(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電源は、1次コイル及び2次コイルを含み、前記電源は、第1の継続時間の間、前記1次コイルの或る部分を通して或る電流が流れるようにさせることによって、また、前記第1の継続時間が終了した後、第2の継続時間の間、前記1次コイルの別の部分を通して別の電流が流れるようにさせることによって、前記2次コイル上に前記正パルス列及び前記負パルス列を交互に生成するように配設される、請求項1に記載の装置。
前記電源は、第1の1次コイル端部、第2の1次コイル端部、及び中心タップを有する1次コイルと、前記エミッター及び前記基準電極に電気結合される第2のコイルとを含み、
前記電源は、前記第1の1次コイル端部及び前記中心タップを通して第1の電流が、また、前記第2の1次コイル端部及び前記中心タップを通して第2の電流が、交互に流れるようにさせることによって、前記2次コイル上に前記正パルス列及び前記負パルス列を交互に生成するように配設される、請求項1に記載の装置。
前記電源は、1回/秒〜4000回/秒の範囲の繰返しレートで前記パルス列対を生成し、前記パルス列対について0.1%〜1%のデューティファクターを使用する、請求項1に記載の装置。
第1の継続時間の間、変圧器の1次コイルの或る部分を通して或る電流が流れるようにさせることによって、また、前記第1の継続時間が終了した後、第2の継続時間の間、前記1次コイルの別の部分を通して別の電流が流れるようにさせることによって、前記高電圧変圧器の2次コイル上に前記正パルス列及び前記負パルス列を交互に生成することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、説明のために、本発明の種々の実施形態の完全な理解を提供するように幾つかの特定の詳細が述べられる。本発明のこれらの種々の実施形態は、単に例証的であり、いずれの点においても限定的であることを意図されないことを当業者は認識するであろう。本発明の他の実施形態を、本開示の利益を受ける当業者は容易に思いつくであろう。
【0008】
さらに、明確にするために、本明細書で述べる実施形態の通常有する特徴の全てが示されるか又は述べられるわけではない。任意のこうした実際の実施態様の開発時に、特定の設計目的を達成するために、いくつかの実施態様固有の選択が必要とされる場合があることを当業者は容易に理解するであろう。これらの設計目的は、実施態様ごとに及び開発者ごとに変わるであろう。さらに、こうした開発努力は、複雑でかつ時間がかかる場合があるが、それでも、本発明の利益を受ける当業者にとって日常的な技術的仕事であることが理解されるであろう。
【0009】
図1は、エミッター12と称されたイオン化電極と、基準電極14として使用される導電性要素又は構造体と、エミッター12に少なくとも1つの電圧交番パルス列対18を提供するように配設される電源16と、ガスの流れ22を提供するように配設されるガス源20と、イオンバランス電極と称された別の電極26に及びグラウンド等の共通基準バス29に電気結合されるイオンバランス回路24と、基準電極14及びまた、共通基準バス29に結合されるスパークサージ抑制器及びコロナ活動回路28とを使用するコロナ放電式マイクロパルスバイポーライオナイザー10を開示する。電源16は、共通基準バス29に、共通基準バス29を通して基準電極14に、またエミッター12に電気結合される。パルス列対18は、エミッター12によって、また、共通基準バス29を通して基準電極14によって受信される。
【0010】
図2を見てわかるように、パルス列対18は、直列シーケンスで交互に起こる正パルス列30及び負パルス列32を含む。上側の破線44は、4.5kV等の正のコロナ閾値電圧を示し、下側の破線46は、(−)4.25kV等の負のコロナ閾値電圧を示す。各正パルス列30は、コロナ放電によって正イオンを生成するための電圧閾値を超える最大正電圧振幅を有するイオン化正電圧波形を含むように配列される。同様に、負パルス列32は、コロナ放電によって負イオンを生成するための電圧閾値を超える最大負電圧振幅を有するイオン化負電圧波形を含むように配列される。そのため、これらのそれぞれの正及び負のイオン化電圧波形は、エミッター12と基準電極14との間の空間38にわたって電圧勾配を交互に生成し、コロナ放電によって、正イオン34及び負イオン36を含むイオン雲を生成する。
【0011】
パルス列対であって、それぞれが正パルス列及び負パルス列を使用する、パルス列対の直列シーケンスを使用することは、少なくとも1つのエミッター電極について効率的なバイポーライオン化をもたらす。パルス列対の数は、
図1のガス流22等のエミッターにわたって吹き付けられるか又は提供されるガスの流量及びエミッター12に応じて、ターゲット物体の静電荷中和又は放電を最大にするように調整することができる。各パルス列18についての繰返しレートは、いずれの点でも限定的であることを意図されない。繰返しレートは、相応して、
