(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
無人駐車場などに使用する駐車場システムは、駐車スペース(車両を駐車する位置)へ駐車した車両がその駐車スペースから退出することを制限する装置や、駐車料金の計算および課金などの処理を行う装置などを備える。
【0003】
このような駐車場システムは、通常、外部電源から供給される電力を用いて動作する。その外部電源からの電力の供給が停止した場合、即ち、停電になった場合には、駐車場システムの動作は停止するので、駐車していた車両に対して駐車料金を課金できない場合や、駐車した車両が駐車スペースから退出できない状態になる場合がある。
【0004】
特許公報第3263441号は、停電などで中央精算機(駐車場システムの処理装置)が動作しなくなったときにバックアップのバッテリを用いて、駐車スペースに設置しているロック板を、上昇していた状態から下降した状態にし、駐車スペースから車両が退出できるようにする技術を開示する。なお、ロック板とは、無人の駐車場などにおいて駐車スペースに駐車した車両が退出することを制限する装置の一部(可動部分)であり、車両が駐車スペースに入ったことが感知されると上昇して、車両が駐車スペースから退出できない状態にする。ロック板は、駐車料金の精算が完了すると下降し、車両が駐車スペースから退出できる状態になる。このような可動部分は、フラップと呼ばれるものなどもある。
【0005】
特開平9−217513号は、駐車場の集中制御システムに関する技術を記載している。このシステムは、駐車場内に設置された複数の駐車装置(各駐車スペースに対する車両の出入りを制限する装置)と、駐車装置を集中制御する集中制御装置(駐車場システムの処理装置)とを備える。更に、このシステムは、外部電源から入力した交流電力を直流電力に変換して駐車装置に供給する手段と、外部電源からの電力が断たれた場合に電力供給源を外部電源からバッテリ電源へと切り換える切換スイッチとを含む電源ユニットを備える。このシステムは、電力供給源が外部電源からバッテリ電源へと切り換えられると、駐車装置へバッテリ電源から直接に電力を供給して、上昇していたロック板を下降させ、車両が駐車スペースから退出できるようにする。
【0006】
上記の2件の文献に記載された技術では、停電時において、精算機などの処理装置は動作しない状態となるので、駐車料金の計算も課金もできないという欠点がある。また、停電時にはロック板が下降した状態となるので、駐車スペースに対して車両が自由に出入りできる無秩序な状態となる欠点がある。
【0007】
更には、上記の特開平9−217513号に記載されている電源装置の場合、簡単な構成の切換スイッチを用いて電源の切り換えを行うので、切り換え時に電力が瞬断される。コンピュータなどのような集積回路を備えた精密機器では、たとえ瞬断であっても、処理のエラーが発生したり、データが破壊される場合がある。駐車場システムの場合、例えば、駐車料金の計算に使用するデータが壊れて、駐車料金を計算できなくなる場合もある。このような瞬断の起こり得る電源装置を、駐車場システムの制御装置や情報処理装置の電源装置として用いるのは不適切である。
【0008】
特開2008−268120号には、それぞれの駐車スペースに配される車両感知装置に対する電力の供給が停止しないように、二次電池式バッテリを用いる技術を開示する。この技術は、車両感知装置に対して通常は外部電源から電力を供給し、且つ外部電源により二次電池式バッテリを充電し、外部からの電力供給が停止した場合にバッテリから車両感知装置へ電力を供給するように切り換えるというものである。この技術は、精算機などの処理装置に関する停電対策を全く考慮していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、駐車場システムに対しての外部電源からの電力供給が停止した場合にも、駐車場システムの処理装置や制御装置などが安定して動作を継続するように電力を供給できるようにした駐車場システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、外部電源から動作用の電力を供給される駐車場システム、特に、無人の駐車場システムに使用可能な無停電電源装置に関するものである。無停電電源装置は、入力側に商用電源が接続され、出力側に電力供給を受ける負荷側装置(駐車場システム)が接続されるものであり、
第1電源(電源a)および第2電源(電源b)を含む内部電源(1)であって、第1電源および第2電源は並列に配され、それぞれが、その入力部へ商用電源から入力される交流電力を直流電力に変換してその出力部から出力する、内部電源(1)と、
第2電源(電源b)の出力部から出力される直流電力を入出力部から入力して蓄積し、蓄積された直流電力を入出力部から出力するバッテリ電源(4)と、
制御回路(3)であって、
