(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、チャンバー内に発生されるプラズマの均一度を調節することができるプラズマ発生装置及びその制御方法、及び基板処理装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態は、必要によってチャンバー内に発生されるプラズマの均一度を調節して基板処理工程の収率を改善させるプラズマ発生装置及びその制御方法、及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によるプラズマ発生装置は、RF信号を提供するRF電源と、ガスが注入されてプラズマが生成される空間を提供するプラズマチャンバーと、前記プラズマチャンバーの一部分に設置され、前記RF信号が印加されて前記プラズマチャンバーに電磁場を誘導する第1電磁場誘導器と、前記プラズマチャンバーの他の部分に設置され、前記RF信号が印加されて前記プラズマチャンバーに電磁場を誘導する第2電磁場誘導器と、前記第1電磁場誘導器に連結された第1負荷と、前記第2電磁場誘導器に連結された第2負荷と、前記第1負荷及び前記第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節して、前記第1電磁場誘導器及び前記第2電磁場誘導器へ供給される電力を制御する制御器と、を包含することができる。
【0006】
前記プラズマチャンバーは、底面の大きさが互に異なる第1及び第2柱部を包含することができる。
【0007】
前記第1柱部は、前記第2柱部より底面が小さく、前記第1電磁場誘導器は、前記第1柱部に設置され、前記第2電磁場誘導器は、前記第2柱部に設置され得る。
【0008】
前記第1電磁場誘導器及び前記第2電磁場誘導器の中で少なくとも1つは、前記プラズマチャンバーの外側に巻かれるコイルを包含することができる。
【0009】
前記第1電磁場誘導器と前記第2電磁場誘導器とは、並列に連結され得る。
【0010】
前記第1負荷は、前記第1電磁場誘導器の入力端に連結された第1可変キャパシターを含み、前記第2負荷は、前記第2電磁場誘導器の入力端に連結された第2可変キャパシターを包含することができる。
【0011】
前記プラズマ発生装置は、前記第1及び第2可変キャパシターのキャパシタンスを測定する測定器をさらに含み、前記制御器は、前記測定されたキャパシタンスに基づいて、前記第1負荷及び前記第2負荷のインピーダンスを計算することができる。
【0012】
前記プラズマ発生装置は、前記第1及び第2電磁場誘導器へ印加されるRF信号を感知する感知器をさらに含み、前記制御器は、前記感知器から入力されたデータに基づいて、前記第1電磁場誘導器及び前記第2電磁場誘導器へ供給される電力を計算することができる。
【0013】
前記制御器は、前記第1電磁場誘導器より前記第2電磁場誘導器へさらに大きい電力が供給されるように制御することができる。
【0014】
前記制御器は、前記プラズマを利用して処理される基板上の薄膜の厚さにしたがって前記第1及び第2電磁場誘導器へ供給される電力を制御することができる。
【0015】
前記制御器は、前記基板の中心領域に形成された薄膜の厚さが前記基板の縁領域に形成された薄膜の厚さより大きい場合、前記第1電磁場誘導器へ供給される電力を増加させ、前記第2電磁場誘導器へ供給される電力を減少させ、前記基板の縁領域に形成された薄膜の厚さが前記基板の中心領域に形成された薄膜の厚さより大きい場合、前記第1電磁場誘導器へ供給される電力を減少させ、前記第2電磁場誘導器へ供給される電力を増加させることができる。
【0016】
前記プラズマ発生装置は、前記第1電磁場誘導器の接地端に連結された第3負荷と、前記第2電磁場誘導器の接地端に連結された第4負荷と、をさらに包含することができる。
【0017】
前記第3負荷は、前記制御器によってキャパシタンスが調節される第3可変キャパシターを含み、前記第4負荷は、前記制御器によってキャパシタンスが調節される第4可変キャパシターを包含することができる。
【0018】
前記制御器は、前記第3負荷のインピーダンスが前記第1電磁場誘導器のインピーダンスの半分になるように前記第3負荷のインピーダンスを調節し、前記第4負荷のインピーダンスが前記第2電磁場誘導器のインピーダンスの半分になるように前記第4負荷のインピーダンスを調節することができる。
【0019】
前記制御器は、前記第1電磁場誘導器へ印加されるRF信号と前記第3負荷へ印加されるRF信号とを比較して、比較結果にしたがって前記第3負荷のインピーダンスを調節し、前記第2電磁場誘導器へ印加されるRF信号と前記第4負荷へ印加されるRF信号とを比較して、比較結果にしたがって前記第4負荷のインピーダンスを調節することができる。
【0020】
前記制御器は、前記第1電磁場誘導器へ印加されるRF信号の振幅と前記第3負荷へ印加されるRF信号の振幅とを比較し、前記第2電磁場誘導器へ印加されるRF信号の振幅と前記第4負荷へ印加されるRF信号の振幅とを比較することができる。
【0021】
前記制御器は、前記第1電磁場誘導器へ印加されるRF信号の振幅が前記第3負荷へ印加されるRF信号の振幅より大きければ、前記第3負荷のインピーダンスを増加させ、前記第1電磁場誘導器へ印加されるRF信号の振幅が前記第3負荷へ印加されるRF信号の振幅より小さければ、前記第3負荷のインピーダンスを減少させ、前記第2電磁場誘導器へ印加されるRF信号の振幅が前記第4負荷へ印加されるRF信号の振幅より大きければ、前記第4負荷のインピーダンスを増加させ、前記第2電磁場誘導器へ印加されるRF信号の振幅が前記第4負荷へ印加されるRF信号の振幅より小さければ、前記第4負荷のインピーダンスを減少させることができる。
【0022】
本発明の一実施形態によるプラズマ発生装置の制御方法は、第1電磁場誘導器に連結された第1負荷及び第2電磁場誘導器に連結された第2負荷に関するデータが入力される段階と、前記第1負荷のインピーダンスと前記第2負荷のインピーダンスとの間の比率を計算する段階と、前記比率が既設定された目標比率になるように前記第1負荷及び前記第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階と、を包含することができる。
【0023】
前記第1負荷及び第2負荷に関するデータが入力される段階は、前記第1負荷に含まれた可変キャパシターのキャパシタンスと前記第2負荷に含まれた可変キャパシターのキャパシタンスとが入力される段階を包含することができる。
【0024】
前記第1電磁場誘導器は、プラズマチャンバーの第1柱部に設置され、前記第2電磁場誘導器は、前記プラズマチャンバーの第2柱部に設置され、前記第2柱部は、前記第1柱部より底面がさらに大きいことがあり得る。
【0025】
前記目標比率は、前記第1負荷のインピーダンスが前記第2負荷のインピーダンスより大きくなるように設定され得る。
【0026】
前記プラズマ発生装置の制御方法は、プラズマを利用して処理される基板上の薄膜の厚さにしたがって前記第1負荷及び前記第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階をさらに包含することができる。
【0027】
前記薄膜の厚さにしたがって第1及び第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階は、前記基板上の薄膜の厚さ分布に関するデータが入力される段階と、前記薄膜の厚さ分布に関するデータにしたがって前記第1及び第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階と、を包含することができる。
【0028】
