特許第6018046号(P6018046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6018046ケトエステル類の水素化のためのプロセス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018046
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】ケトエステル類の水素化のためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C07C 67/317 20060101AFI20161020BHJP
   C07C 69/675 20060101ALI20161020BHJP
   C07C 229/22 20060101ALI20161020BHJP
   C07C 227/30 20060101ALI20161020BHJP
   C07B 53/00 20060101ALN20161020BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20161020BHJP
【FI】
   C07C67/317
   C07C69/675
   C07C229/22
   C07C227/30
   !C07B53/00 B
   !C07B61/00 300
【請求項の数】19
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-509468(P2013-509468)
(86)(22)【出願日】2011年5月10日
(65)【公表番号】特表2013-526493(P2013-526493A)
(43)【公表日】2013年6月24日
(86)【国際出願番号】EP2011002323
(87)【国際公開番号】WO2011141160
(87)【国際公開日】20111117
【審査請求日】2014年5月9日
(31)【優先権主張番号】61/333,462
(32)【優先日】2010年5月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10004966.7
(32)【優先日】2010年5月11日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391003864
【氏名又は名称】ロンザ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LONZA LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】ビッカー マルクス
(72)【発明者】
【氏名】カラウカン ダヴィラ ミゲル エンジェル
(72)【発明者】
【氏名】ヘックマン ゴロ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイファーポアー ラレー
(72)【発明者】
【氏名】ネデン ハンス ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】マラン クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ピエロン ジュリエン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェギニ ダリオ
(72)【発明者】
【氏名】ワード トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ザノッティ−ジェローザ アントニオ
【審査官】 土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−502710(JP,A)
【文献】 特開平02−191289(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/064045(WO,A1)
【文献】 特開2002−037760(JP,A)
【文献】 特表2002−529528(JP,A)
【文献】 特開2006−206570(JP,A)
【文献】 特表2003−521540(JP,A)
【文献】 中国特許第101117304(CN,B)
【文献】 Bartek, L.,Notes on acetal formation in stereoselective hydrogenation of methyl 3-oxobutyrate on Ru-BINAP chiral complex,CATALYSIS COMMUNICATIONS,2005年,6 (1),P61-65
【文献】 Adi Wolfson,The role of the solvent in the asymmetric hydrogenation of β-keto esters with Ru-BINAP,JOURNAL OF MOLECULAR CATALYSIS A: CHEMICAL,2003年,198 (1-2),P39-45
【文献】 Pavlov, V.A.,Enantioselective hydrogenation of β-keto esters catalyzed by chiral binaphthylbisphosphine ruthenium complexes,RUSSIAN CHEMICAL BULLETIN,2000年,49 (4),P728-731
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 67/317
C07C 69/675
C07C 227/30
C07C 229/22
C07B 53/00
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの製造のためのプロセスであって、
溶媒であって、前記溶媒は溶媒混合物であり、第1の溶媒および第2の溶媒を含み、前記第1の溶媒はメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールまたはtert−ブタノールであり、前記第2の溶媒はテトラヒドロフランであり、
式[RuXYZ]Xの触媒
(式中、
Xはハロゲンであり、
Yは2つのホスフィン基を有する二座有機配位子であり、
Zはアレーンである)
の存在下で、4−ハロアセト酢酸エステルを水素と反応させることを含み、
モル比、4−ハロアセト酢酸エステル/触媒は少なくとも35,000であり、
前記溶媒混合物中の前記4−ハロアセト酢酸エステルの濃度は、少なくとも25%(v/v)である、プロセス。
【請求項2】
Yは式X’P−Z’−PX’を有し、式中、
Z’は少なくとも1つの芳香族炭化水素を含み、
残基X’は互いに独立に選択され、
残基X’はアリールまたはアラリール基である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
Yは、式(I)
【化1】
(式中、
Arはアリールまたはアラリール基であり、Arは互いに独立に選択され、
R1、R2、R3およびR4は互いに独立に選択され、H、OH、ハロゲンおよび1〜10個の炭素原子を有する有機側鎖から選択されるか、または残基R1とR2とを、および/もしくは残基R3とR4とを、および/もしくは残基R2とR3とを橋架けする環状アルコキシ基である)
を有するか、
あるいは、Yは、式(I)においてビフェニル環がビピリジン構造またはビチオフェン構造で置き換わっていて、残基R1、R2、R3およびR4は、式(I)における位置とは異なり、ヘテロ原子の隣のα位にある、請求項1または請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
