(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
自動車等が通行するような広い間口の門には、下記の特許文献1に示すように門扉が移動する地面に溝を掘って、該溝に門扉の下部に設けられるローラを支承するレールを敷設したレール式の門扉装置が従来から広く使用されている。
【0003】
そして、このようなレール式の門扉装置は、重量が重くなる大型の門扉の荷重にも耐えられ、門扉の移動方向や移動中の姿勢がレールによって規制されるため、主に重量の重い大型のスライド式の門扉に好適な構造になっている。
【0004】
又、このようなレール式の門扉装置の中には、
図11及び
図12に示すように門の開閉方向A、Bにスライド可能な複数の門扉要素110a〜110dを門扉要素110a〜110dの厚さ方向Cに重ね合わせた状態で係合連結した構造の繰り出し式門扉装置101が存在する。
【0005】
上記繰り出し式門扉装置101の構造は、図示の如く、複数の門扉要素、例えば4枚の門扉要素110a〜110dと、これらの門扉要素110a〜110dの繰り出し方向Bの先端部と、最後尾の門扉要素110dの繰り出し方向Bの後端部を固定した状態で支承する5組の移動台車120a〜120eとを備えることによって基本的に構成されている。
【0006】
そして、最後尾の門扉要素110dを除く、残りの門扉要素110a〜110cの繰り出し方向Bの後端部は、夫々後方に位置する次の移動台車120b〜120dの上面に摺接状態で載置されるように構成されている。
【0007】
又、上記5組の移動台車120a〜120eの左右の端部には一対のローラ130a〜130eが各別に設けられている。又、上記ローラ130a〜130eの軌道上の地面GLには、該軌道に沿って延びる2本の溝150、150が平行に形成されており、これら2本の溝150、150内に1本ずつ計2本のレール140、140が敷設されている。
【0008】
そして、これら2本のレール140、140上には、上述した一対のローラ130a〜130eが係合した状態で載置されるように構成されている。
【0009】
又、このようにして構成される繰り出し式門扉装置101は、門を閉める時、繰り出し端の門扉要素110aを繰り出し方向Bに引き出すと、係合連結されている後続の門扉要素110b〜110dを引き連れて順次繰り出し方向Bに展開した状態になって当該門を閉鎖する。
【0010】
一方、門を開ける時には、繰り出し端の門扉要素110aを引き込み方向Aに押し込むと、係合連結されている後続の門扉要素110b〜110dを次々と押し込んで、すべての門扉要素110a〜110dが厚さ方向Cに重なった収納状態になって門を開放する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
(1)しかし、門扉装置の設置部位の地面にレール用溝やレールを設けると段差が生じて車椅子等の使用が困難になったり、ハイヒール等の靴の踵が溝に嵌まったり、段差につまずいて転倒する等の危険を伴なう。
(2)又、上記溝を形成したり、レールを敷設するための工事が必要になるため施工コストの増大や工期の長大化を招来する。
【0013】
又、上記溝には砂や石、落ち葉等が入り込んだり、雪国では雪が入って付着するため、上記砂や石、落ち葉あるいは雪等を取り除くための定期的な掃除や除雪作業が必要になる。
(3)又、上記レールとローラは金属製のものが使用されており、レールは軽量なタイプのレールが使用されていたため、門扉の開閉時、門扉が揺れながら走行することにより不快な金属同士の接触音が発生していた。
【0014】
そこで、本発明が解決しようとする課題を要約すると、広い間口の門に対して適用でき、門扉装置の設置部位の地面に段差がなく安全でメンテナンスが容易で、開閉時に異音が発生しない円滑な開閉操作が可能な繰り出し式門扉装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1記載の繰り出し式門扉装置は、門の開閉方向にスライド可能な複数の門扉要素を門扉要素の厚さ方向に重ね合わせた状態で係合連結した構造の繰り出し式門扉装置において、繰り出し時に後続の門扉要素を引き連れて順番に繰り出され、引き込み時に後続の門扉要素を押し込んで順次重ね合わせた状態で収納される複数の門扉要素(10)と、前記夫々の門扉要素(10)の下部に取り付けられ、直接地面(GL)上に接地して転動する車輪(30)を有する移動台車(20)と、を備え、