バッテリ電源(4)の電圧が所定範囲内の値を維持するように、バッテリ電源(4)の充電状態を監視し、バッテリ電源(4)の電圧が所定値まで低下したときに、第2電源(電源b)から出力される電力をバッテリ電源(4)へ充電するために、第2電源(電源b)とバッテリ電源(4)とを電気的に結合し、バッテリ電源(4)の充電が完了すると第2電源(電源b)とバッテリ電源(4)との電気的結合を断つバッテリ電源充電手段
を含む制御回路(3)と、
第2電源(電源b)の出力部と、バッテリ電源(4)の入出力部との間のバッテリ電力充電経路中に配置される第1ダイオード回路(2)であって、第2電源(電源b)からバッテリ電源(4)へ向けて出力される直流電力が第2電源(電源b)側へ逆流することを防止するための第1ダイオード回路(2)と、
第1電源(電源a)から出力される直流電力が入力される第1入力部と、バッテリ電源(4)の入出力部から出力される直流電力が入力される第2入力部と、入力された直流電力を出力する出力部とを備える第2ダイオード回路(5)であって、入力された直流電力が逆流することを防止するための第2ダイオード回路(5)と、
第2ダイオード回路(5)の出力部から出力される直流電力を入力部から入力し、入力された直流電力を交流電力へと変換して出力部から出力するインバータ回路(6)と、
商用電源と、第1電源の入力部および第2電源の入力部とを結合する第1結合手段と、
インバータ回路の出力部と、負荷側装置の入力部とを結合する第2結合手段と、
を備え、
商用電源から内部電源(1)へ所定の電力が供給されている時には、第1電源(電源a)から第2ダイオード回路(5)へ供給される電力の電圧が、バッテリ電源(4)から第2ダイオード回路(5)へ供給される電力の電圧よりも高く、この電圧差により、第2ダイオード回路(5)からインバータ回路(6)へ、第1電源(電源a)から出力される電力が供給され、
商用電源から内部電源(1)へ所定の電力が供給されていない時には、第1電源(電源a)から第2ダイオード回路(5)へ供給される電力の電圧が、バッテリ電源(4)から第2ダイオード回路(5)へ供給される電力の電圧よりも低くなり、この電圧差により、第2ダイオード回路(5)からインバータ回路(6)へ、バッテリ電源(4)から出力される電力が供給される。
【0012】
上記の無停電電源装置は、更に、
第2ダイオード回路(5)をまたぐように、一端が第2ダイオード回路(5)の入力側と接続され、他端が第2ダイオード回路(5)の出力側と接続されるバイパス経路と、
バイパス経路中に設けられ、バイパス経路の接続および接続解除を行う第1スイッチ手段(RY3)と、
を備え、
制御回路(3)は、バッテリ電源(4)からインバータ回路(6)へ供給される電力の状態に応じてバイパス経路の接続および接続解除を行うように第1スイッチ手段(RY3)を制御する手段を備える。
【0013】
上記の無停電電源装置は、更に、
商用電源と負荷側装置とを直接に結合可能な外部電力供給経路と、
外部電力供給経路中に配される第3スイッチ手段(RY1)と、
インバータ回路(6)の出力を監視するインバータ出力監視手段と、
無停電電源装置を停止させるためのスイッチオフ手段と
を備え、
第1結合手段は、第1電源(電源a)と商用電源との間に配される第4スイッチ手段(RY1)と、第2電源(電源b)と商用電源との間に配される第5スイッチ手段(RY1)とを備え、
第2結合手段は、インバータ回路(6)と負荷側装置との間に配される第6スイッチ手段(RY1)を備え、
制御回路(3)は、インバータ回路が所定の電力を出力していないことをインバータ出力監視手段が検出した場合、またはスイッチオフ手段が作動されたことを検出した場合に、第3スイッチ手段を閉じて商用電源と負荷側装置とを結合し、第4スイッチ手段を開いて第1電源(電源a)と商用電源とを電気的に切り離し、第5スイッチ手段を開いて第2電源(電源b)と商用電源とを電気的に切り離し、第6スイッチ手段を開いてインバータ回路(6)と負荷側装置とを電気的に切り離す制御を行う手段を備える。
【0014】
上記の無停電電源装置は、更に、
第2電源(電源b)の出力部から第2ダイオード回路(5)の入力部へ電力を供給する電力供給経路と、
その電力供給経路に設けられる第2スイッチ手段と、
第1電源(電源a)から第2ダイオード回路(5)へ供給される電力の状態を監視する第1電力監視手段と
商用電源から第1電源(電源a)へ供給される電力の状態を監視する第2電力監視手段と
を備え、
制御回路(3)は、商用電源から第1電源へ所定の電力が供給されていることを第2電力監視手段が感知している状態において、第1電力監視手段が、第1電源(電源a)から所定の電力が出力されていないことを感知した時に、第2スイッチ手段を閉じて、電力供給経路を介して第2電源(電源b)から第2ダイオード回路(5)へ電力が供給されるようにする制御を行う手段を備える。
