(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018412
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】化粧水噴霧器及び化粧水噴霧装置
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20161020BHJP
B05B 7/06 20060101ALI20161020BHJP
B05B 7/24 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
A45D34/04 550
B05B7/06
B05B7/24
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-108218(P2012-108218)
(22)【出願日】2012年5月10日
(65)【公開番号】特開2013-233330(P2013-233330A)
(43)【公開日】2013年11月21日
【審査請求日】2015年2月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】512107259
【氏名又は名称】株式会社H&Bコンサルティング
(74)【代理人】
【識別番号】100103975
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】井上 和幸
【審査官】
横山 幸弘
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3136465(JP,U)
【文献】
特開2005−238180(JP,A)
【文献】
特開2005−074127(JP,A)
【文献】
特開平01−110304(JP,A)
【文献】
特開2006−212490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
B05B 7/06
B05B 7/24
A61H 33/02
A45D 33/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧水噴霧器本体と、この化粧水噴霧器本体に設けられた化粧水を収納する化粧水収納部と、上記化粧水噴霧器本体の前端部に形成された空間部内に配設されたノズルと、上記化粧水収納部と上記ノズルとを接続する化粧水供給管と、上記ノズルの入口部に臨ませている、上記化粧水供給管の導出通路部内を流通する化粧水に磁場を与える磁石と、上記化粧水噴霧器本体と圧縮ガスボンベとを接続するための接続口と、上記接続口と上記ノズルを配設している空間部とを接続している圧縮ガス供給管と、上記化粧水噴霧器本体の空間部に形成され、上記圧縮ガス供給管を通じて供給された圧縮ガスを噴射させると共にその噴射によって上記化粧水収納部内に収納した化粧水を吸引して圧縮ガスと混合させながら霧状に噴射させる噴射孔と、上記化粧水噴霧器本体の把持部に前後方向に移動可能に配設され、下端面を傾斜面に形成している操作部と、上記圧縮ガス供給管に介在し、その弁棒を上記操作部の下端傾斜面に当接させて操作部の後方への移動により下方に変位し、操作部の後方への変位量が大きくなるほど、開放度が大きくなる弁体と、化粧水噴霧器本体内に配設され、その前端部が上記ノズルの化粧水流通孔に挿入されていると共に上記操作部に接続されていて操作部の後方への移動に合わせて後方に移動してその前端部と上記ノズルの化粧水流通孔の内周面との間の化粧水が流通する隙間の大きさが大きくなるように調整する噴霧調整杆とを備えていることを特徴とする化粧水噴霧器。
【請求項2】
化粧水供給管は、主管部とこの主管部の前端に連結、連通している導出通路部とを有し、上記導出流路部は、主管部の前端に連結、連通し且つ主管部内を流通する化粧水の流通方向に対して斜交する方向に延びる斜交部を有しており、上記斜交部内において化粧水に磁場を与えるように構成していることを特徴とする請求項1に記載の化粧水噴霧器。
【請求項3】
