(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の電荷生成層及び前記第2の電荷生成層のうち、少なくとも1つは、N型電荷生成層とP型電荷生成層の接合構造からなることを特徴とする請求項1に記載の白色有機電界発光素子。
前記第1ないし第3の発光層は、1つのホストに2つのドーパントが混合された構造、または2つのホストに2つのドーパントが混合された構造からなることを特徴とする請求項1に記載の白色有機電界発光素子。
前記第3のスタックは、前記第3の発光層と前記第2の電極との間に前記第3の発光層と隣接した電子輸送層をさらに備え、前記電子輸送層は、電子注入材料と正孔ブロック材料とが混合されたことを特徴とする請求項1に記載の白色有機電界発光素子。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子を示した図である。
【0012】
図1に示すように、本発明の有機電界発光素子10は、基板50上に第1の電極100と第2の電極380との間に位置するスタックST1、ST2、ST3を備え、スタックST1、ST2、ST3等の間に位置する第1の電荷生成層160と第2の電荷生成層250とを備える。
【0013】
より詳細に、前記基板50は、光が透過できる透明なガラス、プラスチック、または導電性物質からなる。前記基板50上に位置した第1の電極100はアノード電極であり、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、またはZnO(Zinc Oxide)のうち、いずれか1つからなる。
【0014】
前記第1の電極100上に位置する第1のスタックST1は、1つの発光素子単位をなすものであり、第1の発光層140を備える。第1の発光層140は、少なくともブルーを発光する発光層からなるか、レッドを発光する発光層をさらに備えることもできる。ここで、ブルーを発光する第1の発光層140は、蛍光または燐光発光材料からなることができる。例えば、第1の発光層140が蛍光発光材料からなる場合、アントラセン(Anthracene)誘導体、スチルベン(Stylvene)誘導体、ピレン(Pyrene)誘導体、またはカルバゾール(Carbazole)誘導体を含むことができる。前記スチルベン誘導体は、下記の化学式で表示される化合物を使用することができる。
【0016】
前記化学式においてRn(n=1〜10)は、炭素数6〜24の置換または非置換のアリール基、置換または非置換の炭素数10〜30の縮合アリール基、炭素数2〜24の置換または非置換のヘテロアリール基、炭素数1〜24の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜24の置換または非置換のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜24のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜24のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜24のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜24のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素数6〜24のアリールシリル基、シアノ基、ハロゲン基、重水素及び水素からなる群より選ばれ、アリール基は、フェニル、ナフタレン(naphthalene)、フルオレン(fluorene)、カルバゾール(carbazole)、フェナジン(phenazine)、フェナントロリン(phenanthroline)、フェナントリジン(phenanthridine)、アクリジン(acridine)、シンノリン(cinnoline)、キナゾリン(quinazoline)、キノキサリン(quinoxaline)、ナフチドリン(naphthydrine)、フタラジン(phthalazine)、キノリジン(quinolizine)、インドール(indole)、インダゾール(indazole)、ピリダジン(pyridazine)、ピラジン(pyrazine)、ピリミジン(pyrimidine)、ピリジン(pyridine)、ピラゾール(pyrazole)、イミダゾール(imidazole)、ピロール(pyrrole)で構成される群より選ばれることができる。
【0017】
Lは、各々独立的に置換または非置換の炭素数6〜40のアリール基または置換または非置換の炭素数3〜20のヘテロアリール基であり、前記Lの置換基、及び前記A
1〜A
4は、置換または非置換の炭素数1〜24のアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜24のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜24のアルコキシ基、シアノ基、ハロゲン基、置換または非置換の炭素数6〜24のアリール基、置換または非置換の炭素数6〜24のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数2〜24のヘテロアリール基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリールアミノ基、置換または非置換の炭素数2〜40のアルキルアミノ基、ゲルマニウム基、ボロン基、置換または非置換の炭素数1〜24のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素数6〜40のアリールシリル基、重水素、及び水素からなる群より選ばれることができる。
【0018】
また、例えば、第1の発光層140が燐光発光材料からなる場合、ホストは、アントラセン(Anthracene)誘導体、スチルベン(Stylvene)誘導体、ピレン(Pyrene)誘導体、またはカルバゾール(Carbazole)誘導体を含むことができる。ホストの置換基としては、下記の化学式で表示される化合物を使用することができる。