【0015】
また、本願発明の駐車場システムは、
駐車場のそれぞれの駐車スペースにおける車両の有無を感知し、感知結果を示す信号を出力する感知手段と、
駐車スペースに対する車両の出入りを制限するロック手段と、
駐車料金の計算および課金の処理を行う処理手段であって、感知手段から出力される信号および駐車料金の課金の処理の結果に基づいてロック手段の制御を行う処理手段と
を備え、かつ、
外部電源からの電力の供給が絶たれた時に、駐車場システムの感知手段、ロック手段、および処理手段へ、電力の供給の瞬断を発生させずに電力を継続的に供給するための上記の無停電電源装置
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本願発明の無停電電源装置では、外部から無停電電源装置への電力の供給が瞬断した場合でも、それが無停電電源装置からの出力に影響することはない。従って、無停電電源装置の出力が接続された制御装置、記憶装置、処理装置など(以下、これらの装置を処理装置という)において、停電により処理のエラーが発生したり、データが破壊されたりすることがないという効果がある。即ち、停電が発生しても処理装置は適正に動作するので、駐車場システムにおいては、駐車していた車両に対して駐車料金を適正に計算して課金することができる効果がある。
【0017】
更に、駐車場システムにおいては、感知手段およびロック手段へも電力を継続して供給する構成とすることも可能なので、処理装置は、駐車スペースに配されたロック手段(ロック板などを含む装置)を、停電していない時と同様に制御することができる。従って、本願発明では、従来技術の駐車場装置のように停電時にロック板を下降させる必要がない。即ち、停電が発生しても、ロック手段を適切に制御して駐車スペースに対する車両の出入りを制限できる効果がある。
【0018】
即ち、本願発明のシステムでは、停電が発生しても、停電が発生していない時と同様に駐車場システムを動作させることができるので、停電時に発生する問題を排除できる効果がある。
【0019】
無停電電源装置自体に関しては、無停電電源装置の内部電源を、複数の小型の内部電源を並列に配する構成にすることにより、外気温度の上昇に起因しての内部電源の動作の変動に対する補償がなされる効果がある。更に、無停電電源装置内において、バッテリ電源からインバータへ通じるバイパス経路を設けることにより、バッテリ電源からインバータへの供給電力の電圧を適正に維持することができる効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願発明の実施形態の無停電電源装置を使用可能な駐車場システムは、感知装置と、ロック装置と、精算機とを備える。
【0022】
感知装置は、駐車スペースへ車両が入って駐車したときに車両を感知するセンサと、センサが車両を感知したときに、車両を感知した旨を示す感知信号を生成して精算機へ送信する手段とを備える。
【0023】
ロック装置は、駐車スペースに対する車両の出入りを制限する装置であり、ロック板と、ロック板を動作させる装置とを備える。ロック装置は、精算機からロック装置へ向けて送信されるロック板の動作(上昇または下降)を指示する信号を受信すると、その信号に応答してロック板を上昇または下降させる。また、ロック装置は、ロック板の状態を示すランプを備えることができ、例えば、ロック板が上昇した状態にあるときにランプを点灯させる構成とすることができる。
【0024】
精算機は、処理装置、記憶装置、制御装置、料金精算装置などを備えるものであり、駐車料金に関する処理や、駐車場システムの幾つかの装置(感知装置やロック装置など)の制御などを行う装置である。特定的には、精算機は、駐車料金を計算して表示する手段と、駐車料金を徴収する手段と、感知装置から感知信号を受信する手段と、感知信号に応答して、ロック装置のロック板の上昇を指示する信号をロック装置へ送信する手段と、車両を退出させる手続が完了したときに(即ち、精算機において駐車料金の支払いが完了したときに)、ロック装置のロック板の下降を指示する信号をロック装置へ送信する手段とを備える。
【0025】
駐車料金の計算に関しては、精算機は、例えば、駐車スペースへ車両が入って駐車した時点の時刻、即ち、感知装置から感知信号を受信した時刻(駐車スペース毎に、精算機の記憶装置に記憶する)と、精算機で駐車料金の精算手続を開始した時刻、即ち、駐車スペースから車両を退出させる手続を開始する信号が精算機へ入力された時刻とに基づいて、駐車料金を計算する構成とすることができる。なお、上記の感知装置、ロック装置、および精算機の構成は一例であり、他の構成も可能である。
【0026】
上記のような駐車場システムにおいて使用できる無停電電源装置の実施形態を以下に説明する。
【0027】
無停電電源装置の第1の実施形態
無停電電源装置の第1の実施形態を、
図1を参照して説明する。