前記繰り出し方向B前方の門扉要素(10)と、繰り出し方向B後方の次の門扉要素(10)を支承する移動台車(20)との間には、上記繰り出し方向B前方の門扉要素(10)の姿勢を保持して門扉要素(10)の開閉方向(A、B)への移動を案内する軌道設定用のガイド機構(40)が設けられていることを特徴とする。
【0016】
又、前記軌道設定用のガイド機構(40)は、繰り出し方向(B)前方の門扉要素(10)の下部に設けられる開閉方向(A、B)に沿って水平に延びるガイドレール(41)と、前記繰り出し方向(B)後方の次の門扉要素(10)を支承する移動台車(20)に対して設けられているガイドローラユニット(42)とを備えることによって構成されていてもよい。
【0017】
又、前記ガイドローラユニット(42)は、移動台車20に対して固定状態で取り付けられるローラ支持ブラケット(43)と、前記ローラ支持ブラケット(43)に対して回転可能な状態で取り付けられる単一のガイドローラ(44)とを備えることによって構成されていてもよい。
【0018】
又、前記ガイドローラユニット(42)は、移動台車(20)に対して固定状態で取り付けられるローラ支持ブラケット(43)と、前記ローラ支持ブラケット(43)に対して回転可能な状態で開閉方向(A、B)のずれた位置に取り付けられる複数のガイドローラ(44)とを備えることによって構成されていてもよい。
【0019】
又、前記移動台車(20)は、使用するすべての門扉要素(10)を載置するのに十分な長さの前記門扉要素(10)の厚さ方向(C)に延びる載置台(21)と、前記載置台(21)の左右両端部の下方に設けられる支持ブラケット(22)によって回転自在に支持された一対の車輪(30)とを備えることによって構成されていてもよい。
【0020】
又、前記繰り出し方向(B)前方の門扉要素(10)と、該門扉要素(10)と重ね合わされる繰り出し方向(B)後方の次の門扉要素(10)との間には、互いの門扉要素(10)を係合連結して門扉要素(10)の開閉方向(A、B)への移動を相互的に案内する係合連結用のガイド機構(50)が設けられていてもよい。
【0021】
又、前記係合連結用のガイド機構(50)は、繰り出し方向(B)前方の門扉要素(10)の後端部または繰り出し方向(B)後方の門扉要素(10)の前端部における前面側乃至後面側に突出した状態で設けられるガイドローラユニット(52)と、前記繰り出し方向(B)後方の次の門扉要素(10)または繰り出し方向(B)前方の一つ前の門扉要素(10)における後面側乃至前面側に設けられる開閉方向(A、B)に沿って水平に延びるガイド溝(51)とを備えることによって構成されていてもよい。
【0022】
又、前記係合連結用のガイド機構(50)は、係合連結される門扉要素(10)の上下方向(Z)の複数個所に亘って設けられていてもよい。
又、前記車輪(30)は、合成樹脂又は合成ゴムによって形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の繰り出し式門扉装置によれば、次に示す効果がある。
(1)先ず、夫々の門扉要素を開閉方向に移動させる移動台車の移動実行手段として、直接地面上に接地して転動する車輪を採用したから、従来のレール式の門扉装置において該門扉装置の設置部位に設けられていたレールとレール用溝が不要になる。従って、開閉方向に移動する門扉要素下方の地面が段差のないフラットな状態になるため、車椅子等での走行が楽になり、ハイヒール等の靴の踵が溝に嵌まったり、引っ掛る危険性がなくなる。
(2)又、レールの敷設工事と溝の掘削工事が不要になるから、レールとレール用溝の施工コストを削減でき、工期の短縮が図られる。
【0024】
又、従来行っていた溝に入った砂や石、落ち葉等を取り除いたり、レールに付着した雪の除雪作業が不要になるから、繰り出し式門扉装置のメンテナンスが容易になる。
(3)又、従来門扉装置の開閉時において金属製のレール上を金属製のローラが走行することによって生じていた耳障りな接触音がなくなるから、門扉装置の開閉時の静音化が図られ、近隣住民等に迷惑をかけることもない。
【0025】
