(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017964
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】癌診断および撮像
(51)【国際特許分類】
A61K 49/00 20060101AFI20161020BHJP
A61K 51/00 20060101ALI20161020BHJP
A61K 31/4184 20060101ALN20161020BHJP
【FI】
A61K49/00 C
A61K49/02 A
!A61K31/4184
【請求項の数】33
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-556123(P2012-556123)
(86)(22)【出願日】2011年2月28日
(65)【公表番号】特表2013-521287(P2013-521287A)
(43)【公表日】2013年6月10日
(86)【国際出願番号】US2011026416
(87)【国際公開番号】WO2011109262
(87)【国際公開日】20110909
【審査請求日】2014年2月27日
(31)【優先権主張番号】61/309,030
(32)【優先日】2010年3月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509303589
【氏名又は名称】ティーエーユー・セラピューティクス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】グレイ、ロイド・エス.
【審査官】
山村 祥子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/137378(WO,A1)
【文献】
特表2010−500003(JP,A)
【文献】
特表2004−533449(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0003020(US,A1)
【文献】
Cell Calcium,2006年,Vol.40,p.253-259
【文献】
Carcinogenesis,1999年,Vol.20,No.7,p.1161-1168
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 49/00
A61K 51/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージングマーカーにより哺乳動物における疾患または状態の撮像の感度を増加するために、前記イメージングマーカーと共に使用するための、G1期とS期との間のチェックポイントの細胞周期において増殖している細胞の増殖を阻害することができるT型カルシウムチャネル阻害剤を含む診断薬。
【請求項2】
請求項1記載の診断薬であって、撮像は下記の工程を含む方法に従う:
(a)G1期とS期との間のチェックポイントを通る細胞周期の進行を阻害することにより真核細胞の増殖を阻害する前記診断薬の有効量を前記哺乳動物に投与する工程と、
(b)前記診断薬の投与を或る期間にわたって停止して、前記G1/Sチェックポイントで蓄積された細胞を、細胞周期のS期に入らせる工程と、
(c)その後、イメージングマーカーを前記哺乳動物に投与する工程と、
(d)前記哺乳動物を撮像装置によって撮像する工程。
【請求項3】
前記疾患または状態が、不安定狭心症、高血圧症、てんかん、神経障害性疼痛、小発作、アブサンス発作、加齢黄斑変性、癌および前癌性状態からなる群より選択される請求項1または請求項2に記載の診断薬。
【請求項4】
前記疾患または状態が癌または前癌性状態である請求項1〜3の何れか1項に記載の診断薬。
【請求項5】
前記疾患または状態が癌性または前癌性腫瘍である請求項4に記載の診断薬。
【請求項6】
前記哺乳動物がヒトである請求項1〜5の何れか1項に記載の診断薬。
【請求項7】
前記T型カルシウムチャネル阻害剤が、ミベフラジルである請求項1〜6の何れか1項に記載の診断薬。
【請求項8】
前記イメージングマーカーが、11C−メチオニン、2−デオキシ−2−(18F)フルオロ−D−グルコース、[18F]−3’−フルオロ−3’−デオキシ−L−チミジン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項1〜7の何れか1項に記載の診断薬。
【請求項9】
前記イメージングマーカーが、2−デオキシ−2−(18F)フルオロ−D−グルコースである請求項8に記載の診断薬。
【請求項10】
前記イメージングマーカーが、[18F]−3’−フルオロ−3’−デオキシ−L−チミジンである請求項8に記載の診断薬。