図1は、本願発明の無停電電源装置の第1の実施形態を示すものであり、この無停電電源装置は、内部電源1、ダイオード回路2、制御回路3、バッテリ電源4、ダイオード回路5、およびインバータ回路6を備える。
【0028】
最初に、
図1に示す実施形態の概略を説明する。外部AC電源は、例えば、AC100Vを供給する商用電源である。この外部AC電源のAC出力は、内部電源1へ入力される。内部電源1は2個の並列に接続された電源回路、電源aおよび電源bを備える。電源aおよび電源bは、それぞれ、入力されたAC電力をDC電力へと変換する。電源aの出力は制御回路3へ入力され、更に、制御回路3から、ダイオード回路5を介してインバータ回路6へ出力される。電源bの出力は、ダイオード回路2を介して制御回路3へ入力され、更に、制御回路3からバッテリ電源4へ入力される。バッテリ電源4の出力は制御回路3へ入力され、更に、制御回路3から、ダイオード回路5を介してインバータ回路6へ出力される。インバータ回路6は、ダイオード回路5から入力されたDC電力をAC電力へとへ変換し、駐車場システムの様々な装置へ入力する。次に、上記の構成の無停電電源装置について、更に詳しく説明する。
【0029】
内部電源1は、外部AC電源から入力された交流(AC)電力を、所定の直流(DC)電力へと変換する。内部電源1は、複数の並列の電源により構成することができ、本実施形態では、内部電源1は、上記のように、電源aおよび電源bを備える。参考として、電力供給に関する具体的な例をあげると、外部AC電源をAC100Vとし、駐車場システムにおいて必要とされる最低電力が150W程度であると想定した場合、余裕を考慮して、300W14Aの電源を2台並列に接続した構成とすることができる。
【0030】
図1に示す実施形態では、内部電源1の電源aおよび電源bのそれぞれの出力電圧は、約28〜28.5Vに設定する。電源bからダイオード回路2および制御回路3を介してバッテリ電源4へ供給される電圧は、電源bとバッテリ電源4との間にある回路の影響による電圧降下により、約26Vに降下する。バッテリ電源4としては、約26V程度の出力電圧を供給可能なものを使用する。
【0031】
内部電源1の電源aは、通常時に電力を駐車場システムの各装置へ供給するための、主となる電源である。通常時、即ち、外部AC電源において停電が発生していない時には、電源aから出力されるDC電力が制御回路3の1つの入力部(電源a電力入力部、以下、第1入力部)へ入力され、制御回路3の1つの出力部(電源a電力出力部、以下、第1出力部)から、ダイオード回路5を介して、インバータ回路6へ入力される。以下、電源aから制御回路3を介してダイオード回路5へ入力される電力を、電源a系電力という。インバータ回路6へ入力されたDC電力はAC電力へと変換され、駐車場システムの各装置へ入力される。
【0032】
ダイオード回路5が制御回路3の第1出力部とインバータ回路6との間に接続されているのは、制御回路3の第1出力部から出力される電力が、制御回路3側へ逆流するのを防止するためである。また、ダイオード回路5は、後に説明するバッテリ電源4から出力される電力が制御回路3側へ流れるのを防止する役割も担う。
【0033】
図1に示す実施形態では、インバータ回路6は、約21〜30Vの範囲で駆動する。停電や故障などが発生しておらず、外部AC電源(商用電源)からの電力がインバータ回路6へ供給されている時、即ち、インバータ回路6が、ダイオード回路5を介して出力される電源a系電力を使用している時、インバータ回路6は、約26.8〜27.5Vで駆動される。なお、インバータ回路6へ入力される電圧(約26.8〜27.5V)が電源aの出力電圧(約28〜28.5V)よりも低くなるのは、電源aとインバータ回路6との間にある回路の影響により電圧が降下するためである。
【0034】
内部電源1の電源bは、バッテリ電源4へDC電力を充電するために使用される電源である。電源bは、ダイオード回路2および制御回路3を介してバッテリ電源4と接続される。詳細には、ダイオード回路2は、電源bの出力部と、制御回路3の1つの入力部(電源b電力入力部、以下、第2入力部)との間に接続され、第2入力部は、制御回路3の1つの出力部(電源b電力出力部、以下、第2出力部)と結合され、第2出力部は、バッテリ電源4の入出力部と接続される。制御回路3は、バッテリ電源4の充電状態を監視する充電監視手段を備える。充電監視手段は、例えば、バッテリ電源4の電圧や電流を監視する手段(電圧計や電流計など)とすることができる。一例としては、バッテリ電源4の電圧が24ボルトを下回ったことを充電監視手段が感知すると、制御回路3は、ダイオード回路2とバッテリ電源4との間の充電用の経路中にあるスイッチ(
