【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の一主題は、ケラチン繊維、特に毛髪を処置する方法であって、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40〜150℃のTg(ガラス転移温度)を有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む毛髪処置用組成物を、ケラチン繊維に適用し、
- ケラチン繊維を、開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間を画定する2つの要素を含む装置に挿入し、
- ケラチン繊維を閉じられた空間内に閉じ込めるように2つの可動要素を共に閉鎖位置まで持っていき、
- 繊維を40〜250℃の温度まで加熱する、
方法である。
【0008】
また、本発明の主題は、
- 開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間を画定する2つの要素、および加熱手段を含む装置、
- 脂肪性物質、界面活性剤、40〜150℃のTgを有するポリマー、酸化染料前駆体および直接染料から選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物を含有する区画
を含むキットでもある。
【0009】
最後に、本発明は、開放位置および閉鎖位置の間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間を画定する2つの要素、およびケラチン繊維、特に毛髪などのヒトのケラチン繊維を処置する加熱手段を含む装置の使用に関する。
【0010】
本発明において、「実質的に漏れのない閉じられた空間」という表現は、この空間が加熱ステップの間に液体または気体をほとんどまたは全く通さず、この空間が2つの可動要素の間で閉鎖されていることを意味する。
【0011】
閉鎖位置において、両方の可動要素は、多量のケラチン繊維がこの空間内に配置されるとき、実質的に漏れのない閉じられた空間を画定するように形づくられる。ケラチン繊維は、次いで、両方の可動要素の間で、特に一方または両方の可動要素上に備えられている1つまたはいくつかの封止材によって、部分的に挟まれ得、閉じられた空間の周辺部を少なくとも部分的に画定する。
【0012】
特に閉塞空間内に限られた様式で熱を供給することによって毛髪上の組成物を加熱するステップと組み合わせた毛髪への組成物の適用は、閉じられた空間内部にやや過剰な圧力をもたらすことによって組成物の一部を蒸発させる。
【0013】
したがって、組成物の化合物の毛髪上への付着および/またはこれらの化合物の毛髪内への浸透は、室温での同じ組成物の適用と比較した場合、大幅に多い。付着物のシャンプーに対する残存性および結果として得られる美容特性も高い。
【0014】
本発明の特定の一実施形態によれば、組成物は、軟化点または融点が40〜150℃の少なくとも1種の化合物を含む。好ましくは、化合物は、50〜100℃、さらにより優先的には60〜90℃の軟化点または融点を有する。
【0015】
軟化点または融点の値は、DSC(示差走査熱量測定)法によって求めることができ、その場合軟化点または融点は、溶融ピークに相当し、温度上昇は5または10℃/minである。
【0016】
「少なくとも1」という表現は、「1以上」という表現と同等である。
【0017】
特定の一実施形態によれば、組成物は、少なくとも1種の脂肪性物質を含む。
【0018】
本発明において、「脂肪性物質」という用語は、常温(25℃)および大気圧(760mmHg、即ち1.013×10
5Pa)で水に不溶性である有機化合物を意味し、即ちそれは、4重量%未満、好ましくは1重量%未満、さらにより優先的には0.1重量%未満の水溶性を有する有機化合物を意味するように意図されている。それらは、少なくとも6個の炭素原子または少なくとも2個のシロキサン基の配列を含む少なくとも1個の炭化水素ベースの鎖をそれらの構造に有する。さらに、この脂肪性物質は、同じ温度および圧力の条件下で、有機溶媒、例えばクロロホルム、エタノールまたはベンゼンに可溶性である。
【0019】
本発明の脂肪性物質は、室温(25℃)および大気圧(760mmHg、即ち1.013×10
5Pa)で液体であっても非液体であってもよい。
【0020】
本発明の液体脂肪性物質は、好ましくは、25℃の温度および1s
-1のせん断速度で、2Pa.s以下、さらに良好には1Pa.s以下、さらにより良好には0.1Pa.s以下の粘度を有する。
【0021】
液体脂肪性物質として、シリコーンオイルまたは非シリコーンオイルを挙げることができる。
【0022】
「非シリコーンオイル」という用語は、ケイ素原子(Si)を含有していない油を意味し、「シリコーンオイル」という用語は少なくとも1個のケイ素原子を含有する油を意味する。
【0023】
より特定すれば、脂肪性物質は、C
6〜C
16アルカン、動物、植物、鉱物または合成起源の非シリコーンオイル、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸および/または脂肪アルコールのエステル、天然または合成起源の非シリコーンワックス、ならびにシリコーンから選択することができる。
【0024】
脂肪アルコール、エステル、および酸は、より特定すれば、6〜30個の炭素原子を含有する、少なくとも1個の直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の炭化水素ベースの基であって、任意選択により、特に1個以上(特に1〜4個)のヒドロキシル基によって置換されている基を有する。それらが不飽和である場合は、これらの化合物は1〜3個の共役している、または共役していない炭素間二重結合を含むことができる。
【0025】
C
6〜C
16アルカンに関しては、これらは直鎖状または分枝状であり、場合により環状である。挙げることができる例には、ヘキサン、ドデカンおよびイソパラフィン、例えばイソヘキサデカンおよびイソデカンが含まれる。
【0026】
使用できる動物、植物、鉱物または合成起源の油として、例えば:
- 動物由来の炭化水素系油、例えば、ペルヒドロスクアレン;
- 6〜30個の炭素原子を含有する液体脂肪酸トリグリセリド等の植物または合成起源のトリグリセリド油、例えば、ヘプタン酸トリグリセリドまたはオクタン酸トリグリセリド、あるいは、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ダイズ油、マロー油、ブドウ種子油、ゴマ種子油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、Stearineries Dubois社により販売されているもの、またはMiglyol(登録商標)810、812および818の名称でDynamit Nobel社により販売されているもの、ホホバ油ならびにシアバター油、
- 流動パラフィン、ワセリン、流動ワセリン、ポリデセン、およびParleam(登録商標)などの水素化ポリイソブテンなどの、16個より多い炭素原子を含有する、鉱物または合成起源の直鎖状または分枝状の炭化水素、
- フルオロ油、例えばBNFL Fluorochemicals社によってFlutec(登録商標)PC1およびFlutec(登録商標)PC3の名称で販売されているペルフルオロメチルシクロペンタンおよびペルフルオロ-1,3-ジメチルシクロヘキサン;ペルフルオロ-1,2-ジメチルシクロブタン;3M社によってPF 5050(登録商標)およびPF 5060(登録商標)の名称で販売されているドデカフルオロペンタンおよびテトラデカフルオロヘキサンなどのペルフルオロアルカン、またはAtochem社によってForalkyl(登録商標)の名称で販売されているブロモペルフルオロオクチル;ノナフルオロメトキシブタンおよびノナフルオロエトキシイソブタン;3M社によってPF 5052(登録商標)の名称で販売されている4-トリフルオロメチルペルフルオロモルホリンなどのペルフルオロモルホリン誘導体
を挙げることができる。
【0027】
本発明における使用に適切な脂肪アルコールは、より特定すれば、6〜30個の炭素原子、好ましくは8〜30個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状、飽和または不飽和のアルコールから選択される。例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物(セチルステアリルアルコール)、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノール、オレイルアルコールならびにリノレイルアルコールを挙げることができる。
【0028】
本発明における使用に適切な脂肪酸は、より特定すれば、6〜30個の炭素原子、好ましくは8〜30個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状、飽和または不飽和の酸から選択される。例えば、ラウリン酸、パルミチン酸およびオレイン酸を挙げることができる。
【0029】