【請求項11】
前記診断薬が、前記診断薬の投与を停止してその後に前記イメージングマーカーを投与する前に、前記診断薬が両端を含めて約1日間〜約10日間にわたって投与される方法において使用される、請求項1〜10の何れか1項に記載の診断薬。
【請求項12】
前記診断薬が、前記診断薬の投与を停止してその後に前記イメージングマーカーを投与する前に、両端を含めて約5日間〜約7日間にわたって投与される、請求項11に記載の診断薬。
【請求項13】
前記診断薬の投与が、前記イメージングマーカーの投与の前に、約30分間〜約72時間にわたって停止される方法において前記診断薬が使用される、請求項1〜12の何れか1項に記載の診断薬。
【請求項14】
前記撮像が、磁気共鳴撮像装置を使用した撮像、ポジトロン放出断層撮像装置を使用した撮像およびコンピューター断層撮像装置を使用した撮像からなる群より選択される請求項1〜13の何れか1項に記載の診断薬。
【請求項15】
前記診断薬が約1μM〜約10μMの哺乳動物の血漿中濃度となる投与のための請求項1〜14の何れか1項に記載の診断薬。
【請求項16】
前記撮像が、哺乳動物における前記疾患または状態を診断する請求項1〜15の何れか1項に記載の診断薬。
【請求項17】
前記撮像が、前記疾患または状態の治療における処置の有効性をスクリーニングする請求項1〜15の何れか1項に記載の診断薬。
【請求項18】
撮像装置により哺乳動物をイメージングする工程を含む、哺乳動物において疾患または状態を撮像する方法であって、そのような撮像の前に前記哺乳動物は以下の工程を含む方法により処置されている方法:
(1)T型カルシウムチャネル阻害剤の有効量を投与する工程と、
(2)前記T型カルシウムチャネル阻害剤の投与を或る期間にわたって停止して、前記G1/Sチェックポイントで蓄積された細胞を、細胞周期のS期に入らせる工程と、
(3)その後、イメージングマーカーを前記哺乳動物に投与する工程。
【請求項19】
前記疾患または状態が癌または前癌性状態である請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記疾患または状態が癌性または前癌性腫瘍である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記哺乳動物がヒトである請求項18〜20の何れか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記T型カルシウムチャネル阻害剤が、ミベフラジルである請求項18〜21の何れか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記イメージングマーカーが、11C−メチオニン、2−デオキシ−2−(18F)フルオロ−D−グルコース、[18F]−3’−フルオロ−3’−デオキシ−L−チミジン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される請求項18〜22の何れか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記イメージングマーカーが、2−デオキシ−2−(18F)フルオロ−D−グルコースである請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記イメージングマーカーが、[18F]−3’−フルオロ−3’−デオキシ−L−チミジンである請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記T型カルシウムチャネル阻害剤が、前記T型カルシウムチャネル阻害剤の投与を停止してその後に前記イメージングマーカーを投与する前に、両端を含めて約1日間〜約10日間にわたって投与される、請求項18〜25の何れか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記T型カルシウムチャネル阻害剤が、前記T型カルシウムチャネル阻害剤の投与を停止してその後に前記イメージングマーカーを投与する前に、両端を含めて約5日間〜約7日間にわたって投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記T型カルシウムチャネル阻害剤の投与が、前記イメージングマーカーの投与の前に、約30分間〜約72時間にわたって停止される方法において前記T型カルシウムチャネル阻害剤が使用される、請求項18〜27の何れか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記撮像が、磁気共鳴撮像装置を使用した撮像、ポジトロン放出断層撮像装置を使用した撮像およびコンピューター断層撮像装置を使用した撮像からなる群より選択される請求項18〜28の何