(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018085
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】トルク伝達シャフトを含んだ家具部分
(51)【国際特許分類】
A47B 88/00 20060101AFI20161020BHJP
A47B 88/04 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
A47B88/00 Z
A47B88/04 E
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-550704(P2013-550704)
(86)(22)【出願日】2012年1月12日
(65)【公表番号】特表2014-503321(P2014-503321A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】AT2012000007
(87)【国際公開番号】WO2013036976
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2014年4月25日
(31)【優先権主張番号】A729/2011
(32)【優先日】2011年5月20日
(33)【優先権主張国】AT
(31)【優先権主張番号】A124/2011
(32)【優先日】2011年1月28日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルム ゲー エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボール,ウォルガン
【審査官】
蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−259782(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/007950(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0026906(US,A1)
【文献】
特表2008−538938(JP,A)
【文献】
特表2006−503246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動可能に取り付けられる家具部分(110)であって、
同期ロッド(20)であるトルク伝達シャフト(10)を含んでおり、
シャフト(20)は少なくとも2つのシャフト部分を有しており、
一方のシャフト部分はロッド形状部材(2)であり、
他方のシャフト部分は接続部分(3)の形態であり、
本家具部分は、
前記ロッド形状部材(2)を、該ロッド形状部材(2)を前記接続部分(3)と共に弾性的に保持する少なくとも1つのバネ(4)で前記接続部分(3)に接続するための接続装置(100)をさらに含んでおり、
前記ロッド形状部材(2)及び/又は前記接続部分(3)に、提供される及び/又は取り付けできる拘束部分(1)が、さらに提供されており、
該拘束部分(1)は前記ロッド形状部材(2)と前記接続部分(3)とが互いに解放されないように固定しつつ、互いに軸方向へ相対移動を可能とし、サークリップの形状をした前記拘束部分(1)は、前記接続部分(3)および/または前記ロッド形状部材(2)に対して、半径方向に押されるように構成されることを特徴とする家具部分。
【請求項2】
前記接続部分(3)は前記ロッド形状部材(2)の受領手段(42)内に挿入されるピン(30)であることを特徴とする請求項1記載の家具部分。
【請求項3】
前記接続部分(3)は前記ロッド形状部材(2)が挿入される受領手段であることを特徴とする請求項1記載の家具部分。
【請求項4】
前記ロッド形状部材(2)は引出し(101)のための同期ロッド(20)であり、
該同期ロッド(20)は歯車(21)または左側延出レール(111)と右側延出レール(112)の延出動作を同期化させるローラを左右にて駆動させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の家具部分。
【請求項5】
前記ロッド形状部材(2)は家具フラップ扉(102)のための同期ロッド(20)であり、前記家具フラップ扉(102)を駆動するために左側制御アーム(121)と右側制御アーム(122)の旋回運動を同期化させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の家具部分。
