【文献】
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【文献】
Chul-Woo Kim, et.al.,"Verification of Adaptive Double Scan on Common Conditions",[online],ITU - Telecommunications Standardization Sector STUDY GROUP 16 Question 6 Video Coding Experts Group (VCEG),2001年11月27日,Document: VCEG-O36,[平成27年8月27日検索], インターネット,URL,http://wftp3.itu.int/av-arch/video-site/0112_Pat/VCEG-O36.doc
【文献】
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【文献】
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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
逆走査デバイスが、現在のブロックの1次元信号および予測方向を得るステップであって、前記現在のブロックの前記1次元信号および予測方向を、エントロピー復号化を通じて得るステップと、
前記逆走査デバイスが、前記予測方向に従って、前記現在のブロックの前記予測方向に対応する走査順序を、前記予測方向と前記走査順序とのマッピング関係表から探索するステップであって、前記予測方向と前記走査順序との前記マッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応するステップと、
前記逆走査デバイスが、前記現在のブロックの前記予測方向に対応する前記走査順序を使用して、前記1次元信号で逆走査処理を実行して、前記現在のブロックの量子化された変換係数を得るステップと
を含み、
前記少なくとも2つの予測方向が、幾何学的相関関係および近接関係を有していて、
前記少なくとも2つの予測方向における2つの予測方向の間の前記幾何学的相関関係が転置相関関係であり、
前記予測方向は、前記幾何学的相関関係および近接関係に従って、あらかじめグループに分類され、同じグループの予測方向には同じ走査順序を使用し、前記同じ走査順序は、
予測方向0,1,5,6,7,および8が走査順序1を共有し、前記走査順序1は、予測方向1および予測方向0によって転置関係を通じて共有され、予測方向6および予測方向8によって予測方向1を用いた近接関係を通じて共有され、予測方向5および予測方向7によって予測方向1を用いた近接関係を通じて共有され、かつ
予測方向3および4が走査順序2を共有することを含む、
逆走査方法。
前記転置相関関係を有する前記2つの予測方向の第1の予測方向に対応する走査順序が、前記予測方向と前記走査順序との前記マッピング関係表に格納されており、前記現在のブロックの前記予測方向が、前記転置相関関係を有する前記2つの予測方向の第2の予測方向であり、
前記現在のブロックの前記予測方向に対応する前記走査順序を使用して、前記1次元信号で前記逆走査処理を実行する前記ステップがさらに、
前記逆走査デバイスが、前記逆走査処理を通じて得た2次元データの水平座標と垂直座標とを交換するステップ
を含む、請求項5に記載の逆走査方法。
前記逆走査デバイスによる、前記現在のブロックの前記予測方向に対応する前記走査順序を使用して、前記1次元信号で逆走査処理を実行して、前記現在のブロックの量子化された変換係数を得るステップの後に、
逆変換デバイスが、予測方向と変換ベースとのマッピング関係に従って、予め設定された数の変換ベースから変換ベースを選択するステップと、
現在のブロックの量子化された変換係数を逆量子化するステップと、
選択された変換ベースを使用して、現在のブロックの変換係数で逆変換処理を実行するステップと
を含む、請求項5から8のうちのいずれか一項に記載の逆走査方法。
現在のブロックの1次元信号および予測方向を得るように構成された取得ユニットであって、前記現在のブロックの前記1次元信号および予測方向を、エントロピー復号化を通じて得る取得ユニットと、
前記取得ユニットによって得られた予測方向に従って、前記現在のブロックの前記予測方向に対応する走査順序を、前記予測方向と前記走査順序とのマッピング関係表から探索するように構成された探索ユニットであって、前記予測方向と前記走査順序との前記マッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する探索ユニットとを備え、前記少なくとも2つの予測方向が、幾何学的相関関係および近接関係を有していて、前記少なくとも2つの予測方向における2つの予測方向の間の前記幾何学的相関関係が転置相関関係であり、前記予測方向は、前記幾何学的相関関係および近接関係に従って、あらかじめグループに分類され、同じグループの予測方向には同じ走査順序を使用し、前記同じ走査順序は、
予測方向0,1,5,6,7,および8が走査順序1を共有し、前記走査順序1は、予測方向1および予測方向0によって転置関係を通じて共有され、予測方向6および予測方向8によって予測方向1を用いた近接関係を通じて共有され、予測方向5および予測方向7によって予測方向1を用いた近接関係を通じて共有され、かつ
予測方向3および4が走査順序2を共有することを含み、
