(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
《第1の本発明》
図1は第1の本発明に係る遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の構成例を示した全体正面図である。
図1において、遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠2と、外枠2により一方の縦辺を回動可能に支持された内枠3と、を備えている。内枠3には遊技球が流下する遊技領域13が形成された遊技盤12が設けられている。内枠3は、遊技盤12の前方(遊技者側)において遊技領域13を視認可能に覆うガラス板(図示しない)を支持している。
【0009】
外枠2には、遊技盤12、遊技盤の背面に固定される図示しないベース枠体、及びベース枠体の背面に固定される画像表示ユニット(画像表示装置、画像表示カバー)からなる図示しない遊技盤ユニットが開閉自在に組み付けられている。
内枠3には、回動操作されることにより遊技領域13に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル4と、皿ユニット5と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン装置10等が設けられている。
皿ユニット5は、内枠3の下側に前方へ突出して設けられており、皿ユニット5には、複数の遊技球を貯留する受け皿6が設けられている。この受け皿6は、操作ハンドル4の方向側に遊技球が流下するように下りの傾斜を有している。そして、遊技者が操作ハンドル4を回動させると、遊技球が遊技領域13に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球がレール15a、15b間を上昇して玉戻り防止片15cを超えると遊技領域13に到達し、遊技領域13内を落下する。このとき、遊技領域13に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
【0010】
次に、遊技盤12の遊技領域13の構成について説明する。
遊技領域13には、複数の一般入賞口28が設けられている。これら各一般入賞口28に遊技球が入賞すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
また、遊技領域13の中央下側の領域には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口23および第2始動口24が設けられている。
この第2始動口24は開閉扉を有しており、開閉扉が閉状態に維持される第1の態様と、開閉扉が開状態となる第2の態様とに可動制御される。従って、第2始動口24は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
【0011】
ここで、第1始動口23または第2始動口24に遊技球が入球すると、特別図柄判定用乱数値等を取得し、大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たり抽選」という)が行われる。また、第1始動口23または第2始動口24に遊技球が入球した場合には、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
さらに、遊技領域13の右側の領域には、遊技球が通過可能な普通図柄用のゲート25と、遊技球が入球可能な第1大入賞装置26、及び第2大入賞装置27とが設けられている。
ゲート25において遊技球の通過を検出すると、普通図柄判定用乱数値を取得し、「普通図柄の当たり抽選」が行われる。
【0012】
第1大入賞装置26は、通常は第1大入賞装置可動片(第1開閉片)26bによって第1大入賞口26aを閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、所定の特別遊技が開始されると、第1開閉片26bが開放されるとともに、この第1開閉片26bが遊技球を第1大入賞口26a内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口に入球可能となる。第1大入賞口に遊技球が入球すると予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
第2大入賞装置27は、通常は羽根状の第2大入賞装置可動片(第2開閉片)によって第2大入賞口を閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、所定の特別遊技が開始されると、第2開閉片が開放位置に回動して第2大入賞口を開放するとともに、この第2開閉片が遊技球を第2大入賞口内に導く誘導路として機能し、遊技球が第2大入賞口に入球可能となる。第2大入賞口に遊技球が入球した場合も予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
更には、遊技領域13の最下部の領域には、一般入賞口28、第1始動口23、第2始動口24、第1大入賞装置26および第2大入賞装置27のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口29が設けられている。
【0013】
また、遊技領域13の中央には開口部13Aが形成されており、開口部13Aの周縁に沿って遊技球の流下に影響を与える装飾部品16が設けられている。
装飾部品16の略中央部分(開放部)であって遊技盤の背面(後面)側には、液晶表示装置等からなる画像表示装置17が設けられている。
画像表示装置17は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示する。なかでも、後述する大当たり抽選の結果を報知するための3個の演出図柄18が表示され、特定の演出図柄18の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当たり抽選結果として大当たりが報知される。
【0014】
具体的には、第1始動口23または第2始動口24に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄18をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄18を停止表示するものである。また、この演出図柄18の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクター等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
遊技盤12の左下方には、各種図柄を表示するための図柄表示装置19が設けられている。
演出ユニットの一例としての皿ユニット5の上面には、一般的にチャンスボタンと呼ばれる演出ボタン装置(演出装置)10が配置されている。演出ボタン装置10の操作は、例えば遊技中における特定のリーチ演出に際し、演出ボタン装置10の操作を促すガイダンスが画像表示装置17に表示されている間有効となる。
【0015】
<第1の本発明:第1の実施形態>
次に、
図2は本発明の第1の実施形態に係る演出ボタン装置の皿ユニット上における配置例を示す斜視図であり、(a)は演出ボタンが通常操作位置にある状態を示し、(b)は演出ボタンが突出位置にある状態を示している。
図3、
図4、及び
図5は演出ボタン装置が通常操作位置にある時の外観構成を一部透視で示す斜視図、演出ボタン装置が第2位置にある時の内部構造を示す一部透視斜視図、及び演出ボタンが突出し、且つ装飾体ユニットが作動した状態の内部構成を示す一部透視斜視図である。
図6は演出ボタン装置全体の分解斜視図であり、
図7及び
図8は演出ボタン装置の全体縦断面図であり、
図9は演出ボタン、装飾体ユニット、駆動機構の一部、及び下部ベース部の分解斜視図であり、
図10は作動状態にある装飾体ユニットとその駆動機構を中心とした斜視図であり、
図11は作動状態にある装飾体ユニットとその駆動機構の分解斜視図であり、
図12は装飾体ユニットの分解斜視図であり、
図13(a)及び(b)は装飾体ユニットの構成を示す一部透視斜視図、及び演出ボタン及び装飾体ユニットの組み付け状態の縦断面図であり、
図14(a)及び(b)は装飾体ユニットの横断面図であり、
図15(a)及び(b)は装飾体ユニットの構成を示す一部断面斜視図であり、
図16は駆動機構の一部構成を示す分解斜視図であり、
図17(a)は螺旋部材ガイド手段と螺旋部材の組み付け状態を示す分解縦断面図、(b)及び(c)はその動作を説明する縦断面図であり、
図18(a)及び(b)は螺旋部材と螺旋部材ガイド手段との組み付け状態を説明する一部断面斜視図、及び斜視図であり、
図19(a)及び(b)は演出ボタン及び装飾体ユニットに対するカバー部の組み付け状態を示す一部断面斜視図であり、
図20は上カバー片と下カバー片との組み付け状態を示す断面図である。
【0016】
本発明に係る演出ボタン装置(演出装置)10は、遊技盤12よりも遊技者側に突出した演出ユニット(操作演出手段)5と、演出ユニットにおける第1位置(第1の視認態様)と該第1位置とは異なる第2位置(第2の視認態様)とを含めた経路内を進退する第1演出部(第1演出手段)50と、を備えている。
第1演出部は第2位置に達した時に、第1演出部、又は/及び、第2演出部(第2演出手段)60を所定態様となるように演出動作させる構成を備えている。
つまり、第1演出部(第1演出手段)50は、演出ユニット(操作演出手段)5における第1の視認態様と該第1の視認態様とは異なる第2の視認態様に変化可能な演出手段である。第1演出部により実施される演出を第1演出と称する。
また、第2演出部(第2演出手段)は、少なくとも第1演出部が第2の視認態様に変化するときに第3の視認態様に変化可能な演出手段である。第2演出部により実施される演出を第2演出と称する。
また、後述する制御手段(駆動機構100)は、第1演出部(第1演出)、及び第2演出部(第2演出)を、個別に、又は、連動して制御する制御手段である。
空間形成手段200は、第1演出が第1の視認態様にある場合、第2の視認態様に変化した後、又は、第2の視認態様に変化する過程で、第1の演出、及び/又は、第2演出をカバーする演出用の空間を形成する手段である。
更に、制御手段により第1演出が第1の視認態様または第2の視認態様に制御(演出作動)されているときにおいても操作演出手段を操作できる構成を備えている。
更に、制御手段により第2演出が第3の視認態様に制御されるときに空間形成手段を操作できる構成を備えている。
操作演出手段、第1演出手段(第1演出)、第2演出手段(第2演出)、制御手段に関する上記説明は、以下の全ての本発明(第1〜第4の本発明)の各実施形態に当てはまる。
【0017】
更に、第2演出部の所定態様の演出動作には、該第2演出部の回転動作と、該第2演出部の少なくとも一部の突出入動作と、を含むものである。
更に詳しくは、本発明に係る演出ボタン装置(演出装置)10は、遊技盤12の下方において前方に突出した皿ユニット(演出ユニット)5(
図1、
図2)に設けた通穴7と(
図6、
図7、
図8)、通穴7内に最も退避(下降)した第1位置と該第1位置よりも通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する演出ボタン(第1演出部)50と、少なくとも演出ボタン50が第2位置に達したときに(第2の視認態様に変化したときに)作動して演出動作する(第3の視認態様となる)装飾体ユニット(第2演出部、第2演出手段)60と、演出ボタン50、及び装飾体ユニットを個別に、又は連動して動作させる駆動機構(制御手段)100と、を備え、第1位置にあった演出ボタン50が第2位置に達した時に、装飾体ユニットは前記演出ボタンの出没方向と交差する方向、該出没方向、その他の方向へ動作(突出、進退、或いは拡大・縮小)して演出を行うことが特徴的である。
【0018】
これを言い換えれば、演出ボタン装置10は、演出ボタン50と、演出ボタンの下部に固定的に、又は相対動作可能に連設された装飾体ユニット60と、演出ボタン50、及び装飾体ユニット60を個別に又は連動して動作させる駆動機構100と、皿ユニット5の上面と略面一状態に配置される板状の上部ベース部150と、通穴7の内奥部に配置されて駆動機構100を支持する下部ベース部160と、皿ユニット5の上方において出没動作(上下動作)する演出ボタン50及び装飾体ユニット60の外面を包囲するように配置されて上下動するカバー部(演出用空間形成部材)200と、を概略備えている(
図3乃至
図8)。
【0019】
演出ボタン(第1演出部)50を構成する押しボタン本体50Aの中央上面の凹所内には、演出ボタンが操作されたことを検出するセンサから成る演出ボタン検出部52が設けられており、この演出ボタン検出部52が遊技者の押下げ操作を検出すると検出信号が出力され、この検出信号に基づいて、演出制御基板は更なる演出を行う制御をする。本例では、演出ボタン検出部52の上方にはカバー部200の上面が位置しているため、カバー部の上面を押圧することにより演出ボタン検出部52が押し下げられることになる。
なお、演出ボタン50(演出ボタン検出部)は押下げするタイプに限らず、タッチパネル方式を採用した入力パッド等であってもよい。
【0020】
演出ボタン50を構成する押しボタン本体50Aは、皿ユニット5の上面に開口形成された通穴(ボタン穴)7内に収容されて
図2(a)、
図3等に示した通穴7内に最も退避(下降)した第1位置と、
図2(b)、
図4等に示した第1位置よりも突出した第2位置とを含めた出没経路に沿って進退移動する。第2位置は、演出ボタンの最上昇位置である必要はなく、単なる通過点としてもよい。
演出ボタン(第1演出部)50は、装飾体ユニット(第2演出部)60に対して一体回転すると共に、装飾体ユニット60に対して相対的に上下動するように組み付けられている。また、演出ボタン50を構成する押しボタン本体50Aは、弾性部材54によって装飾体ユニット60から上方に離間するように付勢されている。このため、第1位置(第2位置)にある押しボタン本体50Aの上面を押圧した時に演出ボタン検出部52がオンすると同時に、押しボタン本体は皿ユニット上面(通穴7)に対して押し込まれた状態となる。押しボタン本体50Aが押し込まれると、押しボタン本体は装飾ユニット60に対して相対的に下降した状態となる。この時、押しボタン本体の上面を覆うカバー部200を構成する上カバー片(第1カバー片)201も押し下げられることは言うまでもない。
【0021】
装飾体ユニット60は、
図6乃至
図15に示すように、円筒状の演出ボタン50の下方に同軸状に配置された概略円筒体であり、上下二つ割り構造のドーナツ形状のケーシング61と、ケーシング61の外周面に所定のピッチで形成された円形の出没穴63と、ケーシング61内部に配置されて各出没穴63内に退避した姿勢と各出没穴から外部へ突出した姿勢との間で進退する出没部材(演出部材)65と、ケーシング61内に配置されて各出没部材65を常時突出方向へ付勢する弾性部材68を含めた出没部材作動機構67(出没ガイド部材180をも含む)と、を有する。
【0022】
図6の全体分解斜視図、
図7、
図8の縦断面図、及び
図12の分解斜視図等に示したように、装飾体ユニット60を構成するケーシング61は、上下2つの環状のケーシング片61A、61Bを結合させた構成を備える。上側のケーシング片61Aの下面と、下側のケーシング片61Bの上面には、両ケーシング片が合わさった時に各出没穴63を形成するための半穴(溝)61A−1、61B−1が放射状に形成されている。ケーシング61の中心孔内には各出没部材65、弾性部材68等を支持する中心部材70が配置されている。中心部材70はその中心部を上下方向に貫通する貫通穴70aを有すると共に、外周面には各出没穴63と一対一で対応する嵌合凹所71を有する。各嵌合凹所71内にはコイルバネから成る弾性部材68の一端が嵌合して支持される。
【0023】
中心部材70に設けた貫通穴70aの上部開口内には演出ボタン50の下面中心部から突出した嵌合片53を嵌合させることにより、演出ボタン50をケーシング61(中心部材70)により上下動自在に支持している。更に、嵌合片53と貫通穴70aの上部開口を互いに整合する形状の多角形とすることにより、中心部材70と演出ボタン50とが一体回転するように構成する。嵌合片53の中心部に設けた上下の貫通穴53aと貫通穴70aとを連通させることにより、演出ボタン検出部52から図示しない制御基板への配線を行うスペースとして活用できる。
中心部材70の中間高さ位置の外周面には雄螺子部70cが形成されており(
図6、
図7)、下側のケーシング片61B内周の雌螺子部61B−2と螺着させることにより、中心部材に対してケーシング片61Bを位置決め固定する。上側のケーシング片61Aは、下側のケーシング片61Bに対してその接合面だけを接着して固定するか、或いは両ケーシング片間をボルトにより固定すればよい。
【0024】
図7、
図8に示すように、演出ボタン50は、弾性部材54により装飾体ユニット60に対して上方へ付勢されている。本例では、弾性部材54は、嵌合片53の外周面に巻き付けられて下端部を中心部材70の上面に支持され、上端部を演出ボタン50の下面に支持されたコイルバネであり、演出ボタン50は、中心部材70との間に設けたギャップGの上下寸法分だけ装飾体ユニット60に対して相対的に上下動することができる。このため、後述する上カバー片201を介して演出ボタン50の上面を押し下げると、弾性部材54の付勢力に抗してギャップGの上下寸法分だけ演出ボタン50は押し下げられる。
【0025】
本例に係る出没部材65は先端が弾丸状の曲面であり、後端小径部には嵌合凹所71内に嵌合するための小径の中空筒状部65aを有している。また、コイルバネから成る弾性部材68は、中空筒状部65aの外面に巻き回され、嵌合凹所71の奥部と出没部材65の外面段差部との間で係止されている。このため、弾性部材68は出没部材65を常に外径方向へ付勢している。嵌合凹所71の内奥部に図示しない突起を設けて、この突起を中空筒状部65aの開口内に突出させることにより、出没部材を嵌合凹所内に位置決めするようにしても良い。
なお、出没部材65の中間部外周には周方向に沿って所定のピッチ(本例では、180度の周方向間隔)で複数の被ガイド突起65bが突出しており、出没穴63の外側内周には被ガイド突起65bと係合可能なストッパ63aが設けられているため、出没部材の先端部が出没穴から突出しても出没穴から脱落することはない(
図7、
図8)。
【0026】
また、各被ガイド突起65bは、各半穴(溝)61A−1、61B−1内に形成されたガイド溝61A−2、61B−3によって内外径方向へガイドされる(
図12)。
演出ボタン50が、
図3、
図7に示したように下降した位置(通常操作位置=第1位置)にある時には、装飾体ユニット60も最下降位置にあるため、出没部材65の曲面状の先端部はその外径側に設けた出没ガイド部材180の下部ガイド部181の内周面と当接することにより、出没穴63内に退避している。一方、演出ボタン50が
図5、
図8に示した第2位置に突出すると、装飾体ユニット60も一体的に上昇するため、出没部材の先端部は出没ガイド部材180の下部ガイド部181の内周面から離脱して出没穴63から外部に突出することができる。
なお、本例では全ての出没部材が同一タイミングで一律に出没するように構成したが、出没ガイド部材180の形状を出没部材毎に異ならせることによって、各出没部材の突出長、突出タイミングを異ならせても良い。
【0027】
駆動機構100は、演出ボタン50、及び装飾体ユニット60を個別に、又は連動して動作させる手段であり、本例では、演出ボタン50、及び装飾体ユニット60を
図7に示した第1位置と
図8に示した第2位置(演出ボタン50の第2の視認態様、装飾体ユニット60の第3の視認態様)との間で昇降させたり、装飾体ユニットを回転させる手段である。
図3乃至
図8等に示すように駆動機構100は、下部ベース部160により下部を固定されて上向きに(垂直に)突出する螺旋部材ガイド手段101と、螺旋部材ガイド手段101によって内周を回転不能、且つ上下動自在に支持されて外周面に螺旋状部105aを有した可動側の螺旋部材105と、螺旋部材105の上部との間に位置する軸受(ボールベアリング)110を介して下部を螺旋部材上部に同軸状に組み付けられて螺旋部材と相対回転し、且つ連動して上下動するギヤ部材115と、下部ベース部160上に立設固定された駆動機構ホルダ120により支持されたモータ125と、モータ125の上部に突出した出力軸に一体化された出力ギヤ126と、駆動機構ホルダ120に設けた下部軸受121と上部軸受122により回転自在に軸支された回転軸部材127と、回転軸部材127の下部に軸心を固定されると共に外周の螺旋状の凸部を可動側の螺旋部材105と噛合させることにより正逆転したときに螺旋部材105(回転不能)を上下動させる位置固定された螺旋ギヤ128と、出力ギヤ126と噛合してモータからの駆動力を受け、且つ回転軸部材127の上部により軸心を固定的に支持された従動ギヤ130と、を有する。
【0028】
下方が開放した中空の螺旋部材105は、下部ベース部160の上面に下部を固定されて上方に突出した螺旋部材ガイド手段101によって内部を上下動自在、且つ回転不能に支持されている。本例では、螺旋部材ガイド手段101の外周面に設けた上下方向へ伸びるガイド溝101Aを螺旋部材105の内周面に設けた上下方向へ伸びる被ガイド突条105Aと係合させることにより、螺旋部材の回転を禁止しつつ上下方向へ進退自在に支持している(
図6、
図18参照)。
螺旋部材ガイド手段101は、中心部に上向きに突出する棒状部101aを有し、棒状部101aの外径側に所定のギャップを隔てて同心状に筒状部101bを有し、棒状部と筒状部とは底部において同軸状に連設されている。螺旋部材105の内周面は筒状部101bの外周面と接触することにより、安定した軌道により回転せずに上下動することができる。具体的には、筒状部101bの外周面に上下方向へ伸びるガイド溝(又はガイド突条)101Aを設け、このガイド溝内に螺旋部材105の内周面に設けた被ガイド突条(又は被ガイド溝)105Aを嵌合させることにより、回転を禁止しつつ昇降自在とする。棒状部101aの外周面、即ち棒状部と筒状部との間の円筒状のギャップ内にはコイルバネ(螺旋部材付勢用の弾性部材)107が配置されており、コイルバネ107は螺旋部材105を上方に突出させる方向へ付勢する(
図17参照)。
【0029】
