(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0031】
種々の有利な実施形態は、任意の数の種々の検討事項を認識し、勘案している。本明細書でアイテムを参照する際に使用している「任意の数の」は、一又は複数のアイテムを意味する。例えば、任意の数の検討事項は一又は複数の検討事項を意味する。例えば、種々の有利な実施形態は、ポータブル機器がより正確に制御可能な場合には、ポータブル機器の使用が固定設置されている機器の使用よりも望ましいことを認識し、勘案している。
【0032】
種々の有利な実施形態ではまた、ポータブル機器の配置及びプログラミングを管理するためのコンピュータシステムの使用が、これらの機器の操作に要する時間を短縮しうることを認識し、勘案している。さらに、この種のコンピュータシステムを使用することにより、これらのポータブル機器の操作時に起こりうるエラーの件数を低減することができる。
【0033】
したがって、種々の有利な実施形態は、製造作業の管理のための方法及び装置を提供する。一つの有利な実施形態では、装置は追尾システム及び該追尾システムとの通信の制御装置を含む。追尾システムは、加工対象物上での任意の数の製造作業を実施するように構成された一群のポータブル機器に関する特性を特定するように構成されている。制御装置は、追尾システムを用いて特定された一群のポータブル機器に関する特性を利用して、加工対象物上での任意の数の製造作業の実施を制御するように構成されている。
【0034】
次に図面、特に
図1を参照すると、有利な実施形態に従って製造環境が図解されている。ここに描かれている実施例では、製造環境100の図解が示されている。
【0035】
この例示的な実施例では、製造環境100内の翼102上で製造作業が実施されている。翼102は製造環境100内のセル104の内側に配置されている。セル104は、翼102などの構造物上で製造作業が実施される場所のことである。これらの例示的な実施例では、製造システム106は追尾システム108、制御装置110及び一群のポータブル機器112を含む。
【0036】
この例示的な実施例では、追尾システム108は、カメラ114、116、118、120、122、124、126、128、130、132、134、136、及び138を含む。一群のポータブル機器112は、ポータブル機器140、142、144、146、148、150、及び152を含む。本明細書で使用されているように、アイテムに関連して「一群の」を使用した場合には、一又は複数のアイテムを意味する。例えば、「一群のポータブル機器112」は、一又は複数のポータブル機器となる。
【0037】
追尾システム108は、これらの例示的な実施例では、一群のポータブル機器112の特性を特定するように構成されている。一群のポータブル機器112のうちの一つのポータブル機器は、加工対象物上での製造作業の実施に使用することができる任意の機器又は設備の一部である。
【0038】
この例示的な実施例では、製造システム106はまた配置システム154も含む。配置システム154は配置機器156、158、160、及び162を含む。これらの例示的な実施例では、配置機器156、158、及び160は、翼102の下側面にポータブル機器140、142、及び144を配置するために使用され、一方、配置機器162は、翼102の上側面にポータブル機器146、148、150、及び152を配置するために使用される。
【0039】
これらの例示的な実施例では、配置システム154は制御装置110によって制御されている。制御装置110はコンピュータの形態をとり、一群のポータブル機器112が配置される場所を特定する。
【0040】
一群のポータブル機器112の位置を決定するため、制御装置110によって一群のポータブル機器112の配置が指示される。この配置は、これらの例示的な実施例では、追尾システム108によって特定された一群のポータブル機器に関する特性に基づいている。この情報は一群のポータブル機器112に関する特性を含む。一群のポータブル機器を配置するための配置システム154の使用に加えて、人間オペレータ164及び人間オペレータ166などの人間オペレータが、翼102に対する一群のポータブル機器112の配置を支援することもできる。
【0041】
人間オペレータが制御装置110の支援なしで行う翼102上への一群のポータブル機器112の配置と比較した場合、制御装置110及び追尾システム108によって特定された情報によって、一群のポータブル機器112は翼102上により正確に配置することができる。
【0042】
さらに、これらの例示的な実施例では、制御装置110は、追尾システム108を用いた一群のポータブル機器112に関する特性を利用して、一群のポータブル機器112による製造作業の実施を制御するように構成されている。
【0043】
次に
図2を参照すると、有利な実施形態に従って製造環境がブロック図の形式で示されている。
図1の製造環境100は、
図2にブロック図の形式で示した製造環境200の一実装例である。
【0044】
製造環境200は、加工対象物204上での任意の数の製造作業202の実施に使用される。加工対象物204は機器によって任意の数の製造作業202が実施される任意の物体でありうる。任意の数の製造作業中の一つの製造作業が、穿孔作業、シーリング作業、留め具取り付け作業、検査作業、及び塗装作業の中の一つから選択される。加工対象物204は単一の部品又は複数の部品であってもよい。
【0045】
図1の翼102は加工対象物204の一例である。加工対象物204の他の例示的な実施例は、例えば、限定しないが、航空機、航空機部品、翼、スタビライザ、機体、エンジン、エンジン筐体、着陸装置アセンブリ、及び他の好適な形態の加工対象物を含みうる。
【0046】
これらの例示的な実施例では、任意の数の製造作業202がセル206内部の加工対象物204上で実施される。セル206は任意の数の製造作業が実施しうる場所である。これらの例示的な実施例では、セル206は、建物、ハンガー、又は幾つかの好適な構造物などの密閉空間であってもよい。他の例示的な実施例では、セル206は製造施設、工場、製造プラント、又はいくつかの他の場所の中の領域であってもよい。
【0047】
製造システム208は、セル206内の加工対象物204上で任意の数の製造作業202を実施するように構成されている。図示されているように、製造システム208は追尾システム210、制御装置212、配置システム214、及び一群のポータブル機器216を含む。
【0048】
一群のポータブル機器216のうちの一つのポータブル機器は、任意の数の製造作業202のうちの一又は複数を実施するため、任意の数の種々の加工対象物204まで移動することが可能な機器である。一群のポータブル機器216のうちのポータブル機器は、異なる形式のもの及び/又は同一の形式のものであってもよい。ポータブル機器226は一群のポータブル機器216の一例である。さらに、ツール228は、これらの例示的な実施例で、ポータブル機器226に接続しうる。
【0049】
本明細書で使用しているように、第二コンポーネントに「接続されている」第一コンポーネントは、第一コンポーネントが第二コンポーネントに直接的に又は間接的に接続可能であることを意味する。すなわち、第一コンポーネントと第二コンポーネントとの間には追加のコンポーネントがあってもよい。2つのコンポーネントの間に一又は複数の追加コンポーネントが存在する場合には、第一コンポーネントは第二コンポーネントに間接的に接続されているものとみなされる。2つのコンポーネントの間に追加コンポーネントが存在しない場合には、第一コンポーネントは第二コンポーネントに直接的に接続されている。この例示的な実施例では、ツール228は第一コンポーネントで、ポータブル機器226は第二コンポーネントになっている。
【0050】
ツール228は、加工対象物204上で任意の数の製造作業202のうちの一又は複数を実施するように、構成することができる。これらの例示的な実施例では、ツール228はポータブル機器226の中で独立に移動可能である。すなわち、ツール228はポータブル機器226を動かすことなく、加工対象物204に対して移動することができる。