更に、前記現在のブロックの前記予測方向に対応する前記走査順序を使用して、前記取得ユニットによって得られた1次元信号で逆走査処理を実行して、前記現在のブロックの量子化された変換係数を得るように構成された逆走査ユニットであって、前記走査順序が、前記探索ユニットによって探索される逆走査ユニット
を備える逆走査デバイス。
前記少なくとも2つの予測方向における2つの予測方向の間の前記幾何学的相関関係が、参照予測方向に沿った対称相関関係である、請求項13に記載の逆走査デバイス。
転置相関関係を有する2つの予測方向の第1の予測方向に対応する前記走査順序が、前記予測方向と前記走査順序との前記マッピング関係表に格納されており、前記取得ユニットによって得られた、前記現在のブロックの前記予測方向が、前記転置相関関係を有する前記2つの予測方向の前記第1の予測方向であり、
前記逆走査デバイスがさらに、
前記逆走査ユニットによって得られた2次元データの水平座標と垂直座標とを交換するように構成された交換ユニット
を備える、請求項13から15のうちのいずれか一項に記載の逆走査デバイス。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、走査方法および走査デバイス、逆走査方法および逆走査デバイスを提供し、それによって符号化および復号化で使用される走査順序の数を減らし、符号化/復号化システムにおけるシステムの複雑さを軽減する。
【0007】
本発明の一実施形態は、走査方法を提供し、その走査方法は、
現在のブロックの量子化された変換係数を受信するステップと、
現在のブロックの予測方向を得るステップと、
予測方向に従って、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索するステップであって、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応するステップと、
現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を使用して、係数で走査処理を実行するステップと
を含む。
【0008】
本発明の別の実施形態は、逆走査方法を提供し、その逆走査方法は、
現在のブロックの1次元信号および予測方向を得るステップであって、現在のブロックの1次元信号および予測方向を、エントロピー復号化を通じて得るステップと、
予測方向に従って、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索するステップであって、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応するステップと、
現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を使用して、1次元信号で逆走査処理を実行するステップと
を含む。
【0009】
本発明の別の実施形態は、走査デバイスを提供し、その走査デバイスは、
現在のブロックの量子化された変換係数を受信するように構成された受信ユニットと、
現在のブロックの予測方向を得るように構成された取得ユニットと、
取得ユニットによって得られた予測方向に従って、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索するように構成された探索ユニットであって、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する探索ユニットと、
現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を使用して、受信ユニットによって受信された係数で走査処理を実行するように構成された走査ユニットであって、走査順序が探索ユニットによって探索される走査ユニットと
を備える。
【0010】
本発明の別の実施形態は、逆走査デバイスを提供し、その逆走査デバイスは、
現在のブロックの1次元信号および予測方向を得るように構成された取得ユニットであって、現在のブロックの1次元信号および予測方向を、エントロピー復号化を通じて得る取得ユニットと、
取得ユニットによって得られた予測方向に従って、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索するように構成された探索ユニットであって、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する探索ユニットと、
現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を使用して、取得ユニットによって得られた1次元信号で逆走査処理を実行するように構成された逆走査ユニットであって、走査順序が、探索ユニットによって探索される逆走査ユニットと
を備える。
【0011】
本発明の実施形態において、現在のブロックの走査順序が決定されるとき、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索することができるとともに、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する、すなわち、走査順序の数が予測方向の数よりも小さくなることが、本発明の実施形態によって提供される技術的な解決策から理解されうる。したがって、符号化性能が維持される一方で走査順序が減少し、符号化/復号化システムにおけるシステムの複雑さが軽減される。
【0012】
