者の気道に医薬品投与量を引渡すための吸入器を提供する。この吸入器は、バルク形式で医薬品物質を入れているリザーバ、医薬品物質を計量して医薬品投与量を形成する計量凹部と、投薬チャンバと、投薬チャンバに接続されたフロー・チャンネルであって、それを通って医薬品投与量が投薬チャンバから患者の気道に引渡されるフロー・チャンネルとを含む。計量凹部は、計量ドラムの外側表面に位置することができ、それが回転して計量凹部に装填して医薬品投与量を投薬チャンバ内に装填し、計量ドラムは、鞘によって取り巻かれている。それに代えて、計量凹部を、第1の計量ドアと第2の計量ドアの間に囲い込むことができる。リザーバを円筒の形状とし、リザーバに、医薬品を凹部に装填するための圧縮ばねおよびピストンを持たせることができる。
【0015】
この開示の別の態様は、人または動物の患者の気道に医薬品物質を引渡すための吸入器を提供し、当該吸入器は、チャンバ・シールおよびフロー・チャンネルを伴う投薬チャンバを含む。投薬チャンバは、複数の投与量の医薬品物質が入るサイズに設定される。投薬チャンバは、振動発生デバイスと結合される共振チャンバとすることができる。チャンバ・シールは、窒素チャンバ等の加圧源または負圧に接続することができる。それに代えてチャンバ・シールを乾燥源と接続することもできる。
【0016】
この開示のさらに別の態様は、単回分の投与量の医薬品物質を人または動物の患者の気道に引渡す方法を提供する。複数の投与量の医薬品物質が共振チャンバ内に入れられている。医薬品物質は、共振チャンバに結合された振動発生デバイスを使用して塊が解かれ、それによって合成ジェットに医薬品物質の一部を噴射させる。医薬品物質の引渡しは、振動発生デバイスの動作の持続時間をコントロールすることによって計量され、また振動発生デバイスの振動周波数の最適化によってもコントロールされ得る。
【0017】
この開示のさらに別の態様は、カートリッジの形式で医薬品引渡しパッケージを提供し、それを再使用可能とすることができる。カートリッジは、支持体材料の上に形成されたブリスタ・ストリップを含み、それの中に、個別の投与量の医薬品が入る一連の凹部またはウェルが形成されている。支持体の上に箔が置かれて個別の凹部がシールされ、それらが個別のブリスタを形成する働きを提供する。またカートリッジは、個別の投与量の医薬品の塊を解くためのエーロゾル・チャンバ、およびエーロゾル・チャンバに関してブリスタ・ストリップを進ませるためのデバイスも含む。ブリスタ・ストリップを進ませるためのデバイスは、アーム、ばね、カム、ギア、またはホイールのうちの1つまたは複数を包含することができる。ブリスタ検出スイッチが、エーロゾル・チャンバに関して一貫性をもって個別のブリスタを位置決めするブリスタ・ストリップの前進のコントロールを容易にする。カートリッジはまた、エーロゾル・チャンバに関してブリスタ・ストリップを進ませるときに、そこから箔を取り除くためのデバイスも含む。カートリッジは、マウスピースおよびフロー・チャンネルも含み、フロー・チャンネルは、エーロゾル・チャンバとマウスピースを接続する。
【0018】
この開示の別の態様は、上で述べたカートリッジを利用した人または動物の患者の気道に医薬品を引渡すための吸入器を提供する。この吸入器は、振動発生デバイスおよびモータのためのハウジングを包含する。カートリッジはループで形成される必要があり、そのループ内にブリスタ・ストリップが入れられる。ハウジングは、空気取り入れ口および圧力センサを含み、空気取り入れ口はカートリッジのフロー・チャンネルと調和して作用を及ぼすか、またはそれと合わさる。oリングまたはその類を使用して空気取り入れ口とフロー・チャンネルの間の接続をシールすることができる。振動発生デバイスは、圧電デバイスとすることができ、カートリッジのエーロゾル・チャンバと調和して作用を及ぼす。エーロゾル・チャンバは、共振チャンバを形成することができる。モータもまたカートリッジと調和して作用を及ぼし、ブリスタ・ストリップを進ませるためのデバイスおよび箔を取り除くためのデバイスを駆動する動力を提供する。
【0019】
この開示のさらに別の態様は、人または動物の患者の気道に医薬品を自動的に引渡すための吸入器を提供する。この吸入器は、少なくとも1つの投与量の医薬品、圧力センサ、振動発生デバイス、およびエーロゾル・チャンバが入るハウジングを包含する。ハウジングは、患者に医薬品を引渡すための接続器に接続されており、それを通じて患者が呼吸する。