図17に示すように、本例では、コイルバネ107の外周面と筒状部101bの内周面との間に円筒状のバネホルダ108が配置されている。バネホルダ108の上部開口の内面には雌螺子部108aが形成されており、この雌螺子部108aには蓋部材108bに突設した円筒状の雄螺子部108cが螺着する。蓋部材108bは雄螺子部108cの内側でコイルバネ107の上部を支持しており、コイルバネを筒状部101b内に配置した状態で蓋部材108bをバネホルダ108の上部開口に螺着することにより、コイルバネがバネホルダを常時上向きに付勢した状態となる。また、蓋部材108bの中心部には雌螺子部108dが設けられており、雌螺子部108dは螺旋部材105の上部に設けた穴105bを介してボルト109によりバネホルダ108の上部を螺旋部材105に固定するのに用いられる。従って、螺旋ギヤ128によって
図17(b)に示したように螺旋部材105をコイルバネ107に抗して下降させている時にはバネホルダも下降位置にあるが、螺旋ギヤによって
図17(c)に示したように螺旋部材を上昇させると、コイルバネの補助によりバネホルダも上昇する。
ギヤ部材115の上面中央に形成した多角形状の凹所115a内に、中心部材70の下面中央から突設した多角形の嵌合突起70bを嵌合させることにより、ギヤ部材115は中心部材70を含めた装飾体ユニット60と一体的に回転することができる(
図6乃至
図8、
図11)。
【0030】
演出ボタン50、及び装飾体ユニット60が
図7に示した第1位置にある時には、螺旋ギヤ128により押し下げられている螺旋部材105はコイルバネ107の付勢に抗して最下降位置にある(
図17(b))。図示しない制御手段からの指令によりモータ125が演出ボタン50、及び装飾体ユニット60を上昇させる方向に回転すると、出力ギヤ126、従動ギヤ130、回転軸部材127を介して伝達された駆動力が螺旋ギヤ128を回転させる(
図8)。このため、螺旋ギヤ128と噛合する螺旋部を有した螺旋部材105は筒状部101bの外周面に沿って回転せずに上昇する(
図17(c))。螺旋部材105の上部に搭載されたギヤ部材115は、螺旋部材と共に上昇する。螺旋部材の上昇に際してはコイルバネ107が上昇をサポートする。
【0031】
なお、ギヤ部材115は軸受部110を介して連結された螺旋部材105に対して回転が可能である一方で、従動ギヤ130と常時噛合しているため、モータが上昇方向へ駆動されたときにギヤ部材115は回転する。従動ギヤ130の縦方向へ延びるギヤ部とギヤ部材115のギヤ部とはスプライン結合しており、位置が固定された従動ギヤ130に対してギヤ部材115は摺動しながら相対的に上下動することができる。このため、螺旋部材105の上下動に連動してギヤ部材115はスムーズに上下動することができる。軸受部110を介して螺旋部材105と分離されているギヤ部材115は、回転しない螺旋部材に対して回転することができる。その結果、従動ギヤ130のギヤ部とギヤ部材115のギヤ部との摺動抵抗が大幅に減殺されるため、ギヤ部材115のギヤ部が従動ギヤ130のギヤ部に沿ってスムーズに上下動することができる。なお、従動ギヤ130のギヤ部とギヤ部材115のギヤ部とは、摩擦係数が十分に小さい材料によって構成すると共に、潤滑油を用いて摩擦抵抗の減少を図ってもよい。
なお、従動ギヤ130と回転軸部材127との間にトルクリミッタを配置することにより従動ギヤとギヤ部材115との間に過大な負荷が加わった時に、従動ギヤが空転するように構成してもよい。トルクリミッタとしては、例えばスリップクラッチを用いることができる(以下の実施形態においても同様)。
【0032】
次に、板状の上部ベース部150は、皿ユニット5の上面と面一に連設される。換言すれば、皿ユニットの上面に設けた取付け穴5a内に上部ベース部150の外周縁を嵌合して固定される(
図7、
図8)。
下部ベース部160は、皿ユニット5の上面に設けた通穴7の内奥部に設けた固定部材165上に固定される底板161を備えており、底板161の上面中央部には螺旋部材ガイド手段101が立設されると共に、螺旋部材ガイド手段101の横方向には駆動機構ホルダ120が立設される。更に、底板161の外周縁に近い上面には、駆動機構(制御手段)100、及び装飾体ユニット60を内部に収容するように包囲する中空筒状の包囲部材170の下部が固定されている。包囲部材170の上部は上部ベース部150に固定されている。
包囲部材170は、中空筒状の包囲部材本体171と、包囲部材本体171の上部に固定されて上部ベース部150の下面と固定される環状の連設環状体173と、を備える。連設環状体173の内周面は第1位置にある装飾体ユニット60の外周面(出没穴63)と対向して近接配置されており、連設環状体173の内周面には、出没穴63内の出没部材の出没動作を規制する環状の出没ガイド部材180が固定配置される。
出没ガイド部材180は、下部ガイド部181が円筒状であって連設環状体173の内周面と密着する一方で、上部ガイド部182はラッパ状に円弧を描いて外径方向へ拡開している。更に外周面の適所には外径方向へ突出する張出し片183が突設されている。張出し片183を連設環状体173の上面と上部ベース部150の下面との間に挟んでボルトにより固定することにより、出没ガイド部材180は包囲部材170に固定される。
【0033】
図3乃至
図8、
図19、
図20に示すように、演出用の空間を形成する空間形成部材であるカバー部200は、演出ボタン50の上面、及び外周面を包囲して演出ボタンと共に上下動する上カバー片(第1カバー片)201と、装飾体ユニット60が皿ユニット5の上面よりも上方に突出した状態にある時にその外面を覆って遊技者の手指が装飾体ユニットに触れないように保護する下カバー片(第2カバー片)210と、を備えている。
上カバー片201は下方が開放した逆椀形状を有しており、下カバー片210は中央に上下方向へ貫通する開口を有した四角い環状体である。
何れのカバー片201、210も、内部の演出ボタン、及び装飾体ユニット60を外部から視認できるように、少なくとも一部を透明、或いは半透明材料から構成する。或いは、カバー片を、非透明材料から成る部分と、内部を視認させる開口部(指が入らない程度の開口量を有する)と、から構成し、開口部から内部を視認できるようにしても良い。更に、カバー片の一部又は全部をメッシュ状に構成して内部を視認できるようにしてもよい。このことは以下の全ての実施形態にも当てはまる。
【0034】
また、演出ボタン、装飾体ユニットが回転する際には、カバー片201、210は回転しない。
上カバー片201はその下面中央部を演出ボタン検出部52と対面させており、上カバー片の上面を押圧することにより演出ボタン検出部52のスイッチ部52aがオンされるように弾性変形が可能な材料から構成する。或いは、上カバー片全体が演出ボタン50に対して相対的に上下動できるように構成することによって、上カバー片への押し下げ力が演出ボタン検出部52のスイッチ部52aをオンさせるようにしてもよい。
上カバー片201の裾部202は外径方向へ張り出しており、この裾部202を下カバー片210の中央開口の上部内周縁に係合させることによって、下カバー片に対して抜け落ち不能、且つ相対的に上下動可能に構成されている。
図20に詳細を示すように、下カバー片210は、外周下部211と、外周下部211の上部から内側へ湾曲して延びる外周上部212と、を有し、外周下部211は上部ベース部150に貫通形成された環状スリット(通穴)152内に挿通されて上下方向へスライド移動可能となっている。このため、下カバー片210は、全体として環状スリット152によって上下動自在に支持されている。
【0035】
本例では、上部ベース部150の下面と連設環状体173に夫々設けたベアリング220によって外周下部211の外面と内面をガイドすることにより、下カバー片の上下動作をスムーズにしている。ベアリング220としては、フリーベアリングと称される滑動性の良好な部材を用いるため、下カバー片の移動をスムーズにすることができる(
図20)。
演出ボタン50が
図8に示した上昇位置から
図7に示した下降位置に移動する際には、上カバー片201、及び下カバー片210は自重により連動して下降する。
図20(a)及び(b)は両カバー片が下降する状態を示す要部断面図であり、ベアリング220にガイドされながらスムーズに下降することができる。
図3、
図7、
図19(a)に示したように演出ボタン50、及び装飾体ユニット60が第1位置(通常操作位置)に下降している時にはカバー部200は全体として最下降位置にあるが、
図4、
図8、
図19(b)に示したように演出ボタン50、及び装飾体ユニット60が第2位置に上昇している時にはカバー部200は上昇位置に押し上げられる。カバー部200が上昇位置にある時に、遊技者は内部で動作する演出ボタン50、及び装飾体ユニット60に対して直接手指を触れることが出来ないため、手指を怪我することがない。
【0036】
次に、第1の実施形態に係る演出ボタン装置の動作について説明する。
演出ボタン(第1演出部)50及び装飾体ユニット(第2演出部)60を、
図2(a)、
図3、
図7に示した第1位置(通常操作位置)に退避させておく場合にはモータ125を下降方向へ駆動して螺旋ギヤ128により螺旋部材105を最も下降した位置まで移動させる。第1位置にある時には、上下動しない螺旋ギヤ128は螺旋部材105の上部に位置している。
演出ボタン50、及び装飾体ユニット60が第1位置にある時には、出没部材65は出没ガイド部材180の下部ガイド部181により外径方向への突出を規制された状態にある(
図7、
図14(a)、
図15(a)、
図19(a))。つまり、装飾体ユニット60は、演出ボタン50が第1位置にある時には非作動状態を維持する。
【0037】
一方、演出ボタン50及び装飾体ユニット60を、
図2(b)、
図4、
図8に示した第2位置(突出位置)に突出させる場合にはモータ125を上昇方向へ駆動して螺旋ギヤ128により螺旋部材105を最も上昇した位置まで移動させる。この第2位置では、上下動しない螺旋ギヤ128は螺旋部材105の下部に位置している。なお、本例では第2位置を最上昇位置としているが、第2位置を単なる通過点とし、第2位置の更に上方に上昇するように構成しても良い。
【0038】
演出ボタン50、及び装飾体ユニット60が、
図2(a)、
図3、
図7に示した第1位置(通常操作位置)にある時には、ケーシング61に設けた出没穴63は出没ガイド部材180の下部ガイド部181によって塞がれているために、出没穴63内に収納された出没部材65は外径方向へ突出することが出来ない(
図14(a)、
図15(a)、
図19(a))。演出ボタン50、及び装飾体ユニット60が通常操作位置にある状態で、例えば画像表示装置17に演出ボタンを操作すべき旨のメッセージが表示されたときに操作が有効とされ、期待度が高い状態にあることを遊技者は知ることができる。この演出ボタン操作有効期間において、遊技者が上カバー片201の上面を押圧することにより演出ボタン(演出ボタン検出部のスイッチ部52a)が押下げ操作されると、その押下げ操作が検知されて特有の遊技演出が実行される。こうして、遊技者の遊技参加感と共に遊技の演出効果が高められる。
【0039】
つまり、第1の位置が通常の演出ボタン操作位置であり、第2の位置が第1の位置よりも突出した位置である。また、第2の位置、及び第3の位置において第2演出部の少なくとも一部を突出させる。
更に本実施形態では、期待度が更に一段と高いレベルに達したときに、制御手段は駆動機構100を作動させて演出ボタン50、及び装飾体ユニット60を第2位置(突出位置)に移動させると共に、装飾体ユニット60の各出没穴63から出没部材68が外径方向へ突出した状態を遊技者に視認させることにより、更に変化に富んだ演出効果を発揮させて期待度が更に高くなっていることを遊技者に知らせることができる(
図2(b)、
図4、
図8)。
即ち、演出ボタン50、及び装飾体ユニット60が、
図2(b)、
図4、
図8に示した第2位置(突出位置)に移動する過程では、ケーシング61に設けた出没穴63は出没ガイド部材180の上部ガイド部182に導かれて外径方向へ突出可能な状態となり、第2位置に達した時点では出没部材65は出没穴63から外径方向へ突出する(
図13(b)、
図14(b)、
図15(b))。
【0040】
第1位置から第2位置に移動する過程では、螺旋ギヤ128からの駆動力が螺旋部材105を上方向へ移動させる一方で、従動ギヤ130がギヤ部材115を回転させるため、ギヤ部材と一体化された装飾体ユニット60(出没部材は突出状態にある)は回転する。
つまり、演出ボタン50(第1演出部)が第2位置に達した時に、演出ボタン、又は/及び、装飾体ユニット(第2演出部)60を回転させる。
【0041】
また、装飾体ユニット60は、回転すると同時に作動するように構成してもよい。
このように本実施形態に係る演出ボタン装置では、皿ユニットに設けた演出ボタンを出没動作させる過程でその外観形状を変形させることにより、遊技者の興趣を高めて、退屈感をもたらさないようにすることができる。
なお、上記の実施形態では、演出ユニットの一例として皿ユニット5を例示したに過ぎず、演出ユニットとしては、遊技盤の下方に位置する皿ユニットのみならず、遊技盤の左横方向、右横方向、上方向、又は斜め方向にある枠体側の各部位(スペース)において前方へ突出する部位を全て含むものである(このことは、以下の全ての実施形態、以下の全ての他の発明についても当てはまる)。
即ち、演出ユニット5とは、遊技者による接触で操作が可能な可動演出部(操作演出手段)を意味する。
また、第1演出部には演出ボタン(押しボタン)の他に、ダイヤル(回転体)、レバー、タッチパネル等々をも含むものである。(このことは、以下の全ての実施形態、以下の全ての他の発明についても当てはまる)。
【0042】
<第1の本発明:第2の実施形態>
次に、
図21、及び
図22は第1の本発明に係る第2の実施形態の演出ボタン装置の一部内部構成を示す斜視図(下降時)、及び斜視図(上昇時)であり、
図23は同演出ボタン装置の駆動機構の分解斜視図であり、
図24、及び
図25は同演出ボタン装置の縦断面図(下降時)、及び縦断面図(上昇時)であり、
図26(a)(b)及び(c)は駆動機構の動作を説明する正面図であり、
図27(a)(b)及び(c)は駆動機構の一部断面による動作説明図であり、
図28(a)及び(b)は駆動機構の動作を説明する斜視図である。
なお、第2の実施形態では駆動機構を除いた装置構成は第1の実施形態と同様であるため、演出ボタン、及び装飾体ユニットの同一部分には同一符号を付して説明する。
【0043】
駆動機構(制御手段)250は、下部ベース部160により下部を固定されて上向きに突出する昇降部材ガイド手段251と、昇降部材ガイド手段251によりガイドされて昇降する昇降部材270と、昇降部材270を昇降させるための駆動源としてのソレノイド275と、昇降部材270の上部との間に位置する軸受部(ボールベアリング)271を介して下部を昇降部材上部に同軸状、かつ回転自在に組み付けられて昇降部材に対して回転し、且つ連動して上下動するギヤ部材115と、下部ベース部160上に立設固定された駆動機構ホルダ120により支持されたモータ125と、モータ125の上部に突出した出力軸に一体化された出力ギヤ126と、駆動機構ホルダ120に設けた下部軸受121と上部軸受122により回転自在に軸支された回転軸部材127と、出力ギヤ126と噛合してモータからの駆動力を受け、且つ回転軸部材127の上部により軸心を固定的に支持された従動ギヤ130と、を有する。
【0044】
ソレノイド275は、ソレノイド本体276(電磁石)と、ソレノイド本体から横方向へ出没するプランジャ276aにより正逆回動させられる作動片277と、から概略構成されて、作動片277の回動によって昇降部材270を昇降させる。プランジャ276aは図示しないバネによって
図21、
図26(a)、
図27(a)に示した初期位置(ソレノイド本体からプランジャ先端部を突出させた状態)に付勢されている。プランジャ276aが突出した初期位置にあるときに昇降部材270は
図21、
図26(a)、
図27(a)に示した第1位置にあり、プランジャがバネに抗して引っ込んだ位置にある時には昇降部材270は
図22、
図26(c)、
図27(c)に示した第2位置に突出する。
図26(b)、
図27(b)は第1位置と第2位置の中間位置を示している。
【0045】
ソレノイド本体276は、下部ベース部160上に固定される支持部材276cによって支持されている。作動片277は、下部ベース部160上に固定される支持部材277aに設けた円筒状の軸支部277b内に挿通した軸277cによって軸孔277dを回動自在に軸支されている。作動片277からソレノイドに向けて突出した作動軸277eをプランジャ276aの先端に配置した先端部材276bの挿通穴内により回動自在に軸支すると共に、作動片から突出した2つの突出片に設けた長穴277fにより昇降部材270の対向する2つの側面から突出したピン270aを夫々遊動的に支持する。これにより、プランジャ276aの出没動作が作動軸277eに作用し、作動片277を軸孔277dを中心として回動(揺動)させる。この結果、長穴277f、ピン270aを介してソレノイド本体からの駆動力が昇降部材270に伝達されてこれを昇降させる。
【0046】
なお、図示したソレノイドによる駆動機構は一例に過ぎず、どのようなタイプのソレノイドを用いてどのように昇降部材を昇降させてもよい。
なお、ギヤ部材115は軸受部271を介して連結された昇降部材270に対して相対回転が可能である一方で、従動ギヤ130と常時噛合しているため、モータが上昇方向へ駆動されたときにギヤ部材115も回転する。従動ギヤ130の縦方向へ延びるギヤ部とギヤ部材115のギヤ部とはスプライン結合になっていて、位置が固定された従動ギヤ130に対してギヤ部材115は相対的に上下動することができる。このため、昇降部材270の上下動に連動してギヤ部材115はスムーズに上下動することができる。ギヤ部材115は、軸受部110を介して昇降部材270と分離されているため、ギヤ部材115は昇降部材に対して回転することができる。その結果、従動ギヤ130のギヤ部とギヤ部材115のギヤ部との摺動抵抗が大幅に減殺されるため、ギヤ部材115のギヤ部が従動ギヤ130のギヤ部に沿ってスムーズに上下動することができる。
従動ギヤ130と回転軸部材127との間にトルクリミッタを配置して、従動ギヤ130とギヤ部材115との間に過大な負荷が加わらないように構成しても良い。また、従動ギヤ130とギヤ部材115の各ギヤ部は可能な限り摩擦抵抗の小さい材料により構成する。
【0047】
昇降部材ガイド手段251は、
図27に示すように中心部に棒状部251aを有し、棒状部251aの外径側に所定のギャップを隔てて同心状に筒状部251bを有する。昇降部材270の内周面は筒状部251bの外周面と接触することにより、安定した軌道により上下動することができる。棒状部251aの外周面、即ち棒状部と筒状部との間の円筒状のギャップ内にはコイルバネ(螺旋部材付勢用の弾性部材)253が配置されており、コイルバネ253は昇降部材270を上方に突出させる方向へ付勢する。
本例では、コイルバネ253の外周面と筒状部251bの内周面との間に円筒状のバネホルダ255が配置されている。バネホルダ255の上部開口の内面には雌螺子部255aが形成されており、この雌螺子部255aには蓋部材255bに突設した円筒状の雄螺子部255cが螺着する。蓋部材255bは雄螺子部255cの内側でコイルバネ253の上部を支持しており、コイルバネを筒状部251b内に配置した状態で蓋部材255bをバネホルダ255の上部開口に螺着することにより、コイルバネがバネホルダを常時上向きに付勢した状態となる。また、蓋部材255bの中心部には雌螺子部が設けられており、雌螺子部は昇降部材270の上部に設けた穴を介してボルト259によりバネホルダ255の上部を昇降部材270に固定するのに用いられる(
図27参照)。
【0048】
筒状部251bの外面には所定の周方向ピッチでガイド溝251b−1(
図23)が上下方向へ伸びており、このガイド溝内には昇降部材270の内周面から突出した被ガイド突条がスライド自在に嵌合されることにより、昇降部材270の回転を阻止しながら上下方向への移動を許容する。
第1の実施形態と同様に、ギヤ部材115の上面中央に形成した多角形状の凹所115a内に、中心部材70の下面中央から突設した多角形の嵌合突起70bを嵌合させることにより、ギヤ部材115は中心部材70を含めた装飾体ユニット60と一体的に回転することができる(
図24、
図25)。
【0049】
演出ボタン50、及び装飾体ユニット60が
図21、
図24に示した第1位置にある時には、ソレノイド275がOFF状態にあるためにプランジャ276aはバネの力により突出した状態にあり、作動片277が下降方向へ回動しているため、昇降部材270はコイルバネ253の付勢に抗して最下降位置に保持されている。この状態では、ギヤ部材115、演出ボタン50、及び装飾体ユニット60は第1位置にある。制御手段からの指令によりソレノイド本体276がオンすると、プランジャ276aを突出させる方向へ付勢するバネに抗してプランジャ先端が引っ込んで作動片277を上昇方向へ回動させるため、コイルバネ253のサポートによって昇降部材270が上方へ突出する。昇降部材270が上方に突出すると、昇降部材上に搭載されたギヤ部材115が上昇するため、それまで第1位置にあった演出ボタン50、及び装飾体ユニット60も第2位置に上昇する。
第1位置から
図22、
図25に示した第2位置に移動する過程、或いは第2位置に達した時点において、図示しない制御手段からの指令によりモータ125が回転すると、出力ギヤ126、従動ギヤ130を介して伝達された駆動力がギヤ部材115を回転させる。このため、演出ボタン50、及び装飾体ユニット60は回転しながら上昇する。昇降部材270の上昇に際してはコイルバネ253が上昇をサポートする。
【0050】
装飾体ユニット60が第1位置から第2位置へ上昇する過程で、出没部材65は出没ガイド部材180によりガイドされつつ出没穴63から外部へ突出して演出を行い、装飾体ユニット60が第1位置へ下降する過程では出没部材65が出没穴63内に退避することは前記第1の実施形態と同様である。
なお、上部ベース部150、下部ベース部160、底板161、固定部材165、包囲部材170、出没ガイド部材180等の構成は、第1の実施形態と同様である。
このように本実施形態に係る演出ボタン装置においても、皿ユニットに設けた演出ボタンを出没動作させる過程でその外観形状を変形させることにより、遊技者の興趣を高めて、退屈感をもたらさないようにすることができる。
なお、上記実施形態では、出没部材65を弾性部材68により出没穴から外径方向へ突出させるように付勢したが、常時において出没部材を図示しない他の弾性部材により内径方向へ退避させるように構成しておき、装飾体60ユニットが回転する際の遠心力により、出没部材を外径方向へ突出させるようにしてもよい(後述)。