【請求項6】
前記拘束部分(1)は一体型であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の家具部分。
【請求項7】
前記拘束部分(1)はプラスチック製であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の家具部分。
【請求項8】
前記拘束部分(1)は工具を使用せずに装着及び/又は取り外しできることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の家具部分。
【請求項9】
前記接続部分(3)と前記ロッド形状部材(2)はトルクを伝達するための断面が環状とは異なった外側形状であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の家具部分。
【請求項10】
前記拘束部分(1)は前記ロッド形状部材(2)及び/又は前記接続部分(3)に提供されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の家具部分。
【請求項11】
前記拘束部分(1)は前記ロッド形状部材(2)と一体型に提供されているか、または前記接続部分(3)と一体型に提供されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の家具部分。
【請求項12】
前記拘束部分(1)は前記ロッド形状部材(2)または前記接続部分(3)に弾性的に提供されていることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の家具部分。
【請求項13】
前記拘束部分(1)は、半径方向弾性ラッチ突起部(41)であり、前記ロッド形状部材(2)または前記接続部分(3)の前記受領手段(42)に突入する半径方向弾性ラッチ部分(40)を有することを特徴とする請求項2記載の家具部分。
【請求項14】
前記半径方向弾性ラッチ突起部(41)である前記半径方向弾性ラッチ部分(40)は工具を使用せずに利用できることを特徴とする請求項13記載の家具部分。
【請求項15】
前記接続部分(3)及び/又は前記ロッド形状部材(2)への取り付けが完了すると、前記拘束部分(1)は前記接続部分(3)及び/又は前記ロッド形状部材(2)に対して長手軸方向に移動可能であるか、あるいは前記接続部分(3)または前記ロッド形状部材(2)に提供された前記拘束部分(1)は前記接続部分(3)及び/又は前記ロッド形状部材(2)に対して長手軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の家具部分。
【請求項16】
前記接続装置(100)はロッド形状部材(2)と2つの接続部分(3、30)とを有しており、前記ロッド形状部材(2)は前記2つの接続部分(3、30)の間で2つの拘束部分(1)によって解放されないように固定できることを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載の家具部分。
【請求項17】
前記移動可能に取り付けられた家具部分(110)は引出し(101)または家具フラップ扉(102)であることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の家具部分。
【請求項18】
請求項1から17のいずれかに記載の家具部分(110)を少なくとも1つ含んだ家具(120)。
【請求項19】
請求項1から17のいずれかに記載の家具部分(110)のために、ロッド形状部材(2)を接続部分(3)と共に弾性的に保持する、少なくとも1つのバネ(4)により、前記ロッド形状部材(2)を前記接続部分(3)に接続するための接続装置(100)であって、前記ロッド形状部材(2)と前記接続部分(3)に取り付けられ、前記ロッド形状部材(2)と前記接続部分(3)とが互いに解放されないように固定する拘束部分が提供されていることを特徴とする接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトルク伝達シャフト、特に同期ロッドを含んだ家具部分に関する。
【0002】
このシャフトは、一方のシャフト部分がロッド形状部材の形態であり、他方のシャフト部分が接続部分の形態である少なくとも2つのシャフト部分と、特にそのロッド形状部材をその接続部分に弾性的に保持する少なくとも1つのバネを備えた、ロッド形状部材を接続部分に接続するための接続装置とを有している。