【0051】
これらの例示的な実施例では、ポータブル機器226はハンドツール、柔軟な追尾機器、ロボット機器、又は加工対象物204に対して移動可能な幾つかの他の好適な形式の機器の形態をとりうる。柔軟な追尾機器は、任意の数の製造作業202を実施するモジュラー形式の多軸数値制御位置決めシステムである。
【0052】
この例示的な実施例では、追尾システム210は一群のポータブル機器216に関する情報217を特定するように構成されている。特に、一群のポータブル機器216に関する情報217は、一群のポータブル機器216のうちの一つ、幾つか、又はすべてに関する情報である。さらに、この情報は、これらのポータブル機器に接続されたツールに関するものであってもよい。例えば、情報217はポータブル機器226及び/又はポータブル機器226に接続されたツール228に関する情報を含みうる。
【0053】
さらに、情報217は、一群のポータブル機器216及び/又は一群のポータブル機器に接続された任意のツールのうちの一つ、幾つか、又はすべてに関する特性218を含みうる。特性218は、例えば、位置220、方向222、移動224、及び一群のポータブル機器216に関する他の好適な特性のうちの少なくとも一つを含みうる。特性218はまた、一群のポータブル機器216のうちの一つのポータブル機器に対する識別子を含みうる。
【0054】
本明細書で使用しているように、列挙されたアイテムと共に使用される「〜のうちの少なくとも一つ」という表現は、列挙されたアイテムの一又は複数の様々な組み合わせが使用可能であり、且つ列挙されたアイテムのいずれかが一つだけあればよいということを意味する。例として、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも一つ」は、例えば、限定しないが、「アイテムA」又は「アイテムAとアイテムB」を含む。この例は、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含む。他の例では、「〜のうちの少なくとも一つ」は、例えば、限定しないが、「2個のアイテムA、1個のアイテムB、及び10個のアイテムC」、「4個のアイテムB及び7個のアイテムC」、さらに他の好適な組み合わせであってもよい。
【0055】
これらの例示的な実施例では、ポータブル機器226に関する位置220、方向222、移動224は特定しうる。ポータブル機器226に関する位置220、方向222、移動224は、加工対象物204及び/又はセル206に対して相対的に特定しうる。さらに、ツール228に対して位置220、方向222、移動224は特定しうる。ツー
ル228に関する位置220、方向222、及び移動224は、加工対象物226及び/又はセル206に対して相対的に特定しうる。
【0056】
これらの例示的な実施例では、追尾システム210は一群のポータブル機器216に関する特性218を任意の数の種々の方法で特定するように構成されている。一つの例示的な実施例では、追尾システム210は特性218を特定するため動作捕捉システムを使用することがある。
【0057】
さらに、追尾システム210はまた、加工対象物204及び/又は製造情報232に関する加工対象物情報230を特定するために使用しうる。加工対象物204に関する加工対象物情報230は、加工対象物204の材料の種類、加工対象物204の寸法、加工対象物204のセル206内の位置、加工対象物204のセル206内の方向、加工対象物204の概観に関する情報、及び/又は他の好適な種類の情報を含みうる。
【0058】
加工対象物204の特徴は、任意の数の製造作業202の実施前に加工対象物204上ですでに示されている特徴、任意の数の製造作業202の実施によって形成された特徴、及び/又は加工対象物204上の他の好適な種類の特徴を含みうる。特徴は、例えば、限定しないが、加工対象物204上の孔、加工対象物204に取り付けられた留め具、加工対象物204に適用されたシーリング材、 加工対象物204上のフランジ、及び/または他の好適な種類の特徴を含みうる。
【0059】
図示されるこのような実施例では、製造情報232は、一群のポータブル機器216による加工対象物204上の任意の数の製造作業202の実施に関する情報を含みうる。製造情報232は、任意の数の製造作業202の実施で使用可能な任意の情報を含みうる。
【0060】
例えば、製造情報232は、一群のポータブル機器216により加工対象物204上に形成され
る特徴に関する情報、ある一時点の加工対象物204
について任意の数の製造作業202を実施するために使用される一群のポータブル機器の総数、加工対象物204
に孔が形成される
速度、加工対象物204
に留め具が取り付けられる
速度、及び/又は他の好適な種類の情報を含みうる。
【0061】
これらの例示的な実施例では、制御装置212はコンピュータシステム233を使用して実装しうる。コンピュータシステム233は任意の数のコンピュータを含む。コンピュータシステム233内に複数のコンピュータが存在する場合には、コンピュータは相互に通信することができる。
【0062】
図示したように、これらの実施例では、コンピュータシステム233はセル206内に存在する。しかしながら、他の例示的な実施例では、コンピュータシステム233内の一又は複数のコンピュータはセル206から離れた位置に配置することができる。さらに、幾つかの例示的な実施例では、コンピュータシステム233内の一又は複数のコンピュータはポータブル型であってもよい。例えば、コンピュータシステム233は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタンスコンピュータ、又は他の好適な種類のポータブルコンピュータシステムであってもよい。このように、コンピュータシステム233はセル206以外の種々の場所に移動しうる。
【0063】
制御装置212は、コンピュータシステム233内で、ハードウェア、ソフトウェア、又はこの二つの組み合わせを利用して実装しうる。ソフトウェアの形態の場合には、制御装置212はコンピュータシステム233内の一台のコンピュータによって実行されるプログラムコードの形態をとりうる。
【0064】
これらの例示的な実施例では、制御装置212は追尾システム210と通信を行っている。例えば、制御装置212は、任意の数の有線通信リンク、任意の数の無線通信リンク、任意の数の光通信リンク、及び/又は他の好適な種類の通信リンクを使用する追尾システム210と通信するように構成されうる。
【0065】
制御装置212は、一群のポータブル機器216に関する情報217、加工対象物情報230、及び
製造情報
232のうちの少なくとも一つを
追尾システム210から受信するように構成されている。これらの様々な種類の情報は、任意の数の製造作業202の実施前、実施中、及び/又は実施後に受信されうる。
【0066】
制御装置212は、情報217、加工対象物情報230及び製造情報232のうちの少なくとも一つを利用して、任意の数の製造作業202の実施を制御するように構成されている。特に、これらの例示的な実施例では、制御装置212は、追尾システム210を用いた特定された一群のポータブル機器216に関する特性218を利用して、加工対象物204上で一群のポータブル機器216による任意の数の製造作業202の実施を制御することができる。
【0067】
図示されているこのような実施例では、制御装置212は、一群のポータブル機器216を用いて任意の数の製造作業202の実施を、任意の数の種々の方法で制御しうる。例えば、制御装置212は、任意の数の製造作業202のうちの特定の製造作業を実施するため、一群のポータブル機器216に任意の数のコマンド234を送信しうる。任意の数のコマンド234は、一群のポータブル機器216のうちの一つ、幾つか、又はすべてによって特定の製造作業の実施を制御するため、一群のポータブル機器216のうちの一つ、幾つか、又はすべてに送信されうる。
【0068】
