(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6017971
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20161020BHJP
【FI】
H04M1/02 C
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-3907(P2013-3907)
(22)【出願日】2013年1月11日
(65)【公開番号】特開2014-135698(P2014-135698A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】水野 浩行
(72)【発明者】
【氏名】平岡 通明
【審査官】
白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/160748(WO,A1)
【文献】
特開2003−015542(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0328869(US,A1)
【文献】
特開2010−130582(JP,A)
【文献】
特開2012−165052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/00
1/16−1/18
G09F9/00
H04M1/02−1/23
H05K5/00−5/06
7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ、
該ディスプレイが載置される主面部と、該主面部より窪んでいる窪み部とを有する板金部材、
前記主面部側に突出し、前記窪み部に成型される樹脂部材、および、
該樹脂部材に載置されるとともに、前記ディスプレイを支持する回路基板、を備える電子機器。
【請求項2】
前記樹脂部材は、前記板金部材の前記窪み部に対する厚みの異なる第1部位と、第2部位とを有する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記樹脂部材の前記第2部位は、前記板金部材の窪み部に対する厚みが前記第1部位に比べて厚く、
前記回路基板は、前記第1部位に載置される第1回路基板と、前記第2部位および前記第1回路基板に載置されるとともに、前記ディスプレイを支持する第2回路基板とを有する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記回路基板は、前記樹脂部材に載置される載置領域と、前記板金部材の窪み部と離隔して対向し、電子部品が実装される実装領域と、を有する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記板金部材の窪み部は、前記主面部に対して略均一な深さである、請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記樹脂部材は、前記板金部材の主面部より窪んでいる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
前記樹脂部材は、前記ディスプレイを支持する筐体と一体成型されている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記回路基板は、前記ディスプレイに電気的に接続されるフレキシブルプリント基板である、請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイを金属板の平らな領域に載置する技術がある。この技術は例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−5257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金属板の平らな領域にディスプレイを載置した場合、ディスプレイと金属板との間に回路基板を配置することができない。金属板に回路基板を配置する領域をプレス加工によって設けると、十分な加工精度が得られない。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ディスプレイと金属板との間に回路基板を好適に配置することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る電子機器は、ディスプレイ、該ディスプレイが載置される主面部と、該主面部より窪んでいる窪み部とを有する板金部材、前記主面部側に突出し、前記窪み部に成型される樹脂部材、および、該樹脂部材と前記ディスプレイとの間に配され、前記ディスプレイが載置される回路基板、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ディスプレイと金属板との間に回路基板を好適に配置することができる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る電子機器の実施形態であるスマートフォンの概略を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示したスマートフォンのII−II線に沿った要部断面図である。
【
図3】
図1に示した載置部材の構成を示す全体斜視図である。
【
図4】
図3に示した載置部材の要部断面の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る電子機器の1つの実施形態としてスマートフォン10を例示し、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
図1および
図2に示したスマートフォン10は、ディスプレイと、載置部材30と、回路基板40と、電子部品とを含んで構成されている。
【0011】
本実施形態では、ディスプレイとしてタッチスクリーンディスプレイ20を採用している。タッチスクリーンディスプレイ20は、表示デバイスと、タッチスクリーンとを含んで構成されている。なお、ディスプレイとしてタッチスクリーンディスプレイ20に代えて、タッチスクリーンを省略した表示デバイスを採用してもよい。
【0012】
表示デバイスは、電子情報を画像として表示するデバイスである。表示デバイスは、略平板状の構造をしている。本実施形態では、表示デバイスの2つの主面のうち、スマートフォン10の外側に位置する主面を単に表示面と記載し、スマートフォン10の内側に位置する主面を単に裏面と記載する。表示デバイスとしては、LCD(Liquid Crystal Display)およびELD(Electro-Luminescence Display)を含む種々のデバイスが採用できる。
【0013】