【0020】
前記化学式においてRn(n=1〜12)は、炭素数6〜24の置換または非置換のアリール基、置換または非置換の炭素数10〜30の縮合アリール基、炭素数2〜24の置換または非置換のヘテロアリール基、炭素数1〜24の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜24の置換または非置換のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜24のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜24のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜24のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜24のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素数6〜24のアリールシリル基、シアノ基、ハロゲン基、重水素及び水素からなる群より選ばれることができ、R
1〜R
12は、隣り合う置換基と縮合リングを形成することができる。
【0021】
前記置換基における置換または非置換、融合または非融合のアリール基は、フェニル、ナフタレン(naphthalene)、フルオレン(fluorene)、カルバゾール(carbazole)、フェナジン(phenazine)、フェナントロリン(phenanthroline)、フェナントリジン(phenanthridine)、アクリジン(acridine)、シンノリン(cinnoline)、キナゾリン(quinazoline)、キノキサリン(quinoxaline)、ナフチドリン(naphthydrine)、フタラジン(phthalazine)、キノリジン(quinolizine)、インドール(indole)、インダゾール(indazole)、ピリダジン(pyridazine)、ピラジン(pyrazine)、ピリミジン(pyrimidine)、ピリジン(pyridine)、ピラゾール(pyrazole)、イミダゾール(imidazole)、ピロール(pyrrole)で構成される中心構造に1個〜5個ないし重複置換または非重複置換からなる。
【0022】
ドーパントとしては、下記の化学式で表示される物質を使用することができる。特に、Ir金属を中心として、N−NまたはN−O、O−Oで3配位を形成する金属化合物からなることができる。
【0024】
前述した第1の発光層140は、1つのホストに1つのドーパントからなるか、2つのホストに1つのドーパントからなることができる。このとき、2つのホストのうちの1つは正孔輸送性ホストであり、残りの1つは電子輸送性ホストでありうる。正孔輸送性ホストは、前述した正孔輸送層の材料を使用することができ、電子輸送性ホストは、後述する電子輸送層の材料を使用することができる。
【0025】
一方、第1の発光層140がレッドを発光する発光層をさらに備える場合に、レッド発光層は例えば、CBP(4,4′−N,N′−dicarbazolebiphenyl)またはBalq(Bis(2−methyl−8−quinlinolato−N1,O8)−(1,1′−Biphenyl−4−olato)aluminium)のうちから選ばれるいずれか1つのホストにIr(Mnpy)
3、またはIr(btp)
2(acac)(bis(2−(2′−benzothienyl)−pyridinato−N,C
3′)iridium(acetylacetonate))のうちから選ばれるいずれか1つ以上の燐光レッドドーパントからなることができる。
【0026】
前述した第1の発光層140のブルー発光層またはレッド発光層は、各々1つのホストに1つのドーパントが含まれるか、2つのホストに1つのドーパントが含まれてなされることもできる。また、第1の発光層140がブルー発光層とレッド発光層の積層構造からなる場合、レッド発光層がブルー発光層上に位置したり、レッド発光層がブルー発光層の下部に位置することができる。
【0027】
一方、前記第1のスタックST1は、第1の電極100と第1の発光層140との間に正孔注入層110、第1の正孔輸送層120、及び第1の電子ブロック層130をさらに備える。前記正孔注入層(Hole Injection Layer;HIL)110は、前記第1の電極100から第1の発光層140に正孔の注入を円滑にする役割をすることができ、CuPc(cupper phthalocyanine)、PEDOT(poly(3,4)−ethylenedioxythiophene)、PANI(polyaniline)、及びNPD(N,N′−dinaphthyl−N,N′−diphenyl benzidine)からなる群より選ばれるいずれか1つ以上からなることができるが、これに限定されない。
【0028】
前記第1の正孔輸送層(Hole Transport Layer;HTL)120は、正孔の輸送を円滑にする役割をし、NPD(N,N′−dinaphthyl−N,N′−diphenyl benzidine)、TPD(N,N′−bis−(3−methylphenyl)−N,N′−bis−(phenyl)−benzidine)、s−TAD及びMTDATA(4,4′,4″−Tris(N−3−methylphenyl−N−phenyl−amino)−triphenylamine)からなる群より選ばれるいずれか1つ以上からなることができるが、これに限定されない。例えば、第1の正孔輸送層120は、下記の化学式で表示される化合物からなることができる。
【0030】
前記AとBは、各々下記の化学式で表示される化合物から選ばれることができる。
【0032】