前記薄膜の厚さにしたがって第1負荷及び第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階は、前記基板の中心領域に形成された薄膜の厚さ及び前記基板の縁領域に形成された薄膜の厚さが入力される段階と、前記基板の中心領域に形成された薄膜の厚さが前記基板の縁領域に形成された薄膜の厚さより大きい場合、前記第1負荷のインピーダンスを低くするか、或いは前記第2負荷のインピーダンスを高くする段階と、前記基板の縁領域に形成された薄膜の厚さが前記基板の中心領域に形成された薄膜の厚さより大きい場合、前記第1負荷のインピーダンスを高くするか、或いは前記第2負荷のインピーダンスを低くする段階と、を包含することができる。
【0029】
本発明の一実施形態によるプラズマ発生装置は、内部に基板が配置されてプラズマ処理が遂行される空間を提供する工程ユニットと、ガスからプラズマを発生させて前記工程ユニットにプラズマを供給するプラズマ発生ユニットと、前記工程ユニットから工程ガス及び反応副産物を排出させる排気ユニットと、を含み、前記プラズマ発生ユニットは、RF信号を提供するRF電源と、ガスが注入されてプラズマが生成される空間を提供するプラズマチャンバーと、前記プラズマチャンバーの一部分に設置され、前記RF信号が印加されて前記プラズマチャンバーに電磁場を誘導する第1電磁場誘導器と、前記プラズマチャンバーの他の部分に設置され、前記RF信号が印加されて前記プラズマチャンバーに電磁場を誘導する第2電磁場誘導器と、前記第1電磁場誘導器に連結された第1負荷と、前記第2電磁場誘導器に連結された第2負荷と、前記第1負荷及び前記第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節して前記第1電磁場誘導器及び前記第2電磁場誘導器へ供給される電力を制御する制御器と、を包含することができる。
【0030】
前記プラズマチャンバーは、底面の大きさが互に異なる第1及び第2柱部を包含することができる。
【0031】
前記第1柱部は、前記第2柱部より底面が小さく、前記第1電磁場誘導器は、前記第1柱部に設置され、前記第2電磁場誘導器は、前記第2柱部に設置され得る。
【0032】
前記第1電磁場誘導器及び前記第2電磁場誘導器の中で少なくとも1つは、前記プラズマチャンバーの外側に巻かれるコイルを包含することができる。
【0033】
前記第1電磁場誘導器と前記第2電磁場誘導器とは、並列に連結され得る。
【0034】
前記第1負荷は、前記第1電磁場誘導器の入力端に連結された第1可変キャパシターを含み、前記第2負荷は、前記第2電磁場誘導器の入力端に連結された第2可変キャパシターを包含することができる。
【0035】
前記プラズマ発生装置は、前記第1及び第2可変キャパシターのキャパシタンスを測定する測定器をさらに含み、前記制御器は、前記測定されたキャパシタンスに基づいて、前記第1負荷及び前記第2負荷のインピーダンスを計算することができる。
【0036】
前記プラズマ発生装置は、前記第1及び第2電磁場誘導器へ印加されるRF信号を感知する感知器をさらに含み、前記制御器は、前記感知器から入力されたデータに基づいて、前記第1電磁場誘導器及び前記第2電磁場誘導器へ供給される電力を計算することができる。
【0037】
前記制御器は、前記第1電磁場誘導器より前記第2電磁場誘導器へさらに大きい電力が供給されるように制御することができる。
【0038】
前記制御器は、前記プラズマを利用して処理される基板上の薄膜の厚さにしたがって、前記第1及び第2電磁場誘導器へ供給される電力を制御することができる。
【0039】
前記制御器は、前記基板の中心領域に形成された薄膜の厚さが前記基板の縁領域に形成された薄膜の厚さより大きい場合、前記第1電磁場誘導器へ供給される電力を増加させ、前記第2電磁場誘導器へ供給される電力を減少させ、前記基板の縁領域に形成された薄膜の厚さが前記基板の中心領域に形成された薄膜の厚さより大きい場合、前記第1電磁場誘導器へ供給される電力を減少させ、前記第2電磁場誘導器へ供給される電力を増加させ得る。
【0040】
本発明の一実施形態によるプラズマ発生装置の制御方法は、コンピューターで実行されることができるプログラムに具現されて、コンピューターで読み出されることができる記録媒体に記録され得る。
【発明の効果】
【0041】
本発明の実施形態によれば、チャンバー内に発生されるプラズマの均一度を調節することができる。
本発明の実施形態によれば、必要によってチャンバー内に発生されるプラズマの均一度を調節して基板処理工程の収率を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の他の長所及び特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に詳細に後述される実施形態を参照すれば、明確になる。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されることではなく、互に異なる多様な形態に具現でき、単なる本実施形態は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されることであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0044】
もし定義されなくても、ここで使用されるすべての用語(技術或いは科学用語を包含)はこの発明が属する従来技術で普遍的な技術によって一般的に収容されることと同一な意味を有する。一般的な辞書によって定義された用語は関連された技術及び/或いは本出願の本文に意味することと同一な意味を有することと解釈され得、そしてここで明確に定義された表現ではなくても概念化されるか、或いは過度に形式的に解釈されないべきである。
【0045】
本明細書で使用された用語は実施形態を説明するためのことであり、本発明を制限しようとすることではない。本明細書で単数形は文句で特別に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される‘含む’及び/又はこの動詞の多様な活用形、例えば‘包含’‘包含する’、‘含み’、‘包含し’等は言及された造成、成分、構成要素、段階、動作及び/又は素子は1つ以上の他の造成、成分、構成要素、段階、動作及び/又は素子の存在又は追加を排除しない。本明細書で‘及び/又は’という用語は羅列された構成の各々又はこれらの多様な組合を示す。
【0046】
一方、本明細書全体で使用される‘〜部’、‘〜器’、‘〜ブロック’、‘〜モジュール’等の用語は少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味することができる。例えばソフトウェア、FPGA又はASICのようなハードウェア構成要素を意味することができる。しかし、‘〜部’、‘〜器’、‘〜ブロック’、‘〜モジュール’等がソフトウェア又はハードウェアに限定される意味ではない。‘〜部’、‘〜器’、‘〜ブロック’、‘〜モジュール’はアドレッシングすることができる格納媒体に格納されるように構成されることも得、1つ又はその以上のプロセッサーを再生させるように構成されることもあり得る。
【0047】
以下、本明細書に添付された図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0048】
図1は本発明の一実施形態によるプラズマ発生ユニットを使用する基板処理装置の例示的な図面である。
【0049】
図1を参照すれば、基板処理装置1はプラズマを利用して基板W上の薄膜を蝕刻又はアッシング(ashing)することができる。蝕刻又はアッシングしようとする薄膜は窒化膜であり得る。一例によれば、窒化膜はシリコン窒化膜(Silicon nitride)であり得る。
【0050】
基板処理装置1は工程ユニット100、排気ユニット200、及びプラズマ発生ユニット300を有することができる。工程ユニット100は基板が置かれ、蝕刻又はアッシング工程が遂行される空間を提供することができる。排気ユニット200は工程ユニット100の内部に留まる工程ガス及び基板処理過程で発生した反応副産物等を外部へ排出し、工程ユニット100内の圧力を設定圧力に維持することができる。プラズマ発生ユニット300は外部から供給される工程ガスからプラズマ(plasma)を発生させ、これを工程ユニット100へ供給することができる。