脂肪酸のエステルおよび/または脂肪アルコールのエステルに関しては、飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
26脂肪族の一酸または多酸のエステル、および飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分枝状のC
1〜C
26脂肪族の一価アルコールまたは多価アルコールのエステルを特に挙げることができ、エステルの総炭素数は6以上、より有利には10以上である。
【0030】
モノエステルのうち、ベヘン酸ジヒドロアビエチル;ベヘン酸オクチルドデシル;ベヘン酸イソセチル;乳酸セチル;C
12〜C
15乳酸アルキル;乳酸イソステアリル;乳酸ラウリル;乳酸リノレイル;乳酸オレイル;オクタン酸(イソ)ステアリル;オクタン酸イソセチル;オクタン酸オクチル;オクタン酸セチル;オレイン酸デシル;イソステアリン酸イソセチル;ラウリン酸イソセチル;ステアリン酸イソセチル;オクタン酸イソデシル;オレイン酸イソデシル;イソノナン酸イソノニル;パルミチン酸イソステアリル;リシノール酸メチルアセチル;ステアリン酸ミリスチル;イソノナン酸オクチル;イソノナン酸2-エチルヘキシル;パルミチン酸オクチル;ペラルゴン酸オクチル;ステアリン酸オクチル;エルカ酸オクチルドデシル;エルカ酸オレイル;パルミチン酸エチルおよびパルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ブチル、セチル、2-オクチルドデシル、ミリスチルまたはステアリル等、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシルを挙げることができる。
【0031】
さらに、この変形形態の状況において、C
4〜C
22のジカルボン酸またはトリカルボン酸およびC
1〜C
22アルコールのエステル、ならびにモノ、ジまたはトリカルボン酸およびC
2〜C
26のジ、トリ、テトラまたはペンタヒドロキシアルコールのエステルも使用することができる。
【0032】
特に、セバシン酸ジエチル;セバシン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジ-n-プロピル;アジピン酸ジオクチル;アジピン酸ジイソステアリル;マレイン酸ジオクチル;ウンデシレン酸グリセリル;ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル;モノリシノール酸ペンタエリスリチル;テトライソノナン酸ペンタエリスリチル;テトラペラルゴン酸ペンタエリスリチル;テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル;テトラオクタン酸ペンタエリスリチル;ジカプリル酸プロピレングリコール;ジカプリン酸プロピレングリコール;エルカ酸トリデシル;クエン酸トリイソプロピル;クエン酸トリイソステアリル;トリ乳酸グリセリル;トリオクタン酸グリセリル;クエン酸トリオクチルドデシル;クエン酸トリオレイル;ジオクタン酸プロピレングリコール;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;ジイソノナン酸ジエチレングリコール;およびジステアリン酸ポリエチレングリコールを挙げることができる。
【0033】
上で挙げたエステルの中では、パルミチン酸エチル、イソプロピル、ミリスチル、セチルまたはステアリル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル、ブチル、セチルまたは2-オクチルドデシル、ステアリン酸ヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル;リンゴ酸ジオクチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸2-ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニルまたはオクタン酸セチルを用いるのが好ましい。
【0034】
本組成物は、脂肪エステルとして、C
6〜C
30、好ましくはC
12〜C
22の脂肪酸の糖エステルおよびジエステルも含むことができる。「糖」という用語は、アルデヒドまたはケトン官能基の有無にかかわらず、いくつかのアルコール官能基を含有し、少なくとも4個の炭素原子を含有する、酸素含有の炭化水素系化合物を意味する。これらの糖は、単糖、オリゴ糖または多糖であってよい。
【0035】
挙げることができる適切な糖の例には、スクロース(またはショ糖)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロースおよびラクトース、ならびにそれらの誘導体、特にメチル誘導体などのアルキル誘導体、例えばメチルグルコースが含まれる。
【0036】
脂肪酸の糖エステルは、前記の糖、および直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和のC
6〜C
30、好ましくはC
12〜C
22脂肪酸のエステルまたはエステル混合物を含む群から特に選択することができる。それらが不飽和である場合は、これらの化合物は1個から3個の共役している、または共役していない炭素間二重結合を含むことができる。
【0037】
本変形形態によるエステルはまた、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステルおよびポリエステル、ならびにそれらの混合物から選択することができる。
【0038】
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステルおよびアラキドン酸エステルまたはそれらの混合物、例えば、特にオレオパルミチン酸、オレオステアリン酸またはパルミトステアリン酸混合エステルであってもよい。
【0039】
より特定すれば、モノエステルおよびジエステル、特にスクロース、グルコースもしくはメチルグルコースのモノオレイン酸エステルまたはジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステルまたはオレオステアリン酸エステルが利用される。
【0040】
挙げることができる例は、Amerchol社からGlucate(登録商標)DOの名称で販売される製品であるジオレイン酸メチルグルコースである。
【0041】
挙げることができる糖および脂肪酸のエステルまたはエステル混合物の例には:
- Crodesta社によってF160、F140、F110、F90、F70およびSL40の名称で販売されている製品で、それぞれ、モノエステル73%ならびにジエステルおよびトリエステル27%から、モノエステル61%ならびにジエステル、トリエステルおよびテトラエステル39%から、モノエステル52%ならびにジエステル、トリエステルおよびテトラエステル48%から、モノエステル45%ならびにジエステル、トリエステルおよびテトラエステル55%から、モノエステル39%ならびにジエステル、トリエステルおよびテトラエステル61%から形成されたパルミトステアリン酸スクロース、ならびにモノラウリン酸スクロースを表すもの、
- Ryoto Sugar Esterの名称で販売されている製品、例えばB370の呼称で、モノエステル20%およびジエステル-トリエステル-ポリエステル80%から形成されたベヘン酸スクロースに相当するもの、
- Goldschmidt社によりTegosoft(登録商標)PSEの名称で販売されているモノパルミトステアリン酸スクロース-ジパルミトステアリン酸スクロース
が含まれる。
【0042】
非シリコーンワックスは、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、エスパルトワックス、パラフィンワックス、オゾケライト、植物ワックス、例えば、オリーブの木のワックス、ライスワックス、水添ホホバワックスもしくはBertin社(フランス)により販売されているブラックカラント花のエッセンシャルワックス等の花のアブソリュートワックス、または動物ワックス、例えば、蜜蝋もしくは変性蜜蝋(cerabellina)から選択され、本発明に従って使用することができる他のワックスまたはワックス状原料は、特に海洋ワックス、例えば、Sophim社によりM82の参照名で販売されている製品等、一般的なポリエチレンワックスまたはポリオレフィンワックスである。
【0043】
本発明の化粧品組成物に使用することができるシリコーンは、揮発性または不揮発性、環状、直鎖状または分枝状シリコーンであり、これらは、変性されていないか、または有機基によって変性されており、25℃で5×10
-6から2.5m
2/s、好ましくは1×10
-5から1m
2/sの粘度を有する。
【0044】
本発明に従って使用することができるシリコーンは、油、ワックス、樹脂、またはガムの形態であってよい。
【0045】
好ましくは、シリコーンは、ポリジアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、ならびにポリ(オキシアルキレン)基、アミノ基およびアルコキシ基から選択される少なくとも1個の官能基を含む有機変性ポリシロキサンから選択される。
【0046】
