特許第6018096号(P6018096)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6018096クロストリジウム・ディフィシレ診断法のためのアプタマー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018096
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】クロストリジウム・ディフィシレ診断法のためのアプタマー
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/115 20100101AFI20161020BHJP
   C12Q 1/68 20060101ALI20161020BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20161020BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20161020BHJP
   G01N 33/566 20060101ALI20161020BHJP
   G01N 33/569 20060101ALI20161020BHJP
   G01N 33/50 20060101ALN20161020BHJP
   G01N 33/15 20060101ALN20161020BHJP
【FI】
   C12N15/00 HZNA
   C12Q1/68 Z
   C12Q1/68 A
   G01N33/53 D
   G01N33/543 501D
   G01N33/566
   G01N33/569 F
   !G01N33/50 Z
   !G01N33/15 Z
【請求項の数】13
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2013-557932(P2013-557932)
(86)(22)【出願日】2012年3月9日
(65)【公表番号】特表2014-513929(P2014-513929A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】US2012028632
(87)【国際公開番号】WO2012122540
(87)【国際公開日】20120913
【審査請求日】2015年1月22日
(31)【優先権主張番号】61/451,227
(32)【優先日】2011年3月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510016254
【氏名又は名称】ソマロジック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】オクスナー,ウルス
(72)【発明者】
【氏名】カティリウス,イヴァルダス
(72)【発明者】
【氏名】ジャンジク,ネボジャ
【審査官】 西村 亜希子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/006075(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0317723(US,A1)
【文献】 モダンメディア,2010年,Vol.56, No.10,pp.233-241
【文献】 Chem. Commun.,2008年,No.16,pp.1883-1885
【文献】 PLoS One,2010年,Vol.5, No.12,p.e15004
【文献】 Abstracts of the General Meeting of the American Society for Microbiology,2011年 5月21日,Vol.111,p.639
【文献】 J. Bacteriol.,2007年,Vol.189, No.20,pp.7290-7301
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/
G01N 33/
C12Q 1/68
CA/REGISTRY/MEDLINE/BIOSIS/WPIDS/EMBASE(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)トキシンの存在を検出する方法であって、該方法は、被験試料をクロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)により産生されるトキシンに結合するアプタマーと接触させることを含み、
該アプタマーは:
クロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)トキシンAに結合する、配列番号9の配列を含むアプタマーであるか;または
クロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)トキシンBに結合する、配列番号67〜71からなる群から選択される配列を含むアプタマーである、
前記方法。
【請求項2】
前記アプタマーがさらに少なくとも1つの追加の化学修飾を含み、その少なくとも1つの追加の化学修飾が、独立してリボース位置、デオキシリボース位置、ホスフェート位置、および塩基位置からなる群から選択される1以上の位置における化学置換である、請求項に記載の方法
【請求項3】
前記少なくとも1つの追加の化学修飾が、独立して2’−アミノ(2’−NH)、2’−フルオロ(2’−F)、2’−O−メチル(2’−OMe)、シトシン環外アミンにおける修飾、5−ブロモウラシルの置換、5−ブロモデオキシウリジンの置換、5−ブロモデオキシシチジンの置換、主鎖修飾、メチル化、3’キャップ、および5’キャップからなる群から選択される、請求項に記載の方法
【請求項4】
クロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)トキシンAに結合する前記アプタマーがクロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)トキシンA対して30nM以下のKもつ、請求項1〜3のいずれかに記載の方法
【請求項5】
クロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)トキシンBに結合する前記アプタマーがクロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)トキシンBに対して30nM以下のKを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の方法
【請求項6】
前記アプタマーがヌクレアーゼ耐性である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記アプタマーがスロー オフレートをもつ、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
検出方法がプルダウンアッセイ、ドットブロットアッセイ、PCRアッセイ、またはサンドイッチアッセイから選択される、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
検出方法がサンドイッチアッセイである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
サンドイッチアッセイがアプタマー−標的−抗体アッセイであり、その際、アプタマーを支持体に固定化し、固定化されたアプタマーに結合した標的を、抗体を用いて検出する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
サンドイッチアッセイが抗体−標的−アプタマーアッセイであり、その際、抗体を支持体に固定化し、固定化された抗体に結合した標的を、アプタマーを用いて検出する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
サンドイッチアッセイがアプタマー−標的−アプタマーアッセイであり、その際、第1アプタマーを支持体に固定化し、固定化された第1アプタマーに結合した標的を、第2アプタマーを用いて検出する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
検出方法がクロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)により産生されるトキシンの定量測定を提供する、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の引照
本出願は、35 U.S.C. § 119(e)のもとで、2011年3月10日に出願されたProvisional Application Serial No. 61/451,227に基づく優先権を主張し、その開示内容全体を本明細書に援用する。
【0002】
発明の分野
[0001] 本発明は、一般に核酸の分野、より具体的にはクロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)により産生されるトキシンに結合することができる、クロストリジウム・ディフィシレの診断検査に有用なアプタマーに関する。本発明はさらに、クロストリジウム・ディフィシレ汚染または感染を診断するための材料および方法に関する。
【0003】
[0002] その全体を本明細書に援用するものは、2012年3月9日に作製したサイズ9キロバイトの“20120221SequenceListing005741_ST25.txt”と題する配列リストである。
【背景技術】
【0004】
[0003] 以下の記載は、本発明に関連する情報の概要を提示し、本明細書に提示する情報または引用する刊行物のいずれかが本発明の先行技術であると認めるものではない。
【0005】
[0004] クロストリジウム・ディフィシレ感染(CDI)は、この数年にわたって世界的に増加している。臨床的および経済的影響はかなり大きく、米国だけで1年に50万を超える症例およびCDI管理のための推定経費32億ドルを伴う(O’Brien, J.A., et al., Infect. Control Hosp. Epidemiol., 2007. 28(11): p. 1219-27)。
【0006】
[0005] CDIは、下痢を特徴とする大腸の炎症状態であり、軽症から激症までの重症度に及ぶ可能性がある。より重篤なCDI症候群は、偽膜性腸炎および中毒性巨大結腸症である。大部分のCDI症例は、入院中または養護ホームの高齢患者に起きる。しかし、入院は健康な成人についても定着のリスクを高める。米国で、CDI入院およびCDI関連症例致死率は2000〜2005年で倍増した。最近の大発生が多数報告されており、それらにおいてCDI症例は主にクローン性であった。BI/NAP1/027と分類される株タイプが半数以上の症例に関与しており、この集団“大発生”株の特徴は、高い罹患率および死亡率、より高い抗生物質(たとえば、フルオロキノリン類)耐性、tcdCバリアント遺伝子の存在、ならびにきわめて高いトキシン産生である(Freeman, J., et al., Clin. Microbiol. Rev., 2010. 23(3): p. 529-49; Rupnik, M., M.H. Wilcox, and D.N. Gerding, Nat. Rev. Microbiol., 2009. 7(7): p. 526-36)。
【0007】
[0006] 抗生物質の使用は、それを使用しなければクロストリジウム・ディフィシレを抑制する正常な腸内細菌叢をかく乱するため、CDIに対する強い素因である。胞子の経口摂取はクロストリジウム・ディフィシレがヒトの腸に定着する主な経路である。胞子は消毒剤に対して著しく抵抗性であり、その環境で生存性または病原性をほとんど失うことなく12か月以上生き残ることができる。胞子は、処置後に再発するCDI症例の20〜25%に関与することも指摘されている。CDIに対する現在の処置計画は、バンコマイシンまたはメトロニダゾールである。CDIの再発率を低下させる有望性をもつ新たなより選択的な幾つかの薬剤が、臨床開発中である。
【0008】
[0007] 腸裏層の炎症は、クロストリジウム・ディフィシレが発現する2種類のトキシン(トキシンAおよびトキシンB)により引き起こされる。トキシンAおよびトキシンBはグルコシルトランスフェラーゼであり、Rasスーパーファミリーの小型の宿主GTPaseをターゲティングする。それらは19.6kbの病原性遺伝子座にコードされ、これらのトキシン遺伝子を欠如する株は非病原性である。トキシン産生株は、病原性遺伝子座内の配列変動性に従ったトキシノタイプ(toxinotype)にさらに分類することができる。トキシンAまたはトキシンBのいずれかだけを産生する同質遺伝子型変異体の使用により示されるように両方のトキシンがCDIに関与し、インビトロで細胞毒性であり、インビボでビルレントであった(Kuehne, S.A., et al., Nature, 2010. 467(7316): p. 711-3)。不活化したトキシンAおよびB(トキソイド)に基づくワクチン原型ならびに抗トキシンモノクローナル抗体が、再発性CDIを予防するそれらの有効性について試験中である。
【0009】
[0008] トキシンAおよびトキシンBは、構造的に関係のあるMW約300kDaの大型トキシンであり、アミノ末端触媒ドメイン(グルコシルトランスフェラーゼ)、中心ペプチダーゼC80ドメイン、トランスロケーションドメイン、および多重カルボキシ末端β−ヘアピン反復配列からなる。クロストリジウムトキシンの作用機序は、胃腸細胞の表面に存在する炭水化物へのこれらのβ−ヘアピン反復配列の結合、エンドペプチダーゼ仲介による開裂、および触媒ドメインのインターナリゼーションを伴うことが示されている(Pfeifer, G., et al., J. Biol. Chem., 2003. 278(45): p. 44535-41)。
【0010】
[0009] 若干のクロストリジウム・ディフィシレ株は、ADP−リボシルトランスフェラーゼ活性をもつバイナリートキシン(binary toxin)を産生する。発病に際してのそれの役割は不明であるが、バイナリートキシンの存在は集団発生株BI/NAP1/027の良好なマーカーである。バイナリートキシンは2つのサブユニット、すなわちアクチンADP−リボシルトランスフェラーゼであるバイナリートキシンA鎖および細孔形成性のバイナリートキシンB鎖からなる。それらは細菌細胞から個別のポリペプチドとして分泌され、結合して強力なサイトトキシンを形成する能力をもち、これはベロ細胞を死滅させることが示されている(Sundriyal, A., et al., Protein Expr. Purif., 2010. 74(1): p. 42-8)。
【0011】
[0010] 患者のケア、感染の制御および探査のためには、迅速かつ正確なCDI診断が重要である。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンAおよびBは十分に病原体特異的な標的であるのでそれらは高い臨床診断関連性をもち、それらの存在の立証がCDI診断にとって重要である。現在用いられているCDI診断検査はすべて定性的であり、3タイプのいずれかに属する:(i)サイトトキシンアッセイ(組織培養)、(ii)非分子的トキシン試験(EIA)、および(iii)分子試験(PCR)。
【0012】
[0011] 組織培養に基づくサイトトキシンアッセイはゴールドスタンダードであると考えられるが、煩雑であって大部分の臨床検査室は日常的に実施することができない。本質的に、このアッセイはクロストリジウム・ディフィシレのトキシンを細胞培養におけるそのトキシンの細胞障害作用により検出し、これは特異的な抗血清で中和することができる。細胞毒性アッセイは10pg程度の少量のトキシンBを検出し、FDAが2010年11月に発表した“Draft Guidance for Industry and Food and Drug Administration Staff Establishing the Performance Characteristics of In Vitro Diagnostic Devices for the Detection of Clostridium difficile”の510(k)提案について推奨される確認試験である;http://www.fda.gov/MedicalDevices/DeviceRegulationandGuidance/GuidanceDocuments/ucm234868.htm.2010。
【0013】