【0051】
工程ユニット100は工程チャンバー110、基板支持部120、及びバッフル130を有することができる。工程チャンバー110の内部には基板処理工程を遂行する処理空間111が形成され得る。工程チャンバー110は上部壁が開放され、側壁には開口(図示せず)が形成され得る。基板は開口を通じて工程チャンバー110へ出入することができる。開口はドア(図示せず)のような開閉部材によって開閉され得る。工程チャンバー110の底面には排気ホール112が形成され得る。
【0052】
排気ホール112は排気ユニット200に連結され、工程チャンバー110の内部に留まるガスと反応部産物とが外部へ排出される通路を提供することができる。
【0053】
基板支持部120は基板Wを支持することができる。基板支持部120はサセプタ121と支持軸122とを包含することができる。サセプタ121は処理空間111内に位置され、円板形状に提供され得る。サセプタ121は支持軸122によって支持され得る。基板Wはサセプタ121の上面に置かれることができる。サセプタ121の内部には電極(図示せず)が提供され得る。電極は外部電源に連結され、印加された電力によって静電気を発生させ得る。発生された静電気は基板Wをサセプタ121に固定させ得る。サセプタ121の内部には加熱部材125が提供され得る。一例によれば、加熱部材125はヒーティングコイルであり得る。また、サセプタ121の内部には冷却部材126が提供され得る。冷却部材は冷却水が流れる冷却ラインに提供され得る。加熱部材125は基板Wを既設定された温度に加熱することができる。冷却部材126は基板Wを強制冷却させ得る。工程処理が完了された基板Wは常温状態又は次の工程進行に要求される温度に冷却され得る。
【0054】
バッフル130はサセプタ121の上部に位置することができる。バッフル130にはホール131が形成され得る。ホール131はバッフル130の上面から下面まで提供される貫通ホールとして提供され、バッフル130の各領域に均一に形成され得る。
【0055】
再び
図1を参照すれば、プラズマ発生ユニット300は工程チャンバー110の上部に位置することができる。プラズマ発生ユニット300はソースガスを放電させて、プラズマを生成し、生成されたプラズマを処理空間111へ供給することができる。プラズマ発生ユニット300は電源311、プラズマチャンバー312、及びコイル313を包含することができる。さらに、前記プラズマ発生ユニット300はソースガス供給部320を包含することができる。
【0056】
プラズマチャンバー312は工程チャンバー110の外部に位置することができる。一例によれば、プラズマチャンバー312は工程チャンバー110の上部に位置されて工程チャンバー110に結合され得る。プラズマチャンバー312には上面及び下面が開放された放電空間が内部に形成され得る。プラズマチャンバー312の上端はガス供給ポート325によって密閉され得る。ガス供給ポート325はソースガス供給部320に連結され得る。ソースガスはガス供給ポート325を通じて放電空間に供給され得る。ソースガスはジフルオロメタンCH
2F
2(Difluoromethane)、窒素N
2、及び酸素O
2を包含することができる。選択的にソースガスは四フッ化炭素CF
4(Tetrafluoromethane)等の他の種類のガスをさらに包含することができる。
【0057】
コイル313は誘導結合形プラズマICPコイルであり得る。コイル313はプラズマチャンバー312外部でプラズマチャンバー312に複数回巻かれている。コイル313は放電空間に対応する領域でプラズマチャンバー312に巻かれ得る。コイル313の一端は電源311に連結され、他端は接地され得る。
【0058】
電源311はコイル313に高周波電流を供給することができる。コイル313に供給された高周波電力は放電空間へ印加され得る。高周波電流によって放電空間には誘導電気場が形成され、放電空間内のソースガスは誘導電気場からイオン化に必要であるエネルギーを得て、プラズマ状態に変換され得る。
【0059】
プラズマ発生ユニット300の構造は上述した例に限定されなく、ソースガスからプラズマを発生させるための多様な構造が使用され得る。
【0060】
図2は本発明の一実施形態によるプラズマ発生ユニット300を示す例示的な図面である。
【0061】
図2に示したように、前記プラズマ発生ユニット300はRF電源311、プラズマチャンバー312、及び電磁場誘導器3131、3132を包含することができる。
【0062】
前記RF電源311はRF信号を提供することができる。前記プラズマチャンバー312はガスが注入されて、プラズマが生成される空間を提供することができる。前記電磁場誘導器3131、3132はプラズマチャンバー312に設置され、RF信号が印加されて前記プラズマチャンバー312に電磁場を誘導することができる。
【0063】
一実施形態によれば、前記RF電源311はRF信号を生成して電磁場誘導器3131、3132へ出力することができる。前記RF電源311はRF信号を通じてプラズマチャンバー312へ高周波電力を伝達することができる。本発明の一実施形態によれば、前記RF電源311は正弦波形態のRF信号を生成して出力するが、前記RF信号はこれに制限されなく、球形波、三角波、鋸歯波、パルス波等の多様な形態の波形を有することができる。
【0064】
前記プラズマチャンバー312はガスが注入され、注入されたガスからプラズマを生成する空間を提供することができる。一実施形態によれば、前記プラズマチャンバー312はRF信号を通じて伝達される高周波電力を利用してチャンバーへ注入されるガスをプラズマ状態に変化させ得る。
【0065】
本発明の一実施形態によれば、前記プラズマチャンバー312は底面の大きさが互に異なる第1柱部3121及び第2柱部3122を包含することができる。
【0066】
図3は本発明の一実施形態によるプラズマチャンバー312を例示的に示す斜視図である。
【0067】
図3に示したように、前記プラズマチャンバー312は底面の大きさが互に異なる第1柱部3121及び第2柱部3122を包含することができる。一実施形態によれば、前記第1柱部3121は前記第2柱部3122より底面が小さく、第1柱部3121と第2柱部3122とは互いに連結され得る。
【0068】
図3に図示された実施形態で、第1柱部3121及び第2柱部3122は円柱で形成されるが、柱部の形状はこれに制限されなく、実施形態にしたがって第1及び第2柱部の中で少なくとも1つは方形柱、六角柱、八角柱等の角柱形状を有することもあり得る。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、前記電磁場誘導器は第1電磁場誘導器3131及び第2電磁場誘導器3132を包含することができる。
【0070】
この実施形態によれば、
図2及び
図3に示したように、前記第1電磁場誘導器3131は前記第1柱部3121に設置され得、前記第2電磁場誘導器3132は前記第2柱部3122に設置され得る。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、前記第1電磁場誘導器3131及び前記第2電磁場誘導器3132の中で少なくとも1つは前記プラズマチャンバー312の外側に巻かれるコイルを包含することができる。
【0072】
例えば、
図2及び
図3に示したように、前記第1電磁場誘導器3131及び第2電磁場誘導器3132は各々第1柱部3121及び第2柱部3122の側面に設置されるコイルであり得るが、実施形態にしたがって前記第1及び第2電磁場誘導器の中で少なくとも1つは柱部の上面に設置されることもあり得る。
