特許第6018414号(P6018414)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6018414
(24)【登録日】2016年10月7日
(45)【発行日】2016年11月2日
(54)【発明の名称】ポストカードの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20161020BHJP
   G03D 15/00 20060101ALI20161020BHJP
【FI】
   B42D15/02 501G
   G03D15/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-114762(P2012-114762)
(22)【出願日】2012年5月18日
(65)【公開番号】特開2013-240901(P2013-240901A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2015年5月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506031694
【氏名又は名称】株式会社JVIS
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】古村 裕
(72)【発明者】
【氏名】飯谷 友俊
(72)【発明者】
【氏名】殿村 泰宜
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−180077(JP,A)
【文献】 特開2003−170680(JP,A)
【文献】 実開平04−085443(JP,U)
【文献】 特開平11−058927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 15/02
G03D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が印刷面となり裏面が粘着面となったラベルの前記粘着面剥離紙に貼り付けてなるラベル用紙をラベルロールから引き出しつつ、前記ラベルの表面に複数の画像及びマークを印刷する印刷工程と、
前記印刷工程後の前記剥離紙から前記ラベルを剥がす剥離工程と、
前記剥離工程後の前記マークを検出してこの検出情報に基づいて前記ラベルの裏面における前記各画像に対応する部分に葉書を貼り付ける貼付工程と、
前記貼付工程後の前記ラベルを前記葉書毎に裁断する裁断工程とを有し、
前記印刷工程後の前記ラベルの表面にニスを塗布し、この後、前記剥離工程において前記剥離紙から前記ラベルを剥がすことを特徴とするポストカードの製造方法。
【請求項2】
前記印刷工程において、前記ラベルの表面における前記各画像に対応する位置に前記マークを印刷し、前記貼付工程において前記画像毎に設けられた前記マークを検出し、この検出情報に基づいて、前記ラベルの裏面における前記各画像に対応する部分に前記葉書を順次貼り付けていくことを特徴とする請求項1に記載のポストカードの製造方法。
【請求項3】
前記印刷工程において、前記ラベルロールから前記ラベル用紙を引き出しつつ、前記ラベルに幅方向に複数並ぶ画像を順次印刷することで、当該ラベルに対して引き出し方向に並ぶ複数の前記画像からなる画像列を幅方向に複数列印刷すると共に、当該ラベル用紙に前記マークを前記画像列毎に印刷するものであって、
当該印刷工程後の前記ラベル用紙を長さ方向に搬送しながら当該ラベル用紙の隣り合う前記画像列の境界部分を切断することで、一の前記画像列及び前記マークが印刷された前記ラベル用紙を得る切断工程を具備し、
前記剥離工程において前記切断工程で得られた前記ラベル用紙の前記剥離紙から前記ラベルを剥がし、
前記貼付工程において前記剥離工程後の前記ラベル用紙の前記マークを検出し、この検出情報に基づいて前記剥離工程後の前記ラベルの前記各画像に対応する部分に前記葉書を順次貼り付けていくことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポストカードの製造方法。
【請求項4】