このように本実施形態に係る演出ボタン装置では、皿ユニットに設けた演出ボタンを出没動作させる過程でその外観形状を変形、動作させることにより、遊技者の興趣を高めて、退屈感をもたらさないようにすることができる。
【0051】
具体的には、演出ボタン50、及び装飾体ユニット60が通常操作位置にある状態で、例えば画像表示装置17に演出ボタンを操作すべき旨のメッセージが表示されたときに操作が有効とされ、期待度が高い状態にあることを遊技者は知ることができる。この演出ボタン操作有効期間において、遊技者が上カバー片201の上面を押圧することにより演出ボタン(演出ボタン検出部のスイッチ部52a)が押下げ操作されると、その押下げ操作が検知されて特有の遊技演出が実行される。こうして、遊技者の遊技参加感と共に遊技の演出効果が高められる。
更に本実施形態では、期待度が更に一段と高いレベルに達したときに、制御手段は駆動機構250を作動させて演出ボタン50、及び装飾体ユニット60を第2位置(突出位置)に移動させると共に、装飾体ユニット60の各出没穴63から出没部材68が外径方向へ突出した状態を遊技者に視認させることにより、更に変化に富んだ演出効果を発揮させて期待度が更に高くなっていることを遊技者に知らせることができる。
【0052】
<第1の本発明:第3の実施形態>
次に、
図29、及び
図30は第1の本発明に係る第3の実施形態の演出ボタン装置の一部内部構成を示す斜視図(下降時)、及び斜視図(上昇時)であり、
図31は同演出ボタン装置の駆動機構の分解斜視図であり、
図32、及び
図33は同演出ボタン装置の縦断面図(下降時)、及び縦断面図(上昇時)であり、
図34(a)(b)及び(c)は駆動機構の動作を説明する正面図であり、
図35(a)及び(b)は駆動機構の動作を説明する斜視図である。
なお、第3の実施形態では駆動機構を除いた装置構成は第1の実施形態と同様であるため、演出ボタン、及び装飾体ユニットの同一部分には同一符号を付して説明する。
【0053】
駆動機構(制御手段)300は、下部ベース部160により下部を支持されて上向きに伸縮(突出入)するパンタグラフ式の昇降部材ガイド手段301と、昇降部材ガイド手段301によりガイドされて昇降する昇降部材320と、昇降部材320の上部との間に位置する軸受部(ボールベアリング)321を介して下部を昇降部材上部に同軸状、かつ回転自在に組み付けられて昇降部材に対して回転し、且つ連動して上下動するギヤ部材115と、下部ベース部160上に立設固定された駆動機構ホルダ323と、駆動機構ホルダ323の上部に固定されて昇降部材320を昇降させる駆動源としてのモータ325と、モータ325から横方向へ突出した出力軸に一体化された出力ギヤ326と、駆動機構ホルダ323の2つの側壁323aに夫々設けた2つの軸受327a、327bによって各軸部330a、330bを回転自在に軸支されたスパイラルギヤ330と、一方の軸受327bから外側に突出したスパイラルギヤの一方の軸部330bに軸心を固定され、且つ出力ギヤ326と噛合する従動ギヤ328と、駆動機構ホルダ323の2つの側壁323aの底部間に差し渡されて直線的に且つ水平に伸びるガイドレール323bと、ガイドレール323bと係合する被ガイド部340aを下部に有してガイドレールに沿って直線移動すると共に、スパイラルギヤ外周の螺旋ギヤ部330cと噛合する雌ネジ部(螺子穴)340bを有したスライド部材340と、2つの伸縮機構302A、302Bの間に配置された状態で下部ベース160上に固定配置されたガイド部材350と、を概略備えている。
【0054】
昇降部材ガイド手段301は、複数のリンク302a、及び複数のピン302bにより構成される一対のパンタグラフ式の伸縮機構302A、302Bを有する。
図31の手前側の伸縮機構302Aの最下部の一方のリンク端部に設けた支持穴302cには、スライド部材340の側面から突設した連結ピン340cが固定される一方で、同じ最下部のリンク端部から突設した被ガイドピン302dはガイド部材350に設けた直線状のガイド長穴350aにスライド自在に遊嵌される。伸縮機構302Aの最下部の他方のリンク端部に設けた支持穴302e内にはガイド部材350に設けた嵌合ピン350bが回転自在に遊嵌する。
【0055】
他方の伸縮機構302Bの最下部の一方のリンク端部から突設した被ガイドピン302dはガイド部材350に設けた他方の直線状のガイド長穴350aにスライド自在に遊嵌される。伸縮機構302Bの最下部の他方のリンク端部に設けた支持穴302e内にはガイド部材350に設けた他方の嵌合ピン350bが回転自在に遊嵌する。
ガイド部材350は、ガイド長穴350aと嵌合ピン350bを一つずつ有した2つの部材を連結した左右対称形状を有している。
各伸縮機構302A、302Bは、支持穴302eを有した最下部のリンクを嵌合ピン350bにより回動自在に軸支される一方で、一方のリンク端部に設けた被ガイドピン302dを各ガイド長穴350aによってスライド自在に支持される。このため、スライド部材340がガイドレール323bに沿って直線的に進退すると、各伸縮機構302A、302Bは、伸縮動作することになる。
【0056】
次に、各伸縮機構302A、302Bの最上部の一方のリンクの端部に設けたピン302f間は棒状(筒状)の連結片302gにより回動自在に連結されている。また、各伸縮機構302A、302Bの最上部の他方のリンクの端部に突設した各スライドピン302hは、昇降部材320の対向する2つの側面に突設した横長の凸部321に設けた横長のガイド長穴321a内に夫々スライド自在に遊嵌することにより、各伸縮部材の伸縮動作に応じてガイド長穴321a内を往復動作しつつ昇降部材320を昇降させるための駆動力を伝達する。
駆動機構ホルダ323の上部に固定されたモータ325を駆動することにより出力ギヤ326が回転すると、その駆動力は従動ギヤ328を介してスパイラルギヤ330に伝達されてこれを各軸部330a、330bを中心として回転させる。
スパイラルギヤ330はスライド部材340の雌螺子340b(雌螺子穴)内に入り込んで外周面の螺旋ギヤ部330cを螺合させているため、スパイラルギヤ330が正逆回転すると、スライド部材340は駆動機構ホルダ323に設けたガイドレール323bに沿って直線的に進退する。
スライド部材340の連結ピン340cは各伸縮機構302A、302Bの支持穴302c内に遊嵌することにより被ガイドピン302dと連結されているため、スライド部材340の横方向への駆動力により被ガイドピン302bはガイド部材350の各ガイド長穴350aに沿って移動し、各伸縮機構を伸縮(上下動)させる。
【0057】
なお、ギヤ部材115を駆動するための機構は、第2の実施形態と同様である。即ち、ギヤ部材115を駆動するための機構は、下部ベース部160上に立設固定された駆動機構ホルダ120により支持されたモータ125と、モータ125の上部に突出した出力軸に一体化された出力ギヤ126と、駆動機構ホルダ120に設けた下部軸受121と上部軸受122により回転自在に軸支された回転軸部材127と、出力ギヤ126と噛合してモータからの駆動力を受け、且つ回転軸部材127の上部により軸心を固定的に支持された従動ギヤ130と、を有する(
図32、
図33参照)。
なお、ギヤ部材115は軸受部321を介して連結された回転しない昇降部材320に対して相対回転が可能である一方で、従動ギヤ130と常時噛合しているため、モータ125が上昇方向へ駆動されたときにギヤ部材115も回転する。従動ギヤ130の縦方向へ延びるギヤ部とギヤ部材115のギヤ部とはスプライン結合になっていて、位置が固定された従動ギヤ130に対してギヤ部材115は相対的に上下動することができる。このため、昇降部材320の上下動に連動してギヤ部材115はスムーズに上下動することができる。ギヤ部材115は、軸受部110を介して昇降部材320と分離されているため、ギヤ部材115は昇降部材に対して回転することができる。その結果、従動ギヤ130のギヤ部とギヤ部材115のギヤ部との摺動抵抗が大幅に減殺されるため、ギヤ部材115のギヤ部が従動ギヤ130のギヤ部に沿ってスムーズに上下動することができる。回転軸部材127と従動ギヤとの間に図示しないトルクリミッタを介在させることにより、従動ギヤとギヤ部材115との噛合部に過大な負荷が加わることを防止するようにしてもよい。
【0058】
昇降部材ガイド手段251は、参照する
図27に示すように、中心部に棒状部251aを有し、棒状部251aの外径側に所定のギャップを隔てて同心状に筒状部251bを有する。昇降部材320の内周面は筒状部251bの外周面と接触することにより、安定した軌道により上下動することができる。棒状部251aの外周面、即ち棒状部と筒状部との間の円筒状のギャップ内にはコイルバネ(螺旋部材付勢用の弾性部材)253が配置されており、コイルバネ253は昇降部材320を上方に突出させる方向へ付勢する。
【0059】
図27に示すように、本例では、コイルバネ253の外周面と筒状部251bの内周面との間に円筒状のバネホルダ255が配置されている。バネホルダ255の上部開口の内面には雌螺子部255aが形成されており、この雌螺子部255aには蓋部材255bに突設した円筒状の雄螺子部255cが螺着する。蓋部材255bは雄螺子部255cの内側でコイルバネ253の上部を支持しており、コイルバネを筒状部251b内に配置した状態で蓋部材255bをバネホルダ255の上部開口に螺着することにより、コイルバネがバネホルダを常時上向きに付勢した状態となる。また、蓋部材255bの中心部には雌螺子部が設けられており、雌螺子部は昇降部材320の上部に設けた穴を介してボルト259によりバネホルダ255の上部を昇降部材320に固定するのに用いられる。
筒状部251bの外面には所定の周方向ピッチでガイド溝251b−1が上下方向へ伸びており、このガイド溝内には昇降部材320の内周面から突出した被ガイド突条がスライド自在に嵌合されることにより、昇降部材320の回転を阻止しながら上下方向への移動を許容する。
第1の実施形態と同様に、ギヤ部材115の上面中央に形成した多角形状の凹所115a内に、中心部材70の下面中央から突設した多角形の嵌合突起70bを嵌合させることにより、ギヤ部材115は中心部材70を含めた装飾体ユニット60と一体的に回転することができる。
【0060】
演出ボタン50、及び装飾体ユニット60が
図29、
図32に示した第1位置にある時には、モータ325がスライド部材340を
図32、
図34(a)、
図35(a)に示した退避位置(右端寄り位置)に位置させているため、昇降部材320はコイルバネ253の付勢に抗して最下降位置に保持されている。この状態では、ギヤ部材115、演出ボタン50、及び装飾体ユニット60は第1位置にある。制御手段からの指令によりモータ325をオンして上昇方向へ回転させると、コイルバネ253のサポートによって昇降部材320が上方へ突出する。即ち、スパイラルギヤ330が上昇方向へ回転開始することによって退避位置にあったスライド部材340が反対方向へ移動を開始するため、
図34(b)(c)の順で各伸縮機構302A、302Bを伸長させて昇降部材320を上昇させる。
昇降部材320が上方に突出すると、昇降部材上に搭載されたギヤ部材115が上昇するため、それまで第1位置にあった演出ボタン50、及び装飾体ユニット60も第2位置に上昇する(
図34(b)(c)、
図35(b))。
【0061】
図32、
図34(a)、
図35(a)に示した第1位置から
図33、
図34(c)、
図35(b)に示した第2位置に移動する過程、或いは第2位置に達した時点において、図示しない制御手段からの指令によりモータ125が回転すると、出力ギヤ126、従動ギヤ130を介して伝達された駆動力がギヤ部材115を回転させる。このため、演出ボタン50、及び装飾体ユニット60は回転しながら上昇する。昇降部材320の上昇に際してはコイルバネ253が上昇をサポートする。
装飾体ユニット60が第1位置から第2位置へ上昇する過程で、出没部材65は出没ガイド部材180によりガイドされつつ出没穴63から外部へ突出して演出を行い、装飾体ユニット60が第1位置へ下降する過程では出没部材65が出没穴63内に退避することは前記第1の実施形態と同様である。
【0062】
図34(c)に示した第2位置においては、各伸縮機構302A、302Bは最も伸長した状態にあるが、この状態でモータ325を逆転させて下降方向へ回転させると、スライド部材325が退避位置に向けて復帰するため、各伸縮機構302A、302Bが
図34(b)(a)の順序で収縮し、昇降部材320を下降させる。
なお、上部ベース部150、下部ベース部160、底板161、固定部材165、包囲部材170、出没ガイド部材180等の構成は、第1の実施形態と同様である。
このように本実施形態に係る演出ボタン装置においても、皿ユニットに設けた演出ボタンを出没動作させる過程でその外観形状を変形させることにより、遊技者の興趣を高めて、退屈感をもたらさないようにすることができる。
【0063】
具体的には、演出ボタン操作有効期間において、遊技者が上カバー片201の上面を押圧することにより演出ボタン(演出ボタン検出部のスイッチ部52a)が押下げ操作されると、その押下げ操作が検知されて特有の遊技演出が実行される。こうして、遊技者の遊技参加感と共に遊技の演出効果が高められる。
更に本実施形態では、期待度が更に一段と高いレベルに達したときに、制御手段は駆動機構(制御手段)300を作動させて演出ボタン50、及び装飾体ユニット60を第2位置(突出位置)に移動させると共に、装飾体ユニット60の各出没穴63から出没部材68が外径方向へ突出した状態を遊技者に視認させることにより、更に変化に富んだ演出効果を発揮させて期待度が更に高くなっていることを遊技者に知らせることができる。
【0064】
<第1の本発明:第4の実施形態>
次に、
図36乃至
図38に基づいて第1の本発明の第4の実施形態に係る演出ボタン装置について説明する。
図36は第4の実施形態に係る装飾体ユニットの外観斜視図であり、
図37はこの装飾体ユニットの分解斜視図であり、
図38(a)及び(b)はこの装飾体ユニットの動作を説明するための要部断面図である。
なお、演出ボタン、及び装飾体ユニット以外の構成(駆動機構、カバー部)は、第1の実施形態の対応する構成をそのまま採用することができるため、第1の実施形態の説明、及び各図面を参照しつつ説明する。
【0065】
また、上記第1の実施形態に係る演出ボタン装置の各構成要素(装飾体ユニット、演出ボタン等)と同一部分には同一符号を付して説明する。
演出ボタン50は、皿ユニット5の上面に開口形成された通穴(ボタン穴)7内に収容されて通穴7内に最も退避(下降)した第1位置と、第1位置よりも突出した第2位置とを含めた出没経路に沿って進退移動する。第2位置は、演出ボタンの最上昇位置である必要はなく、単なる通過点としてもよい。
演出ボタン50は外周面下部に螺旋状の螺子部55を有しており、螺子部55は環状の装飾体ユニット370の中心穴372の内周面下部に設けた螺旋状の雌螺子部372aと螺合する。
図38に示すように演出ボタン50は螺子部55を雌ネジ部372aと螺合させた状態で装飾体ユニットの中心穴372内に装着されることにより、装飾体ユニット370と一体化される。
このため、図示しない駆動機構によって装飾体ユニット370が回転しながら上下動する際に、演出ボタン50も一体的に回転しながら昇降する。
【0066】
演出ボタン50は、下部ガイド部の固定部56と、固定部56により上下動自在に支持された可動部57と、可動部57を上方に付勢する弾性部材58と、を概略備えている。螺子部55は固定部56の外周面に設けられている。
固定部56の上面には固定側端子56aを設け、可動部57の固定側端子と対向する下面には可動側端子57aが設けられている。また、固定部の上面中央から伸びる中空筒状のガイド部56bの外周面によって可動部の下部から内径方向へ伸びる環状の被ガイド部57bがスライド自在にガイドされる。弾性部材58が可動部を上向きに付勢しているため、可動部上面から押圧力が加わっていない状況では固定側端子56aに対して可動側端子57aは非接触状態にあるが、遊技者が可動部上面を所定以上の力で押圧すると、可動部が弾性部材に抗して下降するため、固定側端子56aに対して可動側端子57aが接触する。固定側端子と可動側端子が導通することにより、図示しないオン信号が図示しない制御手段に出力される。
つまり、演出ボタン50の上面(可動部57の上面)を押圧した時に演出ボタンがオンされたことを制御手段に報知すると同時に、演出ボタン50は皿ユニット上面(通穴7)に対して押し込まれた状態となる。
【0067】
装飾体ユニット370は、中心穴372の下部内周に雌ネジ部372aを有すると共に、外周面に所定のピッチで演出部材380を軸支する軸支部373を有したベース部371と、軸支部373によって上下方向へ揺動自在に一端部の穴380aを軸支された演出部材380と、備えている。演出部材380の他端にはローラ380bが回転自在に支持されている。また、演出部材は図示しないバネによって軸支部373を中心として下方(外径側)へ回動するように付勢されている。
内部に演出ボタン50を収容した装飾体ユニット370は、中央に挿着穴385aを有した外側ガイド部材385によって上下動自在に支持されている。外側ガイド部材385は、皿ユニット5の通穴7内に固定される。
【0068】
外側ガイド部材385は、円筒部386aと、上へ向かうほどラッパ状に外径が拡開する出没ガイド部材386bとを備えており、
図38(a)に示すように装飾体ユニット370が挿着穴385a内の最下降位置にある時には挿着穴の内壁によって演出部材380のローラ380bが上方(内径側)へ退避させられている。一方、図示しない駆動機構(制御手段)によって装飾体ユニットが押し上げられた場合には、同図(b)に示すように演出部材のローラ380bが出没ガイド部材386bの内面に沿って拡開する方向へ回動することができ、外側ガイド部材385の外径側に放射状に突出した演出状態を実現する(
図36)。
このように本実施形態に係る演出ボタン装置では、皿ユニットに設けた演出ボタンを出没動作させる過程でその外観形状を変化させることにより、遊技者の興趣を高めて、退屈感をもたらさないようにすることができる。
【0069】
具体的には、演出ボタン操作有効期間において、遊技者が図示しない上カバー片201の上面を押圧することにより演出ボタンが押下げ操作されると、その押下げ操作が検知されて特有の遊技演出が実行される。こうして、遊技者の遊技参加感と共に遊技の演出効果が高められる。
更に本実施形態では、期待度が更に一段と高いレベルに達したときに、制御手段は駆動機構を作動させて演出ボタン50、及び装飾体ユニット370を第2位置(突出位置)に移動させると共に、それまで退避位置にあった演出部材380が外径方向へ突出した状態を遊技者に視認させることにより、更に変化に富んだ演出効果を発揮させて期待度が更に高くなっていることを遊技者に知らせることができる。
【0070】
<第1の本発明:第5の実施形態>
次に、
図39乃至
図52に基づいて第1の本発明の第5の実施形態に係る演出ボタン装置について説明する。
図39乃至
図42は第5の実施形態に係る演出ボタン装置の一部を省略した外観斜視図であり、
図43は本発明の演出ボタン装置全体の分解斜視図であり、
図44は演出ボタン装置の一部の分解斜視図であり、
図45乃至
図47は演出ボタン装置の正面側縦断面図であり、
図48は装飾体ユニットと駆動機構の構成を示す縦断面斜視図であり、
図49(a)(b)及び(c)は駆動機構による装飾体ユニットの駆動手順を示す縦断面斜視図であり、
図50(a)(b)及び(c)は駆動機構による装飾体ユニットの駆動手順を示す一部平面図であり、
図51(a)及び(b)は駆動機構による装飾体ユニットの駆動手順を縦断面斜視図であり、
図52(a)及び(b)は駆動機構による装飾体ユニットの駆動手順を示す正面縦断面図である。
なお、第1の実施形態に係る演出ボタン装置と同一部分には同一符号を付し、第1の実施形態との相違点を中心として説明する。
【0071】
本発明に係る演出ボタン装置10は、
図1に示した遊技盤12の下方において前方に突出した皿ユニット5に設けた通穴7(
図45乃至
図47参照)と、通穴7内に最も退避(下降)した第1位置と該第1位置よりも通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する演出ボタン(第1演出部)50と、少なくとも演出ボタン50が第2位置に達したときに作動して演出動作する装飾体ユニット(第2演出部、第2演出手段)400と、演出ボタン50、及び装飾体ユニットを個別に又は連動して動作させる駆動機構(制御手段)450と、を備え、第1位置にあった演出ボタン50が第2位置に達した時に、装飾体ユニットは演出ボタンの出没方向と交差する方向、その他の方向へ移動したり、変形して演出を行うことが特徴的である。
これを言い換えれば、演出ボタン装置10は、演出ボタン50と、演出ボタンの下部に固定的に、又は相対動作可能に連設された装飾体ユニット400と、演出ボタン50、及び装飾体ユニット400を個別に、又は連動して動作させる駆動機構450と、皿ユニット5の上面と略面一状態に配置される板状の上部ベース部150と、通穴7の内奥部に配置されて駆動機構450を支持する下部ベース部160と、皿ユニット5の上方において出没動作(上下動作)する演出ボタン50及び装飾体ユニット400の外面を包囲するように配置されて上下動するカバー部200と、を概略備えている。
【0072】
図43乃至
図52に示すように、装飾体ユニット400は後述する駆動機構450によって回転駆動される内筒401と、内筒401の外周側に図示しないベアリング、その他の低摩擦材を介して配置されることにより内筒と連動して上下動すると共に、回転が禁止された外筒410と、外筒410の上端外周縁部から外径側に突出したフランジ部410a上に周方向に所定のピッチで突設された軸部410bにより夫々軸心を回転自在に軸支されたピニオンギヤ415と、各ピニオンギヤ415の上面中心から一体的に突設された突出部415aから横方向(水平)に突設された演出部材としての棒状片415bと、内筒401の上端外周縁部から外径方向に向けて鍔状に形成されて各ピニオンギヤ415と同時に噛合する上部リングギヤ部402と、内筒の下端内周縁から内径側に鍔状に突設された下部リングギヤ部403と、を概略備えている。
内筒の下部リングギヤ部403が駆動機構によって回転駆動されると、上部リングギヤ部402が各ピニオンギヤ415を回転させて棒状片415bを回動させる。
なお、隣接する各ピニオンギヤ415に設けられた棒状片415bの高さ位置を交互に異ならせることにより、隣接する棒状片同志が回動する時に干渉しないようにしている。この構成によれば、狭いスペース内であっても、各棒状片の長さを可能な限り長くすることができる。各棒状片415bは