【0020】
この開示の追加の特徴ならびに利点については、次に掲げる添付図面に関連した以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】A〜Dはこの開示の医薬品引渡しパッケージおよび吸入器を示した斜視図である。
図2】この開示の1つの例による投薬ドラムの斜視図である。
図3】A〜Cはこの開示の代替例における医薬品引渡しパッケージおよび吸入器の斜視図である。
図4】この開示の別の例による医薬品引渡しパッケージおよび引渡しデバイスの斜視図である。
図5図4に示した例によるブリスタ・ストリップの斜視図である。
図6】A〜Cは図4に示した医薬品引渡しパッケージの部分斜視図である。
図7】A〜Dは組み立て状態における図4の医薬品引渡しパッケージおよびデバイスの部分図である。
図8】A〜Cは組み立て状態における図4の医薬品引渡しパッケージおよびデバイスの部分図である。
図9】A〜Bは組み立て状態における図4の医薬品引渡しパッケージおよびデバイスの部分図である。
図10】A〜Cは組み立て状態における図4の医薬品引渡しパッケージおよびデバイスの部分図である。
図11】A〜Bはこの開示による吸入デバイスを異なる方向から示した斜視図である。
図12】A〜Bはこの開示による別の吸入デバイスを異なる方向から示した斜視図である。
図13A〜Bはこの開示の別の例による医薬品物質引渡しパッケージおよび吸入器を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明においては、これの一部を形成する添付図面を参照するが、それには例示の形でこの開示の多様な実施態様が示されている。この開示の範囲から逸脱することなくこのほかの実施態様を利用し得ること、および変更を行ない得ることは理解されるものとする。
【0023】
この開示は、患者の気道に医薬品を引渡すための改善された吸入デバイスおよび方法を提供する。意図されている患者は、人または動物のいずれであってもよく、吸入デバイスは、それに相応じて設計されるものとする。吸入器は、乾燥粉末吸入器との関連から論じられることになるが、この開示がそのほかのタイプの吸入器においても有用となることは予測可能である。
【0024】
第1の態様においてこの開示は、離散的な投与量の医薬品を引渡すためのパッケージを提供し、それにおいては、個別の投与量が円筒状の投薬ドラム上に所定パターンで配された個別のコンパートメント内に離隔される。個別の投与量は、個別のブリスタ内、たとえば本件と所有者が共通の特許文献14の中において述べられているような個別のブリスタ内に置くことができ、当該特許文献は、参照によってこれに援用される。個別の投与量は、膜の間に、または膜と支持体の間にカプセル化することもでき、そこにコンパートメントの一部を形成するあらかじめ形成された凹みまたは圧痕を形成することができるが、それがなされないこともある。
【0025】
個別のコンパートメントは、円筒状の投薬ドラム上に所定パターンで配され、当該投薬ドラムは、円筒状の形状に成形された支持体を包含し、内側の面および外側の面を有する。個別の投与量の医薬品を入れるコンパートメントは、支持体の内側の面または支持体の外側の面のいずれに形成することもできる。代替として、内側表面および外側表面上の両方において少なくとも部分的に支持体から突出するコンパートメントを形成してもよい。支持体は、たとえば、外観において透明から不透明までの範囲にわたることができるプラスチック、セラミクス、紙、または金属材料といった任意の適切な材料から作ることができる。
【0026】
この開示の現在の態様の1つの例においては、投薬ドラムが、凹みの配列を有する円筒状に構成された支持体材料から形成され、それぞれの凹みは、支持体から投薬ドラムの中心に向かって突出するべく構成された凹められた容積を構成する。個別の投薬コンパートメントは、凹みによって形成され、鞘によって抑えられる。図1A〜Dを参照すると、鞘20は、個別の投薬コンパートメント12を離隔するに充分な狭い許容度に従って投薬ドラム10の上に嵌まるべく形成することができる。これに関して言えば、鞘は、きつく嵌まるスリーブを構成することができ、それがそれぞれの投薬コンパートメント内に各投与量を入れておく目的のために投薬ドラムを取り巻くことになり、かつ薬剤の保存または安定性のための湿分遮蔽を提供することになる。ドラム鞘は、それの表面に、選択された医薬品のコンパートメントへの充填を可能にする充填アクセス・ポートホール21(第1の孔)、および投薬チャンバ30内に投薬コンパートメントを空けるための投薬ポートホール22(第2の孔)を伴って構成することができる。