オルガノポリシロキサンは、Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Pressにさらに詳細に定義されている。それらは揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0047】
それらが揮発性である場合は、シリコーンは60℃から260℃までの間の沸点を有するものからより特定して選択され、さらにより特定すれば以下から選択される:
(i)3〜7個、好ましくは4〜5個のケイ素原子を含有する環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特にVolatile Silicone(登録商標)7207の名称でUnion Carbideによって、またはSilbione(登録商標)70045 V2の名称でRhodiaによって販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Volatile Silicone(登録商標)7158の名称でUnion Carbideによって、およびSilbione(登録商標)70045 V5の名称でRhodiaによって販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、ならびにそれらの混合物である。
Union Carbide社から販売されるVolatile Silicone(登録商標)FZ 3109などの、次式のジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型のシクロコポリマーを挙げることもできる:
【0048】
【化1】
【0049】
環状ポリジアルキルシロキサンと有機ケイ素化合物との混合物、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラ(トリメチルシリル)ペンタエリスリトールの混合物(50/50)、およびオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物を挙げることもできる;
(ii) 2〜9個のケイ素原子を含有し、25℃で5×10
-6m
2/s以下の粘度を有する直鎖状揮発性ポリジアルキルシロキサン。例えば、特にToray Silicone社からSH 200の名称で販売されるデカメチルテトラシロキサンである。このカテゴリーに属するシリコーンは、Cosmetics and Toiletries、91巻、76年1月、27〜32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmeticsに掲載されている記事にも記載されている。
【0050】
好ましくは、不揮発性ポリジアルキルシロキサン、ポリジアルキルシロキサンガムおよび樹脂、上記の有機官能基で修飾されたポリオルガノシロキサン、ならびにこれらの混合物を使用する。
【0051】
これらのシリコーンは、より特定すれば、ポリジアルキルシロキサンから選択され、この中で挙げることができるのは、主に、トリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンである。シリコーンの粘度は、ASTM規格445付録Cに従って、25℃で測定される。
【0052】
これらのポリジアルキルシロキサンの中では、限定されずに、下記の市販製品を挙げることができる。
- Rhodiaから販売される47および70 047シリーズのSilbione(登録商標)油またはMirasil(登録商標)油、例えば油70 047 V 500 000;
- Rhodia社から販売されるMirasil(登録商標)シリーズの油;
- Dow Corning社の200シリーズの油、例えば60000mm
2/sの粘度を有するDC200;
- General ElectricのViscasil(登録商標)油、およびGeneral ElectricのSFシリーズ(SF 96、SF 18)の特定の油。
【0053】
ジメチコノール(CTFA)の名称で知られるジメチルシラノール末端基を有するポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社の48シリーズの油を挙げることもできる。
【0054】
このカテゴリーのポリジアルキルシロキサンにおいて、ポリジ(C
1〜C
20)アルキルシロキサンであるGoldschmidt社のAbil Wax(登録商標)9800および9801の名称で販売されている製品を挙げることもできる。
【0055】
本発明に従って使用することができるシリコーンガムは、特に、200000から1000000の間の高い数平均分子量を有するポリジアルキルシロキサン、好ましくはポリジメチルシロキサンであり、単独で使用されるか、または溶媒中の混合物として使用される。この溶媒は、揮発性のシリコーン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)油、ポリフェニルメチルシロキサン(PPMS)油、イソパラフィン、ポリイソブチレン、塩化メチレン、ペンタン、ドデカンおよびトリデカン、またはそれらの混合物から選択することができる。
【0056】
本発明に従ってさらに特定的に使用することができる製品は、以下のような混合物である:
- 鎖末端がヒドロキシル化されているポリジメチルシロキサン、またはジメチコノール(CTFA)から形成される混合物、およびDow Corningによって販売されている製品Q2 1401などの、シクロメチコーン(CTFA)としても知られている環状ポリジメチルシロキサンから形成される混合物。
- General Electric社の製品SF 1214 Silicone Fluidなどの、環状シリコーンとポリジメチルシロキサンガムの混合物であって、この製品は、ジメチコーンに対応し、500000の数平均分子量を有し、デカメチルシクロペンタシロキサンに対応する油SF 1202 Silicone Fluid中に溶解されているSF 30ガムである。
- General Electric社の製品SF 1236などの、異なる粘度を有する2種のPDMSの混合物、より特定すれば、PDMSガムおよびPDMS油の混合物。製品SF 1236は、上で定義した、20m
2/sの粘度を有するガムSE 30と、5×10
-6m
2/sの粘度を有する油SF 96との混合物である。この製品は、好ましくは、ガムSE 30を15%および油SF 96を85%含む。
【0057】
本発明に従って使用することができるオルガノポリシロキサン樹脂は、以下の単位:
R
2SiO
2/2、R
3SiO
1/2、RSiO
3/2およびSiO
4/2
(式中、Rは1〜16個の炭素原子を含有するアルキルを表す)
を含有する架橋シロキサン系である。これらの製品の中で、特に好ましいものは、RがC
1〜C
4低級アルキル基、より特定すればメチルを表すものである。
【0058】
これらの樹脂の中で、Dow Corning 593の名称で販売される製品、またはGeneral Electric社からSilicone Fluid SS 4230およびSS 4267の名称で販売されるものを挙げることができ、それらはジメチル/トリメチルシロキサン構造のシリコーンである。
【0059】
Shin-Etsu社から特にX22-4914、X21-5034およびX21-5037の名称で販売されるトリメチルシロキシシリケート型の樹脂を挙げることもできる。
【0060】
本発明に従って使用することができる有機変性シリコーンは、上で定義した通りのシリコーンであり、それらの構造中に、炭素水素系基を介して結合されている1個または複数の有機官能基を含むシリコーンである。
【0061】
上に記載のシリコーン以外に、有機変性シリコーンは、ポリジアリールシロキサン、特にポリジフェニルシロキサン、および、前述の有機官能基によって官能基化されたポリアルキルアリールシロキサンであってよい。
【0062】
ポリアルキルアリールシロキサンは、特に、25℃で1×10
-5から5×10
-2m
2/sの粘度を有する直鎖状および/または分枝状のポリジメチル/メチルフェニルシロキサンならびにポリジメチル/ジフェニルシロキサンから選択される。
【0063】
これらのポリアルキルアリールシロキサンの中で、挙げることができる例には、下記の名称で販売されている製品が含まれる:
・Rhodiaの70 641シリーズのSilbione(登録商標)油;
・RhodiaのRhodorsil(登録商標)70 633および763シリーズの油;
・Dow Corningの油Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid;
・BayerのPKシリーズのシリコーン、例えば製品PK20;
・BayerのPNおよびPHシリーズのシリコーン、例えば、製品PN1000およびPH1000等;
・General ElectricのSFシリーズの特定の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250およびSF 1265。
【0064】
有機変性シリコーンの中で、下記を含むポリオルガノシロキサンを挙げることができる:
‐ 任意選択でC
6〜C