[0012] CDIについての分子試験は幾つかの診断会社から入手できる。CepheidのGeneXpert(商標)試験は多重PCR(tcdB、cdt、tcdC)に基づき、宣伝によれば>95%の感度および特異性を備え、結果を得るまでの時間は30分である。Meridianのillumigene(商標)クロストリジウム・ディフィシレ試験は等温ループ(isothermal loop)増幅によりトキシン産生領域の存在を検出し、宣伝によれば1時間以内に結果が得られる。BDのGeneOhm(商標)CdiffアッセイはトキシンB遺伝子(tcdB)を糞便試料から直接検出するためのリアルタイムPCR法であり、2時間未満のアッセイプロトコル時間、93.8%の感度、および95.5%の特異性を備えている。Gen−ProbeはProdesse ProGastro Cd試験を提供し、これもトキシンB遺伝子(tcdB)をPCRにより検出し、3時間以内に91.7%の感度および94.7%の特異性で結果が得られると宣伝されている。
【0014】
[0013] CDIの疑いがある患者からの糞便試料においてクロストリジウム・ディフィシレのトキシンを検出するための非分子試験も入手できる。エンザイムイムノアッセイ(EIA)は、クロストリジウム・ディフィシレの共通抗原およびトキシンA/B抗原について最も広く用いられている迅速検出法であるが、従来のEIAがもつ感度および特異性はさほど高くない。ウェル型EIAのうち、MeridianのPremier(商標)トキシンA/B試験およびTechlabのTOX A/B II(商標)試験は最も性能の良いELISAであると考えられ、糞便検体中の両トキシンを1時間未満で検出する。これらのアッセイは、独立して試験した場合に約80%の感度および98%の特異性を備えていた。Premier(商標)トキシンA/B(Meridian)およびクロストリジウム・ディフィシレTOX A/B II(商標)(TechLab)のためのトキシンB抗体は、並行試験した場合にそれぞれ125pgおよび250pgのトキシンBを検出することができた(Novak-Weekley, S.M. and M.H. Hollingsworth. Clin Vaccine Immunol, 2008. 15(3): p. 575-8)。他の多数のウェル型EIAアッセイが市販されている(GAのクロストリジウム・ディフィシレ抗原、R−BiopharmのRidascreen(商標)トキシンA/B;RemelのProSpect(商標)トキシンA/B)が、米国では用いられる頻度はより低い。側方流装置を用いて実施されるメンブレンEIAアッセイは、MeridianのImmunoCard(商標)トキシンAおよびB、TechlabのTox A/B Quik Chek(商標)、およびRemelのXpect(商標)アッセイである。
【0015】
[0014] 市販されている自動試験が1つある:bioMerieuxのVIDAS(商標)クロストリジウム・ディフィシレトキシンAおよびB;これは、トキシン試験および培養に基づく同定を、API(登録商標)20AストリップおよびDiversiLab(登録商標)による自動細菌遺伝子型判定と組み合わせたものである。
【0016】
[0015] アプタマーに基づくクロストリジウム・ディフィシレのトキシン試験は、EIAと同様に分子試験に優る利点をもち、多大な設備投資または高価な試薬を必要としない。アプタマーは、EIAなどの非分子アッセイに現在用いられている抗体に優る幾つかの顕著な利点をもつ:一般に、アプタマーはより低い分子量をもち、より高い多重化能(低い交差反応性、広範に適用できるアッセイ条件)、化学的安定性(熱、乾燥、および溶媒に対する;可逆的復元)を備え、試薬製造の容易さ、一貫したロット間性能を備え、より低いコストで製造できる。
【0017】
[0016] アプタマーは、実質的にいかなるタンパク質標的に対しても、すなわちトキシンA/Bだけでなくバイナリートキシン(それについて、抗体に基づく試験法であって本出願人が知っているものはない)に対しても作製できる。検出および読出しの方法は既存の試験法のものと同じであってよく、したがって装置の必要性および訓練の要件は最小限に抑えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】O’Brien, J.A., et al., Infect. Control Hosp. Epidemiol., 2007. 28(11): p. 1219-27
【非特許文献2】Freeman, J., et al., Clin. Microbiol. Rev., 2010. 23(3): p. 529-49
【非特許文献3】Rupnik, M., M.H. Wilcox, and D.N. Gerding, Nat. Rev. Microbiol., 2009. 7(7): p. 526-36
【非特許文献4】Kuehne, S.A., et al., Nature, 2010. 467(7316): p. 711-3
【非特許文献5】Pfeifer, G., et al., J. Biol. Chem., 2003. 278(45): p. 44535-41
【非特許文献6】Sundriyal, A., et al., Protein Expr. Purif., 2010. 74(1): p. 42-8
【非特許文献7】“Draft Guidance for Industry and Food and Drug Administration Staff Establishing the Performance Characteristics of In Vitro Diagnostic Devices for the Detection of Clostridium difficile”, 510(k), November 2010 FDA
【非特許文献8】Novak-Weekley, S.M. and M.H. Hollingsworth. Clin Vaccine Immunol, 2008. 15(3): p. 575-8
【発明の概要】
【0019】
[0017] 本発明は、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに結合する種々のアプタマーを提供する。そのようなアプタマーを含む診断キットおよび診断方法、ならびにそのようなアプタマーを作製および使用する方法が含まれる。
【0020】
[0018] 提供するアプタマーは、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンA、トキシンB、バイナリートキシンA鎖、またはバイナリートキシンB鎖に結合する。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンを検出するための診断方法であって、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーを含む方法を提供し、これにはプルダウンアッセイ(pull-down assay)、ドットブロットアッセイ、PCRアッセイ、およびサンドイッチアッセイが含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
[0019] 提供するアプタマーは、場合により、C−5位において修飾した少なくとも1つのピリミジンを含み、かつ少なくとも1つの追加の化学修飾を含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに結合するアプタマーであってトキシンからのスローオフレート(slow off-rate、遅い解離速度)をもつもの、およびそのようなアプタマーを同定または作製するための方法も提供される。さらに、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに結合するアプタマーであってヌクレアーゼ耐性をもつもの、およびそのようなアプタマーを同定または作製するための方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】[0020] 図1Aは下記を示す;クロストリジウム・ディフィシレのトキシンA(rTcdA)の結晶構造:5つのカルボキシ末端−受容体結合反復配列を含む(Ho, J.G., et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2005. 102(51): p. 18373-8);アフィニティークロマトグラフィーにより精製した組換えタグ付きタンパク質としてのトキシンAの精製:Ni−NTAアガロースおよびStrep・Tactin樹脂を用い、トキシンAのHisタグおよびStrepタグを利用;ならびに、トキシンAをコードするトキシン遺伝子(tcdA)の対応する部分のPCR増幅。
図1B図1Bは下記を示す;クロストリジウム・ディフィシレのトキシンB(rTcdB)の結晶構造:アミノ末端触媒ドメイン(Reinert, D.J. et al. (2005), J. Mol. Biol. 351: 973-981);アフィニティークロマトグラフィーによる組換えタグ付きタンパク質としてのトキシンBの精製:Ni−NTAアガロースおよびStrep・Tactin樹脂を用い、トキシンBのHisタグおよびStrepタグを利用;ならびに、トキシンBをコードするトキシン遺伝子(tcdB)の対応する部分のPCR増幅。
図1C図1Cは下記を示す;全長クロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンA鎖(rCdtA)の結晶構造(Sundriyal, A., et al., J Biol. Chem. 2009. 284(42): p. 28713-9);アフィニティークロマトグラフィーによる組換えタグ付きタンパク質としてのバイナリートキシンA鎖の精製:Ni−NTAアガロースおよびStrep・Tactin樹脂を用い、バイナリートキシンA鎖のHisタグおよびStrepタグを利用;ならびに、バイナリートキシンA鎖をコードするトキシン遺伝子(cdtA)の対応する部分のPCR増幅。
図1D図1Dは下記を示す;全長クロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンB鎖(rCdtB)のモデル構造;アフィニティークロマトグラフィーによる組換えタグ付きタンパク質としてのバイナリートキシンB鎖の精製:Ni−NTAアガロースおよびStrep・Tactin樹脂を用い、バイナリートキシンB鎖のHisタグおよびStrepタグを利用;ならびに、バイナリートキシンB鎖をコードするトキシン遺伝子(cdtB)の対応する部分のPCR増幅。
図2-1】[0021] 図2Aは、トキシンAアプタマーを用いる組換えおよび天然トキシンAのプルダウンアッセイの結果を示し、これは対照タンパク質であるトキシンBまたはBSAを上回る高い特異性を示す。図2Bは、トキシンBアプタマーを用いる組換えおよび天然トキシンBのプルダウンアッセイの結果を示し、これは対照タンパク質である組換えおよび天然トキシンAを上回る高い特異性を示す表す。
図2-2】図2Cは、バイナリートキシンA鎖に対するアプタマーによるバイナリートキシンのプルダウンアッセイの結果を示し、これはバイナリートキシンA鎖に対してバイナリートキシンB鎖および対照タンパク質BSAを上回る特異性を示す。図2Dは、ランダムアプタマーによる組換えおよび天然トキシンAならびに組換えおよび天然トキシンBのプルダウンアッセイの結果を示し、これはプルダウン画分にタンパク質が存在しないことを示す。
図3】[0022] 図3Aは、トキシンAに対するビオチニル化アプタマーおよびストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲートを用いるドットブロットにおける、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンAの検出を示す。図3Bは、トキシンBに対するビオチニル化アプタマーおよびストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲートを用いるドットブロットにおける、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンBの検出を示す。
図4】[0023] 図4Aは、トキシンAと複合体形成したアプタマーを含有する試料から溶出したアプタマーのqPCRによるトキシンAの定量検出を示し、その際、トキシンAの代理測定としてアプタマーを定量測定する前に、結合していないアプタマーを除去した。図4Bは、トキシンBと複合体形成したアプタマーを含有する試料から溶出したアプタマーのqPCRによるトキシンBの定量検出を示し、その際、トキシンBの代理測定としてアプタマーを定量測定する前に、結合していないアプタマーを除去した。
図5A】[0024] 図5Aは、ストレプトアビジンプレートサンドイッチ(アプタマー−標的−抗体)アッセイによるクロストリジウム・ディフィシレのトキシンAの検出結果を示す;トキシンAに対するビオチニル化アプタマーおよびトキシンAに対するマウスモノクローナル抗体を用い、ヤギ抗マウス抗体で検出した。
図5B図5Bは、ストレプトアビジンプレートサンドイッチ(アプタマー−標的−抗体)アッセイによるクロストリジウム・ディフィシレのトキシンBの検出結果を示す;トキシンBに対するビオチニル化アプタマーおよびトキシンBに対するマウスモノクローナル抗体を用い、ヤギ抗マウス抗体で検出した。
図6】[0025] 図6は、ニトロセルロース上でのサンドイッチ(抗体−標的−アプタマー)アッセイによるクロストリジウム・ディフィシレのトキシンAおよびBの検出結果を示す;その際、モノクローナル抗体をニトロセルロース上にスポットし、風乾し、ブロックし、トキシンAおよびBを含有する試料を添加し、洗浄し、ビオチニル化アプタマーを添加し、洗浄し、そしてストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲートで顕色させた。
図7】[0026] 図7は、サンドイッチ(アプタマー−標的−アプタマー)アッセイによるクロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンA鎖の検出結果を示す;バイナリートキシンA鎖に対する第1ビオチニル化アプタマーをストレプトアビジンビーズに付着させ、標的を添加し、バイナリートキシンA鎖に対する第2の放射性標識アプタマーを添加した。
図8】[0027] 図8は、キャッチ(Catch)1−キャッチ(Catch)2アッセイの関連段階を示す。
図9-1】[0028] 図9は、本明細書に記載するアプタマーの作製方法に使用できるC−5修飾ピリミジンの例を示す。
図9-2】図9続き。
図9-3】図9続き。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[0029] 本発明の代表的態様について以下に詳細に述べる。列記した態様に関連して本発明を記載するが、本発明をそれらの態様に限定することを意図したものでないことは理解されるであろう。そうではなく、本発明は特許請求の範囲により定義される本発明のすべての別形態、改変形態および均等物を含むものとする。
【0024】
[0030] 当業者には、本明細書に記載するものと類似または同等な多数の方法および材料が認識されるであろう;それらは本発明の実施に際して使用でき、本発明の範囲に含まれる。本発明は記載した方法および材料に決して限定されない。
【0025】
[0031] 別途定義しない限り、本明細書中で用いる技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野(単数または複数)の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味をもつ。本明細書に記載するものと類似または同等な方法、装置および材料をいずれも本発明の実施または試験に使用できるが、好ましい方法、装置および材料を以下に記載する。
【0026】
[0032] 本明細書に引用したすべての刊行物、公開された特許書類、および特許出願は、本発明が関係する技術分野(単数または複数)の技術水準の指標となる。本明細書に引用したすべての刊行物、公開された特許書類、および特許出願を、個々の刊行物、公開された特許書類、および特許出願が具体的かつ個々に援用すると指摘されたと同じ程度に、本明細書に援用する。
【0027】
[0033] 特許請求の範囲を含めて本明細書中で用いる単数形“a”、“an”および“the”は、内容からそうではないことが明らかに要求されない限り複数表記を含み、“少なくとも1つ”および“1以上”と互換性をもって用いられる。たとえば、“アプタマー”という記述はアプタマーの混合物を含む、など。
【0028】
[0034] 本明細書中で用いるように、用語“約”は、数値の有意ではない修飾または変動を表わし、したがってその数値が関係する品目の基本的機能は変化しない。
【0029】
[0035] 本明細書中で用いるように、用語“アプタマークローン”は、特定のヌクレオチド配列のアプタマーを表わす。アプタマークローンは、本明細書中で“アプタマーID No.”および“SEQ ID NO:”により示される。
【0030】