【0027】
また鞘は、テープ、箔、またはフィルム材料といった膜から形成することもでき、個別の投与量を離隔するためにそれを投薬ドラムに接着することができる。膜は、医薬品物質を保持するに充分な強度があるものとするが、個別の投与量が吸入器の投薬チャンバ内へ装填されるための準備が整ったときに、単一の投薬コンパートメントに関して、穿孔または除去ができるように設計される。この代替設計の例を図2に示すが、それにおいては、凹み(図に現れていない)がつる巻パターンで投薬ドラム上に形成されており、鞘が剥ぎ取り可能なフィルム、箔、またはテープ15の条片を構成している。
【0028】
図3A〜Cに、この開示の別の例を示す。この例においては、投薬ドラムを形成する円筒が、それの直径が増加され、かつそれの高さが減じられて投薬リング60を形成する。投薬リングは、円形のバンドの形式を取り、あらかじめ計量済みの重量および/または体積の薬剤を受入れるコンパートメントが円周上に配される。これらの投薬リングは、回転方向にリングを進ませる駆動機構に接続することができる。図1A〜Dの投薬ドラムは、1行分の投薬コンパートメントより大きい高さを有するが、この投薬リングは、単一行分の投薬コンパートメントの高さしかない。
【0029】
この開示の鞘は、この例においてリング鞘70を、すなわち、それぞれの投薬容器内に各投与量を入れておく目的および医薬品物質の保存のための湿分遮蔽を提供する目的のために投薬リングを取り巻いてきつく嵌まるスリーブを形成するべく適合されている。前述の鞘と同様に、このリング鞘は、充填アクセス・ポートホール71(第2の孔)および投薬ポートホール72(第1の孔)を有することになり、それらのうちの後者は、投薬チャンバに接続される。前述の投薬ドラムと同様に、このリング鞘は、投薬チャンバに露出される直前に各投薬容器から取り除かれる剥ぎ取り可能なフィルム、箔、またはテープと置換えることができる。
【0030】
この開示の投薬ドラムは、所望の医薬品が入っているホッパと合わせることによって個別の投与量を装填することができ、それにおいては個別の投薬コンパートメントのジオメトリが医薬品の計量を補助するべく働くことができる。
【0031】
投薬ドラムは、吸入器の再使用可能な構成要素として、または使い捨て医薬品投薬容器として製造することができる。特定の設計が、いずれの材料が投薬ドラムの構造における用途に適しているかについての指図を与えることができる。
【0032】
この開示の別の態様は、上で述べた投薬ドラムを利用した人または動物の患者の気道に医薬品を引渡すための吸入器を提供する。再び図1A〜Dを参照するが、この吸入器は、上に複数の投薬コンパートメント12が配置された円筒状支持体を有する投薬ドラム10、患者への引渡しに先行して個別の投薬コンパートメントから個別の投与量の医薬品を受入れるための投薬チャンバ30、および投薬チャンバに隣接する、患者の気道に対して医薬品を運ぶためのフロー・チャンネル40を包含する。
【0033】
投薬チャンバ30は、選択された周波数において音響的に共振する容積および形状を有する共振チャンバを包含することができる。共振チャンバは、また、本件と所有者が共通の特許文献10、特許文献11、および特許文献12の中で記述されているとおり、共振チャンバの音響特性を利用するための振動エネルギを提供して合成ジェットを作り出す圧電トランスデューサ等の振動発生デバイス50に結合することができ、当該特許文献の内容は、参照によってこれに援用される。共振チャンバは、投薬ポートホール22を介して投薬ドラムから個別の投与量を受取ることになる。このほかの例の適切な振動発生デバイスは、本件と所有者が共通の特許文献15の中に開示されており、当該特許文献は、参照によってこれに援用される。
【0034】
その後、医薬品物質は、合成ジェットによって塊が解かれ、投薬孔32を通じてフロー・チャンネル40内に噴射される。投薬孔は、合成ジェットの形成を促進し、投薬チャンバからフロー・チャンネルへの医薬品の移送を容易にする。孔のサイズは、合成ジェットの速度をもたらし、最終的には良好な粒子の分布をもたらすことができる。