図39、
図40、
図42等に示した内径側への退避位置と、
図41に示した外径側への突出位置との間で水平方向に回動することにより演出を実現する。
【0073】
また、内筒401と外筒410は、外筒の外径側に配置された螺旋昇降部材470が上昇する際に押し上げられて上昇するが、螺旋昇降部材470の下降時には内筒401と外筒410は自重、或いは図示しない引下げ用の弾性部材によって下降する。外筒410は回転しないため、下部ベース部160との間に引下げ用の弾性部材を配置することにより下方へ付勢することができる。内筒401は外筒410に対して回転する一方で、外筒と一体的に上下動するように、図示しないストッパにより外筒に対する相対的な上下動を禁止する。
【0074】
駆動機構450は、演出ボタン50、及び装飾体ユニット400を個別に、又は連動して動作させる手段であり、本例では、演出ボタン50、及び装飾体ユニット400を
図45に示した第1位置と
図46、
図47に示した第2位置との間で昇降させながら、装飾体ユニットを構成する棒状片(演出部材)415bを回動させる手段である。
駆動機構450は、下部ベース部160の中央部に下部を固定されて上向きに突出する螺旋部材ガイド手段451と、螺旋部材ガイド手段451によって内周を回転不能且つ上下動自在に支持されて外周面に螺旋状部455aを有した螺旋部材455と、螺旋部材455の上部に下部を同軸状に組み付けられて一体的に上下動する昇降中心部材460と、下部ベース部160上に立設固定されたモータホルダ465により支持されたモータ466と、モータ466の上部に突出した出力軸に軸心を一体化され、外周の螺旋ギヤ部で螺旋部材455の螺旋状部455aと噛合した螺旋ギヤ467と、を有する。
モータ466の正逆転によって螺旋ギヤ467が正逆転することにより、回転を規制された螺旋部材455は螺旋部材ガイド手段451の外周面に沿って昇降する。
【0075】
図43、
図44、
図48に示すように、昇降中心部材460の側面には二本の突条を上下方向へ配置した係止溝460aが設けられており、この係止溝460a内には外筒410の内周面から突出した被係止片410cの先端が嵌合されることにより、外筒410の回転を阻止すると共に、上下方向への移動を許容する。
下方が開放した中空の螺旋部材455は、下部ベース部160の上面に下部を固定されて上方に突出した螺旋部材ガイド手段451によって内部を上下動自在、且つ回転不能に支持されている。
【0076】
螺旋部材ガイド手段451は、中心部に棒状部451aを有し、棒状部451aの外径側に所定のギャップを隔てて同心状に筒状部451bを有する。螺旋部材455の内周面は筒状部451bの外周面と接触することにより、安定した軌道により上下動することができる。棒状部451aの外周面、即ち棒状部と筒状部との間の円筒状のギャップ内にはコイルバネ(螺旋部材付勢用の弾性部材)457が配置されており、コイルバネ457は螺旋部材455を上方に突出させる方向へ付勢する(
図45乃至
図47)。
螺旋部材ガイド手段451が螺旋部材455を回転不能、且つ上下動可能に支持する構成は、例えば筒状部451bの外周面に設けた上下方向へ伸びる縦溝内に螺旋部材内周面に設けた上下方向へ伸びる突条を嵌合させる等により実現できる。螺旋部材455が回転しない結果、螺旋部材上に配置された昇降中心部材460も回転せずに昇降する。
【0077】
図43、
図45乃至
図47に示すように、本例では、コイルバネ457の外周面と筒状部451bの内周面との間に円筒状のバネホルダ458が配置されている。バネホルダ458の上部開口の内面には雌螺子部(
図17中の雄螺子部108aに相当)が形成されており、この雌螺子部には蓋部材458b(
図17中の蓋部材108bに相当)に突設した円筒状の雄螺子部(
図17中の雄螺子部108cに相当)が螺着する。蓋部材458bは雄螺子部の内側でコイルバネ457の上部を支持しており、コイルバネを筒状部451b内に配置した状態で蓋部材458bをバネホルダ458の上部開口に螺着することにより、コイルバネがバネホルダを常時上向きに付勢した状態となる。また、蓋部材458bの中心部には雌螺子部が設けられており、雌螺子部は螺旋部材455の上部に設けた穴455bを介してボルト459によりバネホルダ458の上部を螺旋部材455に固定するのに用いられる。
【0078】
更に駆動機構450は、外筒410の外周面に内周面を対向させた状態で外筒と同軸状に配置された円筒状の螺旋昇降部材470と、下部ベース部160上に固定されたモータホルダ475によって支持されたモータ476と、モータホルダ475により回転自在に軸支されてモータの出力ギヤ476aによって回転駆動される従動ギヤ477と、従動ギヤ477の上方に同軸状に配置されて従動ギヤの軸心と一体化された軸方向長の長い第1の長尺ギヤ部材478と、を有する(
図43、
図44)。
軸方向に貫通した円筒体である螺旋昇降部材470は、外筒410のフランジ部410aの下面に上端部を接触させた状態で外筒と一体的に上下移動すると共に、回転を禁止された外筒に対して螺旋昇降部材470は回転する。螺旋昇降部材470の外周面には螺旋溝470aが形成され、下端部外周にはフランジ状の環状ギヤ部470bが形成されている。
【0079】
上下幅が短い環状ギヤ部470bは、高さ位置が固定された第1の長尺ギヤ部材478と常時噛合しており、第1の長尺ギヤ部材が正逆回転することにより、環状ギヤ部470bを介して駆動力を受けて螺旋昇降部材470は正逆回転する。螺旋溝470aが後述する包囲部材170の上部に設けられた螺旋溝ガイド部174(
図45等)と噛合することにより、螺旋昇降部材470は、螺旋溝ガイド部に沿って回転しながら昇降する。第1の長尺ギヤ部材478の縦方向へ伸びるギヤ部は、同方向へ伸びる環状ギヤ部470bとスプライン結合しているため、螺旋昇降部材470は、環状ギヤ部470bを介して第1の長尺ギヤ部材478からの回転駆動力を受けながら、螺旋ガイド部174に螺旋溝470aをガイドされることにより上下動することができる。なお、第2の長尺ギヤ部材478とその回転軸との間にトルクリミッタを配置して、環状ギヤ部470aとの間に過大な負荷が加わった時に第2の長尺ギヤ部材がその回転軸に対して空転するようにしてもよい。
なお、第1の長尺ギヤ部材478のギヤ部と、環状ギヤ部470bは、摩擦係数が十分に小さい樹脂材料等によって構成すると共に、潤滑剤を用いて摩擦抵抗を低減してもよい。
螺旋昇降部材470が昇降することにより、外筒410、及び内筒401も昇降することができる。螺旋昇降部材470が下降する際には、外筒410、及び内筒401は自重により下降する。なお、外筒410は、螺旋昇降部材470と共に昇降するが、昇降中心部材460の係止溝460aにより回転しないように規制されている。
【0080】
更に、駆動機構450は、下部ベース部160上に立設固定されたモータホルダ480により保持されたモータ481と、モータホルダ480により下部を回転自在に軸支され、中間部にモータの出力ギヤ481aと噛合した従動ギヤ483の軸心を固定し、且つ上部にて第2の長尺ギヤ部材484の軸心を固定した回転軸部材485と、全長に亘って縦長のギヤ部を有した第2の長尺ギヤ部材484と、を有する(
図43、
図44)。
高さ位置が固定された第2の長尺ギヤ部材484は、内筒401内部に入り込み、その内周下部に形成した下部リングギヤ部403と常時噛合して内筒を回転させる。
【0081】
第2の長尺ギヤ部材484が正逆回転することにより、その駆動力を下部リングギヤ部403を介して受けることにより内筒401は正逆回転する。内筒401の外周面が軸受部材、低摩擦部材等を介して回転しない外筒410の内周面により支持されているため、内筒は外筒に対して回転する。第2の長尺ギヤ部材484の縦方向へ伸びるギヤ部は、下部リングギヤ403とスプライン結合しているため、内筒401は、下部リングギヤ403を介して第2の長尺ギヤ部材484からの回転駆動力を受けながら回転し、かつ昇降することができる。
なお、第2の長尺ギヤ部材484のギヤ部と、下部リングギヤ部403は、摩擦係数が十分に小さい樹脂材料等によって構成する。第2の長尺ギヤ部材484と、その軸部との間に図示しないトルクリミッタを配置して過大な負荷を解消するようにしてもよい。
【0082】
演出ボタン50、及び装飾体ユニット400が
図45に示した第1位置にある時には、螺旋ギヤ467により押し下げられている螺旋部材455はコイルバネ457の付勢に抗して最下降位置にある。図示しない制御手段からの指令によりモータ466が演出ボタン50、及び装飾体ユニット400を上昇させる方向に回転すると、螺旋ギヤ467が回転する(
図40、
図46)。このため、螺旋ギヤ467と噛合する螺旋部を有した螺旋部材455は回転せずに筒状部451bの外周面に沿って上昇する。螺旋部材455の上部に搭載された昇降中心部材460は、回転しない状態で螺旋部材と共に上昇する。螺旋部材の上昇に際してはコイルバネ457が上昇をサポートする。
【0083】
次に、上部ベース部150、下部ベース部160の構成は、第1の実施形態と同様である。
包囲部材170の構成、動作は、第1の実施形態とほぼ同様であり、中空筒状の包囲部材本体171と、包囲部材本体171の上部に固定されて上部ベース部150の下面と固定される環状の連設環状体173と、を備える。
連結環状部材173の内周には、螺旋溝470aと噛合する螺旋溝ガイド部174を設けることにより、螺旋昇降部材470を安定した軌道に沿って回転させながら昇降させる。
カバー部200の構成は
図6、
図7、
図8、
図18、
図19に基づいて説明したものと同様である。
図45に示したように演出ボタン50、及び装飾体ユニット400が第1位置(通常操作位置)に下降している時にはカバー部200は全体として最下降位置にあるが、
図45、
図46、
図47に示したように演出ボタン50が第2位置(上昇位置)達している時にはカバー部200は上昇位置に押し上げられる。カバー部200が上昇位置にある時に、遊技者は内部で動作する演出ボタン50、及び装飾体ユニット400に対して直接手指を触れることが出来ないため、手指を怪我することがない。
【0084】
次に、第5の実施形態に係る演出ボタン装置の動作について説明する。
演出ボタン50及び装飾体ユニット400を、
図45に示した第1位置(通常操作位置)に退避させておく場合にはモータ466を下降方向へ駆動して螺旋ギヤ467により螺旋部材455を最も下降した位置まで移動させて停止させる。第1位置にある時には、上下動しない螺旋ギヤ467は、相対的に螺旋部材455の上部に位置している。
演出ボタン50、及び装飾体ユニット400が第1位置にある時には、各ピニオンギヤ415に設けられた棒状片415bが
図39、
図49(a)、
図50(a)に示した退避位置に停止するようにモータ481が制御される。即ち、この時、内筒401は、下部リングギヤ部403を介して第2の長尺ギヤ部材484からの回転駆動力を受けていないために、各棒状片415bが退避位置で停止し続けるように各ピニオンギヤ415の回転角度を保持している。
【0085】
次に、演出ボタン50を、
図46に示した第2位置に突出させる場合にはモータ466を上昇方向へ駆動して螺旋ギヤ467により螺旋部材455を第2位置まで移動させる。この第2位置では、上下動しない螺旋ギヤ467は相対的に螺旋部材455の下部に位置している。
図45のように演出ボタン50、及び装飾体ユニット400が通常操作位置にある状態で、例えば画像表示装置17に演出ボタンを操作すべき旨のメッセージが表示されたときに操作が有効とされ、期待度が高い状態にあることを遊技者は知ることができる。この演出ボタン操作有効期間において、遊技者が上カバー片201の上面を押圧することにより演出ボタン(演出ボタン検出部のスイッチ部52a)が押下げ操作されると、その押下げ操作が検知されて特有の遊技演出が実行される。
更に本実施形態では、期待度が更に一段と高いレベルに達したときに、
図46、
図47に示した特有の遊技演出を実施する。こうして、遊技者の遊技参加感と共に遊技の演出効果が高められる。
【0086】
まず、
図46では、制御手段は、駆動機構450を作動させて演出ボタン50のみを上昇させた状態で、必要に応じて各棒状片415bを外径方向に突出させたり、退避させる動作を繰り返す。具体的には、内筒401の下部リングギヤ部403を第2の長尺ギヤ部材484によって回転駆動することにより上部リングギヤ部402が各ピニオンギヤ415を所定方向へ所定角度だけ回転駆動させて、それまで退避位置にあった棒状片415bを回動させて外径方向へ突出させる。下部リングギヤ部403を逆転させることにより、突出位置にあった棒状片を退避位置に復帰させる。このような各棒状部材の動作を遊技者に視認させることにより、更に変化に富んだ演出効果を発揮させて期待度が更に高くなっていることを遊技者に知らせることができる。
なお、隣接する各ピニオンギヤ415に設けられた各棒状片415bの高さ位置を交互に異ならせているため、隣接する棒状片同志が回動する時に干渉しない。
また、棒状片の回動角度は、例えば何れか一つのピニオンギヤの軸部に設けたロータリーエンコーダ(角位置センサ)により検知する。
【0087】
次に、制御手段は、モータ476を上昇方向へ回転駆動して第1の長尺ギヤ部材478を上昇方向へ回転させることにより、環状ギヤ部470bを介して螺旋昇降部材470を回転させて上昇させる。螺旋昇降部材470は、外周の螺旋溝470aが包囲部材170の上部に設けられた螺旋溝ガイド部174と噛合することにより、安定した軌道に沿って上下動し、
図46に示した第2位置まで回転しながら上昇する。この状態では、螺旋昇降部材470によって外筒410が押し上げられることにより、棒状片415bは演出ボタンの押しボタン本体50Aの中間高さまで上昇している。
この状態で、制御手段が、内筒の下部リングギヤ部403を第2の長尺ギヤ部材484によって回転駆動することにより上部リングギヤ部402が各ピニオンギヤ415を回転駆動させて、それまで退避位置にあった棒状片415bを回動させて突出動作させる。また、第2の長尺ギヤ部材484を逆転させることにより、突出位置にあった棒状片を退避位置に戻すことができる。
【0088】
図46に示した第2位置にある演出ボタン50、及び装飾体ユニット400を、
図45に示した第1位置に復帰させる場合には、上記と逆の制御を行えばよい。
図49は第2の長尺ギヤ部材484が内筒401を回転させることによって各棒状片415bを回動させる手順を示しており、
図50はその平面図である。
図49(a)、
図50(a)ではモータ481が停止しているために各棒状片415bは内側に退避した位置にあるが、
図49(b)、
図50(b)ではモータが正転して第2の長尺ギヤ部材484を矢印方向へ回転させるため、内筒401が矢印方向へ回転し、この駆動力により各ピニオンギヤ415を突出方向へ回動させて各棒状片を突出させる。
図49(c)、
図50(c)では第2の長尺ギヤ部材484を退避方向に逆転させることにより、各棒状片を退避位置に復帰させている。
【0089】
図51は第1の長尺ギヤ部材478が螺旋昇降部材470を回転させることによって昇降させる手順を示した要部断面斜視図であり、
図50は正面縦断面図である。
図51(a)、
図52(a)では内筒401、及び外筒410を最下降位置(第1位置)に保持した状態とするために、モータ476が螺旋昇降部材470を最下降位置にて停止させている。
図51(b)、
図52(b)は内筒401、及び外筒410を上昇位置(第2位置)に移動させた状態を示しており、最下降位置にあった螺旋昇降部材470を上昇させるためにモータ476が上昇方向へ駆動して第1の長尺ギヤ部材478を回転させることにより、外筒、及び内筒を押し上げている。上昇位置にあった内筒、及び外筒を下降させるには、モータ476を逆転させて第1の長尺ギヤ部材478を下降方向へ回転させる。すると、内筒、及び外筒は自重により下降する。
このように本実施形態に係る演出ボタン装置においても、皿ユニットに設けた演出ボタンを出没動作させる過程でその外観形状を変化させることにより、遊技者の興趣を高めて、退屈感をもたらさないようにすることができる。
【0090】
<第1の本発明:第6の実施形態>
次に、
図53乃至
図58に基づいて第1の本発明の第6の実施形態に係る演出ボタン装置ついて説明する。
図53乃至
図57は本実施形態に係る演出ボタン装置の全体構成を示す外観斜視図であり、
図58(a)(b)及び(b)は装飾体ユニットの動作を説明する一部断面斜視図である。
第6の実施形態は第5の実施形態の変形例であるため、同一部分には同一符号を付し、第5の実施形態との相違点を中心として説明する。
第6の実施形態に係る演出ボタン装置10は、装飾体ユニット500を構成する棒状片(演出部材)を動作させる方向(移動軌跡)が第5の実施形態と異なっている。
即ち、
図53等に示すように、外筒410のフランジ部410a上には周方向に沿って所定のピッチで、内筒の上部リングギヤ402と噛合する第1の傘歯車501が回転自在に軸支されている。また、各第1の傘歯車501の側方に夫々配置したホルダ503には、演出部材としての棒状片505がその一端を上下動可能に軸支されている。更に棒状片を軸支する軸部には第1の傘歯車501と噛合する第2の傘歯車507が軸心を支持されている。
【0091】
第1の傘歯車501の回動軸はフランジ部410aの上面と直交して垂直に伸びており、第1の傘歯車501はフランジ部上面と並行な面に沿って回転する。一方、第2の傘歯車507の軸はフランジ部上面と平行に伸びており、第2の傘歯車はフランジ部上面と直交する平面に沿って回転する。
このような構成を備えるため、第2の長尺ギヤ部材484により内筒の下部リングギヤ403が駆動されると、上部リングギヤ402が回転して第1の傘歯車501、第2の傘歯車507を順次駆動し、下降位置にあった棒状片505を上昇させることができる。
【0092】
図53は演出ボタン50と、装飾体ユニット500が第1位置にある状態を示しており、この状態では各棒状片505は下降している。次いで、
図54は駆動機構450を駆動して演出ボタン50だけを第2位置に上昇させた状態を示しており、この状態では棒状片505は初期位置にある。
図55では内筒401、及び外筒401も上昇しており、各棒状片505は垂直になるまで上向きに回動している。
図56では内筒401、及び外筒401を更に上昇させており、各棒状片505は垂直の状態を維持している。次いで、
図57では垂直状態にあった各棒状片505が演出ボタンの上面に被さるように内側に倒し込んでいる。
なお、図示した棒状片による演出動作は一例に過ぎず、種々のバリエーションを作出することができる。
【0093】
次に、
図58は第2の長尺ギヤ部材484によって棒状片を動作させる手順を示している。
まず、
図58(a)では棒状片(演出部材)は初期状態にあり、外径方向へ突出した水平な姿勢を維持している。(b)では第2の長尺ギヤ部材484が矢印方向へ所定量回転することよって内筒401を矢印方向へ所定角度回転させるため、上部リングギヤ402が回転して第1の傘歯車501、第2の傘歯車507を順次駆動し、下降位置にあった棒状片505を垂直な姿勢に変化させる。更に、第2の長尺ギヤ部材484が同方向へ所定量回転すると、内筒401が更に同方向へ所定角度回転することにより、垂直姿勢にあった各棒状片を内径方向へ90度回動させる。
このように本実施形態に係る演出ボタン装置においても、皿ユニットに設けた演出ボタンを出没動作させる過程でその外観形状を変化させることにより、遊技者の興趣を高めて、退屈感をもたらさないようにすることができる。
【0094】
<第1の本発明:第7の実施形態>
次に、
図59乃至
図63に基づいて第7の実施形態に係る演出ボタン装置について説明する。
図59は本実施形態に係る演出ボタン装置の全体構成を示す分解斜視図であり、
図60は演出ボタン装置の要部分解斜視図であり、
図61及び
図62は演出ボタン装置の縦断面図であり、
図63(a)及び(b)は装飾体ユニットの動作を説明する要部横断面図である。
なお、第1の実施形態の図面、説明を併せて参照し、同一部分には同一符号を付して本実施形態の特徴的な構成を中心として説明する。外観図は
図3乃至
図5等を併せて参照する。具体的には、演出ボタン50、駆動機構100、カバー部200の構成は、第1の実施形態をそのまま流用することができる。
第7の実施形態に係る演出ボタン装置10は、装飾体ユニット(第2演出部)60を構成する出没部材(演出部材)65が、装飾体ユニットが回転する際の遠心力によって演出動作するようにした構成が特徴的である。
【0095】
本発明に係る演出ボタン装置10は、遊技盤12の下方において前方に突出した皿ユニット5(
図1、
図2)に設けた通穴7と(
図61、
図62)、通穴7内に最も退避(下降)した第1位置と該第1位置よりも通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する演出ボタン(第1演出部)50と、少なくとも演出ボタン50が第2位置に達したときに作動して演出動作する装飾体ユニット(第2演出部)60と、演出ボタン50、及び装飾体ユニットを個別に又は連動して動作させる駆動機構100と、を備え、第1位置にあった演出ボタン50が第2位置に達した時に、装飾体ユニットは前記演出ボタンの出没方向と交差する方向、該出没方向、その他の方向へ動作(突出、進退、或いは広がって)して演出を行うことが特徴的である。
これを言い換えれば、演出ボタン装置10は、演出ボタン50と、演出ボタンの下部に固定的に、又は相対動作可能に連設された装飾体ユニット60と、演出ボタン50、及び装飾体ユニット60を個別に又は連動して動作させる駆動機構100と、皿ユニット5の上面と面一状態に配置される板状の上部ベース部150と、通穴7の内奥部に配置されて駆動機構100を支持する下部ベース部160と、皿ユニット5の上方において出没動作(上下動作)する演出ボタン50及び装飾体ユニット60の外面を包囲するように配置されて上下動するカバー部(演出用空間形成部材)200と、を概略備えている(
図59乃至
図62)。
【0096】
本実施形態に係る装飾体ユニット60の構成は、出没部材(演出部材)65を弾性部材68によって突出方向へ付勢しないようにした点を除き、ほぼ第1の実施形態と同様である。出没部材65は、装飾体ユニット60が
図61に示した第1位置にある時には出没ガイド部材180の下部ガイド部181によって出没穴63から外径方向へ突出することを阻止されている(
図63(a))。一方、装飾体ユニット60が
図62に示した第2位置にあり、且つ駆動機構100によって回転駆動されているときには、出没部材65は出没ガイド部材180の上部ガイド部182によって出没穴63から外径方向へ突出する(
図63(b))。