任意の数のコマンド234は、例えば、限定しないが、ツールを特定の距離だけ移動するコマンド、穿孔を開始するコマンド、加工対象物204上のある位置にシーリング材を適用するコマンド、ポータブル機器を移動するコマンド、及び/又は他の好適なコマンドを含みうる。これらの種類のコマンドは、ポータブル機器が、制御装置212からより少ない指令で種々の作業を実施する情報又は能力を有するときに使用しうる。
【0069】
幾つかの例示的な実施例では、制御装置212は、プログラムコード236を一群のポータブル機器216にダウンロードすることによって、加工対象物204上で一群のポータブル機器216による任意の数の製造作業の実施を制御しうる。プログラムコード236は、一群のポータブル機器によって実行され、一群のポータブル機器216は一又は複数の任意の製造作業202を実施することができる。
【0070】
さらに、配置システム214は、一群のポータブル機器216を加工対象物上の任意の数の場所まで移動するように構成されている。例えば、配置システム214内の配置機器237は、加工対象物204上にポータブル機器226を配置することができる。
【0071】
配置システム214は、具体的な実装に応じて、制御装置212及び/又は人間オペレータによって制御されうる。配置システム214の操作に人間オペレータが使われる場合には、制御装置212は、任意の数の場所238について一群のポータブル機器216がいつ正しく配置されたかに関して、人間オペレータにフィードバックを提供する。
【0072】
さらに、制御装置212は、配置システム214を制御して、製造環境200内の一群のポータブル機器216の移動を制御することができる。このようにして、一群のポータブル機器216の中の二つ以上のポータブル機器が互いに衝突する確率を低減することができる。さらに、制御装置212は配置システム214を制御して、一群のポータブル機器216のうちの一又は複数が製造環境200内の他の設備に衝突する可能性、加工対象物204に好ましくない接触をする可能性、及び/または製造環境200内のある位置に移動することで一群のポータブル機器216による任意の数の製造作業202の実施困難度が増す可能性を低減することができる。
【0073】
配置システム214は、プラットフォーム、クレーン、ロボットアーム、可動式ラック、又は、任意の数の製造作業202のうちの少なくとも一つの製造作業を実施するためにポータブル機器を所望の位置に移動するように構成されている他の幾つかの好適な種類の装置、のうちの少なくとも一つを含みうる。言うまでもなく、実装に応じて、配置システム214は、一群のポータブル機器216のうちの一つ、幾つか、又はすべて、ポータブル機器226の一部、及び/又はポータブル機器226に接続されたツール228を移動するように構成された、任意の構造物及び/又はデバイスを含みうる。
【0074】
さらに、これらの例示的な実施例では、オペレータステーション240はセル206内に存在しうる。オペレータステーション240は、制御装置212の一部、製造システム208の一部、及び/又はセル206内の製造システム208から分離されたシステムであってもよい。
【0075】
図示されているこのような実施例では、オペレータステーション240
は、追尾システム210によって特定された一群のポータブル機器216に関する情報217、加工対象物情報230、及び/又は
製造情報232を
人間オペレータに見ること
を許容する。例えば、追尾システム210及び/または制御装置212は、これらの様々な種類の情報をオペレータステーション240に送信するように構成することができる。
【0076】
これらの実施例で図示したように、この情報及び/又は他の好適な種類の情報は、オペレータステーション240の表示システム243上のグラフィカルユーザインターフェースに表示しうる。表示システム243は任意の数の表示デバイスを含みうる。例えば、表示システム243は、タッチスクリーン、モニタ、液晶ディスプレイ(LCD)、ヘッドマウントディスプレイ、及び他の好適な種類の表示デバイスのうちの少なくとも一つを含みうる。
【0077】
幾つかの例示的な実施例では、制御装置212は視覚的合図、聴覚的合図、及び/又は、配置システム214を用いて一群のポータブル機器216の移動をオペレータが制御することによって使用しうる表示システム243を用いる他の指示を生成することができる。このようにして、オペレータはハンドツールなどのポータブル機器が移動して加工対象物204に接近しすぎるのを防ぐことができる。
【0078】
さらに、人間オペレータは任意の数の入力デバイス244を用いて、グラフィカルユーザインターフェース242とやりとりすることができる。任意の数の入力デバイスは、例えば、限定しないが、キーボード、仮想キーボード、マウス、ペン、ジョイスティック、動作検知入力デバイス、カメラ、ビデオカメラ、及び他の好適な種類の入力デバイスのうちの少なくとも一つを含みうる。
【0079】
オペレータステーション240によって、人間オペレータは制御装置212、配置システム214、一群のポータブル機器216及び/又は追尾システム210とやりとりすることができる。一つの例示的な実施例では、人間オペレータは加工対象物204に対するポータブル機器226の移動を制御するため、任意の数の入力デバイス244を使用することができる。
【0080】
幾つかの例示的な実施例では、加工対象物204上で実施される任意の数の製造作業202に修正を加えるため、人間オペレータはオペレータステーション240を使用してもよい。他の例示的な実施例では、加工対象物204上での任意の数の製造作業202を一群のポータブル機器216のうちのどのポータブル機器が実施するか、並びに任意の数の製造作業202を実施する方法を管理するため、人間オペレータはオペレーションシステム240を使用してもよい。一つの例示的な実施例では、追尾システム210によって特定される情報の種類を管理するため、人間オペレータはオペレーションシステム240を使用してもよい。
【0081】
他の例示的な実施例では、制御装置212及び/又は追尾システム210は、製造環境200内での人間オペレータの配置を管理するために使用しうる。例えば、追尾システム210は、一群のポータブル機器216を用いて、加工対象物204上で任意の数の製造作業202を実施する人間オペレータの配置を追尾するために使用しうる。
【0082】
次に
図3を参照すると、有利な実施形態に従って追跡システムがブロック図の形式で示されている。この例示的な実施例では、
図2の追尾システム210がより詳細に描かれている。
【0083】
追尾システム210はセンサーシステム300を含む。センサーシステム300は任意の数のセンサー302を含む。任意の数のセンサー302は種々の形態のセンサーを含みうる。例えば、任意の数のセンサー302は任意の数のカメラ304を含みうる。
【0084】
任意の数のカメラ304は、
図2の一群のポータブル機器216に関する特性218を特定するために使用しうる画像306を生成する。追尾システム210は、画像306を用いて特性218を特定すること、又は画像306を
図2の制御装置212に送信することができる。制御装置212は、一群のポータブル機器216に関する特性218を特定するために画像306を使用しうる。
【0085】
幾つかの例示的な実施例では、任意の数のセンサー302は任意の数の全地球測位システム(GPS)受信機308を含みうる。任意の数の全地球測位システム受信機308の中の一つの全地球測位システム受信機は、
図2のポータブル機器226、ツール228、又はポータブル機器226とツール228の両方と関連付けることができる。追尾システム210は、全地球測位システム受信機を用いて、ポータブル機器226及び/又ツール228はの位置情報を特定するように構成されている。さらに、任意の数の全地球測位システム受信機308は、
図2の一群のポータブル機器216のうちの複数のポータブル機器を同時に追尾するように使用しうる。
【0086】
全地球測位システム受信機などの第一コンポーネントは、第二コンポーネントに固定すること、第二コンポーネントに接着すること、第二コンポーネントに溶接すること、第二コンポーネントに締結すること、及び/又は他の好適な方法で第二コンポーネントに結合することによって、ツール228などの第二コンポーネントに関連づけられるとみなすことができる。第一コンポーネントはまた、第三コンポーネントを用いて第二コンポーネントに結合することもできる。第一コンポーネントは、第二コンポーネントの部品及び/又は拡張部分として形成することにより、第二コンポーネントと関連づけられるとみなすことができる。