前記Rn(n=1〜12)は、炭素数6〜24の置換または非置換のアリール基、置換または非置換の炭素数10〜30の縮合アリール基、炭素数2〜24の置換または非置換のヘテロアリール基、炭素数1〜24の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜24の置換または非置換のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜24のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜24のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜24のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜24のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素数6〜24のアリールシリル基、シアノ基、ハロゲン基、重水素及び水素からなる群より選ばれることができ、R
1〜R
12は、隣り合う置換基と縮合リングを形成することができる。Lにおけるアリール基は、フェニル、ナフタレン(naphthalene)、フルオレン(fluorene)、カルバゾール(carbazole)、フェナジン(phenazine)、フェナントロリン(phenanthroline)、フェナントリジン(phenanthridine)、アクリジン(acridine)、シンノリン(cinnoline)、キナゾリン(quinazoline)、キノキサリン(quinoxaline)、ナフチドリン(naphthydrine)、フタラジン(phthalazine)、キノリジン(quinolizine)、インドール(indole)、インダゾール(indazole)、ピリダジン(pyridazine)、ピラジン(pyrazine)、ピリミジン(pyrimidine)、ピリジン(pyridine)、ピラゾール(pyrazole)、イミダゾール(imidazole)、ピロール(pyrrole)で構成される群より選ばれることができる。
【0033】
前記第1の電子ブロック層(Electron Blocking Layer;EBL)130は、発光層で生成された電子が正孔輸送層に越えてくることを防止するように、正孔輸送層の材料と金属または金属化合物を含んでなる。したがって、第1の電子ブロック層130のルモ(LUMO)準位(level)が高まって電子が越えて来られないようになる。前述した第1の正孔輸送層120と前記第1の電子ブロック層130とは、各々の材料が混合された単一層としてなされることもできる。
【0034】
そして、第1のスタックST1は、第1の発光層140上に第1の電子輸送層150をさらに備える。第1の電子輸送層(Electron Transport Layer;ETL)150は、電子の輸送を円滑にする役割をし、Alq3(tris(8−hydroxyquinolino)aluminum)、PBD、TAZ、spiro−PBD、BAlq、及びSAlqからなる群より選ばれるいずれか1つ以上からなることができるが、これに限定されない。
【0035】
例えば、第1の電子輸送層150は、下記の化学式で表示される化合物からなることができる。
【0037】
前記Ar
1ないしAr
4におけるアリール基は、フェニル、ナフタレン(naphthalene)、フルオレン(fluorene)、カルバゾール(carbazole)、フェナジン(phenazine)、フェナントロリン(phenanthroline)、フェナントリジン(phenanthridine)、アクリジン(acridine)、シンノリン(cinnoline)、キナゾリン(quinazoline)、キノキサリン(quinoxaline)、ナフチドリン(naphthydrine)、フタラジン(phthalazine)、キノリジン(quinolizine)、インドール(indole)、インダゾール(indazole)、ピリダジン(pyridazine)、ピラジン(pyrazine)、ピリミジン(pyrimidine)、ピリジン(pyridine)、ピラゾール(pyrazole)、イミダゾール(imidazole)、ピロール(pyrrole)で構成される群より選ばれることができる。前記Rn(n=1〜4)は、炭素数6〜24の置換または非置換のアリール基、置換または非置換の炭素数10〜30の縮合アリール基、炭素数2〜24の置換または非置換のヘテロアリール基、炭素数1〜24の置換または非置換のアルキル基、炭素数1〜24の置換または非置換のヘテロアルキル基、置換または非置換の炭素数3〜24のシクロアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜24のアルコキシ基、置換または非置換の炭素数6〜24のアリールオキシ基、置換または非置換の炭素数1〜24のアルキルシリル基、置換または非置換の炭素数6〜24のアリールシリル基、シアノ基、ハロゲン基、重水素及び水素からなる群より選ばれることができる。
【0038】
したがって、第1の電極100上に正孔注入層110、第1の正孔輸送層120、第1の電子ブロック層130、第1の発光層140、及び第1の電子輸送層150を備える第1のスタックST1を構成する。
【0039】
前記第1のスタックST1上に第1の電荷生成層(Charge Generation Layer;CGL)160が位置する。第1の電荷生成層160は、N型電荷生成層160NとP型電荷生成層160Pが接合されたPN接合電荷生成層でありうる。このとき、前記PN接合電荷生成層160は、電荷を生成したり、正孔及び電子に分離して前記各発光層に電荷を注入する。すなわち、N型電荷生成層160Nは、第1の電極100に隣接した第1の発光層140に電子を供給し、前記P型電荷生成層160Pは、第2のスタックST2の発光層230に正孔を供給することにより、複数の発光層を備える有機電界発光素子の発光効率をさらに増大させることができ、これとともに、駆動電圧も低めることができる。
