特許第6018097号(P6018097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018097
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】バックアップ電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20161020BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20161020BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   H02J9/06 110
   H02J7/00 K
   H02J7/34 G
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-3713(P2014-3713)
(22)【出願日】2014年1月10日
(65)【公開番号】特開2015-133817(P2015-133817A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2015年7月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】591022597
【氏名又は名称】萩原電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【弁理士】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕嗣
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−327323(JP,A)
【文献】 特開平10−285797(JP,A)
【文献】 特開2001−309571(JP,A)
【文献】 特開2002−10501(JP,A)
【文献】 特開2008−117573(JP,A)
【文献】 特開2008−219964(JP,A)
【文献】 特開2009−129657(JP,A)
【文献】 特開2012−5160(JP,A)
【文献】 特開2012−115103(JP,A)
【文献】 特開2014−176152(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0052295(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/100035(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/077040(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源装置から給電を受けてキャパシタを充電し、前記主電源装置からの給電が停止されたときに前記キャパシタから負荷回路に電力を供給するバックアップ電源装置であって、
複数のキャパシタを接続して構成されるキャパシタモジュールと、
前記複数のキャパシタの接続状態を直列又は並列に切り替えるスイッチ回路と、
前記主電源装置から給電を受けて前記キャパシタモジュールを充電する充電モード、及び前記キャパシタモジュールから前記負荷回路に電力を供給するバックアップモードにおいて、前記スイッチ回路により前記複数のキャパシタの接続状態を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記バックアップモードにおいて、前記複数のキャパシタのすべてを直列に接続して前記負荷回路に電力を供給させ、且つ所定の周期ですべてを並列に接続することにより前記キャパシタ毎の端子間電圧を均一化させ
更に、1つの前記キャパシタの端子間の電圧を検出する使用電圧検出回路を備え、
前記制御手段は、前記バックアップモードにおいて、前記複数のキャパシタを並列に接続したときに前記使用電圧検出回路により検出された電圧が所定値以下となった場合には前記負荷回路への電力供給を停止させることを特徴とするバックアップ電源装置。
【請求項2】
前記キャパシタモジュールと前記負荷回路との間に直列に挿入されるインダクタを具備する電圧変換回路と、前記電圧変換回路の出力電圧を検出する出力電圧検出回路と、を備え、
前記制御手段は、前記バックアップモードにおいて、前記出力電圧検出回路によって検出される電圧が所定範囲となるように、前記複数のキャパシタを並列に接続する期間及び周期の少なくとも一つを制御する請求項1記載のバックアップ電源装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記充電モードにおいて、前記複数のキャパシタを並列に接続して充電を行わせる請求項1又は2に記載のバックアップ電源装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記主電源装置から供給を受ける電圧が所定値以上である間は前記充電モードで作動し、前記電圧が前記所定値を下回ったときに前記バックアップモードで作動するように切り替える請求項1乃至のいずれかに記載のバックアップ電源装置。
【請求項5】
前記主電源装置は商用電源の供給を受けており、
前記商用電源の停電及び電圧低下の少なくとも1つを検出する停電検出回路を備え、