【0087】
一つの例示的な実施形態では、追尾システム210は、任意の数の無線認証タグ310及び任意の数の無線認証タグ読取器312を含みうる。任意の数の無線認証タグ310のうちの一つの無線認証タグは、例えば、ポータブル機器226、ツール228、又はその両者と関連づけることができる。任意の数の無線認証タグ読取器312は、無線認証タグから発信される信号を読み取るように構成されている。さらに、信号強度及び/又は方向に基づいて、任意の数の無線認証タグ読取器312は、ポータブル機器226、ツール228、又は双方の特性218を特定する。
【0088】
別の例示的な実施例では、追尾システム210はレーザー追尾システム314を含みうる。レーザー追尾システム314は、一群のポータブル機器216の特性218を特定するために使用しうる。特に、レーザー追尾システム314は、一群のポータブル機器216の個々のポータブル機器及び/又はこれらのポータブル機器に接続された個々のツールを追尾するように構成しうる。
【0089】
これらの例示的な実施例では、任意の数の無線認証タグ読取器312及び/又はレーザー追尾システム314は、追尾システム210用のセンサーシステム300の一部であってもよい。さらに、追尾システム210のうちの一又は複数のシステムは、特性218を特定するため、単独で、又は他のシステムと組み合わせて使用してもよい。例えば、レーザー追尾システム314及び任意の数のカメラ304は共に、特性218を特定するために使用しうる。
【0090】
次に
図4を参照すると、有利な実施形態に従って一群のポータブル機器がブロック図の形式で示されている。この例示的な実施例では、
図2のポータブル機器216がより詳細に描かれている。一群のポータブル機器216内に複数のポータブル機器が存在する場合には、一群のポータブル機器216は同質のポータブル機器400及び/又は異質なポータブル機器402の形態をとりうる。
【0091】
これらの例示的な実施例では、一群のポータブル機器216の中の一つのポータブル機器は、コンピュータ制御ポータブル機器404、オペレータ制御ポータブル機器406、及び
図2の制御装置212によって制御可能な他の好適な種類のポータブル機器のうちの少なくとも一つを含む。
【0092】
図示されているように、コンピュータ制御ポータブル機器404は、筐体408、制御装置410、任意の数のツール412、移動システム414、通信装置416、及びセンサーシステム418を含みうる。制御装置410、任意の数のツール412、移動システム414、通信装置416、及びセンサーシステム418は、コンピュータ制御ポータブル機器404の筐体408に関連しうる。
【0093】
制御装置410は、コンピュータシステム、プロセッサ装置、又は他の好適なハードウェアの一部であってもよい。制御装置410は、コンピュータ制御ポータブル機器404に対して種々のレベルの情報を提供しうる。ある場合には、制御装置410は、コンピュータ制御ポータブル機器を特定の距離及び/又は方向に移動し、特定の深さの孔を穿孔するための命令をただ単に受信する。
【0094】
他の例示的な実施例では、制御装置410は、
図2の任意の数の製造作業202を実施するため、制御装置212から受信したプログラムコード236を実行する。プログラムコード236は、例えば、加工対象物204上で移動する距離及び穿孔作業を行うべき加工対象物204上での位置を設定する命令であってもよい。
【0095】
他の例示的な実施例では、プログラムコード236はより多くの情報を提供することがある。例えば、プログラムコード236は、神経ネットワーク、人工知能プログラム、又は他の好適な形式のプログラムコードを含みうる。この種のプログラムコードにより、穿孔すべき孔と位置が同定され、コンピュータ制御のポータブル機器404に提供されうる。コンピュータ制御ポータブル機器404は次に任意の数の製造作業202を実施する。コンピュータ制御ポータブル機器404は、任意の数の製造作業202の実施が予定されている位置及び実施される作業の種類の識別に基づいて、
図2の任意の数の製造作業202のうちの一又は複数を実施することができる。
【0096】
これらの例示的な実施例では、任意の数のツール412は製造作業を実施するために使用しうるツールを含む。例えば、任意の数のツール412は、ドリル、ねじ回し、シーラント塗布器、カッター、孔検査ツール、トルクツール、及び他の好適な種類のツールのうちの少なくとも一つを含みうる。
【0097】
移動システム414は、
図2の加工対象物204に対して、コンピュータ制御ポータブル機器404を移動する。移動システム414は、例えば、限定しないが、車輪、脚、追尾軌道、ローラー、及び他の好適な種類の移動用デバイスのうちの少なくとも一つを含みうる。追尾軌道は、例えば、タンクの上など、車輪にぴったりと適合する軌道であってもよい。他の場合には、軌道は加工対象物204及び車輪上、及び/又は移動システム414の他の好適な機構の上に配置することが可能で、コンピュータ制御ポータブル機器404を移動する軌道に沿って筐体408を移動することもできる。
【0098】
これらの例示的な実施例では、通信装置416は、コンピュータ制御ポータブル機器404用の制御装置410と
図2の製造システム208の中の制御装置212との間の通信を可能にするように構成されている。通信装置416は、有線通信、無線通信、光通信、及び/又は他の好適な種類の通信を提供しうる。
【0099】
センサーシステム418は、任意の数の製造作業202が所望の方法で実施されるように、フィードバックを提供する。センサーシステム418は、一部の例ではコンピュータ制御ポータブル機器404内に存在しないこと、及び追尾システム210を使用することによって不要になることがある。
【0100】
これらの例示的な実施例では、オペレータ制御ポータブル機器は筐体422、ツール424、及び制御装置426を含みうる。人間オペレータは、
図2の加工対象物204に関して、オペレータ制御ポータブル機器406を移動又は配置してもよい。
図2の制御装置212は機器424の操作を可能にするため、制御装置426に信号を送ることができる。この信号は、オペレータ制御ポータブル機器406が製造作業を実施する準備が整ったと制御装置212が判断したときに送信される。
【0101】
例えば、ツール424は、製造作業を実施するにあたり、加工対象物204に対して特定の位置と方向に配置しなければならない。ツール424
が特定の位置及び方向
にある場合、制御装置426はツール424の操作を可能にする信号を送信する。制御装置426は、ツール424に電力を供給するため制御装置212によって遠隔制御されるスイッチと同等に単純であるか、特定の実装に応じてプロセッサ装置の形態をとりうる。
【0102】
次に
図5を参照すると、有利な実施形態に従って配置システムがブロック図の形式で示されている。この例示的な実施例では、
図2の配置システム214がより詳細に描かれている。図示したように、配置システム214は任意の数の配置機器機器500を有する。配置機器501は一群のポータブル機器500の一例である。
【0103】
これらの例示的な実施例では、配置機器501は任意の数の移動デバイス502を含む。任意の数の移動デバイス502は、ロボットアーム503、追尾システム504、可動式ラック506、カート508、プラットフォーム510、クレーン512、及び
図2の一群のポータブル機器216のうちの一つのポータブル機器を移動するように構成されている他の好適な種類のデバイスのうちの少なくとも一つを含みうる。さらに、任意の数の移動デバイス502は、配置機器501を移動するように構成されているデバイスを含みうる。
【0104】
任意の数の移動デバイス502のうちの一つの移動デバイスは、コンピュータ制御式及び/又は人間オペレータによって操作されるものであってよい。一つの例示的な実施例では、