Yは、BINAP、SEGPHOS(登録商標)、TunePhos、P−Phos、BITIOP、BIPHEP、および少なくとも1つのさらなる置換基が少なくとも1つの芳香族環に結合しているそれらの誘導体から選択される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記触媒は、[RuCl(p−シメン)((S)−BINAP)]Cl、[(R)Xyl−P−Phos−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(R)P−Phos−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(S)Xyl−P−Phos−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[RuCl(p−シメン)((S)−SEGPHOS(登録商標))]Cl、(S)−(−)BINAP Cl(シメン)RuCl、[RuCl(p−シメン)((R)−tetra−Me−BITIOP)]Cl、[(S)−C3−TunePhosRu(p−シメン)Cl]Clおよび[(R)−MeO−BIPHEP−Ru(p−シメン)Cl]Clから選択される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の、(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの製造のためのプロセスであって、
溶媒の存在下で、
式[RuXAr’Y]Xの触媒
(式中、
Xはハロゲンであり、
YはBINAP、またはアルキル基で置換されている少なくとも1つの芳香環を有するBINAPの誘導体であり、
Ar’は、アレーンである)
の存在下で、4−ハロアセト酢酸エステルを水素と反応させることを含む、プロセス。
【請求項7】
前記4−ハロアセト酢酸エステルは、メチルエステル、エチルエステル、1−プロピルエステル、2−プロピルエステル、1−ブチルエステル、2−ブチルエステルまたはtert−ブチルエステルである、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記第1の溶媒はエタノールである、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記第2の溶媒に対する前記第1の溶媒の比は5:1〜1:5(w/w)である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記プロセスはバッチプロセスである、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
反応混合物はさらなる酸または塩基を含まない、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記溶媒は、蒸留によって反応混合物から分離され、前記プロセスにおいて再使用される、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記4−ハロアセト酢酸エステルは4−クロロアセト酢酸エチルであり、前記生成物は(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルである、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記触媒は[RuCl(p−シメン)((S)−BINAP)]Clである、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記反応は、5bar〜200barの圧力の水素の存在下で、および/または70℃〜130℃の温度で実施される、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項16】
第1の蒸留によって前記溶媒混合物を前記反応混合物から分離した後に、前記4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルが、第2の蒸留によって分離される、請求項12から請求項15のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記4−ハロアセト酢酸エステルは、少なくとも98%の収率および/または少なくとも92%eeのエナンチオマー純度で得られる、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
L−カルニチンの製造のためのプロセスであって、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のプロセスにおいて、4−クロロアセト酢酸エチルを(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルへと転化することと、そのあとに、(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルをL−カルニチンへと転化することとを含む、プロセス。
【請求項19】
L−カルニチンの製造方法における、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のプロセスの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−ハロアセト酢酸エステルからの(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステル類の製造のためのプロセスに関する。また、本発明は、L−カルニチンの製造にも関する。
【背景技術】
【0002】
β−ケトエステル類のエナンチオ選択的水素化は、有機合成による光学活性な3−ヒドロキシエステル類の製造のための重要な工業的プロセスである。光学活性な3−ヒドロキシエステル類は、医薬品、ビタミン類または天然物を製造するための重要な中間体である。例えば、L−カルニチンは、それぞれのβ−ケトエステルの水素化によって得ることができる4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルのアミノ化によって製造される。
【0003】
カルニチン(ビタミンBt;3−ヒドロキシ−4−トリメチルアンモニオ−ブタン酸)は、アミノ酸であるリジンおよびメチオニンから生合成される第四級アンモニウム化合物である。生細胞では、カルニチンは、代謝エネルギーの発生のための脂質の分解の際に、サイトゾルからミトコンドリアへの脂肪酸の輸送のために必要とされる。カルニチンは栄養補助食品として使用される。カルニチンは2つの立体異性体で存在する。生物活性体はL−カルニチンであり、一方、その鏡像異性体、D−カルニチン、は生物学的には不活性である。L−カルニチンを工業的なプロセスで製造するとき、生物活性のあるL体を高純度で製造することが望ましい。
【0004】
β−ケトエステル類をβ−ヒドロキシエステル類へと転化するための種々の方法が、当該技術分野で記載されてきた。多くのプロセスでは、β−ケトエステル類は、光学活性なルテニウム触媒の存在下で水素化される。これらの触媒では、中心のルテニウムイオンは、キレート錯体として結合されている。
【0005】
例えば、特許文献1は、2つのリン結合部位を有する二座配位子を含むルテニウムキレート錯体の存在下で、鏡像異性体として純粋な(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルを調製するための方法を開示する。このキラル配位子は「Fluoxphos」と呼ばれ、4つのフッ素原子を含む。
【0006】
β−ケト酸エステルから光学活性なアルコールを製造するためのさらなる触媒および方法が、特許文献2に開示されている。その発明者らは、BINAPおよびそれらの誘導体を有するルテニウム触媒の使用を示唆する。実施例1〜17では、このような触媒の存在下で種々の基質が水素化される。しかしながら、光学活性なアルコールの満足できる全体収率および光学収率は、いくつかの特定の反応についてしか得られない。