24アルキル基を含むポリエチレンオキシ基および/またはポリプロピレンオキシ基、例えばDow Corning社によりDC 1248の名称で販売されておりジメチコーンコポリオールとして知られている製品またはSilwet(登録商標)L 722、L 7500、L 77およびL 711の名称でUnion Carbide社により販売されている油、ならびにDow Corning社によりQ2 5200の名称で販売されている(C
12)アルキルメチコーンコポリオール等;
‐ 置換または非置換のアミン基、例えばGenesee社によりGP 4 Silicone FluidおよびGP 7100の名称で販売されている製品、またはDow Corning社によりQ2 8220およびDow Corning 929もしくは939の名称で販売されている製品等。置換アミン基は、特に、C
1〜C
4アミノアルキル基である。
‐ アルコキシ基、例えばSilicone Copolymer F-755の名称でSWS Siliconesにより販売されている製品、およびGoldschmidt社により販売されているAbil Wax(登録商標) 2428、2434および2440等。
【0065】
好ましくは、脂肪性物質は、脂肪アルコール、脂肪酸、天然もしくは合成起源の非シリコーンワックス、およびシリコーンガム、またはそれらの混合物から選択することができる。
【0066】
本組成物は、1種または複数の界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、カチオン性、非イオン性、アニオン性、両性および/または両性イオン性であってもよい。
【0067】
用いることができるカチオン界面活性剤は、例えば、任意選択でポリオキシアルキレン化された第一級、第二級または第三級脂肪アミンの塩、第四級アンモニウム塩、およびそれらの混合物を含む。
【0068】
特に挙げることができる第四級アンモニウム塩の例には、以下のものが含まれる:
(i)以下の一般式(I)に相当するもの:
【0069】
【化2】
【0070】
[式中、同一であっても異なっていてもよいR8からR11の基は、1〜30個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分枝状の脂肪族基または芳香族基、例えばアリールもしくはアルキルアリールを表し、R8からR11の基の少なくとも1個は、8〜30個の炭素原子、好ましくは12〜24個の炭素原子を含む]。脂肪族基は、特に酸素、窒素、硫黄およびハロゲンなどのヘテロ原子を含むことができる。
【0071】
脂肪族基は、例えば、C1〜C30アルキル、C1〜C30アルコキシ、ポリオキシ(C2〜C6)アルキレン、C1〜C30アルキルアミド、(C12〜C22)アルキルアミド(C2〜C6)アルキル、(C12〜C22)アルキルアセテート、C1〜C30ヒドロキシアルキルから選択され、X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C1〜C4)アルキル硫酸イオン、および(C1〜C4)アルキルまたは(C1〜C4)アルキルアリールスルホン酸イオンから選択されるアニオン性対イオンである。
【0072】
式(I)の第四級アンモニウム塩の中では、塩化テトラアルキルアンモニウム、例えばアルキル基が約12個から22個の炭素原子を含有する塩化ジアルキルジメチルアンモニウムまたは塩化アルキルトリメチルアンモニウム、特に塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、または塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウムが一方で優先され、あるいは他方では、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトサルフェート、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェートまたはジステアロイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、または、最後に、塩化パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムまたはVan DykからCeraphyl(登録商標)70の名称で販売される塩化ステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウムが優先される;
- イミダゾリンの第四級アンモニウム塩、例えば以下の式(II)のもの:
【0073】
【化3】
【0074】
[式中、R12は、8〜30個の炭素原子を含むアルキル基またはアルケニル基、例えば獣脂の脂肪酸誘導体を表し、R13は、水素原子、C1〜C4アルキル基または8〜30個の炭素原子を含むアルキル基もしくはアルケニル基を表し、R14は、C1〜C4アルキル基を表し、R15は、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表し、X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C1〜C4)アルキル硫酸イオンおよび(C1〜C4)アルキルまたは(C1〜C4)アルキルアリールスルホン酸イオンの群から選択されるアニオンである]。R
12およびR
13は、好ましくは12〜21個の炭素原子を含むアルキル基またはアルケニル基の混合物、例えば獣脂脂肪酸誘導体を表し、R
14はメチル基を表し、R
15は水素原子を表す。このような製品は、例えば、Rewo社によってRewoquat(登録商標)W 75の名称の下で販売されている;
- 第四級ジアンモニウム塩またはトリアンモニウム塩、とりわけ、以下の式(III):
【0075】
【化4】
【0076】
[式中、R16は、約16〜30個の炭素原子を含み、任意選択により1個または複数の酸素原子でヒドロキシル化および/または中断されているアルキル基を表し、R17は、水素、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基または基-(CH
2)
3-N
+(R16a)(R17a)(R18a)から選択され、R16a、R17a、R18a、R18、R19、R20およびR21は、同じであっても異なっていてもよく、水素および1〜4個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、X
-は、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、(C1〜C4)アルキル硫酸イオンおよび(C1〜C4)アルキルまたは(C1〜C4)アルキルアリールスルホン酸イオン、とりわけメチル硫酸イオンおよびエチル硫酸イオンから選択されるアニオンである]。そのような化合物は、例えば、Finetex社から入手可能なFinquat CT-P(クオタニウム89)、およびFinetex社から入手可能なFinquat CT(クオタニウム75)である;
- 1個または複数のエステル官能基を含有する第四級アンモニウム塩、例えば下の式(IV)のもの:
【0077】
【化5】
【0078】
[式中、
R22は、C1〜C6アルキル基およびC1〜C6ヒドロキシアルキル基またはジヒドロキシアルキル基から選択され、
R
23は、
- 基
【0079】
【化6】
【0080】
- 直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和のC1〜C22炭化水素系基R27、
- 水素原子
から選択され、
R
25は、
- 基
【0081】
【化7】
【0082】
- 直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和のC1〜C6炭化水素系基R29、
- 水素原子
から選択され、
R24、R26およびR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和の、C7〜C21炭化水素系基から選択され、
r、sおよびtは、同一であっても異なっていてもよく、2から6の範囲にある整数であり、
r1およびt1は、同一であっても異なっていてもよく、0または1に等しく、
r2+r1=2rおよびt1+t2=2tであり、
yは、1から10の範囲にある整数であり、
xおよびzは、同一であっても異なっていてもよく、0から10の範囲にある整数であり、
X
-は、単体または複合体の、有機または無機のアニオンであり、
ただし、合計x+y+zは、1から15であり、xが0の場合、R
23はR
27を示し、zが0の場合、R
25はR
29を示す]。
【0083】
アルキル基R
22は、直鎖状でも分枝状でもよく、より特定すれば直鎖状でよい。
好ましくは、R
22は、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基またはジヒドロキシプロピル基、より特定すればメチル基またはエチル基を表す。
【0084】
有利には、合計x+y+zは、1から10である。
【0085】
R
23が炭化水素系基R
27である場合、それは長くてもよく、12〜22個の炭素原子を有することができ、または短くてもよく、1〜3個の炭素原子を有することができる。
R
25が、炭化水素系基R
29である場合、それは、1〜3個の炭素原子を好ましくは含有する。