前記制御手段は、前記停電検出回路により停電又は電圧低下が検出されたときに前記バックアップモードで作動するように切り替える請求項1乃至のいずれかに記載のバックアップ電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックアップ電源装置に関する。詳しくは、複数のキャパシタに蓄電された電気エネルギを、キャパシタの電圧不均等を防止して負荷回路に供給するバックアップ電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商用電源や発電装置等から供給される電気エネルギを蓄積し、主電源が停止したときに各種機械、装置、設備等に対して電源を供給するバックアップ電源装置が広く使用されている。従来、このようなバックアップ用途の蓄電デバイスとして、鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の二次電池が多く利用されてきたが、近年では、これら二次電池に代わり電気二重層キャパシタ等、エネルギ密度の高いキャパシタが適用される場合も増えている。例えば、電気二重層キャパシタは、リチウムイオン電池に比べてエネルギ密度は数十分の1倍程であるが、近年では、正極を電気二重層の構造とし、負極にリチウムの化学反応を利用したリチウムイオンキャパシタも開発されている。リチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタの数倍〜数十倍程度のエネルギ密度を有している。一般に、これらのキャパシタは蓄電池よりも長寿命である。また、キャパシタは、二次電池に比べてはるかに短時間で充放電することができる。そうすると、大きい電力を消費する負荷を比較的短時間バックアップする用途においては、蓄電デバイスとして小型で長寿命のキャパシタを適用することが有利となってくる。
しかし、高エネルギ密度のキャパシタを使用する場合には、過充電及び過放電を生じさせないようにする充放電対策が重要になる。一例として、静電容量が数10〜数100Fのリチウムイオンキャパシタにおいて、最大使用電圧は3.8V、下限電圧は2.2Vとされており、その電圧範囲で使用する必要がある。また、蓄電のために複数個のキャパシタが使用される場合が多く、キャパシタ毎に静電容量のばらつきがあるため、それぞれのキャパシタの使用電圧(端子間電圧)を均等化して使用することが好ましい。
【0003】
複数の電気二重層キャパシタを備えたキャパシタバンクを間欠充電によって急速充電し、各キャパシタの充電電圧を均一化する充電装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この充電装置では、キャパシタ直並列切替回路を設けたキャパシタバンクに間欠充電を行い、充電停止中に各セルを並列接続することによって各キャパシタの充電電圧が均等化されている。
また、複数個のキャパシタを直列に接続したキャパシタモジュールを備えた直流電源装置が開示されている(例えば、特許文献2を参照。)。この直流電源装置においては、常開スイッチ及び抵抗体をキャパシタ毎に並列に接続した電圧不均等化抑制回路が備えられており、複数のキャパシタのうち充電電圧が他のキャパシタの充電電圧よりも許容範囲以上高くなっているキャパシタについて抵抗体を並列接続することによって、各キャパシタの端子間電圧のばらつきが抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−309571号
【特許文献2】特開2012−115103号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のとおり、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等、高エネルギ密度のキャパシタにはキャパシタ毎に静電容量のばらつきがある。したがって、このようなキャパシタを複数個使用してバックアップ用の電源装置を構成する場合には、複数のキャパシタを充電する充電期間、及び複数のキャパシタに蓄えられた電気エネルギを負荷回路に供給するバックアップ期間において、キャパシタ毎に、過充電及び過放電を生じさせないようにすることが求められる。
しかし、特許文献1に記載されている充電装置では、充電における各キャパシタの充電電圧は均等化されたとしても、バックアップ用途においてキャパシタを過放電から保護することは検討されていない。すなわち、充電終了後の各キャパシタの端子間電圧は均等化されないため、充電が行われなくなった後に負荷回路に電力を供給するバックアップの期間に、キャパシタの容量のばらつきによって過放電を生じてしまうという問題がある。このような過放電を防止するには、各キャパシタについて使用電圧(端子間電圧)が下限電圧以上であるかどうかを監視することが必要となる。
特許文献2に記載されている直流電源装置においても、上記バックアップ期間におけるキャパシタの過放電の問題は解決されていない。また、複数のキャパシタのうち充電電圧が他のキャパシタの充電電圧よりも許容範囲以上高くなっているキャパシタを検出するために、キャパシタ毎に端子間電圧を測定する必要がある。更に、バックアップ期間において、キャパシタ毎に適宜並列に抵抗体を接続する構成を用いて使用電圧の均等化を図ろうとすると、並列接続された抵抗体によって電力が無駄に消費されてしまうという問題がある。
【0006】
上記のように、複数のキャパシタを直列に接続して負荷回路に電力を供給する用途では、キャパシタ毎の充電電圧の不均等を充電期間において抑制したとしても、充電後、キャパシタから負荷回路に電力を供給するバックアップ期間において各キャパシタの使用電圧には不均等が生じる。キャパシタ毎に端子間電圧をモニタし、いずれかのキャパシタが下限電圧にまで低下したときには電力の供給を停止する方法も考えられるが、それでは直列に接続された複数のキャパシタのうち最も静電容量の小さいキャパシタによって使用が制限されることになり、複数のキャパシタに蓄えられた電気エネルギをフルに利用することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、複数のキャパシタに蓄電された電気エネルギを負荷回路に供給するバックアップ時において、キャパシタ毎の電圧不均等を防止すると共に、キャパシタに蓄積された電気エネルギを余すところなく供給することができるバックアップ電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1.主電源装置から給電を受けてキャパシタを充電し、前記主電源装置からの給電が停止されたときに前記キャパシタから負荷回路に電力を供給するバックアップ電源装置であって、