図2のポータブル機器226はカート508内に配置してもよい。カート508は可動式カートであってもよい。カート508は人間オペレータによって移動可能、及び/又は例えば
図2の制御装置212からの命令に反応して移動可能であってもよい。
【0105】
これらの例示的な実施例では、追尾システム504はレーザー追尾システム514を含みうる。任意の数の追尾軌道は移動可能な軌道であってもよい。例えば、任意の数の追尾軌道のうちの一つの軌道は
図2の加工対象物上に配置してもよい。さらに、
図2のポータブル機器226は、任意の数の製造作業202を実施するため、追尾軌道上に配置することができ、ポータブル機器を追尾軌道に沿って移動できるようにするホイールを有していてもよい。ポータブル機器226を加工対象物204上で別の位置に移動することが必要な場合には、軌道及びポータブル機器226は別の位置に移動することができる。
【0106】
幾つかの実施形態では、任意の数の移動デバイス502のうちの一部又はすべては、一群のポータブル機器216のうちの一つのポータブル機器と関連しうる。例えば、任意の数の移動デバイス502はポータブル機器226と関連する車輪を含みうる。
【0107】
図2の製造環境200の図解及び
図2〜5に描かれている製造システム208内の種々のシステムは、有利な実施形態が実装されうる方法に対する物理的又は構造的な制限を示唆することを意図していない。図解されているコンポーネントに追加的に、及び/又は代替的に他のコンポーネントを使用してもよい。幾つかのコンポーネントは不必要になることもある。また、幾つかの機能コンポーネントを示すためにブロックが表示されている。有利な実施形態で実装される場合、一又は複数のこれらのブロックは結合されること、及び/又は分割されることがありうる。
【0108】
例えば、幾つかの例示的な実施例では、任意の数のツールが追加的に、及び/又は代替的にポータブル機器226に結合されることがある。レーザー追尾システム210は、これらのツールの各々の特性218を特定するように構成されうる。
【0109】
さらに、他の例示的な実施例では、オペレータステーション240はセル206内に存在しないことがありうる。例えば、人間オペレータはポータブルヘッドマウントデバイスを使用して制御装置212とやりとりしてもよい。幾つかの例示的な実施例では、人間オペレータはセル206から離れた場所にあるコンピュータシステムを利用して制御装置とやりとりを行う。このような方法では、人間オペレータはセル206内にいなくてもセル206内で実施される任意の数の製造作業202の実施の管理に関与しうる。
【0110】
他の例示的な実施例では、
図3に記載したコンポーネント以外の追加コンポーネントが追尾システム210内に存在しうる。例えば、追尾システム210は赤外線イメージングシステム、X 線イメージングシステム、及び/又は他の好適な種類のコンポーネントを含みうる。
【0111】
次に
図6を参照すると、有利な実施形態に従って描画された製造環境が示されている。この例示的な実施例では、製造環境600は、
図2の製造環境200の一つの実装の例である。
【0112】
図示したように、加工対象物602及び製造システム604は、製造環境600のセル605内に存在している。加工対象物602は、この例示的な実施例では、航空機の機体の一部である。製造システム604は、加工対象物602上で製造作業を実施するように構成されている。
【0113】
この例示的な実施例では、製造システム604は制御装置606、配置システム608、追尾システム610、及び一群のポータブル機器612を含む。一群のポータブル機器612は、ポータブル機器613、615、617、及び619を含む。
【0114】
制御装置606は、一群のポータブル機器612によって加工対象物602上での製造作業の実施を制御するように構成されている。図示しているように、制御装置606はコンピュータシステム614を用いて実装されている。コンピュータシステム614は表示システム616を含む。表示システム616は、
図2の表示システム243に対する一つの実装の例である。人間オペレータ618は、一群のポータブル機器612のうちの一又は複数を移動し、及び/又は加工対象物602上での製造作業の実施を管理するため、表示システム616に表示された情報を使用することができる。
【0115】
この例示的な実施例では、配置システム608はアーム622を有する構造物620及び追尾システム624を含む。構造物620のアーム622は図示されている実施例のポータブル機器617に接続されている。人間オペレータ618は、加工対象物602に対してポータブル機器617を移動するため、構造物620のアーム622を移動してもよい。
【0116】
ここに描かれている実施例では、ポータブル機器617は、加工対象物602に対してツールが正しい位置に配置されると作業可能になるハンドツールであってもよい。例えば、制御装置606は、ポータブル機器617が正しい位置に配置されると、ポータブル機器617の電源がオンになるようにスイッチを動かす命令を送信することによって、ポータブル機器617の操作を制御するように構成しうる。
【0117】
追尾システム624は、加工対象物に取り付けられた追尾軌道626、628、630、及び632を含む。ポータブル機器615は、この例示的な実施例では、追尾軌道626に沿って移動する。ポータブル機器613は追尾軌道628に沿って移動し、ポータブル機器619は追尾軌道630に沿って移動する。さらに、ポータブル機器617は構造物620のアーム622から取り外して、追尾軌道632上に配置して加工対象物602に取り付けてもよい。
【0118】
ここに描かれている実施例では、追尾システム610は、カメラ634、636、638、640、642、644、646、648、650、652、654、656、及び658を含む。これらのカメラは概して、位置、方向、及び移動など一群のポータブル機器612に関する情報を特定するために使用される。
【0119】
次に
図7を参照すると、有利な実施形態に従って図解された別の製造環境が示されている。この例示的な実施例では、製造環境700は、
図2の製造環境200の一つの実装の例である。
【0120】
図示されているように、製造作業は、製造環境700内の製造システム704によって航空機702上で実施されている。製造システム704は、制御装置706、追尾システム708、一群のポータブル機器710、及び配置システム712を含む。
【0121】
追尾システム708は、カメラ714、716、718、720、722、724、726、728、730、732、734、及び736を含む。配置システム712は、航空機702の方向に一群のポータブル機器710のうちのポータブル機器750、752、754、756,758、760、762、764、766、768、770、及び772を移動し、航空機702上に配置するために使用しうる車両740、742、744、746、及び748を含む。さらに、配置システム712はまた、一群のポータブル機器710を航空機702の様々な表面に沿って移動できるようにする、一群のポータブル機器710に関連する移動デバイス(図示せず)を含みうる。
【0122】
次に
図8を参照すると、有利な実施形態に従ってグラフィカルユーザインターフェース上の表示が示されている。この例示的な実施例では、グラフィカルユーザインターフェース800は、
図2のグラフィカルユーザインターフェース244の一つの実装の例である。図示されているように、表示802はグラフィカルユーザインターフェース800の上に示されている。人間オペレータは、加工対象物上で実施される製造作業の進行を監視するため、表示802を使用してもよい。
【0123】
表示802は、部品番号804、作業指示806、キット番号808、ツールジグ810、作業内容812、ビデオ814、及びログ816を含む。部品番号804は、製造作業が実施される特定の加工対象物を識別する。作業指示806は、製造作業が実施される特定の作業指示を識別する。キット番号808は、加工対象物上の所定の位置に取り付けられる一群の独自のコンポーネントを識別する。ツールジグ810は、製造作業の実施に使用されるツールを識別する。
【0124】
