(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記梱包箱内に配置され、上面と下面とを有する第2のクッション材であって、第2のクッション材の上面は、前記第2の剛性体の下面に対して摺動可能に前記第2の剛性体の下面に当接する第2のクッション材を備え、
前記第2のクッション材は、前記半導体ウェーハが収納された前記基板収納容器を前記第2のクッション材に直接載置すると弾性変形し、載置した前記基板収納容器を取り除くと、元の形状に復元する弾性的な柔軟性を有する請求項2に記載の基板収納容器を梱包するための梱包構造体。
前記第2のクッション材の上面は、上方へ突出する上突出部を有し、前記上突出部は、前記第2の剛性体の下面に対して摺動可能に前記第2の剛性体の下面に当接する請求項3〜請求項4のいずれかに記載の基板収納容器を梱包するための梱包構造体。
前記第2のクッション材の下面は、下方へ突出する下突出部を有し、前記下突出部は、前記梱包箱の内面に対して摺動可能に前記梱包箱の内面に当接する請求項3〜請求項5のいずれかに記載の基板収納容器を梱包するための梱包構造体。
上下方向に直交する方向における前記第2のクッション材の側面は、前記梱包箱の内面に常時当接している請求項3〜請求項6のいずれかに記載の基板収納容器を梱包するための梱包構造体。
上下方向に直交する方向における前記第1のクッション材の側面は、前記梱包箱の内面に常時当接している請求項1〜請求項7のいずれかに記載の基板収納容器を梱包するための梱包構造体。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の第1実施形態に係る、基板収納容器を梱包するための梱包構造体1について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る、基板収納容器を梱包するための梱包構造体1を示す分解斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態に係る、基板収納容器を梱包するための梱包構造体1の梱包箱10を示す斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態に係る、基板収納容器を梱包するための梱包構造体1の梱包箱10を示す平面図である。
図4は、
図3のA−A線に沿った断面図である。
図5は、
図3のB−B線に沿った断面図である。
図6は、本発明の第1実施形態に係る、基板収納容器を梱包するための梱包構造体1によって梱包される基板収納容器2を示す分解斜視図である。
【0018】
ここで、説明の便宜上、後述の梱包箱10の背板14から前板13へ向かう方向(
図1における左下方向)を前方向D11と定義し、その反対の方向を後方向D12と定義し、これらを前後方向D1と定義する。また、後述の底板16から天板15へと向かう方向(
図1における上方向)を上方向D21と定義し、その反対の方向を下方向D22と定義し、これらを上下方向D2と定義する。また、後述する第2側板12から第1側板11へと向かう方向(
図1における左上方向)を左方向D31と定義し、その反対の方向を右方向D32と定義し、これらを左右方向D3と定義する。
【0019】
図6に示すように、基板収納容器を梱包するための梱包構造体1により梱包される基板収納容器2は、容器本体202と、蓋体203とを有している。
【0020】
容器本体202は、一端部に容器本体開口部221が形成され、他端部が閉塞された筒状の壁部220を有する。容器本体202内には基板収納空間227が形成されている。基板収納空間227は、壁部220により取り囲まれて形成されている。壁部220の部分であって基板収納空間227を形成している部分には、基板支持板状部205及びリアリテーナ(図示せず)が配置されている。基板収納空間227には、複数の基板Wを収納可能である。
【0021】
基板支持板状部205は、基板収納空間227内において対をなすように壁部220に設けられている。基板支持板状部205は、蓋体203によって容器本体開口部221が閉塞されていないときに、隣接する基板W同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板Wの縁部を支持可能である。リアリテーナ(図示せず)は、蓋体203によって容器本体開口部221が閉塞されているときに、複数の基板Wの縁部の後部を支持可能である。
【0022】