複数のキャパシタを接続して構成されるキャパシタモジュールと、
前記複数のキャパシタの接続状態を直列又は並列に切り替えるスイッチ回路と、
前記主電源装置から給電を受けて前記キャパシタモジュールを充電する充電モード、及び前記キャパシタモジュールから前記負荷回路に電力を供給するバックアップモードにおいて、前記スイッチ回路により前記複数のキャパシタの接続状態を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記バックアップモードにおいて、前記複数のキャパシタのすべてを直列に接続して前記負荷回路に電力を供給させ、且つ所定の周期ですべてを並列に接続することにより前記キャパシタ毎の端子間電圧を均一化させ
更に、1つの前記キャパシタの端子間の電圧を検出する使用電圧検出回路を備え、
前記制御手段は、前記バックアップモードにおいて、前記複数のキャパシタを並列に接続したときに前記使用電圧検出回路により検出された電圧が所定値以下となった場合には前記負荷回路への電力供給を停止させることを特徴とするバックアップ電源装置。
.前記キャパシタモジュールと前記負荷回路との間に直列に挿入されるインダクタを具備する電圧変換回路と、前記電圧変換回路の出力電圧を検出する出力電圧検出回路と、を備え、
前記制御手段は、前記バックアップモードにおいて、前記出力電圧検出回路によって検出される電圧が所定範囲となるように、前記複数のキャパシタを並列に接続する期間及び周期の少なくとも一つを制御する上記1.記載のバックアップ電源装置。
.前記制御手段は、前記充電モードにおいて、前記複数のキャパシタを並列に接続して充電を行わせる上記1.又は2.に記載のバックアップ電源装置。
.前記制御手段は、前記主電源装置から供給を受ける電圧が所定値以上である間は前記充電モードで作動し、前記電圧が前記所定値を下回ったときに前記バックアップモードで作動するように切り替える上記1.乃至.のいずれかに記載のバックアップ電源装置。
.前記主電源装置は商用電源の供給を受けており、
前記商用電源の停電及び電圧低下の少なくとも1つを検出する停電検出回路を備え、
前記制御手段は、前記停電検出回路により停電又は電圧低下が検出されたときに前記バックアップモードで作動するように切り替える上記1.乃至.のいずれかに記載のバックアップ電源装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明のバックアップ電源装置によれば、主電源装置から給電を受けてキャパシタを充電し、前記主電源装置からの給電が停止されたときに前記キャパシタから負荷回路に電力を供給するバックアップ電源装置であって、複数のキャパシタを接続して構成されるキャパシタモジュールと、前記複数のキャパシタの接続状態を直列又は並列に切り替えるスイッチ回路と、前記主電源装置から給電を受けて前記キャパシタモジュールを充電する充電モード、及び前記キャパシタモジュールから前記負荷回路に電力を供給するバックアップモードにおいて、前記スイッチ回路により前記複数のキャパシタの接続状態を制御する制御手段と、を備え、前記バックアップモードにおいて、制御手段は、前記複数のキャパシタのすべてを直列に接続して前記負荷回路に電力を供給させ、且つ所定の周期ですべてを並列に接続することにより前記キャパシタ毎の端子間電圧を均一化させるため、直列に接続されたキャパシタのうち最も静電容量の小さいキャパシタによって使用が制限されることなく、複数のキャパシタに蓄えられた電気エネルギを余すところなく負荷回路に供給することができる。また、キャパシタ毎に電圧監視を行う必要がなく、端子間電圧を均一化させるために抵抗素子等によって無駄な電力を消費することもない。
【0010】
更に、1つの前記キャパシタの端子間の電圧を検出する使用電圧検出回路を備え、前記制御手段は、前記バックアップモードにおいて、前記複数のキャパシタを並列に接続したときに前記使用電圧検出回路により検出された電圧が所定値以下となった場合には前記負荷回路への電力供給を停止させるため、すべてのキャパシタの容量をフルに活用した上で過放電を確実に防止することができる。
前記キャパシタモジュールと前記負荷回路との間に直列に挿入されるインダクタを具備する電圧変換回路と、前記電圧変換回路の出力電圧を検出する出力電圧検出回路と、を備え、前記制御手段は、前記バックアップモードにおいて、前記出力電圧検出回路によって検出される電圧が所定範囲となるように、前記複数のキャパシタを並列に接続する期間及び周期の少なくとも一つを制御する場合には、キャパシタの直列接続及び並列接続の切り替えを利用して極めて簡単にDC−DCコンバータを構成することができ、負荷回路に安定した電源を供給することができる。
前記制御手段は、前記充電モードにおいては前記複数のキャパシタを並列に接続して充電を行わせる場合には、極めて簡単な回路構成及び制御によって、各キャパシタの充電電圧の不均等を生じることなく充電することができ、充電電圧がキャパシタの最大使用電圧を超えないようにする監視・制御も簡単に行うことができる。
【0011】