又、レールを廃止したことにより、門扉要素が移動する際の軌道性の低下や移動時の門扉要素に上下方向の傾きが発生することが懸念されるが、新に設けた軌道設定用のガイド機構(40、50;
図5、6、9参照)によって良好な軌道性と移動時の門扉要素の姿勢の保持とが図られている。
(4)又、上記軌道設定用のガイド機構を、繰り出し方向前方の門扉要素の下部に設けられるガイドレールと、繰り出し方向後方の次の門扉要素を支承する移動台車に設けられるガイドローラユニットとを備えることによって構成した場合には、車輪の軌道を設定するのに最適な車輪に近い門扉要素の下部において門扉要素が案内されるから、門扉要素が移動中、門扉要素の下部が厚さ方向にふらつく等の不安定な走行が防止されて門扉要素の軌道性が向上する。
【0026】
又、軌道設定用のガイド機構の構造が簡単になり、門扉要素下部のスペースを有効利用してコンパクトに軌道設定用のガイド機構を収容できるようになる。
(5)又、ガイドローラユニットをローラ支持ブラケットと単一のガイドローラとを備えることによって構成した場合には、コンパクトなガイドローラユニットが提供できるようになり、すべての門扉要素が重なった時の繰り出し式門扉装置の収納状態がよりコンパクトになる。
【0027】
一方、ガイドローラユニットをローラ支持ブラケットと開閉方向のずれた位置に取り付けられる複数のガイドローラユニットとを備えることによって構成した場合には、当該ガイドローラユニットによって支持されるガイドレールを有する門扉要素の姿勢が更に安定し、門扉要素の上下方向の傾きが一層防止される。
(6)又、移動台車を使用するすべての門扉要素を載置できる長さの門扉要素の厚さ方向に延びる載置台と、該載置台の左右両端部の下方に設けられる支持ブラケットによって支持された一対の車輪とを備えることによって構成した場合には、すべての門扉要素を重ね合わせて収納状態にした時、夫々の門扉要素は、複数の載置台によって開閉方向の複数の点で支持されるから、繰り出し門扉装置の収納状態での姿勢が安定する。
(7)又、繰り出し方向前方の門扉要素と繰り出し方向後方の次の門扉要素との間に門扉要素の開閉方向への移動を相互的に案内する係合連結用のガイド機構を設けた場合には、重ね合わせて収納される門扉要素間の間隔が一定になり、対向して配置される門扉要素の平行度が向上して門扉要素の移動が円滑になる。
【0028】
そして、上記係合連結用のガイド機構を繰り出し方向前方の門扉要素の後端部または繰り出し方向後方の門扉要素の前端部における前面側乃至後面側に突出した状態で設けられるガイドローラユニットと、繰り出し方向後方の次の門扉要素または繰り出し方向前方の一つ前の門扉要素における後面側乃至前面側に水平に設けられるガイド溝とを備えることによって構成した場合には、重ね合わせて収納される門扉要素間の間隔を極力小さく保って門扉要素の厚さ方向にコンパクトな繰り出し式門扉装置を提供できるようになる。
(8)又、上記係合連結用のガイド機構を係合連結される門扉要素の上下方向の複数個所に亘って設けた場合には、門扉要素の前面側乃至後面側への倒れが防止されて門扉要素の直立姿勢が維持されるから門扉要素の移動が一層、円滑になる。
【0029】
又、移動台車に取り付けた車輪を合成樹脂又は合成ゴムによって形成した場合には、当該車輪が地面上を転がる時に発生する音が小さくなり、繰り出し式門扉装置の移動時の一層の静音化が図られるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る繰り出し式門扉装置の構造を
図1乃至
図10に示す実施の形態を例にとって具体的に説明する。
尚、本発明の繰り出し式門扉装置1は、自動車等が通行するような広い間口の門に好適な門扉装置であって、門の開閉方向A、Bにスライド可能な複数の門扉要素10a〜10eを門扉要素10の厚さ方向Cに重ね合わせた状態で係合連結した構造を有している。
【0032】
具体的には、繰り出し時に後続の門扉要素10b〜10dを引き連れて順番に繰り出され、引き込み時に後続の門扉要素10b〜10dを押し込んで順次重ね合わせた状態で収納される複数の門扉要素10a〜10eと、前記夫々の門扉要素10a〜10eの下部に取り付けられ、直接地面GL上に接地して転動する車輪30を有する移動台車20a〜20fとを備えることによって本発明の繰り出し式門扉装置1は基本的に構成されている。