【0086】
有利には、R
24、R
26およびR
28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和のC
11〜C
21炭化水素系基から、より特定すれば直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和のC
11〜C
21アルキル基またはアルケニル基から選択される。
【0087】
xおよびzは、同一であっても異なっていてもよく、好ましくは0または1である。
【0088】
yは、有利には1に等しい。
【0089】
好ましくは、r、sおよびtは、同一であっても異なっていてもよく、2または3に等しく、さらにより特定すれば2に等しい。
【0090】
アニオンX-は、好ましくはハロゲン化物イオン、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオンまたはヨウ化物イオン、(C1〜C4)アルキル硫酸イオン、または(C1〜C4)アルキルもしくは(C1〜C4)アルキルアリールスルホン酸イオンである。しかし、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、トシレートイオン、酢酸もしくは乳酸などの有機酸由来のアニオン、またはエステル官能基を含有するアンモニウムと適合する任意の他のアニオンを使用することが可能である。
【0091】
アニオンX-は、さらにより詳細には、塩化物イオン、メチル硫酸イオンまたはエチル硫酸イオンである。
【0092】
より特定すれば、本発明による組成物中に、式(IV)のアンモニウム塩が使用される
[式中:
- R22は、メチル基またはエチル基を示し、
- xおよびyは1に等しく、
- zは、0または1に等しく、
- r、sおよびtは2に等しく、
- R23は、
- 基
【0093】
【化8】
【0094】
- メチル基、エチル基、またはC
14〜C
22炭化水素系基、
- 水素原子
から選択され、
- R25は、
- 基
【0095】
【化9】
【0096】
- 水素原子
から選択され、
- R24、R26およびR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和のC13〜C17炭化水素系基から、より特定すれば直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和のC13〜C17アルキル基およびアルケニル基から選択される]。
【0097】
炭化水素系基は、有利には直鎖状である。
【0098】
式(IV)の化合物の中では、挙げることができる例には、ジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウムまたはモノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムの塩、特に塩化物またはメチル硫酸塩、およびそれらの混合物が含まれる。アシル基は、好ましくは14〜18個の炭素原子を含有し、より特定すればパーム油またはヒマワリ油などの植物油から得られる。化合物がいくつかのアシル基を含有する場合は、これらの基は同一であっても異なっていてもよい。
【0099】
これらの製品は、例えば、任意選択でオキシアルキレン化されているトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミンまたはアルキルジイソプロパノールアミンと、植物または動物起源の脂肪酸または脂肪酸混合物との直接エステル化によって、またはそのメチルエステルのエステル交換反応によって得られる。このエステル化の後に、アルキル化剤、例えばハロゲン化アルキル、好ましくはハロゲン化メチルもしくはエチル、硫酸ジアルキル、好ましくは硫酸ジメチルもしくはジエチル、メタンスルホン酸メチル、p-トルエンスルホン酸メチル、グリコールクロロヒドリンまたはグリセロールクロロヒドリンによる第四級化が続く。
【0100】
そのような化合物は、例えば、Henkel社からDehyquart(登録商標)、Stepan社からStepanquat(登録商標)、CECA社からNoxamium(登録商標)、またはRewo-Witco社からRewoquat(登録商標)WE 18の名称で販売されている。
【0101】
本発明による組成物は、例えば、第四級アンモニウムのモノエステル塩、ジエステル塩、およびトリエステル塩と、過半重量のジエステル塩との混合物を含有してもよい。
【0102】
使用できるアンモニウム塩の混合物の例としては、15〜30重量%のアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチル硫酸塩、45〜60%のジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチル硫酸塩、および15〜30%のトリアシルオキシエチルメチルアンモニウムメチル硫酸塩を含有する混合物であって、アシル基が14〜18個の炭素原子を含有しており、任意選択で部分的に水素化されたパーム油起源である、混合物が挙げられる。
【0103】
特許US-A-4 874 554およびUS-A-4 137 180に記載されている、少なくとも1個のエステル官能基を含有するアンモニウム塩を用いることも可能である。
【0104】
Quartamin BTC 131の名称でKAO社から販売されている、塩化ベヘノイルヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムを使用することもできる。
【0105】
好ましくは、少なくとも1個のエステル官能基を含有するアンモニウム塩は、2個のエステル官能基を含有する。
【0106】
本発明による組成物中に存在するカチオン性界面活性剤の中では、より特定すれば、セチルトリメチルアンモニウム、ベヘニルトリメチルアンモニウムおよびジパルミトイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム塩、およびそれらの混合物、より特定すれば、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、およびジパルミトイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェートおよびそれらの混合物を選択するのが好ましい。
【0107】
本発明に従って用いられる組成物に使用することができる非イオン性界面活性剤の例は、例えば、Blackie & Son (GlasgowおよびLondon)出版のM.R. Porter著のHandbook of Surfactants、1991、116〜178頁に記載されている。それらは、特にアルコール、α-ジオールおよび(C
1〜C
20)アルキルフェノールから選択され、これらの化合物はポリエトキシル化、ポリプロポキシル化またはポリグリセロール化され、例えば8〜18個の炭素原子を含む少なくとも1個の脂肪鎖を含有し、エチレンオキシド基および/またはプロピレンオキシド基の数は特に2〜50の範囲であり得、グリセロール基の数は特に2〜30の範囲であり得る。
【0108】
エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー、脂肪酸およびソルビタンの任意選択によりエトキシ化されたエステル、脂肪酸およびスクロースのエステル、ポリオキシアルキレン化脂肪酸エステル、任意選択によりアルコキシル化されたアルキルポリグリコシド、アルキルグルコシドエステル、N-アルキルグルカミンおよびN-アシルメチルグルカミンの誘導体、アルドビオナミドならびにアミンオキシドを挙げることもできる。
【0109】
本発明の組成物に使用できる非イオン性界面活性剤は、より特定すれば、以下から選択される:
・ オキシアルキレン化またはグリセロール化脂肪アルコール;
・ そのアルキル鎖がC8〜C18アルキル鎖である、オキシアルキレン化アルキルフェノール;
・ オキシアルキレン化またはグリセロール化脂肪アミド;
・ オキシアルキレン化植物油;
・ 任意選択によりオキシアルキレン化された、ソルビタンのC6〜C30酸エステル;
・ 任意選択によりオキシアルキレン化された、スクロースの脂肪酸エステル;
・ ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;
・ (C6〜C30)アルキルポリグリコシド;
・ N-(C6〜C30)アルキルグルカミン誘導体;
・ (C10〜C14)アルキルアミンオキシドまたはN-アシルアミノプロピルモルホリンオキシドなどのアミンオキシド;
・ エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマー;
・ それらの混合物。
【0110】
より特定すれば、オキシアルキレン単位の平均数は、有利には、2〜150単位である。それらは、好ましくは、オキシエチレン単位もしくはオキシプロピレン単位またはそれらの混合物である。
【0111】
ポリグリセロール化界面活性剤に関しては、これらは、好ましくは、平均すると、1〜20個、特に1.5〜5個のグリセロール基を含む。
【0112】
挙げることができるアニオン性界面活性剤の例には、以下のものが含まれる:
・ (C6〜C30)アルキルサルフェート、(C6〜C30)アルキルエーテルサルフェート、(C6〜C30)アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルアリールポリエーテルサルフェートおよびモノグリセリドサルフェート;
・ (C6〜C30)アルキルスルホネート、(C6〜C30)アルキルアミドスルホネート、(C6〜C30)アルキルアリール-スルホネート、α-オレフィンスルホネートおよびパラフィン-スルホネート;
・ (C6〜C30)アルキルホスフェート;
・ (C6〜C30)アルキルスルホスクシネート、(C6〜C30)アルキルエーテルスルホスクシネートおよび(C6〜C30)アルキルアミドスルホスクシネート;
・ (C6〜C30)アルキルスルホアセテート;
・ (C6〜C24)アシルサルコシネート;
・ (C6〜C24)アシルグルタメート;
・ (C6〜C30)アルキルポリグリコシドカルボン酸エーテル;(C6〜C30)アルキルポリグリコシドスルホスクシネート;
・ (C6〜C30)アルキルスルホスクシナメート;
・ (C6〜C24)アシルイセチオネート;
・ N-(C6〜C24)アシルタウレート;
・ 脂肪酸塩;ヤシ油または水添ヤシ油酸塩;
・ (C8〜C20)アシルラクチレート;
・ (C6〜C30)アルキル-D-ガラクトシドウロン酸塩;
・ ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアリールエーテルカルボン酸塩またはポリオキシアルキレン化(C6〜C30)アルキルアミドエーテルカルボン酸塩;
・ ならびにそれらの混合物。
【0113】
使用できる両性または両性イオン性界面活性剤は、特に、任意選択により第四級化されている第二級または第三級脂肪族アミン誘導体であってもよく、このとき、脂肪族基は、8〜22個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状の鎖であり、前記アミン誘導体は、少なくとも1個のアニオン性基、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、またはホスホン酸基を含有する。特に、(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20)アルキルアミド(C3〜C8)アルキルベタインおよび(C8〜C20)アルキルアミド(C6〜C8)アルキルスルホベタインを挙げることができる。
【0114】
上記のような、用いることができる、任意選択により第四級化された第二級または第三級の脂肪族アミン誘導体の中では、それぞれ構造(A1)および(A2)の化合物を挙げることもできる:
R
a-C(O)-NH-CH
2-CH
2-N
+(R
b)(R
c)-CH
2C(O)O
-, M
+, X
- (A1)
式(A1)で:
・ Raは、好ましくは加水分解されたヤシ油中に存在する酸Ra-COOHに由来するC10〜C30アルキル基もしくはアルケニル基、またはヘプチル基、ノニル基またはウンデシル基を表し、
・ R
bは、β-ヒドロキシエチル基を表し、
・ R
cは、カルボキシメチル基を表し、
・ M
+は、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、例えばナトリウムに由来するカチオン性対イオン、アンモニウムイオン、または有機アミンに由来するイオンを表し、
・ X
-は、有機または無機のアニオン性対イオン、例えばハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、(C
1〜C
4)アルキル硫酸イオン、(C
1〜C
4)アルキルまたは(C
1〜C
4)アルキルアリールスルホン酸イオン、特にメチル硫酸イオンおよびエチル硫酸イオンを表し、あるいはM
+およびX
-は存在していない。
R
a'-C(O)-NH-CH
2-CH
2-N(B)(B') (A2)
式(A2)で:
・ Bは、基-CH2-CH2-O-X'を表し;
・ B'は、z=1または2の基-(CH2)zY'を表し;
・ X'は、基-CH
2-C(O)OH、-CH
2-C(O)OZ'、-CH
2-CH
2-C(O)OH、-CH
2-CH
2-C(O)OZ'または水素原子を表し;
・ Y'は、基-C(O)OH、-C(O)OZ'、-CH2-CH(OH)-SO3Hまたは基-CH2-CH(OH)-SO3-Z'を表し、
・ Z'は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、例えばナトリウムに由来するカチオン性対イオン、アンモニウムイオンまたは有機アミンに由来するイオンを表し;
・ R
a'は、好ましくはヤシ油または加水分解された亜麻仁油に存在する酸Ra'-C(O)OHのC10〜C30アルキル基もしくはアルケニル基、特にC17のアルキル基およびそのイソ型、または不飽和C17基を表す。
【0115】
これらの化合物は、CTFA辞典、第5版、1993において、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリルアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二プロピオン酸、およびココアンホ二プロピオン酸の名称で分類されている。
【0116】
例として、Rhodia社からMiranol(登録商標)C2M Concentrateの商標名で販売されているココアンホ二酢酸を挙げることができる。
【0117】
前述の両性または両性イオン性界面活性剤の中では、好ましくは(C
8〜C
20)アルキルベタイン、例えばココベタイン、および(C
8〜C
20)アルキルアミド(C
3〜C
8)アルキルベタイン、例えばコカミドプロピルベタイン、ならびにそれらの混合物が利用される。より優先的には、両性または両性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインおよびココベタインから選択される。
【0118】
別の実施形態によれば、組成物は、ガラス転移温度(Tg)が40〜150℃である少なくとも1種のポリマーを含む。
【0119】
Tgが40〜150℃のポリマーは、特にブロックおよび/またはランダム形態であるホモポリマーおよびコポリマー、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、例えばポリアクリルアミドまたはポリメタクリル酸、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ(ハロゲン化ビニル)、例えばPVC(塩化ポリビニル)、ポリ(ビニルニトリル)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニル系樹脂(polyvinylics)、ポリビニルエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスルホンアミド、主鎖に環を含有する多環、例えばポリフェニレン、主鎖にヘテロ原子を含有するポリマー、例えばポリアミド、またはポリオキシフェニレンから選択できる。
【0120】
ホモポリマーの場合、より特定すれば、以下のモノマーからなるホモポリマーから選択できる:
【0121】
好ましくは、以下のモノマーから、そのホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有するモノマーを選択する:
- 式CH
2=C(CH
3)-COOR1のメタクリレート
[式中、R1は、1〜4個の炭素原子を含有する、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基もしくはイソブチル基であって、場合によりヒドロキシル基およびハロゲン原子(Cl、Br、IまたはF)から選択される1個または複数の置換基で置換されているアルキル基を表し、またはR1は、C4〜C12シクロアルキル基を表す]、
- 式CH
2=CH-COOR2のアクリレート
[式中、R2は、C4〜C12シクロアルキル基、例えばアクリル酸イソボルニル基またはtert-ブチル基を表す]、
- 次式の(メタ)アクリルアミド:
【0122】
【化10】
【0123】
[式中、R7およびR8は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または直鎖状もしくは分枝状のC1〜C12アルキル基、例えばn-ブチル基、t-ブチル基、イソプロピル基、イソヘキシル基、イソオクチル基またはイソノニル基を表す、あるいはR7は、Hを表し、R8は、1,1-ジメチル-3-オキソブチル基を表し、
R'は、Hまたはメチルを示す。挙げることができるモノマーの例には、N-ブチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドおよびN,N-ジブチルアクリルアミドが含まれる]、
- スチレンおよびその誘導体、例えばクロロスチレン、
- ならびにこれらの混合物。
【0124】
特に好ましいモノマーは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸トリフルオロエチルおよびスチレン、ならびにこれらの混合物である。
【0125】