【0003】
本発明は少なくとも一つの可動家具部分を含んだ家具にも関する。
【背景技術】
【0004】
従来技術に属するそのような家具部分は多く存在する。これらは例えば側壁によって引出しの内部に収納された内容物を安定させるためのレールの接続装置を有する引出しにとの関係で使用されている。
【0005】
そのような家具部分の使用の別な領域は例えば移動式引出しである。例えばユリウス ブルム GmbHのAT410162B(1999年3月17日)では家具部分の接続装置を開示している。家具枠体上を移動可能な引出しの動作を安定させるための装置では、ロッド形状部材は互いの引き込みおよび引き出し動作において左側と右側の延出レールを同期化させる同期ロッドの形態である。この場合、トルクは同期ロッドによって一方から他方へと伝達される。
【0006】
そのような家具部分の別な使用形態は家具のフラップ扉に関しても知られている。このように例えばEP1875026B1(2006年4月14日)は両側壁を有する家具について開示しており、それぞれの側壁にはフラップ扉の動作のそれぞれの制御装置が配置されており、制御装置はその装置の同期動作のために同期ロッド(ロッド形状部材)によって接続されており、同期ロッドは、同期ロッドを制御装置の回転可能な部分に解放可能に接続するため、少なくとも一つの端領域に固定装置(接続装置に対応する)を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、トルク伝達シャフトと、ロッド形状部材を接続部分に接続するための接続装置とを有する、従来技術に勝る可動家具部分の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は請求項1の特徴によって達成される。
【0009】
拘束部分の使用によって、製造時に組み立てられている部材の輸送時にしばしば発生する接続部分のロッド形状部材からの自然脱落の防止を可能にする。
【0010】
拘束部分がない場合には、不都合なことにロッド形状部材が自身の重みと慣性のために下がって接続部分から外れることがある。拘束部分は輸送時にロッド形状部材が意図に反して外れることを防止するため、輸送時の安定保持手段として作用する。
【0011】
家具がその装着位置に装着されると、ロッド形状部材の機能を接続部分と共に妨害しないよう、拘束部分はその組み立て位置に留まることができる。
【0012】
複数回使用するため、家具の組み立て後に拘束部分の機能が不要になったとき、拘束部分を再び外すことも想定できることは理解されよう。
【0013】
本発明の別な利点は添付の従属請求項に定義されている。
【0014】
接続部分がロッド形状部材の受領手段内に挿入されるピンの形態であることが特に有利であることがわかっている。このような形態は能動的なロック接続を達成させ、安定した構造に貢献する。
【0015】
1好適実施態様では、接続部分はロッド形状部材が挿入される受領手段の形態である。これも安定した構造に貢献する。
【0016】
さらに、ロッド形状部材が引出しの同期ロッドであることが好ましく、左右の同期ロッドは左右の延出レールの延出運動を同期化させる歯車またはローラを駆動させる。このように、トルクは延出レールの一方から他方に伝達され、引出しの一定の引き出し動作および押し込み動作に貢献する。
【0017】
ロッド形状部材が、家具フラップ扉を駆動させる左右の制御アームの旋回運動を同期化させる家具フラップ扉のための同期ロッドであることが特に有利であることが分かっている。これは家具フラップ扉のねじれを防止する。
【0018】
拘束部分が一体型であることが特に好ましい。一体型拘束部分の使用は組み立てが非常に迅速に実行されることを意味し、作業時間のコストを抑制することができる。
【0019】
この点で、拘束部分がプラスチック製であることが特に有利であることが分かっている。プラスチック製の拘束部分は例えば射出成型プロセスによって高精度で有利に製造できる。
【0020】
1好適実施態様では、工具を使用せずに拘束部分を装着および/または取り外すことができる。工具を使用しない装着と取り外しは組み立て時間の短縮に貢献する。さらにその結果、拘束部分を単独の家具に関してだけでなく、複数回の再使用にも利用できる。
【0021】
拘束部分がクリップ形状であることが有利であることが分かっている。クリップ形状は拘束手段を迅速かつ容易にスナップ留めできることを意味し、装着時間を短縮することもできる。