図2に開示する実施形態について所望される電力レベルに調整され、0.1%〜1%のデューティファクターで、1回/秒〜数千回/秒に設定され得る。デューティファクターという用語はまた、パルス列周期48等のパルス列周期についての、パルス列電力オン対パルス列電力オフの有効比としても本明細書で呼ぶことができる。0.1%〜1%のデューティファクターを使用することは、非常に短いコロナ放電を生成し、オゾン排出量及びエミッター汚染率を低減する。本明細書で開示される本発明の種々の実施形態は、コロナ放電によってイオンを生成するために高周波高電圧交番電流を使用する他のタイプの既知のイオナイザーに比べて3倍〜5倍少ない、約10十億分率(ppb)〜15十億分率(ppb)の濃度のオゾン排出量を生成する。本明細書で開示される種々の実施形態はまた、イオナイザーエミッター(複数の場合もある)に対する粒子誘引率を大幅に低減し、そのことは、ひいては、エミッター(複数の場合もある)の汚染率を低減する。
【0012】
パルス列対18における正パルス列30及び負パルス列32の交番直列順序は、いずれの点においても限定的であることを意図されない。例えば、
図3Aでは、パルス列18は、交番直列シーケンスで、正パルス列30、それに続いて負パルス列32を含むように配設される。代替的に、
図3Bに示すように、パルス列18は、交番直列シーケンスで、負パルス列32、それに続いて正パルス列30を含むように配設することができる。正イオン34及び負イオン36はまた、本明細書で一括してバイポーライオン雲40と呼ぶことができる。パルス列対を使用してバイポーライオン雲を生成するコロナイオナイザーは、本明細書で、コロナ放電式マイクロパルスバイポーライオナイザー10と呼ぶことができる。
【0013】
エミッター12は、導電性ワイヤのループから形成することができるが、エミッターワイヤのループの使用は、いずれの点においても限定的であることを意図されない。尖った電極又は他の等価物(図示せず)等の任意のエミッター形状を、代替物として使用することができる。エミッター12を、コロナ放電によるイオンの生成を含めて、本明細書で述べる特徴をサポートするのに必要とされる方法で電気を伝導させ得る任意のタイプの電極材料から作ることができる。そのため、エミッター12を、種々の材料の組合せから作ることができ、種々の材料のうちの幾つかは、半導体、絶縁体、又はこれらの材料の任意の組合せ等、完全に導電性でない場合がある。
【0014】
基準電極14は、導電性ファンガードの形態で実装されるが、この構造体の使用は、限定的であることを意図されない。例えば、別個の非導電性又は導電性ファンガードを、別個に形成された基準電極と組合せて使用することができる。同様に、イオンバランス電極26は、導電性ファンガードを使用することによって実装されるが、こうした構造体の使用は、限定的であることを意図されない。代替の実施形態(図示せず)として、別個のファンガードを、イオンバランス電極26と組合せて使用することができる。イオンバランス電極26は、導電性又は半導電性表面を有する任意の電極を使用することによって実装することができ、また、ターゲット場所42と、コロナ放電によってバイポーライオン雲40が生成される場所との間の場所等のバイポーライオン雲40が通過する場所に設置することができる。バイポーライオン雲40は、
図1に示す特定の実施形態に関して概して空間38内でコロナ放電によって生成される。正パルス列30及び負パルス列32は、代替法において、それぞれ正のマイクロパルス及び負のマイクロパルスと呼ぶことができる。
【0015】
ガス源20を使用して、正及び負のイオン34及び36の混合を増大させること、ターゲット場所42においてバイポーライオン雲密度を増加させるために、ターゲット場所42に位置する選択されたターゲット物体(図示せず)に対する正及び負のイオン34及び36の送出範囲を増大させること、又は、その両方を行うことができる。図示する実施形態のガス源20は、ブロワタイプのものであり、エミッター12、基準電極14、及びイオンバランス電極26を通して、ガス流22等の空気又はガスを移動させるために回転ファンを使用する。さらに、ガス源20の使用、タイプ、及び設置場所は、本開示の範囲及び趣旨をいずれの点においても限定することを意図されない。例えば、
図1に示さないが、代替の実施形態として、ガス源20は、省略することができるか、又は、使用される場合にはエミッター12の前に設置することができるため、ガス又は空気は、最初にエミッター12を通り、次に基準電極14を通って吹きつけられるか又は進められ、ターゲット場所42に向かうことができる。
【0016】