装飾体ユニット60が第2位置から第1位置に下降すると、それまで出没穴63から突出していた出没部材65は上部ガイド部182によってガイドされて引っ込み始め、最後には下部ガイド部181により完全に出没穴内に押し込まれて
図61、
図63(a)の状態に戻る。
なお、装飾体ユニットを構成するケーシング61が一方向に回転する際に出没部材65が出没穴63から遠心力によって突出し易いように、出没穴63をケーシングの半径方向よりも一方の周方向に偏った方向へ傾斜させるようにしてもよい。
なお、遠心力により演出部材が演出動作する構成は、第1の実施形態のみならず、第2乃至第6の実施形態における装飾体ユニット(演出部材)にも適用することができる。
このように本実施形態に係る演出ボタン装置においても、皿ユニットに設けた演出ボタンを出没動作させる過程でその外観形状を変化させることにより、遊技者の興趣を高めて、退屈感をもたらさないようにすることができる。
【0097】
<第1の本発明:その他の実施形態>
上記各実施形態における装飾体ユニットでは、演出部材に出没、回動等、種々の動作を行わせる構成を採っているが、出没、回動等の動作をしない装飾体ユニットを第1演出部の下部に連設しておき、第1演出部の上昇時に装飾体ユニットが通穴7から皿ユニット5の上方に出現だけの構成としてもよい。
例えば、上記実施形態における突出部材65、演出部材380、棒状片415b等を常に突出した状態に保持しておき、第1演出部の上昇時に連動して上昇して皿ユニットの上方に出現させるようにしてもよい。
【0098】
<第1の本発明の構成、作用、効果のまとめ>
第1の本発明に係る遊技機は、遊技盤12よりも遊技者側に突出した演出ユニットと、該演出ユニットにおける第1位置と該第1位置とは異なる第2位置とを含めた経路内を進退する第1演出部50と、少なくとも前記第1演出部が第2位置に達したときに作動して演出動作する第2演出部と、第1演出部、及び前記第2演出部を個別に、又は、連動して動作させる駆動機構と、を備えたことを特徴とする。
言い換えれば、第1の本発明は、遊技者による接触で操作が可能な操作演出手段と、前記操作演出手段により実施される演出であって該操作演出手段における第1の視認態様と該第1の視認態様とは異なる第2の視認態様に変化可能な第1演出と、前記操作演出手段により実施される演出であって少なくとも前記第1演出が第2の視認態様に変化するときに演出作動する第2演出と、前記第1演出、及び前記第2演出を、個別に、又は、連動して制御する制御手段と、前記制御手段により前記第1演出が前記第1の視認態様または前記第2の視認態様に制御されているときにおいても操作演出手段を操作できることを特徴とする。
更に、制御手段により第2演出手段(第2演出)が演出作動されるときに操作演出手段を操作可能としている。
例えば、遊技機は、遊技盤12よりも前方(遊技者側)に突出した皿ユニット5等の演出ユニットと、該演出ユニットに設けた通穴7内に退避した第1位置と該第1位置よりも通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する第1演出部50と、少なくとも第1演出部が第2位置に達したときに作動して演出動作する第2演出部60と、第1演出部、及び第2演出部を個別に、又は、連動して動作させる駆動機構100と、を備えたことを特徴とする。
演出ユニットとしては、皿ユニットの他にも、遊技盤の右、左、上方、又は斜め方向に配置されて前方に突出する部位を全て含むものである。このことは以下に説明する他の発明においても同様である。
【0099】
また、第1演出部50としては、皿ユニット等の演出ユニット上(演出ユニット面)に配置されるチャンスボタンの他に、ダイヤル(回転体)、スライド式操作部、レバー、タッチパネル等を想定することができる。
近年主流のパチンコ遊技機では、遊技者が押下げ操作可能な演出ボタン(演出部)を有する演出ボタン装置(演出装置)が皿ユニットに装備されている。演出ボタン装置は、演出ボタンを突出方向へ付勢するバネを備え、演出ボタンを皿ユニットの上面側から押下げ操作可能に配設されている。
この演出ボタン装置では、演出ボタンが皿ユニットの上面に形成されたボタン孔内に進退可能に嵌合されて、皿ユニットから上方へ突出した所定の通常操作位置に保持されている。この演出ボタンが通常操作位置から押下げ位置へ押下げ操作され、その後操作解除されると、再度、通常操作位置に復帰して保持される。ボタン操作有効期間において、演出ボタンが押下げ操作されると、その押下げ操作が検知されて特有の遊技演出が実行される。こうして、遊技者の遊技参加感と共に遊技の演出効果が高められる。
【0100】
パチンコ遊技機における演出ボタンは、演出ボタンが点滅したり、遊技盤面内にある液晶表示装置に演出ボタンを操作すべき旨のメッセージが表示されたときに操作が有効とされる。演出ボタンには、演出ボタン検出SWが設けられており、この演出ボタン検出SWが遊技者の押下げ操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。また、発光ダイオードを設けることで装飾性を高めるようにした演出ボタンも知られている。
しかし、従来の演出ボタンに付与された演出内容は発光ダイオードが点滅する程度の単純なものであり、興趣を高める上では大きな役割を果たしていなかった。
また、受け皿を備えた皿ユニットとその周辺は、演出用としては有効活用されていなかった。
【0101】
本発明では、第1演出部、及び第2演出部が通常操作位置にある状態で、遊技内容が所定の状態になった時に、期待度が高い状態にあることを遊技者は知ることができる。この演出ボタン操作有効期間において、第1演出部が押下げ操作されると、特有の遊技演出が実行される。こうして、遊技者の遊技参加感と共に遊技の演出効果が高められる。
更に、期待度が更に一段と高いレベルに達したときに、制御手段は第1及び第2演出部を第2位置に移動させると共に、第2演出部を動作させる。この動作を遊技者が視認することにより、更に変化に富んだ演出効果を発揮させて期待度が更に高くなっていることを知ることができる。
【0102】
第1演出部と第2演出部の位置関係は、上下関係であっても良いし、横方向に並置されていてもよいし、種々の態様を想定できる。
第1演出部50が通穴7内に退避した際に、第1演出部の全体が通穴内に没する必要はなく、一部が突出していてもよい。また、第2位置は通過位置であってもよく、第1演出部は第2位置を越えて突出してもよい。
第2演出部60の構成、演出動作としては種々の態様を想定することができ、第2演出部全体が回転、出没、変形したり、その一部が回転、出没、変形する場合を含む。
第1の演出部の出没方向、移動方向は、垂直方向に限らず、斜め上下方向であってもよい(以下の全ての実施形態、以下の全ての他発明に当てはまる)。
【0103】
第1の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第2演出部は、第1演出部が第1位置にある時には非動作状態を維持することを特徴とする。
通常の遊技状態においては、第1演出部を第1位置に保持し、且つ、第2演出部も初期位置において非動作状態を維持する。
第1の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第1演出部が前記第2位置に達した時に、前記第1演出部、又は/及び、前記第2演出部を所定態様となるように演出動作させる。
第1演出部、第2演出部による演出動作の一例として、これらを回転させる態様を挙げることができる。
【0104】
第1の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第2演出部の所定態様の演出動作には、該第2演出部の回転動作と、該第2演出部の少なくとも一部の突出入動作と、を含むことを特徴とする。
第2演出部の演出動作の一例として、回転させつつ、外観の変化を伴う態様を挙げることができる。
第1の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第二演出部は、少なくとも一つの出没穴と、出没穴内に退避した位置と、該出没穴から外部に突出した位置との間を出没自在に構成された出没部材(演出部材)と、を備えていることを特徴とする。
出没部材が出没穴内に退避した状態で、出没部材の少なくとも一部が出没穴から突出、或いは露出していても差し支えない。
第1の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第二演出部は、少なくとも上下方向、横方向、又は斜め方向へ動作する演出部材を備えていることを特徴とする。
第2演出部は、第1の実施形態のように演出部材が横方向へ出没する構成の他に、第4、第5、第6の各実施形態のように上下方向、斜め方向、その他の方向へ動作する構成としてもよい。
【0105】
第1の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第2演出部は、該第2演出部が回転したときの遠心力により演出動作する演出部材を備えていることを特徴とする。
第7の実施形態に示したように、演出部材が格別の駆動手段により動作するのではなく、第2演出部が回転したときの遠心力により演出動作するようにしてもよい。
第1の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第2演出部は、第1演出部の下部に配置されており、該第1演出部の上昇時に皿ユニット上方に出現することを特徴とする。
第1演出部と第2演出部の位置関係としては種々の態様を想定できるが、第1演出部の下部に第2演出部を配置することにより、演出ボタン装置全体の構成をコンパクト化することができ、皿ユニット上のスペースを有効活用することが可能となる。
【0106】
《第2の本発明》
図64は本発明の第2の本発明に係る演出ボタン装置を用いた遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の構成例を示した全体正面図である。
図64において、遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠2と、外枠2により一方の縦辺を回動可能に支持された内枠3と、を備えている。内枠3には遊技球が流下する遊技領域13が形成された遊技盤12が設けられている。内枠3は、遊技盤12の前方(遊技者側)において遊技領域13を視認可能に覆うガラス板(図示しない)を支持している。
【0107】
外枠2には、遊技盤12、遊技盤の背面に固定される図示しないベース枠体、及びベース枠体の背面に固定される画像表示ユニット(画像表示装置、画像表示カバー)からなる図示しない遊技盤ユニットが開閉自在に組み付けられている。
内枠3には、回動操作されることにより遊技領域13に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル4と、皿ユニット(演出ユニット)5と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン装置(演出装置)600等が設けられている。
演出ユニットの一例としての皿ユニット5は、内枠(枠体)3の下側に前方(遊技者側)へ突出して設けられており、皿ユニット5には、複数の遊技球を貯留する受け皿6が設けられている。この受け皿6は、操作ハンドル4の方向側に遊技球が流下するように下りの傾斜を有している。そして、遊技者が操作ハンドル4を回動させると、遊技球が遊技領域13に発射されることとなる。
【0108】
上記のようにして発射された遊技球がレール15a、15b間を上昇して玉戻り防止片15cを超えると、遊技領域13に到達し、遊技領域13内を落下する。このとき、遊技領域13に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
遊技盤12、及び遊技領域13の構成については、
図1と同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
皿ユニット5の上面には、一般的にチャンスボタンと呼ばれる演出ボタン装置600、800が配置されている。演出ボタン装置600、800の操作は、例えば遊技中における特定のリーチ演出に際し、演出ボタン装置600、800の操作を促すガイダンスが画像表示装置17に表示されている間有効となる。
【0109】
<第2の本発明:第1の実施形態>
次に、
図65は第2の本発明の第1の実施形態に係る演出ボタン装置の皿ユニット上における配置例を示す斜視図であり、(a)は演出ボタンが通常操作位置にある状態を示し、(b)は演出ボタンが突出位置にある状態を示している。
図66乃至
図68は本例に係る演出ボタン装置の全体構成を示す外観斜視図であり、
図66は演出ボタン及び演出用空間形成部材の初期状態(通常操作位置状態)を示し、
図67は演出用空間形成部材が反転した状態を示し、
図68は演出ボタン装置が動作した状態を示している。
図69は第1演出部とその駆動機構の分解斜視図であり、
図70、及び
図71は第1演出部用の駆動機構による昇降動作を示す縦断面図であり、
図72(a)(b)及び(b)は第1演出部用の駆動機構による昇降動作を示す斜視図であり、
図73(a)及び(b)は第2演出部全体の分解斜視図、及び一部の分解斜視図であり、
図74(a)(b)及び(c)は演出部材とカバー部の演出動作を示す斜視図であり、
図75乃至
図77は第2演出部の動作を含む演出ボタン装置の正面縦断面図である。
【0110】
第2の本発明に係る演出ボタン装置(演出装置)600は、遊技盤の下方において前方(遊技者側)に突出した皿ユニット(演出ユニット)5と、皿ユニットに設けた第1通穴7内に退避(下降)した第1位置と該第1位置よりも第1通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する第1演出部50と、第1演出部50を動作させる駆動機構650と、第1通穴7とは異なる皿ユニット部位に設けた少なくとも一つの第2通穴601内に配置されて第1演出部と連動して、又は連動せずに、或いは異なったタイミングで演出動作する(出没する)第2演出部(第2演出手段)700と、を備え、700は、第2通穴601から外部へ突出したときに第1演出部50と接近、係合、係止、相互装飾、又は合体し、或いは第1演出部の少なくとも一部にかぶさるように動作することにより、第1演出部の外観を変化(装飾)させる手段である。
【0111】
例えば、700は、第1演出部50の全部又は一部を覆うことにより、遊技機の演出内容に登場するキャラクターの外観を表すようにする。
更に、演出ボタン装置600は、皿ユニット5の上面に形成した第1通穴7内において出没動作(上下動作)する演出ボタン50の外面を包囲するように配置されて上下動するカバー部(演出用空間形成部材)200と、を概略備えている(
図69等)。
図69乃至
図71等に示すように、演出ボタン(第1演出部)50を構成する押しボタン本体50Aの中央上面の凹所内には、演出ボタンが操作されたことを検出するセンサから成る演出ボタン検出部52が設けられており、この演出ボタン検出部52が遊技者の押下げ操作を検出すると検出信号が出力され、この検出信号に基づいて、演出制御基板は更なる演出を行う制御をする。本例では、演出ボタン検出部52の上方にはカバー部200の上面が位置しているため、カバー部の上面を押圧することにより演出ボタン検出部52が押し下げられることになる。
なお、演出ボタン50(演出ボタン検出部)は押下げするタイプに限らず、タッチパネル方式を採用した入力パッド等であってもよい。
【0112】
演出ボタン50を構成する押しボタン本体50Aは、皿ユニット5の上面に開口形成された第1通穴(ボタン穴)7内に収容されて
図65(a)、
図66、
図70、
図75等に示した第1通穴7内に最も退避(下降)した第1位置と、第1位置よりも突出した第2位置(
図65(b)、
図68、
図71、
図77等)とを含めた出没経路に沿って進退移動する。第2位置は、演出ボタンの最上昇位置である必要はなく、単なる通過点としてもよい。
演出ボタン(第1演出部)50を構成する押しボタン本体50Aは、弾性部材54によって上方に付勢されている。このため、押しボタン本体50Aの上面を押圧した時に演出ボタン検出部52がオンすると同時に、押しボタン本体は皿ユニット上面(通穴7)に対して押し込まれた状態となる。押しボタン本体50Aが押し込まれると、押しボタン本体の上面を覆うカバー部200を構成する上カバー片201も押し下げられる。
【0113】
装飾体ユニット(第2演出部、第2演出手段)700は、本例では演出ボタン50の左右両側にそれぞれ配置された第2通穴601内に退避(下降)した第1位置と、各第2通穴601から上方に突出した第2位置との間で進退自在に構成されている。
第1通穴7と第2通穴601の位置関係、形状、個数として図示した構成例は例示に過ぎず、種々のバリエーションが可能である。例えば、第1通穴と第2通穴が連通する一つの穴を形成していてもよい。
【0114】
演出ボタン50を上下動作させる手段である駆動機構(制御手段)650は、下部ベース部680の中央部に下部を固定されて上向きに突出する螺旋部材ガイド手段651と、螺旋部材ガイド手段651によって内周を回転不能且つ上下動自在に支持されて外周面に螺旋状部655aを有した螺旋部材655と、螺旋部材655の上部に下部を同軸状に組み付けられて一体的に上下動する昇降中心部材660と、下部ベース部680上に立設固定されたモータホルダ665により支持されたモータ666と、モータ666の上部に突出した出力軸に一体化され、螺旋部材655の螺旋状部655aと噛合した螺旋ギヤ667と、を有する。
モータ666の正逆転によって螺旋ギヤ667が正逆転することにより、回転を規制された螺旋部材655は螺旋部材ガイド手段651の外周面に沿って昇降する。
【0115】
図69にも示すように、昇降中心部材660の側面には二本の突条を上下方向へ配置した係止溝660aが設けられており、この係止溝660a内には押しボタン本体50Aの内周面から突出した図示しない被係止片の先端が嵌合されることにより、押しボタン部材の回転を阻止すると共に、上下方向への移動を許容する。
図69乃至
図71に示すように下方が開放した中空の螺旋部材655は、下部ベース部680の上面に下部を固定されて上方に突出した螺旋部材ガイド手段651によって内部を上下動自在、且つ回転不能に支持されている。
【0116】
螺旋部材ガイド手段651は、中心部に棒状部651aを有し、棒状部651aの外径側に所定のギャップを隔てて同心状に筒状部651bを有する。螺旋部材655の内周面は筒状部651bの外周面と接触することにより、安定した軌道により上下動することができる。棒状部651aの外周面、即ち棒状部と筒状部との間の円筒状のギャップ内にはコイルバネ(螺旋部材付勢用の弾性部材)657が配置されており、コイルバネ657は螺旋部材655を上方に突出させる方向へ付勢する(
図70、
図71)。
螺旋部材ガイド手段651が螺旋部材655を回転不能、且つ上下動可能に支持する構成は、例えば筒状部651bの外周面に設けた上下方向へ伸びる縦溝内に螺旋部材内周面に設けた上下方向へ伸びる突条を嵌合させる等により実現できる。螺旋部材655が回転しない結果、螺旋部材上に固定された昇降中心部材660も回転せずに昇降する。
【0117】
図69等に示すように、本例では、コイルバネ657の外周面と筒状部651bの内周面との間に円筒状のバネホルダ658が配置されている。バネホルダ658の上部開口の内面には雌螺子部(
図17中の雄螺子部108aに相当)が形成されており、この雌螺子部には蓋部材658b(
図17中の蓋部材108bに相当)に突設した円筒状の雄螺子部(
図17中の雄螺子部108cに相当)が螺着する。蓋部材658bは雄螺子部の内側でコイルバネ657の上部を支持しており、コイルバネを筒状部651b内に配置した状態で蓋部材658bをバネホルダ658の上部開口に螺着することにより、コイルバネがバネホルダを常時上向きに付勢した状態となる。また、蓋部材658bの中心部には雌螺子部が設けられており、雌螺子部は螺旋部材655の上部に設けた穴655bを介してボルト659によりバネホルダ658の上部を螺旋部材655に固定するのに用いられる。
カバー部200の構成は、第1の本発明におけるカバー部と同様であり、演出ボタン50の上面、及び外周面を包囲して演出ボタンと共に上下動する上カバー片(第1カバー片)201と、装飾体ユニット60が皿ユニット5の上面よりも上方に突出した状態にある時にその外面を覆って遊技者の手指が装飾体ユニットに触れないように保護する下カバー片(第2カバー片)210と、を備えている。
【0118】
駆動機構650の両側方の下部ベース680上には、夫々四角い環状の固定ガイド部材681が立設されており、各固定ガイド部材681の下片にはパンタグラフ式の伸縮ガイド部材686の2つの下端部のうちの一方に設けたピン686aを支持する小孔681aと、他方のピン686bを支持する長穴681bとが形成されている。小孔681aは一方のピン686aを回動自在に軸支し、長穴681bは他方のピン686bをスライド自在に支持する。一方、下カバー片210の対向する2つの側面には、伸縮ガイド部材686の2つの上端部のうちの一方に設けたピン687aを支持する小孔210aと、他方のピン687bを支持する長穴210bとが形成されている。小孔210aは一方のピン687aを回動自在に軸支し、長穴210bは他方のピン687bをスライド自在に支持する。このため、カバー部200(201、210)は安定した軌道に沿って昇降することができる。
【0119】
また、2つの固定ガイド部材681の間の下部ベース680上には、カバー部200を昇降させる駆動機構(制御手段)690が配置されている。駆動機構690は、
図66乃至
図69に示すように、下部ベース680上に立設されたギヤホルダ691と、ギヤホルダの外側に固定されたモータ692と、ギヤホルダの上部において回転自在に軸支されてモータの出力ギヤ692aによって回転駆動される従動ギヤ693と、従動ギヤの軸部に一体化された小径のピニオンギヤ693aと、下カバー片210の側部から下方に一体的に伸びてピニオンギヤ693aによって昇降駆動されるラックギヤ694と、を備える。
モータ692を正逆回転することにより従動ギヤ693を回転させると、ピニオンギヤ693aがラックギヤ694を介して下カバー片210を昇降させる。下カバー片の中心孔内に配置された上カバー片201は、押しボタン本体50Aと共に上下動するが、下カバー片の下降時には裾部202を介して押し下げられる。
【0120】
次に、
図73の分解斜視図等に示すように、各第2演出部(装飾体ユニット)700は、第1演出部50の両側方の下部ベース680上に立設された略U字状の支持ベース部材701と、各支持ベース部材701によって回動自在に軸支された演出部材710と、演出部材710を駆動する駆動機構(制御手段)730と、透明、又は半透明なカバー部750と、カバー部を駆動する駆動機構(制御手段)760と、を備えている。