この例示的な実施例では、作業内容812は実施される特定の製造作業及びその作業に関する情報を識別する。この例示的な実施例では、穿孔作業が実施されている。
【0125】
ビデオ814は穿孔作業を実施しながら作成された穿孔作業のビデオである。このビデオは、例えば、
図3の追尾システム210の任意の数のカメラを使用して作成されうる。さらに、ログ816は、実施された作業及び/又はタスクに対する日付と時間を識別する。
【0126】
次に
図9を参照すると、有利な実施形態に従って描かれた製造作業管理プロセスのフロー図が示されている。
図9に示されたプロセスは、
図2の加工対象物204上で実施された任意の数の製造作業202を管理するため、
図2の製造システム208を使用して実装しうる。
【0127】
このプロセスは、追尾システムを用いる一群のポータブル機器に関する特性を識別することによって開始される(作業900)。作業900では、例えば動作捕捉システムによって生成された画像及び/又はビデオを利用して、特性は識別しうる。
【0128】
このプロセスは、その後の終了処理によって、一群のポータブル機器に関する特性を利用して、一群のポータブル機器による加工対象物上での任意の数の製造作業の実施を制御する(作業902)。作業902は、
図2の制御装置212などの制御装置を利用して実施しうる。
【0129】
この作業では、加工対象物上での任意の数の製造作業の実施は、一群のポータブル機器に命令、信号、及び/又はプログラムコードを送信することによって行うことができる。例えば、制御装置は一群のポータブル機器のうちの一つのポータブル機器に命令を送信して、加工対象物上で特定の方向に特定の距離だけ移動を行う。別の例示的な実施例では、制御装置はポータブル機器に信号を送信し、当該ポータブル機器に接続されている電源スイッチをオンにする。
【0130】
次に
図10を参照すると、有利な実施形態に従って描かれた製造作業管理プロセスのフロー図が示されている。
図10に示されたプロセスは、
図2の加工対象物204上で実施された任意の数の製造作業202を管理するため、
図2の製造システム208を使用して実装しうる。
【0131】
このプロセスは、製造作業が実施されることになっている加工対象物をセルに移動することによって開始される(作業1000)。このセルは製造作業が実施される領域である。このセルは、例えば、ハンガー、製造施設内の領域、建物、工場内の部屋、又は他の好適な種類の領域であってもよい。
【0132】
このプロセスは、加工対象物上の製造作業を実施するように構成された一群のポータブル機器を移動する(作業1002)。次に、このプロセスは、追尾システムを用いて一群のポータブル機器に関する特性を識別する(作業1004)。
【0133】
作業1004では、追尾システムは、例えば、動作捕捉システムの形態をとりうる。この動作捕捉システムは、一群のポータブル機器及び/又は各ポータブル機器に接続された任意のツールの各々の位置、方向、及び移動を特定するために使用しうる。この例示的な実施例では、作業1004は、実施される製造作業の実施中に加えて、当該製造作業の前後に実施してもよい。
【0134】
このプロセスは、製造作業を実施するために、一群のポータブル機器のうちの任意のポータブル機器を加工対象物上で移動することが必要かどうかを決定する(作業1006)。ポータブル機器の移動は、ポータブル機器自体は移動せずに、ポータブル機器に接続された一又は複数のツールの移動を含みうる。
【0135】
一群のポータブル機器のうちの任意のポータブル機器を移動しなければならない場合には、このプロセスは一群のポータブル機器に関する特性に基づいて加工対象物上で、これらのポータブル機器を移動する(作業1008)。このプロセスは、一群のポータブル機器を用いて製造作業を実施する(作業1010)。
【0136】
このプロセスは実施される製造作業が完了しているかどうかを判断する(作業1012)。製造作業が完了している場合には、このプロセスは終了する。製造作業が完了していない場合には、上述のように作業1006に戻る。
【0137】
この例示的な実施例では、作業1012は作業1010が実施されている間に実施されうる。このようにして、ポータブル機器及び/又はポータブル機器に接続されたツールは、製造作業が実施されるにつれて加工対象物上を移動しうる。例えば、一群のポータブル機器の第一の部分が加工対象物の長さ方向に沿って穿孔を行っている間に、一群のポータブル機器の第二の部分は加工対象物上を移動するにつれて各孔に留め具の取り付けを行いうる。
【0138】
作業1006を再度参照して、一群のポータブル機器を一つも移動する必要がない場合には、プロセスは上述のように作業1010へ進む。
【0139】
次に
図11を参照すると、有利な実施形態に従って加工対象物に穿孔された孔を検査するプロセスのフロー図が示されている。
図11に示されたプロセスは、
図2の製造システム208を用いて実装可能である。
【0140】
このプロセスはプローブと制御装置との間のデータ接続を確立することによって開始される(作業1100)。この例示的な実施例では、プローブは孔の直径の測定に対してデータを生成するように構成されている。プローブはポータブル機器に接続されうる。作業1100の制御装置は、
図2の制御装置212を用いて実装可能である。
【0141】
このプロセスはプローブの較正を行う(作業1102)。幾つかの実施例では、作業1102は作業110に先立て実施されうる。次にこのプロセスは、プローブが加工対象物の孔の上に配置されるようにポータブル機器を加工対象物上で移動する。
【0142】
従って、このプロセスは、加工対象物の孔の直径の測定に対して、プローブが適切なツールかどうかを判断する。プローブが孔の直径の測定に対し適切なツールでない場合には、このプロセスは終了する。すなわち、測定は実施されない。
【0143】
プローブが適切なツールである場合には、プローブは孔の直径の測定に対するデータを生成する(作業1106)。このプロセスは加工対象物上のすべての孔が検査済みかどうかを判断する(作業1107)。加工対象物上のすべての孔が検査済みの場合には、このプロセスは終了する。すべての孔が検査済みでない場合には、このプロセスは加工対象物に対してポータブル機器及び/またはプローブを移動する。作業1108では、検査される別の孔に向かってポータブル機器及び/またはプローブを移動する。
【0144】
このプロセスは、加工対象物に対してポータブル機器及びプローブが移動するにつれて、動作捕捉システムを利用して、プローブ及びポータブル機器の位置、方向、及び移動に関する情報を特定する(作業1110)。この例示的な実施例では、作業1100は作業1108が実施されている間に実施されうる。さらに、加工対象物上のすべての孔が検査されるため、作業1110は連続的に実施してもよい。
【0145】
制御装置は、ポータブル機器及びプローブの位置、方向、及び移動に関する情報を利用して、加工対象物に関連するプローブによりポータブル機器の移動を制御する(作業1112)。従って、上述のようにプロセスは作業1107に戻る。
【0146】
作業1112では、制御装置は、ポータブル機器及び/又は加工対象物に関連するプローブの移動を指示する命令をポータブル機器に送信する。特に、制御装置は、次に検査される最も近い孔を検出するため、プローブの位置、方向、及び移動に関して特定された情報を使用してもよい。次に、制御装置は、ポータブル機器及び/又はプローブを加工対象物に対して、ある一定の距離及び/又は方向に移動するため、ポータブル機器に命令を送信してもよい。
【0147】
この例示的な実施例では、作業1112は作業1108が実施されている間に実施されうる。このようにして、孔の検査を行う際のプローブ付きポータブル機器の加工対象物に対する移動は、全孔の検査に要する時間及び/又は作業を低減するように制御されうる。
【0148】
別の実施形態でのフロー図及びブロック図は、有利な実施形態で実装可能な方法及び装置の構造、機能、及び作業を示している。その際、フロー図又はブロック図の各ブロックは、作業又はステップのモジュール、セグメント、機能及び/又は部分を表わしている。例えば、一又は複数のブロックは、ハードウェア内のプログラムとして、又はプログラムコードとハードウェアの組合せとして実装可能である。ハードウェア内に実装した場合、ハードウェアは、例えば、フロー図又はブロック図の一又は複数の作業を実施するように製造又は構成された集積回路の形態をとりうる。