蓋体203は、容器本体開口部221に対して着脱可能であり、容器本体開口部221を閉塞可能である。蓋体203には、フロントリテーナ(図示せず)が設けられている。フロントリテーナ(図示せず)は、蓋体203の部分であって蓋体203によって容器本体開口部221が閉塞されているときに基板収納空間227に対向する部分に設けられている。フロントリテーナ(図示せず)は、リアリテーナ(図示せず)と対をなすように配置されている。
【0023】
フロントリテーナ(図示せず)は、蓋体203によって容器本体開口部221が閉塞されているときに、複数の基板Wの縁部の前部を支持可能である。フロントリテーナ(図示せず)は、蓋体203によって容器本体開口部221が閉塞されているときに、リアリテーナ(図示せず)と協働して複数の基板Wを支持することにより、隣接する基板W同士を所定の間隔で離間させて並列させた状態で、複数の基板Wを保持する。
【0024】
基板収納容器2に収納される基板W(
図6参照)は、円盤状のシリコンウェーハ、ガラスウェーハ、サファイアウェーハ等であり、産業に用いられる薄いものである。本実施形態における基板Wは、直径300mm〜450mmのシリコンウェーハである。
【0025】
図1に示すように、基板収納容器2を梱包するための梱包構造体1は、梱包箱10と、上部クッション材20と、上部緩衝材30と、下部緩衝材40と、第1の剛性体50と、第1のクッション材60と、第2の剛性体70と、第2のクッション材80とを備えている。基板収納容器2を梱包するための梱包構造体1は、半導体ウェーハからなる基板Wを収納して輸送するため基板収納容器2を梱包する。
【0026】
図1及び
図2に示すように、梱包箱10は、いわゆるプラスチック段ボール箱(プラダン)により構成されており、第1側板11と、第2側板12と、前板13と、背板14と、天板15と、底板16とを有する。第1側板11と第2側板12とは、平行の位置関係を有する。前板13と背板14とは平行の位置関係を有する。天板15と底板16とは、平行の位置関係を有する。第1側板11、第2側板12、前板13、及び、背板14は、それぞれ長方形状を有する。第1側板11、第2側板12、前板13、及び、背板14により、上端及び下端に開口が形成された四角柱状の筒状体110が構成される。
【0027】
天板15は、それぞれ長方形状を有する前部板151と、後部板152と、左部板153と、右部板154(
図2参照)とを備える。前部板151は、前板13の上辺に一体で接続されている。後部板152は、背板14の上辺に一体で接続されている。左部板153は、第1側板11の上辺に一体で接続されている。右部板154は、第2側板12の上辺に一体で接続されている。
【0028】
前部板151及び後部板152が、前板13及び背板14に対して直交する位置関係(水平の位置関係)とされて、筒状体110の上端開口が、部分的に塞がれる。そして、その上から左部板153及び右部板154が、第1側板11及び第2側板12に対して直交する位置関係(水平の位置関係)とされて、筒状体110の上端開口の全体が塞がれる。底板16は、天板15と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【0029】
上部クッション材20は、基板Wが収納された基板収納容器2を上部クッション材20に直接載置すると弾性変形し、載置した基板収納容器2を取り除くと、元の形状に復元する弾性的な柔軟性を有する材質により構成されており、本実施形態では、スポンジにより構成されている。上部クッション材20は、長方形状の板状を有しており、この長方形状は、左右方向D3及び前後方向D1に平行な面で切った筒状体110の断面における筒状体110の内面により囲まれる長方形状に一致する。上部クッション材20は、長方形状の上面21及び下面22が左右方向D3及び前後方向D1に平行な位置関係で、梱包箱10内において最上部に配置され、上部緩衝材30の上部に載置される。上下方向D2に平行な位置関係を有する上部クッション材20の側面23の全面は、筒状体110の内面に常時当接している。上部クッション材20の側面23は、筒状体110の内面には接着等されておらず、筒状体110の内面に対して摺動可能である。
【0030】