【0035】
振動発生デバイス50は、動力源52に接続される。さらに振動発生デバイスは、本件と所有者が共通の同時係属の特許文献16の中で述べられているような最適性能のための周波数発生器に接続することができ、当該特許文献は、参照によってこれに援用される。
【0036】
この吸入器は、投薬ドラムを進ませるため、および特定の投薬コンパートメントと鞘の投薬ポートホールを整列させるための配置デバイスを利用することができる。配置デバイスは、たとえばねじ駆動デバイスとすることができる。配置デバイスは、たとえば図2に示されているような投薬ドラムの表面に関する投薬コンパートメントの選択された幾何学的配列に影響を及ぼすことがある。
【0037】
この開示の吸入器は、さらに、チャンバ・シールを包含することができる。チャンバ・シールは、このデバイスがアイドル状態のときに投薬チャンバ内への空気の移動を防止するストッパの形式とすることができる。これは、さらに、湿分、酸素、またはそのほかの汚染物質に対して個別の投与量が不要に曝されることを回避するべく含められる。チャンバ・シールは、患者による吸入を吸入器が検知したときなどの吸入器からの許可信号に応答して開かれ(たとえば、いずれも本件と共通の譲受人に譲渡されている特許文献17および特許文献18を参照されたい)、投薬完了後に閉じられる。
【0038】
チャンバ・シールは、さらに、投薬と投薬の間にわたって投薬チャンバを窒素で満たす加圧窒素チャンバと窒素ラインによって接続することができる。また、投薬と投薬の間にわたって空気および湿分を抜き取る負圧源に接続することもできる。これは、同一の窒素ラインの少なくとも一部を使用して行なうことができる。チャンバ・シールは、また、乾燥チャンバと接続して投薬の間に大気から伝えられる湿分を吸収することもできる。
【0039】
この開示のデバイスは、修正を受けやすい。たとえば、組み合わせの医薬品生成物を引渡すために、投薬チャンバを複数の投薬ドラムと接続することができる。
【0040】
図4〜11を参照するが、この開示のさらに別の態様は、カートリッジ120の形式の医薬品引渡しパッケージを利用する吸入器101を提供し、当該カートリッジは、再使用可能あるいは使い捨てとすることができる。このデバイスについての動作原理は、上で述べたデバイスに類似であり、前述した本件と所有者が共通の特許の中でさらに述べられているとおりである。より詳細には、参照によってこれに援用される特許文献19に、複数の個別の投与量の医薬品が回転式のカセット内に入れられるコンパクトな吸入器が述べられている。このカセットは、個別のブリスタのラジアル配列を含む。その中で述べられている吸入器は、多くの点で現在の開示の態様と類似しているが、回転式のカセットがブリスタ・ストリップ130を含むカートリッジ120によって置換えられる点が異なる。そのほかの相違については、以下の考察から明らかになるであろう。
【0041】
図4〜10に見られるとおり、この吸入器は、概してハウジング110およびカートリッジ120を包含している。以前の開示と同様に、この吸入器は、マウスピース125および振動発生デバイス111を含む。マウスピースは、フロー・チャンネル123と接続されており、当該チャンネルは、振動発生デバイスに隣接する位置を占めるエーロゾル・チャンバ121に接続されている。しかしながら、以前の例とは異なり、マウスピース、フロー・チャンネル、およびエーロゾル・チャンバがカートリッジ120内に統合されている。この構成は、吸入器のサイズの低減、薬剤の保護、および性能の維持という利点を提供する。
【0042】
カートリッジ120は、ブリスタ・ストリップ130を含み、当該ブリスタ・ストリップは、冷間成形されたプラスチック等の支持体133からなり、そこには個別の投与量105を入れる一連の凹部132またはウェルが形成されている。支持体の上には個別の凹部をシールする箔、フィルム、またはテープ135が配置され、それにより医薬品が充填された個別のブリスタ131が形成される。このカートリッジはまた、エーロゾル・チャンバ121も含み、それの中において、上で述べ、かつ上で参照されている出願の中で述べられている方法に従って個別の投与量の塊が解かれる。エーロゾル・チャンバは、この中で述べられているとおり、好ましくは共振チャンバであり、組み立てられたときに振動発生デバイス111と接触する膜122が境界になる。