【0149】
幾つかの有利な実施形態の代替的な実装では、ブロックに記載された機能又は機能群は、図の中に記載の順序を逸脱して現れることがある。例えば、場合によっては、連続して示されている二つのブロックがほぼ同時に実行されること、又は時には含まれる機能によってはブロックが逆順に実施されることもありうる。また、フローチャート又はブロック図に描かれているブロックに加えて他のブロックが追加されることもありうる。
【0150】
次に
図12に注目すると、有利な実施形態に従って図解されたデータ処理システムが示されている。この例示的な実施例では、
図2のコンピュータシステム233、
図4の制御装置410、及び/又は
図4の制御装置426にコンピュータを実装するために、データ処理システム1200を使用しうる。データ処理システム1200は通信ファブリック1202を含み、これによりプロセッサ装置1204、メモリ1206、固定記憶域1208、通信装置1210、入出力(I/O)装置1212、及び表示装置1214の間の通信を可能にする。
【0151】
プロセッサ装置1204は、メモリ1206に読み込まれうるソフトウェアに対する命令を実行するように働く。プロセッサ装置1204は、特定の実装に応じて、任意の数のプロセッサ、マルチプロセッサコア、又は他の形式のプロセッサであってもよい。さらに、プロセッサ装置1204は、単一チップ上でメインプロセッサが二次プロセッサと共存する異種プロセッサシステムを任意の個数だけ使用して実装されてもよい。別の例示的な実施例では、プロセッサ装置1204は同一形式の複数のプロセッサを含む対称型マルチプロセッサシステムであってもよい。
【0152】
メモリ1206及び固定記憶域1208は記憶装置1216の例である。記憶装置は、例えば、限定しないが、データ、機能的な形態のプログラムコード、及び/又は他の好適な情報などの情報を、一時的に及び/又は永続的に保存することができる任意の個数のハードウェアである。記憶デバイス1216は、これらの実施例ではコンピュータで読取可能な記憶デバイスと呼ばれることもある。これらの例では、メモリ1206は、例えば、ランダムアクセスメモリ又は他の好適な揮発性又は不揮発性の記憶装置であってもよい。固定記憶域1208は特定の実装に応じて様々な形態をとりうる。
【0153】
例えば、固定記憶域1208は一又は複数のコンポーネント又はデバイスを含みうる。例えば、固定記憶域1208は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、書換型光ディスク、書換型磁気テープ、又はこれらの組み合わせでありうる。固定記憶域1208によって使用される媒体は着脱式であってもよい。例えば、着脱式ハードディスクドライブは固定記憶域1208に使用しうる。
【0154】
通信装置1210はこれらの例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの例では、通信装置1210はネットワークインターフェースカードである。通信装置1210は、物理的及び無線の通信リンクのいずれか一方又は両方を使用することによって、通信を提供する。
【0155】
入出力装置1212により、データ処理システム1200に接続可能な他のデバイスによるデータの入力及び出力が可能になる。例えば、入出力装置1212は、キーボード、マウス、及び/又は他の幾つかの好適な入力デバイスを介してユーザ入力への接続を提供することができる。さらに、入出力装置1212は出力をプリンタに送ってもよい。ディスプレイ1214はユーザに情報を表示する機構を提供する。
【0156】
オペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムに対する命令は、通信ファブリック1202を介してプロセッサ装置1204と通信する記憶媒体1216内に配置されうる。これらの例示的な実施例では、命令は固定記憶域1208上の機能的な形態になっている。これらの命令は、プロセッサ装置1204によって実行するため、メモリ1206に読み込まれうる。異なる実施形態のプロセスは、メモリ1206などのメモリに配置されうる命令を実装したコンピュータを使用して、プロセッサ装置1204によって実行されうる。
【0157】
これらの命令は、プログラムコード、コンピュータで使用可能なプログラムコード、又はコンピュータで読込可能なプログラムコードと呼ばれ、プロセッサ装置1204内のプロセッサによって読込及び実行されうる。異なる実施形態のプログラムコードは、メモリ1206又は固定記憶域1208など、異なる物理的な又はコンピュータで読込可能な媒体上に具現化しうる。
【0158】
プログラムコード1218は、選択的に着脱可能でコンピュータで読込可能な媒体1220上に機能的な形態で配置され、プロセッサ装置1204での実行用のデータ処理システム1200に読込み又は転送することができる。プログラムコード1218及びコンピュータで読込可能な媒体1220は、これらの実施例ではコンピュータプログラム製品1222を形成する。一つの実施例では、コンピュータで読込可能な媒体1220は、コンピュータで読取可能な記憶媒体1224又はコンピュータで読取可能な信号媒体であってもよい。コンピュータで読込可能な記憶媒体1224は、例えば、固定記憶域1208の一部であるハードディスなどのように、記憶デバイス上に転送するための固定記憶域1208の一部であるドライブ又は他のデバイスに挿入又は配置される光ディスク又は磁気ディスクなどを含みうる。
【0159】
コンピュータで読込可能な記憶媒体1224はまた、データ処理システム1200に接続されているハードディスクドライブ、サムドライブ、又はフラッシュメモリなどの固定記憶域の形態をとりうる。幾つかの例では、コンピュータで読込可能な記憶媒体1224はデータ処理システム1200から着脱可能ではないことがある。これらの実施例では、コンピュータで読込可能な記憶媒体1224は、プログラムコード1218を伝搬又は転送する媒体よりはむしろプログラムコード1218を保存するために使用される物理的な又は有形の記憶デバイスである。コンピュータで読込可能な記憶媒体1224は、コンピュータで読込可能な有形の記憶デバイス又はコンピュータで読込可能な物理的な記憶デバイスと呼ばれることもある。すなわち、コンピュータで読込可能な記憶媒体1224は、人が触れることのできる媒体である。
【0160】
代替的に、プログラムコード1218はコンピュータで読込可能な信号媒体1226を用いてデータ処理システム1200に転送可能である。コンピュータで読込可能な信号媒体1226は、例えば、プログラムコード1218を含む伝播されたデータ信号であってもよい。例えば、コンピュータで読込可能な信号媒体1226は、電磁信号、光信号、及び/又は他の好適な形式の信号であってもよい。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、有線、及び/又は他の好適な形式の通信リンクなどの通信リンクによって転送されうる。通信リンク及び/又は接続は、例示的な実施例で物理的なもの又は無線によるものでありうる。
【0161】
幾つかの例示的な実施形態では、プログラムコード1218は、データ処理システム1200内で使用するため、コンピュータで読込可能な媒体1226を介して他のデバイス又はデータ処理システムから、ネットワークを介して固定記憶域1208へダウンロードすることができる。例えば、サーバーデータ処理システムのコンピュータで読取可能な記憶媒体に保存されたプログラムコードは、ネットワークを介してサーバーからデータ処理システム1200にダウンロードすることができる。プログラムコード1218を提供するデータ処理システムは、サーバーコンピュータ、クライアントコンピュータ、又はプログラムコード1218を保存及び転送することができる他のデバイスであってもよい。
【0162】