上部緩衝材30は、基板Wが収納された基板収納容器2を上部緩衝材30に直接載置しても塑性変形せずに上部緩衝材30自体の形状を保持可能な硬さを有している。具体的には上部緩衝材30は、梱包箱10内で上下方向D2に直交する方向における基板収納容器2の位置及び姿勢を保持可能であり、且つ、梱包箱10に作用して上部緩衝材30を介して基板収納容器2に伝達される衝撃の少なくとも一部を吸収可能な柔軟性を有する材質により構成されている。従って、上部緩衝材30は、所定の衝撃よりも強い衝撃を受けると塑性変形して形状が元に戻らなくなるが、所定の衝撃よりも弱い衝撃については吸収可能であり、このような衝撃では、ほとんど変形しない。上部クッション材20、第1のクッション材60、第2のクッション材80よりも硬いが、第1の剛性体50、第2の剛性体70よりも柔らかい。本実施形態では、発泡スチロールにより構成されている。
【0031】
上部緩衝材30は、略直方体形状を有している。上部緩衝材30の上面31は、平坦面により構成されている。上部緩衝材30の前後の側面33には、凸部331が3つずつ設けられており、上部緩衝材30の左右の側面34には、直方体形状の凸部341が4つずつ設けられている。上部緩衝材30の下部32は、凹部321を有する。凹部321は、基板収納容器2の蓋体203と略同一形状を有しており、凹部321には、蓋体203が係合する。
【0032】
上部緩衝材30は、上面31が左右方向D3及び前後方向D1に平行な位置関係で、上部クッション材20の下面22に対して上部緩衝材30の上面31が面当接するように、梱包箱10内において基板収納容器2の上部に載置される。上部クッション材20の下面22は、上部緩衝材30の上面31には接着等されておらず、上部クッション材20の下面22は、上部緩衝材30の上面31に対して摺動可能である。また、上部緩衝材30の凸部331、341の先端面は、梱包箱10内において筒状体110の内面に常時当接している。凸部331、341の先端面は、筒状体110の内面には接着等されておらず、筒状体110の内面に対して摺動可能である。
【0033】
下部緩衝材40は、基板Wが収納された基板収納容器2を下部緩衝材40に直接載置しても塑性変形せずに下部緩衝材40自体の形状を保持可能な硬さを有している。具体的には下部緩衝材40は、梱包箱10内で上下方向D2に直交する方向における基板収納容器2の位置及び姿勢を保持可能であり、且つ、梱包箱10に作用して下部緩衝材40を介して基板収納容器2に伝達される衝撃の少なくとも一部を吸収可能な柔軟性を有する材質により構成されている。本実施形態では、上部緩衝材30と同一の発泡スチロールにより構成されている。
【0034】
下部緩衝材40は、略直方体形状を有している。下部緩衝材40の上部41は、凹部411を有する。凹部411は、基板収納容器2の蓋体203を上側に配置させたときの基板収納容器2の下側の部分(基板収納容器2において容器本体開口部221に対する壁部220の奥の部分)と略同一形状を有しており、凹部411には、当該下側の部分が係合する。即ち、下部緩衝材40には、基板収納容器2が載置され、上部緩衝材30と下部緩衝材40とで上下方向D2において基板収納容器2を挟むように梱包箱10内に配置される。下部緩衝材40の前後の側面43には、凸部431が3つずつ設けられており、下部緩衝材40の左右の側面44には、直方体形状の凸部441が4つずつ設けられている。下部緩衝材40の下面42には、左右方向D3に3列、前後方向D1に3列で計9個の下部凸部421が設けられている。
【0035】
下部緩衝材40は、左右方向D3及び前後方向D1に平行な位置関係で、第1の剛性体50の上面51に対して下部緩衝材40の下部凸部421の先端面が面当接するように、梱包箱10内において基板収納容器2の下方に配置される。下部緩衝材40の下端面としての下部凸部421の先端面は、第1の剛性体50の上面51には接着等されておらず、第1の剛性体50の上面51に対して摺動可能である。下部緩衝材40の凸部431、441の先端面は、梱包箱10内において筒状体110の内面に常時当接している。凸部431、441の先端面は、筒状体110の内面には接着等されておらず、筒状体110の内面に対して摺動可能である。
【0036】
第1の剛性体50は、第1の剛性体50の下面52全体で第1のクッション材60の上面62に面当接可能に第1の剛性体50自体の形状を保持できる硬さを有する材質により構成されており、本実施形態では、ダンボールの板又はプラスチックの板により構成されている。即ち、第1の剛性体50は、それ自体で振動や衝撃を吸収しなくてもよく、それ自体の形状が維持できる比較的硬い材質により構成される。従って、第1の剛性体50は、上部クッション材20、上部緩衝材30、下部緩衝材40、第1のクッション材60、第2のクッション材80のいずれよりも硬い。第1の剛性体50は、長方形状の板状を有しており、この長方形状は、左右方向D3及び前後方向D1に平行な面で切った筒状体110の断面における、筒状体110の内面により囲まれる長方形状に一致する。