【0043】
ここに示されている例においては、カートリッジが、エーロゾル・チャンバ121に関してブリスタ・ストリップ130を進ませるための送りデバイス140も含む。ブリスタ・ストリップを進ませるためのデバイスは、アーム、ばね、カム、ギア、ホイール、またはこれらの任意の組み合わせを包含することができる。たとえば、図5にはパイロット・ループ148が示されており、それが、ブリスタ・ストリップを進ませるために、ばねおよびアームの組み合わせと類似した形でブリスタ・ストリップと係合する。ブリスタ検出スイッチ142がブリスタ・ストリップの進みを検知し、エーロゾル・チャンバ121に関して一貫して個別のブリスタを位置決めするブリスタ・ストリップの送りのコントロールを容易にする。
【0044】
カートリッジはまた、エーロゾル・チャンバに関してブリスタ・ストリップが進められるときにそこから箔、フィルム、またはテープを取り除くための箔、フィルム、またはテープ取り除きデバイス141も含む。箔、フィルム、またはテープ取り除きデバイスは、巻取りスプール145を含む。箔、フィルム、またはテープが取り除かれると、患者への引渡しのために個別の投与量105がエーロゾル・チャンバ121内に移される。
【0045】
ブリスタ・ストリップ130上におけるブリスタ131の配列は、ループの形、すなわち中央に開放されたエリア150を有する形のカートリッジ120の形成を容易にするか、またはそれを必要とする。ハウジングは、相補的な突出部151を含む。ハウジングのこの突出部の中にバッテリ112およびモータ113が入れられる。モータがギア143、144を回転し、それによって巻取りスプール145および箔取り除きデバイス141が駆動される。バッテリは、圧電デバイスとすることができる振動発生デバイス111にも電力を提供する。またバッテリをカートリッジ上に備えること、およびカートリッジとともに交換可能とすることもできる。代替としてブリスタ・ストリップを、たとえばつまみねじ、レバーまたは時計メカニズムによって進ませることもできる。
【0046】
ここに示されている例においては、ハウジングが、さらに空気取り入れ口116を含み、それがカートリッジのフロー・チャンネル123に接続されている。oリング119を配置して、フロー・チャンネルと空気取り入れ口の間における境界面のシールを容易にすることができる。この吸入器を通じた患者の呼吸を検知するために、空気取り入れ口の近くの圧力センサ・ポート118内に圧力センサ117が配置され、当該センサにはバッテリから電力供給される。
【0047】
現在の態様は、この中および参照によってこれに援用される本件と所有者が共通の特許の中に含まれているこのほかの例による修正を受けやすい。たとえば、吸入器は、カートリッジ120ではなくメイン・ハウジング110の部分を構成するマウスピース125、フロー・チャンネル123、エーロゾル・チャンバ121、またはこれらの任意の組み合わせを伴って構成することが可能である。
【0048】
この開示は、さらに、医薬品物質を投与量に計量するため、およびその投与量を患者の気道に引渡すための方法およびデバイスを提供する。
【0049】
たとえば、この開示の1つの態様は、患者の気道に医薬品投与量を引渡すための吸入器を提供する。意図されている患者は、人または動物のいずれであってもよく、吸入デバイスは、それに相応じて設計されるものとする。吸入器は、乾燥粉末吸入器との関連から論じられることになるが、この開示がそのほかのタイプの吸入器の設計の修正においても有用となることは予測可能である。
【0050】
この吸入器は、バルク形式で医薬品物質が入れられるリザーバを含む。図11A〜Bおよび図12A〜Bを参照すると、リザーバの有利な形状の1つを円筒状とすることができ、それにおいてリザーバは、リザーバから移すときの補助となるピストン211および圧縮ばね212を含む。球および円錐等々のこのほかの形状もまた利用可能であり、これらの図面は、この開示を円筒状のリザーバの使用に限定することを意味しない。ピストンおよび圧縮ばねの代替として、このほかの形状の背圧を使用してもよい。同様に、図示されているコイルばねのほかにも多くのタイプのばねが、この開示の吸入デバイスとの使用に適している。この開示の有意な利点は、リザーバにバルク材料を再装填できることであり、デバイスを再使用できることである。