れか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記T型カルシウムチャネル阻害剤が投与されて約1μM〜約10μMの哺乳動物の血漿中濃度となる請求項18〜29の何れか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記撮像が、哺乳動物における前記疾患または状態を検出する請求項18〜30の何れか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記撮像が、前記疾患または状態の治療における処置の有効性をスクリーニングする請求項18〜31の何れか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記T型カルシウムチャネル阻害剤の投与を行わない撮像と比較して、より高い感度で画像を得ることを含む、請求項18〜32の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
発明の背景
従来の癌撮像は不正確であり且つ不精密である。典型的には、患者は、マーカー、または他の化学物質が彼らの循環系に注入され、約1時間待ち、その後ポジトロン放出断層撮影(PET)を使用して撮像される。1時間という期間はかなり短く、癌細胞の全数の一般活動性を表さない場合がある。
【0002】
従来の癌撮像が不正確であり且つ不精密であるのは、一部には、イメージングマーカーの代謝的な取り込みが細胞周期に特異的な作用機序を有することにある。より詳細には、イメージングマーカーの取り込みは、標的細胞が周期のどの部分にあるかに依存する。マーカー投与と撮像との間の典型的な待機時間である或る所定の時間の間、撮像をしようとする癌細胞は細胞周期のどの段階にもありえて、マーカーを様々な速度および量で取り込み且つ吸収しうる。患者内の癌細胞の全ての間に存在するこの差異は、誤解を招く結果および誤診を引き起こしうる。
【0003】
細胞周期は、細胞内で起こりその分裂および複製をもたらす一連の現象である。真核細胞では、この周期は2つの期間、間期および有糸分裂期に分けることができる。細胞周期のこれら2つの期間の進行は増殖として知られている。間期の間、細胞は成長し、有糸分裂のために必要とされる栄養素を蓄え、そのDNAを複製する。有糸分裂の間、細胞は2つの別々の娘細胞に分裂する。間期は3つの別々の期間、Gap 1(G
1)期、S期およびGap 2(G
2)期を含み、一方で有糸分裂は2つのプロセスを含む。G
1期は、細胞の大きさが増加することと、細胞の生合成活性が増加することと、後段の工程におけるDNA複製のために必要とされる酵素の合成とを含む。S期はDNA合成の始まりと染色体の全ての複製とを含む。G
2期は細胞が有糸分裂に入るまで続き、有糸分裂のための微小管の生成を含むタンパク質合成を含む。有糸合成は細胞の染色体が2つの娘細胞の間に分けられるプロセスと、元の細胞の細胞質が分かれて2つの別々の娘細胞を形成する細胞質分裂プロセスとを含む。細胞周期は静止期をさらに含み、これは典型的にG
0と呼ばれる。様々な期の間の境界、たとえばG
1とS期との間の境界は、細胞周期チェックポイントと呼ばれる。
【0004】
細胞周期の進行は、特定の細胞が、次の期間に進行する前に、周期を或る点、細胞質チェックポイント(cellular checkpoint)で止まるように阻害することができる。細胞周期チェックポイントは、細胞周期の様々な期の間に位置しており、これらのチェックポイントのうちの2つがG
1とS期との間の境界(G
1/S)およびG
2とM期との間の境界にある。細胞周期阻害剤は、細胞の発達が次の期へ移るのを停止することができ、たとえば細胞をG
1/S細胞周期チェックポイントで阻害することができ、これは阻害剤が取り除かれるまで細胞にG
1期に留まることを強いる。
【0005】
個体における或る特定の癌細胞群および腫瘍において、細胞周期の長さは多様である。この多様性は、G
0のG
1に費やされる期間が様々である一方、S期の始まりからM期の終わりまでの時間の長さが比較的一定であることに起因する。
【0006】
従来のマーカーを使用する撮像は、癌細胞の増加する代謝活動のおかげによるマーカーの増加する取り込みに基づく。この増加する取り込みは、癌細胞が他の細胞周期段階とは対照的にS期にある場合に最も顕著である。投与と撮像との間の典型的な1時間の期間の間に撮像しようとする癌細胞の大部分がS期にない場合、画像結果は、癌細胞の実際の濃度および位置を表さないことがある。
【0007】
臨床的に関連性のある細胞断片に関する細胞周期をG
1/S細胞周期チェックポイントで停止して、それによりイメージングマーカーの有効性を強めることができる処理が望まれている。
【0008】
発明の概要