【0007】
β−ケトエステル類を3−ヒドロキシエステル類へと転化するための他のルテニウム系キラル触媒が、特許文献3に開示されている。実施例では、多種多様な触媒を用いた3−ヒドロキシ酪酸メチルの水素化が研究されている。しかしながら、所望の生成物の全体収率および光学収率は、限られた数の触媒についてのみ十分であるだけである。ほとんどの触媒については、収率は90%未満であり、これは、大規模な工業生産のためには満足できるものではない。
【0008】
Pavlovら(非特許文献1)は、BINAPルテニウム錯体の存在下での、β−ケトエステル類のエナンチオ選択的水素化の効率を研究した。Pavlovらは、溶媒、圧力および温度などのプロセス条件だけでなく、基質および触媒の特定の組み合わせが全体収率およびエナンチオマー収率に対して影響を及ぼすということを見出した。Pavlovらに従って実施される反応は、比較的多量の触媒および溶媒ならびに高圧を必要とするが、その一方で、収率は十分ではないことが多い。
【0009】
このように、当該技術分野で公知のプロセスは、十分な収率を与えないことが多い。しかしながら、効率的な工業生産のためには、高い全体収率および高い光学収率を成し遂げることが重要である。この課題は、特許文献4(2〜3頁にかけての段落)で論じられている。その発明者らは、先行技術は商業スケールで実用的である方法を提供しないと結論する。さらに、先行技術は、良好なエナンチオ選択性を成し遂げるためには、低い基質 対 触媒比を必要とすると思われる。BINAPまたは他のビスアリールビホスフィン系配位子触媒などのキラル配位子は高価であるので、低い基質 対 触媒比を必要とするプロセスは一般に不経済である。
【0010】
それゆえ、この発明者らは、先行技術のプロセスの課題を克服するはずである特定の連続プロセスを示唆する。連続プロセスによって4−クロロアセト酢酸エチルを4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルへと転化するとき、比較的低い濃度の触媒を使用しつつ比較的高い収率および光学収率が得られた(実施例3、図)。しかしながら、これらの利点は、この反応を比較的複雑な連続プロセスにおいて実施することによってのみ、成し遂げられる。この水素化反応器は、高圧(90〜100bar)および精密なプロセス制御を必要とする。連続プロセス条件を維持するために、高圧ポンプならびに成分を供給、除去および分離するための装置などの専用の設備が必要である。さらに、溶液状態のこのような金属触媒は、痕跡量の酸素による「被毒」に対して非常に敏感である。それゆえこの触媒は、保存中に、設備の漏れの際、または成分が十分に脱気されていないときに、不活性になる可能性がある。結果として、収率および選択性は低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2005/049545号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第0 295 109(A1)号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0 366 390(A2)号明細書
【特許文献4】国際公開第03/097569(A1)号パンフレット
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Russ.Chem.Bull.、2000年、第49巻、728−731頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の根底にある課題は、上記の課題を克服する、4−ハロアセト酢酸エステル類から、水素化によって(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステル類を製造するための方法を提供することである。
【0014】
このプロセスは、非常に純粋な(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルを製造するために応用可能であるべきである。エナンチオマー純度および全体収率が高くあるべきである。
【0015】
このプロセスは、簡単に実施されるべきである。プロセス工程の数は比較的少なくあるべきであり、このプロセスは、複雑な装置を必要とするべきではない。全体として、このプロセスは、費用面および作業量の面で効率的であるべきである。
【0016】
特に、このプロセスは、バッチプロセスで実施することができるほどに効率的であるべきである。このプロセスは、加圧下での反応のための標準的な設備を用いて、厳密なプロセス制御なしに、かつ複雑な設備なしに応用できるべきである。例えば国際公開第03/097569号パンフレット(特許文献4)に開示されるような、この反応を連続プロセスで実施することが必要ではなくなるべきである。
【0017】
さらに、このプロセスは、少量の必要な化合物、例えば溶媒および触媒、を必要とするだけであるべきである。できるだけ少ない溶媒および触媒が使用されるべきであるが、一方で、β−ケトエステルの基質濃度および基質/触媒比は高くあるべきである。さらなる化合物、とりわけ酸または塩基、の使用は回避されるべきである。
【0018】
さらに、このプロセスは、エネルギー効率的でかつ比較的穏和な条件下で応用できるべきである。特に、長期の反応時間にわたる高圧および高温の使用は回避されるべきである。
【0019】
特に、本発明のプロセスは、L−カルニチン前駆体、とりわけ()−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルを製造するために応用可能であるべきである。また、本発明は、L−カルニチンの製造のための簡単かつ効率的なプロセスをも提供するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
驚くべきことに、本発明の根底にある課題は、特許請求の範囲に係るプロセスによって解決される。さらなる本発明の実施形態は、詳細な説明全体にわたって開示されている。
【0021】
本発明の主題は、(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの製造のためのプロセスであって、
溶媒であって、この溶媒は溶媒混合物であり、第1の溶媒および第2の溶媒を含み、この第1の溶媒は脂肪族アルコールであり、第2の溶媒は非プロトン性でありかつ少なくとも1つの酸素原子を含む溶媒と、
式[RuXYZ]Xの触媒
(式中、
Xはハロゲン、好ましくはClまたはBr、またはOAc、アセトアセテート、アリルまたはClOであり、
Yは2つのホスフィン基を有する二座有機配位子であり、
Zはアレーン、好ましくはシメン、ベンゼン、キシレンもしくはトルエン、またはポリエン、好ましくはジエン、またはアルケンである)
との存在下で、4−ハロアセト酢酸エステルを水素と反応させることを含むプロセスである。
【0022】
当該触媒はルテニウム触媒である。さらに、当該触媒は不斉触媒である。
【0023】
2つの残基Xは、同一であってもよいしまたは互いに異なってもよい。両方の残基XがClであることが好ましい。
【0024】
基本的に、Zは、少なくとも1つの二重結合を含むいずれの配位性配位子であってもよい。好ましくは、Zは、4〜30個、より好ましくは5〜15個の炭素原子を含む。
【0025】