【0073】
他の実施形態によれば、前記第1及び第2電磁場誘導器の中で少なくとも1つは強磁性体コアに導線を巻いて製造され得、前記導線が巻かれた強磁性体コアはプラズマチャンバー312の外壁に設置され得る。
【0074】
前述したように、本発明の一実施形態によれば、前記プラズマチャンバー312は底面が互に異なる多数の柱部を包含でき、各々の柱部には電磁場誘導器が設置され得る。
図2及び
図3に図示された実施形態は柱部及び電磁場誘導器の数が2つであるが、実施形態にしたがって前記プラズマチャンバー312に含まれる柱部の数及び前記プラズマチャンバー312に設置される電磁場誘導器の数は3つ又はその以上であり得る。
【0075】
本発明の一実施形態によれば、前記第1電磁場誘導器3131と前記第2電磁場誘導器3132とは並列に連結され得る。例えば、
図2に示したように、前記第1電磁場誘導器3131及び前記第2電磁場誘導器3132は1つのRF電源311に並列に連結されてRF信号を印加することができる。
【0076】
実施形態にしたがって、前記プラズマ発生ユニット300は多数のRF電源を包含することができ、例えば前記プラズマ発生ユニット300は電磁場誘導器3131、3132の数ぐらいRF電源を包含することができる。この場合、各々の電磁場誘導器は各々のRF電源と一対一に連結されてRF信号を印加することができる。
【0077】
本発明の一実施形態によれば、前記プラズマ発生ユニット300は第1電磁場誘導器3131に連結された第1負荷3141、及び第2電磁場誘導器3132に連結された第2負荷3142を包含することができる。
【0078】
図4は本発明の一実施形態による第1負荷3141及び第2負荷3142を例示的に示す図面である。
【0079】
図4に示したように、前記第1負荷3141は第1電磁場誘導器3131の入力端に連結された第1可変キャパシターを包含でき、前記第2負荷3142は第2電磁場誘導器3132の入力端に連結された第2可変キャパシターを包含することができる。
図4に図示された実施形態は前記第1負荷及び第2負荷が可変キャパシターのみを包含するが、実施形態にしたがって前記第1負荷及び前記第2負荷の中で少なくとも1つは可変インダクタ又は可変抵抗等の多様な可変素子を包含することもあり得る。
【0080】
本発明の一実施形態によるプラズマ発生ユニット300は、前記第1負荷3141及び前記第2負荷3142の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節して、第1電磁場誘導器3131及び第2電磁場誘導器3132へ供給される電力を制御する制御器315を包含することができる。
【0081】
図4に示したように前記第1負荷3141及び前記第2負荷3142が可変キャパシターを包含する場合、前記制御器315は前記可変キャパシターのキャパシタンスを調節することによって、第1負荷及び第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節することができる。
【0082】
一実施形態によれば、前記プラズマ発生ユニット300は第1及び第2可変キャパシターのキャパシタンスを測定する測定器317をさらに包含することができる。この場合、前記制御器315は前記測定器317からキャパシタンスに関するデータを受信し、受信されたキャパシタンスに基づいて前記第1負荷3141及び前記第2負荷3142のインピーダンスを計算することができる。
【0083】
前記測定器317はRLCメートルを包含できるが、これに制限されなく、素子値を測定できる任意の測定装置が使用されることもあり得る。
【0084】
図5は本発明の他の実施形態によるプラズマ発生ユニット300を例示的に示す図面である。
【0085】
図5に示したように、本発明の他の実施形態によれば、前記プラズマ発生ユニット300は第1電磁場誘導器3131及び第2電磁場誘導器3132へ印加されるRF信号を感知する感知器318をさらに包含することができる。この場合、前記制御器315は前記感知器318からRF信号に関するデータを受信し、受信されたデータに基づいて前記第1電磁場誘導器3131及び前記第2電磁場誘導器3132へ供給される電力を計算することができる。
【0086】
前記感知器318はRF信号の電圧、電流、位相、及び周波数の中で少なくとも1つを感知するセンサーを包含できるが、感知器が感知するパラメーターはこれに制限されない。
【0087】
本発明の一実施形態によれば、前記制御器315は第1電磁場誘導器3131より第2電磁場誘導器3132へさらに大きい電力が供給されるように制御することができる。
【0088】
例えば、
図2及び
図3に示したように、第1柱部3121と第2柱部3122との底面面積が相異であることによって、第1電磁場誘導器3131と第2電磁場誘導器3132とを構成するコイルの長さが異なる場合、チャンバー内にプラズマを均一に発生させるために第1電磁場誘導器3131より第2電磁場誘導器3132により大きい電力を供給する必要があり得る。この場合、前記制御器315は第1電磁場誘導器3131と第2電磁場誘導器3132とのインピーダンスにしたがって事前に決定された比率ぐらい第1及び第2電磁場誘導器へ電力を分配することができる。
【0089】
このように前記制御器315はプラズマチャンバー内にプラズマを均一に発生させるように第1及び第2電磁場誘導器へ供給される電力を制御することができるが、実施形態にしたがってプラズマチャンバー内にプラズマを不均一に発生させるように電力供給を制御することもあり得る。
【0090】
一実施形態によれば、前記制御器315はプラズマを利用して処理される基板上の薄膜の厚さにしたがって前記第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ供給される電力を制御することができる。
【0091】
図6乃至
図8は本発明の実施形態にしたがって基板上に形成された薄膜の厚さ分布を説明するための例示的な図面である。
【0092】
一実施形態によれば、
図6に示したように、プラズマを利用して処理される基板Wの上には薄膜11が均一に形成されることがあり得る。言い換えれば、前記薄膜11は基板Wに掛けて厚さdが均一に分不されることができる。
【0093】
この場合、前記制御器315はプラズマチャンバー内にプラズマを均一に発生させるように既設定された比率に第1及び第2電磁場誘導器へ電力を供給することができる。
【0094】
しかし、他の実施形態によれば、
図7及び
図8に示したように、基板Wの上には薄膜11が不均一に形成されていることもあり得る。例えば、
図7に示したように、基板Wの中心領域に形成された薄膜の厚さd1が基板Wの縁領域に形成された薄膜の厚さd2より大きいことがあり得、反対に
図8に示したように、基板Wの縁領域に形成された薄膜の厚さd2が基板Wの中心領域に形成された薄膜の厚さd1より大きいこともあり得る。
【0095】
この場合、前記制御器315は基板W上に形成された薄膜の厚さの分布にしたがってチャンバー内にプラズマを不均一に発生させるように電力供給を制御することができる。
【0096】
一実施形態によれば、前記制御器315は基板Wの中心領域に形成された薄膜の厚さd1が基板Wの縁領域に形成された薄膜の厚さd2より大きい場合、第1電磁場誘導器3131へ供給される電力を増加させるか、或いは第2電磁場誘導器3132へ供給される電力を減少させ得る。
【0097】
言い換えれば、前記制御器315はプラズマ処理のためにチャンバーに引き込まれた基板Wに対して、基板Wの中心領域に生成されるプラズマの密度を基板Wの縁領域に生成されるプラズマの密度より高くするために、第1電磁場誘導器3131へ供給される電力を増加させるか、或いは第2電磁場誘導器3132へ供給される電力を減少させ得る。
【0098】