前記制御手段は、前記主電源装置から供給を受ける電圧が所定値以上である間は前記充電モードで作動し、前記電圧が前記所定値を下回ったときに前記バックアップモードで作動するように切り替える場合には、別途の手段を用いることなく、主電源装置の出力電圧の低下を検出したとき、負荷回路に対してキャパシタモジュールから素早く電源を供給することができる。
前記主電源装置は商用電源の供給を受けており、前記商用電源の停電及び電圧低下の少なくとも1つを検出する停電検出回路を備え、前記制御手段は、前記停電検出回路により停電又は電圧低下が検出されたときに前記バックアップモードで作動するように切り替える場合には、極めて簡単に無停電電源を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
図1】バックアップ電源装置の構成を表すブロック図である。
図2】バックアップモードにおいてキャパシタの接続を切り替えたときの出力電圧の変化を説明するためのタイミングチャートである。
図3】バックアップ電源装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図4】電圧変換回路を備えたバックアップ電源装置の構成を表すブロック図である。
図5】バックアップ電源装置のキャパシタが充分に充電されている状態におけるDC−DCコンバータとしての動作を説明するためのタイミングチャートである。
図6】バックアップ電源装置のキャパシタの放電が進んだ状態におけるDC−DCコンバータとしての動作を説明するためのタイミングチャートである。
図7】バックアップ電源装置の別の構成を表すブロック図である。
図8】バックアップ電源装置を用いた無停電電源の構成を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
【0014】
本実施形態に係るバックアップ電源装置の構成を図1に示す。本図において、バックアップ電源装置1の入力側は主電源装置8に、出力側は負荷回路9に接続されている。
主電源装置8は、少なくともバックアップ電源装置1に内蔵されるキャパシタを充電するための直流電源であり、バックアップ電源装置1に対して電源DCinを供給する。電源DCinの電圧はキャパシタを充電可能である限り問わず、必ずしも安定化されていなくてもよい。主電源装置8の種類は特に限定されず、例えば、商用電源の供給を受けて直流電圧を生成するAC−DCコンバータであってもよいし、発電機、太陽電池等の自然エネルギを利用する発電装置、動的エネルギの回収装置等であってもよい。
【0015】
負荷回路9は、それが通常給電を受ける電源の停止時に、バックアップ電源装置1から電力を供給する対象である。負荷回路9には、主電源装置8から通常の電源を供給するように構成することができる。負荷回路9の種類は問わず、例えば、各種電子装置や情報処理装置、機械、照明設備、電熱器具等が挙げられる。図1において、バックアップ電源装置1から負荷回路9に対して直流電源DCoutが出力されている。電源DCoutの電圧は特に問わない。また、この電源DCoutは、負荷回路9の種類や特性に応じて、電圧平滑化回路、DC−DCコンバータ、インバータ等を介して供給するように構成することができる。
【0016】
バックアップ電源装置1は、主電源装置8から給電を受けて内蔵するキャパシタを充電し、そのキャパシタから負荷回路9に電力を供給するように構成されている。バックアップ電源装置1には、複数のキャパシタ(2a、2b、2c等。以下、これらをまとめて「キャパシタ2」ともいう。また、複数のキャパシタを接続して構成される全体を「キャパシタモジュール2」という。)と、その複数のキャパシタ相互の接続状態を直列又は並列に切り替えるスイッチ回路3(31、32)と、主電源装置8から給電を受けてキャパシタモジュール2を充電する充電モード、及びキャパシタモジュール2から負荷回路9に電力を供給するバックアップモードにおいて、スイッチ回路3により複数のキャパシタ2の接続状態を制御する制御手段4と、が備えられている。
【0017】
キャパシタ2の種類は特に限定されず、例えば、エネルギ密度の高い電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等を挙げることができる。図1には3個のキャパシタ(2a、2b、2c)が表されているが、キャパシタ2の個数は問わず、負荷回路9に必要な電源電圧及び容量に応じて決められればよい。例えば、負荷回路9の電源電圧が5〜10Vであり、1個の最大使用電圧が4Vであるキャパシタを使用する場合には、少なくとも3個のキャパシタを備えて、直列に接続したキャパシタの使用電圧が負荷回路9の電源電圧を上回るように構成することが好ましい。その場合、負荷回路9に対しては、キャパシタモジュール2の出力電圧を降圧する電圧変換回路を介して電源を供給するように構成することができる。また、負荷回路9の電源電圧が高い場合には、キャパシタモジュール2の出力電圧を昇圧する電圧変換回路を介して負荷回路9に接続することも可能である。
【0018】
スイッチ回路3は、スイッチ素子31、32等を備え、主として複数のキャパシタ2相互の接続状態を直列又は並列に切り替えるための回路である。スイッチ素子31及び32は、キャパシタ2の個数に対応してそれぞれ複数備えられる。図1の例では、電源DCinと3個のキャパシタの正極端子との間に3個、各キャパシタの負極端子と基準電位0Vとの間に2個、の計5個のスイッチ素子31が備えられている。また、3個のキャパシタ2相互の正極端子と負極端子との間は、2個のスイッチ素子32を介して接続されている。