図1には示さず、以下、充電用スイッチという)を閉じて、バッテリ電源4の充電を開始する。充電が進み、充電電圧が、バッテリに対して設定された電圧(バッテリ電圧)に近づくと、それらの電圧の差が小さくなり、充電電流も小さくなる。バッテリ電源4への電流の値が小さくなったこと、例えば、バッテリ電源4への電流の値が1アンペアを下回ったことを充電監視手段が感知すると、制御回路3は充電用スイッチを開くことにより電源bとバッテリ電源4との接続を切り離し、バッテリ電源4への充電を中止する。また、別の例として、バッテリ電源4の電圧が所定電圧に達したことを充電監視手段が感知したときに充電を停止する(充電用スイッチを開く)ように構成することも可能である。このような構成により、バッテリ電源4への過充電が防止される。
【0035】
ダイオード回路2は、電源bから出力される電力が電源b側へ逆流するのを防止するためのものである。また、後に説明するように、本願発明では、バッテリ電源4からダイオード回路5(従って、インバータ回路6)へ供給される電力の電圧を、電源aからダイオード回路5へ供給される電力の電圧よりも少し低くする必要がある。従って、ダイオード回路2は、電源bの出力電圧を低下させる役割の一部も担う。一例として、バッテリ電源4へ印加される電圧は、ダイオード回路2、制御回路3などを経由することにより約26Vになる。
【0036】
次に、バッテリ電源4からの電力の出力に関して説明する。バッテリ電源4の入出力部からの出力は、制御回路3の1つの入力部(バッテリ電源電力入力部、以下、第3入力部)へ入力される。第3入力部は、制御回路3の1つの出力部(バッテリ電源電力出力部、以下、第3出力部)と結合され、第3出力部は、ダイオード回路5の入力部と接続される。以下、バッテリ電源4からダイオード回路5へ入力されるDC電力をバッテリ系電力という。
【0037】
バッテリ電源4の容量(出力)は、ダイオード回路5へ入力されるバッテリ系電力の電圧が、ダイオード回路5へ印加される電源a系電力の電圧よりも少し低くなるように設定される。従って、上述のように、この実施形態では、バッテリ電源4を、約26V程度の出力電圧を供給可能なものとする。
【0038】
バッテリ電源4は、1個のバッテリにより構成することも可能であるが、複数のバッテリ(バッテリa、バッテリbなど)を接続した構成とすることも可能である。参考として、電力供給の持続時間に関する具体的な例をあげると、停電の間にバッテリ電源4から駐車場システムの装置へ150W(6.25A、24V)の電力を出力すると想定した場合、バッテリを60Ah、24Vのバッテリとすると、計算上、約9.6時間にわたって電力を供給することができる。
【0039】
この実施形態では、ダイオード回路5へ印加されるバッテリ系電力の電圧を、ダイオード回路5へ入力される電源a系電力の電圧よりも約1.5〜2V低くする。このように、通常時に、バッテリ系電力の電圧を、電源a系電力の電圧よりも低く設定する構成は、本願発明の特徴の1つである。
【0040】
図1の実施形態では、常に、ダイオード回路5へ、電源a系電力と、バッテリ系電力との双方が並列に入力され、ダイオード回路5からインバータ回路6へ電力が供給されている。ダイオード回路5へ向けてのバッテリ系電力の電圧を電源a系電力の電圧よりも低くすることにより、通常時、即ち、外部AC電源が停電状態ではない時には、電源a系電力が、ダイオード回路5を介してインバータ回路6へ入力され、バッテリ系電力の殆どは、ダイオード回路5より先へは供給されない。従って、バッテリ電源4に蓄積された電力は、通常時には、僅かに消費されるのみである。
【0041】
図1の実施形態に示す構成では、制御回路3を介してバッテリ電源4と内部電源1の電源aとの双方が常に並列に接続されてインバータ回路6と接続されているので、外部AC電源が故障したとき、即ち、停電が発生して内部電源1(電源a)から電力が供給されなくなった時にも、バッテリ電源4からインバータ回路6へ電力は継続して出力される。従って、外部AC電源の故障に起因しての出力の瞬断が発生しない。
【0042】
より詳細には、通常時(停電していない時)、ダイオード回路5へ印加される電源a系電力の電圧は、ダイオード回路5へ印加されるバッテリ系電力の電圧よりも高いので、電源aの電力が主にインバータ回路6へ入力されることになる。しかし、何らかの理由で、ダイオード回路5へ印加される電源a系電力の電圧が、ダイオード回路5へ印加されるバッテリ系電力の電圧よりも低くなると、電源aからの電力に加えて、バッテリ電源4からの電力も、インバータ回路6へ入力され始める。電源a系電力の電圧が0になると、電源aからの電力はインバータ回路6へ入力されなくなり、バッテリ電源4からの電力のみがインバータ回路6へ入力されることになる。
【0043】
なお、
図1において、制御回路3を示すブロックの中に記載された点線は、制御回路3を介しての接続を模式的に示すものであり、実際の回路は様々な部品により構成される。また、ダイオード回路2およびダイオード回路5に関しても、それぞれ1個のダイオードの記号を示すのみであるが、実際の回路は複数のダイオードその他の部品により構成され得る。