好ましくは、Zはアレーンである。好ましくは、このアレーンは、置換もしくは非置換のベンゼンである。好ましくは、このベンゼンは、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、カルボアルコキシ基またはハロゲン原子から選択される1以上の基で置換されている。好ましい実施形態では、Arは、ベンゼン、シメン(p−シメン、4−イソプロピルトルエン)、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、クメン(イソプロピルベンゼン)、安息香酸メチル、メチル安息香酸メチル、クロロ安息香酸メチル、アニソール、メチルアニソール、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ブロモベンゼンまたはフルオロベンゼンである。Arがシメン、トルエン、キシレンまたはベンゼンであることが非常に好ましい。
【0026】
Zは、ポリエンまたはアルケン、好ましくは環状ポリエンまたはアレーンであってもよい。例えば、このポリエンは、ブタジエンまたはシクロオクタジエンであってもよい。当該アルケンはシクロオクテンであってもよい。
【0027】
配位子Yは、有機リン配位子である。配位子分子の2つのホスフィン基は、中心のルテニウム原子に配位する。各ホスフィン基は、3つの有機置換基を有する1つのリン原子を含む。これらの置換基のうちの1つは、第2のホスフィン基への連結(橋架け)要素を表す。この橋架け置換基は、2つの芳香環、好ましくは同一の環、が単結合を介して直接互いに結合しており、これによりビアリール基を形成している構造要素を含むことが好ましい。好ましくは、このビアリール基は、ビフェニル、ビピリジンまたはビチオフェン基である。好ましくは、各リンの他の2つの置換基は、アリール、アラリールおよび/またはアルキル置換基である。
【0028】
配位子YはC2対称性であることが好ましい。好ましくは、配位子Yは、リン原子に直接結合した窒素原子を含まない。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、Yは、式
P−Z−PX
(式中、
Zは少なくとも1つの芳香族炭化水素を含み、
残基Xは互いに独立に選択され、
少なくとも1つの残渣Xはアリールまたはアラリール基である)
を有する。
【0030】
好ましくは、Xは、アリールまたはアラリール、好ましくはフェニルまたは置換フェニル、好ましくはアルキルで置換されているフェニル、より好ましくはトリルまたはキシリルである。好ましくは、すべての4つのXはアリールまたはアラリールである。好ましくは、すべてのXは同一である。Zは、好ましくは、これまでに列挙したビアリール基を含む。好ましくは、各Xは、1〜15個の炭素原子、または5〜10個の炭素原子を有する。
【0031】
より好ましい実施形態では、Yは、式(I)
【化1】
(式中、
Arは、アリールまたはアラリール、好ましくはフェニルまたは1〜10個の炭素原子を有するアルキル側鎖で置換されているフェニル、好ましくはフェニル、トリルまたはキシリルであり、すべてのArは互いに独立に選択されるが、好ましくは同一であり、
R1、R2、R3およびR4は互いに独立に選択され、好ましくはH、OH、ハロゲンおよび1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する有機側鎖から選択され、この有機側鎖は、好ましくはアルコキシまたはアルキル、好ましくはメチル、エチル、メトキシ、エトキシ、または残基R1とR2とを、および/もしくは残基R3とR4とを、および/もしくは残基R2とR3とを橋架けする環状アルコキシ基である)
を有する。この環状アルコキシ基は、好ましくは2個、3個、4個または5個の炭素原子を含む(Cn TUNEPHOS、図4b、のCn部分のように)。
【0032】
あるいは、Yは、少なくとも1つのフェニル環、好ましくは両方のビフェニル環、が、複素環式芳香環によって、好ましくは1つのヘテロ原子(好ましくは窒素または硫黄である)を含む環によって各々置換されている、式(I)の化合物の誘導体であってもよい。好ましくは、この複素環式誘導体は、ビピリジン構造、またはビピリジン構造の代わりにビチオフェン構造を含む。この実施形態では、残基R1、R2、R3およびR4は、式(I)における位置とは異なるその芳香環の位置に、好ましくはそのヘテロ原子の隣のα位にあってもよい(P−PhosまたはBITIOPにおけるように。図4c(、e)を参照)。
【0033】
好ましくは、Yは、BINAP、SEGPHOS、TunePhos、P−Phos、BITIOP、BIPHEP、およびそれらの誘導体から選択される。この誘導体は、当該触媒の分子構造を有するが、少なくとも1つのさらなる置換基が少なくとも1つの芳香環に結合している誘導体である。好ましくは、このさらなる置換基はアルキル、アルコキシまたはハロゲンである。
【0034】
好ましくは、当該触媒は、[RuCl(p−シメン)((S)−BINAP)]Cl、[RuCl(p−シメン)((R)−BINAP)]Cl、[(R)Xyl−P−Phos−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(R)P−Phos−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(S)P−Phos−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(S)Xyl−P−Phos−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(S)P−Phos−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[RuCl(p−シメン)((S)−SEGPHOS)]Cl、[RuCl(p−シメン)((R)−SEGPHOS)]Cl、(R)−tetra−Me−BITIOP[RuCl(p−シメン)]、[(S)−C3−TunePhos−Ru(p−シメン)Cl]Cl、[RuCl(p−シメン)(R)−C3−Tunephos]Cl、(S)−Tetra−Me−BITIOP[RuCl(p−シメン)]、[(S)−MeO−BIPHEP−Ru(pシメン)Cl]Clおよび[(R)−MeO−BIPHEP−Ru(pシメン)Cl]Clから選択される。
【0035】
さらに好ましいBINAP触媒は、[RuCl(p−シメン)((R)−tolBINAP)]Cl、[RuCl(p−シメン)((R)−xylBINAP)]Cl、[RuCl(p−シメン)((S)−tolBINAP)]Cl、[RuCl(p−シメン)((S)−xylBINAP)]Cl、[(S)−BINAP−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(R)−BINAP−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[RuCl(ベンゼン)((R)−tolBINAP)]Cl、[RuCl(ベンゼン)((R)−xylBINAP)]Cl [RuCl(ベンゼン)((S)−tolBINAP)]Clおよび[RuCl(ベンゼン)((S)−xylBINAP)]Clである。
【0036】
さらに好ましいSEGPHOS触媒は、[RuCl(ベンゼン)((S)−SEGPHOS)]Cl、[RuCl(ベンゼン)((R)−SEGPHOS)]Cl、[RuCl(p−シメン)((S)−xyl−SEGPHOS)]Cl、[RuCl(p−シメン)((R)−xyl−SEGPHOS)]Cl、[RuCl(ベンゼン)((S)−xyl−SEGPHOS)]Clおよび[RuCl(ベンゼン)((R)−xyl−SEGPHOS)]Clである。
【0037】
さらに好ましいP−Phos触媒は、[(S)Xyl−P−Phos−Ru(シメン)Cl]Cl、[(R)Xyl−P−Phos−Ru(シメン)Cl]Cl [(R)P−Phos−Ru(シメン)Cl]Clおよび[(S)P−Phos−Ru(シメン)Cl]Clである。
【0038】