すべてのスイッチ素子31及びすべてのスイッチ素子32は、同時に切り替えられるように構成することができる。スイッチ回路3は、スイッチ素子31が閉(オン)且つ32が開(オフ)のとき、すべてのキャパシタ2が並列に接続され、スイッチ素子31が開(オフ)且つ32が閉(オン)のとき、すべてのキャパシタ2が直列に接続されるように構成されている。
【0019】
スイッチ回路3には、必要に応じてスイッチ素子311等、別途のスイッチ素子を備えることができる。例えば、スイッチ素子311は負荷回路9側に対する電源供給を制御するために用いることができ、スイッチ素子311を開(オフ)としたときは、キャパシタ2からの負荷回路9側への電源供給を停止することができる。なお、スイッチ素子311に代わりダイオードD1を置き、キャパシタ2から負荷回路9側へ向かう向きのみに電流が流れるように構成されてもよい。
すべてのスイッチ素子は、制御手段4によって制御可能に構成される。スイッチ素子としては、スイッチング用トランジスタ(例えば、FET)を用いることができる。
【0020】
制御手段4は、主電源装置8から給電を受けてキャパシタ2を充電する充電モードと、充電されたキャパシタ2から負荷回路9に電力を供給するバックアップモードとにおいて、スイッチ回路3を用いて複数のキャパシタ2の接続状態を制御する手段である。また、制御手段4にPWM(パルス幅変調)制御部を備え、バックアップモードにおいてバックアップ電源装置をDC−DCコンバータとして機能させることができる(後述のバックアップ電源装置11)。
制御手段4は、ハードウェア及びソフトウェアのいずれによって構成されてもよいし、それらを組み合わせて構成されてもよい。例えば、制御手段4はマイクロコンピュータ(マイクロコントローラ)及び周辺回路を用いて構成することができる。
【0021】
なお、バックアップ電源装置1には、その作動に必要な電源(7)が備えられる(図示せず)。制御手段4やスイッチ回路3等、バックアップ電源装置1の作動に必要な電源(7)の構成は特に問わない。例えば、主電源装置8の作動中(充電モード)には主電源装置8(81)から電源供給を受け、主電源装置8の停止時(バックアップモードでの作動時)には、電圧変換回路(6)等を介して、キャパシタ2に蓄えられた電力の供給を受けるように構成することができる(図8参照)。また、必要な場合には、制御手段4を作動させるための蓄電池等を備えてもよい。
【0022】
前記「充電モード」は、バックアップ電源装置1が主電源装置8から給電を受けている期間(充電期間)の動作態様を意図している。充電モードの間、キャパシタ2は充電される。また、その間、負荷回路9には主電源装置8又は別途の電源装置から電源(通常電源)を供給するように構成することができる。
前記「バックアップモード」は、負荷回路9に通常電源を供給する電源装置が停止し、バックアップ電源装置1が充電モードにおいて蓄電したキャパシタ2の電力を負荷装置9に供給する期間(バックアップ期間)の動作態様を意図している。
【0023】
図2は、スイッチ回路3を切り替えたときの、キャパシタモジュール2の電圧の変化を表したタイミングチャートである。同図(a)はスイッチ素子31及び32のオン、オフの状態、(b)は直列又は並列に接続されたキャパシタモジュール2の両端の間に生じる電圧(図1において基準電位「0V」に対する「A」点の電圧)Vaを表している。
スイッチ素子31がオフ且つ32がオンにされた直列接続期間Tsにおいては、キャパシタ2は直列に接続される。そして、周期T1毎に、スイッチ素子31がオン且つ32がオフにされ、キャパシタ2が並列に接続される(並列接続期間Tp)。
電圧Vaは、バックアップ期間においてスイッチ素子311がオンの間バックアップ電源装置1の出力DCoutから出力される電圧であり、以下「キャパシタモジュール2の出力電圧」という。
【0024】
キャパシタモジュール2にn個のキャパシタが備えられており、1個のキャパシタの端子間の電圧がVcであるとする。直列接続期間Tsにおいてはn個のキャパシタが直列に接続され、このときの電圧Vaの値Vsは、n×Vcとなる。また、並列接続期間Tpにおいてはn個のキャパシタが並列に接続され、このときの電圧Vaの値VpはVcと等しい。各キャパシタの容量にばらつきがあっても、並列に接続された状態では各キャパシタ間の電荷移動により使用電圧の不均等が解消される。
なお、「使用電圧」とは1つのキャパシタ2の端子間の電圧をいい、充電モードにおいてはこれを「充電電圧」ともいう。
【0025】
バックアップ電源装置1は、1つのキャパシタ2の端子間の電圧を検出する使用電圧検出回路41を備え、その検出結果を制御手段4により取得可能に構成することができる。制御手段4は、直列接続したキャパシタ2を周期的に並列接続に切り替え、並列接続期間Tpにおいて、均等化されたキャパシタ2の使用電圧を検出することができる(図2の「M」点)。そして、充電モードにおいては、制御手段4は、検出した使用電圧を1個のキャパシタ2について規定されている最大使用電圧と比較することによって、過充電を防止するように構成することができる。また、バックアップモードにおいては、制御手段4は、検出した使用電圧を1個のキャパシタ2について規定されている下限電圧と比較することによって、過放電を防止するように構成することができる。
【0026】
図3を参照して、充電モード及びバックアップモードを通したバックアップ電源装置1の一連の動作を説明する。同図(a)は、主電源装置8から供給される直流電源DCinの電圧を表し、(b)はスイッチ素子31及び32のオン・オフ状態、(c)はキャパシタモジュール2の両端間に生じる電圧Vaを表す。図において、時間t〜tは充電モードの動作、時間t〜tはバックアップモードの動作を表している。
【0027】