【0044】
また、上記の第1の実施形態において、無停電電源装置の状態を示すランプやブザーなどの装置(状態表示装置)を備えることも可能である。そのような構成の場合、制御回路3は、内部電源1の出力を監視する電力監視手段の出力に基づいて電源aの故障を検出したときや、外部AC電源の停電を検出したときに、その旨を知らせる信号を状態表示装置(例えば、異常が発生した時に点灯するランプなど)へ送信し、状態表示装置を作動させることにより、装置の故障などを操作者に知らせる。また、上記の外部AC電源の停電や内部電源1の状態を監視する手段および監視した状態を知らせる状態表示装置と同様に、バッテリ電源4の状態(電圧など)を監視する手段および監視結果を知らせる状態表示装置を設けることも可能である。
【0045】
また、上記の第1の実施形態において、電力供給の状態等を表示する状態表示装置を遠隔地に配置し、故障を示す信号を制御回路3から通信回線を介して状態表示装置へ送信することも可能である。更には、状態表示装置をコンピュータおよび表示装置により構成し、故障を示すデータを制御回路3から通信回線を介してコンピュータへ送信し、コンピュータが表示装置に故障を示すデータを表示するようにしてもよい。
【0046】
また、上記の第1の実施形態において、外部AC電源が正常な状態、即ち、停電していない状態において、電源aの故障などの理由で、予め定めた値の電源a系電力が供給されなくなった場合、電源bから制御回路3を介してダイオード回路5へ電力を供給するように構成することも可能である。この構成の場合、例えば、電源bからインバータ回路5へ電力を供給する電力供給経路と、その電力供給経路中に配置される切り替えスイッチと、電源aの出力を監視する第1電力監視手段と、外部AC電源から電源aへ入力される電力を監視する第2電力監視手段とを設ける。なお、これらの構成要素は
図1に示していない。制御回路3は、第1電力監視手段および第2電力監視手段の出力(感知結果)に応じて切り替えスイッチを制御する手段を備える。次に、この電力供給経路に関する動作の例について説明する。第1電力監視手段が電源aの出力の異常を感知していない時(即ち、電源aが所定の電力を出力している状態の時)には、制御回路3は切り替えスイッチを開いて、この電力供給経路を非導通状態とする。第2電力監視手段が電力の異常を感知していない状態(即ち、外部AC電源が所定の電力を電源aへ供給している状態)において、第1電力監視手段が電源aの異常(即ち、電源aが所定の電力を出力していない状態)を感知した時、制御回路3は、切り替えスイッチを閉じて電力供給経路を導通状態として、電源bからダイオード回路5へ電力が供給されるようにする。
【0047】
また、上記の第1の実施形態において、バッテリ電源4からダイオード回路5へ供給される電力の電圧を、電源aからダイオード回路5へ供給される電力の電圧よりも低くするため、従って、電源bからバッテリ電源4への充電電圧を低くするために、予め、電源bの出力電圧を、電源aの出力電圧よりも少し低く設定しておくことも可能である。この構成は、例えば、バッテリの充電経路などにおいて十分な電圧降下が得られない場合などに有効である。一例として、電源aの出力電圧を28ボルトに設定し、電源bの出力電圧を26.5ボルトに設定することができる。また、上記の第1の実施形態において、バッテリ回路4からダイオード回路5へ至る経路の間、例えば、制御回路3の第3出力部とダイオード回路5の入力部との間に、逆流を防止するためのダイオード回路を設けることもできる。
【0048】
無停電電源装置の第2の実施形態
次に、本願発明の無停電電源装置の第2の実施形態について説明する。
図2は、本願発明の無停電電源装置の第2の実施形態を示すものである。第2の実施形態の無停電電源装置は、
図1に示す第1の実施形態の無停電電源装置の構成を基礎とするものであり、基本的構成は第1の実施形態と同じである。
【0049】
図2における電源AVR1およびAVR2は、
図1における電源aおよび電源b(内部電源1)に対応する。ダイオード回路BD2は、ダイオード回路2に対応する。電流検出・充電制御基板およびシステムコントロール基板は、制御回路3に対応する。バッテリ電源BAT1およびBAT2は、バッテリ電源4(バッテリaおよびバッテリb)に対応する。ダイオード回路BD1は、ダイオード回路5に対応する。インバータ回路INVは、インバータ回路6に対応する。AC100V入力電源は、外部AC電源に対応する。
図2の電流検出・充電制御基板のTB4の端子1、端子3、および端子5は、それぞれ、
図1の回路の第1入力部、第3入力部、および第2入力部に対応する。
図2の電流検出・充電制御基板のTB3の端子1、端子3、および端子5は、それぞれ、
図1の回路の第1出力部、第3出力部、および第2出力部に対応する。なお、