その結果、プラズマによってエッチング又はアッシングされる薄膜の厚さが基板Wの中心領域と縁領域とで差異があり、具体的に基板Wの中心領域に形成された薄膜が縁領域に形成された薄膜より深さエッチング又はアッシングされることができる。
【0099】
反対に、本発明の他の実施形態によれば、前記制御器315は基板Wの縁領域に形成された薄膜の厚さd2が基板Wの中心領域に形成された薄膜の厚さd1より大きい場合、第1電磁場誘導器3131へ供給される電力を減少させるか、或いは第2電磁場誘導器3132へ供給される電力を増加させ得る。
【0100】
その結果、チャンバー内で基板Wの縁領域に生成されたプラズマの密度が基板Wの中心領域に生成されたプラズマの密度より高くなって、縁領域に形成された薄膜が中心領域に形成された薄膜より深さエッチング又はアッシングされることができる。
【0101】
前記制御器315は基板W上に形成された薄膜の厚さを測定する測定器から基板W上の薄膜の厚さに関するデータを受信することがあり得、受信されたデータに基づいて第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ供給される電力量を制御することができる。
【0102】
一実施形態によれば、前記制御器315は基板Wの中心に形成された薄膜の厚さd1と基板の縁に形成された薄膜の厚さd2を受信することができる。
【0103】
他の実施形態によれば、前記制御器315は基板W上の多数の地点に形成された薄膜の厚さを受信し、これに基づいて基板Wの中心領域と縁領域とに形成された薄膜の厚さを算出することができる。
【0104】
図9は本発明の一実施形態にしたがって基板W上の多数の地点から薄膜の厚さを測定する過程を説明する例示的な図面である。
【0105】
図9に示したように、前記測定器は基板Wの直径にしたがって多数の地点に形成された薄膜の厚さd11、d12、d13、d14、d15、d16、d17、d18、d19、d20、d21、d22、d23、d24、d25、d26を測定することができる。測定された多数の地点の薄膜の厚さは制御器315へ伝送され、前記制御器315は薄膜の厚さに基づいて基板Wの中心領域と縁領域とに形成された薄膜の厚さを算出することができる。
【0106】
例えば、前記制御器315は基板Wの直径を基準に基板Wを中心領域W1と縁領域W2とに区分し、各領域で測定された薄膜の厚さの平均値を計算し、計算された平均値を該当領域の薄膜の厚さとして算出することができる。
【0107】
ここで、前記基板Wの中心領域W1は第1電磁場誘導器3131が設置された第1柱部3121の底面に対応することができる。例えば、中心領域W1の面積は第1柱部3121の底面面積と同一であるか、或いは中心領域W1の直径は第1柱部3121の底面の直径又は辺の長さと同一であり得る。
【0108】
図9を参照すれば、前記制御器315は基板Wの中心領域W1で測定された薄膜の厚さd15、d16、d17、d18、d19、d20、d21、d22の平均値を計算して中心領域W1の薄膜の厚さを算出し、基板Wの縁領域W2で測定された薄膜の厚さd11、d12、d13、d14、d23、d24、d25、d26の平均値を計算して縁領域W2の薄膜の厚さを算出することができる。
【0109】
実施形態にしたがって、前記制御器315は平均を計算する代わりに各領域で測定された多数の薄膜の厚さの中で最大値、最小値、中央値、又は最頻値を計算して該当領域の薄膜の厚さとして決定することもあり得る。
【0110】
図9に図示された実施形態は基板Wの直径にしたがって総16地点の薄膜の厚さを測定したが、薄膜の厚さが測定される地点の数はこれに制限されない。また、
図9に図示された実施形態は基板Wの一断面で直径にしたがって多数の地点から薄膜の厚さを測定したが、実施形態にしたがって
図10に示したように前記測定器は基板の平面上で周辺にしたがって多数の地点d31、d32、d33、d34、d35、d36、d37、d38、d39、d40、d41、d42、d43、d44、d45、d46から薄膜の厚さを測定することもあり得る。
【0111】
再び
図2を参照すれば、本発明の一実施形態によれば、前記プラズマ発生ユニット300は第1電磁場誘導器3131の接地端に連結された第3負荷3161、及び第2電磁場誘導器3132の接地端に連結された第4負荷3162をさらに包含することができる。
【0112】
図11は本発明の一実施形態による第3負荷3161及び第4負荷3162を例示的に示す図面である。
【0113】
図11に示したように、前記第3負荷3161は制御器315によってキャパシタンスが調節される第3可変キャパシターを含み、前記第4負荷3162は制御器315によってキャパシタンスが調節される第4可変キャパシターを包含することができる。実施形態にしたがって、前記第3負荷3161及び前記第4負荷3162の中で少なくとも1つは可変インダクタ又は可変抵抗のように素子値が変更される可変素子を包含することもあり得る。
【0114】
本発明の一実施形態によれば、前記制御器315は第3負荷3161のインピーダンスが第1電磁場誘導器3131のインピーダンスの半分になるように前記第3負荷3161のインピーダンスを調節し、第4負荷3162のインピーダンスが第2電磁場誘導器3132のインピーダンスの半分になるように前記第4負荷3162のインピーダンスを調節することができる。
【0115】
例えば、前記制御器315は第3及び第4可変キャパシターのキャパシタンスを変更して、第3負荷3161のインピーダンスが第1電磁場誘導器3131のインピーダンスの半分になるように調節し、第4負荷3162のインピーダンスが第2電磁場誘導器3132のインピーダンスの半分になるように調節することができる。
【0116】
この実施形態で、前記制御器315はRF信号の周波数ωに関する情報を獲得し、前記周波数と第1及び第2電磁場誘導器3131、3132のインダクタンスとに基づいて第1及び第2電磁場誘導器3131、3132のインピーダンスを計算することができる。その後、前記制御器315は第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを第1及び第2電磁場誘導器3131、3132のインピーダンスの半分になる第3及び第4可変キャパシターのキャパシタンスを算出し、前記第3及び第4可変キャパシターが前記算出されたキャパシタンスを有するように制御することができる。
【0117】
本発明の他の実施形態によれば、前記制御器315は第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号と第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号とを比較して、比較結果にしたがって前記第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを調節することもあり得る。
【0118】
この実施形態で、前記制御器315は第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号の電圧振幅と、第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号の電圧振幅とを比較することができる。実施形態にしたがって、前記制御器315は第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加される電流の振幅と、第3及び第4負荷3161、3162へ印加される電流の振幅とを比較することもあり、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加される平均電圧又は電流の大きさと、第3及び第4負荷3161、3162へ印加される平均電圧又は電流の大きさとを比較することもあり、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるrms電圧又は電流の大きさと、第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるrms電圧又は電流の大きさとを比較することもあり得る。