技術的な解決策を、本発明の実施形態に従って、または従来技術において、より明確に示すために、実施形態または従来技術の説明に必要な添付図面を以下に簡単に紹介する。以下に記載する添付図面は、本発明の実施形態のいくつかを示すにすぎず、当業者なら、創造的な努力をすることなく、添付図面に従って他の図面を得ることができるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の技術的な解決策は、以下、添付図面を参照して詳細に説明する。説明する実施形態は、明らかであろうが、本発明の実施形態の一部であってすべてではない。当業者が本発明の実施形態に基づいて、創造的な努力をすることなく得る他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0015】
本発明の実施形態においては、H.264規格の4×4サイズのブロックを本発明の実施形態を示す例として取り上げるが、他のサイズのブロックの処理手順は、本明細書で改めて説明はしないものの、4×4サイズのブロックの処理手順と類似している。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によって提供される予測方向を示し、実施形態においては、H.264規格の4×4サイズのブロックの予測方向が示されている。
図1に示すように、4×4サイズのブロックは、8つの予測方向と1つの直進成分(DC)予測方向を有している。
図1には、予測方向0、予測方向1、予測方向3、予測方向4、予測方向5、予測方向6、予測方向7、および予測方向8が記されている。DC予測方向は図示されていない。
【0017】
本発明の実施形態に含まれる、幾何学的相関関係および近接関係は、
図1の予測方向0、予測方向1、予測方向3、予測方向4、予測方向5、予測方向6、予測方向7、および予測方向8を通じて示されている。
【0018】
図1に示すように、予測方向1および予測方向0は転置相関関係にあり、予測方向6および予測方向8は予測方向1に沿った対称相関関係にあり、予測方向5および予測方向7は予測方向0に沿った対称相関関係にあり、予測方向3および予測方向4は予測方向0に沿った対称相関関係にある。
【0019】
幾何学的相関関係が決定された後、さらに近接関係が、幾何学的相関関係に基づいて決定されうる。
図1に示すように、予測方向0と予測方向1との間の幾何学的転置相関関係への参照に基づいて、予測方向6および予測方向8は、予測方向1と近接関係を形成し、予測方向5および予測方向7は、予測方向0と近接関係を形成する。
【0020】
対応する予測方向が幾何学的相関関係下で形成された場合、予測信号方向の対応する特性により、変換された係数信号の走査順序もまた、類似の対応する相関関係を有する。具体的には、2つの予測方向が転置相関関係にあると、この2つの予測方向に対応する走査順序は転置関係を示し、2つの予測方向が対称相関関係にあると、この2つの予測方向に対応する走査順序は同じ走査順序を示す。
【0021】
対応する予測方向が近接関係下で形成された場合、予測信号方向の近似特性により、変換された係数信号の走査順序もまた、類似の近似の特性を示し、近接関係下の2つの予測方向に対応する2つの係数信号は、同じ走査順序を採用しうる。
【0022】
したがって、予測方向は、前述の幾何学的相関関係および近接関係に従って、あらかじめグループに分類でき、そこでは、同じグループの予測方向は同じ走査順序を使用できる。すなわち、複数の予測方向が1つの走査順序を共有しうる。
【0023】
本発明の一実施形態では、前述の幾何学的相関関係および近接関係に従って、Table 1(表1)、Table 2(表2)、およびTable 3(表3)に示した、予測方向と走査順序とのマッピング関係表が、
図1に記されている8つの予測方向に合わせて作られている。
【0027】
Table 1(表1)、Table 2(表2)、およびTable 3(表3)の走査順序1、走査順序2、ならびに走査順序3は、学習サンプルによる学習を通じて得ることができ、様々な学習サンプルによって得られた走査順序は多様である可能性がある。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態によって提供される走査順序1を示し、
図2に示す走査順序1は、具体的には以下のとおりである。
a00→a01→a02→a10→a11→a20→a03→a12→a21→a22→a13→a30→a31→a23→a32→a33
【0029】
axyは、2次元配列位置aの(x,y)位置を示す。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態によって提供される走査順序2を示し、
図3に示す走査順序2は、具体的には以下のとおりである。
a00→a01→a10→a02→a11→a20→a12→a21→a03→a22→a13→a30→a31→a23→a32→a33
【0031】
図4は、本発明の一実施形態によって提供される走査順序3を示し、
図4に示す走査順序3は、具体的には以下のとおりである。
a00→a01→a02→a11→a02→a20→a21→a12→a22→a30→a03→a13→a31→a32→a23→a33
【0032】
本発明の一実施形態によって提供される走査方法は、以下のとおりである。
図5は、本発明の一実施形態によって提供される走査方法の流れを示す。具体的には、符号化装置における走査デバイスの処理の流れは、実施形態において示すことができ、実施形態は、以下のステップを含む。