前記切断工程において、搬送される前記ラベル用紙の前記ラベルに前記ニスを塗布し、このニスが塗布された前記ラベル用紙の隣り合う前記画像列の境界部分を切断することを特徴とする請求項3に記載のポストカードの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポストカードの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には写真に葉書を貼り付けてポストカードを製造する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−131782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記葉書に貼り付けられる写真は、通常、印画紙にレーザー等を当てて露光させ、現像処理を行うことで得られるものである。しかし、印画紙は厚みが大きいため、ポストカードが厚くなり、以下のようにポストカードをプリンターにより印刷するときに支障をきたす恐れがある。すなわち、ポストカードの厚みが大きいと、例えばポストカードの宛名面にプリンターを用いて印刷をするときに、プリンターの紙送り用のローラーに沿ってポストカードが撓み難く、ジャミングや印刷ずれが発生したり、給紙トレイからポストカードがプリンター側に搬送されない事態が生じたりする恐れがある。
【0005】
また、特許文献1においては、帯状写真に葉書を貼り付けるにあたって、帯状写真にセンサー感知孔を設け、このセンサー感知孔をセンサーにより感知して葉書を帯状写真の送り動作に同期して帯状写真に供給するようにしている。しかし、帯状写真に別途センサー感知孔を設けることは工程が増し、製造時間、製造コストが増すことが懸念される。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、プリンターによって支障なく印刷可能なポストカードを製造でき、しかも製造時間、製造コストを抑えることができるポストカードの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のポストカードの製造方法は、表面が印刷面7となり裏面が粘着面8となったラベル4の前記粘着面8剥離紙5に貼り付けてなるラベル用紙3をラベルロール6から引き出しつつ、前記ラベル4の表面に複数の画像9及びマーク15を印刷する印刷工程と、前記印刷工程後の前記剥離紙5から前記ラベル4を剥がす剥離工程と、前記剥離工程後の前記マーク15を検出してこの検出情報に基づいて前記ラベル4の裏面における前記各画像9に対応する部分に葉書2を貼り付ける貼付工程と、前記貼付工程後の前記ラベル4を前記葉書2毎に裁断する裁断工程とを有し、前記印刷工程後の前記ラベル4の表面にニスを塗布し、この後、前記剥離工程において前記剥離紙5から前記ラベル4を剥がすことを特徴とする。
【0008】
また、前記印刷工程において、前記ラベル4の表面における前記各画像9に対応する位置に前記マーク15を印刷し、前記貼付工程において前記画像9毎に設けられた前記マーク15を検出し、この検出情報に基づいて、前記ラベル4の裏面における前記各画像9に対応する部分に前記葉書2を順次貼り付けていくことが好ましい。
【0009】
また、前記印刷工程において、前記ラベルロール6から前記ラベル用紙3を引き出しつつ、前記ラベル4に幅方向に複数並ぶ画像を順次印刷することで、当該ラベル4に対して引き出し方向に並ぶ複数の前記画像9からなる画像列10を幅方向に複数列印刷すると共に、当該ラベル用紙3に前記マーク15を前記画像列10毎に印刷するものであって、当該印刷工程後の前記ラベル用紙3を長さ方向に搬送しながら当該ラベル用紙3の隣り合う前記画像列10の境界部分を切断することで、一の前記画像列10及び前記マーク15が印刷された前記ラベル用紙3を得る切断工程を具備し、前記剥離工程において前記切断工程で得られた前記ラベル用紙3の前記剥離紙5から前記ラベル4を剥がし、前記貼付工程において前記剥離工程後の前記ラベル用紙3の前記マーク15を検出し、この検出情報に基づいて前記剥離工程後の前記ラベル4の前記各画像9に対応する部分に前記葉書2を順次貼り付けていくことが好ましい。
【0010】