【0119】
一実施形態によれば、前記制御器315は第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号の振幅が第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号の振幅より大きければ、前記第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを増加させるように制御することができる。また、前記制御器315は第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号の振幅が第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号の振幅より小さければ、前記第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを減少させるように制御することができる。
【0120】
図12及び
図13は本発明の一実施形態にしたがって電磁場誘導器の両端の電圧の大きさが互に異なる状態、即ち磁場誘導器へ不平衡電圧が印加された場合、電磁場誘導器の両端の電圧波形を示すグラフである。
【0121】
図12に示したように、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132の入力端で測定された電圧V1の振幅が第3及び第4負荷3161、3162の入力端で測定された電圧V2の振幅より大きい場合、前記制御器315は第3及び第4負荷3161、3162へ制御信号を出力して第3及び第4負荷のインピーダンスを増加させ得る。
【0122】
反対に、
図13に示したように、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132の入力端で測定された電圧V1の振幅が第3及び第4負荷3161、3162の入力端で測定された電圧V2の振幅より小さい場合、前記制御器315は第3及び第4負荷3161、3162へ制御信号を出力して第3及び第4負荷のインピーダンスを減少させ得る。
【0123】
図13は本発明の一実施形態にしたがって電磁場誘導器の両端の電圧の大きさが同一の状態、即ち、電磁場誘導器へ平衡電圧が印加された場合、電磁場誘導器の両端の電圧波形を示すグラフである。
【0124】
前述したように、前記制御器315が第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを調節して、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加される電圧V1の振幅と第3及び第4負荷3161、3162へ印加される電圧V2の振幅が同一になれば、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ平衡電圧が印加され得る。
【0125】
再び
図11を参照すれば、前記プラズマ発生ユニット300は
図5に図示された感知器318の以外に、第3及び第4負荷3161、3162の入力端に連結されて第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号を感知する感知器318をさらに包含することができる。
【0126】
一実施形態によれば、前記感知器318はRF信号の電圧、電流、位相、及び周波数の中で少なくとも1つを感知し、感知されたRF信号に関するデータを制御部315へ伝達することができる。前記制御部315は感知器318から受信されたRF信号に関するデータに基づいて第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを調節することができる。
【0127】
本発明の一実施形態によれば、前記制御器315は第1及び第2電磁場誘導器3131、3132のインピーダンスと第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスとの間の比率を既設定された周期毎に反復的に調節することができる。
【0128】
例えば、前記制御器315は第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号と第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号を周期的にモニターリングし、モニターリング結果に基づいて前述した第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンス調節を反復的に遂行することができる。前記第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンス調節周期は実施形態にしたがって多様な値に設定され得る。
【0129】
本発明の他の実施形態によれば、前記制御器315はRF信号の振幅、位相、及び周波数の中で少なくとも1つが変更される場合、前記比率を調節することもあり得る。プラズマ処理工程の途中に、RF電源311から出力されるRF信号の特性、例えば振幅、位相、及び周波数の中で少なくとも1つが変更されることができ、この場合、電磁場誘導器の両端に掛かる電圧の大きさが変更されて電磁場誘導器へ不平衡電圧が印加され得る。
【0130】
したがって、前記制御器315はRF電源311から出力されるRF信号をモニターリングしてRF信号の特性変更を検出するか、或いはRF信号の特性が変更されたことを知らせる情報を受信し、それによってV1とV2との比較と第3及び第4負荷のインピーダンス調節とを遂行することができる。
【0131】
本発明のその他の実施形態によれば、前記制御器315はプラズマチャンバー312へ注入されるガスの成分、造成、及び圧力の中で少なくとも1つが変更される場合、前記比率を調節することもあり得る。プラズマ処理工程の途中に、プラズマチャンバー312へ注入されるガスの特性、例えば成分、造成、及び圧力の中で少なくとも1つが変更されることができ、この場合電磁場誘導器の両端に掛かる電圧の大きさが変更されて電磁場誘導器へ不平衡電圧が印加され得る。
【0132】
したがって、前記制御器315はプラズマチャンバー312へ注入されるガスが変更されたことを知らせる情報を受信し、それによってV1とV2との比較と第3及び第4負荷のインピーダンス調節とを遂行することができる。
【0133】
実施形態にしたがって、前記制御器315は第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを周期的に調節する途中に、RF信号の特性が変更されるか、或いはプラズマチャンバー312へ注入されるガスが変更される場合、第3及び第4負荷のインピーダンス調節を追加的に遂行することもあり得る。その結果、プラズマ処理工程に掛けて第1及び第2電磁場誘導器3131、3132の両端に平衡電圧が持続的に維持され得る。
【0134】
図15は本発明の一実施形態にしたがってプラズマ発生ユニット300を制御する方法を説明する例示的なフローチャートである。
【0135】
図15に示したように、プラズマ発生ユニット制御方法500は第1電磁場誘導器3131に連結された第1負荷3141及び第2電磁場誘導器3132に連結された第2負荷3142に関するデータが入力される段階(S510)、前記第1負荷3141のインピーダンスと前記第2負荷3142のインピーダンスとの間の比率を計算する段階(S520)、及び前記計算された比率が既設定された目標比率になるように前記第1負荷3141及び前記第2負荷3142の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階(S540)を包含することができる。
【0136】
