特許第6018306号(P6018306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 矢崎総業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6018306-表示装置 図000002
  • 特許6018306-表示装置 図000003
  • 特許6018306-表示装置 図000004
  • 特許6018306-表示装置 図000005
  • 特許6018306-表示装置 図000006
  • 特許6018306-表示装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018306
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20161020BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20161020BHJP
   G01D 7/00 20060101ALI20161020BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20161020BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20161020BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   B60K35/00 Z
   B60R16/02 640K
   G01D7/00 K
   G01D7/00 G
   G09G5/00 530T
   G09G5/36 520E
   G09G5/10 Z
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-522929(P2015-522929)
(86)(22)【出願日】2014年6月17日
(86)【国際出願番号】JP2014066014
(87)【国際公開番号】WO2014203888
(87)【国際公開日】20141224
【審査請求日】2015年11月24日
(31)【優先権主張番号】特願2013-130777(P2013-130777)
(32)【優先日】2013年6月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 涼
【審査官】 木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−121822(JP,A)
【文献】 特開2010−160024(JP,A)
【文献】 特開2003−076311(JP,A)
【文献】 特開2004−136823(JP,A)
【文献】 特開2012−194016(JP,A)
【文献】 特開2002−046505(JP,A)
【文献】 特開2008−254539(JP,A)
【文献】 特開2003−345334(JP,A)
【文献】 特開昭62−058112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
B60K 37/00−37/06
B60R 16/02
G01D 7/00
G09G 5/00
G09G 5/10
G09G 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され運転者に情報を提示する表示要素を所定の大きさで表示すると共に当該表示要素を切り替え可能である表示部を備え、
前記表示要素は、シフトポジションを表すものであり、
前記表示部は、前記表示要素の表示開始時には、前記表示要素を、前記所定の大きさよりも小さく表示した後、徐々に拡大し、前記所定の大きさよりも大きくなった後で更に前記所定の大きさまで徐々に縮小し、これにより前記所定の大きさでの前記表示要素の表示を開始し、
前記表示要素の表示切替が開始されると、切り替え前の表示要素を徐々に小さく且つ濃度を薄くし、並行して切り替え後の表示要素を徐々に大きく且つ濃度を濃くすることで、前記切り替え前の表示要素を消去するまでの間にこれと並行して前記切り替え後の表示要素を表示する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記表示要素の表示開始時には、前記表示要素を、所定の濃度よりも薄く表示した後、徐々に濃度を増加し、前記所定の濃度よりも濃くなった後で更に前記所定の濃度まで徐々に濃度を減少し、これにより前記所定の濃度での前記表示要素の表示を開始する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフトポジションを表す表示要素を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、液晶表示器等の表示デバイスを用いて自動車用メータを画面に表示するグラフィックメータが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−221915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グラフィックメータによれば、画面表示における自由度が高いので、各種の新奇な表示態様を実現することができる。例えば、現在のシフトポジションを表す表示要素を画面上に表示するものがある。シフトポジションは、例えば運転席近傍に配されたシフトレバーの操作位置であり、車両に搭載されている変速機(トランスミッション)の変速状態(減速比)と対応する。例えば、自動変速機の場合には、パーキング「P」、リバース(バック)「R」、ニュートラル「N」、ドライブ「D」等のシフトポジションがある。運転者は、現在のシフトポジションを把握した上で運転を行う必要がある。