【0051】
この例の吸入デバイスは、バルク医薬品物質を単回分の医薬品投与量に計量するための計量デバイスも含む。計量デバイスは、リザーバから医薬品物質を受取るための計量凹部を有する必要があり、この計量凹部は、所望の投与量を受取るべくサイズ設定される。
【0052】
図11A〜Bを参照すると、計量デバイスは、計量ドラム220および鞘230からなるとすることができる。この例においては、計量凹部が計量凹み222として計量ドラムの外側表面上に形成される。凹みは、計量ドラムと一体で形成することができるが、医薬品投与量を計量する目的のための精密な容積で製造されるものとする。
【0053】
鞘230は、計量ドラムの外側表面の周囲にきつく嵌まる形状で作られるが、計量ドラムがそれの軸上で回転することを妨げるほどにきつくはない。吸入デバイスは、計量ドラムを回転するための駆動機構を含むことができる。計量ドラムの回転は、計量凹み222と、鞘に備わる少なくとも2つの孔231、232のうちの1つを整列させることになる。充填アクセス・ポートホール231が、リザーバ210との境界面において鞘230上に位置し、計量凹み222が医薬品物質201によって満たされることを可能にする。投薬ポートホール232は、計量された医薬品投与量が投薬チャンバ240に引渡されることを可能にする。
【0054】
投薬チャンバは、単回分の医薬品投与量を受入れ、医薬品物質の塊を解き、当該物質をフロー・チャンネル250に引渡すべく構成される。投薬チャンバは、患者に医薬を引渡すために使用できる多様な方法に基づいて構成されることになる。
【0055】
以前の例と同様に、投薬チャンバは、選択された周波数において音響的に共振する容積および形状を有する共振チャンバを包含することができる。この特徴の利点は上に考察されている。さらに上述したように、前記共振チャンバは圧電デバイスのような振動発生デバイス244に連結されており、前記共振チャンバの音波特性を利用して振動エネルギーを提供している。前記振動発生デバイスは動力源246に連結されている。
【0056】
図12A〜Bを参照すると、この開示の計量デバイスは、少なくとも2つの計量ドア225、226によって囲い込まれた計量凹部または計量コンパートメントを包含することができる。第1の計量ドア225は、計量コンパートメントと投薬チャンバ240の間の位置を占める。第2の計量ドア226は、計量コンパートメントとリザーバ210の間にある。したがって、第2の計量ドアが開かれるとき(第1の計量ドアは閉じられたまま)、計量コンパートメントに医薬品物質201を装填することができる。その後、第1の計量ドアが開かれるとき(第2の計量ドアは閉じられたまま)、計量された投与量の医薬品物質を投薬チャンバ内に移すことができる。
【0057】
この開示は、計量デバイスと接続されるリザーバ内に医薬品物質を提供すること、計量デバイスを用いて医薬品物質を計量し、単回分の医薬品投与量を形成すること、単回分の医薬品投与量を投薬チャンバ内に移動すること、単回分の医薬品投与量内の医薬品物質の塊を解くこと、および単回分の医薬品投与量を投薬チャンバからフロー・チャンネルを介して患者の気道に引渡すことによって、人または動物とすることができる患者の気道に医薬品物質を引渡すための方法も提供する。
【0058】
この開示の方法は、ここで述べたような計量ドラムおよび鞘を包含する計量デバイスとともに使用することができる。それに代えて計量デバイスが、第1の計量ドアと第2の計量ドアの間に囲い込まれる計量コンパートメントを包含してもよく、それにおいては医薬品物質を計量するステップの間に第2の計量ドアが開かれ、単回分の医薬品投与量を投薬チャンバに移動するステップの間に第1の計量ドアが開かれる。
【0059】
投薬チャンバは、振動発生デバイスと結合される共振チャンバとして働くことができ、それにおいては、医薬品物質の塊を解くステップが、振動発生デバイスを付勢して合成ジェットを作り出し、それによって単回分の医薬品投与量を投薬チャンバからフロー・チャンネルを介して患者の気道に引渡すことを包含する。
【0060】
この開示の別の態様は、医薬品物質を選択された投与量に計量し、その投与量を患者の気道に引渡すためのデバイスを提供する。この開示のデバイスは、医薬品物質を入れたチャンバ、および医薬品物質を患者に引渡すためのフロー・チャンネルを含む吸入器である。これらの要素のそれぞれの基本機能は、上で述べた本件と所有者が共通の開示の中で述べられている。