さらに好ましいTunePhos触媒は、[RuCl(ベンゼン)(S)−C3−Tunephos]Cl、[RuCl(ベンゼン)(R)−C3−Tunephos]Cl、[RuCl(p−シメン)(S)−C1−Tunephos]Cl、[RuCl(p−シメン)(R)−C1−TunePhos]Cl、[RuCl(ベンゼン)(S)−C1−TunePhos]Cl、[RuCl(ベンゼン)(R)−C1−TunePhos]Cl、[RuCl(p−シメン)(S)−C5−TunePhos]Cl、[RuCl(p−シメン)(R)−C5−TunePhos]Cl、[RuCl(ベンゼン)(S)−C5−TunePhos]Clおよび[RuCl(ベンゼン)(R)−C5−TunePhos]Clである。
【0039】
さらに好ましいBITIOP触媒は、(R)−Tetra−Me−BITIOP[RuCl(ベンゼン)]および(R)−Tetra−Me−BITIOP[RuCl(p−ベンゼンl)]である。
【0040】
さらに好ましいBIPHEP触媒は、[(R)−MeO−BIPHEP−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(S)−MeO−BIPHEP−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(R)−Cl−MeO−BIPHEP−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(S)−Cl−MeO−BIPHEP−Ru(ベンゼン)Cl]Cl、[(R)−Cl−MeO−BIPHEP−Ru(シメン)Cl]Clおよび[(S)−Cl−MeO−BIPHEP−Ru(シメン)Cl]Clである。
【0041】
本発明の好ましい実施形態では、(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの製造のためのプロセスは、溶媒の存在下で、式[RuXArY]Xの触媒(式中、
Xはハロゲン、好ましくはCl、またはOAc、アリルまたはClOであり、
YはBINAP、またはアルキル基で置換されている少なくとも1つの芳香環を有するBINAPの誘導体であり、
Arはアレーン、好ましくはシメン、ベンゼン、キシレンまたはトルエンである)
の存在下で、4−ハロアセト酢酸エステルを水素と反応させることを含む。
【0042】
本発明によれば、YがBINAPであることが好ましい。BINAPは、有機リン化合物2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル((S)体のCAS番号:76189−56−5)についての略号である。BINAPは、不斉合成で使用されるキラル配位子である。BINAPは、1および1’位で連結した一対の2−ジフェニルホスフィノナフチル基からなる。下記の式(I)では、BINAPは、すべてのRがHである化合物である。
【0043】
BINAPの誘導体は、BINAPの分子構造を有するが、少なくとも1つのアルキル基が少なくとも1つの芳香環に結合している誘導体である。BINAPの誘導体Yは、好ましくは、式(I):
【化2】
(式中、Rは、好ましくはHおよびC1〜C4アルキル、好ましくはメチルまたはエチルから選択される)のうちの1つである。残基Rは、1つの分子の中で同一であってもよいし、または互いに異なってもよい。いくつかの特定のBINAP配位子は、図4f)に示されている。
【0044】
本発明に従って使用することができる二座ホスフィン配位子は当該技術分野で公知である。例えば、触媒および配位子ならびにそれらの応用例の要約は、TangおよびZhang、2003、Chem.Rev.、2003年、第103巻、3029−3069頁に与えられている。
【0045】
SEGPHOS(CAS番号244261−66−3(R異性体);210169−54−3(S)異性体)は、図4a)に示されるようにビフェニル構造を含む、不斉合成のための公知の配位子である。
【0046】
TunePhosは、図4b)に示されるように、ビフェニル構造を含む別の公知の配位子である。環状脂肪族エーテル基の様々な鎖長を有するTunePhosの種々の形態が利用できる。例えば、(S)−C3−TunePhos(CAS番号486429−99−6)は3個の炭素原子を有する環状脂肪族基を含む。
【0047】
P−Phos(CAS番号221012−82−4(R)異性体)は、ビピリジン構造を含む、図4c)に示される別の公知の配位子である。誘導体、例えばメチル基がフェニル環に結合している誘導体は、当該技術分野で公知であり、市販されている。
【0048】
BITIOPは、オースチン・ケミカル社(Austin Chemical Corp.)、米国から入手できる別の公知の配位子である。BITIOPはビチオフェン構造を含み、このビチオフェン構造は、TetraMe−BITIOP(図4e)におけるように、置換されていてもよい)。
【0049】
BIPHEP(CAS番号133545−16−1(R)異性体)も、当該技術分野で公知であり、図4d)に示されている。さらなる置換基、例えばさらなる塩素がビフェニル基に結合している誘導体は公知である。
【0050】
触媒または配位子、特にBINAPまたはそれらの誘導体、は、(R)−または(S)−鏡像異性体であることができる。エナンチオマー体は、所望の生成物に応じて選ばれる。
【0051】
本発明の非常に好ましい実施形態では、触媒は[RuCl(p−シメン)((S)−BINAP)]Clである。この特定の触媒を使用するとき、本発明の反応は非常に効果的であるということが見出された。
【0052】
広い範囲の配位子X、YおよびZおよび触媒[RuXYZ]X、特に[RuXArY]X、は、シグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich)、米国、ストレム・ケミカルズ(Strem Chemicals)、米国、または高砂香料工業(Takasago)、日本から市販されている。特定の触媒は、公知の方法、例えば欧州特許第0 366 390(A2)号明細書に開示される方法により、調製することもできる。例えば、式[RuCl(Ar)(BINAP)]ClのXがClである化合物は、溶媒、例えば、メタノール、エタノール、ベンゼンまたは塩化メチレンまたはそれらの混合物中で、金属前駆体[RuCl(Ar)]を、配位子BINAPと、25℃〜50℃の温度で、30分間〜3時間反応させ、溶媒を、減圧下での蒸留によって反応混合物から除去することにより、定量的に合成することができる。代替の経路では、当該触媒は、例えばZhang、J.Org.Chem.、2005年、第70巻、1070−1072頁によって開示されたように、金属前駆体を対応する配位子と混合することにより、インサイツ(その場)で調製することができる。出発化合物[RuCl(Ar)]は市販されているか、またはG.Wikhaus、J.Org.Chem.、第7巻、487頁(1976年)もしくはR.A.Zelonka、Can.J.Chem.、第50巻、3643頁(1972年)に開示されるプロセスによって調製することができる。BINAPの代わりに他の二座配位子を使用するとき、他の触媒を調製することができる。
【0053】
また、好ましいBINAP触媒は、[RuCl(p−シメン)(BINAP)]Cl、[RuCl(p−シメン)(tol−BINAP)]Cl、[RuCl(p−シメン)(xyl−BINAP)]Cl、[RuCl(p−シメン)((H8−BINAP)]Cl、[RuI(p−シメン)(MeO−BINAP)]、[RuI(p−シメン)(p−tol−BINAP)]I、[RuI(p−シメン)(m−tol−BINAP)]I、[RuI(p−シメン)(p−Cl−BINAP)]I、[RuI(p−シメン)(p−F−BINAP)]I、[RuI(p−シメン)(3,5−DiMet−BINAP)]Iおよび[RuI(p−シメン)(H8−BINAP)]Iでもある。すべての触媒は、それぞれの所望の生成物に応じて、(S)−または(R)−BINAPのいずれかを用いて使用することができる。