【0033】
そして、本発明の繰り出し式門扉装置1には、繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dと、繰り出し方向B後方の次の門扉要素10b〜10eを支承する移動台車20b〜20eとの間に、上記繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dの姿勢を保持して門扉要素10a〜10dの開閉方向A、Bへの移動を案内する軌道設定用のガイド機構40a〜40dが設けられている。
【0034】
図示の実施の形態では、5枚の門扉要素10a〜10eを備えている。
図2及び
図3中、左端に位置する繰り出し方向Bの最前列には、繰り出し式門扉装置1を開閉操作する時に直接、手を掛ける取手11を備えた門扉要素10aが設けられており、この門扉要素10aが一番奥部(
図3中上方)に設けられている。
【0035】
以下、順番に繰り出し方向Bの2列目に門扉要素10b、繰り出し方向Bの3列目に門扉要素10c、繰り出し方向Bの4列目に門扉要素10d、繰り出し方向Bの5列目に門扉要素10eが夫々設けられており、これらの門扉要素10b〜10eは、
図3及び
図4に示すように門扉要素10の厚さtに所定の間隔eを加えたピッチでその一部が重ね合わされた状態で順次前面側に位置し、最前面に上記繰り出し方向Bの5列目の門扉要素10eが位置するように構成されている。
【0036】
門扉要素10a〜10eは、金属製の角パイプを矩形枠状に組み立てた外形枠12と、該外形枠12の内部に設けられる上記外形枠12より口径の小さな同じく金属製の角パイプを幅方向に一定ピッチで複数本棚状に並べた補強枠13(
図1、2、4)とを備えることによって一例として構成されている。
【0037】
又、繰り出し方向Bの最前列の門扉要素10aの先端部の前面と、繰り出し方向Bの5列目の門扉要素10eの後端部の後面には、夫々、前方ないし後方に張り出した同じく金属製の角パイプによって構成される一例として逆L字形をしたガード14a、14e(
図1)が設けられている。
【0038】
そして、繰り出し方向Bの最前列から4列目までの門扉要素10a〜10dが開閉方向A、Bにスライドする移動式の門扉要素10であり、繰り出し方向Bの5列目の門扉要素10eは、基点Oとなる所定の位置に
図2に示すように断面形状が一例としてL字形をしたゲート固定板15(
図2、3)を利用して固定される固定式の門扉要素10になっている。
【0039】
又、図示の実施の形態では、6組の移動台車20a〜20fを備えている。
図2及び
図3中、左端に位置する移動台車20aは、上述した繰り出し方向Bの最前列に位置する門扉要素10aを支承して当該門扉要素10aと一体になって移動する移動台車20である。
【0040】
以下、同様に左端から2番目に位置する移動台車20bは、繰り出し方向Bの2列目の門扉要素10bと一体になって移動する移動台車20、左端から3番目に位置する移動台車20cは、同3列目の門扉要素10cと一体になって移動する移動台車20、左端から4番目に位置する移動台車20dは、同4列目の門扉要素10dと一体になって移動する移動台車20である。
【0041】
又、左端から5番目と6番目に位置する移動台車20e、20fは、上述した繰り出し方向Bの5列目の固定式の門扉要素10eに固定される移動台車で、上述したゲート固定板15を利用して基点Oで繰り出し方向Bの5列目の門扉要素10eを固定した設置状態では基本的に移動しない移動台車である。
【0042】
ただし、繰り出し式門扉装置1を設置したり取り外す時あるいはメンテナンス時には、上記ゲート固定板15を取り外して上記左端から5番目と6番目に位置する移動台車20e、20fも門扉要素10a〜10eの移動手段として使用する。
【0043】
これらの移動台車20a〜20fは、使用するすべての門扉要素10a〜10eを載置するのに十分な長さの載置台21(
図1、4、6)と、これらの載置台21の左右両端部の下方に設けられる一例として門型をした支持ブラケット22(
図1、2、5)と、該支持ブラケット22によって回転自在に支持された一対の車輪30(
図1)とを備えることによって基本的に構成されている。
【0044】
又、図示の実施の形態では上記車輪30を直接する支持する車軸23(