[0036] 本明細書中で用いるように、“競合分子”と“競合体”は、非標的分子と非特異的複合体を形成しうるいずれかの分子を表わすために互換性をもって用いられる。“競合分子”または“競合体”は、1つの分子タイプまたは分子種のコピーのセットである。“競合分子類”または“競合体類”は、1より多いそのような分子のセットを表わす。競合分子には、オリゴヌクレオチド、ポリアニオン(たとえば、ヘパリン、一本鎖サケ精子DNA、およびポリデキストラン(たとえば、デキストラン硫酸))、非塩基ホスホジエステルポリマー、dNTP、およびピロホスフェートが含まれる。競合体を用いる動的攻撃(kinetic challenge)の場合、競合体はアプタマーと非特異的複合体を形成しうるいずれかの分子であってよい。そのような競合分子には、ポリカチオン(たとえば、スペルミン、スペルミジン、ポリリジン、およびポリアルギニン)およびアミノ酸(たとえば、アルギニンおよびリジン)が含まれる。
【0031】
[0037] 表4、6、8および10で用いるように、用語“カウント”は、SELEXにより得られたプールからクローニングおよび配列決定したすべてのアプタマーのうち特定のアプタマー配列の出現数を表わす。
【0032】
[0038] 本明細書中で用いるように、用語“ドットブロット”は、検出すべき標的分子を含有する混合物を支持体上にドットとして直接適用し、続いて標的分子の存在を親和性分子により検出するアッセイを表わし、その際、親和性分子はアプタマーまたは抗体であってもよいが、それらに限定されない。
【0033】
[0039] 用語“それぞれ(各)”は、本明細書中で複数の品目を表わすために用いる場合、少なくとも2つの品目を表わすものとする。その複数を形成するすべての品目が関連の追加限定を満たす必要はない。
【0034】
[0040] 本明細書中で用いるように、用語“含む”(“comprises”、“comprising”、“includes”、“including”、“contains”、“containing”)およびそのいずれかの変形は、排他的ではない包含をカバーするためのものであり、したがって、ある要素または要素のリストを含む(comprises、includes、contains)プロセス、方法、プロセス生成物または組成物は、それらの要素を含むだけでなく、明確に挙げていないかまたはそのようなプロセス、方法、プロセス生成物または組成物に本来は付随しない他の要素を含む可能性がある。
【0035】
[0041] 本明細書中で用いるように、“コンセンサス配列”は、一連の関連核酸に関して用いる場合、その配列中の各位置の塩基の最も一般的な選択肢を反映するヌクレオチド配列を表わし、その際、その一連の関連核酸には数学的分析および/または配列分析が施されている。
【0036】
[0042] 本明細書中で用いるように、用語“ヌクレオチド”は、リボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチドまたはその修飾形態、およびその類似体を表わす。ヌクレオチドには、プリン類(たとえば、アデニン、ヒポキサンチン、グアニン、およびそれらの誘導体および類似体)およびピリミジン類(たとえば、シトシン、ウラシル、チミン、およびそれらの誘導体および類似体)を含む種が含まれる。
【0037】
[0043] 本明細書中で用いるように、用語“核酸”、“オリゴヌクレオチド”および“ポリヌクレオチド”は、ヌクレオチドのポリマーを表わすために互換性をもって用いられ、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、ならびにこれらの種類の核酸、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの修飾体を含み、これにはいずれかの位置のヌクレオチド単位への種々の構成要素または部分の結合が含まれる。用語“ポリヌクレオチド”、“オリゴヌクレオチド”および“核酸”には、一本鎖または二本鎖の分子および三重らせん分子が含まれる。核酸、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは用語アプタマーより広い用語であり、したがって核酸、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドという用語にはアプタマーであるヌクレオチドポリマーが含まれるが、核酸、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドという用語はアプタマーに限定されない。
【0038】
[0044] 本明細書中で用いるように、用語“修飾する”、“修飾した”、“修飾”、およびそのいずれかの変形は、オリゴヌクレオチドに関して用いる場合、オリゴヌクレオチドの4種類の構成ヌクレオチド塩基(すなわち、A、G、T/U、およびC)のうち少なくとも1つが天然ヌクレオチドの類似体またはエステルであることを意味する。ある態様において、修飾したヌクレオチドはそのオリゴヌクレオチドにヌクレアーゼ耐性を付与する。C−5位が置換されたピリミジンは修飾したヌクレオチドの一例である。修飾には、主鎖修飾、メチル化、異例の塩基対合組合わせ、たとえばイソ塩基であるイソシチジンおよびイソグアニジンなどを含めることができる。修飾には、3’および5’修飾、たとえばキャッピングも含めることができる。他の修飾には、1以上の天然ヌクレオチドを類似体で置換すること、ヌクレオチド間修飾、たとえば下記のものを含めることができる:非荷電結合(たとえば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)を含むもの、および荷電結合(たとえば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を含むもの、インターカレーター(たとえば、アクリジン、プソラレン(psoralen)など)を含むもの、キレーター(たとえば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化性金属など)を含むもの、アルキレーターを含むもの、ならびに修飾された結合(たとえば、アルファアノマー核酸など)を含むもの。さらに、ヌクレオチドの糖に通常存在するヒドロキシル基のいずれかをホスホネート基またはホスフェート基により置き換えること;標準的な保護基で保護すること;あるいは追加ヌクレオチドまたは固体支持体への追加結合を作製するために活性化することができる。5’および3’末端OH基をリン酸化することができ、あるいはアミン、炭素原子約1から約20個までの有機キャッピング基部分、1態様においては約10から約80kDaまでの範囲のポリエチレングリコール(PEG)ポリマー、他の態様においては約20から約60kDaまでの範囲のPEGポリマー、または他の親水性もしくは疎水性の生体ポリマーもしくは合成ポリマーで置換することができる。1態様において、修飾はピリミジン類のC−5位の修飾である。これらの修飾は、C−5位においてアミド結合によって直接に、または他のタイプの結合によって作製することができる。
【0039】
[0045] ポリヌクレオチドは、当技術分野で一般に知られている類似形態のリボース糖またはデオキシリボース糖を含むこともでき、これには下記のものが含まれる:2’−O−メチル−、2’−O−アリル、2’−フルオロ−もしくは2’−アジド−リボース、炭素環式糖類似体、α−アノマー糖、エピマー糖、たとえばアラビノース、キシロースもしくはリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース類、非環式類似体および非塩基ヌクレオシド類似体、たとえばメチルリボシド。前記に述べたように、1以上のホスホジエステル結合を代替連結基により置き換えることができる。これらの代替連結基にはホスフェートが下記のもので置き換えられた態様が含まれる:P(O)S(“チオエート”)、P(S)S(“ジチオエート”)、(O)NR(“アミデート”)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH(“ホルムアセタール”);これらにおいてRまたはR’はそれぞれ独立して、H、または置換もしくは非置換アルキル(1〜20C)(場合により、エーテル(−O−)結合を含む)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはアラルジルである。ポリヌクレオチド中のすべての結合が同一である必要はない。たとえばポリアミド主鎖などの代替主鎖構造がそうであるように、類似形態の糖類、プリン類およびピリミジン類の置換が最終生成物の設計に際して有利な可能性がある。
【0040】
[0046] 本明細書中で用いるように、用語“C−5修飾ピリミジン”は、C−5位が修飾されたピリミジンを表わし、これには図9に示す部分が含まれるが、それらに限定されない。C−5修飾ピリミジンの例には、U.S. Pat. Nos. 5,719,273および5,945,527に記載されるものが含まれる。C−5修飾ピリミジンの例には、C−5位のデオキシウリジンを独立して下記のものから選択される置換基で置換したものが含まれる:ベンジルカルボキシアミド(別名ベンジルアミノカルボニル)(Bn)、ナフチルメチルカルボキシアミド(別名ナフチルメチルアミノカルボニル)(Nap)、トリプタミノカルボキシアミド(別名トリプタミノカルボニル)(Trp)、チロシルカルボキシアミド(別名チロシルアミノカルボニル)(Tyr)、2−ナフチルメチルカルボキシアミド(別名2−ナフチルメチルアミノカルボニル)(2Nap)およびフェネチル−1−カルボキシアミド(別名フェネチル−1−アミノカルボニル)(PE);これらを以下に示す。
【0041】
【化1】
【0042】
[0047] C−5修飾ピリミジンの化学修飾を、単一またはいずれかの組合わせの2’位−糖修飾、環外アミンにおける修飾、および4−チオウリジンの置換などと組み合わせることもできる。
【0043】
[0048] 代表的なC−5修飾ピリミジンには下記のものが含まれる:5−(N−ベンジルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(BndU)、5−(N−ベンジルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−ベンジルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、5−(N−トリプタミノカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(TrpdU)、5−(N−トリプタミノカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−トリプタミノカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、5−(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(NapdU)、5−(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−ナフチルメチルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、5−(N−チロシルカルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(TyrdU)、5−(N−チロシルカルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−チロシルカルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、5−(N−(2−ナフチルメチル)カルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(2NapdU)、5−(N−(2−ナフチルメチル)カルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、5−(N−(2−ナフチルメチル)カルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン、5−(N−フェネチル−1−カルボキシアミド)−2’−デオキシウリジン(PEdU)、5−(N−フェネチル−1−カルボキシアミド)−2’−O−メチルウリジン、または5−(N−フェネチル−1−カルボキシアミド)−2’−フルオロウリジン。
【0044】
[0049] ヌクレオチド構造に対する修飾が存在する場合、それはポリマーの組立て前または後に付与することができる。ヌクレオチドの配列を非ヌクレオチド成分により中断することができる。ポリヌクレオチドを、重合後にさらに、たとえば標識用成分とのコンジュゲーションにより修飾することができる。
【0045】
[0050] 本明細書中で用いるように、用語“少なくとも1つのピリミジン”は、核酸の修飾について述べる場合、核酸中の1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、またはすべてのピリミジンを表わす;これは、核酸中に出現するいずれかまたはすべてのC、TまたはUのいずれかまたはすべてが修飾されていてもよく、あるいは修飾されていなくてもよいことを示す。
【0046】
[0051] 本明細書中で用いるように、用語“動的攻撃する(kinetically challenge)”および“動的攻撃(kinetic challenge)”は、アプタマー親和性複合体および非特異的複合体を含有する複合体セットから、動的負荷(kinetic pressure)をかけ、そのような複合体クラスの構成要素の親和特性(解離速度を含む)の相異を利用することにより、アプタマー親和性複合体を富化するプロセスを表わす。アプタマー−標的複合体と比較してアプタマー−非標的複合体が一般に減少するので、動的攻撃によって一般に特異性が増大する。本明細書中で用いるように、用語“動的負荷”は、複合体が自然解離するきっかけを与えるための、および/または複合体から自然解離した分子が再結合するのを阻害するための手段を表わす。動的負荷は、競合分子の添加により、または試料の希釈により、または複合体を固体支持体に結合させた際に徹底的に洗浄することにより、または当業者に既知である他のいずれかの手段により適用できる。当業者に認識されるように、動的攻撃は一般にアプタマー親和性複合体とアプタマー−非標的複合体の解離速度の相異に依存するので、動的攻撃の期間は、高い割合のアプタマー親和性複合体を保持し、一方でアプタマー−非標的複合体の個数を実質的に減らすように選択される。動的攻撃が有効であるためには、アプタマー親和性複合体の解離速度は、好ましくはアプタマー−非標的複合体のものより有意に低い。特定の特性を含むようにアプタマーを選択できるので、アプタマー親和性複合体の構成要素が相対的に低い解離速度、すなわちスローオフレートをもつように設計することができる。
【0047】
[0052] 本明細書中で用いるように、用語“核酸リガンド”、“アプタマー”および“クローン”は、自然界に存在しない核酸であって標的分子に対して望ましい作用をもつものを表わすために、互換性をもって用いられる。望ましい作用には下記のものが含まれるが、それらに限定されない:標的を結合する、触媒作用により標的を変化させる、標的または標的の機能活性を修飾または変更するように標的と反応する、標的に共有結合する(自殺阻害剤の場合のように)、および標的と他の分子との反応を促進する。1態様において、その作用は標的分子に対する特異的結合親和性であり、そのような標的分子はポリヌクレオチド以外の三次元化学構造体であって、ワトソン/クリック塩基対合または三重らせん形成とは別の機序により核酸リガンドに結合する;その際、アプタマーは標的分子が結合する既知の生理的機能をもつ核酸ではない。特定の標的に対するアプタマーには核酸の候補混合物から下記を含む方法により同定される核酸が含まれ、その際、アプタマーは標的のリガンドである:(a)候補混合物を標的と接触させる;その際、候補混合物中の他の核酸と対比して標的に対する高い親和性をもつ核酸を候補混合物の残りのものから分配することができる;(b)親和性の高い核酸を候補混合物の残りのものから分配する;そして(c)親和性の高い核酸を増幅してリガンドに富む混合物を得る;これにより、標的分子のアプタマーが同定される。親和性相互作用が程度問題であることは認識されている;しかし、これに関して、アプタマーの標的に対するアプタマーの“特異的結合親和性”は、一般的にアプタマーが混合物または試料中の他の非標的成分に結合するよりはるかに高い親和度でそれの標的に結合することを意味する。“アプタマー”または“核酸リガンド”は、特定のヌクレオチド配列をもつ1つのタイプまたは種の核酸分子のコピーのセットである。アプタマーは、いずれか適切な個数のヌクレオチドを含むことができる。“アプタマー類”は、1より多いそのような分子のセットを表わす。異なるアプタマーは同一または異なる個数のヌクレオチドをもつことができる。アプタマーはDNAまたはRNAであってもよく、一本鎖、二本鎖であってもよく、あるいは二本鎖または三本鎖の領域を含んでもよい。