【0037】
第1の剛性体50は、それぞれ平坦な上面51及び下面52を有し、上面51及び下面52が左右方向D3及び前後方向D1に平行な位置関係で、梱包箱10内において下部緩衝材40の下方に配置される。上下方向D2に平行な位置関係を有する第1の剛性体50の側面53の全面は、筒状体110の内面に常時当接している。第1の剛性体50の側面53は、筒状体110の内面には接着等されておらず、筒状体110の内面に対して摺動可能である。第1の剛性体50の上面51の面積は、下部緩衝材40の下端面としての下部凸部421の先端面の合計面積よりも広く、全ての下部凸部421の先端面は、第1の剛性体50の上面51に面で当接している。
【0038】
第1のクッション材60は、基板Wが収納された基板収納容器2を第1のクッション材60に直接載置すると弾性変形し、載置した基板収納容器2を取り除くと、元の形状に復元する弾性的な柔軟性を有する。本実施形態では、第1のクッション材60は、上部クッション材20と同一のスポンジにより構成されている。
【0039】
より詳細には、第1のクッション材60は、それぞれスポンジにより構成され平坦な上面62及び下面63を有する5枚の長方形状の板状第1クッション材61が上下方向D2に積層されて構成されている。板状第1クッション材61は、それぞれ上面62及び下面63が左右方向D3及び前後方向D1に平行な位置関係で、梱包箱10内において第1の剛性体50の下方に配置されている。上下方向D2に平行な位置関係を有する板状第1クッション材61の側面64の全面は、筒状体110の内面に常時当接している。
【0040】
また、積層方向としての上下方向D2に隣接する下側の板状第1クッション材61の上面62と、上側の板状第1クッション材61の下面63とは、それぞれ面当接している。積層方向に隣接する下側の板状第1クッション材の上面62と、上側の板状第1クッション材の下面63とは、それぞれ接着等されておらず、互いに摺動可能である。最上層の板状第1クッション材61の上面62は、第1の剛性体50の下面52に対して接着等されておらず、面当接しており、摺動可能である。従って、第1のクッション材60の上面62が第1の剛性体50の下面52に対して摺動可能に、第1の剛性体50の下面52に面当接する。
【0041】
第2の剛性体70は、第2の剛性体70の上面71全体で最下層の板状第1クッション材61の下面63に面当接可能に第2の剛性体70自体の形状を保持できる硬さを有しており、本実施形態では、第1の剛性体50と同一のダンボールの板又はプラスチックの板により構成されている。第2の剛性体70は、長方形状の板状を有しており、この長方形状は、左右方向D3及び前後方向D1に平行な面で切った筒状体110の断面における筒状体110の内面により囲まれる長方形状に一致する。
【0042】
第2の剛性体70は、それぞれ平坦な上面71及び下面72を有し、上面71及び下面72が左右方向D3及び前後方向D1に平行な位置関係で、梱包箱10内において最下層の板状第1クッション材61の下方に配置される。上下方向D2に平行な位置関係を有する第2の剛性体70の側面73の全面は、筒状体110の内面に常時当接している。第2の剛性体70の側面73は、筒状体110の内面には接着等されておらず、筒状体110の内面に対して摺動可能である。
【0043】
第2の剛性体70の上面71は、最下層の板状第1クッション材の下面63に、接着等されておらず、摺動可能に面当接する。第2の剛性体70の下面72の面積は、後述の第2のクッション材80の上面811の上突出部814の、第2の剛性体70の下面72への当接面の面積よりも広い。全ての当該当接面は、第2の剛性体70の下面72に、接着等されておらず、摺動可能に面当接している。
【0044】
第2のクッション材80は、基板Wが収納された基板収納容器2を第2のクッション材80に直接載置すると弾性変形し、載置した基板収納容器2を取り除くと、元の形状に復元する弾性的な柔軟性を有する。本実施形態では、第2のクッション材80は、第1のクッション材60と同一のスポンジにより構成されている。
【0045】