【0033】
501:現在のブロックの量子化された変換係数を受信する。
【0034】
具体的には、符号化装置の変換デバイスによって量子化された変換係数出力が受信され、量子化された変換係数は、具体的には2次元データである。
【0035】
502:現在のブロックの予測方向を得る。
【0036】
現在のブロックの予測方向は、符号化装置の予測デバイスによって走査デバイスに直接送出することができる。また、予測デバイスによって変換デバイスに送出し、次いで、変換デバイスによって走査デバイスに送出することができる。
【0037】
503:予測方向に従って、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索し、そこでは予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する。
【0038】
少なくとも2つの予測方向は、幾何学的相関関係および/または近接関係を有する場合がある。本発明の一実施形態では、少なくとも2つの予測方向における2つの予測方向の幾何学的相関関係は、転置相関関係である。本発明の別の実施形態では、少なくとも2つの予測方向における2つの予測方向の幾何学的相関関係は、参照予測方向(reference prediction direction)に沿った対称相関関係である。参照予測方向は、水平方向または垂直方向とすることができる。
図1に示すように、参照予測方向は、水平方向である予測方向1とすることができるとともに、垂直方向である予測方向0とすることができる。
【0039】
504:現在のブロックの予測方向に対応する探索された走査順序を使用して、現在のブロックの量子化された変換係数で走査処理を実行する。
【0040】
具体的には、1次元データが走査処理を通じて得られる。
【0041】
上記から、本実施形態において、現在のブロックの走査順序が決定されるとき、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索することができるとともに、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する、すなわち、走査順序の数が予測方向の数よりも小さくなることが理解されうる。したがって、符号化性能が維持される一方で走査順序が減少し、符号化システムにおけるシステムの複雑さが軽減される。
【0042】
本発明の一実施形態によって提供される逆走査方法がさらに示される。
図6は、本発明の一実施形態によって提供される逆走査方法の流れを示す。具体的には、復号化装置における逆走査デバイスの処理の流れは、実施形態において示すことができ、実施形態は、以下のステップを含む。
【0043】
601:現在のブロックの1次元信号および予測方向を、エントロピー復号化を通じて得る。
【0044】
602:予測方向に従って、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索し、そこでは予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する。
【0045】
少なくとも2つの予測方向は、幾何学的相関関係および/または近接関係を有する場合がある。本発明の一実施形態では、少なくとも2つの予測方向における2つの予測方向の幾何学的相関関係は、転置相関関係である。本発明の別の実施形態では、少なくとも2つの予測方向における2つの予測方向の幾何学的相関関係は、参照予測方向に沿った対称相関関係である。参照予測方向は、水平方向または垂直方向とすることができる。
図1に示すように、参照予測方向は、水平方向である予測方向1とすることができるとともに、垂直方向である予測方向0とすることができる。
【0046】
本発明の一実施形態では、2つの予測方向の幾何学的相関関係が転置相関関係にあると、2つの予測方向は2つの走査順序に対応しうる。
【0047】
603:現在のブロックの予測方向に対応する探索された走査順序を使用して、現在のブロックの1次元信号で逆走査処理を実行する。
【0048】
2次元データが逆走査処理を通じて得られる。
【0049】
本発明の別の実施形態では、2つの予測方向の幾何学的相関関係が転置相関関係にあり、2つの予測方向が1つの走査順序にのみ対応する場合がある。このとき、2つの予測方向の第1の予測方向に対応する走査順序が、予測方向と走査順序とのマッピング関係表に格納されている場合がある。現在のブロックの予測方向が第1の予測方向であると、現在のブロックの1次元信号で逆走査処理の実行を通じて得られる2次元データは、逆変換処理のために、直接出力することができる。2つの予測方向において現在のブロックの予測方向が第2の予測方向であると、実施形態によって提供される逆走査方法はさらに、以下のステップを含む。
【0050】
604:逆走査処理を通じて得られた2次元データの水平座標と垂直座標とを交換する。
【0051】
すなわち、得られた2次元データの座標(x,y)は、補正データを得るように(y,x)に変更される。
【0052】