本例では第2通穴601を円形穴としているため、演出部材710は円盤状であり、演出部材に遊技者が手を触れないように覆うためのカバー部750はドーム状(半球状)である。
【0121】
演出部材710は、支持ベース部材701の対向する2つの支持壁702に設けた軸穴702aに軸支された軸部材715を挿通固定する穴710aを有し、この軸部材715を介して支持ベース部材701によって回転自在に支持される。この例では、演出部材710を単なる薄板、且つ円盤状の部材として示しているが、平板である必要はなく任意の形状を備えた部材とする。また、円盤状である必要もなく、第2通穴の形状を変更すれば、穴形状に合わせて演出部材の外形輪郭を任意の形状とすることができる。
演出部材710を円盤とする場合にはその一面、又は両面に図示しない文字、符号等の記号や絵柄を描いたり、キャラクター等を表した立体的なギミックを配置してもよい。演出部材710は、駆動機構730からの駆動力を受けて回転する。
この際、演出ボタン50に文字、符号等の記号や、絵柄を描いたり、演出ボタンの全部、又は一歩の外観、形状をキャラクター等を表した立体的なギミック(装飾体)とすることにより、演出部材710側に表示された記号、形状等などとのコラボレーションによって相互に装飾するようにしてもよい。
カバー部750の裾部に軸部材715の両端部を相対回転可能に挿通する穴750aを有しており、カバー部も軸部材によって回転自在に軸支される。つまり、軸部材715の両端部によりカバー部を回転自在に軸支している。カバー部750の穴750aの外周にはギヤ部750bが形成されており、駆動機構760からの駆動力を受けて回転する。
カバー部750に文字、符号等の記号や、絵柄を描いたり、カバー部の全部、又は一部の外観、形状をキャラクター等を表した立体的なギミックとすることも可能である。
また、演出ボタン50に文字、符号等の記号や、絵柄を描いたり、演出ボタンの外観、形状をキャラクター等を表した立体的なギミックとすることにより、カバー部側に表示された記号、形状等などとのコラボレーションによって相互に装飾するようにしてもよい。
【0122】
次に、駆動機構730は、支持ベース部材701の支持壁702の外面に固定されたモータ731と、穴702aから支持壁702の外側に突出した軸部材715の一端部に軸心を固定され、モータの出力ギヤ731aと噛合した従動ギヤ732と、を備える。従動ギヤ732が回転することにより、従動ギヤと一体の軸部材715が回転し、軸部材と一体の演出部材710が回転する。
駆動機構760は、支持ベース部材701の支持壁702の外面に固定されたモータ761と、穴702bを介して支持壁の内側に突出したモータの出力軸に軸心を固定され、ドームのギヤ部750bと噛合した中間ギヤ762と、を備え、中間ギヤ762がカバー部のギヤ部750bと噛合することによりカバー部を回転させる。カバー部は演出部材710とは独立して回転することができる。
なお、カバー部用の駆動機構760を構成するモータ761と中間ギヤ762との間、或いは中間ギヤ762とギヤ部750bとの間に、図示しないトルクリミッタを設けておくことにより、カバー部750の回転時に過大な負荷が加わったときにトルクリミッタによって駆動力の伝達を遮断してカバー部750の動作を停止させたり、それまでの回転方向とは逆方向に戻るように構成するのが安全対策上好ましい。このように構成すれば、
図74(a)のように第2通穴601内に退避していたカバー部が(c)のように上側に反転移動する際に、遊技者の指と接したとしてもカバー部の回転を停止させたり、逆方向(開放方向)に回転させて安全を図ることができる。
【0123】
次に、
図74はカバー部750と演出部材710とが個別に回転している状態を示している。同図(a)では演出部材710の片面を上向きにする一方で、カバー部750は半球状の外面を下向きにしている。このため、演出部材の一面が露出されている。(b)ではカバー部750を固定した状態で演出部材710を反転させている。演出部材710が180度反転してからカバー部750を180度反転させると同図(c)の状態となる。
図74(a)の状態のままでカバー部だけを180度反転させることもできるし、(c)の状態のままで演出部材710だけを180度反転させることもできる。
また、各モータ731、761を制御することにより回転方向、回転速度、回転タイミングを種々変化させて演出効果を高めることができる。
図74(a)(b)(c)の各状態、更に図示しない演出部材710とカバー部750の他の位置関係において、演出部材上の絵柄、文字、ギミックと、演出ボタン50側の絵柄、文字、ギミック等をコラボレーションさせることにより、遊技盤面上の遊技の進行状況に対応した多様な演出を実現することができる。
【0124】
図75の状態では、第2演出部(第2演出手段)700は
図74(a)の状態にあり、演出ボタン50は第1通穴7内(第1位置)に退避している。この状態では、第2通穴601に第2演出部が収納された状態となっており、第2演出部の上部(演出部材701の一面)が第2通穴を塞ぐことにより、皿ユニット面はフラットとなり、外観上の違和感をなくすることができる。
図76の状態では、演出ボタン50は第1位置にあり、カバー部750はドーム状部分を上方に突出させている(
図74(c)の状態)。
図76の状態で演出部材710を回転させることによる演出を実施してもよい。或いは、第2演出部700は、演出ボタン50(第1演出部50)を装飾せずに、独立して皿ユニット上に突出するものであってもよい。
図77では、演出ボタン50が第2位置に突出し、且つカバー部750内において演出部材710が回転している。演出部材の表裏両面に表示された絵柄、文字、キャラクター、ギミック等を異ならせることにより、演出部材を反転させた時に上面に現れる外観を異ならせることができる。この演出部材の外観を演出ボタン側の外観と相互に装飾(コラボレーション等)させるようにしてもよい。
【0125】
以上のように本実施形態では、演出ボタン(第1演出部)を第1通穴から昇降させる動作に応じて、第2通穴から第2演出部を突出させることにより、演出ボタンとの協働により意外性のある外観を作出して、演出効果(変形の意外性による演出効果)を高めることができる。第2演出部の原位置、原形復帰時には、演出ボタンのみが皿ユニット面に視認できるので、通常の遊技中における違和感がなくなる。
なお、第2演出部を、第1演出部の装飾とは関係なく、独立別個に第2通穴から出現させるように演出してもよい。
また、第1の本発明の各実施形態における第2演出部(第2演出手段)の構成、即ち、各装飾体ユニットの構成を第2の本発明における演出ボタン(第1演出部、第1演出手段)50に組み込んでもよい。具体的には、例えば第2の本発明の本実施形態における演出ボタン50の下部に第1の本発明の第1の実施形態に係る装飾体ユニット60を配置した構成としてもよい。これは以下の全ての実施形態に当てはまることである。
なお、以下の全ての本発明において第1演出部は第1演出手段と同義であり、第2演出部は第2演出手段と同義である。
また、以下の全ての本発明において駆動機構は制御手段と同義である。
【0126】
<第2の本発明:第2の実施形態>
図78(a)乃至(c)は第2の本発明の第2実施形態に係る第2演出部の構成及び動作を示した斜視図であり、
図79(a)乃至(d)は第2演出部の構成及び動作を示した正面図である。
この実施形態は、円盤状の演出部材710の両面に立体的なギミック(装飾体)770、771を配置した構成が特徴的である。
【0127】
図78(a)、
図79(b)、(d)等に示すように、何れかのギミック770、771が上側に位置している時にはカバー部750を上側に位置させることにより、各ギミックを完全に覆うようにしてもよいし、
図78(c)、
図79(a)のように演出部材710が回転を終了して何れか一方のギミックが上側位置に突出し終わった状態ではカバー部750を下方に退避させて覆わないようにしてもよい。
要するに、演出部材が回転している期間中だけカバー部を上側に移動させて演出部材を覆う(演出用空間内に収容する)ように構成することにより、遊技者の手と動作中の演出部材(ギミック)とが接触する事態を防止できる。
【0128】
図79(a)では三日月を象った一方のギミック770が上方に位置しており、遊技盤面上の遊技の進行状態、演出の進行状態に適合した演出を実現している。この際、ギミック770と遊技者との接触を避けるために、(b)のようにカバー部によってギミックを覆っても良い。また、(c)のように突出状態にあるカバー部内において演出部材710を回転させることにより星形の他方のギミック771を上方に出現させることができる((d))。
或いは、カバー部を常時、第2通穴601から上方に突出させることによって演出用空間を第2通穴上に形成しておき、この演出用空間内で可動部材としての演出部材710を動作させるようにしてもよい。
【0129】
次に、
図80(a)乃至(d)は第2演出部における演出部材とカバー部の動作を示した要部縦断面図である。
同図(a)のように一方のギミック770が上方に位置している際にはカバー部750によって覆われていないが、演出部材710を回転させて他方のギミック771を上方に出現させる場合には(b)(c)(d)に示すようにカバー部を回転させてギミック770を覆った状態としてから、カバー部内の演出用空間内で演出部材を回転させる。
なお、カバー部用の駆動機構760を構成するモータ761と中間ギヤ762との間、或いは中間ギヤ762とギヤ部750bとの間に、図示しないトルクリミッタを設けておくことにより、カバー部750の回転時に過大な負荷が加わったときにトルクリミッタによって駆動力の伝達を遮断してカバー部750の動作を停止させたり、逆方向へ戻し回転するように構成するのが好ましい。このように構成すれば、
図80(a)のように第2通穴601内に退避していたカバー部が(b)のように上側に反転移動する際に、遊技者の指等と接したとしてもカバー部の回転を停止させたり、少ない抵抗で逆戻りさせる(押し戻す)ことにより、安全を図ることができる。
【0130】
以上のように本実施形態においても、演出ボタン(第1演出部)を第1通穴から昇降させる動作に応じて、第2通穴から第2演出部を突出させることにより、演出ボタンとの協働により意外性のある外観を作出して、演出効果(変形の意外性による演出効果)を高めることができる。第2演出部の原位置、原形復帰時には、演出ボタンのみが皿ユニット面に視認できるので、通常の遊技中における違和感がなくなる。
【0131】
<第2の本発明:第3の実施形態>
次に、
図81乃至
図96に基づいて第2の本発明の第3の実施形態に係る演出ボタン装置について説明する。
図81は第2の本発明の第3の実施形態に係る演出ボタン装置を用いた遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の構成例を示した全体正面図である。
図81において、遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠(枠体)2と、外枠2により一方の縦辺を回動可能に支持された内枠(枠体)3と、を備えている。内枠3には遊技球が流下する遊技領域13が形成された遊技盤12が設けられている。内枠3は、遊技盤12の前方(遊技者側)において遊技領域13を視認可能に覆うガラス板(図示しない)を支持している。
【0132】
外枠2には、遊技盤12、遊技盤の背面に固定される図示しないベース枠体、及びベース枠体の背面に固定される画像表示ユニット(画像表示装置、画像表示カバー)からなる図示しない遊技盤ユニットが開閉自在に組み付けられている。
内枠3には、回動操作されることにより遊技領域13に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル4と、皿ユニット(演出ユニット)5と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン装置(演出装置)800等が設けられている。
演出ユニットの一例としての皿ユニット5は、内枠3の下側に前方へ突出して設けられており、皿ユニット5には、複数の遊技球を貯留する受け皿6が設けられている。この受け皿6は、操作ハンドル4の方向側に遊技球が流下するように下りの傾斜を有している。そして、遊技者が操作ハンドル4を回動させると、遊技球が遊技領域13に発射されることとなる。
【0133】
上記のようにして発射された遊技球がレール15a、15b間を上昇して玉戻り防止片15cを超えると、遊技領域13に到達し、遊技領域13内を落下する。このとき、遊技領域13に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
遊技盤12、及び遊技領域13の構成については、
図1と同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
皿ユニット5の上面には、一般的にチャンスボタンと呼ばれる演出ボタン装置800が配置されている。演出ボタン装置800の操作は、例えば遊技中における特定のリーチ演出に際し、演出ボタン装置800の操作を促すガイダンスが画像表示装置17に表示されている間有効となる。
【0134】
次に、
図82は第2の本発明の第1の実施形態に係る演出ボタン装置の皿ユニット上における配置例を示す正面側斜視図であり、(a)は演出ボタンが通常操作位置にある状態を示し、(b)は演出ボタンが突出位置にある状態を示している。
図83は本例に係る演出ボタン装置(第1演出部、第2演出部)の全体構成を示す外観斜視図であり、
図84は本例に係る演出ボタン装置の全体構成を示す分解斜視図であり、
図85は第2演出部の構成を示す分解斜視図である。
図86乃至
図90は演出ボタン装置の第1及び第2演出部の構成、及び動作を説明する為の外観斜視図であり、
図86は演出ボタン及び演出用空間形成部材の初期状態(通常操作位置状態)を示し、
図87は演出ボタン装置が第2位置に突出し、且つ演出用空間形成部材が反転開始した状態を示し、
図88は演出ボタンが第2位置に突出し、且つ演出用空間形成部材が180度反転を終了した状態を示し、
図89は演出ボタンが第1位置に退避した状態を示し、
図90は演出用空間形成部材が作動して演出ボタンを包囲した状態を示している。
図91(a)乃至(d)は第2演出部における装飾機構の動作説明図である。
図92乃至
図96は、第2の本発明の第3実施形態に係る演出ボタン装置の構成及び動作を説明するための縦断面図である。
【0135】
本実施形態に係る演出ボタン装置800は、遊技盤よりも遊技者側に突出した皿ユニット5と、皿ユニット(上部ベース部150)に設けた第1通穴7内に退避(下降)した第1位置と該第1位置よりも第1通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する第1演出部50と、第1演出部50を動作させる駆動機構(制御手段)850と、第1通穴7とは異なる皿ユニット(上部ベース部150)部位に設けた少なくとも一つの第2通穴801内に配置されて第1演出部50と連動して、又は連動せずに、或いは異なったタイミングで演出動作する(出没する)第2演出部(第2演出手段)900と、を備え、第2演出部900は、第2通穴801から外部へ突出したときに第1演出部50と接近、係合、係止、相互装飾、又は合体し、或いは第1演出部の少なくとも一部にかぶさるように動作することにより、第1演出部の外観を変化(装飾)させる手段である。例えば、第2演出部900は、第1演出部50の全部又は一部を覆うことにより、遊技機の演出内容に登場するキャラクターの外観を表すようにする。
更に、演出ボタン装置800は、皿ユニット5(上部ベース部150)の上面に形成した第1通穴7内において出没動作(上下動作)する演出ボタン50、及び第2通穴801内から出没動作する第2演出部900の外面を包囲するように固定的、或いは可動的に配置されたカバー部(演出用空間形成部材)200と、を概略備えている。
【0136】
図84等に示すように、演出ボタン(第1演出部)50を構成する押しボタン本体50Aの中央上面の凹所内には、演出ボタンが操作されたことを検出するセンサから成る演出ボタン検出部52が設けられており、この演出ボタン検出部52が遊技者の押下げ操作を検出すると検出信号が出力され、この検出信号に基づいて、演出制御基板は更なる演出を行う制御をする。本例では、演出ボタン検出部52の上方にはカバー部200の上面が位置しているため、押しボタン本体50Aが第2位置にある時、その他の時にカバー部の上面を押圧することにより演出ボタン検出部52が押し下げられることになる。
なお、演出ボタン50(演出ボタン検出部)は押下げするタイプに限らず、タッチパネル方式を採用した入力パッド等であってもよい。
【0137】
演出ボタン50を構成する押しボタン本体50Aは、皿ユニット5の上面に開口形成された第1通穴(ボタン穴)7内に収容されて
図83、
図86、
図89等に示した第1通穴7内に最も退避(下降)した第1位置と、第1位置よりも突出した第2位置(
図82、
図87、
図88等)とを含めた出没経路に沿って進退移動する。第2位置は、演出ボタンの最上昇位置である必要はなく、単なる通過点としてもよい。
演出ボタン(第1演出部)50を構成する押しボタン本体50Aは、弾性部材54によって上方に付勢されている。このため、押しボタン本体50Aの上面を押圧した時に演出ボタン検出部52がオンすると同時に、押しボタン本体は皿ユニット上面(通穴7)に対して押し込まれた状態となる。
【0138】
装飾体ユニット(第2演出部)900は、本例では演出ボタン50の左右両側にそれぞれ配置された第2通穴801内に退避(下降)した第1位置と、各第2通穴801から上方に突出した第2位置との間で進退自在に構成されている。
第1通穴7と第2通穴801の位置関係、形状、個数として図示した構成例は例示に過ぎず、種々のバリエーションが可能である。例えば、第1通穴と第2通穴が連通する一つの穴を形成していてもよい。
演出ボタン50を上下動作させる手段である駆動機構(制御手段)850は、下部ベース部880の中央部に下部を固定されて上向きに突出する螺旋部材ガイド手段851と、螺旋部材ガイド手段851によって内周を回転不能且つ上下動自在に支持されて外周面に螺旋状部855aを有した螺旋部材855と、螺旋部材855の上部に下部を同軸状に組み付けられて一体的に上下動する昇降中心部材860と、下部ベース部880上に立設固定されたモータホルダ865により支持されたモータ866と、モータ866の上部に突出した出力軸に一体化され、螺旋部材855の螺旋状部855aと噛合した螺旋ギヤ867と、を有する。
モータ866の正逆転によって螺旋ギヤ867が正逆転することにより、回転を規制された螺旋部材855は螺旋部材ガイド手段851の外周面に沿って昇降する。
【0139】
図84に示すように、昇降中心部材860の側面には二本の突条を上下方向へ配置した係止溝860aが設けられており、この係止溝860a内には押しボタン本体50Aの内周面から突出した図示しない被係止片の先端が嵌合されることにより、押しボタン部材の回転を阻止すると共に、上下方向への移動を許容する。
図92等に示すように下方が開放した中空の螺旋部材855は、下部ベース部880の上面に下部を固定されて上方に突出した螺旋部材ガイド手段851によって内部を上下動自在、且つ回転不能に支持されている。
【0140】
螺旋部材ガイド手段851は、中心部に棒状部851aを有し、棒状部851aの外径側に所定のギャップを隔てて同心状に筒状部851bを有する。螺旋部材855の内周面は筒状部851bの外周面と接触することにより、安定した軌道により上下動することができる。棒状部851aの外周面、即ち棒状部と筒状部との間の円筒状のギャップ内にはコイルバネ(螺旋部材付勢用の弾性部材)857が配置されており、コイルバネ857は螺旋部材855を上方に突出させる方向へ付勢する(
図93)。
螺旋部材ガイド手段851が螺旋部材855を回転不能、且つ上下動可能に支持する構成は、例えば筒状部851bの外周面に設けた上下方向へ伸びる縦溝内に螺旋部材内周面に設けた上下方向へ伸びる突条を嵌合させる等により実現できる。螺旋部材855が回転しない結果、螺旋部材上に固定された昇降中心部材860も回転せずに昇降する。
【0141】
図84、
図92等に示すように、本例では、コイルバネ857の外周面と筒状部851bの内周面との間に円筒状のバネホルダ858が配置されている。バネホルダ858の上部開口の内面には雌螺子部(
図17中の雄螺子部108aに相当)が形成されており、この雌螺子部には蓋部材858b(
図17中の蓋部材108bに相当)に突設した円筒状の雄螺子部(
図17中の雄螺子部108cに相当)が螺着する。蓋部材858bは雄螺子部の内側でコイルバネ857の上部を支持しており、コイルバネを筒状部851b内に配置した状態で蓋部材858bをバネホルダ858の上部開口に螺着することにより、コイルバネがバネホルダを常時上向きに付勢した状態となる。また、蓋部材858bの中心部には雌螺子部が設けられており、雌螺子部は螺旋部材855の上部に設けた穴855bを介してボルト(
図17のボルト109に相当)によりバネホルダ858の上部を螺旋部材855に固定するのに用いられる。
上部ベース部150は下部ベース部880上に所定の配置で複数本立設された柱部材881により下面を支持されている。
【0142】
また、駆動機構850は、駆動機構ホルダ882によって保持され、駆動機構ホルダ882は第1通穴7内に上部を嵌合されている。また、駆動機構ホルダ882の上部に設けた円形穴882は押しボタン本体50Aの外周面をガイドする。
カバー部200は、可動部材としての第1演出部50と、第2演出部900を常時覆うことによって演出用の空間を形成する手段であり、少なくとも一部が透明、又は半透明となっている。
カバー部200は、第1演出部、及び第2演出部全体を覆うカバー部本体230と、カバー部本体の上面中央部に形成された開口部230a内に外周縁(裾部)232bを支持された被押圧部材232と、を備えている。被押圧部材232は、略半球状の被押圧部232aと、被押圧部232aの外周縁から張り出した裾部232bと、を備え、裾部232bを開口部230aの内周に固定した状態で被押圧部232aを押圧すると被押圧部232bが弾性変形して下方に撓むように構成されている(
図93等)。また、本例では被押圧部232bの下面に押圧連設部材232cが配置されており、押しボタン本体50Aが第2位置に突出しているときに被押圧部232bを押圧すると押圧連設部材232cを介して押しボタン本体50Aの上面に配置されたスイッチ部52aがオンされるように構成されている。