【0022】
拘束部分を接続部分および/またはロッド形状部材にスナップリング形態で放射状に押し込むように設計することが有利であることが分かっている。放射状スナップリング形態で拘束部分を所定位置に押し込むことで迅速に装着でき、安定した状態で接続させる。
【0023】
1つの可能な実施態様では、接続部分とロッド形状部材はトルクの伝達のため、断面において環状とは異なった外側形状である。トルクの伝達とは、同期化がロッド形状部材の左側からその右側へと実行されることを意味する。
【0024】
拘束部分がロッド形状部材および/または接続部分に提供されていることが特に有利であることが分かっている。
【0025】
1好適実施態様では、拘束部分はロッド形状部材と一体型に提供されるか、または接続部分と一体型に提供される。
【0026】
拘束部分はロッド形状部材または接続部分に弾性的に提供されることもできる。
【0027】
拘束部分が、ロッド形状部材または接続部分の受領手段内に突入する、好適には半径方向弾性ラッチ突起部(放射状の弾性ラッチ突起部)の形態である、半径方向弾性ラッチ部分(放射状の弾性ラッチ部分)を有していることが特に有利であることが分かっている。
【0028】
特に好適には、半径方向弾性ラッチ部分(好適には半径方向弾性ラッチ突起部)は工具を使用せずに作用可能である。
【0029】
特に好適には、接続部分および/またはロッド形状部材への取り付けの完了後、拘束部分は接続部分および/またはロッド形状部材に対して長手軸方向に移動可能であるか、あるいは接続部分またはロッド形状部材に提供された拘束部分は接続部分および/またはロッド形状部材に対して長手軸方向に移動可能である。このように、拘束部分または拘束手段の装着後でもロッド形状部材を接続部分に対して移動させることが可能である。
【0030】
特許保護は請求項1から12のいずれかに記載の少なくとも1つの接続装置を有する可動家具部分にも求められ、この可動家具部分によって拘束部分はロッド形状部材と接続部分とが解放されないように固定する。
【0031】
この点で、可動家具部分のために、接続装置は1つのロッド形状部材と2つの接続部分を有しており、実質的にロッド形状部材は2つの接続部分の間で解放されないように2つの拘束部分によって固定される。
【0032】
特に好適な特徴では、可動家具部分は引出しまたは家具フラップ扉の形態である。
【0033】
特定の場合には、特許保護は解説した実施態様の少なくとも1つに記載された少なくとも1つの可動家具部分を有する家具にも求められる。
【0034】
本発明のさらなる詳細および利点は、以降において図面に示された実施例に関連する詳細な説明によってさらに明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1a】接続装置を備えた右側延出ガイドの後方分解斜視図である。
【
図2a】接続装置が組み立て状態である
図1aの後方斜視図である。
【
図3a】1つの同期ロッドと2つの接続装置とを備えた2本の延出レールの背面図であり、同期ロッドの片側は接続部分に接続されており、他方側は未接続状態である。
【
図4a】
図3aと同様な後方図であり、同期ロッドと接続部分との間の2つの接続部が断面図で提供されている。
【
図5a】2つの拘束部分が装着されている
図3aと
図4aと同様な後方断面図である。
【
図5d】バネを有さず、拘束部分を備えた接続装置の平面図である。
【
図6a】1つの同期ロッドと2つの接続装置とを備えた2本の延出レールの後方斜視図であり、同期ロッドの片側は接続部分に接続されており、他方側は未接続状態である。
【
図7a】
図6aと同様の後方図であり、同期ロッドと接続部分との間で両側に接続部が提供されている。
【
図8a】2本の延出レールを備えた引出しの背面図であり、接続部分内に拘束部分が装着された状態であり、2本の延出レールのための同期装置を備えている。
【
図9a】家具枠体、引出し、および延出レール、および2つの接続装置を備えた同期装置を備えた家具を示している。
【
図9b】家具枠体と、接続装置を備えた左右の制御アームの旋回運動のための同期装置を備えた家具フラップ扉とを備えた家具を示している。
【
図9c】家具枠体と、レールを備えた引出しとを備えた家具を示している。
【
図10a】拘束部分としての弾性ラッチ部分を備えた別な接続装置の斜視図である。
【