タッチスクリーンは、表示デバイスに表示された画像に対する指示操作を受け付けるデバイスである。本実施形態のタッチスクリーンは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されていが。表示デバイスの裏面に重ねて配置されていてもよい。なお、本実施形態のタッチスクリーンは、表示デバイスとタッチスクリーンと別体構成となっているが、表示デバイスに一体構成されていてもよい。タッチスクリーンとしては、例えば静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(または超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、および荷重検出方式などの種々の方式の接触センサを含むデバイスが採用できる。
【0014】
図3および
図4に示した載置部材30は、タッチスクリーンディスプレイ20を載置するものである。この載置部材30は、板金部材31と、樹脂部材32とを含んで構成されている。
【0015】
板金部材31は、タッチスクリーンディスプレイ20を載置する主材となるものである。この板金部材31は、主面部31aと、窪み部31bと、貫通孔31cとを有する。板金部材31の主面部31aは、タッチスクリーンディスプレイ20を主として支持する部位である。言い換えると、タッチスクリーンディスプレイ20の一部は、板金部材31の主面部31aに載置される。板金部材31の窪み部31bは、主面部31aより窪んでいる部位である。この窪み部31bは、板金加工などによって板金部材31に設けられる。板金部材31の貫通孔31cは、主面部31aを貫通する孔を規定する部位である。
【0016】
樹脂部材32には、板金部材31がインサート成型されている。この樹脂部材32は、板金部材31の窪み部31bから主面部31a側に突出する突出部32aを有している。この突出部32aは、回路基板40を支持する部位である。言い換えると、この樹脂部材32の突出部32aに回路基板40が載置される。本実施形態では、回路基板40を支持する突出部32aを樹脂材料によって成型しているので、金属材料で成型する場合に比べて厚みに対する精度を高めることができる。また、回路基板40を支持する突出部32aが板金部材31の窪み部31bから突出しているので、回路基板40と板金部材31とを離隔させることができる。
【0017】
本実施形態の突出部32aは、板金部材31の窪み部31bに対する高さの異なる第1突出部32a1と、第2突出部32a2とが含まれている。第2突出部32a2は、板金部材31の窪み部31bに対する厚みが第1突出部32a1よりも厚くなっている部位である。第1突出部32a1は、第2突出部32a2と一体成型されている。本実施形態では、回路基板40を支持する第1突出部32a1および第2突出部32a2を樹脂材料によって成型している。この構成を採用することによって、本実施形態では板金加工によって多段階の窪み部を形成する場合に比べて、基材となる金属の反りを低減することができる。また、この構成を採用することによって、本実施形態では板金加工によって多段階の窪み部を形成する場合に比べて、ねじれ圧力に対して節となる部位を少なくすることができる。このねじれ圧力に対して節となる部位を少なくすることによって、タッチスクリーンディスプレイ20の一部に負荷が集中するのを低減することができる。
【0018】
本実施形態の樹脂部材32は、板金部材31の周りを囲んでいる枠部32bを含んでいる。この枠部32bは、スマートフォン10のケースの一部として機能する部位である。
【0019】
本実施形態の回路基板40には、第1回路基板41と、第2回路基板42と、第3回路基板とが含まれている。
【0020】
第1回路基板41は、タッチスクリーンに電気的に接続される配線が含まれている。
【0021】
第2回路基板42は、表示デバイスに電気的に接続される配線が含まれている。第2回路基板42は、載置領域42aと、実装領域42bとを有する。
【0022】
第2回路基板42の載置領域42aは、樹脂部材32の第2突出部32a2または第1回路基板41に載置される領域である。本実施形態の第2回路基板42は、第1回路基板41を覆うように載置されている。本実施形態の第2回路基板42は、樹脂部材32の突出部32aを覆うように載置されている。かかる第2回路基板42と板金部材31の主面部31aとがタッチスクリーンディスプレイ20を支持するので、本実施形態では、タッチスクリーンディスプレイ20を良好に載置することができる。板金部材31の主面部31aに対する窪み部31bの深さと、樹脂部材32の突出部32aに回路基板40を重ねた厚みとをほぼ等しくすることによって、タッチスクリーンディスプレイ20をより良好に載置することができる。本実施形態では、回路基板40を支持する樹脂部材32の突出部32aが樹脂材料によって成型されているので、厚みに対する精度を容易に高めることができる。
【0023】
第2回路基板42の実装領域42bは、板金部材31の窪み部31bと離隔している。第2回路基板42の実装領域42bは、電子部品が実装される領域である。本実施形態では、第2回路基板42を支持する第2突出部32a2が板金部材31の窪み部31bから突出しているので、第2回路基板42と板金部材31とを離隔させることができる。この構成を採用することによって、本実施形態では、実装領域42bに電子部品を実装することができる。
【0024】
第3回路基板は、第1回路基板41と第2回路基板42とに電気的に接続される。第3回路基板と、第1回路基板41および第2回路基板42とは、板金部材31の貫通孔31cを通じて電気的に接続される。第3回路基板は、板金部材31の主面部31aと対となる主面側に載置される。
【0025】
電子部品は、スイッチ、抵抗器、コンデンサ、圧電素子、アンテナ器、マイク、スピーカ、演算デバイス、および記憶デバイスを含む種々の電子部品である。本実施形態の電子部品は、回路基板40に適宜適切な領域に実装され、目的に応じた機能を奏する。本実施形態の電子部品のうち、第2回路基板42の実装領域42bに実装される電子部品50は、板金部材31によってシールドすることができるので、他の電子部品に対する影響を低減することができる。
【0026】
実施形態では、スマートフォン10を例に挙げたが、これに限られず、携帯電話機、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PCなどの種々の電子機器に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0027】
スマートフォン10
タッチスクリーンディスプレイ20
載置部材30
板金部材31
主面部31a
窪み部31b
貫通孔31c
樹脂部材32
突出部32a
第1突出部32a1
第2突出部32b2
枠体32b
回路基板40
第1回路基板41
第2回路基板42
載置領域42a
実装領域42b
電子部品50