【0005】
一般的に、従来のグラフィックメータでは、表示要素の切替により現在のシフトポジションを示している。例えば、シフトポジションがパーキングである場合には「P」の文字を、シフトポジションがドライブである場合には「D」の文字を、表示することにより、現在のシフトポジションを運転者に呈示する。
【0006】
しかしながら、従来の表示装置では、上記表示要素は他の表示要素と比較して小さく表示されることが多く、また、走行中に注視し易い部分ではないので、その表示内容が変化しても、運転者が変化に気付き難かった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は運転者が現在のシフトポジション等の表示要素を把握し易い表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、下記の点を特徴としている。
(1) 車両に搭載され運転者に情報を提示する表示要素を所定の大きさで表示すると共に当該表示要素を切り替え可能である表示部を備え、
前記表示要素は、シフトポジションを表すものであり、
前記表示部は、前記表示要素の表示開始時には、前記表示要素を、前記所定の大きさよりも小さく表示した後、徐々に拡大し、前記所定の大きさよりも大きくなった後で更に前記所定の大きさまで徐々に縮小し、これにより前記所定の大きさでの前記表示要素の表示を開始し、
前記表示要素の表示切替が開始されると、切り替え前の表示要素を徐々に小さく且つ濃度を薄くし、並行して切り替え後の表示要素を徐々に大きく且つ濃度を濃くすることで、前記切り替え前の表示要素を消去するまでの間にこれと並行して前記切り替え後の表示要素を表示する
こと
(2) 上記(1)に記載の表示装置であって、
前記表示部は、前記表示要素の表示開始時には、前記表示要素を、所定の濃度よりも薄く表示した後、徐々に濃度を増加し、前記所定の濃度よりも濃くなった後で更に前記所定の濃度まで徐々に濃度を減少し、これにより前記所定の濃度での前記表示要素の表示を開始する、
こと。
【0009】
上記構成の表示装置によれば、シフトポジション等を示す表示要素が、表示開始時において、一旦、所定の大きさよりも大きく表示されるので、運転者がシフトポジションの変化に気付き易い。
また、上記構成の表示装置によれば、シフトポジション等を示す表示要素が、表示開始時において、一旦、所定の濃度も濃く表示されるので、運転者がシフトポジションの変化に気付き易い。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、運転者が現在のシフトポジションを把握し易い表示装置を提供することができる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態の表示装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、表示部のグラフィック表示画面を示す図である。
図3A図3Aは、シフトインジケータの表示パターンを示す図であり、表示パターン1を示す図である。
図3B図3Bは、シフトインジケータの表示パターンを示す図であり、表示パターン2を示す図である。
図4図4は、シフトインジケータの表示切替手順の例を示すフローチャートであり、表示パターン1を用いた場合の例を示している。
図5図5は、シフトインジケータの表示切替手順の異なる例を示すフローチャートであり、表示パターン2を用いた場合の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施形態に係る表示装置について図面を用いて説明する。本実施形態の表示装置は、車室内のインストルメントパネルに設置されたグラフィックメータに適用される。
【0014】
図1は、本実施形態の表示装置である表示装置100のハードウェアの構成例を示すブロック図である。図1に示すように、表示装置100は、制御部(マイクロコンピュータ、CPU:Central Processing Unit)101、読み出し専用メモリ(EEPROM:Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)102、インタフェース103、インタフェース104、インタフェース115、CPU電源部105、グラフィックコントローラ106、フレームメモリ107、Xドライバ108、Yドライバ109、LCD(Liquid Crystal Display)電源部110、及び表示部(液晶表示器、TFT−LCD:Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)111等を備えている。
【0015】
制御部101は、予め用意されたプログラムを実行し、表示装置100の機能を実現するために必要な様々な処理を行う。例えば、制御部101は、後述する図4図5に示すような描画処理を行う。また、制御部101は、各種データを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)101aを内蔵している。
【0016】
読み出し専用メモリ102は、制御部101が実行するプログラムの内容や、後述するシフトインジケータ25を描画するための表示データ等、種々の固定データを保持している。