さらに、ファンタイプガス源を、図示するように使用することができるか、又は、代替の実施形態では、圧縮されたガス又は空気を、パイプ、ダクト、プレナム、若しくはノズル、イオン化バー上に配列されたノズルの群、エミッターの少なくとも一部分を囲むノズル等(図示せず)を通して提供することができる。さらに、ガス流22の構成は、ターゲットエリア42へのバイポーライオン雲送出に適する、空気、窒素、他のガス、又はこれらのガスの任意の組合せとすることができる。イオンバランス回路24及びイオンバランス電極26は、コロナ放電によるバイポーライオン雲40の生成中に生成されるイオン電流をバランスさせるために使用することができる。イオンバランス回路24は、イオンバランス電極26、共通基準バス29、及び電源16に結合される。イオンバランス回路24は、パルス列対18によって生成される正の電極及び負の電極のバランスを調整するための、電源16によって受信され使用される信号31を生成する。イオンバランス回路24は、動作中にイオンバランス電極26を通って流れる正イオン及び負イオンに起因する電圧33を測定することによって信号31を生成する。電圧33が正である場合、イオンバランス回路24は、信号31が電源16に正イオンよりも多くの負イオンを生成するパルス列対18等の少なくとも1つのパルス列対を生成させるよう、信号31を調整する。同様に、電圧33が負である場合、電源16は、負イオンよりも多くの正イオンを生成する少なくとも1つのパルス列対を生成する。スパークサージ抑制器及びコロナ活動回路28は、基準電極14及び共通基準バス29に結合され、基準電極26と共通基準バス29との間で電圧のスパークが起こるときに生じ得る電流(図示せず)を分流させる。スパークサージ抑制器及びコロナ活動回路28はまた、コロナ放電式マイクロパルスバイポーライオナイザー10によって生成されるイオンの量に比例して明滅する視覚インジケーターを提供する。
【0017】
本開示を過剰に複雑にすることを回避するために、
図1に示さない更に別の代替の実施形態では、スパークサージ抑制器及びコロナ活動回路28、イオンバランス回路24及びイオンバランス電極26、又は両方を、
図1に示す実施形態から削除することができる。別の代替の実施形態(図示せず)では、基準電極14を、共通基準バス29に直接結合することができる。
【0018】
図4Aは、本発明の別の実施形態による、パルス列対の一部分を形成する正パルス列60の振動子によるスクリーンショットである。
図2及び
図3A、
図3Bを参照して上記で前に開示したパルス列対18は、周期68にわたって直列に起こる、非イオン化電圧波形62及びイオン化電圧波形64等の2つの非対称電圧波形(asymmetrical voltage waveform)を含むパルス列60を含むように配列される。非イオン化電圧波形62及びイオン化電圧波形64の後に、小さな負の振動及び正の振動69が続く。負の振動及び正の振動69は、パルス列60を生成するために使用される電源の回路共振によるものであり、本発明をいずれの点においても限定することを意図されない。振動69は、
図5Aにおいて以下で更に開示されるダンピング回路の使用によって完全に低減又は除去することができる。
【0019】
イオン化電圧波形64等の非対称電圧波形のうちの少なくとも1つは、コロナ放電式マイクロパルスバイポーライオナイザーのエミッターと基準電極との間の空間内でイオンを生成するために必要なコロナ放電電圧閾値を超える最大電圧振幅70を有する。これらはそれぞれ
図1に関して上記で開示された、空間38、エミッター12及び基準電極14、並びにイオナイザー10等である。イオン化電圧波形64によって生成されるイオンは、イオン化電圧波形64によって使用される電圧と同じ極性を有し、図示の例では正極性である。正イオンを生成するイオン化電圧波形64等のイオン化電圧波形を、本明細書で、「イオン化正電圧波形」とも呼ぶことができる。「非対称電圧波形」という用語は、連続波形の振幅変調プロファイルを表し、その振幅変調プロファイルは、極性が交互になり、かつ、異なる最大電圧振幅を有し、最大電圧振幅のうちの1つは、コロナ放電によってイオンを生成するために必要なコロナ閾値を超える。例えば、非イオン化電圧波形62の最大振幅72は、イオン化波形64の最大振幅70の極性(正)と反対である極性(負)を有する。図示する実施形態の非イオン化電圧波形62は、イオン化電圧波形64の前に起こり、コロナ放電によってイオンを生成するのに十分でない最大振幅72を有する。コロナ放電によって負イオンを生成するのに不十分な負の最大電圧振幅を有する非イオン化電圧波形62等の非イオン化電圧波形を、本明細書で、「非イオン化負電圧波形(non-ionizing negative voltage waveform)」とも呼ぶことができる。
【0020】
イオン化波形64等の、正イオンを生成するために必要なコロナ放電電圧閾値を超える正の最大電圧振幅を有する波形であるイオン化正電圧波形を含む、
図4Aのパルス列60等のパルス列は、本明細書で「正パルス列(positive pulse train)」と称される。同様に、
図3Bのイオン化波形84等の、負イオンを生成するために必要なコロナ放電電圧閾値を超える負の最大電圧振幅を有する波形であるイオン化負電圧波形を含む、
図3Bのパルス列80等のパルス列は、本明細書で「負パルス列」と称される。
図3A又は
図3Bのパルス列18等の電圧交番パルス列対内の正パルス列60及び負パルス列80のシーケンス順序は、いずれの点においても限定的であることを意図されない。例えば、
図3Bでは、パルス列対18は、負パルス列32で始まり、それに続いて正パルス列30が起こるパルス列シーケンスを有する。
【0021】