【0048】
[0053] 本明細書中で用いるように、IUPACヌクレオチド不確定コード(ambiguity code)は下記のものである:M=AまたはC;R=AまたはG;W=AまたはN;S=CまたはG;Y=CまたはN;K=GまたはN(Nはプール特異的な修飾dUを表わす)。
【0049】
[0054] 本明細書中で用いるように、用語“プラトー”は、結合曲線(結合したアプタマー画分はy軸の上方へ増加し、標的の濃度はx軸の右方へ増大する)の領域を表わし、その際、標的濃度の増大に伴って標的に結合したアプタマー画分の変化が相対的に少なくなるのでプラトーに達する。本明細書に提示するプラトーのパーセントは、標的に結合したアプタマー100%に対比したものである。
【0050】
[0055] 本明細書中で用いるように、用語“タンパク質”は、“ペプチド”、“ポリペプチド”、または“ペプチドフラグメント”と同義で用いられる。“精製した”ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、またはペプチドフラグメントは、アミノ酸配列をそれから得た細胞、組織、または無細胞源に由来する細胞性物質または他の混入タンパク質を実質的に含まないか、あるいは化学合成した場合は化学物質前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。
【0051】
[0056] 本明細書中で用いるように、用語“プルダウンアッセイ(pull-down assay)”は、標的を溶液から分離することを含むアッセイを表わし、その際、分離は標的と第2分子の間の選択的な親和性相互作用により達成される。1態様において、標的分子に対して選択的親和性をもつ分子はアプタマーである。他の態様において、標的分子に対して選択的親和性をもつ分子は抗体である。
【0052】
[0057] 本明細書中で用いるように、用語“PCR”は、DNA分子のコピー数を増幅するために用いられるポリメラーゼ連鎖反応を表わす。本明細書中で用いるように、用語“qPCR”または“定量PCR”は、ターゲティングするDNA分子を増幅し、同時に定量するために用いられる、ポリメラーゼ連鎖反応を表わす。
【0053】
[0058] 本明細書中で用いるように、用語“サンドイッチアッセイ”は、関心のある標的の存在を検出し、あるいはその量を定量することができるアッセイを表わす。このアッセイには、関心のある標的上の2つの異なる非オーバーラップ(非競合)領域を結合することができる2種類の異なる親和性分子を用いる必要がある。親和性分子にはアプタマーおよび抗体が含まれるが、それらに限定されない。
【0054】
[0059] 本明細書中で用いるように、用語“支持体”は表面を表わし、これには有機分子が付着しうるプレート、ビーズまたは膜の表面が含まれるが、それらに限定されない。支持体は、第2分子の付着を仲介する第1分子を含んでもよく、含まなくてもよい;たとえば、ビオチンの付着またはビオチン部分を含む分子の付着を仲介しうるストレプトアビジンを含む支持体。1態様において、支持体はニトロセルロースである。
【0055】
[0060] 本明細書中で用いるように、用語“被験試料”は、関心のある1種類以上の被分析体(たとえば、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンA、トキシンB、バイナリートキシンA鎖、およびバイナリートキシンB鎖)の存在または量が未知であって、アプタマーを含むアッセイ、好ましくは診断検査で判定すべき試料を表わす。1態様において、被験試料は“生物試料”、たとえば細胞性または非細胞性の生物材料であってもよく、これには組織試料、血液、血清、他の体液、および排出物が含まれるが、これらに限定されない。他の態様において、被験試料は水、土壌または空気から得ることができる“環境試料”であってもよい。普通は環境試料中のクロストリジウム・ディフィシレの検出には前培養の必要がない。
【0056】
SELEX法
[0061] 用語“SELEX”および“SELEX法”は、一般的に下記の組合わせを表わすために本明細書中で互換性をもって用いられる:(1)希望する様式で標的分子と相互作用する核酸、たとえば高い親和性でタンパク質に結合する核酸のセレクションと、(2)それらのセレクションした核酸の増幅。SELEX法は、特定の標的分子またはバイオマーカーに対して高い親和性をもつアプタマーを同定するために使用できる。
【0057】
[0062] SELEXには一般的に下記のことが含まれる:核酸の候補混合物を調製し、候補混合物を希望する標的分子に結合させて親和性複合体を形成し、結合していない候補核酸からこの親和性複合体を分離し、核酸を親和性複合体から分離および単離し、この核酸を精製し、そして特異的アプタマー配列を同定する。この方法は、セレクションしたアプタマーの親和性をさらに改良するために多数ラウンドを含むことができる。この方法は、プロセスの1以上の時点で増幅段階を含むことができる。たとえば、U.S. Patent No. 5,475,096, タイトル“Nucleic Acid Ligands”を参照。SELEX法を用いて、それの標的を共有結合するアプタマーおよびそれの標的を非共有結合するアプタマーを作製することができる。たとえば、U.S. Patent No. 5,705,337, タイトル“Systematic Evolution of Nucleic Acid Ligands by Exponential Enrichment: Chemi-SELEX”を参照。
【0058】
[0063] SELEX法を用いて、改善された特性、たとえば改善されたインビボ安定性または改善された送達特性をアプタマーに付与する修飾ヌクレオチドを含む、高親和性アプタマーを同定することができる。そのような修飾の例には、リボースおよび/またはリン酸および/または塩基の位置における化学置換が含まれる。SELEX法で同定された修飾ヌクレオチドを含むアプタマーは、U.S. Patent No. 5,660,985, タイトル“High Affinity Nucleic Acid Ligands Containing Modified Nucleotides,”に記載されており、それにはピリミジンの5’−および2’−位を化学修飾したヌクレオチド誘導体を含むオリゴヌクレオチドが記載されている。U.S. Patent No. 5,580,737(前掲を参照)には、2’−アミノ(2’−NH)、2’−フルオロ(2’−F)、および/または2’−O−メチル(2’−OMe)で修飾した1以上のヌクレオチドを含む高特異性アプタマーが記載されている。U.S. Patent Application Publication No. 2009/0098549, タイトル“SELEX and PHOTOSELEX”も参照されたい;それには、拡張された物理的および化学的特性をもつ核酸ライブラリー、ならびにSELEXおよび光SELEX(photoSELEX)におけるそれらの使用が記載されている。
【0059】
[0064] ヌクレアーゼ耐性オリゴヌクレオチドは、C−5位において図9に示すものから選択される基で修飾した少なくとも1つのピリミジンを含む。多様な態様において、前記に示したように、修飾には独立して下記のものから選択される置換基によるデオキシウリジンのC−5位における置換が含まれる:ベンジルカルボキシアミド(Bn)、ナフチルメチルカルボキシアミド(Nap)、トリプタミノカルボキシアミド(Trp)、チロシルカルボキシアミド(Tyr)、(2−ナフチルメチル)カルボキシアミド(2Nap)、およびフェネチル−1−カルボキシアミド(PE)。
【0060】
[0065] SELEXを用いて、望ましいオフレート特性をもつアプタマーを同定することもできる。U.S. Patent Publication No. 2009/0004667, タイトル“Method for Generating Aptamers with Improved Off-Rates”を参照;それには、標的分子に結合しうるアプタマーを作製するための改良SELEX法が記載されている。それらの各標的分子からの解離速度が遅いアプタマーおよび光アプタマー(photoaptamer)を作製する方法が記載されている。それらの方法は、候補混合物を標的分子と接触させ、核酸−標的複合体の形成を行わせ、そしてスローオフレート富化プロセスを実施することを伴う;その際、速い解離速度をもつ核酸−標的複合体は解離して再形成せず、一方、遅い解離速度をもつ複合体は無傷のままである。さらにそれらの方法は、改善されたオフレート特性を備えたアプタマーを作製するために、修飾したヌクレオチドを候補混合物の調製に際して用いることを含む(U.S. Patent Publication No. 2009/0098549, タイトル“SELEX and PhotoSELEX”を参照)。
【0061】
[0066] “標的”または“標的分子”または“標的”は、本明細書中で、それに対して核酸が望ましい様式で作用しうるいずれかの化合物を表わす。標的分子は、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質、多糖類、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウィルス、病原体、毒物、基質、代謝産物、遷移状態の類似体、補因子、阻害物質、薬物、色素、栄養素、成長因子、細胞、組織、以上のうちいずれかの、いずれかの部分またはフラグメントなどであってもよいが、これらに限定されない。実質的にいかなる化学的または生物学的エフェクターも適切な標的となることができる。いかなるサイズの分子も標的として使用できる。標的は、標的と核酸の相互作用の可能性または強さを増大させるために、特定の方法で修飾することもできる。標的は、特定の化合物または分子の何らかのわずかな変異を含むこともできる;たとえばタンパク質の場合には、たとえばアミノ酸配列のわずかな変異、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または他の操作もしくは修飾、たとえば標識成分とのコンジュゲーション;これらは分子の素性を実質的に変化させることのないものである。“標的分子”または“標的”は、アプタマーに結合しうる1つのタイプまたは種の分子または多分子構造体のコピーのセットである。“標的分子類”または“標的類”は、1より多いそのような分子のセットを表わす。標的がペプチドであるSELEX法の態様が、U.S. Patent No. 6,376,190, タイトル“Modified SELEX Processes Without Purified Protein”に記載されている。本発明の場合、標的はクロストリジウム・ディフィシレのトキシンA、トキシンB、バイナリートキシン、バイナリートキシンA鎖、およびバイナリートキシンB鎖を含む。
【0062】
クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対するアプタマーを同定または作製する方法
[0067] 本発明は、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに結合するスローオフレートアプタマーを同定または作製する方法であって、そのトキシンがトキシンA、トキシンB、バイナリートキシンA鎖、およびバイナリートキシンB鎖から選択される、下記を含む方法を提供する:(a)核酸の候補混合物を調製する;その際、候補混合物は、候補混合物の少なくとも1つまたはそれぞれの核酸中の1個、数個または全部のピリミジンがC−5位における化学修飾を含む修飾した核酸を含む;(b)候補混合物をクロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンである標的と接触させ、候補混合物にスローオフレート富化プロセスを施す;その際、候補混合物中の他の核酸と対比して標的からの解離速度が遅い核酸が標的を結合して、核酸−標的分子複合体を形成する;(c)スローオフレート核酸を候補混合物から分配する;そして(d)スローオフレート核酸を増幅して、標的分子にスローオフレートで結合することができる核酸配列に富む核酸混合物を得る;これにより、標的分子に対するスローオフレートアプタマーを同定することができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対するスローオフレートアプタマーを同定または作製する方法は、C−5位における化学修飾が独立して図9に示す少なくとも1つの修飾から選択される少なくとも1つのピリミジンを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対するスローオフレートアプタマーを同定または作製する方法は、C−5位における化学修飾が独立してベンジルカルボキシアミド、ナフチルメチルカルボキシアミド、トリプタミノカルボキシアミド、チロシルカルボキシアミド、2−ナフチルメチルカルボキシアミドおよびフェネチル−1−カルボキシアミドから選択される少なくとも1つのピリミジンを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対するスローオフレートアプタマーを同定または作製する方法は、少なくとも1つの追加の化学修飾を含むことができ、その少なくとも1つの追加の化学修飾は、独立してリボース位置、デオキシリボース位置、ホスフェート位置、および塩基位置からなる群から選択される1以上の位置における化学置換である。さらに、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対するスローオフレートアプタマーを同定または作製する方法は、少なくとも1つの追加の化学修飾を含むことができ、その少なくとも1つの追加の化学修飾は、独立して、2’−位の糖修飾、2’−アミノ(2’−NH)、2’−フルオロ(2’−F)、2’−O−メチル(2’−OMe)、シトシン環外アミンにおける修飾、5−ブロモウラシルの置換、5−ブロモデオキシウリジンの置換、5−ブロモデオキシシチジンの置換、主鎖修飾、メチル化、3’キャップ、および5’キャップからなる群から選択される。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対するスローオフレートアプタマーを同定または作製する方法は、競合分子を含む候補混合物のインキュベーション、候補混合物の希釈、または競合分子の存在下での候補混合物の希釈から選択されるスローオフレート富化プロセスを含むことができる。
【0063】
[0068] 本発明はさらに、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンからの解離速度が遅いアプタマーを作製する方法であって、そのトキシンがトキシンA、トキシンB、バイナリートキシンA鎖、およびバイナリートキシンB鎖から選択され、下記の段階を含む方法により同定された核酸配列に基づいてアプタマーを調製または合成する段階を含む方法を提供する:(a)核酸の候補混合物を調製する;その際、候補混合物は、候補混合物の少なくとも1つまたはそれぞれの核酸中の1個、数個または全部のピリミジンがC−5位における化学修飾を含む修飾した核酸を含む;(b)候補混合物をクロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンである標的と接触させ、候補混合物にスローオフレート富化プロセスを施す;その際、候補混合物中の他の核酸と対比して標的分子からの解離速度が遅い核酸が標的を結合して、核酸−標的分子複合体を形成する;(c)スローオフレート核酸を候補混合物から分配する;そして(d)スローオフレート核酸を増幅して、標的分子にスローオフレートで結合することができる核酸配列に富む核酸混合物を得る;これにより、標的分子に対するスローオフレートアプタマーが同定される。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンからの解離速度が遅いアプタマーを作製するそのような方法は、C−5位における化学修飾が独立して図9に示す少なくとも1つの修飾から選択される少なくとも1つのピリミジンを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンからの解離速度が遅いアプタマーを作製する方法は、C−5位における化学修飾が独立してベンジルカルボキシアミド、ナフチルメチルカルボキシアミド、トリプタミノカルボキシアミド、チロシルカルボキシアミド、2−ナフチルメチルカルボキシアミドおよびフェネチル−1−カルボキシアミドから選択される少なくとも1つのピリミジンを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンからの解離速度が遅いアプタマーを作製する方法は、少なくとも1つの追加の化学修飾を含むことができ、その少なくとも1つの追加の化学修飾は、独立してリボース位置、デオキシリボース位置、ホスフェート位置、および塩基位置からなる群から選択される1以上の位置における化学置換である。さらに、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンからの解離速度が遅いアプタマーを作製する方法は、少なくとも1つの追加の化学修飾を含むことができ、その少なくとも1つの追加の化学修飾は、独立して、2’−位の糖修飾、2’−アミノ(2’−NH)、2’−フルオロ(2’−F)、2’−O−メチル(2’−OMe)、シトシン環外アミンにおける修飾、5−ブロモウラシルの置換、5−ブロモデオキシウリジンの置換、5−ブロモデオキシシチジンの置換、主鎖修飾、メチル化、3’キャップ、および5’キャップからなる群から選択される。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンからの解離速度が遅いアプタマーを作製する方法は、競合分子を含む候補混合物のインキュベーション、候補混合物の希釈、または競合分子の存在下での候補混合物の希釈から選択されるスローオフレート富化プロセスを含むことができる。