本発明は、哺乳動物の疾患または状態を撮像する方法であって、治療学的有効量の細胞周期阻害剤を投与して、真核細胞の増殖をG
1とS期との間の細胞周期チェックポイントで効率的に停止する工程と、前記細胞周期阻害剤の投与を或る期間にわたって停止する工程と、マーカーを前記哺乳動物に投与する工程と、前記哺乳動物を撮像する工程とを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、細胞周期を示した模式図である。外側のリングは、間期(I)および有糸分裂(M)期を含み、他の期に関して有糸分裂の期間を誇張している。内側のリングは、Gap 1(G
1)期とGap 2(G
2)期と合成(S)期とを含む。Gap 0(G
0)すなわち静止期は図示していない。
【
図2】
図2は、いくつかの化学物質のカルシウム流入を阻害する能力を、細胞増殖を阻害する同じ化学薬品の能力と比較して示したグラフである。
【
図3】
図3は、細胞周期と、いくつかのカルシウムチャネル遮断薬がこの細胞周期の進行に与える影響とを示した模式図である。
【
図4】
図4は、ミベフラジルの細胞周期への影響を評価したデータを示したグラフである。
【
図5】
図5は、ミベフラジルの細胞周期への影響を評価したデータを示したグラフである。
【
図6】
図6は、ミベフラジルの投与後のイメージマーカーの取り込みを評価したデータを示したグラフである。
【
図7】
図7は、ミベフラジルの投与後のイメージマーカーの取り込みを評価したデータを示したグラフである。
【0010】
定義
本発明の説明および特許請求の範囲では、以下の用語を以下に説明定義に従って使用する。
【0011】
ここで使用する限りにおいて、用語「薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤」は、あらゆる標準的な薬学的担体、たとえばリン酸緩衝食塩水、水、エマルションたとえば油/水型または水/油型エマルション、および種々のタイプの湿潤剤を包含する。また、この用語は、ヒトなどの動物で使用するための、US連邦政府の管理機関によって認可されたまたは米国薬局方において列挙されたあらゆる薬剤を包含する。
【0012】
用語「治療学的有効量」は、特定の疾患もしくは状態を寛解、減衰、鎮静もしくは除去する、または特定の疾患もしくは状態の発病を遅延させる本発明の化合物の量を意味する。
【0013】
「哺乳動物」とは、たとえば、霊長類、たとえばヒトおよびサルを含む全ての哺乳動物を意味する。ここに含まれる他の哺乳動物の例は、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、マウス、ラットおよびウマである。好ましくは、哺乳動物は女性または男性のヒトである。
【0014】
表現「前癌性状態」とは、悪性ではないが治療を施さなければそうなりそうな増殖状態を意味する。また、「前癌性状態」は、当業者によれば「悪性前状態」としても知られる。
【0015】
「T型カルシウムチャネル遮断剤」が「T型カルシウムチャネル阻害剤」として知られていることは、当業者に理解されている。
【0016】
発明の詳細な説明
哺乳動物における疾患または状態を撮像する方法は、いくつかの工程を含む。多くの理由のため、疑わしい疾患または状態の診断、種々の治療の影響のためのスクリーニングおよび治療の経過のモニタリングを含む方法が行われうる。説明する方法によって得られる画像に基づいて、医療管理者は、診断、治療の影響および現在の治療の経過をより容易に判定することができる。
【0017】
この方法は、種々の疾患または状態、たとえば不安定狭心症、高血圧症、てんかん、神経障害性疼痛、小発作、アブサンス発作、加齢黄斑変性、癌および前癌性状態などを撮像するのに使用できる。他の実施形態では、この方法は、腫瘍および前癌性腫瘍を撮像するのに使用できる。
【0018】
疾患または状態を撮像する方法では、最初に、細胞周期阻害剤を治療学的な有効量で投与し、真核細胞の増殖をG
1期とS期との間の細胞周期チェックポイント(G
1/S)で停止する。変動する細胞周期の長さは、G
1期に費やされる期間によって主に決定される。S期、G
2期およびM期の長さは比較的不変である。このため、群の中の或る特定の細胞は、この細胞が細胞周期のS期に入る前の或る期間にわたって、G
1に留まるであろう。細胞周期が継続して細胞周期チェックポイントを通過するのを停止するために、細胞周期阻害剤が投与されうる。
【0019】
細胞周期阻害剤の投与は、或る群における非同期的増殖性癌細胞を、S期へ進行するそれらの能力が前記細胞周期阻害剤によって阻止されるので、それらが細胞周期を進行する際にG
1/Sに集積させる。細胞が細胞周期チェックポイントを通るG