非対称電圧波形を使用することは、イオンを生成するための効率的な方法を提供する。バイポーライオン雲は、ガス流等の印加される力又は重ね合わされる電界によって容易に移動され得るエミッター12の近くのエリアで振動する。イオン生成周期が極端に短いため、オゾン及び窒素酸化物等のコロナ副産物排出量は、最小限に抑えられ、エミッター12に関する汚染率が低減される。
【0022】
図4Aのパルス列60のように、
図4Bのパルス列80は、周期88にわたって順次に起こる、非イオン化電圧波形82及びイオン化電圧波形84等の2つの非対称電圧波形を含むように配列される。イオン化電圧波形84等の非対称電圧波形のうちの少なくとも1つは、コロナ放電式マイクロパルスバイポーライオナイザーのエミッターと基準電極との間の空間内でイオンを生成するために必要なコロナ放電電圧閾値を超える最大電圧振幅90を有する。これらはそれぞれ
図1に関して上記で開示された、空間38、エミッター14及び基準電極、並びにコロナ放電式マイクロパルスバイポーライオナイザー10等である。
【0023】
非イオン化電圧波形82及びイオン化電圧波形84の後に、小さな負の振動及び正の振動89が続く。負の振動及び正の振動89は、パルス列80を生成するために使用される電源の回路共振によって生成され、本発明をいずれの点においても限定することを意図されず、また、低減又は除去することができる。イオン化電圧波形84によって生成されるイオンは、イオン化電圧波形84によって使用される電圧と同じ極性を有し、図示の例では負極性である。非イオン化電圧波形82の最大振幅92は、イオン化電圧波形84の最大振幅90の極性(負)と反対である極性(正)を有する。非イオン化電圧波形82の最大振幅92は、コロナ放電によってイオンを生成するのに十分でない。イオン化電圧波形84は、コロナ放電によって負イオンを生成し得るため、本明細書で「イオン化負電圧波形(ionizing negative voltage waveform)」と呼ぶこともできる。しかし、非イオン化波形82は、コロナ放電によって正イオンを生成するのに不十分な正の最大電圧振幅を有するため、本明細書で「非イオン化正電圧波形(non-ionizing positive voltage waveform)」と呼ぶことができる。
【0024】
使用される電源の構成に応じて、非イオン化電圧波形62又は82等の非イオン化電圧波形は、同じパルス列対に対応するイオン化波形64又は84等の続くイオン化波形の立上りスルーレート及び立下りスルーレートより小さい、立上りスルーレート及び立下りスルーレートを有する。本発明の一実施形態によれば、非イオン化電圧波形は、1ミリ秒と24ミリ秒との間の周期、並びに、それぞれが100ボルト/ミリ秒〜1000ボルト/ミリ秒の範囲にある立上りスルーレート及び立下りスルーレートを有するように配列することができる。イオン化電圧波形64又は84等のイオン化電圧波形は、それぞれが約1000キロボルト/マイクロ秒〜5000キロボルト/マイクロ秒である立上りスルーレート及び立下りスルーレート並びに1マイクロ秒〜12マイクロ秒の電圧波形幅を有する。さらに、
図2並びに
図3A及び
図3Bに関して上記で論じた正パルス列30のように、
図4Aのそれぞれの正パルス列60が、正イオンを生成する。同様に、
図2並びに
図3A及び
図3Bに関して上記で論じた負パルス列32のように、
図4Bのそれぞれの負パルス列80が、負イオンを生成する。
【0025】
図5Aは、ワイヤエミッター122、基準電極124、少なくとも1つの電圧交番パルス列対128を提供するように配設された電源126、ガスの流れ(図示せず)を提供するように配設されたガス源130、イオンバランス回路132、イオンバランス電極134、スパークサージ抑制器回路及びコロナ活動回路136を使用するマイクロパルスイオナイザー120を開示する。電源126は、ワイヤエミッター122、及びグラウンド139等の共通基準バスに電気結合され、動作中にワイヤエミッター122にパルス列対128を出力するように配設される。パルス列対128は、パルス列の直列シーケンスを含む。各パルス列は、電圧交番パルス列対128内で他のパルス列の極性と反対の極性を有する。一例では、パルス列対128及びパルス列のその対は、パルス列対18、パルス列60及びパルス列80について上記で前に述べた同じ機能及び特性を有するようにそれぞれ配設することができる。
【0026】
エミッター122、基準電極124、及びガス源130は、エミッター12、基準電極14、及びガス源20に関して上述した同じ構造及び機能を有するように実装することができる。電源126、イオンバランス回路132、イオンバランス電極134、及びスパークサージ抑制器136は、電源16、イオンバランス回路24、イオンバランス電極26、並びにスパークサージ抑制器及び上記で前に論じたが
図5Aにおいて特定の回路構成を有するように示されたコロナ活動回路28と同じそれぞれの機能を有するように実装することができる。
【0027】
図5A及び
図5Bを参照すると、電源126は、それぞれが比較的短いパルス継続時間144を有する低電圧パルスのセット140を生成するタイマー回路138、パルスのセット140を受信するように配設されるドライブ回路142、及び主ダンピング回路146を含む。ドライブ回路142は、2重反転出力を有する「2重遅延回路(dual delay circuit)」と称されたD型フリップフロップ回路148、スイッチング回路150、並びにトランジスタ152及び154を含む。パルスのセット140は、