【0143】
各図に示すように、駆動機構850の両側方の下部ベース880上には、第2演出部(装飾体ユニット)900が配置されている。
各第2演出部(装飾体ユニット)900は、第1演出部50の両側方の下部ベース880上に立設された略U字状の支持ベース部材901と、各支持ベース部材901によって回動自在に軸支された装飾機構910と、装飾機構910を駆動する装飾駆動機構(制御手段)930と、を備えている。
装飾機構910は、支持ベース部材901の対向する2つの支持壁902の上端部に設けた支持穴902aによって軸部材934の軸端部を回転自在に軸支された円形平板状の回転ベース部材921と、回転ベース部材921の一面に搭載されて第1演出部50に向けて進退移動する演出部材925と、同じく回転ベース部材921の一面に搭載されて演出部材915を駆動する演出部材駆動機構(制御手段)950と、を概略備えている。
【0144】
本例では第2通穴801を円形穴としているため、回転ベース部材921は円盤状である。
装飾駆動機構930は、一方の支持壁902に固定されたモータ931と、支持壁902により回転自在に軸支され、且つモータの出力ギヤ931aと噛合する従動ギヤ932と、を有し、従動ギヤ932は回転ベース部材921内(挿通穴921a)を貫通して一体化された軸部材934の軸端部(支持穴902aから外側へ突出)に一体化されている。このため、モータ931からの駆動力は従動ギヤ932、軸部材934を介して回転ベース部材921に伝達されてこれを回転させる。
回転ベース部材921に搭載された演出部材駆動機構950は、回転ベース部材に固定されたモータホルダ951により支持されたモータ952と、モータの出力軸に固定された出力ギヤ952aと、モータホルダ951に側面により回転自在に軸支され、且つ出力ギヤ952aと噛合する従動ギヤ953と、回転ベース部材921の一面上に所定の間隔を隔てて突設された2つの軸支部955の支持穴によって両端部回転自在に軸支された棒螺子956と、棒螺子956の一方の軸端部に固定されて従動ギヤ953からの駆動力の伝達を受ける中間ギヤ957と、を有する。本例では、棒螺子956は、回転ベース部材921の一面上を直径方向に伸びており、軸部材934と平行に配置されている。なお、棒螺子の伸びる方向と、軸部材の伸びる方向とは必ずしも平行である必要はない。
【0145】
各演出部材925は、半球状体を1/2に分割した構成を備えた演出部材本体(演出部材本体)926と、演出部材本体926の外側裾部に固定された雌螺子部材927と、を備えている。装飾体本体926は、その少なくとも一部が透明、又は半透明であってもよいし、全面的に不透明であってもよい。2つの演出部材本体926が最も接近した際には、
図83に示したように内側端縁同士が合体して半球(ドーム)状となり、内部に演出ボタン50を収容する。また、2つの演出部材本体926が離間した時には、演出ボタン50を出現させる。
装飾体本体926の形状として図示したものは一例に過ぎず、その形状としては種々のバリエーションを考え得る。また、2つの装飾体本体926の内側端縁は図示のようにストレート状(非凹凸状)にカットされている必要はなく、凹凸、その他の不定形状であってもよい。
雌螺子部材927の内部に貫通形成された雌ネジ部927aは、棒螺子956に挿通されることにより、螺子棒956がモータ952によって正逆回転駆動される際に、雌螺子部材927は螺子棒に沿って進退する。
回転ベース部材921の他面は本例では平坦面とすることにより、
図82のようにこの平坦面が上向きとなった時に演出ボタン50の両側の皿ユニット上面を平坦化することができる。或いは、この他面に図示しない文字、符号等の記号や絵柄を描いたり、キャラクター等を表した立体的なギミックを配置してもよい。
この際、演出ボタン50に文字、符号等の記号や、絵柄を描いたり、演出ボタンの全部、又は一歩の外観、形状をキャラクター等を表した立体的なギミック(装飾体)とすることにより、装飾機構925側に表示された記号、形状等などとのコラボレーションによって相互に装飾するようにしてもよい。
【0146】
図91(a)乃至(d)は第2演出部における装飾機構の動作説明図であり、装飾駆動機構930を構成するモータ931を制御してその駆動力によって軸部材934と一体の回転ベース部材921を回転駆動させることにより、装飾機構910を全体として360度範囲内で任意に回転、停止させることができる。
また、装飾機構910を構成するモータ952を別途制御することにより、棒螺子956に沿って演出部材本体926を進退させることができる。
図91(a)では回転ベース部材921の平坦な他面が上向きとなっているが、モータ931を駆動することにより、(b)の中間形態を経て(c)のように反転させた状態とすることができる。この反転状態において、モータ931を駆動することにより、(c)に示した退避位置にあった演出部材本体926を演出ボタン50側へ移動させることができる。本例では、各演出部材本体926は各回転ベース部材921の端縁を越えて移動して演出ボタン50を覆う。
なお、カバー部200に文字、符号等の記号や、絵柄を描いたり、カバー部の全部、又は一部の外観、形状をキャラクター等を表した立体的なギミックとすることも可能である。
また、演出ボタン50や演出部材925に文字、符号等の記号や、絵柄を描いたり、演出ボタンの外観、形状をキャラクター等を表した立体的なギミックとすることにより、カバー部側に表示された記号、形状等などとのコラボレーションによって相互に装飾するようにしてもよい。
【0147】
次に、
図86乃至
図96に基づいて、本実施形態の動作について説明する。
図86、
図92は本発明の演出ボタン装置800の初期状態を示しており、この初期状態では、演出ボタン50は第1位置にあり、各第2演出部(装飾体ユニット)900も第1位置にある。
回転ベース部材921は平坦な面を水平にして上向きとしており、第2通穴801を塞ぐと共に上部ベース部150の上面と略面一となっている。
この状態では、
図92に示すように、演出ボタン50が下降した第1位置にあるため、カバー部200を構成するカバー部本体230の中央に配置された被押圧部材232との間に離隔距離がある。このため、遊技者が被押圧部材232を押圧しても演出ボタンをオンさせることができない。
【0148】
次に、
図87、
図93は、演出ボタン50が第2位置に突出し、且つ装飾機構910が回転を開始している状態を示しており、この中間形態を経て
図88、
図94に示した反転した状態に移行する。制御手段はこの反転終了状態でモータ931を停止させて回転ベース部材921の姿勢を保持する。
図93に示した反転途中の状態においては演出ボタン50が第2位置に達しているため、被押圧部材232を押圧することにより、演出ボタン検出部52を押圧してオンすることができる。
また、
図94に示した反転完了状態においても、被押圧部材232を押圧することにより、演出ボタン検出部52を押圧してオンすることができる。
【0149】
図88、
図94の反転終了状態では、装飾機構910を搭載した各回転ベース部材921の他面側が上向きとなっている。この時、各回転ベース部材上の各演出部材本体926は初期位置にある。この状態では、演出ボタン50は第2位置に突出しているため、各演出部材本体926を内側(横方向)に移動させたとしても演出ボタンを包囲することはできない。
そこで、演出ボタンを包囲するために、
図89、
図95に示すように演出ボタン50だけを下降させ、続いてモータ952を駆動して各演出部材本体926を内側に移動させることによって
図90、
図96に示すように演出ボタン50を2つの各演出部材本体926によって包囲する。
このように、第2演出部900は、第2通穴801から外部へ突出したときに演出ボタン(第1演出部)50と接近、係合、係止、相互装飾、又は、合体し、或いは演出ボタンの少なくとも一部にかぶさるように動作することにより、演出ボタンの外観を変化(装飾)させることができる。
【0150】
例えば、演出部材本体926に図柄、文字、符号等を表示しておくことにより、演出ボタンを包囲した(覆った)時に演出ボタンを隠蔽することによりそれまでとは異なった外観装飾を実現できる。或いは、演出部材本体の少なくとも一部を透明、又は半透明とすることにより、包囲した演出ボタンの一部が透視できるように構成し、演出ボタンとのコラボレーションによって異なった外観装飾を得るようにしてもよい。この結果、遊技盤面上の遊技の進行状況に対応した多様な演出を実現することができる。
なお、上記実施形態では、演出部材本体926が演出ボタン50全体を包囲する(被さる)ようにしたが、演出ボタンの一部のみを包囲、被覆したり、演出ボタンに接近、係合、係止、或いは合体することにより、異なった外観を得るようにしてもよい。
更に、演出ボタンの外観デザインと演出部材本体の外観デザインが相互に装飾し合う関係となるようにしてもよい。相互に装飾し合うとは、例えば演出ボタンの外観デザインと演出部材本体の外観デザインとが組み合わさることによって、統一的な外観デザインを構成することを意味する。
【0151】
本実施形態では、第2演出部900を、第2通穴801から出る過程、或いは出た後で任意の方向(本例では、横方向)に移動させて第1演出部50側に接近、係合、係止、又は、合体し、或いは第1演出部の少なくとも一部を覆うようにしているが、これは一例にすぎない。
第2演出部900が第2通穴801から出る過程、或いは出た後で横方向移動するのではなく、変形(拡大)することにより第1演出部側に接近するように動作させてもよい。
このように本実施形態では、演出ボタン(第1演出部)50を第1通穴7内で昇降させる動作に応じて、第2通穴801から第2演出部900を突出、移動、変形させることにより、演出ボタンの少なくとも一部を覆ったり、演出ボタンとの協働により意外性のある外観を作出して、演出効果を高めることができる(動作等の意外性による演出効果)。原形復帰時には、演出ボタンのみが皿ユニット面に視認できるので、通常の遊技中における違和感を無くすることができる。
なお、第2演出部は、第1演出部を装飾せずに、独立して皿ユニット上に出没するものであってもよい。
【0152】
<第2の本発明:第4の実施形態>
図97は第2の本発明の第4の実施形態に係る演出ボタン装置を用いた遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の構成例を示した全体正面図である。
図97に示した遊技機1は、
図81に示した遊技機1と同一部分には同一符号を付し、重複した構成、動作の説明は省略する。
内枠3には、回動操作されることにより遊技領域13に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル4と、皿ユニット5と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン装置1000等が設けられている。
皿ユニット(演出ユニット)5の上面には、一般的にチャンスボタンと呼ばれる演出ボタン装置(演出装置)1000が配置されている。演出ボタン装置1000の操作は、例えば遊技中における特定のリーチ演出に際し、演出ボタン装置1000の操作を促すガイダンスが画像表示装置17に表示されている間有効となる。
【0153】
次に、
図98は第2の本発明の第4の実施形態に係る演出ボタン装置1000の皿ユニット上における構成例を示す斜視図であり、(a)は第1演出部(演出ボタン)が通常操作位置にある状態を示し、(b)は演出ボタンが突出位置にある状態を示し、(c)は第2演出部が突出位置にある状態を示している。
図99は本例に係る演出ボタン装置の全体構成を示す外観斜視図であり、
図100は演出ボタン装置の分解斜視図であり、
図101(a)(b)及び(c)は演出ボタン装置の動作態様を示す説明図であり、
図102乃至
図104は第1演出部と第2演出部の昇降動作態様の一例を示す縦断面図である。
【0154】
第4の実施形態に係る演出ボタン装置1000は、遊技盤よりも遊技者側に突出した皿ユニット5と、皿ユニット(上部ベース部150)に設けた第1通穴7内に退避(下降)した第1位置と該第1位置よりも第1通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する第1演出部50と、第1演出部50を動作させる駆動機構(制御手段)1050と、第1通穴7とは異なる皿ユニット部位に設けた少なくとも一つの第2通穴1001内に配置されて第1演出部と連動して、又は連動せずに、或いは異なったタイミングで演出動作する(出没する)第2演出部1100と、を備え、第2演出部1100は、第2通穴1001から外部へ突出したときに第1演出部50と接近、係合、係止、相互装飾、又は合体し、或いは第1演出部の少なくとも一部にかぶさるように動作することにより、第1演出部の外観を変化(装飾)させる手段である。例えば、第2演出部1100は、第1演出部50の全部又は一部を覆うことにより、遊技機の演出内容に登場するキャラクターの外観を表すようにする。
図100に示すように、上部ベース部150には、第1演出部50の外径とほぼ整合する位置に第1通穴7が係止され、第1通穴7の外径側に第2演出部1100の外径とほぼ整合する内周縁を有した環状の第2通穴1001が連設されている。本例では、第1通穴7と第2通穴1001は一つの穴を形成している。
【0155】
このように本例における第2通穴1001は、第1通穴7の外周に(同心円状に)形成された穴であり、第2演出部1001は第1演出部50の外周の少なくとも一部を包囲するように構成されており、第1演出部と第2演出部が突出した時(或いは、第2演出部のみが突出した時)に、第1演出部の少なくとも一部を第2演出部が包囲できるように構成されている。
後述するように、演出ボタン装置1000は、皿ユニット5の上面に形成した第1通穴7内と第2通穴1001内において出没動作(上下動作)する演出ボタン50の外面を包囲するように配置されて上下動する図示しないカバー部(演出用空間形成部材)と、を備えていてもよい。
【0156】
図100等に示すように、演出ボタン(第1演出部)50を構成する押しボタン本体50Aの中央上面の凹所内には、演出ボタンが操作されたことを検出するセンサから成る演出ボタン検出部52が設けられており、この演出ボタン検出部52が遊技者の押下げ操作を検出すると検出信号が出力され、この検出信号に基づいて、演出制御基板は更なる演出を行う制御をする。
なお、演出ボタン50(演出ボタン検出部)は押下げするタイプに限らず、タッチパネル方式を採用した入力パッド等であってもよい。
【0157】
演出ボタン50を構成する押しボタン本体50Aは、皿ユニット5の上面に開口形成された第1通穴(ボタン穴)7内に収容されて
図98(a)、
図101(a)、
図102等に示した第1通穴7内に退避(下降)した第1位置と、第1位置よりも突出した第2位置(
図98(b)(c)、
図101(b)(c)、
図103、
図104)とを含めた出没経路に沿って進退移動する。第2位置は、演出ボタンの最上昇位置である必要はなく、単なる通過点としてもよい。
演出ボタン(第1演出部)50を構成する押しボタン本体50Aは、ギャップG内に配置された弾性部材54によって上方に付勢されている。このため、押しボタン本体50Aの上面を押圧した時に演出ボタン検出部52がオンすると同時に、押しボタン本体は皿ユニット上面(通穴7)に対して押し込まれた状態となる。
演出部材(第2演出部)1100は、本例では円筒状の演出ボタン50の外周側に同心円状に配置された中空円筒状(環状)の部材であり、演出ボタンとは独立して、第2通穴1001内に退避した第1位置と、第2通穴1001外に突出した第2位置との間で進退自在に構成されている。
従って本例では、演出ボタン50は、直接的には、演出部材1100の中心穴1100A内に出没自在に支持されている。
【0158】
演出ボタン50を上下動作させる手段である駆動機構(制御手段)1050は、下部ベース部1080の中央部に下部を固定されて上向きに突出する螺旋部材ガイド手段1051と、螺旋部材ガイド手段1051によって内周を回転不能且つ上下動自在に支持されて外周面に螺旋状部1055aを有した螺旋部材1055と、螺旋部材1055の上部に下部を同軸状に組み付けられて一体的に上下動する昇降中心部材1060と、下部ベース部1080上に立設固定されたモータホルダ1065により支持されたモータ1066と、モータ1066の上部に突出した出力軸に一体化され、螺旋部材1055の螺旋状部1055aと噛合した螺旋ギヤ1067と、を有する。
モータ1066の正逆転によって螺旋ギヤ1067が正逆転することにより、回転を規制された螺旋部材1055は螺旋部材ガイド手段1051の外周面に沿って昇降する。
【0159】
図100に示すように、昇降中心部材1060の側面には二本の突条を上下方向へ配置した係止溝1060aが設けられており、この係止溝1060a内には押しボタン本体50Aの内周面から突出した図示しない被係止片の先端が嵌合されることにより、押しボタン部材の回転を阻止すると共に、上下方向への移動を許容する。
図100、
図102乃至
図104に示すように下方が開放した中空の螺旋部材1055は、下部ベース部1080の上面に下部を固定されて上方に突出した螺旋部材ガイド手段1051によって内部を上下動自在、且つ回転不能に支持されている。
【0160】
螺旋部材ガイド手段1051は、中心部に棒状部1051aを有し、棒状部1051aの外径側に所定のギャップを隔てて同心状に筒状部1051bを有する。螺旋部材1055の内周面は筒状部1051bの外周面と接触することにより、安定した軌道により上下動することができる。棒状部1051aの外周面、即ち棒状部と筒状部との間の円筒状のギャップ内にはコイルバネ(螺旋部材付勢用の弾性部材)1057が配置されており、コイルバネ1057は螺旋部材1055を上方に突出させる方向へ付勢する(
図103、
図104)。
螺旋部材ガイド手段1051が螺旋部材1055を回転不能、且つ上下動可能に支持する構成は、例えば筒状部1051bの外周面に設けた上下方向へ伸びる縦溝内に螺旋部材内周面に設けた上下方向へ伸びる突条を嵌合させる等により実現できる。螺旋部材1055が回転しない結果、螺旋部材上に固定された昇降中心部材1060も回転せずに昇降する。
【0161】
図100、
図102等に示すように、本例では、コイルバネ1057の外周面と筒状部1051bの内周面との間に円筒状のバネホルダ1058が配置されている。バネホルダ1058の上部開口の内面には雌螺子部(
図17中の雄螺子部108aに相当)が形成されており、この雌螺子部には蓋部材1058b(
図17中の蓋部材108bに相当)に突設した円筒状の雄螺子部(
図17中の雄螺子部108cに相当)が螺着する。蓋部材1058bは雄螺子部の内側でコイルバネ1057の上部を支持しており、コイルバネを筒状部1051b内に配置した状態で蓋部材1058bをバネホルダ1058の上部開口に螺着することにより、コイルバネがバネホルダを常時上向きに付勢した状態となる。また、蓋部材1058bの中心部には雌螺子部が設けられており、雌螺子部は螺旋部材1055の上部に設けた穴1055bを介してボルト1059によりバネホルダ1058の上部を螺旋部材1055に固定するのに用いられる。
駆動機構1050の両側方の下部ベース1080上には、夫々四角い環状の固定ガイド部材1081が立設されており、各固定ガイド部材1081の下片にはパンタグラフ式の伸縮ガイド部材1086の2つの下端部のうちの一方に設けたピン1086aを支持する小孔1081aと、他方のピン1086bを支持する長穴1081bとが形成されている。小孔1081aは一方のピン1086aを回動自在に軸支し、長穴1081bは他方のピン1086bをスライド自在に支持する。一方、演出部材(第2演出部)1100の対向する2つの側面には、伸縮ガイド部材1086の2つの上端部のうちの一方に設けたピン1087aを支持する小孔1100aと、他方のピン1087bを支持する長穴1100bとが形成されている。小孔1100aは一方のピン1087aを回動自在に軸支し、長穴1100bは他方のピン1087bをスライド自在に支持する。このため、第2演出部1100は安定した軌道に沿って昇降することができる。
【0162】
また、2つの固定ガイド部材1081の間の下部ベース1080上には、演出部材1100を昇降させる駆動機構(制御手段)1090が配置されている。駆動機構1090は、
図100、
図102等に示すように、下部ベース1080上に立設されたギヤホルダ1091と、ギヤホルダの外側に固定されたモータ1092と、ギヤホルダの上部において回転自在に軸支されてモータの出力ギヤ1092aによって回転駆動される従動ギヤ1093と、従動ギヤの軸部に一体化された小径のピニオンギヤ1093aと、演出部材1100の側部から下方に一体的に伸びてピニオンギヤ1093aによって昇降駆動されるラックギヤ1094と、を備える。
モータ1092を正逆回転することにより従動ギヤ1093を回転させると、ピニオンギヤ1093aがラックギヤ1094を介して演出部材1100を昇降させる。
【0163】
図101(a)及び
図102(a)は、演出ボタン50と演出部材1100が共に、第1位置に退避した状態を示している。この状態では演出ボタン50は演出部材の中心穴1100A内に埋没している。この状態で演出ボタンを押圧することにより演出ボタン検出部52をオンするようにしてもよい。
図101(b)及び
図102(b)は、駆動機構1050が作動して演出ボタン50だけを突出させた状態を示している。この状態では演出ボタン50は演出部材の中心穴1100Aから上方に突出している。この状態で演出ボタンを押圧することにより演出ボタン検出部52をオンするようにしてもよい。
図101(c)及び
図102(c)は、更に、駆動機構1090が作動して演出部材1100をも突出させた状態を示している。この状態では演出ボタン50と演出部材1100は共に突出状態にある。この状態で演出ボタンを押圧することにより演出ボタン検出部52をオンするようにしてもよい。
演出ボタン50と演出部材1100の出没タイミングを夫々個別に、且つ種々異ならせたり、変化させることにより演出効果を高めることができる。
【0164】
また、演出部材1100上の絵柄、文字、ギミックと、演出ボタン50側の絵柄、文字、ギミック等をコラボレーションさせることにより、遊技盤面上の遊技の進行状況に対応した多様な演出を実現することができる。
なお、演出ボタン装置1000は、演出ボタン50、及び演出部材1100の外面を包囲するように配置されて上下動する図示しないカバー部(演出用空間形成部材)と、を備えていてもよい。
本例では、演出ボタン検出部52の上方にカバー部の上面が位置することとなるため、カバー部の上面を押圧することにより演出ボタン検出部52が押し下げられることになる。