一実施形態によれば、前記第1負荷及び第2負荷に関するデータが入力される段階(S510)は、前記第1負荷3141に含まれた可変キャパシターのキャパシタンスと前記第2負荷3142に含まれた可変キャパシターのキャパシタンスとが入力される段階を包含することができる。前記キャパシタンスは前記可変キャパシターの素子値を測定する測定器、例えばRLCメートルから受信することができる。
【0137】
図2及び
図3を参照して説明したように、前記第1電磁場誘導器3131はプラズマチャンバーの第1柱部3121に設置され、前記第2電磁場誘導器3132はプラズマチャンバーの第2柱部3122に設置され得る。また、前記第2柱部3122は前記第1柱部3121より底面がさらに大きくなり得る。
【0138】
本発明の一実施形態によれば、前記第1電磁場誘導器3131は基板Wの中心領域W1を処理するためのプラズマ生成に寄与することができ、前記第2電磁場誘導器3132は基板Wの縁領域W2を処理するためのプラズマ生成に寄与することができる。
【0139】
基板Wの全体に掛けてエッチングやアッシングのような工程が均一に遂行されるためには、チャンバー内にプラズマが均一に生成されることが要求される。本発明の一実施形態によれば、第2電磁場誘導器3132を構成するコイルの長さが第1電磁場誘導器3131を構成するコイルの長さより長いことがあり、それによってチャンバー内に均一なプラズマを生成するためには第1電磁場誘導器3131より第2電磁場誘導器3132へさらに大きい電力を供給することが要求され得る。
【0140】
このために、本発明の一実施形態によるプラズマ発生ユニット制御方法500で第1負荷3141のインピーダンスと第2負荷3142のインピーダンスとの間の目標比率は、第1負荷3141のインピーダンスが第2負荷3142のインピーダンスより大きく設定され得る。その結果、第1電磁場誘導器3131より第2電磁場誘導器3132にさらに大きい電力が供給され得、チャンバー内にプラズマが均一に生成され得る。
【0141】
本発明の他の実施形態によれば、工程によってチャンバー内にプラズマが不均一に生成されることが要求されることもあり得る。例えば、プラズマを利用して処理される基板W上の薄膜の厚さが基板に掛けて不均一である場合、それによってチャンバー内に不均一にプラズマが生成されて、エッチング又はアッシングレートを調節することがあり得る。
【0142】
この実施形態によれば、前記プラズマ発生ユニット制御方法500は、基板W上の薄膜の厚さにしたがって第1負荷3141及び第2負荷3142の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階をさらに包含することができる。
【0143】
図16は本発明の一実施形態による基板W上の薄膜の厚さにしたがって第1負荷3141及び第2負荷3142の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階S550を説明する例示的なフローチャートである。
【0144】
図16に示したように、前記薄膜の厚さにしたがって第1及び第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階(S550)は、基板W上の薄膜の厚さ分布に関するデータが入力される段階(S551)、及び前記薄膜の厚さ分布に関するデータにしたがって第1及び第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階(S552)を包含することができる。
【0145】
前記基板W上の薄膜の厚さ分布に関するデータが入力される段階(S551)は、基板の中心領域W1に形成された薄膜の厚さ及び基板の縁領域W2に形成された薄膜の厚さが入力される段階を包含することができる。
【0146】
一実施形態によれば、前記段階(S551)は
図7及び
図8に示したように基板Wの中心に形成された薄膜の厚さd1及び基板Wの縁に形成された薄膜の厚さd2が入力される段階を包含することができる。他の実施形態によれば、前記段階(S551)は
図9及び
図10に示したように基板W上の多数の地点に形成された薄膜の厚さが入力される段階を包含することができる。
【0147】
図17は本発明の一実施形態による基板W上の薄膜の厚さにしたがって第1及び第2負荷の中で少なくとも1つのインピーダンスを調節する段階(S550)を説明する例示的なフローチャートである。
【0148】
図17に示したように、前記段階(S550)は基板Wの中心領域W1に形成された薄膜の厚さ及び基板Wの縁領域W2に形成された薄膜の厚さが入力される段階(S553)、基板Wの中心領域W1に形成された薄膜の厚さが基板Wの縁領域W2に形成された薄膜の厚さより大きい場合、第1負荷3141のインピーダンスを低くするか、或いは第2負荷3142のインピーダンスを高さは段階(S556)、及び基板Wの縁領域W2に形成された薄膜の厚さが基板Wの中心領域W1に形成された薄膜の厚さより大きい場合、第1負荷3141のインピーダンスを高くするか第2負荷3142のインピーダンスを低くする段階(S557)を包含することができる。
【0149】
その結果、基板Wの中心領域W1に形成された薄膜の厚さが縁領域W2に形成された薄膜の厚さより大きい場合、基板の中心領域W1に生成されるプラズマの密度が縁領域W2に生成されるプラズマの密度より高くなり得る。
【0150】
反対に、基板Wの縁領域W2に形成された薄膜の厚さが中心領域W1に形成された薄膜の厚さより大きい場合、基板の縁領域W2に生成されるプラズマの密度が中心領域W1に生成されるプラズマの密度より高くなり得る。
【0151】
前述した本発明の実施形態によるプラズマ発生ユニット制御方法は、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132の入力端に連結された第1及び第2負荷3141、3142のインピーダンスを調節して、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ供給される電力を調節する。実施形態にしたがって、前記プラズマ発生ユニット制御方法は、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132の接地端に連結された第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを調節して、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ平衡電圧を印加することもあり得る。
【0152】
図18は本発明の一実施形態によるプラズマ発生ユニット制御方法を説明する例示的なフローチャートである。
【0153】
図18に示したように、前記プラズマ発生ユニット制御方法500は、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号に関する情報及び前記第1及び第2電磁場誘導器の接地端に連結された第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号に関する情報を受信する段階(S560)、前記第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号と前記第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号とを比較する段階(S570)、及び比較結果にしたがって前記第1及び第2電磁場誘導器3131、3132のインピーダンスと前記第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスとの間の比率を調節する段階(S580,S590)を包含することができる。
【0154】