【0017】
インタフェース103は、車両側のイグニッションスイッチの状態を表す信号(IGN+)を制御部101に入力する。
【0018】
インタフェース104は、制御部101と車両側の各種制御装置(ECU:Electric Control Unit)との間で、CAN(Controller Area Network)規格による通信を行うために利用される。具体的には、走行速度、冷却水温、燃料量等の車両の各種状態量の現在値を表すデータが、ほぼリアルタイムのデータとして車両側からインタフェース104を介して制御部101に入力される。
【0019】
例えば、インタフェース104は、車両が所定量移動する毎に当該車両側に搭載された速度センサから出力される車速パルス信号を受け付け、現在の車両の走行速度の値を表す走行速度情報として制御部101に出力する。
【0020】
また、インタフェース104は、燃料センサによって検出された燃料量の情報を受け付け、制御部101に出力する。また、インタフェース104は、温度センサによって検出された冷却水温の情報を受け付け、制御部101に出力する。
【0021】
また、インタフェース115は、運転席近傍に配されたシフトレバー120に設けられたシフトセンサから、シフトレバー120の操作位置であるシフトポジションを表す信号を受け付け、制御部101に出力する。また、インタフェース115は、各種のスイッチ操作を受け付け、制御部101に出力する。
【0022】
CPU電源部105は、車両側のプラス側電源ライン(+B)から供給される直流電力を入力して制御部101の動作に必要な直流電圧(Vcc)を生成する。また、CPU電源部105は、必要に応じてリセット信号(RST)を生成したり、制御部101から出力されるスリープ信号(SLP)に従って電力供給を抑制するための動作も行う。
【0023】
表示部111は、表示部であり、液晶デバイスにより構成された多数の微小表示セルをX方向及びY方向に並べて配置されたカラーの2次元表示画面を有している。表示部111は、多数の微小表示セルの表示状態をセル毎に個別に制御することにより、2次元表示画面上に図形、文字、画像等の所望の情報をグラフィック表示することができる画像表示式の表示器である。
【0024】
図2は、表示部111のグラフィック表示画面111aを示す図である。図2の左右方向がX方向であり、上下方向がY方向である。
【0025】
グラフィック表示画面111aの中央の領域には、現在の車両の走行速度を表示する速度計20が表示される。速度計20は、速度スケール23、リング21及び指針22から構成される。指針22は、速度スケール23上の一部を指し示すことで、現在の車両の走行速度を指示する。
【0026】
また、リング21内の下方の表示領域には、距離計(ODO/TRIPメータ)28が表示されている。距離計28は、ODO値(積算走行距離)及びTRIP値(走行距離)を表示する。また、リング21内の中央下方の表示領域には、走行モード29、ここでは「NORMAL」の文字画像が表示されている。また、リング21内の中央上方の表示領域には、シフトポジションを「P」、「R」、「N」、「D」、「L」の各種マーク(表示要素)で表すシフトインジケータ25が表示されている。これらシフトインジケータ25として表示するマークの種別により、運転者は現在のシフトポジションを把握することができる。このシフトインジケータ25の表示動作の詳細については後述する。
【0027】
速度計20を囲む4つの領域、つまり左上領域、右上領域、左下領域及び右下領域には、それぞれ水温計31、燃料計36、平均燃費計41及び瞬間燃費計46が表示される。
【0028】
水温計31は、温度スケール32及び指針33を有する。温度スケール32は、Y方向に棒状に延びたスケールであり、その両端部にホット(H)及びコールド(C)の目盛りが付けられている。指針33は、温度スケール32上でX方向に延びる棒状に表示され、温度スケール32に沿うように上下方向(Y方向)に移動し、Y方向の位置によって冷却水温を指示する。
【0029】
燃料計36は、燃料スケール37及び指針38を有する。燃料スケール37は、Y方向に棒状に延びたスケールであり、その両端部にフル(F)及びエンプティ(E)、中間部に1/2の目盛りが付けられている。指針38は、燃料スケール37上でX方向に延びる棒状に表示され、燃料スケール37に沿うように上下方向(Y方向)に移動し、Y方向の位置によって残燃料量を指示する。
【0030】
平均燃費計41は、燃費スケール42及び指針43を有する。燃費スケール42は、Y方向に棒状に延びたスケールであり、その上端部に20km/L、中間部に10km/L及び下端部に0km/Lの目盛りが付けられている。指針43は、燃費スケール42上でX方向に延びる棒状に表示され、燃費スケール42に沿うように上下方向(Y方向)に移動し、Y方向の位置によって平均燃費を指示する。
【0031】
瞬間燃費計46は、燃費スケール47及び指針48を有する。燃費スケール47は、Y方向に棒状に延びたスケールであり、その上端部に30km/L、中間部に15km/L及び下端部に0km/Lの目盛りが付けられている。指針48は、燃費スケール47上でX方向に延びる棒状に表示され、燃費スケール47に沿うように上下方向(Y方向)に移動し、Y方向の位置によって瞬間燃費を指示する。
【0032】
その他、速度計20の周囲には、ウインカの位置をそれぞれ表すターンR(右旋回)表示58及びターンL(左旋回)表示57、及び各種警告を行う4つのウォーニング表示要素51、52、53、54が配置される。