1期からS期への移行の場合、細胞は、進行に必要な生化学的カスケード反応を引き起こすために、細胞外カルシウムの流入を必要とする。細胞外培地からのカルシウムの除去は、各細胞についての細胞周期の移行を遮断する。したがって、各細胞は、それが細胞外カルシウムの存在下にある限りはG
1期に留まるが、カルシウムなしでG
1/Sに達すると正しい場所に固定されるようになり、それにより細胞をG
1/Sで同調させる。細胞へのカルシウムの流入は、増殖および細胞周期の進行のために必要である。これについては、以下の例1においてさらに説明する。
【0020】
細胞周期阻害剤の投与は、G
1/Sにある細胞の割合を高める。G
1/Sにある細胞の増加を利用するために、哺乳動物への細胞周期阻害剤の投与は、撮像前の或る期間に亘って持続させる。この期間は約1日から約10日までの間(両端を含める)にありうる。もう1つの実施形態では、この期間は約5日から約7日までの間(両端を含める)にありうる。これらの実施形態の上限は10日および7日であるが、細胞周期阻害剤は、より長い期間に亘って投与することができる。細胞周期阻害剤の用量は、約1μMから約10μMまでの哺乳動物の血漿中濃度をもたらす。
【0021】
細胞周期阻害剤は、非経口、静脈内、筋肉内、腹腔内、くも膜下腔内、坐薬、経皮、局所、または経口などのいくつかの経路によって投与することができる。細胞周期阻害剤の経口投与が最も好ましい。経口投与は、薬学的に許容される担体と共に、投与単位、典型的には錠剤またはカプセルとして投与することができる。
【0022】
細胞周期阻害剤は、いくつかの細胞周期阻害剤のうちの1種以上でありうる。たとえば、ミベフラジル、エホニジピン、エトサクシミド、TTL−1177(参考文献:Gray, L.S.、Perez-Reyes, E.、Gomora, J.C.、Haverstick, D.M.、Shattock, M.、McLatchie, L.、Harper, J.、Brooks, G.、Heady, T.、およびMacDonald, T.L. (2004) Cell Calcium 36, 489-497に記載された特許化合物)およびニッケル。
【0023】
これらの細胞周期阻害剤は、生命の維持に必要な多くの細胞過程にとって重要な細胞外カルシウムの細胞への流入を阻害する。これらの過程にとって必要なカルシウムは、細胞外環境に由来しカルシウムチャネルを通る流入を経由する。カルシウムチャネルは、経時的分析、生物物理学的特徴および薬理学的感度に基づいていくつかの群に分けられる。これらの中にT型カルシウムチャネル群がある。これらのカルシウムチャネルは、血圧、心臓の律動および細胞増殖の調節に結び付けられている。また、研究により、T−型カルシウムチャネルは、加齢黄斑形成において重要な役割を果たしうることが示唆された。少なくとも1種の薬理学的物質、ミベフラジルは、Tチャネル機能の阻害のために、臨床学的に有効であるとみられている。カルシウム流入の阻害は、高血圧、心臓不整脈および臨床的に有害な細胞増殖の治療に有用である。
【0024】
T型カルシウムチャネルは細胞、株細胞および具体的には癌株細胞内に存在している。具体的には、T型カルシウムチャネルのCav3.2アイソフォームは、日本人女性において、正常な乳房組織と比べた際、乳房癌組織中に以上に発現することが分かっており、このことは参考文献Asaga, S.、Ueda, M.、Jinno, H.、Kikuchi, K., Itano, O.、Ikeda, T.およびKitajima, M. (2006) Anticancer Res 26, 35-42において論じられている。
【0025】
細胞周期阻害剤は、真核細胞の増殖をG
1/Sなどの細胞周期チェックポイントに効率的に停止し、このことについては以下の例2−4においてさらに説明する。
【0026】
細胞周期阻害剤の投与に続き、細胞周期のS期で取り込まれることを狙ったイメージングマーカーを投与する。細胞周期阻害剤の最初の投与とイメージングマーカーとの間の期間は、細胞周期のG
1/Sでの細胞の蓄積を可能にする。この方法は、S期にある細胞の割合を高め、それによりイメージングマーカーのそれらの細胞内への取り込みを増加させる。
【0027】
細胞周期阻害剤の投与に続き、細胞周期阻害剤を添加しない期間が存在する。この期間は、約30分から約72時間までに及びうる。この期間は、G
1/Sに蓄積した細胞を細胞周期のS期に入れる。約5%から約25%までの細胞がG
1/Sに蓄積するであろう。S期にある細胞の数の増加は、大部分の細胞がイメージングマーカーを各投与で取り込むので、イメージングマーカーの続けての投与用量をより効率的なものにする。
【0028】