図5、6)と、該車軸23を円滑に回転させるためのベアリング24が同じく左右一対設けられている。又、上記車輪30は、一例として合成樹脂又は合成ゴムによって形成されており、地面GLに接地して車輪30が転動する時の異音の発生を防止している。
【0045】
又、上記載置台21は、両端が閉塞された一例として金属製の角パイプによって構成されており、該載置台21は、地面GLと平行に門扉要素10の厚さ方向Cに延びるように配置されている。
【0046】
又、
図3及び
図4中、左端に位置する載置台21には、上下に貫通する図示しない孔部が設けられており、該孔部に上方から落し棒25(
図4)を落とし込むことによって地面GLに形成されている係止孔26(
図4)に対して上記落し棒25の先端を係止させることができ、門扉要素10a〜10dを展開した状態で門扉要素10a〜10dの移動を規制して門の閉鎖状態を保持し得るように構成されている。
【0047】
この他、上述した逆L字形をした繰り出し方向Bの前後のガード14a、14e(
図1)は、その一端が上述した繰り出し方向Bの最前列の門扉要素10a乃至上述した繰り出し方向Bの5列目の門扉要素10eに固定されており、これらの他端が上述した左端の移動台車20aにおける載置台21乃至左端から6番目の移動台車20fにおける載置台21に固定されている。
【0048】
又、上記ゲート固定板15(
図2、3)は、上述した左端から6番目(即ち、最右端)の移動台車20fとその近傍の地面GLとの間に図示しないアンカーボルト等を使用して固定される。
【0049】
又、軌道設定用のガイド機構40(
図5、6)は、繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dの下部に設けられる開閉方向A、Bに沿って水平に延びる一例としてステンレス鋼製で角棒状のガイドレール41と、上記繰り出し方向B後方の次の門扉要素10b〜10eを支承する移動台車20b〜20eに対して設けられているガイドローラユニット42b〜42eとを備えることによって構成されている。
【0050】
そして、上記移動台車20bに設けられているガイドローラユニット42bは、当該移動台車20bに対して固定状態で取り付けられるローラ支持ブラケット43bと、該ローラ支持ブラケット43bに対して回転可能な状態で開閉方向A、Bのずれた位置に取り付けられる一例としてステンレス鋼製で中央に凹部67(
図6)を有する2個のガイドローラ44a、44bとを備えることによって構成されている。
【0051】
又、上記ローラ支持ブラケット43bは、一例としてステンレス鋼製で
図6乃至
図8に示すように底板部45と、該底板部45の上面から所定の間隔を隔てて垂直に上方に立ち上げられている左右一対の支持板46、46と、上記底板部45の基端部の上面から垂直に立ち上げられ、その前面の一部が上記支持板46、46の基端面と接合されている左右一対の取付け板47、47とを備えることによって構成されている。
【0052】
そして、上記2枚の取付け板47、47には、上記移動台車20bの載置台21の前面に刻設されている図示しないネジ孔に螺合する取付けボルト48(
図6、8)を取り付けるための取付け孔49が上下に1個ずつ左右に一対形成されている。
【0053】
又、上記2枚の支持板46、46には、軸心を一致させた孔部61、61(
図8)が形成されており、該孔部61、61の一方の外方から軸部63を挿入し、上記2枚の支持板46、46間に配置された上記ガイドローラ44を貫通して他方の支持板46に形成された孔部61から他方の外部に上記軸部63の先端を突出させて適宜の係止部材65(
図5)を使用して上記軸部63を係止するという構成が採用されている。
上記の如く、取付け板47、47が、上記移動台車20bの載置台21の上面でなく前面に取付けられるから、図6に示す如く、ガイドローラ44は軸部63の回転中心が少なくとも載置台21の上面より低い位置になるように配置される。
【0054】
そして、
図5及び
図6に示す如く、上記ガイドローラ44a、44bの夫々の中央に形成されている凹部67に対して上記門扉要素10aのガイドレール41が係合し、該ガイドレール41によって設定される軌道を維持しながらガイドローラ44a、44bが転動してガイドレール41の移動を案内するように構成されている。
【0055】