請求項1に記載の化粧水噴霧器と、圧縮ガスボンベを収納可能で且つ上記化粧水噴霧器本体の把持部を保持可能なフック部とを有しているボンベ収納容器とを備えていることを特徴とする化粧水噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚への吸収性に優れた化粧水を皮膚に霧状に噴霧することができる化粧水噴霧器及びこれを備えた化粧水噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、皮膚の保湿や栄養分の補給のために化粧水を塗布することが行われている。化粧水を皮膚に塗布する方法としては、例えば、手のひら上に化粧水を所定量だけ供給し、化粧水を塗布したい部位、例えば、顔などに手のひらを当てることによって、手のひら上の化粧水を所望の部位に塗布し、或いは、化粧水を霧状に噴霧するための化粧水噴霧器に化粧水を充填し、化粧水噴霧器から化粧水を塗布したい部位に化粧水を霧状に吹き付けて、所望の部位に化粧水を塗布することが行われている。
【0003】
上記化粧水噴霧器としては、特許文献1に、顔に直接噴霧するフェイススプレーであって、 所定色を有する耐水性微粒子を含有するファンデーション液、化粧水、及び加圧された噴射剤が充填された金属製容器と、上記金属製容器に取り付けられ、上記ファンデーション液、化粧水、及び上記噴射剤をエアロゾルとして噴出するスプレーノズル部とを有するフェイススプレーが提案されている。
【0004】
しかしながら、上記フェイススプレーは、化粧水を単に噴霧させているだけであるので、皮膚への化粧水の吸収力が不十分なことが多く、化粧水を十分に皮膚に吸収させることができる化粧水噴霧器が所望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3146534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、皮膚への吸収性に優れた化粧水を皮膚に霧状に噴霧することができる化粧水噴霧器及びこれを備えた化粧水噴霧装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の化粧水噴霧器は、化粧水噴霧器本体と、この化粧水噴霧器本体に設けられた化粧水を収納する化粧水収納部と、上記化粧水噴霧器本体の前端部に形成された空間部内に配設されたノズルと、上記化粧水収納部と上記ノズルとを接続する化粧水供給管と、上記ノズルの入口部に臨ませている、上記化粧水供給管の導出通路部内を流通する化粧水に磁場を与える磁石と、上記化粧水噴霧器本体と圧縮ガスボンベとを接続するための接続口と、上記接続口と上記ノズルを配設している空間部とを接続している圧縮ガス供給管
と、上記化粧水噴霧器本体の空間部に形成され、上記圧縮ガス供給管を通じて供給された圧縮ガスを噴射させると共にその噴射によって上記化粧水収納部内に収納した化粧水を吸引して圧縮ガスと混合させながら霧状に噴射させる噴射孔と、上記化粧水噴霧器本体の把持部に前後方向に移動可能に配設され、下端面を傾斜面に形成している操作部と、上記圧縮ガス供給管に介在し、その弁棒を上記操作部の下端傾斜面に当接させて操作部の後方への移動により下方に変位し、操作部の後方への変位量が大きくなるほど、開放度が大きくなる弁体と、化粧水噴霧器本体内に配設され、その前端部が上記ノズルの化粧水流通孔に挿入されていると共に上記操作部に接続されていて操作部の後方への移動に合わせて後方に移動してその前端部と上記ノズルの化粧水流通孔の内周面との間の化粧水が流通する隙間の大きさが大きくなるように調整する噴霧調整杆とを備えていることを特徴とする。
【0008】
そして、上記化粧水噴霧器において、化粧水供給管は、主管部とこの主管部の前端に連結、連通している導出通路部とを有し、上記導出流路部は、主管部の前端に連結、連通し且つ主管部内を流通する化粧水の流通方向に対して斜交する方向に延びる斜交部を有しており、上記斜交部内において化粧水に磁場を与えるように構成していることを特徴とする。
【0009】
又、本発明の化粧水噴霧装置は、上記化粧水噴霧器と、圧縮ガスボンベを収納可能で且つ上記化粧水噴霧器本体の把持部を保持可能なフック部とを有しているボンベ収納容器とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の化粧水噴霧器は、上述の如き構成を有しており、化粧水収納部内の化粧水を圧縮ガスによるエジェクト効果によって化粧水収納部からノズルに向かって吸引させており、ノズルの入口部に近い化粧水供給管の導出通路部内を流通している化粧水に磁石によって磁力を与えている。