また、前記切断工程においては、搬送される前記ラベル用紙3の前記ラベル4に前記ニスを塗布し、このニスが塗布された前記ラベル用紙3の隣り合う前記画像列10の境界部分を切断することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明にあっては、印刷されたラベルを葉書に貼り付けてなるポストカードを量産することができる。また、このポストカードのラベルは印画紙と比較して厚みの薄いものにすることができ、これによりポストカードの厚みを薄くすることができる。このため、例えばポストカードにプリンターを用いて印刷をするときには、プリンターの紙送り用のローラーに沿ってポストカードが撓みやすくなり、これにより、ジャミングや印刷ずれが発生したり、プリンターの給紙トレイからポストカードがプリンター側に搬送されない事態が生じたりすることを抑制できる。また、貼付工程では、ラベル用紙のマークを検出し、この検出情報に基づいてラベルの各画像に対応する部分に葉書を順次貼り付けるので、葉書をラベルの各画像に対応する位置に正確に貼り付けることができる。また、マークを印刷工程において画像と共に印刷するので、印刷工程にマークを設ける工程を組み込むことができ、これにより製造時間、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)〜(c)は本発明の実施形態におけるポストカードの製造方法を順に示した説明図である。
図2】同上のポストカードの製造に用いる葉書貼付機を示す説明図である。
図3】同上の切断工程における切断部分を破線で示したラベル用紙の平面図である。
図4】同上の切断工程後のラベル用紙の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。本実施形態の製造方法によって製造されるポストカード1は、印刷が施されたラベル4を長方形状の葉書2の一面である通信面の全体に亘って貼り付けたものである。
【0014】
本実施形態では、印刷工程、切断工程、剥離工程、貼付工程、及び裁断工程を順に経て多数のポストカード1を製造する。
【0015】
ポストカード1の製造にあたっては、図1に示されるラベルロール6と葉書2が用いられる。ラベルロール6はラベル用紙3を紙管にロール状に巻き付けたものである。ラベル用紙3は、剥離紙5上に剥離紙5と同サイズのラベル4を貼り合わせたものである。ラベル用紙3の幅は、葉書複数枚分の幅よりもやや大きい寸法であり、本実施形態のラベル用紙3の幅は葉書三枚分の幅よりもやや大きい330mmである。なお、ラベル用紙3の幅は葉書複数枚分の幅と同じ寸法であってもよい。
【0016】
ラベル4はポリプロピレン等を主原料とする薄手の合成紙や、和紙で構成されている。ラベル4の表面は印刷面7となっている。ラベル4の裏面はアクリル系粘着材等で構成される糊が塗布された粘着面8となっている。ラベル4は粘着面8が剥離紙5に剥離可能に貼り付けられている。
【0017】
ポストカード1の製造にあたっては、まず、ラベルプリンター(不図示)を用いた印刷工程が実行される。ラベルプリンターはトナー式であって、ラベルロール6からラベル用紙3を引き出しつつ、このラベル用紙3のラベル4の印刷面7に感光ドラムに移したトナーを転写、融着させることで、ラベル4に印刷を施すものである。ラベルプリンターとしては、例えばヒューレットパッカード社のHP Indigo デジタル印刷機が用いられる。なお、本実施形態ではトナー式のラベルプリンターを用いるが、インク式等、他のラベルプリンターを用いても構わない。
【0018】
印刷工程では、前記ラベルロール6がラベルプリンターにセットされ、ラベルプリンターが駆動される。これにより、ラベルロール6からラベル用紙3が引き出され、このラベル用紙3のラベル4の印刷面7に印刷が施される。このとき、ラベルロール6から引き出されているラベル4には、ラベル用紙3の幅方向に複数並ぶ画像9が順次印刷される。ここで「画像」とは、写真、画、図形、文字、数字、記号の他、これらを組み合わせたものも含まれる。前記のように画像9を印刷することで、ラベル4の印刷面7には、ラベル用紙3の引き出し方向に並ぶ複数の画像からなる画像列10がラベル用紙3の幅方向に複数列印刷される。なお、図1に示す例では、三列の画像列10を印刷したが、画像列10は二列又は四列以上印刷しても構わない。
【0019】