これに対して、上記移動台車20c〜20eに設けられているガイドローラユニット42c〜42eは、
図10に示すようにこれらの移動台車20c〜20eに対して固定状態で取り付けられるローラ支持ブラケット43c〜43eと、これらのローラ支持ブラケット43c〜43eに対して夫々、回転可能な状態で1個ずつ取り付けられているガイドローラ44とを備えることによって構成されている。
【0056】
そして、上記ローラ支持ブラケット43c〜43eの構造は、上述したローラ支持ブラケット43bと基本的に同じであるが、ガイドローラ44が1個のみ設けられている構成であることから上記ローラ支持ブラケット43bよりも底板部45と支持板46の長さが短いコンパクトなローラ支持ブラケット43になっている。
【0057】
又、図示の実施の形態では、上記繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dと、これらの門扉要素10a〜10dと重ね合わされる繰り出し方向B後方の次の門扉要素10b〜10eとの間に、互いの門扉要素10aと10b、10bと10c、10cと10d、10dと10eを係合連結して、これらの門扉要素10a〜10dの開閉方向A、Bへの移動を相互的に案内する係合連結用のガイド機構50が設けられている。
【0058】
係合連結用のガイド機構50は、
図4に示す如く、一例として門扉要素10a〜10dの上下2個所に設けられている。そして、各個所のガイド機構50は、
図9(a)、(b)に示す如く、繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dの後端部における前面側に突出した状態で設けられるガイドローラユニット52a〜52dと、繰り出し方向B後方の次の門扉要素10b〜10eにおける後面側に設けられる開閉方向A、Bに沿って水平に延びるガイド溝51b〜51eとを備えることによって構成されている。
【0059】
又、上記ガイドローラユニット52a〜52dは、一例として門扉要素10a〜10dの後端部に固定状態で取り付けられる
図9(a)(b)に示すような一例としてL字形の断面形状を有するローラ支持ブラケット53と、該ローラ支持ブラケット53に対して回転可能な状態で取り付けられるガイドローラ54とを備えることによって基本的に構成されている。
【0060】
そして、上記ガイドローラ54は、一例としてステンレス鋼製で、中央に溝部56を有しており、該溝部56に対して、同じく一例としてステンレス鋼製で内部に断面矩形状の係合空間57が形成された上記ガイド機構51b〜51eの上縁及び下縁に形成されているレール部58、58が係合することで上記ガイドローラ54の移動を案内し得るように構成されている。
【0061】
又、上記ローラ支持ブラケット53とガイドローラ54との接続は、
図9(a)(b)に示すように回転軸となる段付きボルト69と該段付きボルト69の雄ネジに螺合する二種のナット71によって行われており、上記ガイドローラ54と段付きボルト69の軸部との間にはベアリング73、該ベアリング73と上記ローラ支持ブラケット53のL字状に折り曲げられた翼板部との間にはカラー75、更にカラー75と上記ナット71との間には平ワッシャー77とスプリングワッシャー79とが夫々、設けられている。
【0062】
又、上記ローラ支持ブラケット53の基端部には図示しない取付け孔が刻設されており、該取付け孔に対して外方から取付けボルト81を挿入して上記繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dの後端部における雌ネジが形成された取付け板83の図示しない雌ネジ部に螺合させてローラ支持ブラケット53を上記門扉要素10a〜10dの基端部に固定し得るように構成されている。
【0063】
又、上記ガイド溝51b〜51eの両端は、
図9(a)(b)に示すように当該ガイド溝51b〜51eが取り付けられている上記門扉要素10b〜10eにおける外形枠12の前後の内面に当接することで閉塞されている。
【0064】
又、
図9(b)に示すように繰り出し方向B後方の門扉要素10b〜10eにおける外形枠12における前方の内面と上記繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dの後端部に取り付けられているローラ支持ブラケット53との間には、L字状に折り曲げられた取付けブラケット59を介してクッションゴム55(