図5Bに更に示される。タイマー回路138及びドライブ回路142は、本開示においてパルスドライブ回路141と一括して呼ばれる。タイマー回路138は、タイマーIC155、ダイオード156、抵抗器158、コンデンサ160、及び抵抗器162を含む。タイマーIC155は、カルフォルニア州サンタクララ所在のNational Semiconductor社から入手可能な型番LMC555等の任意の構成可能な汎用タイマーを使用することによって実装することができる。
【0028】
タイマーIC155は、クロック出力163を通して構成可能なクロック信号を提供するように配設された集積回路である。この実施形態では、これらのクロック信号は、パルス140として使用される。ダイオード156、抵抗器158、及びコンデンサ160は、パルス140についてのパルス継続時間144を確立する(
図4及び
図5Bを参照)。抵抗器162及びコンデンサ160は、各パルス140について繰返しレートを設定する。繰返しレートは、パルス周期143の逆数に等しい。図示する実施形態では、ダイオード156は、1N4248のマーキングコードを有するダイオードを使用して実装することができ、一方、抵抗器158及び162並びにコンデンサ160は、以下のそれぞれの値、1500オーム、240Kオーム、及び0.01μF(マイクロファラド)を有する。LMC555の使用、タイマー回路138の構成、及び本明細書で開示する受動素子の値は、いずれの点においても限定的であることを意図されない。任意のタイマー回路138は、本明細書で述べるパルス140等のパルスのタイプを提供できる限り、使用することができる。トランジスタ152及び154は、nチャネルMOSFETトランジスタを使用して実装されるが、MOSFET型トランジスタの使用は、いずれの点においても本発明を限定することを意図されない。低電圧という用語は、本明細書で述べるタイプの半導体コンポーネントとともに使用するのに適した任意の電圧である。こうした半導体コンポーネント電圧は、一般に、正であっても負であっても、大きさが5又は12の範囲にあるが、本明細書で開示される実施形態では、5ボルト及び12ボルトの正の低電圧が使用される。
【0029】
2重遅延回路148は、互いに対して反転される2つの出力を有するD型フリップフロップの形態である。2重遅延回路148は、カルフォルニア州サンホセ所在のFairchild Semiconductor社からの型番MM74C74を使用することによって実装することができる。2重遅延回路148は、スイッチング回路150に2つのクロック信号を提供するように構成される。スイッチング回路150は、アリゾナ州フェニックス所在のOn Semiconductor Corporation社から入手可能な型番MC14081B等の、図示する方法で配列された4つの2重入力ANDゲートを提供する一般に知られている集積回路を使用することによって実装することができる。
【0030】
2重遅延回路148及びスイッチング回路150は、トランジスタ152と154との間で各パルス140を交互に切換える。ドライブ回路142は、各パルス140を受信し、各パルス140を、2重遅延回路148からのクロック入力161及び各ANDゲートからの入力にルーティングする。2重遅延回路148からの第1の出力Qは、ANDゲートのうちの2つのANDゲートからの入力165に結合され、2重遅延回路148からの第2の出力(反転Q)は、ANDゲートのうちの他の2つのANDゲートからの入力167に結合され、また、スイッチング回路148のデータピンにルーティングされる。プリセット及びクリアピンは、12ボルト源に結合される。
【0031】
電源126の動作中、また、生成される各パルス列の間、パルスドライブ回路141は、選択された継続時間の間、高電圧変圧器166の1次コイル164の半分を通して電流が流れるようにさせることによって充電ステージに入る。電流が1次コイル164の半分を通過するこの継続時間は、パルス140のパルス継続時間144によって設定され、パルス140のパルス継続時間144とほぼ同等である。2重遅延回路148及びスイッチング回路150は、トランジスタ152と154との間で各パルス140を交互に切換える。電源126は、トランジスタ152のゲートが充電ステージ中にパルス140を受信すると、それぞれ
図2又は
図4Aの正パルス列30又は60等の正パルス列の非対称波形を生成し、1次コイル164の中央タップ165から、1次コイル端部169を通して電流が流れるようにさせ、それが、1次コイル164の半分の両端に比較的小さい負電圧波形を生成し、エネルギーを、1次コイル164内にまた高電圧変圧器166の空気空間及び(もし備えているならば)フェライト内に貯蔵する。その巻数比によって、変圧器166は、この小さな負電圧波形を増幅し(magnifies)、2次コイル170の両端に、増幅した負電圧波形を生成する。この増幅された負電圧波形は、それぞれ