前記プラズマ発生ユニット制御方法500は前述したプラズマ発生ユニット300に含まれた制御器315で遂行されることができる。前記プラズマ発生ユニット制御方法500を実行するプログラムは前記制御器315に連結された格納部(例えば、HDD、SSD、メモリ、記録媒体等)に格納されることができ、前記制御器315は格納部から前記プログラムを読み出してプラズマ発生ユニット制御方法500を実行することができる。前記制御器315は前記プログラムを読み出して実行させることができるプロセッサ、例えばCPU等で構成されることができる。
【0155】
前記受信する段階(S560)は、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132の入力端に連結されたRF信号感知器318から前記第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号に関する情報を受信する段階、及び第3及び第4負荷3161、3162の入力端に連結されたRF信号感知器318から前記第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号に関する情報を受信する段階を包含することができる。前記RF信号感知器から受信されるRF信号に関する情報は、RF信号の振幅、周波数、及び位相の中で少なくとも1つに関する情報を包含することができる。
【0156】
前記比較する段階(S570)は、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号の電圧振幅と第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号の電圧振幅とを比較する段階を包含することができる。実施形態にしたがって、前記比較する段階(S570)はRF信号の平均電圧、rms電圧の大きさを比較することもでき、RF信号の電流を比較することもあり得る。
【0157】
前記第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを調節する段階は、前記第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号の電圧振幅が第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号の電圧振幅より大きければ(S570ではい)、第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを増加させる段階(S580)を包含することができる。
【0158】
また、前記第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを調節する段階は、前記第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号の電圧振幅が第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号の電圧振幅より小さければ(S570でいいえ)、第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを減少させる段階(S590)を包含することができる。
【0159】
本発明の一実施形態によれば、前述した段階(S560乃至S590)は既設定された周期毎に反復的に遂行されることができる。その結果、電磁場誘導器の両端の電位差はプラズマ処理工程に掛けて0に維持され得る。
【0160】
図19は本発明の他の実施形態によるプラズマ発生ユニット制御方法500を説明するフローチャートである。
【0161】
図19に図示された本発明の他の実施形態によるプラズマ発生ユニット制御方法500は、前述した段階(S560乃至S590)をRF電源311から出力されるRF信号の特性が変更される場合、遂行することができる。
【0162】
例えば、
図19に図示されたように、前記プラズマ発生ユニット制御方法500は、RF電源から出力されるRF信号をモニターリングする段階(S501)、前記RF信号の振幅、位相、及び周波数の中で少なくとも1つが変更される場合(S502ではい)、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号の情報及び第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号の情報を受信する段階(S560)、前記第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号と前記第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号とを比較する段階(S570)、及び比較結果にしたがって前記第1及び第2電磁場誘導器3131、3132のインピーダンスと前記第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスとの間の比率を調節する段階を包含することができる。
【0163】
前述した本発明の他の実施形態によるプラズマ発生ユニット制御方法500は、
図18に示したように既設定された周期にしたがって反復的に第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを調節しながら、RF信号の特性が変更される場合、追加的に遂行されることもあり得る。
【0164】
図20は本発明のその他の実施形態によるプラズマ発生ユニット制御方法500を説明するフローチャートである。
【0165】
図20に図示された本発明のその他の実施形態によるプラズマ発生ユニット制御方法500は、前述した段階(S560乃至S590)をプラズマチャンバー312へ注入されるガスが変更される場合に遂行することができる。
【0166】
例えば、
図20に示したように、前記プラズマ発生ユニット制御方法500は、プラズマチャンバー312へ注入されるガスの変更が通知される段階(S500)、第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号に関する情報及び第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号に関する情報を受信する段階(S560)、前記第1及び第2電磁場誘導器3131、3132へ印加されるRF信号と前記第3及び第4負荷3161、3162へ印加されるRF信号とを比較する段階(S570)、及び比較結果にしたがって前記第1及び第2電磁場誘導器3131、3132のインピーダンスと前記第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスとの間の比率を調節する段階を包含することができる。
【0167】
前記通知される段階S500は、前記制御器315がプラズマチャンバー312へ注入されるガスの成分、造成、及び圧力の中で少なくとも1つが変更されたことが知らせる情報を受信する段階を包含することができる。
【0168】
前述した本発明のその他の実施形態によるプラズマ発生ユニット制御方法500は、
図18に示したように既設定された周期にしたがって反復的に第3及び第4負荷3161、3162のインピーダンスを調節しながら、チャンバーへ注入されるガスの特性が変更される場合に追加的に遂行されることもあり得る。
【0169】
前述した本発明の一実施形態によるプラズマ発生ユニット制御方法500はコンピューターで実行されるためのプログラムに製作されて、コンピューターが読み出すことができる記録媒体に格納され得る。前記コンピューターが読み出すことができる記録媒体はコンピューターシステムによって読み出されることができるデータが格納されるすべての種類の格納装置を含む。コンピューターが読み出すことができる記録媒体の例としてはROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ格納装置等がある。