時刻tに主電源装置8から直流電源の供給が開始されると、バックアップ電源装置1は充電モードで作動する。充電モードにおいては、バックアップ電源装置1は負荷回路9に対する電源供給は行わず、キャパシタ2を充電する。負荷回路9への電源供給を遮断するには、例えばスイッチ素子311をオフとすればよい。
充電モードにおけるキャパシタ2の充電方式は特に限定されない。例えば、図1に示した回路構成によって、制御手段4は複数のキャパシタ2を常時並列に接続して充電を行うように構成することができる(図3の「イ」参照)。また、別の回路構成によって、キャパシタ2を直列に接続して少ない電流により充電するようにすることができる(図3の「ロ」参照)。更に、キャパシタ2を直列に接続して充電を行い、各キャパシタ2のばらつきによって充電電圧が不均等となるのを抑制するために、適宜の周期で並列接続するようにすることもできる。
【0028】
キャパシタ2の充電を直列状態及び並列状態のいずれで行う場合にも、充電電圧を監視することにより、キャパシタ2の充電電圧が最大使用電圧を超えないように制御して過充電を防止する必要がある。いずれの場合も、制御手段4は、キャパシタ2を並列接続した期間において、使用電圧検出回路41により充電電圧を検出することができる。そして、例えば、検出した充電電圧が所定電圧(例えば、最大使用電圧の80%)に達するまでは定電流充電を行い、所定電圧を超えた後は定電圧充電に切り替えるように制御することによって、キャパシタ2を十分に充電すると共に過充電を防止することができる。
【0029】
時刻tに主電源装置8からの電源供給が停止されたとき、バックアップ電源装置1の動作は、制御手段4によって直ちにバックアップモードに切り替えられる。主電源装置8からの電源供給の停止を判断する方法は限定されない。例えば、図1に示されているように、バックアップ電源装置1に入力DCinの電圧(Vin)を検出する入力電圧検出回路43を備え、制御手段4は、主電源装置8から供給を受ける電圧Vinが所定値以上である間は充電モードで作動し、電圧Vinが所定値を下回ったときはバックアップモードで作動するように切り替えるようにすることができる。
【0030】
その他、充電モードからバックアップモードへの切り替えタイミングは、外部からのスイッチ信号等によって選択可能にすることもできる。例えば、電源として発電機を使用する場合、発電機を短時間停止させても、その停止信号によってバックアップモードに切り替え、キャパシタモジュール2から負荷回路9に電源を供給するようにすることができる。また、負荷回路9が商用電源を使用する電気機器であれば、商用電源をオフにしたり電気機器を商用電源から切り離して使用したりしても、バックアップモードへ切り替えることによってキャパシタモジュール2から電気機器に電源を供給するようにすることができる。
【0031】
バックアップモードにおいて、制御手段4は、複数のキャパシタ2を直列に接続して負荷回路9に電力を供給させ、且つ周期的に所定時間(Tp)並列に接続する。複数のキャパシタ2は周期的に並列接続状態とされるため、各キャパシタのばらつきに起因して直列に接続された期間(Ts)に生じたキャパシタ毎の使用電圧の不均等は、並列接続されたときの電荷移動により解消される。キャパシタ2を並列接続状態とする期間Tpの長さ、及び並列接続状態に切り替える周期T1は、適宜とすることができる。
【0032】
バックアップ期間において、複数(n個)のキャパシタ2は、期間Tsの間直列に接続され、周期T1で期間Tpの間並列接続される。ある時点のキャパシタ1個当りの端子間電圧(使用電圧)をVcとすると、直列接続されたキャパシタモジュール2の電圧Vs=n×Vc、並列接続されたキャパシタモジュール2の電圧Vp=Vcとなる。そして、キャパシタモジュール2からは負荷回路9へ電流が供給されるので、図3に示されるように、上記電圧Vs及びVpは時間経過に伴って放電により減少する。制御手段4は、並列接続期間Tpに、使用電圧検出回路41により電圧Vpを検出することができる。
【0033】
そこで、並列接続状態で検出された使用電圧Vpの値がキャパシタ2について規定された下限電圧Veに至ったときに(時刻t)、制御手段4は、負荷回路9への電源供給を停止させることができる。キャパシタ2毎の使用電圧は均等化されているため、すべてのキャパシタについて過放電を防止することができ、且つn個のキャパシタに蓄積されたエネルギを余すことなく利用することが可能となる。すなわち、各キャパシタのばらつきによって、いずれかのキャパシタは下限電圧Veに至ったが、他のキャパシタは下限電圧Ve以上であって、全体としては利用できる電気エネルギが残っているにもかかわらず、下限電圧Veに至ったキャパシタを保護するためにバックアップを終了させなければならないという問題は解決される。
負荷回路9への電力供給を停止させる手段は限定されない。例えば、スイッチ素子311を開とすればよいが、全てのスイッチ素子31及び32を開としてもよい(図1参照)。また、別途の遮断手段が設けられてもよい。
【0034】
本バックアップ電源装置は、キャパシタモジュール2と負荷回路9との間に直列に挿入されるインダクタを具備する電圧変換回路(6)と、電圧変換回路(6)の出力電圧を検出する出力電圧検出回路(45)と、を備えることができる。この構成によって、本バックアップ電源装置はバックアップモードにおいてDC−DCコンバータとしての機能を備えることができる。
【0035】
図4は、降圧DC−DCコンバータを構成する例を表している。このバックアップ電源装置11は、キャパシタモジュール2の出力回路に直列にインダクタ61(インダクタンスL)が挿入された電圧変換回路6を備える。キャパシタモジュール2の出力はスイッチ素子311を介してインダクタ61の一端に接続されている。スイッチ素子311は、バックアップモードにおいてスイッチ素子32と同じ開閉動作を行うように構成されている。すなわち、キャパシタ2が直列に接続される間スイッチ素子311が閉(オン)となり、キャパシタモジュール2の出力が電圧変換回路6に供給される。一方、キャパシタ2が並列に接続される間はスイッチ素子311が開(オフ)となり、キャパシタモジュール2の出力は電圧変換回路6に供給されない。