第2のクッション材80は、それぞれ上面811、821、831と、下面812、822、832とを有する複数の板状第2クッション材81、82、83が上下方向D2に積層されて構成されている。積層方向としての上下方向D2に隣接する下側の板状第2クッション材82、83の上面821、831と上側の板状第2クッション材81、82の下面812、822とは、それぞれ平坦な形状を有する。積層方向に隣接する下側の板状第2クッション材82、83の上面821、831と上側の板状第2クッション材の下面812、822とは、それぞれ接着等されておらず、摺動可能に面当接している。
【0046】
より詳細には、第2のクッション材80は、それぞれスポンジにより構成された、上側板状第2クッション材81と、板状第2クッション材82と、下側板状第2クッション材83とを有する。
【0047】
上側板状第2クッション材81は、多数の上突出部814を有する上面811と、平坦な下面812とを有する、長方形状の板状を有する。上突出部814は上方へ突出する。上突出部814は、第2の剛性体70の下面72に対して接着等されておらず、摺動可能に第2の剛性体70の下面72に当接する。
【0048】
上側板状第2クッション材81は、下面812が左右方向D3及び前後方向D1に平行な位置関係で、梱包箱10内において第2の剛性体70の下方に配置されている。上下方向D2に平行な位置関係を有する上側板状第2クッション材81の側面813の全面は、筒状体110の内面に常時接触している。
【0049】
板状第2クッション材82は、平坦な上面821及び下面822を有する長方形状の板状を有する。板状第2クッション材82の上面821は、上側板状第2クッション材81の下面812に対して接着等されておらず、摺動可能に上側板状第2クッション材81の下面812に当接する。
【0050】
板状第2クッション材82は、それぞれ上面821及び下面822が左右方向D3及び前後方向D1に平行な位置関係で、梱包箱10内において上側板状第2クッション材81の下方に配置されている。上下方向D2に平行な位置関係を有する板状第2クッション材82の側面823の全面は、筒状体110の内面に常時接触している。
【0051】
下側板状第2クッション材83は、平坦な上面831と、多数の下突出部834を有する下面832とを有する、長方形状の板状を有する。下側板状第2クッション材83の上面831は、板状第2クッション材82の下面822に対して接着等されておらず、摺動可能に板状第2クッション材82の下面822に当接する。下突出部834は下方へ突出する。下突出部834は、梱包箱10の底板16の内面に対して接着等されておらず、摺動可能に梱包箱10の底板16の内面に当接する。
【0052】
下側板状第2クッション材83は、上面831が左右方向D3及び前後方向D1に平行な位置関係で、梱包箱10内において板状第2クッション材82の下方に配置されている。上下方向D2に平行な位置関係を有する下側板状第2クッション材83の側面833の全面は、筒状体110の内面に常時接触している。
【0053】
上記構成の第1実施形態に係る、基板収納容器2を梱包するための梱包構造体1によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0054】
前述のように、基板収納容器2を梱包するための梱包構造体1は、梱包箱10内において基板収納容器2の上部に載置される上部緩衝材30と、基板収納容器2が載置される下部緩衝材40であって、上部緩衝材30と下部緩衝材40とで上下方向D2において基板収納容器2を挟むように梱包箱10内に配置された下部緩衝材40とを備える。この構成により、梱包箱10内において基板収納容器2の姿勢及び位置を所定の姿勢及び位置に安定して保持することができる。
【0055】
また、基板収納容器2を梱包するための梱包構造体1は、梱包箱10内に配置され、それぞれ平坦な上面51及び下面52を有し板状を有する第1の剛性体50であって、第1の剛性体50の上面51が下部緩衝材40の下部凸部421の下端面に当接する第1の剛性体50と、梱包箱10内に配置され、上面62及び下面63を有する第1のクッション材60であって、第1のクッション材60の上面62が第1の剛性体50の下面52に対して摺動可能に第1の剛性体50の下面52に面当接する第1のクッション材60と、を備える。
【0056】