図2では、インバータ回路INVが精算機電源へ結合するものとして示されているが、これは一例であり、
図1の実施形態と同様に、駐車場システムの精算機電源以外の各装置へも結合することも可能である。
【0050】
図2の実施形態では、
図1の実施形態に幾つかの構成を付加しているが、以下では、第1の実施形態と異なる部分のみを、下記の(1)〜(6)において述べる。
【0051】
(1) 第2の実施形態では、AC100V入力電源(
図1の外部AC電源に対応)と、電源AVR1およびAVR2(内部電源1に対応)との間に、ノイズ除去のためのアレスタAR1と、1:1のE端子付き変圧器TR1とを備える。
【0052】
(2) 第2の実施形態では、インバータおよび他の回路の温度の過剰な上昇を抑制するために、ファン(FAN1およびFAN2)を備える。ファンは、常に作動している状態とするように構成することも、また、温度検出器を設置して、検出した温度が所定値よりも高くなった時に作動するように構成することもできる。このファンのオン/オフの切り替えは、リレースイッチRY4により行われる。この構成により、無停電電源装置内の回路の動作が熱により低下することなく、効率的に動作できる効果がある。
【0053】
(3) 第2の実施形態では、無停電電源装置が故障した時や、無停電電源装置をメンテナンスのために取り外す必要がある時に、外部電源(商用電源)、即ち、AC100V入力電源またはAC100V入力電源と同等の電力を供給可能な電源を、駐車場システムの精算機電源へ直接に接続する構成を備える。この構成について、
図2を参照して説明する。
【0054】
変圧器TR1の2つの出力部には、AC100V入力電源のL端子およびN端子から出力される電力と同じ電力を出力可能な外部電源が接続されている。
図2では、この外部電源を、六角形の中にACLおよびACNと記載した記号で表している。この変圧器TR1の2つの出力部に接続された外部電源は、通常時、即ち、無停電電源装置が正常に動作している時には、無停電電源装置から電気的に切り離されている。
【0055】
通常時には、AC100V入力電源から無停電電源装置への入力、即ち、変圧器TR1の2本の出力線と、電源AVR1およびAVR2のAC端子(
図2には合計4個のAC端子を示す)とは、それらの間に設置されたリレースイッチRY1(
図2には2個のリレースイッチを示す)が閉じることにより、電気的に結合されている。なお、リレースイッチのスイッチ部分(接続または接続解除される部分)は、「≠」または「=」の記号で表されており、「≠」はスイッチが閉じた状態を表し、「=」はスイッチが開いた状態を表す。また、リレースイッチを動作させるための回路部分は、円の中にRY1、RY2等と記載した記号で表している。
【0056】
更に、インバータ(従って、無停電電源装置の出力)と、精算機電源とについても、それらの間に設置されたリレースイッチRY1(
図2には2個の閉じたリレースイッチを示す)が閉じることにより、電気的に結合されている。更に、変圧器TR1の2本の出力線と、精算機電源とにつても、それらの間に設置されているリレースイッチRY1(
図2には2個の開いたリレースイッチを示す)を介して電気的に結合することが可能であるが、通常時には、このリレースイッチRY1は開いている。
【0057】
通常ではない時、例えば、無停電電源装置が故障した時や、無停電電源装置をメンテナンスのために取り外す時には、外部電源の2本の線の間に結合された開状態のリレー・スイッチRY2を閉じるように作動させるか、またはスイッチSS1を閉じる。リレースイッチRY2またはスイッチSS1が閉じられると、上記の閉じられていたリレースイッチRY1(
図2における4個の閉じたRY1)が開かれて、無停電電源装置が、AC100V入力電源および精算機電源から、電気的に分離される。それと同時に、上記の2個の開いていたリレースイッチRY1(
図2における2個の開いたRY1)が閉じて、外部電源と精算機電源とが直接に結合され、外部電源から精算機電源へ電力が送られる。この構成により、無停電電源装置が使用できない場合でも、精算機電源へ電力を供給することが可能となる。この構成により、無停電電源装置が無い場合または使用できない場合でも、精算機電源へ電力を供給でき、精算機電源の動作を継続させられる。
【0058】
上記の無停電電源装置が故障した時の動作を行うための構成として、無停電電源装置は、例えば、インバータの出力を監視するインバータ出力監視手段(図示せず)と、リレースイッチRY2とを備える。制御回路(電流検出・充電制御基板およびシステムコントロール基板)は、インバータが所定の電力を出力していないことをインバータ出力監視手段が検出した場合に、上記のリレースイッチRY2を閉じる手段を備える。リレースイッチRY2が閉じた場合の動作は上記のとおりである。即ち、閉じていたリレースイッチRY1が開かれ、開いていたリレースイッチRY1が閉じられる。また、無停電電源装置をメンテナンスや修理のために取り外す時のための構成として、無停電電源装置は、例えば、手動で作動可能なスイッチSS1を備える。無停電電源装置のメンテナンスのタイミングは、例えば、バッテリの電圧が所定値よりも低くなったことを検出した時などであり、その時には、スイッチSS1を手動で閉じる。スイッチSS1を閉じた時の関連する他の回路(リレースイッチRY1など)の動作は、リレースイッチRY2を閉じた時と同じである。