【0054】
本発明の反応は、4−ハロアセト酢酸エステルを所望の(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルへと転化するためのものである。このエステルはあらゆるアルコールから誘導することができるが、このエステルが、アルキルエステル、特にメチルエステル、エチルエステル、1−プロピルエステル、2−プロピルエステル、1−ブチルエステル、2−ブチルエステルまたはtert−ブチルエステルであることが好ましい。
【0055】
本発明の反応は、ガス状水素の存在下で実施される水素化反応である。基本的には、ルテニウム触媒の存在下でのβ−ケトエステル類の水素化についての方法は、当該技術分野で、例えば欧州特許第0 366 390号明細書、欧州特許第0 295 109号明細書または欧州特許出願公開第0 339 764(A1)号明細書から公知である。従って、これらの特許文献で開示されたプロセスおよびプロセス条件は、参照により本願明細書に援用される。しかしながら、本発明のプロセスは、非常に効率的であり、従って物質の選択および量ならびに反応条件は、さらに下記に記載するように調整されるべきである。
【0056】
本発明の好ましい実施形態では、当該4−ハロアセト酢酸エステルは4−クロロアセト酢酸エチルであり、生成物は()−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルである。この実施形態では、[(S)−(−)−BINAP−Cl(シメン)Ru]Clが好ましい触媒である。この実施形態では、生成物は、例えば欧州特許第131279号明細書に開示されているように、アミノ化およびその後の加水分解によってL−カルニチンへと転化することができる。
【0057】
本発明に係る基質および触媒の特定の組み合わせを使用するとき、当該反応は非常に効率的であるということが見出された。これまでに記載された類似の反応におけるような、基質を多量の溶媒で希釈することは必要ではない。本発明のプロセスは、比較的少ない量の溶媒しか必要としない。本発明の好ましい実施形態では、溶媒中の4−ハロアセト酢酸エステルの濃度は、少なくとも25%(w/w)、好ましくは少なくとも40%(w/w)、より好ましくは少なくとも50%(w/w)である。好ましくは、溶媒中の4−ハロアセト酢酸エステルの濃度は、25%〜75%(w/w)、好ましくは35%〜65%(w/w)である。約45〜55%(w/w)の濃度が適用できるということが見出された。より少ない溶媒を使用することのほかにも、少量の溶媒は、当該反応をより経済的にする。なぜなら、スループットはより高くなり、より小さい生産プラントを使用することができ、加熱するためにより少ないエネルギーしか消費されないからである。
【0058】
本発明のプロセスの効率に起因して、少量の触媒しか必要ではない。モル比、4−ハロアセト酢酸エステル/触媒は、好ましくは35,000超、好ましくは50,000超、より好ましくは60,000超または70,000超である。好ましい実施形態では、この比は、35,000〜100,000、好ましくは50,000〜90,000または60,000〜80,000である。これまでに記載されたプロセスと比べて減らされた触媒の量によって、本発明のプロセスは著しくより安価になり、従って大きい工業規模の生産に適用できるようになる。好ましい実施形態では、触媒は再利用される。そのあと、触媒は、複数のバッチ反応において再使用することができる。
【0059】
本発明の好ましい実施形態では、当該プロセスはバッチプロセスである。バッチプロセスでは、水素化反応は連続的には実施されない。対照的に、反応は反応器の中で実施され、基質が生成物へと転化されると終了する。その後、生成物は反応器から取り出される。バッチプロセスは、連続プロセスよりも単純で融通性がある。バッチプロセスでは、必要に応じて生成物を生産することができる。連続プロセスは連続プロセス条件を必要とするので、このプロセスは、モニターされ、厳密に制御される必要がある。基本的に、バッチプロセスは連続的な生成物とは異なる。なぜなら、反応物質の量および濃度は、反応の進行のあいだに変わるからである。しかしながら、本発明の独創的なプロセスはバッチプロセスとして効率的であるが、本発明のプロセスは連続プロセスでも実施することができる。
【0060】
本発明の好ましい実施形態では、反応混合物はさらなる酸、例えばルイス酸、とりわけHCl、またはさらなる塩基、例えばアミンを含まない。本発明によれば、このような添加剤なしに、反応を実施することが可能である。好ましい実施形態では、基質、溶媒および触媒だけが、非ガス成分として反応混合物に加えられる。使用される溶媒によっては、安定剤、特に抗酸化剤および/または過酸化物抑制剤(anti−peroxide)、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を加えることができる。例えば、溶媒がTHFを含むとき、過酸化物の形成を阻害するためにBHTを加えることが有利である。
【0061】
本発明の好ましい実施形態では、当該4−ハロアセト酢酸エステルは、脂肪族アルコール、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールのエステルである。とりわけ好ましいものはメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソ−プロピルエステル、n−ブチルエステル、イソ−ブチルエステルおよびtert−ブチルエステルである。最も好ましいものはメチルエステルおよびエチルエステルである。
【0062】
特定の溶媒混合物を使用するとき、本発明の反応はとりわけ効果的であるということが見出された。この溶媒混合物は、第1のプロトン性溶媒および第2の非プロトン性溶媒を含む。好ましくは、この溶媒混合物は、上記第1の溶媒および第2の溶媒からなる。好ましくは、溶媒混合物全体の中の第1の溶媒および第2の溶媒の合わせた量は、少なくとも80%(w/w)、より好ましくは少なくとも90%(w/w)または95%(w/w)である。この溶媒混合物は、有機溶媒混合物であり、従って水を含まないか、または実質的に水を含まない。しかしながら、水は、少量または痕跡量、例えば5%(w/w)未満、1%(w/w)未満または0.1%(w/w)未満、存在してもよい。
【0063】
第1の溶媒は、脂肪族アルコール、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族アルコールである。メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールまたはtert−ブタノールはとりわけ好ましい。本発明の好ましい実施形態では、この第1の溶媒はエタノールまたはメタノールである。一般に、この第1の溶媒が、当該エステルのアルコールと同一である場合が非常に有利である。例えば、基質がエチルエステルである場合、エタノールを第1の溶媒として使用することが有利であるが、他方で、基質がメチルエステルである場合、第1の溶媒はメタノールであるべきである。これにより、混合エステルの形成が回避される。好ましくは、第1の溶媒はエタノールであり、エステルはエチルエステルであるか、または第1の溶媒はメタノールであり、エステルはメチルエステルである。
【0064】
第2の溶媒は非プロトン性でありかつ少なくとも1つの酸素原子を含む。非プロトン性溶媒は、当該反応混合物の中ではBronsted酸として作用しない。特に、非プロトン性溶媒は遊離のヒドロキシ基を有しない。この非プロトン性の第2の溶媒は極性の非プロトン性溶媒である。本発明の好ましい実施形態では、この第2の溶媒はエーテル、好ましくは環状エーテル、より好ましくはテトラヒドロフランである。別の好ましい実施形態では、第2の溶媒はケトン、好ましくはアセトン、または酢酸メチルもしくは酢酸エチルなどのエステルである。第2の溶媒は、この反応において不活性であるべきである。