上部緩衝材30及び下部緩衝材40は、基板Wが収納された基板収納容器2を上部緩衝材30又は下部緩衝材40に直接載置しても塑性変形せずに上部緩衝材30及び下部緩衝材40自体の形状を保持可能な硬さを有して、梱包箱10内で上下方向D2に直交する方向における基板収納容器2の位置及び姿勢を保持可能であり、且つ、梱包箱10に作用して上部緩衝材30及び下部緩衝材40を介して基板収納容器2に伝達される衝撃の少なくとも一部を吸収可能な柔軟性を有する。
【0057】
また、第1の剛性体50の上面51は、下部緩衝材40の下端面よりも広く、第1の剛性体50は、第1の剛性体50の下面52全体で第1のクッション材60の上面62に面当接可能に第1の剛性体50自体の形状を保持できる硬さを有する。また、第1のクッション材60は、基板Wが収納された基板収納容器2を第1のクッション材60に直接載置すると弾性変形し、載置した基板収納容器2を取り除くと、元の形状に復元する弾性的な柔軟性を有する。
【0058】
この構成により、第1の剛性体50の上面51は、下部緩衝材40の下部凸部421の下端面よりも広く、第1の剛性体50の上面51の一部のみが下部緩衝材40の下部凸部421の下端面の全面に当接する構成であっても、第1の剛性体50の下面52の広い面で、第1のクッション材60の上面62に面当接することができる。このため、第1の剛性体50を介して、第1のクッション材60の上面62全体で、下部緩衝材40を支持することができる。この結果、衝撃を第1の剛性体50の上面51及び下面52全体で分散させることができ、広い面積の第1のクッション材60で、梱包箱10に加わる衝撃や振動を吸収することができ、下部緩衝材40に衝撃や振動が伝達されることを、極力抑えることができる。
【0059】
また、第1のクッション材60の上面62が第1の剛性体50の下面52に対して摺動可能に第1の剛性体50の下面52に面当接する第1のクッション材60を備える。このため、第1のクッション材60の上面62が第1の剛性体50の下面52に対して摺動することにより、梱包箱10に加わる所定の周波数の振動を吸収することができ、基板収納容器2内において、フロントリテーナ及びリアリテーナに対して、基板Wが振動することを極力抑えることができる。この結果、フロントリテーナ及びリアリテーナに対して基板Wが擦れて、基板Wが削れ、基板収納容器2内において基板Wが汚染されることを極力抑えることができる。
【0060】
また、第1のクッション材60は、それぞれ平坦な上面62及び下面63を有する複数の板状第1クッション材61が上下方向D2に積層されて構成され、積層方向に隣接する下側の板状第1クッション材61の上面62と上側の板状第1クッション材61の下面63とは、摺動可能に面当接する。このため、積層方向に隣接する下側の板状第1クッション材61の上面62と上側の板状第1クッション材61の下面63とが摺動することにより、梱包箱10に加わる所定の周波数の振動を効果的に吸収することができる。また、複数の板状第1クッション材61を繰り返し使用することができる。そして、複数の板状第1クッション材61のうちのいずれかが破損等した場合に、当該破損等した板状第1クッション材61のみを交換することができる。
【0061】
また、梱包箱10内に配置され、それぞれ平坦な上面71及び下面72を有し板状を有する第2の剛性体70であって、第2の剛性体70の上面71が最下層の板状第1クッション材61の下面63に摺動可能に面当接する第2の剛性体70を備え、第2の剛性体70は、第2の剛性体70の上面71全体で最下層の板状第1クッション材61の下面63に面当接可能に第2の剛性体70自体の形状を保持できる硬さを有する。このため、天板15と同様に分割されて構成された底板16の強度を補い、図中上方向D21へ向かう衝撃を分散させ、クッション材の緩衝効果を高めることができる。
【0062】
また、梱包箱10内に配置され、上面811と下面832とを有する第2のクッション材80であって、第2のクッション材80の上面811は、第2の剛性体70の下面72に対して摺動可能に第2の剛性体70の下面72に当接する第2のクッション材80を備え、第2のクッション材80は、基板Wが収納された基板収納容器2を第2のクッション材80に直接載置すると弾性変形し、載置した基板収納容器2を取り除くと、元の形状に復元する弾性的な柔軟性を有する。
【0063】
このため、第2のクッション材80の上面811が第2の剛性体70の下面72に対して摺動することにより、梱包箱10に加わる所定の周波数の振動を効果的に吸収することができる。更に、第2のクッション材80において、梱包箱10に加わる衝撃を効果的に吸収することができる。