印刷工程においては、前記画像9の印刷と同時に、ラベルロール6から引き出されているラベル4の印刷面7に、画像9毎にマーク15(図4参照)が印刷される。マーク15は、各画像列10の長手方向(ラベル用紙3の引き出し方向)の各画像9に対応する位置に印刷される。具体的にマーク15は、当該印刷工程におけるラベル用紙3の引き出し方向(後述の貼付工程におけるラベル4の搬送方向)において各画像9の上流側に設けられる。ここで、ラベル用紙3の引き出し方向の最上流に位置するマーク15を除くマーク15は、当該引き出し方向において隣り合う画像9の境界部分に印刷される。これらマーク15は後述の貼付工程において各画像10の位置を検出するために用いられる。なお、本実施形態ではマーク15を画像9毎に設けたが、画像列10毎に設けてもよい。
【0020】
印刷工程においては、前記ラベルロール6から引き出されているラベル4の印刷面7に、マーク15の他、ソートマーク16(図4参照)が印刷される。ソートマーク16は一又は複数の画像9からなる件毎(顧客毎)に設けられる。以下、「マーク15」をソートマーク16と区別するため「カットマーク15」と記載する。
【0021】
印刷工程では、前記ラベルプリンターによって多数の画像9、カットマーク15、及びソートマーク16が印刷された印刷済のラベル用紙3が紙管にロール状に巻き取られ、印刷済ラベルロール60が製造される。
【0022】
前記印刷工程の後に実行される切断工程では、印刷工程後のラベル用紙3を長さ方向に搬送しながら当該ラベル用紙の隣り合う画像列10の境界部分を長さ方向に切断することで、図4に示される一の画像列10、カットマーク15、及びソートマーク16が印刷されたラベル用紙3を得る。
【0023】
切断工程では、図1(b)に示されるように、リール等で構成されるラベル用紙巻取手段13によって印刷済ラベルロール60からラベル用紙3が巻き取られ、この際に引き出されたラベル用紙3は塗工装置11とスリッター12を通過する。
【0024】
ラベル用紙巻取手段13によって印刷済ラベルロール60から引き出されている時、塗工装置11は上下のローラーにより当該ラベル用紙3のラベル4の印刷面7の幅方向に亘ってニスを連続的に塗布する。これによりラベル4の複数の画像列10が印刷された印刷面7の全体にニスが塗布される。
【0025】
このニスには例えば紫外線硬化型の透明なグロスニスが用いられる。このようにニスを塗工することで、ラベル4の印刷が施された印刷面7を保護し、印刷面7に光沢を付与して写真のような外観とすることができる。
【0026】
また、前記ニスに替えて、ラベル4の印刷面7に油性ペン、ボールペン、及び鉛筆によって良好に記載することができる筆記性に優れたニスを塗布してもよい。このニスとしては、例えばDKSHジャパン株式会社が販売するTEC−1においてマット剤を5wt%以上15wt/%以下添加した改良ニス、あるいはTEC−1においてマット剤を5wt%以上15wt/%以下添加し且つワックス剤の添加量を減少させた改良ニスが用いられる。なお、TEC−1にはマット剤は含まれておらず、また、ワックス材成分は0.1wt%以上0.5wt%以下含まれている。なお、ラベル4の印刷面7には前記のようなニスを塗布しなくてもよい。
【0027】
スリッター12は、ラベル用紙巻取手段13によって印刷済ラベルロール60から引き出されている前記ニス塗布後のラベル用紙3を隣り合う画像列10の各境界部分において引き出し方向と平行に切断する。具体的には、ラベル用紙3を図3の破線a1〜a4に示される部分で切断する。これによって、一の画像列10、カットマーク15、及びソートマーク16が印刷された葉書2よりもやや大きい幅を有するラベル用紙3が複数製造される。図示例では、幅105mmのラベル用紙3が三枚製造される。なお、このラベル用紙3の幅は一枚の葉書2と幅と同じ寸法であってもよく、すなわちラベル用紙3の幅は葉書2の幅以上であればよい。そして、前記スリッター12の切断によって得られた各ラベル用紙3は、ラベル用紙巻取手段13によって紙管にロール状に巻き取られ、これにより貼付用ラベルロール61が製造される。
【0028】
切断工程後、図2に示される葉書貼付機17を用いて、剥離工程、貼付工程、及び裁断工程が行われる。
【0029】
葉書貼付機17は、当該葉書貼付機17にセットされた貼付用ラベルロール61からラベル用紙3を長さ方向に引き出して搬送する搬送手段(不図示)を有している。搬送手段は例えばローラーにより構成される。また、葉書貼付機17は、剥離装置14、検出装置22、葉書供給装置19、及び裁断装置20を備えており、これらは前記ラベル用紙3の搬送方向において上流側から順に設けられている。