【0011】
一方、通常、水分子は、10〜20個程度の水分子同士が互いに引きつけ合って集合体、所謂、クラスターを形成している。水のクラスターに磁場を与えると、水のクラスターが小さくなり、皮膚への吸収が良くなる。
【0012】
本発明の化粧水噴霧器では、化粧水供給管の導出通路部において化粧水に磁場を与えており、化粧水を構成している水のクラスターをより小さいものとして、化粧水の皮膚への吸収性を向上させていると共に、より小さくなった水のクラスターを含む化粧水を直ちにノズルから噴射させて圧縮ガスによって霧状とし、霧状の化粧水を速やかに皮膚に噴霧させて皮膚に効率良く吸収させることができる。
【0013】
本発明の化粧水噴霧装置は、上述の如き構成を有していることから、化粧水噴霧器本体の把持部をボンベ収納容器のフック部に挿通、保持させることによって、化粧水噴霧器とボンベ収納容器とを一体化して用いることができ、化粧水噴霧器の取扱性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の化粧水噴霧器を示した縦断面図である。
【
図2】本発明の化粧水噴霧器を示した縦断面図である。
【
図3】本発明のボンベ収納容器を示した分解斜視図である。
【
図4】本発明の化粧水噴霧装置の使用状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の化粧水噴霧器の一例を図面を参照しつつ説明する。
図1に示したように、化粧水噴霧器1の化粧水噴霧器本体2は、断面T状に形成され且つ内部が中空部に形成されており、下方に突出した突出部を人が手で把持するための把持部21としている。
【0016】
化粧水噴霧器本体2の上部には、化粧水を収納するための化粧水収納部22が設けられている。なお、化粧水収納部22は、
図1に示したように、化粧水噴霧器本体2に一体的に設けられても又は化粧水噴霧器本体2から着脱自在に設けられていてもよい。化粧水としては、汎用のものを用いることができ、水に保湿剤、清涼剤又は増粘剤などが添加されてなる。
【0017】
一方、化粧水噴霧器本体2の前端部には空間部20が形成されており、この空間部20の前部には前後方向に貫通した状態に噴射孔23が形成され、この噴射孔23を通じて空間部20が外部と連通していると共に、空間部20内にはノズル3が、その出口部31を噴射孔23に臨ませ且つ出口部31の開口端面が上記化粧水噴霧器本体2の噴射孔23の後側開口端面と略面一となるように配設されている。ノズル3の前端と噴射孔23の後側開口端との間には、圧縮ガス及び化粧水が流通可能な隙間が形成されている。
【0018】
ノズル3と化粧水収納部22とは、ノズルの入口部32に化粧水供給管24の前端を連結、連通させ且つ化粧水収納部22に化粧水供給管24の後端を連結、連通させることによって化粧水供給管24を介して接続されている。
【0019】
上記化粧水供給管24は、その前半部を屈曲させて導出流路部241としている。化粧水供給管24は、その前半部を除く主管部240と、この主管部240の前端に後端を連結、連通している導出通路部241とを有している。化粧水供給管24の導出通路部241は、主管部240の前端に後端を連結、連通し且つ主管部240内を流通する化粧水の流通方向に対して斜交する方向に延びる斜交部241aと、この斜交部241aの前端に後端を連結、連通し且つ主管部240の長さ方向と同一方向(主管部240内を流通する化粧水の流通方向と同一方向)に延びる導出部241bとを有している。そして、化粧水供給管24の導出通路部241の斜交部241a内を流通する化粧水に磁場を付与するための一対の磁石4、4が、化粧水供給管24の斜交部241a内を流通している化粧水を挟んで配設されている。一対の磁石4、4は、これらの対向面のうち、一方がN極に、他方がS極となるように調整されている。
【0020】
更に、化粧水噴霧器本体2内にはその長さ方向(