上記から、本実施形態において、現在のブロックの走査順序が決定されるとき、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索することができるとともに、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する、すなわち、走査順序の数が予測方向の数よりも小さくなることが理解されうる。したがって、符号化性能が維持される一方で走査順序の数が減少し、復号化システムにおけるシステムの複雑さが軽減される。一方、本発明の別の実施形態では、2つの予測方向の幾何学的相関関係が転置相関関係にあると、2つの予測方向は1つの走査順序にのみ対応する場合があり、走査の出力である座標(x,y)を(y,x)に変更することを通じて補正逆走査出力結果を得ることができる。この動作の場合、走査順序の数をさらに減らすことができ、復号化システムにおけるシステムの複雑さがさらに軽減される。
【0053】
以下では、4×4サイズの画像ブロックを本発明の一実施形態によって提供される逆走査方法を示す例として取り上げる。逆走査の過程では、入力データは、現在の4×4ブロックのエントロピー復号化後の16個の変換係数、およびエントロピー復号化を通じて得た現在のブロックの予測方向であり、出力データは、それぞれの値が現在の4×4ブロックの各周波数の振幅に対応する、2次元配列である。
【0054】
Table 1(表1)で示す、予測方向と走査順序とのマッピング関係表は、一例として取り上げられており、また本発明の一実施形態によって提供される、予測方向と特定の走査順序とのマッピング関係が、Table 4(表4)に示される。
【0056】
Table 4(表4)では、Idxは、予測方向のインデックス値であり、axyは、2次元配列位置aの(x,y)位置を示す。
【0057】
逆走査の間、現在の予測方向に対応する走査順序を、Table 4(表4)で示す、予測方向と走査順序との表に従って探索することができ、さらに探索された走査順序を使用して、1次元変換係数の振幅が2次元配列の特定の位置に対応するように、現在のところ入力された変換係数で逆走査が実行される。
【0058】
予測方向0および1に関して、予測方向0に対応する走査順序が、Table 4(表4)に格納されている。したがって、Table 4(表4)の対応する走査順序を使用して逆走査を実行すると、予測方向が0の場合、走査出力結果を直接得ることができるが、予測方向が1の場合、それぞれの対応する走査位置と2次元配列との相関関係は転置関係であり、走査出力結果を得るために、得られた座標(x,y)は(y,x)に変更する必要がある。簡単な交換モジュールを追加することによって、走査表を格納する、または走査表を更新するユニットが節減され、したがって、符号化/復号化システムにおけるシステムの複雑さがさらに軽減される。
【0059】
予測方向3、4、5、6、7、および8に関して、(x,y)の値は、ここで再度説明はしないが、出力結果aを得られるよう、Table 4(表4)の対応する走査順序を使用して、逆走査を通じて得ることができる。
【0060】
上記から、本実施形態において、現在のブロックの走査順序が決定されるとき、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索することができるとともに、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する、すなわち、走査順序の数が予測方向の数よりも小さくなることが理解されうる。したがって、符号化性能が維持される一方で走査順序が減少し、符号化システムにおけるシステムの複雑さが軽減される。
【0061】
さらに、Table 1(表1)で示す、予測方向と走査順序とのマッピング関係表は、一例として取り上げられている。本発明の別の実施形態によって提供される、予測方向と特定の走査順序とのマッピング関係が、Table 5(表5)に示されている。
【0063】
Table 5(表5)では、Idxは、予測方向のインデックス値であり、axyは、2次元配列位置aの(x,y)位置を示す。
【0064】
逆走査の間、現在の予測方向に対応する走査順序を、Table 5(表5)で示す、予測方向と走査順序との表に従って探索することができる。さらに探索された走査順序を使用して、1次元変換係数の振幅が2次元配列の特定の位置に対応するように、現在のところ入力された変換係数で逆走査が実行される。
【0065】
予測方向0および1に関して、予測方向0および予測方向1の走査順序が、別々にTable 5(表5)に格納されている。したがって、Table 5(表5)の対応する走査順序を使用して逆走査を実行すると、予測方向が0の場合、走査出力結果を直接得ることができ、予測方向が1の場合もまた、走査出力結果を得ることができる。Table 4(表4)で示す、予測方向と特定の走査順序とのマッピング関係とは違って、予測方向が1のとき、得られた座標(x,y)を(y,x)に変更することなく、走査出力結果を得ることができる。
【0066】
予測方向3、4、5、6、7、および8に関して、(x,y)の値は、ここで再度説明はしないが、出力結果aを得られるよう、Table 5(表5)の対応する走査順序を使用して、逆走査を通じて得ることができる。
【0067】
上記から、本実施形態において、現在のブロックの走査順序が決定されるとき、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索することができるとともに、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する、すなわち、走査順序の数が予測方向の数よりも小さくなることが理解されうる。したがって、符号化性能が維持される一方で走査順序が減少し、符号化システムにおけるシステムの複雑さが軽減される。
【0068】