【0040】
ここで、P型電荷生成層160Pは単一物質からなるか、単一物質にP型ドーパントがドーピングされ得る。P型電荷生成層160Pは、フッ素置換されたTCNPQ、Cyanグループを有するTCNPQ誘導体、Radiallene系の化合物、Quinone系の化合物、または下記の化学式(I)で表示される化合物からなる群より選ばれる1つの単一物質からなることができる。
【0042】
前記化学式(I)の置換基R
1、R
2、R
3、及びR
4としては、下記の化学式(i)及び(ii)で表示される化合物でありうる。
【0043】
【化8】
前記X
1及びX
2はS、N、Oからなる群より選ばれることができる。
【0044】
前記化学式(i)及び(ii)で表示される化合物は、下記の化学式(a)〜(g)で表示される置換基に置換されることができる。
【0046】
前記化学式(I)においてY
1、Y
2、Y
3、及びY
4はS、N、Oからなる群より選ばれることができる。前記化学式(I)においてAr
1、ar
1及びar
2は、置換または非置換のフェニル、ナフタレン(naphthalene)、フルオレン(fluorene)、カルバゾール(carbazole)、フェナジン(phenazine)、フェナントロリン(phenanthroline)、フェナントリジン(phenanthridine)、アクリジン(acridine)、シンノリン(cinnoline)、キナゾリン(quinazoline)、キノキサリン(quinoxaline)、ナフチドリン(naphthydrine)、フタラジン(phthalazine)、キノリジン(quinolizine)、インドール(indole)、インダゾール(indazole)、ピリダジン(pyridazine)、ピラジン(pyrazine)、ピリミジン(pyrimidine)、ピリジン(pyridine)、ピラゾール(pyrazole)、イミダゾール(imidazole)、ピロール(pyrrole)からなる群より選ばれることができる。
【0047】
また、P型電荷生成層160PにP型ドーパントがドーピングされる場合に、P型ドーパントは、金属酸化物、フッ素置換されたTCNPQ、Cyanグループを有するTCNPQ誘導体、Radiallene系の化合物、Quinone系の化合物、または下記の化学式で表示される化合物からなることができる。
【0049】
前記化学式においてArは、置換または非置換のフェニル、ナフタレン(naphthalene)、フルオレン(fluorene)、カルバゾール(carbazole)、フェナジン(phenazine)、フェナントロリン(phenanthroline)、フェナントリジン(phenanthridine)、アクリジン(acridine)、シンノリン(cinnoline)、キナゾリン(quinazoline)、キノキサリン(quinoxaline)、ナフチドリン(naphthydrine)、フタラジン(phthalazine)、キノリジン(quinolizine)、インドール(indole)、インダゾール(indazole)、ピリダジン(pyridazine)、ピラジン(pyrazine)、ピリミジン(pyrimidine)、ピリジン(pyridine)、ピラゾール(pyrazole)、イミダゾール(imidazole)、ピロール(pyrrole)、及び下記のR
1〜R
12で表示される群より選ばれることができる。
【0050】
前記R
1〜R
12は、H、CF
3、及び下記の化学式で表示される化合物から選ばれることができる。下記においてAとBは、H、F、及びCF
3から選ばれることができる。
【0052】
前記N型電荷生成層160Nは、金属またはN型がドーピングされた有機物質からなることができる。ここで、前記金属は、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、La、Ce、Sm、Eu、Tb、Dy、及びYbからなる群より選ばれる1つの物質でありうる。また、前記N型がドーピングされた有機物質に使用されるN型ドーパントとホストの物質は通常使用される物質を用いることができる。例えば、前記N型ドーパントは、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属またはアルカリ土類金属化合物でありうる。詳しくは、前記N型ドーパントは、Cs、K、Rb、Mg、Na、Ca、Sr、Eu、及びYbからなる群より選ばれる1つでありうる。前記ホスト物質は、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム、トリアジン、ヒドロキシキノリン誘導体及びベンズアゾール誘導体並びにシロール誘導体からなる群より選ばれる1つの物質でありうる。
【0053】
一方、前記第1の電荷生成層160上に第2の発光層230を備える第2のスタックST2が位置する。第2の発光層230は、少なくともイエローグリーンを発光する発光層を備え、グリーンを発光する発光層をさらに備えることができる。本実施形態では、イエローグリーン発光層230aとグリーン発光層230bとを備える第2の発光層230を例に挙げて説明する。
【0054】
前記グリーン発光層230bは、CBP(4,4′−N,N′−dicarbazolebiphenyl)またはBalq(Bis(2−methyl−8−quinlinolato−N1,O8)−(1,1′−Biphenyl−4−olato)aluminium)のうちから選ばれる少なくとも1つのホストにIr(ppy)
3の燐光グリーンドーパントからなることができる。前記イエローグリーン発光層230aは、CBP(4,4′−N,N′−dicarbazolebiphenyl)またはBalq(Bis(2−methyl−8−quinlinolato−N1,O8)−(1,1′−Biphenyl−4−olato)aluminium)ののうちから選ばれる少なくとも1つのホストにイエローグリーンを発光する燐光イエローグリーンドーパントからなることができる。それに対し、イエローグリーン発光層230aとグリーン発光層230bのホストは、正孔輸送層と同様な材料を使用することもできる。