図1の左右方向)に延びる噴霧調整杆5が配設されている一方、噴霧調整杆5の前端部は、化粧水供給管24を水密的に貫通してノズル3の流通孔33に挿入され、噴霧調整杆5の前端部とノズル3の流通孔33の内周面との対向面間には化粧水が流通可能な隙間が形成されており、ノズル3の流通孔33内への噴霧調整杆5の前端部の挿入度合いを調整して、ノズル3内に供給される化粧水の量を調整可能に構成されている。
【0021】
又、化粧水噴霧器本体2の把持部21の下端部には、ボンベ収納容器A内に収納された圧縮ガスボンベA1に接続管Bを介して後述する圧縮ガス供給管7を気密的に接続するための接続口6が形成されている。この接続口6には、圧縮ガス供給管7の後端部が気密的に連結、連通されている共に、圧縮ガス供給管7の前端部は、化粧水噴霧器本体2におけるノズル3を配設している空間部20内に気密的に連結、連通されており、接続口6と空間部20とは圧縮ガス供給管7を介して気密的に接続されている。
【0022】
更に、化粧水噴霧器本体2の把持部21には操作部9が前後方向に移動可能に配設されている。圧縮ガス供給管7には弁体8が介在され、弁体8の弁棒81が操作部9の下端面に当接させた状態に配設されている。操作部9はバネ10によって前方に向かって常時、付勢されていると共に、弁体8は常態において閉止した状態となっている。化粧水噴霧器1の把持部21を把持し、指で操作部9を後方に移動させると、操作部9の下端傾斜面91によって弁棒81が下方に変位し、弁体8が開放状態となって、化粧水噴霧器本体2の接続口6を通じて供給された圧縮ガスは、圧縮ガス供給管7を通じて化粧水噴霧器本体2の空間部20内に供給されるように構成されている。なお、操作部9の後方への変位量が大きくなるほど弁体8の開放度合いが大きくなるように構成されている。
【0023】
又、操作部9は、噴霧調整杆5とこの噴霧調整杆5の接続部51において接続しており、操作部9を指で後方に移動させると、操作部9の後方への移動に合わせて噴霧調整杆5が接続部51を介して後方に移動し、噴霧調整杆5の前端部とノズル3の流通孔33の内周面との対向面間に形成された化粧水が流通可能な隙間が大きくなるように構成されている。なお、噴霧調整杆5はバネ52によって前方に向かって常時、付勢されており、操作部9から指を離すと、操作部9はバネ10の弾性力によって元の状態に復帰すると共に、噴霧調整杆5もバネ52の弾性力によって元の状態に自動的に復帰するように構成されている。
【0024】
次に、化粧水噴霧器1の使用要領を説明する。化粧水噴霧器1の化粧水収納部22の蓋部材22aを開放して供給口22bを通じて化粧水収納部22内に化粧水を供給した後、蓋部材22aで供給口22bを閉止して化粧水収納部22を閉止する。
【0025】
化粧水噴霧器1は、ボンベ収納容器A内に収納された圧縮ガスボンベA1に接続管Bを介して接続させて用いられる。なお、圧縮ガスボンベA1内には、ガスが圧縮状態にて収納さており、圧縮ガスボンベA1としては、炭酸ガスが化粧水の皮膚への吸収を促進する効果を有するので、炭酸ガスボンベが好ましい。
図3及び
図4に示したように、ボンベ収納容器Aは、その内部に圧縮ガスボンベA1を収納可能に構成されており、ボンベ収納容器Aの接続口A2と、化粧水噴霧器1の接続口6とを接続管Bを介して気密的に接続することによって、ボンベ収納容器A内の圧縮ガスボンベA1内と化粧水噴霧器1の圧縮ガス供給管7内とを接続管Bを介して気密的に接続する。
【0026】
更に、ボンベ収納容器Aの外面には、化粧水噴霧器1の把持部21を保持可能な平面略C字状のフック部A3が一体的に設けられており、上記フック部A3に化粧水噴霧器1の把持部21を上方から挿入して化粧水噴霧器1をボンベ収納容器Aのフック部A3に保持させる。このように、化粧水噴霧器1をボンベ収納容器Aのフック部A3に保持させることによって、化粧水噴霧器1とボンベ収納容器Aとを一体的に取り扱うことができる。
【0027】