データ処理システム1200に対して例示されている異なるコンピュータは、異なる実施形態が実装しうる方法に対して構造上の制限を設けることを意図していない。異なる有利な実施形態は、データ処理システム1200に対して図解されているコンポーネントに対して追加的又は代替的なコンポーネントを含むデータ処理システム内に実装しうる。
図12に示した他のコンポーネントは、本明細書に示した例示的な実施例から異なることがある。異なる実施形態は、プログラムコードを実行しうる任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実装しうる。
【0163】
別の例示的な実施例では、プロセッサ装置1204は、特定の用途のために製造又は構成されたハードウェア装置の形態をとってもよい。この形式のハードウェアは、作業を実施するために構成される記憶デバイスからメモリにプログラムコードを読み込まずに作業を実施することができる。
【0164】
例えば、プロセッサ装置1204がハードウェア装置の形態をとる場合、プロセッサ装置1204は回路システム、特定用途向け集積回路(ASIC )、プログラマブル論理デバイス、又は任意の数の作業を実施するために構成された他の好適な形式のハードウェアであってもよい。プログラマブル論理デバイスにより、デバイスは任意の数の作業を実施するように構成されている。このデバイスはその後再構成すること、又は任意の数の作業をじっしするために永続的に構成することができる。プログラマブル論理デバイスの例は、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイロジック、フィールドプログラマブルロジックアレイ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び他の好適なハードウェアデバイスを含む。この形式の実装により、異なる実施形態のプロセスはハードウェア装置に実装されるため、プログラムコード1218は除外されうる。
【0165】
さらに別の例示的な実施例では、プロセッサ装置1204は、コンピュータ及びハードウェア装置の中に見出されるプロセッサの組み合わせを利用して実装可能である。プロセッサ装置404は、任意の数のハードウェア装置及びプログラムコード1218を実行するように構成されている任意の数のプロセッサを有していてもよい。ここに描かれている実施例では、プロセスの一部は任意の数のハードウェア装置に実装することが可能であるが、一方、他のプロセスは任意の数のプロセッサに実装可能である。
【0166】
他の実施例では、バスシステムが通信システムファブリック1202を実装するために使用可能で、システムバス又は入出力バスなどの一又は複数のバスを含みうる。言うまでもなく、このバスシステムは、当該バスシステムに結合された様々なコンポーネント又はデバイス間でのデータ転送を可能にする、好適な形式のアーキテクチャを用いて実装することができる。
【0167】
本発明の実施形態は、
図13に示す航空機の製造及び保守方法1300、及び
図14に示す航空機1400に照らし使用することができる。次に
図13に注目すると、有利な実施形態に従って図解された航空機の製造及び保守の方法が示されている。製造前の段階では、航空機の製造及び保守方法1300は、航空機14の仕様及び設計1302及び材料の調達1304を含みうる。
【0168】
製造段階では、コンポーネント及びサブアセンブリの製造1306と、
図14の航空機1400のシステムインテグレーション1308とが行われる。したがって、
図14の航空機1400は運航1312に供するために、認可及び納品1310が行われうる。顧客により運航1312される間に、
図14の航空機1400は定期的な整備及び保守1314(改造、再構成、改修なども含みうる)が予定されている。
【0169】
航空機の製造及び保守方法1300の各プロセスは、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレータによって実施又は実行されうる。これらの実施例では、オペレータは顧客であってもよい。本明細書の目的のために、システムインテグレーターは、限定しないが、任意の数の航空機製造者、及び主要システムの下請業者を含むことができ、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むことができ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0170】
次に
図14を参照すると、有利な実施形態で実装されうる航空機を示したものである。この実施例では、
図13の航空機の製造及び保守方法1300によって製造された航空機1400は、複数のシステム1404及び内装1406を有する機体1402を含みうる。システム1404の例は、推進システム1408、電気システム1410、油圧システム1412、及び環境システム1414のうちの一又は複数を含む。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙産業の例を示したが、自動車産業などの他の産業にも種々の有利な実施形態を適用しうる。
【0171】
本明細書で具現化した装置及び方法は、
図13の航空機の製造及び保守方法1300の一又は複数の段階で使用可能である。一つの例示的な実施例では、
図13のコンポーネント及びサブアセンブリの製造1306で製造されるコンポーネント又はサブアセンブリは、
図13で航空機1400の運航中1312に製造されるコンポーネント又はサブアセンブリと同様の方法で作製又は製造しうる。さらに別の実施例では、任意の数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、
図13のコンポーネント及びサブアセンブリの製造1306並びにシステムインテグレーション1308などの製造段階で利用可能である。
【0172】
任意の数の装置の実施形態、方法の実施形態、又はこれらの組み合わせは、
図13で航空機1400が運行中1312及び/又は整備及び保守1314の段階で利用可能である。任意の数の種々の有利な実施形態の利用は、航空機1400の組立て及び/又はコスト削減を大幅に促進しうる。一つの例示的な実施例では、航空機1400の部品交換の実施に必要となる部品を製造するため、整備及び保守1314の段階で使用しうる
図2の製造システム208は、航空機1400の性能向上、航空機1400の再構成、及びその他の作業を実施する。
【0173】
したがって、種々の有利な実施形態は、製造作業の管理のための方法及び装置を提供する。一つの有利な実施形態では、装置は追尾システム及び該追尾システムとの通信の制御装置を含む。追尾システムは、加工対象物上での任意の数の製造作業を実施するように構成された一群のポータブル機器に関する特性を特定するように構成されている。制御装置は、追尾システムを用いて特定された一群のポータブル機器に関する特性を利用して、加工対象物上での任意の数の製造作業の実施を制御するように構成されている。
【0174】
このようにして、一又は複数の種々の有利な実施形態は、製造作業を実施する際に、加工対象物に対してポータブル機器を移動するために必要となる時間及び/又は労力を低減する製造作業管理のためのシステムを提供する。特に、種々の有利な実施形態は、製造システム208のような製造システムからの支援なしでこれらの機器を移動する人間オペレータと比較して、より正確かつ効率的に加工対象物に対するポータブル機器の移動を指示するシステムを提供する。
【0175】
本発明の説明は、例示及び説明を目的として提示されているものであり、網羅的な説明であること、又は開示された形態に本発明を限定することを意図していない。当業者には、多数の修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態とは別の利点を提供することができる。選択された一又は複数の実施形態は、本発明の原理、実際の用途を最もよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施形態の開示と、考慮される特定の用途に適した様々な修正との理解を促すために選択及び記述されている。