【0055】
前述した第2の発光層230のイエローグリーン発光層230aまたはグリーン発光層230bのうち、少なくとも1つは、2つのホストに1つのドーパントが含まれてなされることができる。また、第2の発光層230がイエローグリーン発光層230aとグリーン発光層230bの積層構造からなる場合、グリーン発光層230bがイエローグリーン発光層230a上に位置したり、グリーン発光層230bがイエローグリーン発光層230aの下部に位置することができる。また、第2の発光層230は、イエローグリーン発光層230aとグリーン発光層230bとが1つの単一層からなることができ、このとき、単一層の第2の発光層230は、1つのホストにイエローグリーンドーパントとグリーンドーパントとが混合されたり、2つのホストにイエローグリーンドーパントとグリーンドーパントとが混合されて形成されることができる。このとき、2つのホストのうちの1つは正孔輸送性ホストであり、残りの1つは電子輸送性ホストでありうる。正孔輸送性ホストは、前述した正孔輸送層の材料を使用することができ、電子輸送性ホストは、後述する電子輸送層の材料を使用することができる。
【0056】
また、前記第2の発光層230のうち、イエローグリーン発光層230aの発光スペクトルのピーク(peak)は、550〜570nmの波長帯に位置し、グリーン発光層230bの発光スペクトルのピーク(peak)は、530〜550nmの波長帯に位置することができる。このとき、各スペクトルの半値幅は、各々70nm以上を有することにより、イエローグリーンとグリーン色の効率を向上させることができる。
【0057】
そして、前記イエローグリーン発光層230aとグリーン発光層230bとは、各層の厚さを400Å以下に形成して、駆動電圧が高まることを防止し発光効率を向上させる。また、前記イエローグリーン発光層230aとグリーン発光層230bとは、ドーピング濃度が互いに異なることができ、正孔輸送層に近い発光層と遠い発光層との間にドーピング濃度が互いに異なることもあり、同じであることもある。
【0058】
前記第2のスタックST2は、第1の電荷生成層160と前記第2の発光層230との間に第2の正孔輸送層210と第2の電子ブロック層220とをさらに備える。第2の正孔輸送層210は、前述した第1の正孔輸送層120と同じであるが、互いに異なる物質からなるか、同じ物質からなることができる。また、第2の電子ブロック層220も前述した第1の電子ブロック層130と同じであるが、互いに異なる物質からなるか、同じ物質からなることができる。また、第2のスタックST2は、第2の発光層230上に第2の電子輸送層240をさらに備え、第2の電子輸送層240は、前述した第1のスタックST1の第1の電子輸送層150の説明と同じであり、互いに同じ物質からなるか、異なる物質からなることができる。したがって、第1の電荷生成層160上に第2の正孔輸送層210、第2の電子ブロック層220、第2の発光層230、及び第2の電子輸送層240を備える第2のスタックST2を構成する。
【0059】
前記第2のスタックST2上に第2の電荷生成層250が位置する。第2の電荷生成層250は、N型電荷生成層250NとP型電荷生成層250Pとが接合されたPN接合電荷生成層で構成され、前述した第1の電荷生成層160と同様な構造からなることができる。しかし、第2の電荷生成層250は、第1の電荷生成層160とは互いに異なる材料からなることができる。例えば、第1の電荷生成層160のP型電荷生成層160Pが単一物質からなり、第2の電荷生成層250のP型電荷生成層250Pは、単一物質にP型ドーパントがドーピングされてなされることができる。
【0060】
一方、第2の電荷生成層250上に第3の発光層330を備える第3のスタックST3が位置する。第3の発光層330は、少なくともブルーを発光する発光層からなるか、レッドを発光する発光層をさらに備えることもできるものであり、前述した第1のスタックST1の第1の発光層140と同様な構造からなることができる。例えば、第3の発光層330は、ブルーを発光するブルー発光層330aとレッドを発光するレッド発光層330bとが積層された構造からなることができる。
【0061】
前記第3のスタックST3は、第2の電荷生成層250と前記第3の発光層330との間に第3の正孔輸送層310と第3の電子ブロック層320とをさらに備える。第3の正孔輸送層310は、前述した第1の正孔輸送層120と同じであるが、互いに異なる物質からなるか、同じ物質からなることができる。また、第3の電子ブロック層320も前述した第1の電子ブロック層130と同じであるが、互いに異なる物質からなるか、同じ物質からなることができる。
【0062】
また、第3のスタックST3は、第3の発光層330上に第3の電子輸送層340、第4の電子輸送層350、及び電子注入層360をさらに備え、第4の電子輸送層350は、前述した第1のスタックST1の第1の電子輸送層150の説明と同じであり、互いに同じ物質からなるか、異なる物質からなることができる。前記第3の電子輸送層340は、電子注入に優れた電子注入材料と正孔ブロック能力に優れた正孔ブロック材料とを混合して使用する。このとき、電子注入材料と正孔ブロック材料との混合比は1:99〜99:1の範囲でありうるし、好ましくは、30:70〜70:30の範囲からなることができる。
【0063】
前記電子注入層(Electron Injection Layer;EIL)360は、電子の注入を円滑にする役割をし、Alq3(tris(8−hydroxyquinolino)aluminum)、PBD、TAZ、spiro−PBD、BAlq、またはSAlqを使用することができるが、これに限定されない。また、電子注入層360は、金属ハライド化合物でありうるし、例えば、MgF
2、LiF、NaF、KF、RbF、CsF、FrF、及びCaF