図4Aの非イオン化負電圧波形62及び正パルス列60等、正パルス列の一部分を形成する非イオン化負電圧波形としてワイヤエミッター122によって最終的に受信される。
【0032】
貯蔵されたエネルギーは、短いパルス140の継続時間144が終了すると、大きな正の電圧パルスを生成する、例えば、パルス140の立下りエッジ145に達すると、トランジスタ152を急速にターンオフし、1次コイル164の両端に大きな正の電圧パルス(図示せず)を生成する。変圧器166は、この大きな正の電圧パルスを増幅し、2次コイル170の両端に、正極性を有するより大きな増幅されたイオン化波形を生成する。この大きな増幅された電圧波形は、それぞれ
図4Aのイオン化正電圧波形64及び正パルス列60等、正パルス列の一部分を形成するイオン化正電圧波形としてワイヤエミッター122によって最終的に受信される。イオン化正電圧波形64の後に、異なる極性間で振動し、かつ、電圧振幅が経時的に減少するより小さな波形が続く。これらの後続の波形からの電圧振幅は、イオン化電圧に達せず、したがって、非イオン化電圧波形である。これらの後続の波形は、回路共振によってもたらされ、1次ダンピング回路146を使用することによって、制御、除去又は低減され得る。
【0033】
電源126は、直前に述べた正パルス列の生成と同様な方法で、
図2又は
図4Bのパルス列32又は80等の負パルス列について非対称電圧波形を生成する。しかし、電源126は、2重遅延回路及びスイッチング回路150がパルス140をトランジスタ154のゲートにルーティングするとき、負パルス列についてこれらの非対称波形を生成し、それが、パルスドライブ回路141を充電ステージに入らせる。この充電ステージ中、トランジスタ154は、所与の継続時間の間、中央タップ165及び1次コイル端部171を通して電流が流れるようにさせる。
図5Aに示す実施形態では、電流が1次コイル164を通過するこの所与の継続時間は、パルス継続時間144によって設定され、パルス継続時間144とほぼ同等である。
【0034】
中央タップ165及び1次コイル端部171を通して流れる電流は、1次コイル164の半分の両端に比較的小さい負電圧パルスを生成し、エネルギーを、1次コイル165内にまた高電圧変圧器166の空気空間及び(もし備えているならば)フェライト内に貯蔵する。この充電ステージ中に中央タップ165及び1次コイル端部171によって境界付けられる半分部分の1次コイル164を流れる電流の方向は、正パルス列を生成するために使用される、中央タップ165及び1次コイル端部169によって境界付けられるもう一方の半分部分の1次コイル164を流れる電流の方向と反対である。さらに、1次コイル164のこれらの半分部分の両方は、同じ方向に巻かれる。その巻数比によって、変圧器166は、この小さな負電圧波形を増幅し、2次コイル170の両端に増幅された正電圧波形を生成する。この増幅された正電圧波形は、それぞれ
図4Bの非イオン化正電圧波形82及び負パルス列80等、負パルス列の一部分を形成する非対称電圧波形の非イオン化波形としてワイヤエミッター122によって最終的に受信される。
【0035】
貯蔵されたエネルギーは、短いパルス140の継続時間144が終了すると、大きな負の電圧パルスを生成する、例えば、パルス140の立下りエッジ145に達すると、トランジスタ152を急速にターンオフし、1次コイル164の両端に大きな負の電圧パルス(図示せず)を生成する。変圧器166は、この大きな負の電圧パルスを増幅し、2次コイル170の両端に、負極性を有するより大きな増幅されたイオン化波形を生成する。この大きな増幅された電圧波形は、それぞれ
図4Bのイオン化負電圧波形84及び負パルス列80等、負パルス列の一部分を形成する非対称電圧波形のイオン化負電圧波形としてワイヤエミッター122によって最終的に受信される。イオン化負電圧波形84の後に、異なる極性間で振動し、かつ、電圧振幅が経時的に減少するより小さな波形が続く。これらの後続の波形からの電圧振幅は、イオン化電圧に達せず、したがって、非イオン化電圧波形である。これらの後続の波形は、回路共振によってもたらされ、1次ダンピング回路146を使用することによって、制御、削除又は低減され得る。
【0036】
高電圧変圧器166は、2次コイル170及び1次コイル164に関して50:1と5000:1との間の巻数比を有するように配設される。電源出力168から測定されると、また、電源126が本開示の範囲及び趣旨内で教示されるように構成されると、トランジスタ154は、負パルス列の生成をもたらし、一方、トランジスタ152は、正パルス列の生成をもたらし、それらは、グラウンド137を通してエミッター122及び基準電極124によって最終的に受信される電圧交番パルス列対を全体として形成し、コロナ放電によって、
図1のバイポーライオン雲40等のバイポーライオン雲を生成する。これらの正及び負のパルス列は、非イオン化電圧波形62及びイオン化電圧波形64並びに非イオン化電圧波形82及びイオン化電圧波形84等の非対称波形のセットをそれぞれ含む、
図4A及び
図4Bで、上記で論じた正及び負のパルス列60及び80と同じ構造及び機能を有する。
【0037】