図10c】拘束部分としての弾性ラッチ部分を備えた別な接続装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、引出し延出ガイドの後方斜視図である。引出し延出ガイドは右側延出レール112を有している。右側延出レール112を左側延出レール111(
図3a参照)と同期化させるため、右側延出レール112はその後方領域に左側延出レール111と同期して出入りする同期装置を有している。同期装置はこの場合には接続装置100によって延出レール111と112に接続されている。
【0037】
この好適実施例で工具を使用せずに達成できる接続は、拘束部分1によって共に接続されており、互いの解放を防止するように固定された接続部分3とロッド形状部材2を主に利用する。
【0038】
図1bは
図1aの詳細図であり、接続装置100が分解図で示されている。接続される部分2と3は、この好適実施例ではピン30と同期ロッド20の形態であり、一方が他方に装着された後に拘束部分1によってその状態に維持される。トルクを伝えるため、ピン30はその端に歯車31の形態である太くなった部分を有している。同期ロッド20との組み立て状態では、歯車31は同期ロッド20の受領手段内の雌ネジ23(
図6b参照)と係合する。ピン30が同期ロッド20から外れないように拘束部分1が提供されており、この好適実施例では、一体型でプラスチック製である。この好適実施例では、拘束部分1はクリップ形状であり、すなわちピン30である接続部分にクリップ式(サークリップのように)に放射状に(半径方向へ)押し込まれ、同期ロッド20にクリップ式に押し込まれる。
【0039】
拘束部分1がピン30と同期ロッド20に装着されると、同期ロッド20のフランジ22が拘束部分1の開口部12へとラッチ式に係合するので、同期ロッド20は拘束部分1に対してもはや移動できない。
【0040】
一方、拘束部分1のクリップ形態部11は確かにピン30を包囲するが、ピン30上ではまだ移動することができるため、ピン30は拘束部分1に対して、したがって同期ロッド20に対して移動することができる。これは拘束部分1のクリップ形態部11がピン30の太い部分31の背後でのみ係合するためであり、よって太い部分31を越えて軸方向にもはや引き込まれることはないが、そこからは軸方向に移動することはできる。
【0041】
図2aは組み立て状態の
図1bに示す接続装置100を示している。
【0042】
図2bでは、この好適実施例では同期ロッド20の形態であるピン30がロッド形状部材2内に取り付けられている状態が明示されている。これら2つの部分20と30はもはや互いに離れることがないように、拘束部分1がピン30と同期ロッド20にクリップ式に装着される。この場合、同期ロッド20のフランジ22は拘束部分1の開口部12内に設置される。拘束部分1のクリップ形態部11はピン形態である接続部分3を部分30にて囲む。
【0043】
よって、特に輸送時に、ロッド形状部材2が接続部分3から解放されることはない。
【0044】
好適な組立工程は
図3から
図5および
図6から
図8でそれぞれ解説されている。
【0045】
図3aは2本の延出レール111と112の同期ロッドの背面図である。この場合、同期装置はトルク伝達シャフト10を有しており、シャフト10は少なくとも2つのシャフト部分を有しており、一方のシャフト部分はロッド形状部材の形態であり、他方のシャフト部分は接続部分3の形態である。この場合、同期ロッド20の形態のロッド形状部材2は2つの接続装置100によって左側延出レール111と右側延出レール112に接続されている。
【0046】
第1のステップでは(
図3c)、同期ロッド20は、本好適実施例ではピン30の形態の接続部分3の上に押し込まれる。同期ロッド20内の盲穴の底部は本好適実施例ではバネの作用で弾性を有する。バネ4は同期ロッド20によって圧縮される。同期ロッド20とピン30との間のスペース内の反対側(
図3b参照)でも同様であるが、同期ロッド20とピン30との重なり合う関係によって、同期ロッド20はこの側で挿入できる。本好適実施例では、同期ロッド20はこの側にバネも有する。これで任意の順序での組み立ての実行が可能になる。
【0047】
同期ロッド20が、例えば同期ロッド20の中央に提供されており、同期ロッド20の両側からの力に作用される1つのバネ4を有することも想定内である。
【0048】
この好適実施例では、既に前述したように接続部分3はピン30の形態であるが、接続部分3が受領手段の形態であることも同様に想定でき、この場合には本好適実施例では同期ロッド20の形態であるロッド形状部材2が挿入される。