【0065】
本発明の非常に好ましい実施形態では、第1の溶媒はエタノールであり、第2の溶媒はTHFであり、基質はエチルエステルである。エタノール/THFの混合物の中で実施されるとき、本発明の反応は非常に効率的であるということが見出された。本発明の別の非常に好ましい実施形態では、第1の溶媒はメタノールであり、第2の溶媒はTHFであり、基質はメチルエステルである。
【0066】
本発明の好ましい実施形態では、第2の溶媒に対する第1の溶媒の比は、5:1〜1:5(w/w)、より好ましくは2:1〜1:2(w/w)または1:1.5〜1.5:1(w/w)である。好ましい実施形態では、この比は約1:1である。
【0067】
本発明の好ましい実施形態では、当該反応は、5bar〜200bar、好ましくは5bar〜40barまたは10〜50barの圧力の水素の存在下で、および/または50℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃の温度で実施される。好ましくは、この反応は、10〜20barの圧力の水素の存在下で、および/または90〜110℃の温度で実施される。圧力が少なくとも15barまたは少なくとも20barである場合に、収率はより高くなりうるということが見出された。さらに、反応温度を60℃よりも高く上げるとき、収率が上昇しうることが多いということが見出された。好ましくは、この反応温度は、70℃よりも高く、または80よりも高く、または90℃よりも高い。反応温度は、200℃を超えなくてもよく、または150℃を超えなくてもよい。好ましくは、温度は、75〜150℃、より好ましくは約100℃である。
【0068】
好ましくは、この反応は、オートクレーブまたは圧力反応器の中で実施される。反応混合物および反応器は、酸素を含んではならないか、またはできるだけ少ない酸素しか含んではならない。従って、この反応器、反応混合物およびすべての液体は、当該反応の前に、不活性ガスで充填され処理されるべきである。
【0069】
例えば、当該反応は、好ましくは撹拌下で、1〜10時間、好ましくは1〜6時間、または2〜6時間、または1〜4.5時間実施されてもよい。特定の実施形態では、反応時間は30分〜2.5時間であってもよい。
【0070】
反応の終了後、生成物は反応混合物から単離される。本発明の好ましい実施形態では、溶媒は蒸留によって反応混合物から除去される。本発明の好ましい実施形態では、溶媒は蒸留によって反応混合物から分離され、当該プロセスで再利用される。本発明のプロセスは非常に効率的であり、少量の望まれない低分子量の副生成物しか得られないということが見出された。従って、この反応において、溶媒、とりわけ溶媒混合物、を再利用することが可能である。好ましくは、溶媒は、数回、例えば少なくとも5回または少なくとも20回、再使用される。通常、溶媒は、溶液を例えば約20〜60℃へと加熱しながら、減圧下で、例えば約100〜300mbarで除去することができる。
【0071】
溶媒は、他の公知の方法、例えばパーベーパレーション、ナノ濾過、膜分離、膜濾過、電気透析、透析濾過、逆浸透、液体クロマトグラフィ(LC)、HPLC、抽出、結晶化などによっても、反応混合物から除去することができる。
【0072】
本発明の好ましい実施形態では、第1の蒸留において溶媒混合物を反応溶液から分離した後、4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルが、第2の蒸留において分離される。この第2の蒸留は、特定の生成物に応じて、減圧中で、例えば1〜5mbarで、およそ90〜150℃、好ましくは100〜130℃で実施することができる。この蒸留は、バッチプロセスまたは連続プロセスで実施することができる。
【0073】
好ましい実施形態では、蒸留工程(複数可)は、ポリエチレングリコール(PEG)、例えばPEG−300などの添加剤の存在下で実施される。
【0074】
好ましい実施形態では、本発明の水素化反応では、反応生成物は、少なくとも98%、好ましくは少なくとも98.5%または少なくとも99%の収率で、および/または少なくとも92%(e.e.)、好ましくは少なくとも95%または少なくとも96%(e.e.)のエナンチオマー純度で得られる。当該技術分野で公知のように、収率およびエナンチオマー収率は、高められた温度での後の蒸留で低下する可能性がある。しかしながら、反応混合物からの生成物の分離のあとでさえも、80%超の全体収率および92%超、好ましくは95%超(e.e.)のエナンチオマー収率が得られるということが見出された。生成物の純度は93%を超えていた。
【0075】
鏡像体過剰率(e.e.)は、百分率での、各鏡像異性体のモル分率の間の絶対的な差として定義される。一例として、90%のS異性体および10%のR異性体を含む試料は、80% S異性体の鏡像体過剰率を有する。
【0076】
また本発明の主題は、L−カルニチンの製造のためのプロセスであって、本発明のプロセスにおいて、4−クロロアセト酢酸エチルを()−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルへと転化することと、そのあとに、()−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルをL−カルニチンへと転化することを含むプロセスでもある。好ましくは、このあとのL−カルニチンへの転化は、好ましくは第三級アミンおよび金属水酸化物塩基の存在下での、より好ましくはトリメチルアミンおよび水酸化ナトリウムの存在下でのアミノ化および加水分解によって実施される。このプロセス工程は、例えば欧州特許出願公開第0 339 764(A1)号明細書から、当該技術分野で公知である。本発明の別の実施形態では、L−カルニチンを製造するためのプロセスは、ジケテンの加水分解および開環によって、好ましくはジケテンのハロゲン化、とりわけ塩素化によってβ−ケトエステルが生成される最初の工程を含む。
【0077】
当該反応生成物は、反応生成物の単離後の、または同じ反応器の中での、あとのアミノ化および加水分解によってL−カルニチンへと転化することができる。このL−カルニチン生成物は、結晶化、パーベーパレーション、ナノ濾過、膜分離、膜濾過、電気透析、透析濾過、逆浸透、液体クロマトグラフィ(LC)、HPLC、抽出、イオン交換クロマトグラフィなどによってさらに精製されてもよい。
【0078】
従って、本発明の別の主題は、L−カルニチンの製造方法における本発明のプロセスの使用である。
【0079】
本発明のプロセスは、上記の課題を解決する。非常に純粋な(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルを、本発明のプロセスによって得ることができる。本発明のプロセスは、少ない数のプロセス工程で簡単に応用可能である。このプロセスは、高エナンチオマー純度かつ高収率で(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルを与える。このプロセスは、当該技術分野で公知のプロセスと比較して、より少ない費用しかかからないものでありかつ作業量がかからないものである。
【0080】
特に、当該プロセスは、少量の触媒しか用いず、かつさらなる添加剤、例えばさらなる酸または塩基を用いずに実施することができる。必要な溶媒の量は比較的少なく、このため、化学物質の消費量全体が著しく減少し、同時に高処理量である。なおさらに、生成物が高純度であるため、溶媒を再使用することができ、従って溶媒の消費量はさらに減少する。効率を高める特定の溶媒混合物は開示されている。本発明のプロセスは、簡単なバッチプロセスで実施することができる。
【0081】