【0059】
なお、第2の実施形態は変圧器TR1を備えているが、変圧器TR1を省略した構成も可能である。その場合、上記の六角形の中にACLおよびACNと記載した記号で表した端子から延びる線の間にあるリレー・スイッチRY2等を含む回路は、AC100V入力電源のL端子とN端子との間に設けることができる。
【0060】
(4) 第2の実施形態では、バッテリ(BAT1およびBAT2)から、ダイオード回路BD1を介さずに、インバータへ電力を入力することを可能にする経路(以下、バイパス経路)を備える。バイパス経路は、ダイオード回路BD1の入力側から、ダイオード回路BD1をまたぐようにして、ダイオード回路BD1の出力側へ結合される。更に、バイパス経路は、その経路中にリレースイッチRY3(バッテリ回路ダイオード解放RY)を備える。リレースイッチRY3は、通常時は開いた状態に維持され、バイパス経路が使用されないようにする。
【0061】
AC100V入力電源からの電力が途絶えた場合や、電源AVR1が故障した場合などには、電源AVR1からダイオード回路BD1へ供給される電力が低下する。そうなった場合、ダイオード回路BD1からは、電源AVR1からの電力に代わってバッテリからの電力が出力される。このダイオード回路BD1からの出力電力が電源AVR1のものからバッテリのものへと切り替わる際、バッテリから出力される電力が電源AVR1から出力される電力を上回り始めた初期段階には、ダイオード回路BD1へ入力される2つの電圧の差が少ないので、バッテリからダイオード回路BD1を介して出力される電流は少ない。しかし、電源AVR1から出力される電流が低下するにつれ、バッテリから出力される電流が増加する。インバータへの供給電力の効率を考慮した場合、バッテリからの出力電流が一定値より高くなったときに、電流検出・充電制御基板のTB3の端子3からインバータへ、それらの間にある回路(即ち、ダイオード回路BD1)を通さずに直接に電力を供給することが望ましい。
【0062】
従って、第2の実施形態では、電流を検出する手段により、電流検出・充電制御基板のTB3の端子3からダイオード回路BD1およびリレースイッチRY3の入力側へ出力されるバッテリの出力電流を測定し、その電流が所定値を超えた時点でリレースイッチRY3を閉じて、電流検出・充電制御基板のTB3の端子3からの出力を、バイパス経路を介して(即ち、ダイオード回路BD1を介さずに)出力するようにする。この構成により、バッテリからインバータへ供給される電力(電圧)は更に安定する。また、電流検出・充電制御基板のTB3の端子1からダイオード回路BD1の入力側へ出力される電力を測定し、その電力が所定範囲内の値(例えば、所定値以上)になったことが感知された時点、即ち、電源AVR1からの出力電力が回復した時点で、バイパス経路の閉じているリレースイッチRY3を再び開くように構成する。また、
図2には示していないが、電流検出・充電制御基板のTB3の端子3とダイオード回路BD1の入力部との間の経路に逆流防止用のダイオード回路を追加することも可能であり、その場合、バイパス経路は、その追加のダイオード回路の入力側から、追加のダイオード回路およびダイオード回路BD1をまたぐようにして、ダイオード回路BD1の出力側へ結合することができる。
【0063】
(5) 第2の実施形態では、商用電力供給中であることを示す手段、即ち、電源AVR1から出力される電力がインバータ回路へ供給されていることを示す手段と、バッテリから出力される電力がインバータ回路へ供給されていることを示す手段と、バッテリが充電中であことを示す手段と、緊急回路が動作中であることを示す手段、即ち、無停電電源装置をAC100V入力電源および精算機電源から電気的に切り離し、AC100V入力電源と精算機電源とを直接に結合する回路(上記(3)で説明の回路)が動作中であることを示す手段とを備える。これらの状態を示す手段はパイロットランプ(PL)である。なお、第1の実施形態においても、図には示していないが、無停電電源装置の様々な状態を示す手段は設けられる。
【0064】
(6) 第2の実施形態では、電流検出・充電制御基板のTB3の端子5と、バッテリBAT1の+端子との間に、リレースイッチRY5を備える。このリレースイッチRY5は、
図1と関連して説明した充電用スイッチに対応するものであるので、動作の説明は省略する。