図9(b))が設けられている。そして、このクッションゴム55によって上記繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dを一杯に繰り出した時に上記ガイドローラ54が上記門扉要素10b〜10eの外形枠12における前方の内面に衝突しないようにしている。
又、このように各門扉要素10a〜10eは夫々、上下2個所のガイド機構50及び下部のガイド機構40の三点で支持されるから構成及び動作が安定する。
【0065】
次に、このようにして構成される本実施の形態に係る繰り出し式門扉装置1を設置する場合の設置態様と、設置した繰り出し式門扉装置1を使用して門の開閉を行う使用時の動作態様を(1)設置時と(2)閉門時と(3)開門時の3つに分けて説明する。
(1)設置時
繰り出し式門扉装置1を門に設置する場合には、門の間口に合わせて使用する門扉要素10の枚数を設定し、設定した門扉要素10の枚数に合わせて移動台車20と軌道設定用のガイド機構40と係合連結用のガイド機構50の個数を決めて繰り出し式門扉装置1を組み立てる。
【0066】
尚、本発明の繰り出し式門扉装置1は、地面GLに敷設するレールを使用しないノンレール式の門扉装置であるから、繰り出し式門扉装置1の設置部位に溝を掘ったり、レールを敷設する必要はない。
【0067】
次に、組み立てた繰り出し式門扉装置1を移動台車20を利用して設置場所まで運び、基点Oに繰り出し方向B最後列の門扉要素10eを位置させて前述したゲート固定板15(
図2、3)を利用して地面GLに固定すれば繰り出し式門扉装置1の設置が完了する。
(2)閉門時
設置した繰り出し式門扉装置1を使用して門を閉鎖する時には、繰り出し方向Bの最前列の門扉要素10aに設けられている取手11に手を掛けて、当該門扉要素10aを繰り出し方向Bに引き出して展開状態へと移動させる。
【0068】
上記門扉要素10aを繰り出し方向Bに移動させると一組の軌道設定用のガイド機構40と二組の係合連結用のガイド機構50に案内されて係合連結されている後続の門扉要素10bが移動開始し、続いて後続の門扉要素10c〜10dも順次所定の軌道に沿って移動するようになり、最終的に
図2及び
図3中の実線で示すように移動するすべての門扉要素10a〜10dが一杯に繰り出された展開状態に移行する。
【0069】
そして、移動するすべての門扉要素10a〜10dが一杯に繰り出された展開状態に移行することによって、当該門は閉鎖状態になり、当該門の閉鎖状態を保持する場合には、前述した落し棒25を
図3及び
図4中、左端に位置している先頭の移動台車20aの載置台21に形成されている孔部に上方から落とし込んでその先端を地面GLに形成されている係止孔26に挿入して係止させる。
【0070】
尚、上記門扉要素10a〜10dが移動している状態及び展開状態に移行した状態では、上記門扉要素10a〜10dの先端部は、当該先端部に固定されている繰り出し方向B前方の移動台車20a〜20dによって支持されており、上記門扉要素10a〜10dの後端部は、繰り出し方向B後方の次の移動台車20b〜20eの載置台21と、当該載置台21に取り付けられている軌道設定用のガイド機構40b〜40eのガイドローラ44a、44b及びガイドローラ44とによって支持されている。
(3)開門時
繰り出し式門扉装置1によって閉鎖されている門を開放する場合には、上述した落し棒25を上方に引き抜いて移動するすべての門扉要素10a〜10dを移動可能な状態にする。
【0071】
次に、上記閉門時と同様、繰り出し方向B最前列の門扉要素10aの取手11に手を掛けて、引き込み方向Aに力を加えて押し込んで行く。
上記門扉要素10aを引き込み方向Aに移動させると一組の軌道設定用のガイド機構40と二組の係合連結用のガイド機構50に案内されて係合連結されている後続の門扉要素10bが引き込み方向Aへ移動開始し、続いて後続の門扉要素10c〜10dも順次所定の軌道に沿って移動するようになり、最終的に
図3中の仮想線で示す、すべての門扉要素10a〜10bが前後に重なり合った収納状態に移行する。
【0072】
そして、すべての門扉要素10a〜10dが重なり合った収納状態に移行することによって、当該門は開放状態になる。