図示しないカバー部2の構成は、第1の本発明におけるカバー部と同様であり、演出ボタン50の上面、及び外周面を包囲して演出ボタンと共に上下動する上カバー片(第1カバー片)と、演出部材1100が皿ユニット5の上面よりも上方に突出した状態にある時にその外面を覆って遊技者の手指が演出部材に触れないように保護する下カバー片(第2カバー片)と、を設ける。
このように本実施形態では、演出ボタン(第1演出部)50を第1通穴7内で昇降させる動作に応じて、第2通穴1001から第2演出部1100を突出、移動させることにより、演出ボタンの少なくとも一部を覆ったり、演出ボタンとの協働により意外性のある外観を作出して、演出効果を高めることができる(動作等の意外性による演出効果)。原形復帰時には、演出ボタンのみが皿ユニット面上に突出しているので、通常の遊技中における違和感を無くすることができる。
【0165】
<第2の本発明の構成、作用、効果のまとめ>
第2の本発明に係る遊技機は、遊技盤よりも遊技者側に突出した皿ユニットと、該皿ユニットに設けた第1通穴内に退避した第1位置と該第1位置よりも第1通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する第1演出部と、前記第1通穴とは異なる皿ユニット部位に設けた第2通穴内に配置されて前記第1演出部と連動して、第1演出部と連動せずに、又は第1演出部と異なったタイミングで演出動作する第2演出部と、を備えたことを特徴とする。
第1演出部とは別個に動作する第2演出部を設けて、第1演出部と連動して、或いは連動せずに独立して演出動作させるようにしたものである。これによれば演出ボタンとしての第1演出部との関わりにおいて、皿ユニット上の空間を演出用に有効活用することが可能となる。
演出ユニットとしては、皿ユニットの他にも、遊技盤の右、左、上方、又は斜め方向に配置されて前方に突出する部位を全て含むものである。このことは以下に説明する他の発明においても同様である。
また、第1演出部としては、皿ユニット等の演出ユニット上(演出ユニット面)に配置されるチャンスボタンの他に、ダイヤル(回転体)、スライド式操作部、レバー、タッチパネル等を想定することができる。
【0166】
第2の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第2演出部は、第2通穴から外部へ突出したときに前記第1演出部と接近、係合、係止、相互装飾、若しくは合体するか、又は第1演出部の少なくとも一部を覆うことにより、第1演出部を装飾することを特徴とする。
第2演出部と第1演出部との関わりは、例えば第2演出部が第1演出部に接近したり、第1演出部と係合したり、第1演出部に係止したり、両者が相互装飾したり、或いは両者が合体することにより実現される。更に、第2演出部が第1演出部の少なくとも一部を覆うようにしてもよい。
第2演出部が第1演出部に接近するとは、第2演出部が横方向、斜め方向、上下方向、その他のへ移動(変形)可能に構成されていることによって、第1演出部から離間した位置から第2演出部に接近した位置まで移動(変形)し、第1演出部を装飾したり、第1演出部との関わりにおいて演出を行うことを意味する。
【0167】
第2演出部が第1演出部と係合、係止するとは、第2演出部の少なくとも一部が第1演出部の少なくとも一部と接触(近接)することにより、第1演出部を装飾したり、第1演出部との関わりにおいて演出を行ったり、一方が他方の外観、形状を変化させたり、装飾するなどの場合を含むものである。
第2演出部が第1演出部と相互装飾するとは、両者が接近、係合、係止等することにより、相互に装飾し合う場合を含むものである。
第2演出部が第1演出部と合体するとは、文字通り両者が合体、結合、連結等して組み合わさることにより、一方が他方を装飾したり、一方の全体形状、或いは一部形状を変化させる等、両者の関わりによって演出を行う場合を含むものである。
第2演出部が第1演出部の少なくとも一部を覆うとは、第2演出部が第1演出部の一部を覆うことにより、一方が他方を装飾したり、一方の全体形状、或いは一部形状を変化させる等、両者の関わりによって演出を行う場合を含むものである。
【0168】
第2の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第2演出部を、第2通穴から出る過程、或いは該第2通穴から出た後で任意の方向へ移動させるか、変形させて第1演出部側に接近するように動作させることを特徴とする。
第2演出部は第2通穴から出没する構成であるため、出没動作の過程で移動、変形することにより、第1演出部を装飾したり、第1演出部との関わりにおいて演出を行ったり、一方が他方の外観、形状を変化させる。
第2の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第2通穴は、第1通穴の外周に形成された穴であり、第2演出部は第1演出部の外周の少なくとも一部を包囲するように構成されており、第2演出部が突出した時に、第1演出部の少なくとも一部を第2演出部が包囲することを特徴とする。
この構成は、例えば、第1演出部の外周面側に同心円状に第2演出部を配置して夫々独立して出没動作させる場合を含むものである。この場合、第1通穴は、大径の第2通穴の中心部に位置する空間の一部となり得る。
【0169】
第2の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第2通穴に第2演出部が収納された状態では、第2演出部が第2通穴の少なくとも一部を塞ぐことを特徴とする。
例えば、第1演出部が通常操作位置(第1通穴内)に退避している時に、第2演出部を第2通穴内に退避させる一方で、第2演出部の一部により第2通穴の少なくとも一部を閉塞して皿ユニット上に第2演出部を出現させないようにする。第2通穴が塞がれていることにより、皿ユニット面がフラットとなり、違和感をもたらすことが無くなる。
第2の本発明に係る遊技機の他の構成例では、第2演出部は、第1演出部を装飾せずに、独立して皿ユニット上に出現することを特徴とする。
第2演出部を、第1演出部の装飾とは関係なく、独立別個に第2通穴から出現させるように演出してもよい。
【0170】
《第3の本発明》
第3の本発明に係る遊技機では、遊技盤12よりも前方(遊技者側)に突出した皿ユニット(演出ユニット、操作演出手段)5と、該皿ユニットに設けた通穴7内に退避した第1位置と該第1位置よりも通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する第1演出部50と、少なくとも第1演出部が第2位置に達したときに作動して演出動作する第2演出部60と、第1演出部、及び前記第2演出部を個別に、又は、連動して動作させる駆動機構100、250、300、450と、第1演出部が第1位置にある時、第1演出部が第2位置に突出した後、或いは、第1演出部が該第2位置に突出する過程で、第1演出部、及び/又は、第2演出部の少なくとも一部を包囲する演出用の空間を形成する空間形成部材(空間形成手段)200と、を備えたことを特徴とする。
即ち、第3の本発明に係る遊技機は、遊技者による接触で操作が可能な操作演出手段と、前記操作演出手段により実施される演出であって該操作演出手段における第1の視認態様と該第1の視認態様とは異なる第2の視認態様に変化可能な第1演出と、前記操作演出手段により実施される演出であって少なくとも前記第1演出が前記第2の視認態様に変化するときに第3の視認態様に変化可能な第2演出と、前記第1演出、及び前記第2演出を個別に、又は、連動して制御する制御手段と、を備え、前記第1演出が前記第1の視認態様にある場合、前記第2の視認態様に変化した後、又は、該第2の視認態様に変化する過程で、前記第1演出、及び/又は、前記第2演出をカバーする演出用の空間を形成する空間形成手段と、を備え、前記制御手段により前記第1演出が前記第2の視認態様に制御されているときに前記空間形成手段を操作可能であることを特徴とする。
空間形成部材は、第1の本発明等のように、これを皿ユニット上に出没したり、皿ユニット上で移動する可動部材とすることにより、演出動作する第1演出部、及び/又は、第2演出部を包囲して遊技者の手指が触れないようにする安全手段として機能する一方で、第1演出部や第2演出部とのコラボレーションによって演出用に利用することもできる。なお、空間形成部材は、皿ユニット上に固定配置される非可動部材としてもよい。
空間形成部材は、第1演出部、第2演出部の少なくとも一部を覆うことにより、遊技者の手指を保護する構成であってもよい。
演出ユニットとしては、皿ユニットの他にも、遊技盤の右、左、上方、又は斜め方向に配置されて前方に突出する部位を全て含むものである。
また、第1演出部としては、皿ユニット等の演出ユニット上(演出ユニット面)に配置されるチャンスボタンの他に、ダイヤル(回転体)、スライド式操作部、レバー、タッチパネル等を想定することができる。
【0171】
第3の本発明に係る遊技機の他の構成例では、遊技盤よりも遊技者側に突出した皿ユニット5と、該皿ユニットに設けた第1通穴7内に退避した第1位置と該第1位置よりも第1通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する第1演出部50と、第1通穴とは異なる皿ユニット部位に設けた第2通穴801、1001内に配置されて第1演出部と連動して、又は第1演出部とは連動せずに、或いは第1演出部とは異なったタイミングで演出動作する第2演出部700、900、110と、第1演出部が第1位置にある時、第2位置に突出した後、或いは、該第2位置に突出する過程で、第1演出部、及び/又は、第2演出部の少なくとも一部を包囲する演出用の空間を形成する空間形成部材750と、を備えたことを特徴とする。
第1演出部と第2演出部が皿ユニットの異なった部位に配置されて演出動作を行う構成を採用した場合に、各演出部を構成する可動部品を遊技者の手指から非接触に保つために空間形成部材を設ける。また、この空間形成部材はそれ自体の外観、デザイン、形状などに工夫を凝らすことにより、演出手段としても利用することができる。空間形成部材は可動部材としてもよいし、固定部材としてもよい。
【0172】
第3の本発明に係る遊技機の他の構成例では、空間形成部材は、第1演出部を含む空間、或いは第1演出部を含まない周辺の空間を包囲して演出用の空間を形成することを特徴とする。
空間形成部材は、第1演出部、或いは第2演出部のみならず、皿ユニット上の他の空間を包囲することにより、可動部品から遊技者の手指を保護したり、演出手段の一部として役立てることができる。
第3の本発明に係る遊技機の他の構成例では、空間形成部材は、第1演出部を覆うと共に該第1演出部と共に移動する第1カバー片と、第2演出部を覆うと共に該第2演出部と共に移動する第2カバー片と、を備え、第2カバー片は、第1カバー片に連動して動作することを特徴とする。
空間形成部材を、第1の演出部を包囲しつつ第1演出部と共に移動する空間形成部材部分(第1カバー片)と、第2の演出部を包囲しつつ第2演出部と共に移動する他の空間形成部分(第2カバー片)と、から構成することにより、空間形成部材の体積、形状を必要最小限とし、且つ第1演出部、及び第2演出部の動作を視認し易くすることができる。
第3の本発明に係る遊技機の他の構成例では、空間形成部材は、少なくとも一部が透明、又は半透明、或いは開口部、又はメッシュとなっていることを特徴とする。
空間形成部材は、第1演出部、及び第2演出部を包囲するものであるが、その全部、又は一部を透光性を有した材質としたり、一部に開口部やメッシュ部を形成することにより内部の視認性を高めて、内部の可動部品としての第1演出部、及び第2演出部の演出内容を視認することが可能となる。
【0173】
《第4の本発明》
図105は第4の本発明に係る演出ボタン装置(演出装置)を用いた遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の構成例を示した全体正面図である。
図105において、遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠2と、外枠2により一方の縦辺を回動可能に支持された内枠3と、を備えている。内枠3には遊技球が流下する遊技領域13が形成された遊技盤12が設けられている。内枠3は、遊技盤12の前方(遊技者側)において遊技領域13を視認可能に覆うガラス板(図示しない)を支持している。
外枠2には、遊技盤12、遊技盤の背面に固定される図示しないベース枠体、及びベース枠体の背面に固定される画像表示ユニット(画像表示装置、画像表示カバー)からなる図示しない遊技盤ユニットが開閉自在に組み付けられている。
内枠3には、回動操作されることにより遊技領域13に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル4と、皿ユニット(演出ユニット)5と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン装置(演出装置)1500等が設けられている。
【0174】
演出ユニットの一例としての皿ユニット5は、内枠(枠体)3の下側に前方(遊技者側)へ突出して設けられており、皿ユニット5には、複数の遊技球を貯留する受け皿6が設けられている。この受け皿6は、操作ハンドル4の方向側に遊技球が流下するように下りの傾斜を有している。そして、遊技者が操作ハンドル4を回動させると、遊技球が遊技領域13に発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球がレール15a、15b間を上昇して玉戻り防止片15cを超えると、遊技領域13に到達し、遊技領域13内を落下する。このとき、遊技領域13に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
遊技盤12、及び遊技領域13の構成については、
図1と同一部分には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
皿ユニット5の上面には、一般的にチャンスボタンと呼ばれる演出ボタン装置1500が配置されている。演出ボタン装置1500の操作は、例えば遊技中における特定のリーチ演出に際し、演出ボタン装置1500の操作を促すガイダンスが画像表示装置17に表示されている間有効となる。
【0175】
次に、
図106は第4の本発明の一実施形態に係る演出ボタン装置の皿ユニット上における配置例を示す斜視図であり、(a)は演出ボタンが通常操作位置にある状態を示し、(b)は演出ボタンが突出位置にある状態を示している。
図107乃至
図109は本例に係る演出ボタン装置を皿ユニット内に収納する構造を説明する斜視図である。
図110は演出ボタン装置の全体構成を示す外観斜視図であり、
図111は演出ボタン装置の分解斜視図であり、
図112は演出ボタン装置の一部の分解斜視図であり、
図113(a)及び(b)は芳香成分を噴出する手順を説明する斜視図であり、
図114(a)及び(b)は芳香成分を噴出する手順を説明する側部縦断面図である。
【0176】
第4の本発明に係る演出ボタン装置(演出装置)1500は、遊技盤の下方において前方(遊技者側)に突出した皿ユニット(演出ユニット)5と、皿ユニットに設けた通穴7内に退避(下降)した第1位置と該第1位置よりも第1通穴外へ突出した第2位置とを含めた経路内を進退する演出部(演出ボタン)50と、演出部50を動作させる駆動機構(制御手段)1501と、皿ユニットに設けた芳香演出装置1600と、を備えている。
演出ボタン(演出部)50と芳香演出装置1600は、皿ユニット5に設けた芳香演出装置収容部S内に収容される。芳香演出装置収容部Sは、皿ユニット5の内部に設けた空所であり、芳香演出装置収容部Sは皿ユニットの一部を構成するキャップ1550によって覆われている。キャップ1550は演出部50の一部(押しボタン本体50A)を突出させるための通穴7と、芳香演出装置収容部S内に設けた受部1560内に着脱自在に嵌合する嵌合ピン1561とを有している。各受部1560内に各嵌合ピン1561を装着することにより、キャップ1550は芳香演出装置収容部Sを閉じることができる。
【0177】
次に、符号1570は、キャップ1550を皿ユニット5の固定部に対して着脱自在に固定するためのロック部である。ロック部1570は例えばソレノイド1571から構成し、制御手段がソレノイドへの通電をオンオフすることによりプランジャ1572を出没させる。プランジャ1572の出没経路に相当するキャップ側面にはロック穴1550aが設けられており、ソレノイドがオフしたときにプランジャ1572を突出させてロック穴1550a内に突出させることにより、キャップ1550、及び芳香演出装置1600をロックする。また、ソレノイドがオンしたときにプランジャ1572を退避させてロック穴1550a内から離脱させることにより、キャップ1550、及び芳香演出装置1600のロックをロックして取外し可能にする。
演出ボタン(演出部)50を上下動作させる手段である駆動機構1501の構成は、
図100に示した駆動機構(制御手段)1050と同等である。従って、
図100に示した駆動機構1050と同一部分について同一符号を付し、重複した構成、作用、動作の説明は省略する。
【0178】
次に、芳香演出装置1600は、下部ベース部1080の2つの固定ガイド部材1081に夫々設けた支持部1082に対してネジ留め固定される芳香剤噴射装置1601と、芳香剤噴射装置1601により着脱自在に保持され液状の芳香剤を収容した芳香剤ボンベ1650と、を概略備えている。
芳香剤噴射装置1601は、芳香剤ボンベ1650を保持するホルダ1602と、ホルダ1602の前面に設けた軸支部1602aにより軸部1603aを上下動自在に軸支されて芳香剤ボンベの底面を支持する支持部材1603と、ホルダ1602の背面側に配置されて芳香剤ボンベ1650の先端の被押圧部(噴出口)1650aを押し込むことにより該被押圧部1650aから内部の芳香剤を霧状にして噴射させる噴射機構1610と、を備えている。
【0179】
支持部材1603は、図示しない弾性部材により上向きに付勢されることにより、芳香剤ボンベ1650の底面を上向きに押し上げることにより、ホルダ1602からの芳香剤ボンベの脱落を防止する。一方、芳香剤ボンベをホルダから取り外す際には手作業等により支持部材1603を下方へ押し下げればよい。
噴射機構1610は、ホルダ1602の背面側に固定されるベース板1611と、ベース板1611下部の前面側に固定されて出力ギヤ1612aを穴1611aから背面側に突出させたモータ1612と、ベース板1611の背面側に設けた軸部1611bにより軸心を回転自在に軸支され、且つ出力ギヤ1612aと噛合して回転駆動される大径の伝達ギヤ1614と、伝達ギヤ1614の背面側中心部に一体化された小径伝達ギヤ1615と、ベース板1611の背面側に上下動自在に配置され、ベース板の上部中央に設けた切欠き1611cから上部を前方へオーバーハングさせたボンベ作動部材1620と、ボンベ作動部材1620の上部に設けた管体1625に対して一端開口を固定される可撓性を有したノズル(パイプ)1630と、を概略備えている。
【0180】
ボンベ作動部材1620は、ベース板1611の背面側に設けた上下動ガイド部1611dによって上下方向へ直線的に移動可能にガイドされる2本の被ガイド部1620aと、被ガイド部1620aの一方の内壁にのみ設けたラックギヤ部1620bと、を有する。ラックギヤ部1620bは、2本の被ガイド部1620a間の空隙内に配置された小径伝達ギヤ1615と噛合することにより、モータ1612からの駆動力を受けて回転してボンベ作動部材1620を上下動させる。
ボンベ作動部材1620の上部のオーバーハング部1622の下面には、
図114に示すように芳香剤ボンベ1650の被押圧部1650aを含む先端部を嵌合可能な凹所1623が形成されており、
図114(a)のように支持部材1603により底面を支持された芳香剤ボンベの被押圧部1650aをボンベ作動部材のオーバーハング部1622が押圧していない時には芳香剤は被押圧部1650aから噴射されない。一方、
図114(b)のように支持部材1603により底面を支持された芳香剤ボンベの被押圧部1650aをボンベ作動部材のオーバーハング部1622が押圧した時には被押圧部1650aから芳香剤が噴射される。
【0181】
次に、噴射機構1610が芳香剤のボンベから芳香剤を噴射させる手順について説明する。
図113(a)のようにボンベ作動部材1620が上昇位置にある時には、
図114(a)に示したようにボンベ作動部材のオーバーハング部1622が被押圧部1650aを押圧していないため、芳香剤は噴射されない。
一方、
図113(b)のようにボンベ作動部材1620が下降位置にある時には、
図114(b)に示したようにボンベ作動部材のオーバーハング部1622が被押圧部1650aを十分に下方へ押し込むため、芳香剤は噴射される。
管状体である被押圧部1650aから噴射された霧状の芳香剤はノズル1630を経由して、キャップ1550に設けた噴射穴1551から外部へ噴射される。
モータ1612を正逆転駆動することにより、伝達ギヤ1614を正逆転させて、ボンベ作動部材1620を上下動させ、その結果として芳香剤ボンベから芳香剤を噴射させたり、噴射を停止させることができる。
【0182】
以上の構成において、演出部50が通常操作位置にある状態で、遊技内容が所定の状態になった時に、期待度が高い状態にあることを遊技者は知ることができる。この演出ボタン操作有効期間において、演出部が押下げ操作されると、特有の遊技演出が実行される。こうして、遊技者の遊技参加感と共に遊技の演出効果が高められる。
更に、期待度が更に一段と高いレベルに達したときに、制御手段は演出部50を突出させる。この動作を遊技者が視認することにより、更に変化に富んだ演出効果を発揮させて期待度が更に高くなっていることを知ることができる。
また、制御手段は、任意のタイミング、本例では演出部50が突出した際に、芳香演出装置1600(芳香剤噴射装置1601)を作動させて噴射穴1551から霧状の芳香剤を外部へ噴射させる。
【0183】
芳香剤は、遊技者にリラックス感を与えると共に、煙草の煙の臭いを解消する効果を発揮できる。特に、芳香剤に消臭効果を付与すれば、煙草の臭いを好まない遊技者は長時間の遊技を楽しむことができる。パチンコ等の遊技離れが進む原因の一つに煙草の臭いがあるが、この芳香剤演出装置を用いれば、遊技離れを阻止することができる。
なお、必要に応じて芳香剤ボンベ内の芳香剤の残量を検知するセンサを設けて、残量が少なくなったことをLED、音等によって報知するようにしてもよい。
また、芳香演出装置として、固形、又は液体芳香剤を皿ユニット内に配置しておき、ファンによって芳香剤を気体状にして遊技機周辺に発生させるようにしてもよい。