【0064】
また、第2のクッション材80は、それぞれ上面811、821、831及び下面812、822、832を有する複数の板状第2クッション材81、82、83が上下方向D2に積層されて構成され、積層方向に隣接する下側の板状第2クッション材82、83の上面と上側の板状第2クッション材81、82の下面812、822とは、それぞれ平坦な形状を有し、積層方向に隣接する下側の板状第2クッション材82、83の上面821、831と上側の板状第2クッション材81、82の下面812、822とは、摺動可能に面当接する。
【0065】
このため、積層方向に隣接する下側の板状第2クッション材82、83の上面821、831と上側の板状第2クッション材81、82の下面812、822とが摺動することにより、梱包箱10に加わる所定の周波数の振動を効果的に吸収することができる。また、複数の板状第2クッション材81、82、83を繰り返し使用することができる。そして、複数の板状第2クッション材81、82、83のうちのいずれかが破損等した場合に、当該破損等した板状第2クッション材のみを交換することができる。
【0066】
また、第2のクッション材80の上面811は、上方へ突出する上突出部814を有し、上突出部814は、第2の剛性体70の下面72に対して摺動可能に第2の剛性体70の下面72に当接する。上突出部814が第2の剛性体70の下面72に対して摺動することにより、梱包箱10に加わる所定の周波数の振動を効果的に吸収することができる。また、上突出部814が第2の剛性体70の下面72によって部分的に押しつぶされることにより、梱包箱10に加わる衝撃を、効果的に吸収することができる。
【0067】
また、第2のクッション材80の下面832は、下方へ突出する下突出部834を有し、下突出部834は、梱包箱10の底板16の内面に対して摺動可能に梱包箱10の底板16の内面に当接する。下突出部834が梱包箱10の底板16の内面に対して摺動することにより、梱包箱10に加わる所定の周波数の振動を効果的に吸収することができる。また、下突出部834が梱包箱10の底板16の内面に当接して部分的に押しつぶされることにより、梱包箱10に加わる衝撃を、効果的に吸収することができる。
【0068】
また、上下方向D2に直交する方向における第2のクッション材80の側面813、823、833は、梱包箱10の内面に常時当接している。このため、第2のクッション材80の側面813、823、833が梱包箱10の内面に摺動することにより、梱包箱10に加わる所定の周波数の振動を効果的に吸収することができる。
【0069】
また、上下方向D2に直交する方向における第1のクッション材60の側面64は、梱包箱10の内面に常時当接している。このため、第1のクッション材60の側面64が梱包箱10の内面に摺動することにより、梱包箱10に加わる所定の周波数の振動を効果的に吸収することができる。
【0070】
また、梱包箱10内において上部緩衝材30の上面31に載置される上部クッション材20を備え、上部クッション材20は、基板Wが収納された基板収納容器2を上部クッション材20に直接載置すると弾性変形し、載置した基板収納容器2を取り除くと、元の形状に復元する弾性的な柔軟性を有する。このため、梱包箱10の上部に加わる所定の周波数の衝撃及び振動を吸収することができる。
【0071】
以下、本発明の第2実施形態による基板収納容器2を梱包するための梱包構造体1Aについて説明する。
図7は、本発明の第2実施形態に係る、基板収納容器2を梱包するための梱包構造体1Aを示す分解斜視図である。
図8は、本発明の第2実施形態に係る、基板収納容器を梱包するための梱包構造体1Aの梱包箱10を示す平面図である。
図9は、
図8のC−C線に沿った断面図である。
図10は、
図8のD−D線に沿った断面図である。
【0072】
第2実施形態では、第2のクッション材80は、それぞれ平坦な上面821及び下面822を有する3枚の板状第2クッション材82が上下方向D2に積層されて構成されている点において、第1実施形態とは異なる。また、上部クッション材20が設けられていない点において、第1実施形態とは異なる。これ以外の構成については、第1実施形態と同一であるため、同一の部材については、同一の符号で図示し、説明を省略する。
【0073】