尚、上記門扉要素10a〜10dの移動中は上記開門時と同様、各門扉要素10a〜10eは、繰り出し方向B前方の移動台車20a〜20dと、繰り出し方向B後方の移動台車20b〜20eの載置台21と、当該載置台21に取り付けられている軌道設定用のガイド機構40b〜40eのガイドローラ44a、44b及びガイドローラ44とによって支持されており、
図3中、仮想線で示す収納状態に移行した状態では、その繰り返し方向B後方の一組乃至複数組の移動台車20c〜20eの載置台21と、軌道設定用のガイド機構40c〜40eのガイドローラ44とが加わって、更に多くの支点で支持されるようになる。
【0073】
このような構成の本実施の形態に係る繰り出し式門扉装置1によれば、広い間口の門に対してノンレール式の門扉装置が適用できるようになり、門扉装置の設置部位の地面GLに段差を有しない安全でメンテナンスが容易で、開閉時に異音が発生しない円滑な開閉操作が可能な繰り出し式門扉装置を提供できるようになる。
【0074】
以上が本発明の基本的な実施の形態であるが、本発明の繰り出し式門扉装置1は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略、あるいは当事者において周知、慣用の技術を追加することが可能である。
【0075】
例えば、門扉要素10、移動台車20、軌道設定用のガイド機構40、係合連結用のガイド機構50の数は、適用する門の間口の大きさに合わせて適宜増減することが可能であり、広い間口の門に対しては、本発明の繰り出し式門扉装置1を向い合わせにして二組配設することも可能である。
【0076】
又、上記移動台車20に対して取り付けられる地面GL上に接地して転がる車輪30の大きさや個数あるいは材質は、適用する地面GLの状態や門扉要素10の大きさ乃至重量に応じて適宜変更することが可能である。従って、土のような柔らかな地面GLであれば金属製の車輪30を使用することも可能である。
【0077】
又、軌道設定用のガイド機構40のガイドローラユニット42に適用されるガイドローラ44は、そのすべてを単一のガイドローラ44によって構成したり、そのすべてを2個のガイドローラ44によって構成することが可能であり、ガイドローラ44を3つ以上設けることも可能である。
【0078】
又、門扉要素10の前後の配列を逆にして繰り出し方向B最前列の門扉要素10aを手前に配置し、基点Oに固定される門扉要素10eが奥部側に位置するように配置することも可能である。
【0079】
そして、この場合には、係合連結用のガイド機構50(
図9)の前後の配列を逆にして、繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dの後端部の後面側にガイドローラユニット52を配置し、繰り出し方向B後方の次の門扉要素10b〜10eにおける前面側にガイド溝51を配置することが可能である。
【0080】
又、係合連結用のガイド機構50のガイドローラユニット52とガイド溝51の開閉方向A、Bでの配列を逆にして、繰り出し方向B後方の門扉要素10b〜10eの前端部にガイドローラユニット52を配置し、繰り出し方向B前方の一つ前の門扉要素10a〜10dに対してガイド溝51を配置することも可能である。
【0081】
又、係合連結用のガイド機構50は、門扉要素10の上下の2ヶ所(
図4)に設ける他、門扉要素10の上部の1ヶ所のみに設けたり、門扉要素10の上下方向Zの適宜の位置に複数設けることが可能である。
【0082】
この他、上述したクッションゴム55は、繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dを繰り出し端に移動させた時に作用する上述したガイド溝51の一端部のみに設ける他、繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dを引き込み端に移動させた時に作用するガイド溝51の他端部に設けたり、ガイド溝51の一端部と他端部の両方に設けることが可能である。
【0083】
又、上記繰り出し方向B前方の門扉要素10a〜10dを引き込み端に移動させた時に作用するクッションゴム55は、上記移動台車20の載置台21における繰り出し方向Bの前面乃至後面に設けることも可能である。