2からなる群より選ばれるいずれか1つでありうるが、これに限定されない。したがって、第2の電荷生成層250上に第3の正孔輸送層310、第3の電子ブロック層320、第3の発光層330、第3の電子輸送層340、第4の電子輸送層350、及び電子注入層360を備える第3のスタックST3を構成する。
【0064】
前記第3のスタックST3上に第2の電極380が位置する。第2の電極380はカソード電極でありうるし、仕事関数の低いアルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、銀(Ag)、またはこれらの合金からなることができる。したがって、第1の電極100と第2の電極380との間に第1ないし第3のスタックST1、ST2、ST3と第1及び第2の電荷生成層160、250とが備えられた有機電界発光素子が開示される。
【0065】
前述した有機電界発光素子は、第1の電極100から第2の電極380までの間隔を2500〜5000Åで形成し、第2の電極380から第2の発光層230までの間隔を少なくとも2000Å以上で形成することにより、画像の視野角及びレッド光の発光効率を確保することができる。
【0066】
一方、本実施形態では、第1の発光層と第3の発光層がブルー発光層を備え、第2の発光層がイエローグリーン発光層を備える場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、第2の発光層と第3の発光層の位置を変えて形成することもきる。
【0067】
以下、本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子の実施例を開示する。ただし、下記に開示される実施例は、本発明の一実施形態だけであり、本発明が下記の実施例に限定されるものではない。下記に開示する様々な実施例を介して本発明の有機電界発光素子の様々な構造とその効果が説明されるであろう。
【0068】
<実施例1−1>
ITO基板は、発光面積が2mm×2mmのサイズになるようにパターニングした後、洗浄した。基板を真空チャンバに装着した後、ベース圧力が1×10
−6torrになるようにした後、陽極ITO上に正孔注入層でNPDを100Åの厚さに形成し、その上に正孔輸送層でAryl amine系物質を1200Åの厚さに形成し、電子ブロック層でCarbazole系の物質を200Åの厚さに形成した。その上にブルー蛍光発光層でホストであるanthracene系物質250Åとドーパントであるpyrene系物質をドーピング濃度5%で形成した。次いで、電子輸送層でヘテロアリール系の物質を200Åの厚さに形成し、第1のスタックを形成した。その後、N型電荷生成層でホストであるヘテロアリール系の物質200Åとドーパントであるアルカリ土類金属物質をドーピング濃度3%で形成した。その上に、P型電荷生成層でヘテロアリール系の物質を200Åの厚さに形成した後、正孔輸送層でアリールアミン系の物質を200Åの厚さに形成し、電子ブロック層でCarbazole系の物質を200Åの厚さに形成した。次に、燐光イエローグリーン発光層でヘテロアリール系のホストの1種150Åと、もう1つのホストの1種150Å、そして、ドーパントであるIridium化合物をドーピング濃度20%で形成した。続いて、燐光グリーン発光層でヘテロアリール系のホストの1種150Åと、もう1つのホストの1種150Å、そして、ドーパントであるIridium化合物をドーピング濃度15%で形成した。その上に、電子輸送層でヘテロアリール系の物質を200Åの厚さに形成し、第2のスタックを形成した。次いで、N型電荷生成層でホストであるヘテロアリール系の物質200Åとドーパントであるアルカリ土類金属物質をドーピング濃度3%で形成し、P型電荷生成層でヘテロアリール系の物質を200Åの厚さに形成した後、正孔輸送層でアリールアミン系の物質を1200Åの厚さに形成した。そして、電子ブロック層でCarbazole系の物質を200Åの厚さに形成し、蛍光ブルー発光層でホストであるanthracene系物質200Åとドーパントであるpyrene系物質をドーピング濃度5%で形成した後、燐光レッド発光層をヘテロアリール系ホスト物質100Åと、カルバゾール及びアリールアミン系のホスト物質100Å、ドーパントでイリジウム化合物をドーピング濃度3%で形成した。次いで、電子輸送層でヘテロアリール系の物質を200Åの厚さに形成した後、再度電子輸送層でヘテロアリール系の物質を200Åの厚さに形成し、電子注入層でLiFを10Åの厚さに形成して、第3のスタックを形成した後、カソードでAlを2000Åの厚さに形成して有機電界発光素子を製作した。
【0069】
<実施例1−2>
前述した実施例1−1と同じ工程条件下に、第3のスタックの蛍光ブルー発光層と燐光レッド発光層との位置を変えて有機電界発光素子を製作した。
【0070】
前述した実施例1−1及び1−2による発光スペクトルを測定して
図2に示し、R、G、B、Wの発光効率、駆動電圧、及び寿命を測定して下記の表1に示した。なお、表1以降の表における寿命に関する括弧内の「T95、3000nit」は、初期輝度3000nitで素子を駆動した場合に、輝度が初期輝度の95%(2850nit)に至ったときのものであることを意味している。
【0072】
前記
図2及び表1に示すように、3スタック構造に燐光レッド発光層と蛍光ブルー発光層とを同時に使用して全体的なパネル特性を向上させ、長波長の燐光レッド発光層をカソードに隣接して配列し、発光効率を向上させた。
【0073】
<実施例2−1>
前述した実施例1−1と同じ工程条件下に、第3のスタックの燐光レッド発光層を除いて有機電界発光素子を製作した。
【0074】
<実施例2−2>
前述した実施例2−1と同じ工程条件下に、第2のスタックのグリーン発光層を除いて有機電界発光素子を製作した。
【0075】
前述した実施例2−1及び2−2による発光スペクトルを測定して
図3に示し、R、G、B、Wの発光効率及び駆動電圧を測定して下記の表2に示した。
【0077】
前記