インダクタ61の他端は電圧変換回路6の出力端(DCout2)に接続されている。また、インダクタ61の上記他端には、基準電位0Vとの間にキャパシタ63が接続されている。電圧変換回路6の出力電圧を検出するための出力電圧検出回路45には、電圧変換回路6の出力電圧を抵抗65及び66により分圧した電圧Vmが入力される。なお、インダクタ61の上記一端と基準電位0Vとの間には、ダイオード62が接続されている。
【0036】
図5及び図6は、図4に示した電圧変換回路6を備えたバックアップ電源装置11について、DC−DCコンバータとしての動作を説明するためのタイミングチャートである。図5及び6の(a)はスイッチ素子31及び32のオン・オフ状態、(b)はキャパシタモジュール2の出力電圧(0Vを基準とした「A」点の電圧)Va、(c)はインダクタ61を流れる電流I、(d)は電圧変換回路6の出力DCout2の電圧を表す。以下の説明においては、1個当り最大使用電圧4Vのキャパシタ2を3個使用し、電圧変換回路6の出力電圧を5V±20mVの範囲に制御するものとする。簡単のため、負荷回路9の消費電力は常に24Wであり、電力の変換効率は100%であると仮定する。
【0037】
まず、図5を参照して、キャパシタ2が充分に充電されている状態における作用を説明する。制御手段4は、スイッチ回路3により、キャパシタの直列接続状態(期間Ts)と並列接続状態(期間Tp)とを周期的(周期T1)に切り替える。各キャパシタが最大使用電圧4Vに充電されている場合、キャパシタが直列接続される期間Tsのキャパシタモジュール2の出力電圧Vaの値Vは12Vである。よって、電圧変換回路6に入力される電圧は、ダイオード62による電圧降下分を無視すれば、直列接続期間Tsにおいて約12V、並列接続期間Tpにおいて約0Vとなる。
【0038】
電圧変換回路6の出力電圧は約5Vであるので、インダクタ61の両端間に生じる電圧Vは、直列接続期間Tsにおいて約(12V−5V=)7V、並列接続期間Tpにおいて約(0V−5V=)−5Vとなる。インダクタ61の両端間に生じる電圧Vとそれを流れる電流Iとは、VL=L(dI/dt)の関係があるため、電流Iは、図5(c)に示すように、直列接続期間Tsにおいて増加(上昇率はL(dI/dt)=7V)し、並列接続期間Tpにおいて減少(下降率はL(dI/dt)=5V)する脈流となる。その電流の平均値Iは約4.8Aであり、これにより負荷回路9に約24Wの電力が供給されることとなる。
【0039】
次に、キャパシタ2の放電が進んで使用電圧が低下した状態では、バックアップ電源装置11の動作は図6に示すように変化する。この状態においては、制御手段4は、キャパシタの直列接続状態(期間Ts)と並列接続状態(期間Tp)とを周期的に切り替える。本例では、キャパシタを並列接続に切り替える周期T1は、前図の場合と同一としている。各キャパシタの使用電圧が2Vに低下している状態では(キャパシタの下限電圧は2Vより低いものとする。)、キャパシタが直列接続される期間Tsのキャパシタモジュール2の出力電圧Vaの値Vは6Vである。よって、電圧変換回路6に入力される電圧は、ダイオード62による電圧降下分を無視すれば、直列接続期間Tsにおいて約6V、並列接続期間Tpにおいて約0Vとなる。
【0040】
電圧変換回路6の出力は約5Vであるので、インダクタ61の両端間に生じる電圧Vは、直列接続期間Tsにおいて約(6V−5V=)1V、並列接続期間Tpにおいて約(0V−5V=)−5Vとなる。そうすると、インダクタ61を流れる電流Iは、図6(c)に示すように、直列接続期間Tsにおいて増加(上昇率はL(dI/dt)=1V)し、並列接続期間Tpにおいて減少(下降率はL(dI/dt)=5V)する脈流となる。その電流の平均値Iは約4.8Aであり、これにより負荷回路9に約24Wの電力が供給されることとなる。キャパシタ2の使用電圧が低下していない場合に比べて、直列接続期間は長く(Ts<Ts)、並列接続期間は短く(Tp>Tp)なる。
以上のように、バックアップ電源装置11は、直列接続期間Ts及び並列接続期間Tpの時間を制御することにより、負荷回路9に供給する出力(DCout2)の電圧を安定して約5V(5V±20mV)に保つことができる。
【0041】
電圧変換回路6を備えたバックアップ電源装置11においては、上記作用により、キャパシタ2の使用電圧が変化しても、制御手段4は、直列接続期間Ts及び並列接続期間Tpを変化させることによって出力(DCout2)の電圧を一定範囲に安定化させることができる。このために、制御手段4は、出力電圧検出回路45によって電圧変換回路6の出力電圧を検出し、その電圧値が所定範囲となるように、キャパシタ2の接続状態の切り替えタイミングを制御するようにすることができる。
【0042】
制御手段4によるキャパシタ2の接続状態の切り替えタイミングの制御方法は特に限定されない。例えば、図5及び6に示したように、キャパシタ2を並列接続に切り替える周期T1を一定とすれば、電圧変換回路6の出力電圧が所定範囲となるように、直列接続期間Ts又は並列接続期間Tpの長さ(TsとTpの比)を変化させることができる。また、キャパシタ2を並列に接続する周期T1を変化させることによって、電圧変換回路6の出力電圧が所定範囲となるように制御してもよい。すなわち、制御手段4は、キャパシタ2の並列接続期間Tp又は直列接続期間Tsの長さ、及び周期T1の長さのうちの少なくとも一つを制御することにより、電圧変換回路6の出力電圧が所定範囲となるように制御することができる。制御手段4は、周期T1、直列接続期間Ts及び並列接続期間Tpの制御を、例えばPWM(パルス幅変調)制御によって容易に行うことができる。スイッチ素子31又は32の駆動信号をPWMによって生成されるパルス信号とし、周期T1を一定とする場合には、PWMのデューティ比によって並列接続期間Tp及び直列接続期間Tsを変化させることができる。