【0064】
[0069] 本発明はさらに、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに結合するヌクレアーゼ耐性アプタマーを作製する方法であって、そのトキシンがトキシンA、トキシンB、バイナリートキシンA鎖、およびバイナリートキシンB鎖から選択され、下記の段階を含む方法により同定された核酸配列に基づいてヌクレアーゼ耐性アプタマーを調製または合成する段階を含む方法を提供する:(a)修飾した核酸の候補混合物を調製する;その際、候補混合物は、候補混合物の少なくとも1つまたはそれぞれの核酸中の少なくとも1つのピリミジンがC−5位における化学修飾を含む修飾した核酸を含む;(b)候補混合物をクロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンである標的と接触させる;その際、候補混合物中の他の核酸と対比して標的分子に対する親和性が高い核酸が標的を結合して、核酸−標的分子複合体を形成する;(c)親和性が高い核酸を候補混合物の残りのものから分配する;そして(d)親和性が高い核酸を増幅して、標的分子に高い親和性で結合することができるヌクレアーゼ耐性である核酸配列に富む核酸混合物を得る;これにより、標的分子に対するヌクレアーゼ耐性アプタマーが同定される。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対するヌクレアーゼ耐性アプタマーを作製する方法は、C−5位における化学修飾が独立して図9に示す少なくとも1つの修飾から選択される少なくとも1つのピリミジンを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対するヌクレアーゼ耐性アプタマーを作製する方法は、C−5位における化学修飾が独立してベンジルカルボキシアミド、ナフチルメチルカルボキシアミド、トリプタミノカルボキシアミド、チロシルカルボキシアミド、2−ナフチルメチルカルボキシアミドおよびフェネチル−1−カルボキシアミドから選択される少なくとも1つのピリミジンを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対するヌクレアーゼ耐性アプタマーを作製する方法は、少なくとも1つの追加の化学修飾を含むことができ、その少なくとも1つの追加の化学修飾は、独立してリボース位置、デオキシリボース位置、ホスフェート位置、および塩基位置からなる群から選択される1以上の位置における化学置換である。さらに、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対するヌクレアーゼ耐性アプタマーを作製する方法は、少なくとも1つの追加の化学修飾を含むことができ、その少なくとも1つの追加の化学修飾は、独立して、2’−位の糖修飾、2’−アミノ(2’−NH)、2’−フルオロ(2’−F)、2’−O−メチル(2’−OMe)、シトシン環外アミンにおける修飾、5−ブロモウラシルの置換、5−ブロモデオキシウリジンの置換、5−ブロモデオキシシチジンの置換、主鎖修飾、メチル化、3’キャップ、および5’キャップからなる群から選択される。
【0065】
アプタマー
[0070] クロストリジウム・ディフィシレのトキシンに対する本発明のアプタマーは、スローオフレートをもつアプタマーを同定するための前記の改良SELEX法を用いて同定された。このセレクション方法に用いたクロストリジウム・ディフィシレのトキシンの形態は、実施例1に記載するように、クロストリジウム・ディフィシレのゲノムDNAに由来する希望する遺伝子フラグメントのPCR増幅により作製された組換えトキシンであった。
【0066】
[0071] クローニングしたクロストリジウム・ディフィシレのトキシン遺伝子フラグメントの過剰発現から得られた精製Hisタグ付きタンパク質を用いて、SELEXを実施した。dUの代わりに下記の6種類の修飾ヌクレオチドのうちの1つを含む40merランダム配列のライブラリーを用いた:5−チロシルカルボキシアミド−dU(TyrdU)、5−ベンジルカルボキシアミド−dU(BndU)、5−ナフチルメチルカルボキシアミド−dU(NapdU)、5−トリプタミノカルボキシアミド−dU(TrpdU)、5−(2−ナフチルメチル)カルボキシアミド(2NapdU)、または5−フェネチル−1−カルボキシアミド(PEdU)。7または8ラウンドのセレクションを実施し、そしてデキストラン硫酸による動的攻撃をラウンド2〜8で適用した。最終ラウンドのSELEXの後に得られたアプタマープールを、それらの標的に対する親和性についてフィルター結合アッセイで試験し、Kおよびプラトーを決定した(表2)。十分な親和性(約10nM以下のK)をもつすべてのプールをクローニングし、プール当たり少なくとも48クローンの配列を決定した。
【0067】
トキシンAに対するアプタマー
[0072] トキシンAについて、アプタマープール4943(TrpdU)は卓越した親和性をもち、K=2.42nMを備えていた。プール4936(TyrdU)および4939(NapdU)は活性であり、それぞれ11.5および10.8nMのKを備えていた。プール5564(2NapdU)および5577(2NapdU)は良好な親和性をもち、4.63および6.40nMのKを備えていた。トキシンAについて、アプタマープール5570(PEdU)が最良であり、K=1.61nMを備えていた。トキシンAに対する良好な親和性を備えたアプタマークローンを、TrpdU、TyrdU、NapdU、2NapdU、およびPEdU修飾ヌクレオチドを含むすべてのプールから単離した(表3);クロストリジウム・ディフィシレのトキシンAアプタマーの配列を表4に挙げる。トキシンAに対する良好な結合親和性を備えたアプタマークローンを同定するほかに、そのようなアプタマークローン間のコンセンサス配列を同定した。
【0068】
[0073] プール5570(PEdU)からの主要なアプタマークローンは5570−54であり、組換えトキシンAに対してK=0.12nM、天然トキシンAに対してK=6.91nMを備えていた。
【0069】
[0074] 若干のアプタマークローンは、組換えトキシンAと天然トキシンAの両方に対して卓越した親和性を示した;たとえば、アプタマークローン4943−51(TrpdU)は、組換えトキシンAに対してK=1.23nM、天然トキシンAに対してK=1.78nMを備えていた;アプタマークローン5564−49(2NapdU)は、組換えトキシンAに対してK=1.13nM、天然トキシンAに対してK=1.78nMを備えていた。
【0070】
[0075] 若干のアプタマークローンは、組換えトキシンAと天然トキシンAの間で比較的小さな親和性降下を示した;たとえば、アプタマークローン5577−1(2NapdU)は、組換えトキシンAに対してK=1.59nM、天然トキシンAに対してK=4.97nMを備えていた;アプタマークローン5577−3(2NapdU)は、組換えトキシンAに対してK=1.73nM、天然トキシンAに対してK=5.52nMを備えていた;アプタマークローン4943−60(TrpdU)は、組換えトキシンAに対してK=2.65nM、天然トキシンAに対してK=4.57nMを備えていた。
【0071】
[0076] トキシンAに対する良好な結合親和性を備えたアプタマークローンを同定するほかに、そのようなアプタマークローン間のコンセンサス配列を同定した。
【0072】
トキシンBに対するアプタマー
[0077] トキシンBに対するアプタマーの親和性は全般的にきわめて良好であり、SELEXに用いた68.8kDaのクロストリジウム・ディフィシレのトキシンBフラグメントのアミノ末端触媒ドメインと270kDaの天然全長トキシンBの間で良好な相関性があった。トキシンBに対してナノモル濃度以下のKを備えたアプタマークローンを、TyrdU、BndU、NapdU、TrpdU、2NapdUおよびPEdU修飾ヌクレオチドを含むすべてのプールから単離した(表5);クロストリジウム・ディフィシレのトキシンBアプタマーの配列を表6に挙げ、最良クローンを太字で示す。
【0073】
[0078] 最高親和性のアプタマーは、NapdUまたはTrpdU修飾ヌクレオチドを含むクローンであった。5つのアプタマーがきわめて低いK<0.1nMを示した:アプタマークローン4940−1(NapdU)は、組換えトキシンBに対してK=0.04nM、天然トキシンBに対してK=0.06を備えていた;アプタマークローン4940−23(NapdU)は、組換えトキシンBに対してK=0.07nM、天然トキシンBに対してK=0.09nMを備えていた;アプタマークローン4940−27(NapdU)は、組換えトキシンBに対してK=0.10nM、天然トキシンBに対してK=0.09nMを備えていたB;アプタマークローン4944−5(TrpdU)は、組換えトキシンBに対してK=0.08nM、天然トキシンBに対してK=0.09nMを備えていた;およびアプタマークローン4944−30(TrpdU)は、組換えトキシンBに対してK=0.06nM、天然トキシンBに対してK=0.08nMを備えていた。トキシンBに対する良好な親和性を備えたアプタマークローンを、TrpdU、TyrdU、NapdU、2NapdUおよびPEdU修飾ヌクレオチドを含むすべてのプールから単離した(表5);クロストリジウム・ディフィシレのトキシンBアプタマーの配列を表6に挙げる。トキシンBに対する良好な結合親和性を備えたアプタマークローンを同定するほかに、そのようなアプタマークローン間のコンセンサス配列を同定した。
【0074】
バイナリートキシン(A鎖)に対するアプタマー
[0079] 組換えバイナリートキシンA鎖(CdtA)を用いるSELEXにより、TrpdU、2NapdUおよびPEdU修飾ヌクレオチドを含む活性アプタマーが得られた(表7)。CdtAアプタマーの配列および共通配列パターンを表8に示す。プール4758(TrpdU)のクローニングにより、そのプールの18%を構成する、CdtAバイナリートキシンに対して良好な親和性(K=0.86nM)を示すクローン4758−6が明らかになった。2NapdUプールから20の配列が得られ、それらの大部分はナノモル濃度以下の親和性を備え、これらの2NapdUクローン間に共有される幾つかの配列パターンが同定された。PEdUプールは5つの活性アプタマーを含んでいた。
【0075】
バイナリートキシン(B鎖)に対するアプタマー
[0080] 組換えバイナリートキシンB鎖(CdtB)を用いるSELEXにより、2NapdU修飾ヌクレオチドを含む活性アプタマーが得られた(表9)。CdtBアプタマーの配列および共通配列パターンを表10に示す。最も活性であるクローンは5556−51、K=1.68nMであった。
【0076】
[0081] 本発明は、SELEX法により同定した、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーを提供し、表4、6、8および10に挙げる。クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーであって、列記したいずれかのアプタマーと実質的に相同であり、かつクロストリジウム・ディフィシレにより産生される各トキシンの結合について表4、6、8および10に示すアプタマーのグループから選択されるアプタマーのものと実質的に類似の能力をもつものも、本発明に包含される。さらに、クロストリジウム・ディフィシレにより産生される各トキシンに対するアプタマーであって、本発明において同定したアプタマーと実質的に同じ構造形態をもち、かつクロストリジウム・ディフィシレにより産生される各トキシンの結合について表4、6、8および10に示すアプタマーのグループから選択されるアプタマーのものと実質的に類似の能力をもつものも、本発明に包含される。
【0077】
[0082] 1観点において、本発明は、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに特異的に結合する一次核酸配列を含むアプタマーを提供する。1態様において、一次核酸配列は表4、6、8および10に開示する配列から選択される。他の態様において、一次核酸配列は表4、6、8および10に開示する一次配列と少なくとも約75%同一、少なくとも約80%同一、少なくとも約85%同一、少なくとも約90%同一、少なくとも約95%同一であるように選択される。
【0078】
[0083] 用語“配列同一性”、“配列同一性パーセント”、“同一性パーセント”、“同一%”、“同一性%”、およびその変形は、2以上の核酸配列に関して用いる場合、最大一致が得られるように比較およびアラインさせた際に、配列比較アルゴリズムを用いてまたは目視検査により判定して同一であるかあるいは特定したパーセントの同一ヌクレオチドを含む2以上の配列を表わすために、互換性をもって用いられる。配列比較のために、一般に1配列を基準配列として用い、これと被験配列を比較する。配列比較アルゴリズムを用いる場合、被験配列および基準配列をコンピューターに入力し、必要ならばサブ配列座標を指定し、そして配列アルゴリズムプログラムパラメーターを指定する。次いで配列アルゴリズムにより、被験配列(単数または複数)についての基準配列に対する配列同一性パーセントを、指定したプログラムパラメーターに基づいて計算する。比較のための最適な配列アラインメントは、たとえば下記により実施できる:Smith and Waterman, Adv. Appl. Math., 1981. 2:482の局所相同アルゴリズム(local homology algorithm)、Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol., 1970. 48:443の相同アラインメントアルゴリズム(homology alignment algorithm)、Pearson and Lipman, Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA, 1988. 85:2444の類似検索法(search for similarity method)、これらのアルゴリズムのコンピューター処理実行(GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA;Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, Wis.)、または目視検査(全般的に、Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, pub. by Greene Publishing Assoc. and Wiley-Interscience (1987)を参照)。
【0079】
[0084] 配列同一性パーセントを決定するのに適したアルゴリズムの一例は、basic local alignment search tool (以下、“BLAST”)である;たとえば、Altschul et al., J. Mol. Biol., 1990. 215:403-410、およびAltschul et al., Nucleic Acids Res., 1997. 15: 3389-3402を参照。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information (以下、“NCBI”)により公開されている。NCBIから入手できるソフトウェア、たとえばBLASTN(ヌクレオチド配列用)を用いて配列同一性を決定する際に用いるデフォルトパラメーターは、McGinnis et al., Nucleic Acids Res., 2004. 32:W20-W25に記載されている。
【0080】