【0061】
この開示によれば、複数の投与量の医薬品物質が組み合わせリザーバおよび投薬チャンバ内に貯蔵され、当該チャンバは、複数の投与量の医薬品物質を貯蔵し、あらかじめ決定済みの投与量に医薬品物質を計量するべく設計されている。
【0062】
図13A及び図13Bを参照すると、医薬品物質のサプライを受入れ、医薬品物質の塊を解き、当該物質をフロー・チャンネル340に引渡すべく構成された組み合わせリザーバおよび投薬チャンバを包含する吸入器が図解されている。組み合わせリザーバおよび投薬チャンバ330は、選択された周波数において音響的に共振する容積および形状を有する共振チャンバを包含する。共振チャンバおよびそれの利点については、上で詳細に考察されている。
【0063】
この開示の吸入器は、オプションとしてチャンバ・シール336を包含できる。チャンバ・シールは、このデバイスがアイドル状態のときに組み合わせリザーバおよび投薬チャンバ内への空気の移動を防止するストッパの形式とすることができる。これは、さらに、湿分、酸素、またはそのほかの汚染物質に対して医薬品物質が不要に曝されることを回避するべく含められる。チャンバ・シールは、患者による吸入を吸入器が検知したときなどの吸入器からの許可信号に応答して開かれ(手前で参照した、本件と所有者が共通の特許および特許出願を参照されたい)、投与量の引渡しが完了した後に閉じられる。
【0064】
チャンバ・シール336は、オプションとしてさらに、投薬と投薬の間にわたって組み合わせリザーバおよび投薬チャンバを窒素で満たす加圧窒素チャンバと窒素ライン360によって接続することができる。またチャンバ・シール336は、投薬と投薬の間にわたって空気および湿分を抜き取る負圧源に接続することもできる。これは、同一の窒素ライン360の少なくとも一部を使用して行なうことができる。チャンバ・シールは、また、乾燥チャンバと接続して投薬の間に大気から伝えられる湿分を吸収することもできる。
【0065】
この開示は、組み合わせリザーバおよび投薬チャンバが、上述したように投薬孔332を介して合成ジェットによって噴射されることになる複数の投与量を保持することを可能にする。投与量サイズは、各付勢の周波数および持続時間をコントロールすることによって電子的にコントロールされることになる。音響的共振が残存する薬剤の負荷によって影響されることから、各投与量の付勢が、好ましくはすべての投与量のための一貫性のある薬剤の排出を提供するべく、たとえば、参照によってこれに援用される、本件と所有者が共通の特許文献20の教示に従って振動発生デバイスおよび動力源の運動を検知し、振動発生デバイスに引渡される電力をフィードバック・コントロールすることによって電子的に調整される。
【0066】
この開示の例は、複数の投与量を噴射するための共振チャンバとして働くべく設定されたブリスタを使用してテストされた。4mgのブリスタがテスト・デバイス内に装填され、各投与量に伴って医薬品の噴射が約1mgから可能となるようにパラメータが設定された。これが追加の投与量について反復された。作動と作動の間においてはブリスタが取外されて重さ測定が行なわれた。次に示す表1および2においては、『オン時間』すなわち振動発生デバイスを付勢する持続時間を変化することによって投与量が、適切な予測可能性を伴って引渡されることが、振動周波数およびパターンの最適化を伴わないときでさえも可能であることが示されている。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
この開示のデバイスは、修正を受けやすい。組み合わせの医薬品生成物を引渡すために、2つまたはそれより多くの組み合わせリザーバおよび投薬チャンバを単一の吸入器に組み込むことができる。
【0070】
この開示の別の態様は、人または動物とすることができる患者の気道に医薬品物質を引渡すための方法を提供する。この方法は、共振チャンバとしても働く組み合わせリザーバおよび投薬チャンバ内に入れられた医薬品物質を提供する。続いて医薬品物質が、組み合わせリザーバおよび投薬チャンバ内において振動を受けて塊が解かれ、合成ジェットを介して単回分の投与量が患者に引渡されることが可能になる。医薬品物質の塊を解き、それによって合成ジェットを作り出すステップは、上で述べたとおり、動力源352によって振動発生デバイス344に動力が供給される持続時間をコントロールすることによって実行することができる。動力源は、さらに合成ジェットの有効性をコントロールするために、周波数コントロール源とすることもできる。