【0043】
また、制御手段4は、キャパシタ2の並列接続期間Tpの間に、使用電圧検出回路41を用いて、キャパシタ2の使用電圧Vpを検出することができる。そして、図6に示したようなキャパシタ2の放電が進んだ状態において、均等化されたキャパシタ2の使用電圧Vpが下限電圧Veにまで低下したことを検出したときには、キャパシタモジュール2から負荷回路9側への電力供給を停止させることができる。
【0044】
本バックアップ電源装置において、前記のとおり、充電モードにおけるキャパシタ2の充電方式は特に限定されない。例えば、バックアップ電源装置1の回路構成(図1参照)を用いて、制御手段4は、充電モードの間キャパシタ2相互を常時並列接続とし、キャパシタ2を充電することができる。また、充電モードの間、スイッチ素子311を開とすることによって、負荷回路9側への電力供給を遮断しておくことができる。
これに限らず、例えば、図7に示すような回路構成によって、充電モードにおいてキャパシタ2を直列に接続して充電可能とすることもできる。本図のバックアップ電源装置12は、スイッチ素子36及び37を備え、その他の構成は図1と同様である。スイッチ素子36及び37を閉(オン)、スイッチ素子31を開、32を閉とした状態で、キャパシタ2を直列に接続して充電することができる。また、周期的に、スイッチ素子37を開(オフ)とすると共に、スイッチ素子36及び31を閉、32を開の状態とすることにより、キャパシタ2を並列に接続してキャパシタ毎の充電電圧の不均等を解消するようにすることができる。そのキャパシタ2を並列に接続した状態において、使用電圧計測回路41を用いてキャパシタ2の充電電圧を検出することが可能である。
【0045】
図8は、以上に説明したバックアップ電源装置を適用した、商用電源の供給を受ける無停電電源装置(UPS)の構成例を表している。この無停電電源装置は、キャパシタモジュール2、スイッチ回路3、制御手段4、電圧変換回路6等を備える。キャパシタモジュール2を充電するための主電源装置8は、商用(AC)電源の供給を受けて直流電源を生成するAC−DCコンバータ81、定電流供給回路82、定電圧供給回路83、及び定電流供給回路82と定電圧供給回路83とを切り替える電源切替スイッチ85等から構成されている。
【0046】
AC電源が投入されると、制御手段4は電源切替スイッチ85により定電流供給回路82を接続し、キャパシタモジュール2は一定の電流で充電される。そして、制御手段4は、使用電圧検出回路41を用いてキャパシタ2の充電電圧(Vp)を検出し、充電電圧Vpが所定の電圧を超えた場合には、電源切替スイッチ85を定電圧供給回路83側に接続する。これにより、キャパシタ2の過充電を防止することができる。
【0047】
本例においては、AC電源の停電及び電圧低下の少なくとも1つを検出する停電検出回路47を設けて、主電源装置8に供給されるAC電源の異常(電圧低下、停電、瞬時停電等)を検出するようにしている。停電検出回路47の具体的な構成・機能は特に限定されず、例えば、AC電源の電圧が所定値以下となったこと(電圧低下)を検出するようにしてもよいし、AC電源の入力が所定時間以上断となったこと(停電又は瞬時停電)を検出するようにしてもよい。また、これらの条件を組み合わせてAC電源の異常を検出するようにすることもできる。
制御手段4は、AC電源が正常に供給されている間は充電モードで作動し、停電検出回路47によりAC電源の異常が検出されたときにはバックアップモードで作動するように切り替えることができる。
これに限らず、キャパシタモジュール2の入力電源DCinの電圧を検出する前記入力電圧検出回路43を備え、制御手段4は、主電源装置8から供給を受ける直流電圧が所定値以上であるかどうかによって充電モードとバックアップモードとを切り替えるようにしてもよい。
【0048】
また、本例では、バックアップ電源装置(制御手段4等)の作動に必要な電源Vccを生成するDC−DCコンバータ7を備えている。DC−DCコンバータ7の入力は、主電源装置8(AC−DCコンバータ81)及び電圧変換回路6の各出力と接続されている。これにより、バックアップ電源装置(制御手段4等)は、充電モードにおいては主電源装置8から給電を受け、バックアップモードにおいては電圧変換回路6すなわちバックアップ電源装置自体から給電を受けることができる。
【0049】
尚、本発明においては、以上に示した実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した態様とすることができる。
【符号の説明】
【0050】
1、11、12;バックアップ電源装置、2(2a、2b、2c);キャパシタモジュール(キャパシタ)、3(31、32、34、36、37、311);スイッチ回路(スイッチ素子)、4;制御手段、41;使用電圧検出回路、43;入力電圧検出回路、45;出力電圧検出回路、47;停電検出回路、6;電圧変換回路、61;インダクタ、63;キャパシタ、7;DC−DCコンバータ、8;主電源装置、81;AC−DCコンバータ、82;定電流供給回路、83;定電圧供給回路、85;電源切替スイッチ、9;負荷回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8