【0030】
剥離装置14は、搬送手段により貼付用ラベルロール61から引き出されているラベル用紙3のラベル4から剥離紙5を巻き取って剥離紙5をはがすリール等の剥離手段を備えている。検出装置22は例えば反射型又は透過型の光電センサーで構成され、剥離紙5が剥がされた後のラベル4の印刷面7におけるカットマーク15、及び、ソートマーク16を検出する。葉書供給装置19は、多数の葉書2を収容可能な葉書ストッカー21と、葉書供給手段(不図示)と、圧着ローラー23を備えている。葉書供給手段はローラー等で構成され、葉書ストッカー21に収容された葉書2を、前記搬送手段により搬送される剥離紙5が剥がされた後のラベル4の粘着面8に一枚ずつ供給する。この際、葉書2はラベル4の粘着面8における各画像9に対応する部分に供給される。圧着ローラー23はラベル4とこれに供給された葉書2を圧着する。これにより、ラベル4の各画像9に対応する部分は対応する一枚の葉書2の通信面の全体に亘って貼り付けられる。
【0031】
前記葉書供給装置19による葉書2の貼り付けは、前記検出装置22で検出したカットマーク15の検出情報に基づいて搬送手段によるラベル4の搬送と同期して行われる。すなわち、検出装置22により、ラベル4に印刷されたカットマーク15が検出され、この検出情報に基づいて画像9毎に葉書2が貼り付けられるよう葉書供給装置19による葉書2の供給のタイミングが決定される。なお、前記ソートマーク16の検出情報はラベル4に印刷された画像9を件毎に判別するために用いられる。
【0032】
裁断装置20は多段の裁断ローラー24を有し、これら裁断ローラー24を用いて前記搬送手段により搬送される葉書2貼付後のラベル4を葉書2毎に裁断する。このとき、裁断装置20はラベル4が貼り付けられた葉書2の四辺をラベル4と共に裁断し、これにより長方形状のポストカード1が製造される。この葉書2の裁断も、前記検出装置22で検出したカットマーク15の検出情報に基づいてラベル4の搬送と同期して行われる。なお、カットマーク15及びソートマーク16はラベル4において葉書2に対応する部分以外の部分に印刷されており、前記裁断により切除されるため、出来上がったポストカード1にカットマーク15及びソートマーク16は残らない。前記裁断装置20による裁断は前記貼付装置によるラベル用紙3の引き出し速度に応じて連続的に行ってもよいし、断続的に行ってもよい。
【0033】
葉書貼付機17を用いた剥離工程では、まず葉書貼付機17に一の貼付用ラベルロール61がセットされる。次いで葉書貼付機17の駆動により、セットされた貼付用ラベルロール61からラベル用紙3が長さ方向に引き出される。そして、剥離装置14によりこのラベル用紙3のラベル4から剥離紙5が剥がされる。
【0034】
また、この剥離工程と同時に行われる貼付工程では、検出装置22によって剥離紙5が剥離されたラベル4の印刷面7におけるカットマーク15が連続的に検出される。そして、この検出情報に基づいて、前記搬送時の剥離紙5を剥がした後のラベル4に前記葉書供給装置19によって葉書2が一枚ずつ供給され、これによりラベル4の粘着面8における各画像9に対応する部分に葉書2が順次貼り付られていく。
【0035】
また、この貼付工程と同時に行われる裁断工程では、葉書2貼付後のラベル4が裁断装置20によって裁断される。これによりラベル4が葉書2全体に亘って貼り付けられた長方形状のポストカード1が製造される。
【0036】
以上説明した本実施形態のポストカードの製造方法は、剥離紙5にラベル4を貼り付けたラベル用紙3をラベルロール6から引き出しつつ、ラベル4の表面に複数の画像9を印刷すると共にカットマーク15を印刷する印刷工程と、印刷工程後のラベル用紙3の剥離紙5からラベル4を剥がす剥離工程と、剥離工程後のラベル用紙3のカットマーク15を検出し、この検出情報に基づいてラベル5の裏面における各画像9に対応する部分に葉書2を貼り付ける貼付工程と、貼付工程後のラベル5を葉書2毎に裁断する裁断工程とを有している。このような工程を具備することで、印刷されたラベル4を葉書2に貼り付けてなるポストカード1を量産することができる。また、このポストカード1のラベル4は印画紙と比較して厚みの薄いものにすることができ、これによりポストカード1の厚みを薄くすることができる。