図7は、本発明の一実施形態によって提供される符号化方法の信号流れ図であり、
図7に示すように、以下が含まれる。
【0069】
最初に、予測デバイスが、現在のブロックの特性に従って、予測方向を、予測方向1、予測方向2、…、および予測方向Nから選択して、現在のブロックで予測を実行する。
【0070】
次に、変換デバイスが、予測処理を通じて得られたデータで変換量子化処理を実行する。
【0071】
本発明の一実施形態では、変換量子化処理で使用される変換ベース、および予測方向が1対1のマッピング関係である場合、予測処理を通じて得られたデータは、変換量子化処理のための対応する変換ベースに直接出力することができる。
【0072】
本発明の別の実施形態では、変換量子化処理で使用される変換ベースの数は、予測方向の数よりも小さい。この場合、複数の予測方向が同じ変換ベースを使用することが必要とされる。したがって、変換デバイスは、予測方向と変換ベースとのマッピング関係を維持し、対応する変換ベースを、予測方向と変換ベースとのマッピング関係に従って直接探索して変換量子化処理を実行することができる。すなわち、変換ベースは、変換ベース1、変換ベース2、…、および変換ベースMから選択される。
【0073】
本発明の別の実施形態では、変換ベースの数は1である。
【0074】
さらに次に、走査デバイスが、変換量子化処理を受けたデータで走査処理を実行する。
【0075】
本発明の一実施形態では、予測方向に対応する変換ベース、および走査順序が1対1のマッピング関係である。すなわち、変換ベースの数および走査順序の数が同じである。この場合、走査処理は、対応する走査順序に従って、変換量子化処理を受けたデータに直接実行される。この場合、予測方向の数は、変換ベースの数よりも大きく、変換ベースの数は、走査順序の数と同じである。
【0076】
本発明の別の実施形態では、走査デバイスが、変換量子化処理を受けたデータを得た後、さらに予測方向を得て、対応する走査順序を予測方向と走査順序とのマッピング関係から探索し、探索された走査順序に従って走査処理を実行する必要がある。すなわち、走査順序は、走査順序1、走査順序2、…、および走査順序Sから選択される。このとき、予測方向の数は、変換ベースの数よりも大きく、予測方向の数は、走査順序の数よりも大きく、そこではN>M、N>Sである。
【0077】
最後に、エントロピー符号化デバイスが、走査処理を受けたデータでエントロピー符号化を実行する。
【0078】
上記から、本実施形態において、現在のブロックの走査順序が決定されるとき、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索することができるとともに、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する、すなわち、走査順序の数が予測方向の数よりも小さくなることが理解されうる。したがって、符号化性能が維持される一方で走査順序が減少し、符号化システムにおけるシステムの複雑さが軽減される。
【0079】
図8は、本発明の一実施形態によって提供される復号化方法の信号流れ図を示し、
図8に示すように、以下が含まれる。
【0080】
最初に、エントロピー復号化デバイスが、1次元データおよび予測方向を復号化を通じて得る。
【0081】
次に、逆走査デバイスが、予測方向に従って、対応する走査順序を予測方向と走査順序とのマッピング関係から探索し、探索された走査順序に従って逆走査処理を実行する。すなわち、走査順序は、走査順序1、走査順序2、…、および走査順序Sから選択される。
【0082】
さらに次に、逆変換デバイスが、逆走査を通じて得られたデータで逆変換処理を実行する。本発明の一実施形態では、逆走査デバイスが、変換ベースを、逆変換ベース1、逆変換ベース2、…、逆変換ベースMから、予測方向に従って選択し、逆変換処理を実行することができる。
【0083】
最後に、予測補償ユニットが、予測補償方向を、予測補償方向1、予測補償方向2、…、および予測補償方向Nから選択し、予測補償処理を実行し、そこではN>M、N>Sである。
【0084】
上記から、本実施形態において、現在のブロックの走査順序が決定されるとき、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索することができるとともに、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する、すなわち、走査順序の数が予測方向の数よりも小さくなることが理解されうる。したがって、符号化性能が維持される一方で走査順序が減少し、符号化システムにおけるシステムの複雑さが軽減される。
【0085】
前述の方法の実施形態については、説明を簡単にするために、方法が一連の動作の組合せとして説明されているが、本発明が、説明されている動作の順序に限定されるものではなく、本発明によっていくつかのステップが他の順序で実行、または同時に実行されうることを当業者なら理解するであろうことに留意されたい。次に、本明細書で説明された各実施形態は、例示的実施形態であり、関係する動作およびデバイスは本発明に不可欠であるとは限らないことも当業者なら理解するであろう。
【0086】
本発明の一実施形態によって提供される走査デバイスがさらに示される。
図9は、本発明の一実施形態によって提供される走査デバイスの構造を示す。実施形態の走査デバイスは、受信ユニット901、取得ユニット902、探索ユニット903、および走査ユニット904を含みうる。
【0087】