3枚の板状第2クッション材82のうちの最上層の板状第2クッション材82の上面821は、第2の剛性体70の下面72に対して接着等されておらず、摺動可能に第2の剛性体70の下面72に当接する。3枚の板状第2クッション材82のうちの中間層の板状第2クッション材82の上面821は、最上層の板状第2クッション材82の下面822に対して接着等されておらず、摺動可能に最上層の板状第2クッション材82の下面822に当接する。3枚の板状第2クッション材82のうちの中間層の板状第2クッション材82の下面822は、最下層の板状第2クッション材82の上面821に対して接着等されておらず、摺動可能に最下層の板状第2クッション材82の上面821に当接する。3枚の板状第2クッション材82のうちの最下層の板状第2クッション材82の下面822は、梱包箱10の底板16の内面に対して接着等されておらず、摺動可能に梱包箱10の底板16の内面に当接する。
【0074】
各板状第2クッション材82は、上面821及び下面822が左右方向D3及び前後方向D1に平行な位置関係で、梱包箱10内において第2の剛性体70の下方に配置されている。上下方向D2に平行な位置関係を有する板状第2クッション材82の側面823の全面は、筒状体110の内面に常時接触している。
【0075】
上記構成の第2実施形態による基板収納容器2を梱包するための梱包構造体1Aによれば、以下のような効果を得ることができる。
【0076】
第2のクッション材80は、それぞれ平坦な上面821及び下面822を有する3枚の板状第2クッション材82が上下方向D2に積層されて構成されている。このため、より広い面積で最上層の板状第2クッション材82の上面821が第2の剛性体70の下面72に対して摺動することができ、梱包箱10に加わる所定の周波数の振動を効果的に吸収することができる。また、より広い面積で最下層の板状第2クッション材82の下面822が梱包箱10の底板16の内面に対して摺動することができ、梱包箱10の下部に加わる所定の周波数の振動を効果的に吸収することができる。即ち、本実施形態では、梱包箱10に加わる所定の周波数の振動を、第1実施形態に係る梱包構造体1よりも、効果的に吸収することができる。
【0077】
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。例えば、上部クッション材20、第1のクッション材60、第2のクッション材80、上部緩衝材30、下部緩衝材40、第1の剛性体50、第2の剛性体70の材質は、本実施形態のそれぞれの材質に限定されない。例えば、第1の剛性体50、第2の剛性体70は、ベニヤ板や石の板で構成されてもよい。
【0078】
また、梱包箱10は、いわゆるプラスチックダンボール箱(プラダン)により構成されたが、これに限定されない。例えば、紙製の段ボールやアルミフレームにより構成されてもよい。
【0079】
また、上下方向D2に平行な位置関係を有する上部クッション材20、第1の剛性体50、第2の剛性体70、第1のクッション材60、第2のクッション材80の側面23、53、73、64、813、823、833の全面、及び、上部緩衝材30、下部緩衝材40の凸部331、341、431、441の先端面の全面は、筒状体110の内面に常時当接していたが、これに限定されない。
【0080】
例えば、側面の全面ではなく側面の一部が筒状体110の内面に常時当接していて、側面の一部が筒状体110の内面に摺動可能であってもよい。または、側面及び先端面の全面が、筒状体110の内面に全く当接していなくてもよい。
【0081】
また、第1のクッション材60は、それぞれスポンジにより構成され平坦な上面62及び下面63を有する複数の長方形状の板状第1クッション材61が上下方向D2に積層されて構成されていたが、これに限定されない。例えば、板状第1クッション材61の枚数は、本実施形態における枚数に限定されない。また、スポンジにより構成され平坦な上面及び下面を有する1枚の厚い第1クッション材により構成されてもよい。
【0082】
同様に、第2のクッション材80は、それぞれスポンジにより構成される複数の長方形状の板状第2クッション材81、82、83が上下方向D2に積層されて構成されていたが、これに限定されない。例えば、板状第2クッション材82の枚数は、本実施形態における枚数に限定されない。また、スポンジにより構成され平坦な上面及び下面を有する1枚の厚い第2クッション材により構成されてもよい。
【0083】
また、基板収納容器は、本実施形態の形状のものに限定されない。