図3及び表2に示すように、第2のスタックでイエローグリーン発光層を1つ備えるより、イエローグリーンとグリーン発光層とを共に備えることによって、発光効率及び駆動電圧特性を向上させた。
【0078】
<実施例3−1>
前述した実施例1−1と同じ工程条件下に、第2のスタックのグリーン発光層と第3のスタックのレッド発光層を除いて有機電界発光素子を製作した。
【0079】
<実施例3−2>
前述した実施例3−1と同じ工程条件下に、第1のスタックの正孔輸送層と電子ブロック層を1つの物質で1150Åの厚さに形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0080】
前述した実施例3−1及び3−2による発光スペクトルを測定して
図4に示し、R、G、B、Wの発光効率及び駆動電圧を測定して下記の表3に示した。
【0082】
前記
図4及び表3に示すように、第1のスタックの正孔輸送層と電子ブロック層を1つの単一層で形成することにより、有機電界発光素子の厚さを減らし、発光効率を向上させた。
【0083】
<実施例4−1>
前述した実施例3−1と同じ工程条件下に、第1のスタックのブルー発光層と第3のスタックのブルー発光層とを共にアントラセン系のホスト100Åとドーパントでピレン系の化合物をドーピング濃度5%で形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0084】
<実施例4−2>
前述した実施例3−1と同じ工程条件下に、第1のスタックのブルー発光層をアントラセン系のホスト100Åと、他のアントラセン系のホスト100Å、ドーパントでピレン系の化合物をドーピング濃度5%で形成し、第3のスタックのブルー発光層をアントラセン系のホスト100Åと、他のアントラセン系のホスト100Å、ドーパントでピレン系の化合物をドーピング濃度5%で形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0085】
<実施例4−3>
前述した実施例3−1と同じ工程条件下に、第1のスタックのブルー発光層をアントラセン系のホスト100Åと、他のアントラセン系のホスト100Å、ドーパントでピレン系の化合物をドーピング濃度5%で形成し、第3のスタックのブルー発光層をアントラセン系のホスト100Åとドーパントでピレン系の化合物をドーピング濃度5%で形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0086】
<実施例4−4>
前述した実施例3−1と同じ工程条件下に、第1のスタックのブルー発光層をアントラセン系のホスト100Åとドーパントでピレン系の化合物をドーピング濃度5%で形成し、第3のスタックのブルー発光層をアントラセン系のホスト100Åと、他のアントラセン系のホスト100Å、ドーパントでピレン系の化合物をドーピング濃度5%で形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0087】
前述した実施例4−1〜4−4による発光スペクトルを測定して
図5に示し、R、G、B、Wの発光効率、寿命、及び駆動電圧を測定して下記の表4に示した。
【0089】
前記
図5及び表4に示すように、ブルー発光層で1つの単一ホストを使用したことに比べて、2つのホストを使用した場合、駆動電圧及び寿命を改善させた。
【0090】
<実施例5−1>
前述した実施例1−1と同じ工程条件下に、第2のスタックのグリーン発光層と第3のスタックのレッド発光層を除いて有機電界発光素子を製作した。
【0091】
<実施例5−2>
前述した実施例5−1と同じ工程条件下に、第3のスタックの2つの電子輸送層を共蒸着して1つの単一層で360Åの厚さに形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0092】
前述した実施例5−1及び5−2による発光スペクトルを測定して
図6に示し、R、G、B、Wの発光効率、駆動電圧、及び寿命を測定して下記の表5に示した。
【0094】
前記
図6及び表5に示すように、第3のスタックの2つの正孔輸送層の物質を混合して1つの単一層で形成することにより、有機電界発光素子の厚さを減らし、寿命及び駆動電圧特性を向上させた。
【0095】
<実施例6−1>
前述した実施例1−1と同じ工程条件下に、第2のスタックのグリーン発光層と第3のスタックのレッド発光層を除いて有機電界発光素子を製作した。
【0096】
<実施例6−2>
前述した実施例6−1と同じ工程条件下に、アリールアミンとカルバゾール系のホスト50Å、P型ドーパント化合物をドーピング濃度10%で形成し、同じアリールアミン系のホスト250Åを蒸着して、第2のスタックの電子ブロック層、正孔輸送層、及びP型電荷生成層を1つの単一層で形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0097】
前述した実施例6−1及び6−2による発光スペクトルを測定して
図7に示し、R、G、B、Wの発光効率、寿命、及び駆動電圧を測定して下記の表6に示した。
【0099】
前記
図7及び表6に示すように、第2のスタックの電子ブロック層、正孔輸送層、及びP型電荷生成層が形成された構造に対比して、これらをP型ドーピング層の1つの単一層で形成することにより、有機電界発光素子の厚さを減らし、寿命及び駆動電圧特性を向上させた。
【0100】
<実施例7−1>
前述した実施例6−2と同じ工程条件下に、有機電界発光素子を製作した。
【0101】
<実施例7−2>
前述した実施例7−1と同じ工程条件下に、アリールアミンとカルバゾール系のホスト50Å、P型ドーパント化合物をドーピング濃度10%で形成し、同じアリールアミン系のホスト250Åを蒸着して、第3のスタックの電子ブロック層、正孔輸送層、及びP型電荷生成層を1つの単一層で形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0102】
<実施例7−3>