[0085] 本明細書中で用いるように、核酸、たとえばクロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーの同一性パーセントを記載する場合、その配列が基準ヌクレオチド配列に対して少なくともたとえば約95%同一であることは、核酸配列が基準核酸配列の各100個のヌクレオチドにつき最大5つの点変異を含むことができる以外はその核酸配列は基準配列に対して同一であることを意図する。言い換えると、希望する核酸配列を得るために、その配列は基準核酸配列に対して少なくとも約95%同一であり、基準配列中のヌクレオチドのうち5%までは欠失するかまたは他のヌクレオチドで置換されていてもよく、あるいは基準配列中のヌクレオチドの総数の5%までのある個数のヌクレオチドを基準配列に挿入してもよい(以下、本明細書中で挿入と呼ぶ)。希望する配列を作製するための基準配列のこれらの変異は、基準ヌクレオチド配列の5’または3’末端位置において、あるいはこれらの末端位置の間のいずれかの位置において、基準配列中のヌクレオチド間に個々に分散して、または基準配列内に1以上の連続したグループで行なわれてもよい。基準(クエリー)配列は、表4、6、8もしくは10に示す全ヌクレオチド配列のいずれか1つ、またはこれらのいずれかの配列のいずれかのフラグメントであってもよい。
【0081】
[0086] 1観点において、SEQ ID NO:5、11、15、23、28、32、47、66、75、83、90、95、98、110、124、125、134、139、145、151、152または157からなる群から選択されるコンセンサス配列を修飾して、少なくとも、1つの挿入、1つの欠失および/または1つの転位を含むようにすることができる。1態様において、SEQ ID NO:5、11、15、23、28、32、47、66、75、83、90、95、98、110、124、125、134、139、145、151、152または157からなる群から選択されるコンセンサス配列を、少なくとも1つのヌクレオチドがコンセンサス配列に挿入されるように修飾することができる。他の態様において、SEQ ID NO:5、11、15、23、28、32、47、66、75、83、90、95、98、110、124、125、134、139、145、151、152または157からなる群から選択されるコンセンサス配列を、少なくとも1つのヌクレオチドがコンセンサス配列から欠失するように修飾することができる。他の態様において、SEQ ID NO:5、11、15、23、28、32、47、66、75、83、90、95、98、110、124、125、134、139、145、151、152または157からなる群から選択されるコンセンサス配列を、少なくとも1つのヌクレオチドがコンセンサス配列中の1つの位置からコンセンサス配列中の他の位置へ転位するように修飾することができる。SEQ ID NO:5、11、15、23、28、32、47、66、75、83、90、95、98、110、124、125、134、139、145、151、152または157からなる群から選択されるコンセンサス配列を修飾して、1以上の挿入、欠失または転位を含み、一方でなおかつクロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対する親和性を維持して診断アッセイにおける有用性をもつことができることも認識される。
【0082】
[0087] 多様な態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、表4、6、8もしくは10に示すヌクレオチド配列のいずれかに含まれる連続ヌクレオチドの配列と同一である連続ヌクレオチドの配列を含む。多様な態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマー中の連続ヌクレオチドの配列は、表4、6、8もしくは10に示すいずれかの配列に含まれる連続ヌクレオチドの配列中の同数のヌクレオチドと同一であるいずれかの個数のヌクレオチドを含むことができる。多様な態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマー中の連続ヌクレオチドの配列は、表4、6、8もしくは10に示すいずれかの配列に含まれる約4から約30個までの連続ヌクレオチドの配列と同一である約4から約30個までの連続ヌクレオチドの配列を含む。代表的態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、表4、6、8もしくは10に示す配列のいずれかであって40個以上の連続ヌクレオチドをもつものに含まれる40個の連続ヌクレオチドの配列と同一である40個の連続ヌクレオチドの配列を含む。代表的態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、表4、6、8もしくは10に示す配列のいずれかに含まれる30個の連続ヌクレオチドの配列と同一である30個の連続ヌクレオチドの配列を含む。他の代表的態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、表4、6、8もしくは10に示す配列のいずれかに含まれる20個の連続ヌクレオチドの配列と同一である20個の連続ヌクレオチドの配列を含む。さらに他の代表的態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、表4、6、8もしくは10に示す配列のいずれかに含まれる8個の連続ヌクレオチドの配列と同一である8個の連続ヌクレオチドの配列を含む。さらに他の代表的態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、表4、6、8もしくは10に示す配列のいずれかに含まれる4個の連続ヌクレオチドの配列と同一である4個の連続ヌクレオチドの配列を含む。
【0083】
[0088] 1態様において、トキシンAに対するアプタマーは、SEQ ID NO:1〜4、6〜10、12〜14、16〜22、24〜27または29〜31からなる群から選択される。さらに他の態様において、トキシンAに対するアプタマーは、SEQ ID NO:5、11、15、23または28のいずれか1つから選択されるコンセンサス配列に由来する。1態様において、トキシンAに対するアプタマーは、SEQ ID NO:1〜31のいずれかに対して少なくとも約95%同一、少なくとも約90%同一、少なくとも約85%同一、少なくとも約80%同一、少なくとも約75%同一である。他の態様において、トキシンAに対するアプタマーは、SEQ ID NO:1〜31のいずれかまたはこれらのいずれかのフラグメントからの配列を含む。
【0084】
[0089] 1態様において、トキシンBに対するアプタマーは、SEQ ID NO:33〜46、48〜65、67〜74、76〜82、84〜89、91〜94、96〜97または99〜108からなる群から選択される。さらに他の態様において、トキシンBに対するアプタマーは、SEQ ID NO:32、47、66、75、83、90、95および98のいずれか1つから選択されるコンセンサス配列に由来する。1態様において、トキシンBに対するアプタマーは、SEQ ID NO:32〜108のいずれかに対して少なくとも約95%同一、少なくとも約90%同一、少なくとも約85%同一、少なくとも約80%同一、少なくとも約75%同一である。他の態様において、トキシンBに対するアプタマーは、SEQ ID NO:32〜108のいずれかまたはこれらのいずれかのフラグメントからの配列を含む。
【0085】
[0090] 1態様において、バイナリートキシンA鎖に対するアプタマーは、109、111〜123、126〜133、135〜138、140〜144または146〜150からなる群から選択される。さらに他の態様において、バイナリートキシンA鎖に対するアプタマーは、SEQ ID NO:110、124〜125、134、139または145のいずれか1つから選択されるコンセンサス配列に由来する。1態様において、バイナリートキシンA鎖に対するアプタマーは、SEQ ID NO:109〜150のいずれかに対して少なくとも約95%同一、少なくとも約90%同一、少なくとも約85%同一、少なくとも約80%同一、少なくとも約75%同一である。他の態様において、バイナリートキシンA鎖に対するアプタマーは、SEQ ID NO:109〜150のいずれかまたはこれらのいずれかのフラグメントからの配列を含む。
【0086】
[0091] 1態様において、バイナリートキシンB鎖に対するアプタマーは、153〜156、158〜162からなる群から選択される。さらに他の態様において、バイナリートキシンB鎖に対するアプタマーは、SEQ ID NO:151、152または157のいずれか1つから選択されるコンセンサス配列に由来する。1態様において、バイナリートキシンB鎖に対するアプタマーは、SEQ ID NO:151〜162のいずれかに対して少なくとも約95%同一、少なくとも約90%同一、少なくとも約85%同一、少なくとも約80%同一、少なくとも約75%同一である。他の態様において、バイナリートキシンB鎖に対するアプタマーは、SEQ ID NO:151〜162のいずれかまたはこれらのいずれかのフラグメントからの配列を含む。
【0087】
[0092] クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンを結合する領域のほかに、いずれかの個数のヌクレオチドを含むことができる。多様な態様において、アプタマーは最大で約100個のヌクレオチド、最大で約95個のヌクレオチド、最大で約90個のヌクレオチド、最大で約85個のヌクレオチド、最大で約80個のヌクレオチド、最大で約75個のヌクレオチド、最大で約70個のヌクレオチド、最大で約65個のヌクレオチド、最大で約60個のヌクレオチド、最大で約55個のヌクレオチド、最大で約50個のヌクレオチド、最大で約45個のヌクレオチド、最大で約40個のヌクレオチド、最大で約35個のヌクレオチド、最大で約30個のヌクレオチド、最大で約25個のヌクレオチド、最大で約5個のヌクレオチド、最大で約20個のヌクレオチドを含むことができる。
【0088】
[0093] クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、各トキシンに対していずれか適切な解離定数(K)をもつように選択できる。代表的態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、各トキシンに対して約10nM以下の解離定数(K)をもつ。他の代表的態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、各トキシンに対して約15nM以下の解離定数(K)をもつ。さらに他の代表的態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、各トキシンに対して約20nM以下の解離定数(K)をもつ。さらに他の代表的態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、各トキシンに対して約25nM以下の解離定数(K)をもつ。適切な解離定数は、多点タイトレーションを用い、方程式y=(最大値−最小値)(タンパク質)/(K+タンパク質)+最小値 を当てはめる結合アッセイで決定できる。解離定数の決定はそれらを測定する条件に著しく依存し、したがってこれらの数値は平衡化時間などの要因に関連して有意に変動することを理解すべきである。他の態様において、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーは、表4、6、8および10に開示する配列から選択されるアプタマーのK以下のKを備えたアプタマーである。
【0089】
[0094] バイナリートキシンはA鎖およびB鎖から構成されるので、二量体または他の多量体の形態のアプタマーを用いることによって、より効率的な結合を達成できる。したがって、他の態様において、アプタマーは表8の配列および表10の配列のいずれかの組合わせが多量体化したものである。バイナリートキシンに対する適切な結合特性を備えたいずれかのアプタマー配列に、同じ方策を適用できる。他の態様において、サンドイッチアッセイにおいてA鎖に対するアプタマーをB鎖に対するアプタマーと組み合わせて用いて、バイナリートキシンを検出することができる。
【0090】
クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するアプタマーを含むキット
[0095] 本発明は、クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対するいずれかのアプタマーを含むキットを提供する。そのようなキットは、たとえば(1)クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに対する少なくとも1種類のアプタマー;および(2)少なくとも1種類の診断検査試薬、たとえば溶媒または溶液を含むことができる。追加のキット構成要素は、場合によりたとえば(1)キット構成要素を収容および/または混合するための、少なくとも1つの容器、バイアルまたはこれらに類する器具;ならびに(2)クロストリジウム・ディフィシレのトキシンの存在につき検査すべき試料を採集するための器具を含むことができる。
【0091】
クロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンを検出する方法
[0096] 本発明は、被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンの存在を検出する方法であって、被験試料をクロストリジウム・ディフィシレにより産生されるトキシンに結合するアプタマーと接触させることを含む方法を提供し、そのトキシンはトキシンA、トキシンB、バイナリートキシンA鎖、およびバイナリートキシンB鎖から選択される。さらに、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンの存在を検出する方法であって、C−5位において化学修飾した少なくとも1つのピリミジンを含むアプタマーを含む方法を開示し、その際、C−5位において修飾した少なくとも1つのピリミジンは、独立して図9に示す少なくとも1つの修飾から選択されるC−5修飾を含む。また、クロストリジウム・ディフィシレのトキシンの存在を検出する方法であって、C−5位において化学修飾した少なくとも1つのピリミジンを含むアプタマーを含む方法を開示し、その際、C−5位において修飾した少なくとも1つのピリミジンは、独立してベンジルカルボキシアミド、ナフチルメチルカルボキシアミド、トリプタミノカルボキシアミド、チロシルカルボキシアミド、2−ナフチルメチルカルボキシアミドおよびフェネチル−1−カルボキシアミドから選択される。本明細書に開示するクロストリジウム・ディフィシレのトキシン検出の方法は、少なくとも1つの追加の化学修飾を含むアプタマーを含むことができ、その少なくとも1つの追加の化学修飾は、独立してリボース位置、デオキシリボース位置、ホスフェート位置、および塩基位置からなる群から選択される1以上の位置における化学置換である。さらに、本明細書に開示するクロストリジウム・ディフィシレのトキシンの検出方法は、少なくとも1つの追加の化学修飾を含むことができ、それは独立して、2’−位の糖修飾、2’−アミノ(2’−NH)、2’−フルオロ(2’−F)、2’−O−メチル(2’−OMe)、シトシン環外アミンにおける修飾、5−ブロモウラシルの置換、5−ブロモデオキシウリジンの置換、5−ブロモデオキシシチジンの置換、主鎖修飾、メチル化、3’キャップ、および5’キャップからなる群から選択される。
【0092】
[0097] 本発明は、被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンの存在を検出する方法を提供し、その際、検出方法はプルダウンアッセイ、ドットブロットアッセイ、PCRアッセイ、またはサンドイッチアッセイから選択される。
【0093】
[0098] 本発明はさらに、被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンAの存在を検出する方法であって、被験試料をSEQ ID NO:1〜4、6〜10、12〜14、16〜22、24〜27もしくは29〜31またはそのフラグメントからなる群から選択される配列を含むアプタマーと接触させることを含む方法を提供する。被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンAの存在を検出する方法は、プルダウンアッセイ、ドットブロットアッセイ、PCRアッセイ、またはサンドイッチアッセイを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンAの存在を検出する方法に用いるサンドイッチアッセイは、アプタマー−標的−抗体アッセイ、抗体−標的−アプタマーアッセイ、およびアプタマー−標的−アプタマーアッセイから選択できる。被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンAの存在を検出する方法は、トキシンAの定量測定を提供することができる。