細胞周期阻害剤を添加しない期間に続き、イメージングマーカーが投与され、S期にある細胞によって取り込まれるまたは吸収される。具体的なイメージングマーカーは、様々な疾患が様々なイメージングマーカーで画像化される当業者の臨床経験によって決定されるであろう。単独で使用される場合のイメージングマーカーと比べると、同じ用量のイメージングマーカーがより迅速にかつより明確に取り込まれる。取り込まれるイメージングマーカーの増加については、以下の例5においてさらに説明する。
【0029】
癌細胞は、T型カルシウムチャネルまたはT型カルシウムチャネル付属タンパク質に結合する物質の投与により、生体内に位置が示される。体の中での薬物の位置は、それを体外から検出可能な物質で標的化することによって判定することができる。たとえば、放射性原子は、その外部で行う手段(measurements)によって体内で局在化させることができ、この目的に有用なこのような原子の例としては、数ある中でも、99mTc、125I、131I、18F、11C、13N、15O、3H、68Ga、67Gaおよび16Fが挙げられる。多くの考えられるイメージングマーカーの例の中の一部としては、11Cメチオニン、2−デオキシ−2−(
18F)フルオロ−D−グルコース(FDG)、トリチウム化したFDG(3H−FDG)およびフルオロデオキシチミジン(たとえば[18F]−3'−フルオロ−3'−デオキシ−L−チミジン)が挙げられる。加えて、たとえば重水素を核磁気共鳴(NMR)を使用して同様に局在化させることができ、種々の染料、蛍光性および非蛍光性のものは光学的技術を使用して局在化される。加えて、哺乳動物の撮像の前に、1種以上のイメージングマーカーを組み合わせて前記哺乳動物に投与してもよい。
【0030】
細胞周期阻害剤の投与およびそれに続くこの投与の停止は、より大きな割合の細胞が周期の或る特定の期にあることを可能にする。種々の細胞代謝活動は、細胞周期の種々の期において、様々な程度まで進行する。細胞周期の或る特定の期にある癌細胞の割合を変えることにより、変えられた割合はその期に最も特有な代謝活動を示すであろう。イメージングマーカーの1つの例はFDGであり、これは、それらの特定の代謝状態のためのこのエネルギー源を必要とする細胞内に蓄積されるものである。このように、体外からのFDGの撮像は、細胞周期のうちグルコースを最も必要とする部分にある細胞の割合を変更することによってT型カルシウムチャネル活性化剤に反応した癌細胞を局在化させうる。たとえば、癌細胞は非癌性の細胞と比べるとT型カルシウムチャネル機能を優先的に発現させるので、癌細胞はT型カルシウム標的化剤の影響を優先的に受けて検出されるであろう。
【0031】
イメージングマーカーを哺乳動物に投与した後、哺乳動物が撮像される。イメージングマーカーは任意の適切な用量、たとえば約100mBq〜約600mBqで投与することができる。哺乳動物は、任意の適切な撮像装置、たとえば、核磁気共鳴画像(MRI)、ポジトロン放出断層写真(PETスキャン)またはコンピューター断層写真(CTスキャン)を集めることができる装置を使用して撮像することができる。適切な撮像装置で収集した画像は、細胞周期阻害剤の前治療をしていない哺乳動物で撮られた画像よりも繊細である。細胞周期阻害剤の投与後に撮られたスキャンは、疾患を持つ細胞が細胞周期阻害剤の投与を行わなかった細胞のイメージングマーカーの取り込みと比べて、イメージングマーカーをより多く取り込むので、より繊細であろう。
【0032】
上で説明した方法は、哺乳動物を撮像しようとする各例について、望まれるだけ繰り返すことができる。たとえば、哺乳動物が細胞周期阻害剤の投与を受け、前記細胞周期阻害剤の投与を停止し、イメージングマーカーが投与され、撮像が為されたのちに、前記哺乳動物が再度細胞周期阻害剤のもう1回の投与を受けることにより、前記プロセスを再度始めることができる。この方法は、資格を有する医療管理者の要求および助言に従って所望の回数繰り返すことができる。
【0033】
上で説明した方法は、治療中または診断中の疾患および状態たとえば癌の撮像に有用であるだけでなく、上で説明した方法は、腫瘍が多少T型カルシウムチャネル遮断剤によって影響を受けるタイプである場合および腫瘍が多少治療によって影響を受けるタイプである場合のスクリーニングを補助するために使用できる。たとえば、T型カルシウムチャネル遮断剤は、標的された腫瘍の種類により、細胞周期の停止に関する有効性が変化しやすい。たとえば、膵臓癌腫瘍は、T型カルシウムチャネル遮断剤の投与に対して、膵臓腫瘍と比較すると膵臓腫瘍とは異なって反応しうる。上で説明したレジメンをスクリーニングのために使用すると、どの種類の腫瘍がこのレジメンに対してより有効に応答するか、およびどの種類の腫瘍がこのレジメンに対して効率的に応答しないかを判定することができる。この情報は、各個人について治療レジメンを受ける前に決定でき、治療レジメンを最も有効かつ有利に計画するのに使用することができる。