ポリマーのガラス転移温度(Tg)の測定は、様々な方法に従って実施できるが;例えば、DMTA[動的機械温度分析(dynamic and mechanical temperature analysis)]、DTA[示差熱分析(differential thermal analysis)]、またはDSC[示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry)]によって実施する。DSCによる測定は、規格ASTM D 3418-97に従って実施できる。
【0126】
別の実施形態によれば、組成物は、酸化染料前駆体または直接染料を含む。
【0127】
酸化染料は、酸化塩基またはカプラーであってもよい。
【0128】
酸化塩基の中では、特にオルト-またはパラ-フェニレンジアミン、オルト-またはパラ-アミノフェノール、および複素環化合物、例えばピリジン、ピリミジンまたはピラゾール誘導体が挙げられるであろう。
【0129】
色の調整剤としても知られるカプラーの中では、芳香族メタ-ジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノールおよび複素環カプラーを挙げることができる。
【0130】
パラ-フェニレンジアミンの中には、挙げることができる例として、より特定すれば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N--(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4’-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミンおよびN-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、およびそれらの酸との付加塩が含まれる。
【0131】
上記のパラ-フェニレンジアミンの中では、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミンおよび2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、およびそれらの酸との付加塩が特に最も好ましい。
【0132】
ビス(フェニル)アルキレンジアミンの中には、挙げることができる例として、より特定すれば、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4’-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N’-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N’-ビス(エチル)-N,N’-ビス(4’-アミノ-3’-メチルフェニル)エチレンジアミンおよび1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサオクタン、およびそれらの酸との付加塩が含まれる。
【0133】
挙げることができるパラ-アミノフェノールの中には、より特定すれば、例えば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノールおよび4-アミノ-2-フルオロフェノール、およびそれらの酸との付加塩がある。
【0134】
より特定して挙げることができるオルト-アミノフェノールの中には、例えば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノールおよび5-アセタミド-2-アミノフェノールおよびそれらの酸との付加塩がある。
【0135】
より特定して挙げることができるピリジン誘導体の中には、例えば、特許GB 1 026 978およびGB 1 153 196に記載される化合物、例えば2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジンおよび3,4-ジアミノピリジン、ならびにそれらの酸との付加塩がある。
【0136】
より特定して挙げることができるピリミジン誘導体の中には、例えば、特許DE 2 359 399、JP 88-169 571、JP 05 163 124、EP 0 770 375または特許出願WO 96/15765に記載される化合物、例えば2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジンおよび2,5,6-トリアミノピリミジン、ピラゾロピリミジン誘導体、例えば特許出願FR-A-2 750 048に記載されるものがあり、その中にはピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン、2,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-オール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミノ)エタノール、2-(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、5,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、2,5,-N7,N7-テトラメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミンおよび3-アミノ-5-メチル-7-イミダゾリルプロピルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、およびこれらの酸との付加塩、ならびに互変異性平衡が存在する場合は、それらの互変異性型が挙げられる。
【0137】
より特定して挙げることができるピラゾール誘導体の中には、特許DE 3 843 892およびDE 4 133 957および特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、FR-A-2 733 749およびDE 195 43 988に記載される化合物、例えば4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4’-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4’-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2’-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾールおよび3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、およびそれらの酸との付加塩がある。
【0138】
酸化塩基は、一般的に、染料組成物の総重量に対して、約0.0005重量%から12重量%、さらにより優先的には約0.005重量%から6重量%を表す。
【0139】
使用できるカプラーは、メタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフトールおよび複素環カプラー、例えばインドール誘導体、インドリン誘導体、ピリジン誘導体、インダゾール誘導体、ピラゾロ[1,5 b]-1,2,4トリアゾール誘導体、ピラゾロ[3,2 c]-1,2,4トリアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、1,3-ベンゾジオキソール誘導体およびピラゾロン、ならびにそれらの酸との付加塩から選択できる。
【0140】
これらのカプラーは、より特定すれば、2メチル-5アミノフェノール、5N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2メチルフェノール、3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、セサモール、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、6-ヒドロキシインドリン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1H-3-メチルピラゾール-5-オンおよび1-フェニル-3メチルピラゾール-5-オン、およびそれらの酸との付加塩から選択される。
【0141】
使用できる直接染料は、合成であっても天然でもよく、非イオン性、アニオン性またはカチオン性でもよい。
【0142】
一般的に、これらの直接染料は、ニトロベンゼン染料およびアゾ、アントラキノン、ナフトキノン、ベンゾキノン、フェノチアジン、インジゴイド、キサンテン、フェナントリジン、フタロシアニンおよびトリアリールメタン系染料から、単独でまたは混合物として、選択される。
【0143】
使用できる合成直接染料の中では、アゾ染料、特にその内容が本発明の不可欠な部分を形成する特許出願WO 95/15144、WO 95/01772およびEP 714 954に記載されるカチオン性アゾ染料を挙げることができる。
【0144】