【0094】
[0099] 本発明はさらに、被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンBの存在を検出する方法であって、被験試料をSEQ ID NO:33〜46、48〜65、67〜74、76〜82、84〜89、91〜94、96〜97もしくは99〜108またはそのフラグメントからなる群から選択される配列を含むアプタマーと接触させることを含む方法を提供する。被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンBの存在を検出する方法は、プルダウンアッセイ、ドットブロットアッセイ、PCRアッセイ、またはサンドイッチアッセイを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンBの存在を検出する方法に用いるサンドイッチアッセイは、アプタマー−標的−抗体アッセイ、抗体−標的−アプタマーアッセイ、およびアプタマー−標的−アプタマーアッセイから選択できる。被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンBの存在を検出する方法は、トキシンBの定量測定を提供することができる。
【0095】
[00100] 本発明はさらに、被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンA鎖の存在を検出する方法であって、被験試料をSEQ ID NO:109、111〜123、126〜133、135〜138、140〜144もしくは146〜150またはそのフラグメントからなる群から選択される配列を含むアプタマーと接触させることを含む方法を提供する。被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンA鎖の存在を検出する方法は、プルダウンアッセイ、ドットブロットアッセイ、PCRアッセイ、またはサンドイッチアッセイを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンA鎖の存在を検出する方法に用いるサンドイッチアッセイは、アプタマー−標的−抗体アッセイ、抗体−標的−アプタマーアッセイ、およびアプタマー−標的−アプタマーアッセイから選択できる。被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンA鎖の存在を検出する方法は、バイナリートキシンA鎖の定量測定を提供することができる。
【0096】
[00101] 本発明はさらに、被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンB鎖の存在を検出する方法であって、被験試料をSEQ ID NO:153〜156、158〜162またはそのフラグメントからなる群から選択される配列を含むアプタマーと接触させることを含む方法を提供する。被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンB鎖の存在を検出する方法は、プルダウンアッセイ、ドットブロットアッセイ、PCRアッセイ、またはサンドイッチアッセイを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンB鎖の存在を検出する方法に用いるサンドイッチアッセイは、アプタマー−標的−抗体アッセイ、抗体−標的−アプタマーアッセイ、およびアプタマー−標的−アプタマーアッセイから選択できる。被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンB鎖の存在を検出する方法は、バイナリートキシンB鎖の定量測定を提供することができる。
【0097】
[00102] 本発明はさらに、被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンの存在を検出する方法であって、被験試料をSEQ ID NO:5、11、15、23、28、32、47、66、75、83、90、95、98、110、124−125、134、139、145、151−152および157またはそのフラグメントからなる群から選択されるコンセンサス配列を含むアプタマーと接触させることを含む方法を提供する。被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンの存在を、そのようなコンセンサス配列を含むアプタマーで検出する方法は、プルダウンアッセイ、ドットブロットアッセイ、PCRアッセイ、またはサンドイッチアッセイを含むことができる。クロストリジウム・ディフィシレのトキシンの存在を検出する方法に用いるサンドイッチアッセイは、アプタマー−標的−抗体アッセイ、抗体−標的−アプタマーアッセイ、およびアプタマー−標的−アプタマーアッセイから選択できる。被験試料中のクロストリジウム・ディフィシレのトキシンの存在を検出する方法は、そのようなクロストリジウム・ディフィシレのトキシンの定量測定を提供することができる。
【実施例】
【0098】
[00103] 以下の実施例は説明のために提示され、特許請求の範囲により定める本発明の範囲を限定するためのものではない。本明細書に記載するすべての実施例は、当業者に周知の慣用される標準法の背景で考慮すべきである。慣用される分子生物学的手法は、標準的な実験室マニュアル、たとえばSambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rd. ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., (2001)の記載に従って実施できる。
【0099】
実施例1.クロストリジウム・ディフィシレのトキシンA/Bおよびバイナリートキシンを用いるSELEX:標的取得
[00104] 標的取得
[00105] SELEXに適した標的を、クロストリジウム・ディフィシレのゲノムDNA由来の希望する遺伝子フラグメントのPCR増幅、ベクターpET−51bのStrep−タグ配列とHis−タグ配列の間へのフレーム内クローニング、および大腸菌(E. coli)Rosettaにおける過剰発現により調製した(表1)。トキシンAについて、カルボキシ末端β−ヘアピン反復配列17−32からなる組換えポリペプチドを得た。このトキシンドメインを選択したのは、ちょうど5つの受容体結合反復配列をもつ類似のトキシンAペプチドについて結晶構造が公表されているからである(Ho, J.G., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2005. 102(51): p. 18373-8)。トキシンBについて、アミノ末端触媒ドメインを精製した;このドメインの結晶構造は得られている(Reinert, D.J., et al., J. Mol. Biol., 2005. 351(5): p. 973-81)。バイナリートキシンについて、全長CdtAサブユニットであってただし推定シグナル配列を含まないものを組換え形態(結晶構造を入手できる(Sundriyal, A., et al., J. Biol. Chem., 2009. 284(42): p. 28713-9))で作製し、また、おそらくCdtB前駆タンパク質から開裂したいわゆる活性化ドメインであると思われるCdtBフラグメント(アミノ酸残基30−207)を作製した(Perelle, S., et al., Infect. Immun., 1997. 65(4): p. 1402-7)。すべてのクロストリジウム・ディフィシレのトキシンのクローニングおよび精製を、入手できる結晶構造と共に図1A〜1Dに示す。この組換え二重タグ付きタンパク質を、Ni−NTAアガロースおよびstreptactinアガロース上でのアフィニティークロマトグラフィーにより標準プロトコルを用いて精製した。
【0100】
表1.クローニングおよび過剰発現のためのクロストリジウム・ディフィシレのトキシン遺伝子のPCR増幅
【0101】
【表1】
【0102】
実施例2.クロストリジウム・ディフィシレのトキシンA/Bおよびバイナリートキシンを用いるSELEX:SELEXおよびプール親和性
精製したHis−タグ付きタンパク質を用いるSELEXを、Dynabeads(登録商標)(Talon(登録商標)またはHis−タグ)分配法により実施した。dUの代わりに下記の6種類の修飾ヌクレオチドのうち1つを含む40merランダム配列のライブラリーを用いた:5−チロシルカルボキシアミド−dU(TyrdU)、5−ベンジルカルボキシアミド−dU(BndU)、5−ナフチルメチルカルボキシアミド−dU(NapdU)、5−トリプタミノカルボキシアミド−dU(TrpdU)、5−(2−ナフチルメチル)カルボキシアミド(2NapdU)、または5−フェネチル−1−カルボキシアミド(PEdU)。7または8ラウンドのセレクションを実施し、デキストラン硫酸による動的攻撃をラウンド2〜8において適用した。最終ラウンドのSELEXの後に得られたアプタマープールを、それらの標的に対する親和性についてフィルター結合アッセイで試験し、Kおよびプラトーを決定した(表2)。
【0103】
[00106] 最終ラウンドのSELEXの後に得られたアプタマープールを、それらの標的に対する親和性についてフィルター結合アッセイで試験し、Kおよびプラトーを決定した(表2)。トキシンAについて、アプタマープール4943(TrpdU)は良好な親和性をもち、K=2.42nMを備えていた。プール4936(TyrdU)および4939(NapdU)は活性であり、それぞれ11.5および10.8nMのKを備えていた。プール5564(2NapdU)および5577(2NapdU)も活性であり、4.63および6.40nMのKを備えていた。トキシンAについて、アプタマープール5570(PEdU)が最良であり、K=1.61nMを備えていた。
【0104】
[00107] トキシンBについて、アプタマープールTyrdU、BndU、NapdU、TrpdU、2NapdUおよびPEdUは卓越した親和性を示し、0.11〜1.11nMの範囲のKを備えていた。
【0105】
[00108] バイナリートキシンA鎖も高親和性アプタマーのセレクションに有効であり、下記のものが得られた:プール4758(TrpdU),K=0.40nM;プール5567(2NapdU),K=0.19nM;およびプール5574(PEdU),K=0.30nM。バイナリートキシンB鎖を用いて、活性プール5556(2NapdU),K=7.58nMがセレクションされた。
【0106】
[00109] 十分な親和性(約10nM以下のK)を備えたすべてのプールをクローニングし、プール当たり少なくとも48クローンの配列を決定した。
【0107】
表2.クロストリジウム・ディフィシレのトキシンを用いたSELEX
【0108】
【表2】
【0109】
親和性不十分のためクローニングしなかったプール
実施例3.トキシンAアプタマークローン
[00110] SELEXプール4936(TyrdU)、4939(NapdU)、4943(TrpdU)、5564(2NapdU)、5577(2NapdU)および5570(PEdU)からの代表的クローンを、トキシンAに対する親和性についてフィルター結合アッセイで評価した。ほぼすべてのクローンが、セレクションに用いた組換え体である57.1kDaのトキシンAフラグメントに対する良好な親和性を備えていたが、天然の308kDaのトキシンAに対しては若干のクローンが親和性を示したにすぎない。より小さな組換えタンパク質上のエピトープのうちあるものは全長天然トキシンのアプタマー結合に利用できない場合があるので、これは意外ではない。
【0110】
[00111] 親和性(K)および結合曲線のプラトーを表3に示し、対応する配列を表4に挙げ、最良クローンを太字で示す。
【0111】
[00112] プール4936(TyrdU)からのクローン:クローン4936−4はこのプール中の配列の20%を占め、最も活性であり、組換えトキシンAドメインに対するK=3.8nM、および天然トキシンAに対するK=14.5nMを備えていた。
【0112】
[00113] プール4939(NapdU)からのクローン:このプールには無関係な配列がそれぞれ5倍みられた。クローン4939−280はこのプール中の最も活性なクローンであり、組換えタンパク質に対するK=2.34nM、および天然トキシンAに対するK=15.3nMを備えていた。
【0113】
[00114] プール4943(TrpdU)からのクローン:天然トキシンAに対する良好な(低ナノモル濃度)親和性を備えた4つのクローンがこのプール中にみられた。最良クローン4943−51(天然トキシンAに対するK=1.78nM)がこのプール中の全配列の19%を構成していた。他の3クローンは共通モチーフNNANAnnCNNNCnnCnN(N=TrpdU;n=A、G、C、またはTrpdU)をもっていた。ランダム領域に通常の40個の代わりにわずか32個のヌクレオチドを含むクローン4943−50、4943−60、および4943−49(天然トキシンAに対するKdは、それぞれ5.60nM、4.57nM、および7.91nM)は良好な親和性を示した。
【0114】
[00115] プール5564(2NapdU)からのクローン:このプールの最も活性なクローンは5564−49(天然トキシンAに対するK=1.78nM)であった。下記の3つの配列パターンのうちの1つを共有する他の幾つかのクローンもこのプールに存在していた:それぞれ、NAAAGNAGGN、GNNRNCMKNCNGA(SEQ ID NO:15)、またはCGGGNCGNGACAGANCGCA(N=2NapdU;R=AまたはG;M=AまたはC;K=GまたはN)。
【0115】
[00116] プール5570(PEdU)からのクローン:組換えトキシンAに対するK=0.12nMおよび天然トキシンAに対するK=6.91nMを備えた主クローン5570−54は、このプールに最も多量に存在する配列であった。
【0116】
[00117] プール5577(2NapdU)からのクローン:活性クローンは配列パターンNACCGAACGNNnNCAGNCNGA(N=2NapdU;n=A、G、C、または2NapdU)の全部または一部を共有していた。これらの配列は、競合するトキシンAアプタマー(4943−51)が標的タンパク質濃度の2倍過剰に存在する特殊なSELEXでセレクションされた。
【0117】
表3.クロストリジウム・ディフィシレのトキシンAを用いたSELEXからのアプタマークローンの親和性
【0118】
【表3】
【0119】
表4.クロストリジウム・ディフィシレのトキシンAのアプタマークローン。リード配列はそれらの“アプタマーID No.”を太字で示し、コンセンサス配列には下線を施し、それらを表示“配列パターン”の下に示す。塩基文字“N”は、そのプールについて指示した修飾ヌクレオチド(TyrdU、NapdU、TrpdU、2NapdU、またはPEdU)を表わす。コンセンサス配列中の塩基小文字“n”は、モチーフ内の可変塩基を示し、それはA、G、C、または特定のプールについては修飾ヌクレオチド(TyrdU、NapdU、TrpdU、2NapdU、またはPEdU)から選択される。IUPACヌクレオチド不確定コードを用いた:M=AまたはC;R=AまたはG;K=GまたはN(Nはプール特異的な修飾dUを表わす);コンセンサス配列を規定するために90%リプレゼンテーションのカットオフを採用した。
【0120】
【表4】
【0121】
実施例4.トキシンBアプタマークローン
[00118] トキシンBに対するアプタマーの親和性は全般的にきわめて良好であり、SELEXに用いたクロストリジウム・ディフィシレのトキシンBフラグメントの68.8kDaアミノ末端触媒ドメインと270kDaの天然全長トキシンBとの間で良好に相関していた。トキシンBに対してナノモル以下のKを備えたアプタマークローンが、TyrdU、BndU、NapdU、TrpdU、2NapdUおよびPEdU修飾ヌクレオチドを含む全プールから単離された(表5);クロストリジウム・ディフィシレのトキシンBアプタマーの配列を表6に挙げ、最良クローンを太字で示す。
【0122】
[00119] プール4937(TyrdU)からのクローン:TyrdUアプタマーのアラインメントにより、2つの別個の配列パターン(YNNSSNGAAW(SEQ ID NO:32)、YGAAWN(SEQ ID NO:47))(N=TyrdU;W=AまたはN;S=CまたはG;Y=CまたはN)、ならびに1つのオーファン配列の存在が示された。
【0123】
[00120] プール4938(BndU)からのクローン:このプールは3つの無関係な配列を含み、すべてが多数コピーで存在していた。
【0124】
[00121] プール4940(NapdU)からのクローン:4つの主クローンを含めて最も多量に存在する配列は、パターンKSGANNGGRW(SEQ ID NO:66)(N=NapdU;R=AまたはG;W=AまたはN;S=CまたはG;K=GまたはN)の全部または一部を含んでいた。さらに、3つの無関係なオーファン配列が存在していた。