【0033】
図1に戻って説明を続ける。表示部111のグラフィック表示画面111aのY方向の走査位置は、Yドライバ109の出力により順次に切り替わる。Yドライバ109は、グラフィックコントローラ106から出力される垂直同期信号に同期して、Y方向の走査位置を順次に切り替える。
【0034】
Xドライバ108は、グラフィックコントローラ106から出力される水平同期信号に同期して、表示部111のグラフィック表示画面111aのX方向の走査位置を順次に切り替える。また、Xドライバ108は、グラフィックコントローラ106から出力されるRGB各色の画像データを走査位置の表示セルに与えて画面中の表示内容を制御する。
【0035】
グラフィックコントローラ106は、制御部101から入力される様々な命令にしたがって、様々なグラフィック要素を表示部111のグラフィック表示画面111a上に表示する。実際には、画素毎の表示内容を保持するフレームメモリ107に対して、制御部101又はグラフィックコントローラ106が表示データを書き込み、グラフィックの描画を行う。また、グラフィックコントローラ106は、表示部111のグラフィック表示画面111aを2次元走査するための垂直同期信号及び水平同期信号を生成し、これらの同期信号に同期したタイミングでフレームメモリ107上の該当するアドレスに格納されている表示データを表示部111に与える。
【0036】
LCD電源部110は、車両側のプラス側電源ライン(+B)から供給される直流電力を入力して、表示部111の表示に必要とされる所定の直流電力を生成する。
【0037】
図3A図3Bは、シフトインジケータ25の表示パターンを示す図である。図3Aは、表示パターン1を、図3Bは、表示パターン2をそれぞれ示している。尚、以下では、シフトポジションがニュートラルを表す「N」のマークからパーキングを表す「P」に切り替わる場合について説明するが、切替前及び切替後のシフトポジションはこれらに限定されるものではなく、任意に選択可能である。
【0038】
表示パターン1では、切替前のシフトポジションであるニュートラルを表す「N」のマークが通常サイズで且つ通常の濃さで表示されている通常状態において、運転者によってシフト操作が行われた場合、シフトインジケータ25の表示は、次のように遷移する。
【0039】
即ち、シフトインジケータ25の表示切替が開始されると、シフトインジケータ25として表示される「N」のマークが消去される。そして、切替後のシフトポジションであるパーキングを表す「P」のマークが通常状態よりも小さいサイズで、且つ通常の濃さよりも薄く表示される。
【0040】
そして、「P」のマークは、徐々に大きく且つ濃くなり、通常状態におけるサイズ及び濃さに達した後、更に大きくなり且つ濃くなる。その後、「P」のマークは、所定の大きさ及び濃さ(濃度)に達した後で徐々に小さく且つ薄くなり、通常サイズ及び通常の濃さに達すると、その状態で維持される。表示パターン1では、以上の表示内容の遷移を経て、シフトインジケータ25が「N」から「P」に切り替わる。
【0041】
一方、表示パターン2では、運転者によってシフト操作が行われ、シフトインジケータ25の表示切替が開始されると、切替前のシフトポジションであるニュートラルを表す「N」のマークが徐々に小さく且つ薄くなると共に、切替後のシフトポジションであるパーキングを表す「P」のマークが徐々に大きく且つ濃くなる。
【0042】
そして、「N」のマークが消去されると、「P」のマークは、表示パターン1と同様に、徐々に大きく且つ濃くなる。「P」のマークは、通常サイズ及び通常の濃さに達した後、更に大きくなり且つ濃くなる。その後、「P」のマークは、所定の大きさ及び濃さ(濃度)に達した後で徐々に小さく且つ薄くなり、通常サイズ及び通常の濃さに達すると、その状態で維持される。
【0043】
上記シフトインジケータ25の切替処理の内容を示す。図4は、シフトインジケータ25の表示切替手順の例を示すフローチャートであり、表示パターン1を用いた場合の例を示している。この処理のためのプログラムは、読み出し専用メモリ102に格納されている。制御部101は、当該プログラムを実行することにより、表示部111に表示されたシフトインジケータ25の表示内容を切り替える。以下、説明の簡略化のために、制御部101が主体となって表示内容を変更するとして説明するが、実際には制御部101が制御信号を出力して表示部111にその表示内容を変更させる。
【0044】
まず、制御部101は、シフトインジケータ25の切替指示があったか否か、つまり、運転者によってシフトレバー120が操作されてシフトポジション(シフト位置)が変更されたか否かを判別する(ステップS11)。
【0045】
シフトポジションが変更されていない場合、制御部101はステップS11の処理を繰り返す。一方、シフトポジションが変更された場合、制御部101は、切替前のニュートラルを表す「N」のマークを消去する(ステップS12)。そして、制御部101は、切替後のパーキングを表す「P」のマークを通常状態よりも小さいサイズで、且つ通常状態よりも薄く表示する(ステップS13)。
【0046】
そして、制御部101は、「P」のマークを徐々に大きく且つ濃くし、通常サイズ及び通常の濃さに達した後、更に大きく且つ濃くする(ステップS14)。
【0047】
その後、制御部101は、「P」のマークを徐々に小さく且つ薄くし、通常サイズ及び通常の濃さに達すると、その状態で維持する(ステップS15、ステップS16)。この後、制御部101はステップS11の処理に復帰する。