受信ユニット901は、現在のブロックの量子化された変換係数を受信するように構成されている。
【0088】
取得ユニット902は、現在のブロックの予測方向を得るように構成されている。
【0089】
探索ユニット903は、取得ユニット902によって得られた予測方向に従って、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索するように構成されており、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応している。
【0090】
走査ユニット904は、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を使用して、受信ユニット901によって受信された係数で走査処理を実行するように構成されており、走査順序は、探索ユニット903によって探索される。
【0091】
上記から、本実施形態において、現在のブロックの走査順序が決定されるとき、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索することができるとともに、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する、すなわち、走査順序の数が予測方向の数よりも小さくなることが理解されうる。したがって、符号化性能が維持される一方で走査順序が減少し、符号化システムにおけるシステムの複雑さが軽減される。
【0092】
図10は、本発明の一実施形態によって提供される逆走査デバイスの構造を示す。実施形態における逆走査デバイスは、取得ユニット1001、探索ユニット1002、および逆走査ユニット1003を含みうる。
【0093】
取得ユニット1001は、現在のブロックの1次元信号および予測方向を得るように構成されており、現在のブロックの1次元信号および予測方向を、エントロピー復号化を通じて得ている。
【0094】
探索ユニット1002は、取得ユニット1001によって得られた予測方向に従って、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索するように構成されており、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応している。
【0095】
逆走査ユニット1003は、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を使用して、取得ユニット1001によって得られた1次元信号で逆走査処理を実行するように構成されており、走査順序は、探索ユニット1002によって探索される。
【0096】
本発明の別の実施形態では、転置相関関係を有する2つの予測方向の第1の予測方向に対応する走査順序が、予測方向と走査順序とのマッピング関係表に格納されており、取得ユニット1001によって得られた、現在のブロックの予測方向が、転置相関関係を有する2つの予測方向の第1の予測方向であり、逆走査デバイスがさらに、
逆走査ユニット1003によって得られた、2次元データの水平座標と垂直座標とを交換するように構成された、交換ユニット1004を含みうる。
【0097】
上記から、本実施形態において、現在のブロックの走査順序が決定されるとき、現在のブロックの予測方向に対応する走査順序を、予測方向と走査順序とのマッピング関係表から探索することができるとともに、予測方向と走査順序とのマッピング関係表の少なくとも1つの走査順序が少なくとも2つの予測方向に対応する、すなわち、走査順序の数が予測方向の数よりも小さくなることが理解されうる。したがって、符号化性能が維持される一方で走査順序の数が減少し、復号化システムにおけるシステムの複雑さが軽減される。一方、本発明の別の実施形態では、2つの予測方向の幾何学的相関関係が転置相関関係にあると、2つの予測方向は1つの走査順序にのみ対応する場合があり、したがって、走査順序の数がさらに減少し、復号化システムにおけるシステムの複雑さがさらに軽減される。
【0098】
上述のデバイスとシステム内の各デバイスとの間の、情報のやり取りや、実行プロセスなどの内容は、本発明の方法の実施形態と同じ概念に基づいているので、ここで再度説明はしないが、具体的な内容に関しては、本発明の方法の実施形態の記述を参照することができる。
【0099】
本実施形態による方法のすべてまたは一部のプロセスは、コンピュータプログラムの命令下にある関連するハードウェアによって実現されうることを当業者なら理解するであろう。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に格納されうる。プログラムが実行されると、本発明の実施形態による方法のプロセスが実行される。記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読出し専用メモリ(ROM: Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM: Random Access Memory)等である可能性がある。
【0100】
具体的な事例は、本発明の原理および実施方法を示す目的で使用されている。実施形態の記載は、本発明の方法および中心となる概念をよりよく理解するためのみのものである。一方、当業者ならば、本発明の概念に従う特定の実施方法および適用範囲に修正を加えることができる。要するに、明細書の内容は、本発明を限定するものとみなされるべきではない。