このため、例えばポストカード1の宛名面にプリンターを用いて印刷をするときには、プリンターの紙送り用のローラーに沿ってポストカード1が撓みやすくなり、これにより、ジャミングや印刷ずれが発生したり、プリンターの給紙トレイからポストカード1がプリンター側に搬送されない事態が生じたりすることを抑制できる。また、貼付工程では、ラベル用紙3のカットマーク15を検出し、この検出情報に基づいてラベル5の各画像9に対応する部分に葉書2を貼り付けるので、葉書2をラベル5の各画像9に対応する位置に正確に貼り付けることができる。また、カットマーク15を印刷工程において画像9と共に印刷するので、印刷工程にカットマーク15を設ける工程を組み込むことができ、これにより製造時間、製造コストを抑えることができる。
【0037】
また、本実施形態では、印刷工程において、ラベル4の表面における各画像9に対応する位置にカットマーク15を印刷し、貼付工程において画像9毎に設けられたカットマーク15を検出し、この検出情報に基づいて、ラベル5の裏面における各画像9に対応する部分に葉書2を順次貼り付けるようにしている。このため、ラベル5の各画像9の位置を正確に検出することができ、これにより葉書2をより正確にラベル5に貼り付けることができる。
【0038】
また、本実施形態では印刷工程においてラベルロール6からラベル用紙3を引き出しつつ、ラベル4に幅方向に複数並ぶ画像を順次印刷することで、ラベル4に対して引き出し方向に並ぶ複数の画像からなる画像列10を幅方向に複数列印刷すると共に、当該ラベル用紙に前記カットマーク15を画像列10毎に印刷する。また、切断工程では、印刷工程後のラベル用紙3を長さ方向に搬送しながらラベル用紙3の隣り合う画像列10の境界部分を切断することで、一の画像列10及びカットマーク15が印刷されたラベル用紙を得る。また、剥離工程において切断工程で得られたラベル用紙3の剥離紙5からラベル4を剥がし、貼付工程において剥離工程後のラベル用紙3のカットマーク15を検出し、この検出情報に基づいて剥離工程後のラベル4の各画像9に対応する部分に葉書2を順次貼り付ける。このようにすることで、ラベル4を葉書2に貼り付けたポストカード1を効率良く製造することができる。
【0039】
また、本実施形態では、切断工程において、搬送されるラベル用紙3のラベル4にニスを塗布し、このニスが塗布されたラベル用紙3の隣り合う画像列10の境界部分を切断する。このようにすることで、ラベル用紙3に印刷面7を保護するニスを効率良く塗布することができる。
【0040】
また、本実施形態では、ラベル用紙3のラベル4に印刷を施し、このラベル用紙3の剥離紙5からラベル4を剥がして当該ラベル4を葉書2の全体に亘って貼り付け、この葉書2の四辺をラベル4と共に裁断してポストカード1を製造する。このため、葉書2の四辺とラベル4の四辺を正確に揃えることができる。すなわち、ポストカード1の各辺を、同一の裁断装置によって切断された葉書2の縁とラベル4の縁とで構成することができ、これによりあたかも一枚の紙によって形成されたような見栄えの良いポストカード1を製造することができる。
【0041】
なお、裁断工程において裁断される葉書2貼付後のラベル4が帯電していると、裁断工程で裁断した葉書2やラベル4の切り屑がポストカード1に付着する恐れがある。そこで、裁断工程により裁断したポストカード1のカット部にイオンを含む風を供給し、これによりポストカード1に付着した切り屑を吹き飛ばすと共にポストカード1の除電を行ってもよい。また、静電気除去手段として、例えば画像9が印刷された後のラベル用紙3の搬送経路にラベル用紙3の除電を行う除電ブラシ等を設けてもよい。
【0042】
また、本実施形態では、剥離工程、貼付工程、及び裁断工程を葉書供給装置19を用いて行ったが、各工程は工程毎に異なる機器を用いて行ってもよい。また、本実施形態では、印刷工程においてラベル用紙3のラベル4に画像列10を複数列印刷したが、印刷工程においてラベル用紙3のラベル4に画像列10を一列のみ印刷し、この後に行われる切断工程を省略してもよい。また、この他、本発明は上記し且つ図面に示した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しても構わない。
【符号の説明】
【0043】
1 ポストカード
2 葉書
3 ラベル用紙
4 ラベル
5 剥離紙
9 画像
10 画像列
図1
図2
図3
図4