【0125】
[00122] プール4944(TrpdU)からのクローン:大部分の配列がパターンNnCYnnnNCNNnAARWNMAMSYN(SEQ ID NO:75)を含んでいた;他の2つの配列は異なるパターンCNnGnANCNGGAAAN(N=TrpdU;n=A、G、CまたはTrpdU;M=AまたはC;R=AまたはG;W=AまたはN;S=CまたはG;Y=CまたはN)を共有し、4つのオーファン配列も存在していた。
【0126】
[00123] プール5566(2NapdU)からのクローン:パターンAnCnNNNAAGNGAACNNNnAnnnnnnnnnGnGNNnANA(N=2NapdU;n=A、G、C、または2NapdU)が一対のクローンにみられた。このプールはさらに2つの無関係な配列を多数コピーで含んでいた。
【0127】
[00124] プール5573(PEdU)からのクローン:2つのパターンが同定された:GCCNNNCNNGNNAAACGNCCNNGANGGCAGCGNNおよびAGNNNGANCCC(N=PEdU)。さらに6つの無関係なクローンが存在していた。
【0128】
[00125] プール5578(NapdU)からのクローン:2つの活性クローンが多数コピーで存在していた。これらの配列は、競合するトキシンBアプタマー(4940−23)が標的タンパク質濃度の2倍過剰に存在する特殊なSELEXで選択された。
【0129】
[00126] 最高親和性のアプタマーは、NapdUまたはTrpdU修飾ヌクレオチドを含むクローンであった。5つのアプタマーが天然トキシンBに対してきわめて低いK<0.1nMを示した。
【0130】
表5.クロストリジウム・ディフィシレのトキシンBを用いたSELEXからのアプタマークローンの親和性
【0131】
【表5】
【0132】
表6.クロストリジウム・ディフィシレのトキシンBのアプタマークローン。リード配列はそれらの“アプタマーID No.”を太字で示し、コンセンサス配列には下線を施し、それらを表示“配列パターン”の下に示す。塩基文字“N”は、そのプールについて指示した修飾ヌクレオチド(TyrdU、BndU、NapdU、TrpdU、2NapdU、またはPEdU)を表わす。コンセンサス配列中の塩基小文字“n”は、モチーフ内の可変塩基を示し、それはA、G、C、または特定のプールについては修飾ヌクレオチド(TyrdU、NapdU、TrpdU、2NapdU、またはPEdU)から選択される。IUPACヌクレオチド不確定コードを用いた:M=AまたはC;R=AまたはG;W=AまたはN;S=CまたはG;Y=CまたはN;K=GまたはN(Nはプール特異的な修飾dUを表わす);コンセンサス配列を規定するために90%リプレゼンテーションのカットオフを採用した。
【0133】
【表6-1】
【0134】
【表6-2】
【0135】
実施例5.バイナリートキシン(A鎖)アプタマークローン
[00127] 組換えバイナリートキシン(A鎖)(CdtA)を用いるSELEXにより、TrpdU、2NapdUおよびPEdU修飾ヌクレオチドを含む活性アプタマーが得られた(表7)。
【0136】
[00128] CdtAアプタマーの配列および共通配列パターンを表8に示す。
【0137】
[00129] プール4758(TrpdU)のクローニングによりクローン4758−6が明らかになり、これはそのプールの18%を構成し、CdtAバイナリートキシンに対する良好な親和性(K=0.86nM)を示した。
【0138】
[00130] 2NapdUプールから20の配列が得られ、それらは大部分がナノモル以下の親和性を備え、これらの2NapdUクローン間で共有されている幾つかの配列パターンが同定された:GAANANnNCCGNGAnGNAANGnnANANNS(SEQ ID NO:110)、ANNRGCNnCCNGGCS(SEQ ID NO:124)、WAWNNANNA(SEQ ID NO:125)、およびGGANNGCAGGNNCMC(SEQ ID NO:134)(N=PEdU;n=A、G、CまたはPEdU;M=AまたはC;W=AまたはN;S=CまたはG;R=AまたはG)。
【0139】
[00131] PEdUプールは5つの活性アプタマーを含んでいた;それらは多数コピーで存在し、3つの配列はパターンNAAAWGNNN(SEQ ID NO:145)(N=PEdU;W=AまたはN)を共有していた。
【0140】
表7.クロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンA鎖を用いたSELEXからのアプタマークローンの親和性
【0141】
【表7】
【0142】
表8.クロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンA鎖のアプタマークローン。リード配列はそれらの“アプタマーID No.”を太字で示し、コンセンサス配列には下線を施し、それらを表示“配列パターン”の下に示す。塩基文字“N”は、そのプールについて指示した修飾ヌクレオチド(TrpdU、2NapdU、またはPEdU)を表わす。コンセンサス配列中の塩基小文字“n”は、モチーフ内の可変塩基を示し、それはA、G、C、または特定のプールについては修飾ヌクレオチド(TrpdU、2NapdU、またはPEdU)から選択される。IUPACヌクレオチド不確定コードを用いた:M=AまたはC;R=AまたはG;W=AまたはN;S=CまたはG(Nはプール特異的な修飾dUを表わす);コンセンサス配列を規定するために90%リプレゼンテーションのカットオフを採用した。
【0143】
【表8】
【0144】
実施例6.バイナリートキシン(B鎖)アプタマークローン
[00132] 組換えバイナリートキシンB鎖を用いるSELEXにより、2NapdU修飾ヌクレオチドを含む活性アプタマーが得られた(表9)。CdtBアプタマーの配列および共通配列パターンを表10に示す。最も活性なクローン5556−51はこれらのすべてのパターンを含んでいた:NNARASCS(SEQ ID NO:151)、NNNGGCNNNACG(SEQ ID NO:152)、およびAGCCNNNGRCNN(SEQ ID NO:157)(N=2NapdU;R=AまたはG;S=CまたはG);これらのうち幾つかが他の配列中に存在していた。さらに3つのクローンは無関係な配列をもっていた。
【0145】
表9.クロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンB鎖を用いたSELEXからのアプタマークローンの親和性
【0146】
【表9】
【0147】
表10.クロストリジウム・ディフィシレのバイナリートキシンB鎖のアプタマークローン。リード配列はそれらの“アプタマーID No.”を太字で示し、コンセンサス配列には下線を施し、それらを表示“配列パターン”の下に示す。塩基文字“N”は、2NapdUを表わす。IUPACヌクレオチド不確定コードを用いた:R=AまたはG;S=CまたはG;コンセンサス配列を規定するために90%リプレゼンテーションのカットオフを採用した。
【0148】
【表10】
【0149】
実施例7.診断試薬としてのトキシンA/Bおよびバイナリートキシンに対するアプタマーの使用:プルダウンアッセイ
[00133] アプタマーを用いてそれらの各標的であるトキシンA、トキシンBまたはバイナリートキシンをスパイク試料から特異的にプルダウンし、こうして必要に応じてこれらのタンパク質のアフィニティー精製が達成される。
【0150】
[00134] このアッセイでは、ビオチニル化アプタマーをMyOneストレプトアビジンビーズ上に固定化し、それらの標的と1時間混合して結合させた。次いでビーズを洗浄し、捕獲された標的にNHS−Alexa−647タグを付けた。徹底的に洗浄した後、捕獲された標的を20mM NaOHで溶離し、中和し、SDS−PAGEにより分析し、cy5チャンネルを用いてタンパク質を視覚化した。
【0151】
[00135] 図2は下記のプルダウンアッセイ結果を示す:トキシンAアプタマーは、トキシンA(組換えまたは天然)をトキシンBまたはBSAより良好にプルダウンした;トキシンBアプタマーは、トキシンB(組換えまたは天然)をプルダウンしたが、トキシンAをプルダウンしなかった;バイナリートキシンAサブユニットに対するアプタマーはCdtAをプルダウンしたが、CdtBをプルダウンしなかった;ランダムアプタマーを用いた場合にはプルダウン画分中にタンパク質は存在しなかった。
【0152】
実施例8.診断試薬としてのトキシンA/Bおよびバイナリートキシンに対するアプタマーの使用:ドットブロットアッセイ
[00136] たとえば、ビオチニル化アプタマー、および信号増強酵素、たとえばアルカリホスファターゼ(AP)または西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)を用いるドットブロットアッセイにおけるトキシン検出のために、アプタマーを用いた。
【0153】
[00137] トキシンAおよびBの単純なドットブロット法でトキシン検出を立証した(図3Aおよび3B)。このアッセイでは、ニトロセルロース膜上に系列希釈した標的1μLをスポットし、風乾した。ブロックした後、このビオチニル化アプタマー(1nM)、続いてSA−APコンジュゲート(200ng/mL)を添加し、NBT/BCIP基質で顕色させた。アプタマーによる検出限界はトキシンAおよびBのいずれについても約1fmole(300pg)であった。同じアッセイおよび同じ濃度(1nM)で用いたモノクローナル抗体はこれほど良好ではなかったが、2fmole(600pg)のトキシンAおよび20fMole(6ng)のトキシンBを検出できた。
【0154】
実施例9.診断試薬としてのトキシンA/Bおよびバイナリートキシンに対するアプタマーの使用:qPCRによるキャッチ(Catch)1および2アッセイ
[00138] キャッチ1−キャッチ2アッセイを図8に示す。トキシンAおよびBをキャッチ2溶出液のqPCRにより定量検出した(図4A〜B)。キャッチ1では、トキシン(0.001〜10nM)および過剰のBSA(1.5μM)を含有するスパイク試料を、光開裂性ビオチン−Dスペーサーを含むアプタマー(10nM)と平衡化し、ストレプトアビジンアガロースビーズ(光を透過させる比較的透明なビーズ)上に捕獲した。遊離タンパク質を洗浄除去した後、キャッチ1試料のトキシン(標的)にNHS−ビオチンでタグ付けし、アプタマーをストレプトアビジンアガロースビーズから光開裂させ、複合体をMyOneストレプトアビジンビーズ上に捕獲した(キャッチ2)。光開裂後に光開裂性ビオチン−DスペーサーがMyOneストレプトアビジンビーズへの結合を仲介することはもはやできないので、キャッチ2ではMyOneストレプトアビジンビーズへの結合はトキシン(標的)上のNHS−ビオチンが仲介した。遊離アプタマーを洗浄除去した後、標的に結合したアプタマーを高pHで溶離し、qPCRに用いた;並行してアプタマーの標準曲線を作成した。トキシンAおよBについての定量結果は>0.1nMの濃度でのみ得られた。これより低い標的濃度では非特異的バックグラウンドがあり、pPCR曲線は12サイクル未満後にプラトーに達した。これは、キャッチ1と2の間での遊離アプタマーのかなりのキャリーオーバーに起因する可能性、およびかなり高い(10nM)アプタマー濃度に起因する可能性が最も大きかった。
【0155】
実施例10.診断試薬としてのトキシンA/Bおよびバイナリートキシンに対するアプタマーの使用:アプタマー−標的−抗体サンドイッチアッセイ
[00139] ストレプトアビジンプレートサンドイッチアッセイで、ビオチニル化アプタマーおよびモノクローナル抗体を用いてトキシンを検出した(図5A〜B)。
【0156】
[00140] トキシンAおよびBについてトキシン検出を立証した。ビオチニル化アプタマー(1pmole/ウェル)をストレプトアビジンプレート上に固定化し、標的タンパク質を添加した(1nM、100pM、10pM、無タンパク質);これらは100fMole(30ng)、10fMole(3ng)、1fMole(300pg)および無タンパク質対照に対応する。プレートを洗浄し、トキシンAまたはBに対するモノクローナル抗体(それぞれ2nM)を添加し、室温で振とうしながら1時間結合させた。複合体を、ヤギ抗マウスHRPコンジュゲート、およびHRP基質としてのTMBで検出した(図5Aおよび5B)。
【0157】
[00141] このサンドイッチアッセイにより、標的濃度依存性信号および低いバックグラウンドで堅実な結果が得られた。4つすべてのトキシンAアプタマーが10pMのトキシンA(1fMole,300pg)をそれらのKに関係なく検出でき、トキシンBと交差反応しなかった。トキシンBに対するアプタマーは、より良好なKにもかかわらずこのアッセイで低い感度をもっていた;これは、おそらくアプタマーと抗体の結合部位のオーバーラップに起因すると思われる。トキシンBアプタマーのひとつ(4937−49)はトキシンAと交差反応しなかった;これはプルダウン実験からのデータと一致する。
【0158】
実施例11.診断試薬としてのトキシンA/Bおよびバイナリートキシンに対するアプタマーの使用:抗体−標的−アプタマーサンドイッチアッセイ
[00142] たとえばディップスティック型のアッセイ方式でのビオチニル化アプタマーおよびモノクローナル抗体を用いる抗体−標的−アプタマーサンドイッチアッセイにおけるトキシン検出のために、アプタマーを用いた(図6)。
【0159】
[00143] トキシンAおよびBに対するモノクローナル抗体を別個にニトロセルロースの小さな(0.6cm×2.5cm)ストリップにスポットし、風乾した。SB18T+1% BSAでブロックした後、ストリップをディープウェルプレートに立てて入れ、トキシンAおよび/またはトキシンBあるいは対照を含有する試料0.6mLを添加した。室温で1時間振とうした後、ストリップを3回洗浄した。ビオチニル化アプタマー(1nM)を添加し(0.6mL)、室温で1時間結合させた。ストリップを再び洗浄し、1nMストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲート(1時間)およびNBT/BCIPで顕色させた(図6)。
【0160】
[00144] トキシンAアプタマー4943−51は、トキシンAのみ、またはトキシンAとBの両方(1000fMoleまたは100fMole)を含有するすべての試料において、トキシンAを正確に検出し、トキシンBと交差反応しなかった。同様にトキシンBアプタマーはトキシンBを検出できた。バックグラウンドは、特にトキシンBのスポットにおいて、試料中にタンパク質が存在しない場合およびランダム対照アプタマーを用いた場合ですら高かった;これは、トキシンBモノクローナル抗体に対するストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲートの非特異的結合を示唆する。
【0161】
実施例12.診断試薬としてのトキシンA/Bおよびバイナリートキシンに対するアプタマーの使用:アプタマー−標的−アプタマーサンドイッチアッセイ
[00145] たとえばビーズに基づくアッセイ方式で、アプタマー対を用い、抗体を何ら必要としないアプタマー−アプタマーサンドイッチアッセイにおけるトキシン検出のために、アプタマーを用いた(図7)。
【0162】
[00146] 第1のビオチニル化アプタマー(クローン4758−6)をMyOne(商標)ストレプトアビジンビーズに結合させることにより、捕獲ビーズを調製した。系列希釈した標的タンパク質(CdtA)を含有する試料を添加し、CdtAをこれらの捕獲用ビーズに結合させた。ビーズを洗浄した後、第2の放射性標識CdtAアプタマークローンを平衡結合のために添加した。次いで、捕獲ビーズ自体を分配のために用いて、混合物をMAHVNプレート(0.22μ)によりろ過した。この方法は、サンドイッチ型の方式でストレプトアビジン−アプタマー4758−6−CdtA複合体に結合した標識アプタマーのみを検出するであろう。
【0163】
[00147] CdtAアプタマー対についての捕獲ビーズアッセイの結果を図7に示す。適切なアプタマー対は標的濃度に依存した信号を発生した。同一アプタマー(同一エピトープに結合)または対照アプタマー(異なる標的に結合)を用いた場合、信号が発生しなかった。
【0164】
[00148] このアッセイを用いて、標的上の別個のエピトープに結合させるためのアプタマー、すなわち同じエピトープに対して競合するのではなく別の部位に結合する各アプタマーをスクリーニングすることができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2-1】
図2-2】
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9-1】
図9-2】
図9-3】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]