アゾ直接染料としては、Color Index International、第3版に記載されている次の染料もまた挙げることができる:Disperse Red 17、Acid Yellow 9、Acid Black 1、Basic Red 22、Basic Red 76、Basic Yellow 57、Basic Brown 16、Acid Yellow 36、Acid Orange 7、Acid Red 33、Acid Red 35、Basic Brown 17、Acid Yellow 23、Acid Orange 24、Disperse Black 9。
【0145】
これらのうち、1-(4'-アミノジフェニルアゾ)-2-メチル-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼンおよび4-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニルアゾ)-1-ナフタレンスルホン酸も挙げることができる。
【0146】
キノン直接染料としては、次の染料を挙げることができる:Disperse Red 15、Solvent Violet 13、Acid Violet 43、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Blue 1、Disperse Violet 8、Disperse Blue 3、Disperse Red 11、Acid Blue 62、Disperse Blue 7、Basic Blue 22、Disperse Violet 15、Basic Blue 99、および以下の化合物:
- 1-N-メチルモルホリニウンプロピルアミノ-4-ヒドロキシアントラキノン、
- 1-アミノプロピルアミノ-4-メチルアミノアントラキノン,
- 1-アミノプロピルアミノアントラキノン,
- 5-β-ヒドロキシエチル-1,4-ジアミノアントラキノン、
- 2-アミノエチルアミノアントラキノン、
- 1,4-ビス(β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ)アントラキノン。
【0147】
アジン合成直接染料としては、次の染料を挙げることができる:Basic Blue 17、Basic Red 2。
【0148】
本発明に従って使用することができるトリアリールメタン合成直接染料のうち、次の染料を挙げることができる:Basic Green 1、Acid Blue 9、Basic Violet 3、Basic Violet 14、Basic Blue 7、Acid Violet 49、Basic Blue 26、Acid Blue 7。
【0149】
本発明に従って使用することができるインドアミン(indoamine)合成直接染料のうち、次の染料を挙げることができる:
- 2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-[ビス(β-4’-ヒドロキシエチル)アミノ]アニリノ-1,4-ベンゾキノン;
- 2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-(2’-メトキシ-4’-アミノ)アニリノ-1,4-ベンゾキノン;
- 3-N-(2’-クロロ-4’-ヒドロキシ)フェニルアセチルアミノ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノンイミン
- 3-N-(3’-クロロ-4’-メチルアミノ)フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン;
- 3-[4’-N-(エチル,カルバミルメチル)アミノ]フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン。
【0150】
本発明において、「天然染料」という用語は、抽出によって得られた、または化学によって複製されたにかかわらず、自然界に存在する化合物を意味する。
【0151】
用いることができる天然の直接染料の中では、オルト-ジフェノール、ローソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテカルデヒド、インディゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、およびアピゲニジンを挙げることができる。これらの天然染料を含有する抽出物または浸出液、特にヘナをベースとした湿布剤または抽出物を用いることもできる。
【0152】
本発明の方法において用いることができるオルト-ジフェノールは、特に:
- フラバノール、例えばカテキンおよびエピカテキンガレート、
- フラボノール、例えば、ケルセチン、
- アントシアニジン、例えばシアニジン、デルフィニジンおよびペツニジン、
- アントシアニンまたはアントシアン、例えばミルチリン、
- オルト-ヒドロキシ安息香酸塩、例えば没食子酸塩、
- フラボン、例えば、ルテオリン、
- ヒドロキシスチルベン、例えば、任意選択によりオキシル化された(例えば、グルコシル化された)テトラヒドロキシ-3,3',4,5'-スチルベン、
- 3,4-ジヒドロキシフェニルアラニンおよびその誘導体、
- 2,3-ジヒドロキシフェニルアラニンおよびその誘導体、
- 4,5-ジヒドロキシフェニルアラニンおよびその誘導体、
- ジヒドロキシシンナメート、例えばカフェ酸およびクロロゲン酸、
- オルト-ポリヒドロキシクマリン、
- オルト-ポリヒドロキシイソクマリン、
- オルト-ポリヒドロキシクマロン、
- オルト-ポリヒドロキシイソクマロン、
- オルト-ポリヒドロキシカルコン、
- オルト-ポリヒドロキシクロモン、
- オルト-ポリヒドロキシキノン、
- オルト-ポリヒドロキシキサントン、
- 1,2-ジヒドロキシベンゼンおよびその誘導体、
- 1,2,4-トリヒドロキシベンゼンおよびその誘導体、
- 1,2,3-トリヒドロキシベンゼンおよびその誘導体、
- 2,4,5-トリヒドロキシトルエンおよびその誘導体、
- プロアントシアニジン、特にプロアントシアニジンA1、A2、B1、B2、B3およびC1、
- プロアトシアニン(proathocyanin)、
- タンニン酸、
- エラグ酸、
- ならびに前述の化合物の混合物である。
【0153】
組成物は、他の活性薬剤、特に脂肪酸以外の有機酸、アミノ酸、日焼け止め剤、セラミド、40〜150℃のTgを有するポリマー以外のポリマー、有機または鉱物増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、塗膜形成剤、セラミド、保存剤、安定剤および乳白剤も含有できる。
【0154】
言うまでもなく、本発明の組成物に固有に関連する有利な特性が、想定される添加によって有害な影響を受けない、または実質的に受けないように、当業者は、このまたはこれらの任意選択の追加の化合物を注意深く選択することになる。
【0155】
本発明による処置は、毛髪一房にヘアトリートメント用組成物を適用し、本発明による装置10を使用して加熱することによって組成物を毛髪の房に閉じ込めることによって実施する。
【0156】
より特定すれば、本発明の方法は、前述のヘアトリートメント用組成物を一房または複数の毛髪に適用し、次いでこれらの毛髪の房を、開放位置および閉鎖位置間を相互に可動であり、実質的に漏れのない閉じられた空間を画定する2つの要素11および12を備える装置10に挿入することを含む。該方法は、次いで、閉じられた空間20の中にケラチン繊維を閉じ込めるように2つの可動要素を共に閉鎖位置まで持っていき、次いで毛髪の房を40〜250℃の温度、好ましくは50〜150℃の温度まで加熱することを含む。
【0157】
好ましい一実施形態によれば、ケラチン繊維は、閉じられた空間内で、1秒〜60分、好ましくは5〜60秒、さらにより優先的には5〜20秒の範囲の時間、加熱する。
【0158】
有利には、閉じられた空間は、加熱している間、閉じられたままに保ち、すなわち可動要素は、加熱が完了した時のみ、すなわち実際に加熱がオフに切り替わるとき、その開放位置に戻る。次いで、2つの可動要素は、装置を冷却する前または後に、その開放位置へ移動することができる。
【0159】
一般的に、加熱時間は、調整温度および装置に入れた毛髪の房の量によって決まる。
【0160】
有利には、毛髪の房は、事前に機械的張力下に置かずに装置に入れられる。これらは、特別にカーラーに巻きつけずに、ルーズなまま装置の中に入れてもよい。また、毛髪の房は、閉じられた空間の中にあるとき、機械的張力下になくてもよい。
【0161】
好ましい一実施形態によれば、熱交換液体、特に水は、装置を閉じる前または後に、ケラチン繊維を受け取る、2つの可動要素によって画定される空間中に加える。この液体は、閉じられた空間内を、特に毛髪の房に、熱を一様に分散させる。また、これは加熱中に閉じられた空間20の内部で発生する過剰圧力を高める。
【0162】
この方法は、任意選択により、特に加熱ステップ後に、ケラチン繊維を平滑化するステップを含む。
【0163】
この方法は、次いで、任意選択により、加熱ステップ後にケラチン繊維を一般的には水で、またはシャンプーで、濯ぐまたは洗浄するステップ、任意選択の後続する乾燥ステップおよび任意選択のスタイリングステップを含む。
【0164】
本発明は、以下のその限定されない実施例の記述を読めば、また以下の添付図面を参照すれば、より深く理解できる。