【0071】
組み合わせリザーバおよび投薬チャンバは、振動発生デバイスと結合することによって共振チャンバとして働くこともでき、それにおいては、医薬品物質の塊を解くステップが、振動発生デバイスを付勢して合成ジェットを作り出し、それによって単回分の医薬品を組み合わせリザーバおよび投薬チャンバからフロー・チャンネルを介して患者の気道に引渡すことを包含する。
【0072】
この開示は、より小型の引渡しデバイスの作成を可能にし、材料を節約し、かつ医薬品パッケージが単一のパッケージ内に多くの数の計量済み投与量を含むことを可能にする独特な空間を節約する設計を提供し、かつ現在のところ商用乾燥粉末吸入器によって提供されていない、患者に対する乾燥粉末吸入の引渡しを可能にするメカニズムを提供する。
【0073】
この中で使用されるとき、用語『医薬品』は、吸入器による引渡しに適しているあらゆる形式の薬剤を含むことが意図される。たとえば、この開示は、乾燥粉末吸入器(DPI)を用いることが特に有用であるが、このテクノロジを使用してそのほかの吸入器の実施態様も同様に強化することができる。したがって、この開示の中で言及されている医薬品は、乾燥粉末医薬はもとより、必然的に液体形式の医薬も含む。
【0074】
それに加えて、医薬品という用語は、そのほかの有用物質、たとえば植物性製剤、ビタミン、ホルモン、ステロイド、およびそのほかの生理活性小分子、ペプチド、プロテイン等を排除するものとの厳密な解釈がなされるべきではない。
【0075】
強調しておく必要があるが、特に、上で述べたこのデバイスの実施態様、および『好ましい』実施態様は、単なる可能性のある実装の例であり、開示の原理の明確な理解のために示されているに過ぎない。ここで述べた吸入器のための医薬品パッケージの多くの異なる実施態様が設計され得ること、および/または製造され得ることは、この開示の精神ならびに範囲を逸脱することなく可能性を有する。それらすべて、およびそのほかのその種の修正および変形は、この開示の範囲内においてこれに含まれ、かつ以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。したがって、この開示の範囲は、付随する特許請求の範囲の中に示されているとおりのほか、限定されることが意図されていない。
【符号の説明】
【0076】
10 投薬ドラム
12 個別の投薬コンパートメント
15 フィルム、泊、またはテープ
20 鞘
21 充填アクセス・ポートホール
22 投薬ポートホール
30 投薬チャンバ
32 投薬孔
40 フロー・チャンネル
50 振動発生デバイス
52 動力源
60 投薬リング
70 リング鞘
71 充填アクセス・ポートホール
72 投薬ポートホール
101 吸入器
105 個別の投与量
110 ハウジング
111 振動発生デバイス
112 バッテリ
113 モータ
116 空気取り入れ口
117 圧力センサ
119 oリング
120 カートリッジ
121 エーロゾル・チャンバ
122 膜
123 フロー・チャンネル
124 フロー・チャンネル
125 マウスピース
130 ブリスタ・ストリップ
131 ブリスタ
133 支持体
134 凹部
135 箔、フィルム、またはテープ
140 送りデバイス
141 取り除きデバイス
142 ブリスタ検出スイッチ
143 ギア
144 ギア
145 巻取りスプール
148 パイロット・ループ
150 開放されたエリア
201 医薬品物質
210 リザーバ
211 ピストン
212 圧縮ばね
220 計量ドラム
222 計量凹み
225 計量ドア、第1の計量ドア
226 計量ドア、第2の計量ドア
230 鞘
231 充填アクセス・ポートホール
232 投薬ポートホール
240 投薬チャンバ
250 フロー・チャンネル
330 組み合わせリザーバおよび投薬チャンバ
336 チャンバ・シール
340 フロー・チャンネル
344 振動発生デバイス
352 動力源
360 窒素ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13