電源出力168で生成される各パルス列について、イオン化波形64又は84等のイオン化波形の最大電圧振幅は、以下の変数、すなわち、
高電圧変圧器166の巻数比と、
高電圧変圧器164の1次コイルインダクタンスと、
パルス継続時間144と、
抵抗器176とコンデンサ178との間のノード174における入力DC電圧172と、
抵抗器180及びコンデンサ182を含む1次ダンピング回路146と、
イオンバランス回路132を備える場合、トランジスタ154とグラウンド137との間のインピーダンスであって、
図5Aに示す例では、トランジスタ177のドレイン及びソースにわたる抵抗である、インピーダンスと、
に応じて設定される。
【0038】
図5Aに示す本発明の実施形態によれば、
高電圧変圧器166の巻数比は、2次コイル及び1次コイルについて、50:1と5000:1との間の範囲にあることができ、
高電圧変圧器164の1次コイルインダクタンスは、約48μH(マイクロヘンリー)であり、それぞれの半分部分は約14μHであり、
パルス140のパルス継続時間144は、1マイクロ秒〜24マイクロ秒の範囲にあることができ、
抵抗器176及びコンデンサ178は、それぞれ1オーム〜100オーム及び0.1pF(ピコファラド)であり、
トランジスタ177のドレイン及びソースにわたる抵抗は、約005オーム〜10オームの範囲であることができる。
【0039】
1次コイル164のインダクタンス、抵抗器180及びコンデンサ182によって決定される1次ダンピング回路146の容量性負荷、並びに、示す例ではワイヤエミッター122及び基準電極124の容量性負荷を含む、電源出力168によって見られる容量性負荷は、
図4A及び
図4Bに関して上記で論じた、非イオン化波形62及びイオン化波形64又は非イオン化波形82及びイオン化波形84等の直列非対称波形の波形状を決定する。これらの連続的非対称波形は、パルス列60又は80等のパルス列を含み、電源出力168において電源126によって提供される。
図5Aでは、1次コイル164のインダクタンスは、10μH〜100μHの範囲にあるように選択することができ、負荷コンデンサンスは、3pF〜60pFの範囲にあるよう選択することができる。本明細書で開示される回路要素の全ての値及び型番は、本明細書で開示される種々の実施形態を限定することを意図されない。使用される実際の値は、設計されるイオナイザーの寸法及びタイプに応じて変わるであろう。
【0040】
電源126によって生成されるパルス列は、比較的高いスルーレートを有するように配設され、また、逓倍器、整流器、加算ブロック、又はこれらのコンポーネントの任意の組合せの使用を含まない比較的小さなフットプリントの高電圧変圧器を使用することにより電源126によって、正及び負のパルス列を、繰返し連続方式で生成することができる。各パルス列対のパルス繰返しレートは、中和のために選択されるデバイスを含むターゲット場所の距離において使用されるガス流、ターゲット場所で所望されるイオン濃度、又はこれらの因子の任意の組合せに応じて調整することができる。
【0041】
図5Aのイオンバランス制御回路132は、トランジスタ177、イオンバランス電極134、抵抗器184、抵抗器186、及びポテンショメーターと呼ばれることがある可変抵抗器188、並びにコンデンサ190を含む。トランジスタ177、コンデンサ190、及びポテンショメーター192を通して、イオンバランス制御回路132はまた、図示するようにグラウンド137に結合される。抵抗器184及び186は、イオンが電極134を通って流れるときにノード192に電圧を生成する。この電圧は、トランジスタ177のゲートから見られ、トランジスタ177が、トランジスタ177のソース及びドレインにわたる抵抗を変えるようにさせる。少量のバイアス電流が、抵抗器192によってトランジスタ177のゲートに付加されて、トランジシスタ177のターンオンバイアスを補償する。コンデンサ190は、ノード192で生成されるイオンバランス信号に影響を及ぼす場合があるパルスからのノイズをフィルタリングし、一方、抵抗器188は、イオンバランス電極で、又は、おそらくは
図1のターゲット場所42等のターゲット物体若しくはターゲット場所で、ゼロ等のイオン流れバランスを提供するように設定され得る。
【0042】
例として、任意の理由(周囲条件の変化、エミッターの汚染又は腐食、及び同様なもの)で、コロナ放電式マイクロパルスバイポーライオナイザー120からのイオン流が、負イオンより多くの正イオンを生成し始める場合、イオンバランス電極134は、正電荷を取得することになる。この正電荷は、抵抗器184、186、及び188にわたる電流を生成し、その電流が、ノード192及びトランジスタ177のゲートの電圧を増加させ、トランジスタ177のソース及びドレインにわたる抵抗を減少させる。トランジスタ177のソース及びドレインにわたる抵抗を減少させることは、電源126によって生成されるパルス列対について、