【0049】
図4aは、可動に取り付けられた家具部分110(本実施例では引出し101)の左右の延出レール111と112の両方の接続装置100にて同期ロッド20が既に装着されているトルク伝達シャフト10の状態を示している。
【0050】
図4bと
図4cの詳細図に明示されているように、バネ4は応力から開放され、よって同期ロッド20は2本のピン30上に位置する。
【0051】
特にこの状況では、同期ロッド20がピン30から離脱する可能性が発生する。この不都合な状況は、特に例えば、輸送時に比較的に頻繁に発生するが、家具120(
図9aから
図9c参照)または家具部分110(
図9aから
図9c参照)が90℃傾斜し、よって同期ロッド20自身の重量がバネ4に荷重を与えることで同期ロッド20の他端にてピン30から外れて脱落することがある。
【0052】
これは、
図5aから
図5eに示すような拘束部分1の装着によって防止できる。
【0053】
詳細
図5b、5c、5dおよび5eから理解されようが、拘束部分1がピン30にクリップ式に固定されており、同期ロッド20の形態のロッド形状部材2のフランジ22が拘束部分1の開口部12(
図1bから
図2参照)にラッチ式に係合するため、拘束部分1は、接続部分3からのロッド形状部材2の脱落を防止する。
【0054】
拘束部分1の装着後でも、ロッド形状部材2(すなわち本好適実施例では同期ロッド20)は接続装置に対して長手軸方向に移動でき、拘束部分1の装着後はピン30に対して長手軸方向に移動できる。
【0055】
図5aから
図5cはバネ4を使用した好適実施例を示している。好適にはバネ4を有さない
図5dと
図5eの変形例によって示されているように、これらは接続装置100の機能には必須ではない。拘束部分なしで供給または製造されている既存のシステムの場合には、拘束部分は後付けすることもでき、これは本発明の別な利点である。
【0056】
図6から
図8は、
図3から
図5との関連で既に解説したものの斜視図であり、すなわち拘束部分1の補助によって、接続部分3へロッド形状部材2を取り付ける工程を示している。
【0058】
図6bには、ピン30が、同期ロッド20の形態であるロッド形状部材2にトルクを伝達するための歯車の形態である太い部分31を有する状態が明示されている。この目的のため、同期ロッド20はピン30上の歯車31に対応して受領手段41内に雌ネジ23を有している。これには歯車31とそれに対応する雌ネジ23は必ずしも関与せず、断面が環状とは異なる任意のその他の外面形状であることもでき、接続部分3とロッド形状部材2がトルクを伝達できるように関与させなければならないことは理解されよう。
【0059】
図8aは、左側延出レール111と右側延出レール112に取り付けられた、引出し101である、可動に取り付けられた家具部分110の背面斜視図である。この構造では、可動に取り付けられた家具部分110はトルク伝達シャフト10を有しており、シャフト10は少なくとも2つのシャフト部分を有しており、一方のシャフト部分はロッド形状部材2の形態であり、他方のシャフト部分は接続部分3の形態である。
【0060】
この場合には、引出し101には接続部分3を備えたロッド形状部材2のための接続装置100が配置されており、本好適実施例では、ロッド形状部材2は接続部分3とロッド形状部材2とを弾性的に保持するバネ4(図示せず、
図3bと
図3cを参照)を有しており、この構造はロッド形状部材2と接続部分3とに装着できる拘束部分1を含んでおり、ロッド形状部材2と接続部分3とを解放されないように固定している。拘束部分1をロッド形状部材2または接続部分3に設置し、ロッド形状部材2と接続部分3とを互いから離れないように固定させることもできることは理解されよう(
図10aから
図10dに示す対応実施例とその解説を参照)。
【0061】
本実施例は好適には、同期ロッド20の形態であるロッド形状部材2の両側に配置され、ロッド形状部材2からの接続部分3の脱落を防止する2つの拘束部分1を有している。
【0062】
本好適実施例では、引出しに関連して接続装置100が使用されている。家具フラップ扉を駆動する目的で、左側と右側の制御アームの旋回運動を同期化させるために家具フラップ扉に使用できることも理解されよう。別な可能な使用状況は例えば引出しのレール等に関連する使用である。
【0063】
図8bでは、ロッド形状部材2は引出し101の同期ロッド20の形態であり、同期ロッド20は、左側延出レール111と右側延出レール112の引き込みおよび延出動作を同期化させる歯車21を左右にて駆動させる。