【0034】
例1
カルシウム流入阻害と増殖との間の対応を評価するために、以下の
図2に示されるように、いくつかの化学薬品についてのカルシウム流入を阻害する能力を同じ薬品についての増殖を阻害する能力に対してプロットした。これらの薬品はVirginia大学で合成した特許化学物質であった。勾配が0.98でありR
2値が0.92である最小二乗相間直線が得られた。従来、相間は因果関係を推測するのには用いることができないが、この場合では、カルシウム流入が増殖のために先験的に必要であり、カルシウムの流入を遮断することは同様に増殖を遮断するため、ベイズ的アプローチが許容される。極めて1に近い勾配を有する回帰直線は、変数の変化の実質的全てが他方の変化によって説明されることを意味し、これはこれらの物質にカルシウム流入の阻害以外の増殖に対しての作用がないことを意味する。
【0035】
例2
細胞周期分析をフローサイトメトリーおよびBUdR染色を使用して行った。
図3では、「Con」が未処理のコントロール細胞を表している。全ての他の細胞培養液は、微小管重合を妨害しM期中の細胞周期を遮断するノコダゾールで処理した。A10細胞のノコダゾール単独での処理がM期を進行する細胞周期の進行を遮断したことが、フローシトメトリーによって分かった。A10細胞が主にG
0とG
1との間の細胞周期チェックポイントにある(
図3の「Con」を参照のこと)ので、その期から外れるのを薬理学的物質が阻害する蓋然性の評価は、他の細胞周期チェックポイントでの遮断を判断することほど単純ではない。それ故に、細胞培養液を、ノコダゾールを添加する前に、24時間にわたってTチャネルカルシウムチャネル遮断剤であるミベフラジル(mib)、ニッケル(Ni)またはTTL−1177(本願出願人であるTau Therapeuticsが有する特許化合物)によって処理した。Tチャネル遮断剤への影響なしに、ノコダゾールにより、細胞をそれ単独で処理した場合と同様に、細胞の細胞をG
2とMとの間の細胞周期チェックポイントに留められるであろう。代わりに、T型カルシウムチャネル遮断剤での処理は、細胞をG
0とG
1との間の細胞周期チェックポイントに停止させ、G
2とMとの間の細胞周期チェックポイントでの蓄積を防いだが、これは別の方法ではノコダゾールに起因するだろう。これは、T型カルシウムチャネル遮断剤が周期を進行している細胞をG
1/Sで停止させることを示す。
【0036】
例3
細胞周期阻害剤ミベフラジルの細胞周期の進行を停止することに関する有効性を評価するために、株細胞A549のヒト肺癌細胞および株細胞のヒト前立腺癌細胞を10μmミベフラジルと48時間にわたってインキュベートした(M48H)。
図4から明らかなように、ミベフラジルは、両方の株細胞に対し、S期への進行を許容しないことによって細胞周期のG1期にある細胞の割合を増加させた。同じ株細胞を10μMのミベフラジルと18時間にわたってインキュベートし、その後12時間洗い流し、その後ミベフラジルとさらに8時間インキュベートすること(M18−12−18h)によって、さらなるデータを集めた。これらの結果は、ミベフラジルとインキュベートしないコントロール細胞に比べて、多くの割合の細胞がG
1期にあることをさらに示す。
【0037】
例4
株細胞PC3のヒト前立腺癌細胞の細胞周期へのミベフラジルの効果を評価するために、PC3細胞を種々の濃度のミベフラジルと種々の時間にわたってインキュベートした。PC3細胞を5μM濃度または10μM濃度のいずれかと24時間または48時間のいずれかにわたってインキュベートした。
図5から明らかなように、ミベフラジルの濃度および接触時間の増加はG
1期にある細胞の割合を増加させる。
【0038】
例5
細胞周期阻害剤での処理後のイメージングマーカーの取り込みの有効性を判定した。ヒト大腸癌細胞、株細胞HT29を、まず、24時間にわたって、5μMの濃度(5μM−FDG−HT29)および10μMの濃度(10μM−FDG−HT29)の細胞周期阻害剤ミベフラジルとインキュベートした。ミベフラジルとの24時間のインキュベーション後、HT29細胞をミベフラジルとの接触を取り除いた。ミベフラジルとの接触を取り除いて60分後、イメージングマーカー2−デオキシ−2−(
18F)フルオロ−D−グルコース(以下、「FDG」と呼ぶ)を投与した。
【0039】
図6から明らかなように、イメージングマーカーFDGのHT29細胞への取り込みは、インキュベートしなかった細胞に比して、ミベフラジルとインキュベートした細胞において増加した。10μMの濃度のミベフラジルでは、FDGの取り込みの増加は、ミベフラジルとインキュベートしない細胞の取り込みと比べて、約100%であった。
【0040】