【0048】
以上説明した処理を実行することにより、表示部111に表示されたシフトインジケータ25の表示態様が「N」から「P」へと、上述した図3Aの表示パターン1のように変化する。即ち、新たに表示される「P」のマークが、一旦、通常状態における表示サイズよりも大きく、且つ通常状態における濃度よりも濃く表示された後、当該「P」マークの通常状態における表示サイズ及び濃度での表示が開始される。このため、実施形態に係る表示装置100によれば、速度計20等と比較して小さく表示され、且つ走行中に注視され易い部分でない表示要素であるシフトインジケータ25であっても、表示切替時に一旦通常状態における表示サイズよりも大きく、且つ通常状態における表示濃度よりも濃く表示されるので、その変化に運転者が気付き易い。
【0049】
図5を参照して、シフトインジケータ25を表示するための異なる処理の内容を示す。図5は、シフトインジケータ25の表示切替手順の異なる例を示すフローチャートであり、表示パターン2を用いた場合の例を示している。表示パターン2を用いる場合は、ステップS21〜S23の処理が表示パターン1の場合と異なる。その他の処理については同一であるので、同一の符号を付して説明する。
【0050】
ステップS21では、制御部101は、通常状態で表示されている、切替前のニュートラルを表す「N」のマークを徐々に小さく且つ薄くする処理を開始する。
【0051】
制御部101は、徐々に「N」のマークを小さく且つ薄くすると並行して、切替後のパーキングを表す「P」のマークを小さいサイズで且つ薄く表示する(ステップS22)。
【0052】
制御部101は、切替前のニュートラルを表す「N」のマークを消去する(ステップS23)。
【0053】
そして、制御部101は、「P」のマークを徐々に大きく且つ濃くし、通常サイズ及び通常の濃さに達した後、更に大きく且つ濃くする(ステップS14)。制御部101は、「P」のマークを徐々に小さく且つ薄くし、通常サイズ及び通常の濃さに達すると、その状態で維持する(ステップS15、ステップS16)。この後、制御部101はステップS11の処理に復帰する。
【0054】
以上説明した処理を実行することにより、表示部111に表示されたシフトインジケータ25の表示態様が「N」から「P」へと、上述した図3Bの表示パターン2のように変化する。即ち、「N」のマークが小さく且つ薄く表示されて消去されるまでの間に、これと並行して、「P」のマークが小さいサイズで且つ薄く表示され、その表示が開始される。
【0055】
以下では、本実施形態に係る表示装置100について纏める。
(1) 表示装置100は、現在のシフトポジションを表す表示要素であるシフトインジケータ25を所定の大きさ(通常状態における大きさ)で表示する表示部111を備えている。表示部111は、シフトインジケータ25の表示開始時(表示切替時)には、シフトインジケータ25を、通常状態における大きさよりも小さく表示した後、徐々に拡大し、通常状態における大きさよりも大きくなった後で更に通常状態における大きさまで徐々に縮小し、これにより通常状態における大きさでのシフトインジケータ25の表示を開始する。
(2) 表示装置100では、表示部111は、シフトインジケータ25の表示開始時には、シフトインジケータ25を、通常状態における濃度よりも薄く表示した後、徐々に濃度を増加し、通常状態における濃度よりも濃くなった後で更に通常状態における濃度まで徐々に濃度を減少し、これにより通常状態における濃度でのシフトインジケータ25の表示を開始する。
【0056】
尚、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
【0057】
例えば、上記実施形態では、シフトポジションの表示切替時における表示内容の変化について説明したが、シフトポジションの表示開始時における表示内容の変化に適用しても構わない。即ち、シフトインジケータ25が表示部111に表示されていない状態においてシフト操作が為されたことにより、新たにシフトインジケータ25の表示が開始される場合に適用しても構わない。
【0058】
また、上記実施形態では、シフトインジケータ25の表示切替時における表示内容の変化について説明したが、ウォーニング表示要素51、52、53、54の表示のオンオフの切替に適用しても構わない。即ち、本発明の表示方法は、各種テルテール表示に適用可能である。
【0059】
また、上記実施形態では、図3Aに示す表示パターン1と、図3Bに示す表示パターン2のいずれか一方を用いるとして説明したが、例えばインタフェース115から受け付けた運転者のスイッチ操作によってこれらの表示パターンを切替可能である構成としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
20 速度計
22、33、38、43、48 指針
25 シフトインジケータ(表示要素)
28 距離計
31 水温計
36 燃料計
41 平均燃費計
46 瞬間燃費計
51、52、53、54 ウォーニング表示要素
100 表示装置
101 制御部
101a RAM
102 読み出し専用メモリ
103、104、115 インタフェース
105 CPU電源部
106 グラフィックコントローラ
107 フレームメモリ
108 Xドライバ
109 Yドライバ
110 LCD電源部
111 表示部
111a グラフィック表示画面
120 シフトレバー
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5