【0064】
組み立てが完了し、輸送された後にも、拘束部分1は接続装置100上に留まることができるが、拘束部分1を好適には工具を使用せずに再び外して次回の引出しまたは類似した家具のための輸送目的に使用できることは理解されよう。
【0065】
図9aは、家具枠体103内に配置された可動に取り付けられた家具部分110(引出し101)を備えた家具120を示している。引出し101は同期装置によって互いに同期化される左側延出レール111と右側延出レール112とを有している。同期装置には接続装置100(ここでは非図示、
図8aから
図8c参照)が提供されており、拘束部分1によってロッド形状部材2と接続部分3とを外れないように固定している。
【0066】
図9bは、家具枠体103と、可動に取り付けられた家具部分110(家具フラップ扉102)とを備えた家具120を示している。左側制御アーム121(ここでは非図示、家具フラップ扉102で隠遮)と右側制御アーム122の旋回運動が同期装置によって同期化され、その同期装置は接続装置100(ここでは非図示、家具フラップ扉102で隠遮)を有しており、拘束部分1によってロッド形状部材2と接続部分3とが外れないように固定している。
【0067】
図9cは家具枠体103と、可動に取り付けられた家具部分(引出し101)とを有する家具120を示しており、引出し101はレール104を有している。本好適実施例では、レール104は接続装置100とその拘束部分1の手段で、それがレール104のロッド形状部材2をレール104の接続部分3(非図示、拘束部分1で隠遮)から外れないように固定するよう引出し101内に取り付けられている。レール104の場合には通常ではロッド形状部材2によってトルクは伝達されない。しかし、実施例によってはレール104によって前方パネルを傾かせることができ、傾斜の調節が特にレール104の回転によって実行されるので、レール104はトルクを伝達し、よってレール104はトルク伝達シャフト10になる。
【0068】
図10aはロッド形状部材2の斜視図であり、これは本実施例では同期ロッド20の形態でもある。
【0069】
本好適実施例では、拘束部分1は別部材ではなく、ロッド形状部材2に直接的に提供されており、好適には拘束部分1とロッド形状部材2は一体型形状である。
【0070】
図10bに明示するように、この場合には拘束部分1はロッド形状部材2に弾性的に提供されている。この構造では、拘束部分1は半径方向弾性ラッチ部分40(本好適実施例では半径方向弾性ラッチ突起部41の形態)を有する。この半径方向弾性ラッチ突起部41(半径方向へ弾性を有するラッチ突起部)はロッド形状部材2の受領手段42へと突入し、それに接続部分3(ここでは図示せず)が挿入されることで作用力ロック接続部を提供している。
【0071】
接続部分3を単純に押し込むことで、半径方向弾性ラッチ突起部41は外側に付勢され、接続部分3は受領手段42内に移動できる。接続部分3が受領手段42内に入ると、半径方向弾性ラッチ突起部41が再び上方に反発し、受領手段42へと突入するこの突起(すなわち突起部41)によって、ロッド形状部材2の受領手段42から接続部分3が再び外れるのを防止する。再び解除が必要な場合には、ラッチ突起部41を外側に付勢し、同時に接続部分3を引き出すことによって、接続部分3をロッド形状部材2から外すことができる。
【0072】
半径方向弾性ラッチ部分40(半径方向へ弾性を有するラッチ部分)の大きな利点は、工具を使用せずに作動可能であること、すなわち接続部分3を受領手段42へと単純に押し込むことで自動ロックさせることが可能なことである。
【0073】
接続部分3がロッド形状部材2の受領手段42内に配置され、半径方向弾性ラッチ突起部41が接続部分3の離脱を防いだ後でも、拘束部分1はロッド形状部材2からの接続部分3の抜け落ちを防止するだけであり、接続部分3をロッド形状部材2にロック固定しないので、接続部分3はロッド形状部材2に対して常に長手軸方向に移動できる。
【0074】
図10cは、
図10aと
図10bとの関連で解説したごとくの、ロッド形状部材の別な斜視図である。
【0075】
この図では、拘束部分1がロッド形状部材2と一体型であることが明示されている。
【0077】
本実施例では拘束部分1はロッド形状部材2に提供されている。当業者にとっては、拘束部分1を接続部分3に提供し、そこでロッド形状部材2を拘束することも同様に可能であることは自明であろう。