図4Bのイオン化波形84等の負パルス列のイオン化波形の最大電圧振幅及び負パルス列80を増加させる。負パルス列のイオン化波形の最大電圧振幅を増加させることは、負イオンに向かってイオンバランスを増加させる。このイオンバランスが負イオンに向かって傾くにつれて、電極134によって取得される正電圧が減少し始めることになり、それが、次に、トランジスタ177のゲートによって見られるノード192の電圧を減少させることになり、ついには、イオンバランス電極134で生成される正電荷が十分に減少するため、以前に選択されたターゲット場所のイオンバランスは、ほぼゼロに又は別の事前選択された値に回復する。
【0043】
同様に、電極134にわたるイオン流が負電圧を生成する場合、ノード192は、減少した電圧又は負電圧さえも取得し、トランジスタ177のゲートによって見られる電圧が減少し、トランジスタ177のドレイン及びソースにわたるトランジスタ177の抵抗が増加する。これは、負パルス列からのイオン化波形の最大電圧振幅を減少させ、それは、次に、負イオンの生成を減少させ、ついには、電極134の電圧又は電荷が十分に増加するため、以前に選択されたターゲット場所のイオンバランスは、ほぼゼロに又は別の事前選択された値に回復する。
【0044】
スパークサージ抑制器及びコロナ活動回路136は、スパークサージ抑制及びコロナ活動インジケーター機能を提供する。ダイオード194及び196並びにコンデンサ198は、スパークサージ抑制機能を提供する。電圧スパークが基準電極124を通して起こる場合、ダイオード194は、結果として得られるどんな負電流もグラウンド137を通して分流させ、したがって、トランジスタ200のベースを保護する。どんな正スパークサージ電流も、ダイオード196及びコンデンサ198を通してグラウンド137に分流される。
【0045】
スパークサージ抑制器及びコロナ活動回路136は、ワイヤエミッター122からのイオン電流、及び、基準電極124から、基準電極をワイヤエミッター122から分離する空間にわたって流れる誘起電気コロナノイズ信号からの任意の電流を受取る、基準電極124等の電極を使用することによってコロナ活動インジケーター機能を提供する。これらの電流は、インダクタ202によって電圧に変換され、ダイオード196によって整流され、コンデンサ198によってフィルタリングされ、それが、全体として、ノード204の電圧及びトランジスタ200のベースの電圧をもたらす。ノード204における電圧の変動によって、トランジスタ200のコレクタの電圧がノード204の電圧にほぼ比例して変動する。抵抗器206は、コレクタ及び12ボルトDC正電圧に結合され、プルダウン抵抗器として機能する。LED208のアノード端は、トランジスタのコレクタに結合され、一方、発光ダイオード(LED)208のカソード端はグラウンドに結合される。トランジスタ200のコレクタの電圧の変動は、マイクロパルスバイポーライオナイザー120によって生成されるイオン電流の関数として、LED208をフラッシュ又は変動させる。連携して又は代替として、トランジスタ200のコレクタの電圧を、マイクロプロセッサ又は等価物(図示せず)によって割り込み信号210としてサンプリング又は使用して、イオン生成の状態をマイクロプロセッサが判定することを可能にする。
【0046】
図6Aは、本発明の更なる別の実施形態による、エミッターに少なくとも1つのパルス列対を提供することによるコロナ放電によってバイポーライオンを生成するための方法を示す。220にて、
図1のパルス列対18、エミッター12、及びイオナイザー10等、少なくとも1つのパルス列対が、イオナイザーのエミッターに提供される。パルス列対は、
図2の正及び負のパルス列30及び32等の、順次に交互に起こる正パルス列及び負パルス列を含むように配設される。正パルス列は、イオン化正電圧波形を含み、負パルス列は、イオン化負電圧波形を含む。これらのイオン化正電圧波形及びイオン化負電圧波形は、エミッター及び基準電極にわたって電圧勾配を交互に生成し、コロナ放電によって、正イオン及び負イオンを含むイオン雲を生成する。
【0047】
図6Bは、本発明の代替の実施形態による、上記
図6Aに開示される方法に対するオプションの更なるステップを示す。
【0048】
222にて、非イオン化電圧波形は、イオン化波形がパルス列について生成される前に生成される。例えば(図示せず)、非イオン化負電圧波形は、
図4Aの正パルス列60等の正パルス列についてイオン化正波形を生成する前に生成することができる。同様に、非イオン化電圧波形は、
図4Bの負パルス列80等の負パルス列についてイオン化負波形を生成する前に生成することができる。
【0049】
図6Bに開示される本発明のなお更なる代替の実施形態によれば、224にて、非イオン化電圧波形は、それぞれ
図5Aの2次コイル170、高電圧変圧器166、及び1次コイル164等、変圧器の1次コイル上にエネルギーを貯蔵することによって高電圧変圧器の2次コイル上に生成される。226にて、この1次コイルの両端の電圧は、エネルギー電荷が放出されると生成され、2次コイルの両端にイオン化電圧波形を生成する。
【0050】
本発明は特定の実施形態で述べられたが、本発明は、こうした実施形態によって限定されるものとして解釈されるべきでないことが理解されるべきである。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲に従って解釈されるべきである。