そして、化粧水噴霧器1の把持部21を何れか一方の手で把持し、化粧水噴霧器1の操作部9を指で後方に向かって変位させると、操作部9が弁棒81を下方に向かって押圧し、その結果、化粧水噴霧器1の圧縮ガス供給管7内に介在させた弁体8が開放状態となって圧縮ガスボンベA1内の圧縮ガスが接続管B及び化粧水噴霧器1の接続口6を通じて圧縮ガス供給管7内に流入し、圧縮ガス供給管7内に流入した圧縮ガスは化粧水噴霧器本体2の空間部20内に流入して、この空間部20内に流入した圧縮ガスは、化粧水噴霧器本体2の噴射孔23の後側開口端とノズル3の前端部との隙間を通じて化粧水噴霧器本体2の噴射孔23から外部に噴射される。これと同時に、操作部9の後方への変位によって、噴霧調整杆5が接続部51を介して後方に移動し、噴霧調整杆5の前端部とノズル3の流通孔33の内周面との対向面間に形成された化粧水が流通可能な隙間が大きくなる。このように、化粧水噴霧器本体2の噴射孔23から噴射される圧縮ガスの量に応じて、噴霧調整杆5の前端部とノズル3の流通孔33の内周面との対向面間に形成された、化粧水が流通可能な隙間の大きさが調整される。即ち、圧縮ガス供給管7中の弁体8の開放度合いが大きくなって、化粧水噴霧器本体2の噴射孔23から噴射される圧縮ガスの量が多くなるほど、噴霧調整杆5の前端部とノズル3の流通孔33の内周面との対向面間に形成された、化粧水が流通可能な隙間の大きさが大きくなるように構成されている。
【0028】
圧縮ガスが化粧水噴霧器本体2の噴射孔23から噴出する際のエジェクト効果によってノズル3を通じて化粧水収納部22内の化粧水が吸引され、吸引された化粧水は化粧水供給管24を通じてノズル3の流通孔33内にその入口部32から流入してノズル3の出口部31から噴射される。なお、ノズル3から噴射される化粧水の量は、化粧水噴霧器1の操作部9の後方への移動度合いを調整し、弁体8の開放状態、及び、噴霧調整杆5の前端部とノズル3の流通孔33の内周面との対向面間に形成された化粧水が流通可能な隙間の大きさを調整することによって行われる。
【0029】
ノズル3の出口部31から噴射された化粧水は、空間部20内から化粧水噴霧器本体2の噴射孔23を通じて外部に噴射される圧縮ガスと混合し、この圧縮ガスとの混合によって霧状とされた上で化粧水噴霧器本体2の噴射孔23から圧縮ガスと共に霧状に噴霧される(
図2参照)。
【0030】
上述のように、圧縮ガスのエジェクト効果によって吸引された化粧水は化粧水収納部22から化粧水供給管24を通じてノズル3に供給されるが、化粧水は化粧水供給管24の斜交部241a内を流通する途上において一対の磁石4、4から磁場を受ける。
【0031】
通常、水分子は、10〜20個程度の水分子同士が互いに引きつけ合って集合体、所謂、クラスターを形成している。水のクラスターに磁場を与えると、クラスターを構成している水分子の数が少なくなり、水のクラスターが小さくなる。
【0032】
本発明の化粧水噴霧器1では、化粧水に、化粧水供給管24の導出通路部241、特に、導出通路部241の斜交部241aを流通する過程において一対の磁石4、4によって磁場を付与しており、化粧水は主管部240から斜交部241aに流入する際にその流通方向が変化し、その結果、化粧水に乱流が発生し、この乱流によって化粧水に効果的に磁石4、4から磁場を与えることができ、化粧水を構成している水のクラスターをより効果的に小さくしている。
【0033】
小さくされた水のクラスターは不安定であるものの、化粧水への磁場の付与は、ノズル3の入口部32に臨ませた、化粧水供給管24の導出流路部241、詳細には、導出流路部241の斜交部241aにて行われることから、小さくされた水のクラスターは、直ちにノズル3を通じて化粧水噴霧器本体2の噴射孔23から霧状に噴霧されて直ちに皮膚に塗布される。皮膚に塗布された化粧水は、水のクラスターが小さいので皮膚に円滑に吸収され、化粧水の効果をより効果的に発現させることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 化粧水噴霧器
2 化粧水噴霧器本体
20 空間部
21 把持部
22 化粧水収納部
22a 蓋部材
22b 供給口
23 噴射孔
24 化粧水供給管
240 主管部
241 導出通路部
241a 斜交部
241b 導出部
3 ノズル
4 磁石
5 噴霧調整杆
6 接続口
7 圧縮ガス供給管
8 弁体
9 操作部
10 バネ
A ボンベ収納容器
A1 圧縮ガスボンベ
A2 接続口
A3 フック部
B 接続管