また、株細胞A549のヒト癌細胞においても、イメージングマーカーの取り込みを測定した。A549細胞を5μM、10μMおよび15μM濃度の細胞周期阻害剤ミベフラジルと24時間にわたってインキュベートした。24時間のミベフラジルによるインキュベーション後、A549細胞をミベフラジルとの接触から取り除いた。ミベフラジルとの接触から取り除いて30分後、イメージングマーカートリチウム化FDG(以下、「3H−FDG」と呼ぶ)を投与した。
図7から明らかなように、3H−FDGの取り込みは5μMで最大であったが、全ての濃度のミベフラジルインキュベーションで取り込みの増加が観察された。図示してはいないが、PC3株細胞のヒト前立腺癌細胞の10μMミベフラジルによる72時間にわたるインキュベーションは、実質的に導入されたイメージングマーカー3H−FDGの取り込みを約60%だけ増加させた。
【0041】
例6
説明的な例として、哺乳動物の疾患または状態を撮像する方法を、それが臨床応用される場合として説明する。まず、撮像すべき哺乳動物(この実施形態では哺乳動物はヒトである)を選択する。この選択は、種々の要因、たとえば疾患(本実施形態では前立腺癌)に対する過去の治療などに基づいて、または診断をなし得る確認として行うことができる。当該ヒトはまず治療学的有効量の細胞周期阻害剤(この実施形態では、1用量のミベフラジルを送達する経口錠剤)の投与を、計画している撮像セッション前の6日間にわたって1日2回受ける。6日間の用量が投与されたのち、ミベフラジルの投与を中止する。投与を中止したのち、撮像手順に着手する前に或る期間をおく。この例では、ミベフラジルの投与を中止するのとイメージングマーカー(この例ではFDGである)の投与との間に6時間経過する。6時間経過後、FDGをヒトに十分な用量で注射する。次に、ヒトをPETスキャンで撮像する。PETスキャンから生成されたデータは、患者が細胞周期阻害剤を受けていなかった場合にPETスキャンから得られるデータよりも、詳細かつ正確である。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[1] 哺乳動物の疾患または状態を撮像する方法であって:
(a)治療学的有効量の細胞周期阻害剤を投与して、真核細胞の増殖をG1とS期との間の細胞周期チェックポイントで効率的に停止する工程と、
(b)前記細胞周期阻害剤の投与を或る期間にわたって停止する工程と、
(c)イメージングマーカーを前記哺乳動物に投与する工程と、
(d)前記哺乳動物を撮像装置によって撮像する工程と
を含む方法。
[2] 前記疾患または状態が、不安定狭心症、高血圧症、てんかん、神経障害性疼痛、小発作、アブサンス発作、加齢黄斑変性、癌および前癌性状態からなる群より選択される[1]に記載の方法。
[3] 前記疾患または状態が腫瘍である[2]に記載の方法。
[4] 前記腫瘍が癌性または前癌性腫瘍である[3]に記載の方法。
[5] 前記哺乳動物がヒトである[1]に記載の方法。
[6] 前記細胞周期阻害剤が、ミベフラジル、エホニジピン、エトサクシミド、TTL−1177、ニッケルおよびこれらの組み合わせを含む[1]に記載の方法。
[7] 前記イメージングマーカーが、11Cメチオニン、2−デオキシ−2−(18F)フルオロ−D−グルコース、トリチウム化したFDG2−デオキシ−2−(18F)フルオロ−D−グルコース、フルオロデオキシチミジン、重水素、およびこれらの組み合わせを含む[1]に記載の方法。
[8] 前記フルオロデオキシチミジンが[18F]−3'−フルオロ−3'−デオキシ−L−チミジンである[7]に記載の方法。
[9] 工程(a)〜(d)を1回以上繰り返すことによる延長された処置のための処置方法をさらに含む[1]に記載の方法。
[10] 前記疾患または状態が腫瘍である[9]に記載の方法。
[11] 前記腫瘍が癌性または前癌性腫瘍である[10]に記載の方法。
[12] 前記細胞周期阻害剤が、前記細胞周期阻害剤の投与を停止する前に、両端を含めて約1日間〜約10日間投与される[1]に記載の方法。
[13] 前記細胞周期阻害剤が、前記細胞周期阻害剤の投与を停止する前に、両端を含めて約5日間〜約7日間投与される[12]に記載の方法。
[14] 前記細胞周期阻害剤の投与が、前記イメージングマーカーの投与の前に、約30分間〜約72時間にわたって停止される[1]に記載の方法。
[15] 前記撮像装置は、磁気共鳴撮像装置、ポジトロン放出断層撮像装置およびコンピューター断層撮像装置からなる群より選択される[1]に記載の方法。
[16] 前記細胞周期阻害剤が投与されて約1μM〜約10μMの哺乳動物の血漿中濃度にされる[1]に記載の方法。
[17] 前記撮像方法は哺乳動物における疾患または状態を診断する[1]に記載の方法。
[18] 前記撮像方法は、前記疾患または状態の治療における処置の有効性をスクリーニングする[1]に記載の方法。