前述した実施例7−2と同じ工程条件下に、アリールアミン系のホストとは異なるホストを使用したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0103】
前述した実施例7−1〜7−3による発光スペクトルを測定して
図8に示し、R、G、B、Wの発光効率、寿命、及び駆動電圧を測定して下記の表7に示した。
【0105】
前記
図8及び表7に示すように、第2のスタックとともに、第3のスタックの電子ブロック層、正孔輸送層、及びP型電荷生成層が形成された構造に対比して、これらをP型ドーピング層の1つの単一層で形成することにより、有機電界発光素子の厚さを減らし、寿命及び駆動電圧特性を向上させた。
【0106】
<実施例8−1>
前述した実施例6−2と同じ工程条件下に、燐光イエローグリーン発光層と燐光グリーン発光層とを各々ヘテロアリール系のホスト1種120Å、もう1つのホスト1種80Å、そして、ドーパントであるイリジウム化合物をドーピング濃度8%で形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0107】
<実施例8−2>
前述した実施例8−1と同じ工程条件下に、ヘテロアリール系のホストの代りに、電子輸送層とのルモレベルのギャップが0.3eV以下である化合物をホストとして使用したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0108】
前述した実施例8−1及び8−2による発光スペクトルを測定して
図9に示し、R、G、B、Wの発光効率、寿命、及び駆動電圧を測定して下記の表8に示した。
【0110】
前記
図9及び表8に示すように、グリーン発光層のホストが電子輸送層とのルモレベルのギャップが小さいほど発光効率及び寿命を改善させることができた。
【0111】
<実施例9−1>
前述した実施例6−2と同じ工程条件下に、第1のスタックの電子輸送層の厚さを70Åで形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0112】
<実施例9−2>
前述した実施例9−1と同じ工程条件下に、第1のスタックの電子輸送層の厚さを110Åで形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0113】
<実施例9−3>
前述した実施例9−1と同じ工程条件下に、第1のスタックの電子輸送層の厚さを150Åで形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0114】
前述した実施例9−1〜9−3による発光スペクトルを測定して
図10に示し、R、G、B、Wの発光効率、寿命、及び駆動電圧を測定して下記の表9に示した。
【0116】
前記
図10及び表9に示すように、第1のスタックの電子輸送層の厚さが薄いほど寿命が増加して効率が向上することを確認した。
【0117】
<実施例10−1>
前述した実施例6−2と同じ工程条件下に、第1のスタック上のN型電荷生成層の厚さを80Åで形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0118】
<実施例10−2>
前述した実施例10−1と同じ工程条件下に、第1のスタック上のN型電荷生成層の厚さを120Åで形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0119】
<実施例10−3>
前述した実施例10−1と同じ工程条件下に、第1のスタック上のN型電荷生成層の厚さを150Åで形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0120】
前述した実施例10−1ないし10−3による発光スペクトルを測定して
図11に示し、R、G、B、Wの発光効率、寿命、及び駆動電圧を測定して下記の表10に示した。
【0122】
前記
図11及び表10に示すように、第1のスタック上のN型電荷生成層の厚さが厚くなるほど寿命が増加するが、300Å以下が好ましい。
【0123】
<実施例11−1>
前述した実施例6−2と同じ工程条件下に、第2のスタックの電子輸送層の厚さを480Åで形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0124】
<実施例11−2>
前述した実施例11−1と同じ工程条件下に、第2のスタックの電子輸送層の厚さを350Åで形成したことのみを異にして有機電界発光素子を製作した。
【0125】
前述した実施例11−1及び11−2による発光スペクトルを測定して
図12に示し、R、G、B、Wの発光効率、寿命、及び駆動電圧を測定して下記の表11に示した。
【0127】
前記
図12及び表11に示すように、第2のスタックの電子輸送層の厚さが薄いほど寿命が増加して駆動電圧が減少されことを確認した。
【0128】
前述したように、本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子は、少なくとも3つ以上のスタックを備え、少なくとも2つ以上のブルー発光層と1つのイエローグリーン発光層を備えることにより、寿命及び発光効率を向上させ、駆動電圧特性を向上させることができ、白色を実現できるという利点がある。
【0129】
また、本発明の一実施形態に係る有機電界発光素子は、第1の電極と第2の電極との間の間隔を2500ないし5000Åで形成し、第2の電極と第2の発光層との間の間隔を少なくとも2000Å以上で形成することにより、画像の視野角及びレッド光の発光効率を確保できるという利点がある。
【0130】
例示的な実施例が説明されたが、本開示の範疇内で種々の他の修正及び実施例が通常の技術者により創出され得ることと理解されなければならない。特に、様々な変更及び修正が本開示の図面及び特許請求の範囲の範疇内で本組み合わせの配置及び/又は構成において可能であろう。構成要素及び/又は配置における修正及び変更に加えて、代案的な使用も通常の技術者にとって明らかであろう。