当該プロセスはエネルギー効率的でもある。なぜなら、少量の触媒しか使用されないが、反応時間は短いからである。さらに、圧力を、比較的低く維持することができ、これは、経済的理由および安全性の理由から、工業的な大規模なプロセスで有利である。
【0082】
触媒と基質との本発明の特定の組み合わせおよびプロセス条件は、先行技術から公知ではない。例えば、欧州特許第0 295 109号明細書は、本発明におけるような芳香族基Arを含まないルテニウム触媒の使用を開示する。欧州特許第0 366 390号明細書は、本発明における触媒のいくつかを含む非常に多くの触媒を開示する。しかしながら、[RuCl(p−シメン)((S)−BINAP)]Clを用いてアセト酢酸メチルを反応させるとき、基質/触媒比500が必要であり、低い全体収率および90%未満の光学収率を得た(実施例3を参照)。Pavlovら(Russ.Chem.Bull.、2000年、第49巻、728−731頁)は、β−ケトエステルと本発明に係るBINAPルテニウム触媒との特定の組み合わせを研究しているが、比較的多量の溶媒および触媒(表1および表2、図1)および高圧を必要とし、その一方で、エナンチオマー収率は十分ではないことが多い。
【0083】
要約すれば、本発明は、(S)−または(R)−4−ハロ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの製造のための新規で、簡単で効率的なプロセスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0084】
図1】BINAP触媒を用いる、例示となる本発明のプロセスの流れ図を提供する。以下の略語が使用される。4−CAAEt:4−クロロアセト酢酸エチルTHF:テトラヒドロフランRuBINAP:(S)−(−)−BINAP−Cl(シメン)RuClBHT:ブチルヒドロキシトルエンPEG:ポリエチレングリコールHBUSEt:()−4−クロロ−3−ヒドロキシ酪酸エチルサンプはボトム生成物を含む。
図2】作業実施例3〜17の条件および結果を要約する表1を含む。
図3】作業実施例18〜22の条件および結果を要約する表2、ならびに作業実施例23〜27の条件および結果を要約する表3を含む。
図4】配位子、a)SEGPHOS、b)Cn−TunePhos、c)P−Phos、d)MeO−BIPHEP、e)tetraMe−BITIOPおよびf)BINAPの構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0085】
実施例1:(R)−4−クロロヒドロキシ酪酸エチル(HBusEt)の合成
1. バッチプロセス水素化
不活性雰囲気中で、100gの4−クロロアセト酢酸エチル(CAAEt)、50gのエタノール、50gのTHFおよび8.1mgの(S)−(−)−BINAP−Cl(シメン)RuCl(高砂香料工業(Takasago)、日本から購入した)をオートクレーブの中に充填する。この溶液を100℃に加熱し、水素を用いて15barに加圧し、3〜4.5時間撹拌する。転化率は99%および95.5%eeであった。蒸留による溶媒の除去およびその後の残渣の蒸留によって、(R)−HBusEtを95〜97%収率(>93%純度、95.5%ee)で得る。
【0086】
反応パラメータ:
エタノール(無水):工業用グレード
テトラヒドロフラン(THF):BHT(過酸化物抑制剤)で安定化した、工業用グレード
以下のバッチでは、再利用した溶媒を使用した。THFを安定化して過酸化物の形成を回避するためにBHTを加えた。
4−CAAEt:90.6〜97%、工業用グレード
水素:酸素含有量のため、クオリティ5.0
T:100℃
p(H2):15bar
モル比基質/触媒(S/C):70,000
溶媒:EtOH/THF 1:1(重量%)
[S]:50重量%
反応時間:3.2〜4.4時間
転化率:99%
【0087】
実施例2 蒸留
2.1 バッチ
PEG−300(HBuSEtに対して25〜50重量%)を粗製反応混合物に加えることにより、蒸留をバッチ式で実施した。第1の工程では、低沸点物、主にEtOHおよびTHFとわずかのクロロアセトン、を、48℃〜60℃までゆっくり加温しながら、200mbarの減圧を使用して、留去した。中間留分を200mbarにおいて、60〜100℃で単離した。最後に、高沸点物(HBusEt)を、1〜5mbarおよび100〜130℃で蒸留した。
【0088】
結果:
収率(反応と蒸留):83.8〜85.8%
純度>95%
ee(反応と蒸留):95.5%
【0089】
2.2 連続:
溶媒を、連続蒸留で再利用した。直径28mmのカラムを使用した。以下のパラメータを使用した。
供給量:200g/h
供給場所:カラムの中央部にて
R/D:4:1
P:80mbar
ヘッドT:19〜21℃
サンプT:98〜103℃
【0090】
留出分の組成をガスクロマトグラフィによって決定し、遺失量のTHFおよびEtOHは、新しい物質で調整した。
【0091】
(R)−HBusEtを、以下のパラメータを用いて、蒸留によって単離した。
供給量:300g/h
ヘッドT:99〜102℃
ジャケットT:148℃
PEG−300:1%w/w
圧力:7〜8mbar
【0092】
結果:
収率(反応と蒸留):95〜96%
純度:>93%
ee(反応と蒸留):95.5%
【0093】
実施例3〜17
異なる触媒を用い、かつ様々な条件下で、実施例1の反応を実施した。具体的な触媒、条件および結果を図2の中の表1に要約する。図2に特段の記載がない限り、上記反応を、実施例1について上記のとおりに実施した。すべての反応で使用した溶媒は、EtOH/THFであった。比、基質/触媒(S/C)、はほとんどの実験において比較的高かった。従って、本発明の反応では、少量の触媒しか必要ではない。さらに、基質Sの濃度は比較的高く3Mまたは4Mに選択した。これは、およそ50%(w/w)という濃度に等しい。温度は100℃であった。圧力は、15〜40barの比較的低いレベルに調整した。
【0094】
結果は、触媒の全量が非常に低いにもかかわらず、ほとんどすべての触媒について、高い絶対収率(転化率)および高いエナンチオマー収率(ee)が得られたということを示す。さらに、圧力は比較的低かった。これは、大規模な工業的応用にとって有利である。1.3〜3時間という比較的短い反応時間の後でさえも、高収率を得ることができた(実施例8〜13)。全体として、これらの実施例は、本発明の反応が効率的であり、少量の触媒および溶媒を用いて実施することができるということを示す。反応時間は短く、(低い溶媒レベルに起因して)加熱するべき体積は小さく、圧力は低いので、当該反応はエネルギー効率的でもある。
【0095】
実施例18〜22
(S)−(−)BINAP Cl(シメン)RuClを用い、異なる溶媒の存在下で上記反応を実施した。溶媒、条件および結果を図3の中の表2に要約する。実施例18、21および22は比較例である。表2に特段の記載がない限り、当該反応を、実施例1について上記のとおりに実施した。結果は、最高のエナンチオマー収率はEtOH/THFおよびEtOH/アセトンを用いて得られるが、反応時間は著しく短いということを示す。
【0096】
実施例23〜27
図3の表3に要約した特定の条件下で、上記反応を実施した。表2に特段の記載がない限り、当該反応を、実施例1について上記のとおりに実施した。反応を、60℃という比較的低温(実施例23、25、27)または比較的低い圧力(実施例24、26)で実施した。結果は、この反応は60℃では比較的遅い可能性があるということを示す。より多量の触媒を使用するとき、この反応は60℃でも効率的である可能性がある(実施例27)。15barでは、いくつかの反応は、より高い圧力と比較してわずかに遅いことがあり、そしてより長い反応時間を必要とすることがある。
図1
図2
図3
図4a)】
図4b)】
図4c)】
図4d)】
図4e)】
図4f)】